JP2013213164A - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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JP2013213164A JP2012085057A JP2012085057A JP2013213164A JP 2013213164 A JP2013213164 A JP 2013213164A JP 2012085057 A JP2012085057 A JP 2012085057A JP 2012085057 A JP2012085057 A JP 2012085057A JP 2013213164 A JP2013213164 A JP 2013213164A
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誠一 加藤
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Abstract

【課題】低発熱性を向上できるゴム組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、カーボンブラック(B)を含む充填材、及び加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)及び該カーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後、該第一段階の途中で該化合物(C)を加えて更に混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、低発熱性を向上する、カーボンブラックを含むゴム組成物の製造方法に関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出の規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に関する要求が高まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤには転がり抵抗の低減が求められている。タイヤの転がり抵抗を低減する手法として、低発熱性のゴム組成物をタイヤに適用する手法が挙げられる。
発熱性の低いゴム組成物を得る手法としては、合成ジエン系ゴムの場合では、ゴム組成物として、カーボンブラック及びシリカとの親和性を高めた重合体を使用する方法(例えば、特許文献1参照)が挙げられる。また、天然ゴムの場合では、天然ゴムを変性させた変性天然ゴムに反応性の高いカーボンブラックを配合する方法(例えば、特許文献2参照)が挙げられる。
特許文献1及び2によれば、カーボンブラックなどの充填材とゴム成分との親和性を高めることにより、ゴム組成物の発熱性を低くすることができる。これにより、ヒステリシスロスの低いタイヤを得ることができる。
しかしながら、自動車の低燃費化が一層進むにつれて、タイヤにも低発熱性の更なる改良が望まれていた。
特開2003−514079号公報 国際公開2007/066689号
本発明は、低発熱性を向上できるゴム組成物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、種々実験的に解析した結果、特定の加硫促進剤を特定の混練方法で用いることにより、カーボンブラックの補強性を更に改良し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、カーボンブラック(B)を含む充填材、及び加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)及び該カーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後、該第一段階の途中で該化合物(C)を加えて更に混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
本発明によれば、低発熱性を向上できるゴム組成物の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物の製造方法は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、カーボンブラック(B)を含む充填材、及び加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)及び該カーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後、該第一段階の途中で該化合物(C)を加えて更に混練することを特徴とする。
本発明において、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)及び該カーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後、該第一段階の途中で該化合物(C)を加えて更に混練するのは、カーボンブラック(B)がゴム成分(A)中で分散してから、カーボンブラック(B)の表面官能基と化合物(C)とが反応することができ、カーボンブラックの補強性を更に高めることができるからである。これにより、ゴム組成物の低発熱性をより高くする(ヒステリシスロスを低減する)ことができる。
この観点から、ゴム組成物を3段階以上の混練段階で混練する場合、混練の第二段階で、ゴム組成物にカーボンブラックの一部を加える(混練の第一段階と第二段階とに、カーボンブラックを分割投入する)ことは、該化合物(C)を加える混練の第一段階より後の混練の段階でカーボンブラックを加えることになり、上記のカーボンブラックの補強性を更に高めて、ゴム組成物の低発熱性をより向上するという本発明の効果を減じることになる。従って、混練の第二段階にカーボンブラックの大部分を加えるのは好ましくない。
上記のカーボンブラックの補強性を高め、ゴム組成物の低発熱性を向上させるためには、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が、150〜190℃であることが好ましく、160〜180℃であることがより好ましく、165〜175℃であることが更に好ましい。
また、混練の第一段階における混練時間が、3〜15分であることが好ましく、3〜12分であることがより好ましく、4〜9分であることが更に好ましく、5〜9分であることが特に好ましい。混練時間が3分以上であれば、カーボンブラックの補強性を良好にすることができ、混練時間が15分以下であれば、ゴム成分(A)の過度の分子量低下を招くことがないからである。
混練の第一段階において、化合物(C)を加える時の前記ゴム組成物の温度が130℃以上であることが好ましく、130〜180℃であることがより好ましく、140〜180℃であることが更に好ましく、140〜170℃であることが特に好ましい。化合物(C)を加える時の前記ゴム組成物の温度が130℃以上であれば、カーボンブラック(B)がゴム成分(A)中で分散してから、カーボンブラック(B)の表面官能基と化合物(C)とが反応することができるからである。
混練の第一段階でゴム成分(A)及びカーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後に、該第一段階の途中で該化合物(C)を加えるまでの時間を10〜300秒とすることが好ましく、10〜180秒とすることがより好ましく、30〜180秒とすることが更に好ましく、30〜150秒とすることが更により好ましく、30〜120秒とすることが特に好ましい。この時間が10秒以上であればカーボンブラック(B)のゴム成分(A)中の分散性をより良好にすることができる。この時間が300秒を超えてもカーボンブラック(B)のゴム成分(A)中の分散は十分に進行しているので、更なる効果は享受しにくく、上限値を300秒とすることが好ましく、この観点から上限値を180秒とすることがより好ましい。
本発明におけるゴム組成物の混練工程は、化合物(C)を除くその他の加硫促進剤を含まない混練の第一段階と、加硫剤を含む混練の最終段階の少なくとも2つの段階を含むものであり、必要に応じ、化合物(C)を除くその他の加硫剤等を含まない混練の中間段階を含んでもよい。
なお、本発明における混練の第一段階とは、ゴム成分(A)とカーボンブラック(B)とを混練する最初の段階をいい、最初の段階でゴム成分(A)とカーボンブラック(B)以外の充填材とを混練する場合やゴム成分(A)のみを予備練りする場合の段階は含まれない。
[ゴム成分(A)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるゴム成分(A)は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなる。ここで、合成ジエン系ゴムとしては、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム(EBR)、プロピレン−ブタジエン共重合体ゴム(PBR)等を用いることができる。天然ゴム及び合成ジエン系ゴムは、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
[充填材]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる充填材は、カーボンブラック(B)を含むものである。本発明に係るゴム組成物の充填材は、カーボンブラック(B)単独でもよいが、所望により、カーボンブラック(B)に加えて、シリカ、水酸化アルミニウムなどの無機充填材を本発明の課題の解決に反しない範囲で使用することができる。
本発明に係るゴム組成物が、カーボンブラック(B)以外の他の充填材を含む場合をも含め、カーボンブラック(B)の補強性を高める観点から、充填材全量中、カーボンブラック(B)が70〜100質量%であることが好ましい。
本発明に係る充填材は、ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜180質量部使用することが好ましい。
[カーボンブラック(B)]
本発明に係るゴム組成物の製造方法に用いられるカーボンブラック(B)としては、特に制限はなく、例えば高、中又は低ストラクチャーのSAF、N234、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラック、特にSAF、N234、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEFグレードのカーボンブラックを用いるのが好ましい。窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)が30〜250m2/gであることが好ましい。このカーボンブラックは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るカーボンブラック(B)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜150質量部使用することが好ましい。20質量部以上であれば、ウエット性能を確保する観点から好ましく、150質量部以下であれば、低発熱性の向上(ヒステリシスロスの低減)の観点から好ましい。更には、30〜120質量部使用することがより好ましい。
[化合物(C)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる化合物(C)は、加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸類から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるスルフェンアミド類としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−プロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−2−エチルヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジメチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジオクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ−2−エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。これらの内、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドは、カーボンブラックの表面官能基との反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチアゾール類としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4−メチル−2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)ジスルフィド、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、2−メルカプト−6−ニトロベンゾチアゾール、2−メルカプト-ナフト[1,2−d]チアゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、6−アミノ−2−メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。これらの内、2−メルカプトベンゾチアゾール、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド及びジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドは、カーボンブラックの表面官能基との反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチウラム類としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラプロピルチウラムジスルフィド、テトライソプロピルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラペンチルチウラムジスルフィド、テトラヘキシルチウラムジスルフィド、テトラヘプチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラノニルチウラムジスルフィド、テトラデシルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラムジスルフィド、テトラステアリルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラプロピルチウラムモノスルフィド、テトライソプロピルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、テトラペンチルチウラムモノスルフィド、テトラヘキシルチウラムモノスルフィド、テトラヘプチルチウラムモノスルフィド、テトラオクチルチウラムモノスルフィド、テトラノニルチウラムモノスルフィド、テトラデシルチウラムモノスルフィド、テトラドデシルチウラムモノスルフィド、テトラステアリルチウラムモノスルフィド、テトラベンジルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。これらの内、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及びテトラベンジルチウラムジスルフィドは、カーボンブラックの表面官能基との反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチオウレア類としては、チオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’−ジイソプロピルチオ尿素、N,N’−ジシクロヘキシルチオ尿素、1,3−ジ(o−トリル)チオ尿素、1,3−ジ(p−トリル)チオ尿素、1,1−ジフェニル−2−チオ尿素、2,5−ジチオビ尿素、グアニルチオ尿素、1−(1−ナフチル)−2−チオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、p−トリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素等が挙げられる。これらの内、チオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジメチルチオ尿素は、カーボンブラックの表面官能基との反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるジチオカルバミン酸塩類としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジペンチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘプチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸亜鉛、ジデシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジドデシルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジイソプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジヘプチルジチオカルバミン酸銅、ジオクチルジチオカルバミン酸銅、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸銅、ジデシルジチオカルバミン酸銅、ジドデシルジチオカルバミン酸銅、N-ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ジベンジルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘプチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジオクチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジドデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジイソプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジブチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジペンチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘキシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘプチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジオクチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸第二鉄、ジデシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジドデシルジチオカルバミン酸第二鉄、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸第二鉄、ジベンジルジチオカルバミン酸第二鉄等が挙げられる。これらの内、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛及びジメチルジチオカルバミン酸銅は、カーボンブラックの表面官能基との反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるキサントゲン酸塩類としては、メチルキサントゲン酸亜鉛、エチルキサントゲン酸亜鉛、プロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛、ペンチルキサントゲン酸亜鉛、ヘキシルキサントゲン酸亜鉛、ヘプチルキサントゲン酸亜鉛、オクチルキサントゲン酸亜鉛、2−エチルヘキシルキサントゲン酸亜鉛、デシルキサントゲン酸亜鉛、ドデシルキサントゲン酸亜鉛、メチルキサントゲン酸カリウム、エチルキサントゲン酸カリウム、プロピルキサントゲン酸カリウム、イソプロピルキサントゲン酸カリウム、ブチルキサントゲン酸カリウム、ペンチルキサントゲン酸カリウム、ヘキシルキサントゲン酸カリウム、ヘプチルキサントゲン酸カリウム、オクチルキサントゲン酸カリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸カリウム、デシルキサントゲン酸カリウム、ドデシルキサントゲン酸カリウム、メチルキサントゲン酸ナトリウム、エチルキサントゲン酸ナトリウム、プロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、ブチルキサントゲン酸ナトリウム、ペンチルキサントゲン酸ナトリウム、ヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、ヘプチルキサントゲン酸ナトリウム、オクチルキサントゲン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、デシルキサントゲン酸ナトリウム、ドデシルキサントゲン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの内、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛は、カーボンブラックの表面官能基との反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に係る混練の第一段階におけるゴム組成物中の化合物(C)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.3〜6.0質量部加えられることが好ましく、0.4〜3.0質量部加えられることがより好ましく、0.5〜2.0質量部加えられることが更に好ましい。0.3質量部以上であれば、カーボンブラックの補強性を向上することができ、6.0質量部以下であれば、過剰の使用を避けることができコスト的に有利で経済的である。
なお、化合物(C)は、硫黄加硫の加硫促進剤としても用いられるので、混練の最終段階においても所望により適量を配合してもよい。
本発明のゴム組成物の製造方法において、通常、ゴム組成物に配合される亜鉛華、脂肪酸、樹脂酸等の加硫活性剤、老化防止剤等の各種配合剤は、必要に応じ、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において混練される。
本発明の製造方法における混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー、二軸押出機等が用いられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、低発熱性(tanδ指数)を下記の方法により評価した。
低発熱性(tanδ指数)
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、動歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定した。比較例1、4、8又は10のtanδの逆数を100として下記式にて指数表示した。指数値が大きい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
低発熱性指数={(比較例1、4、8又は10の加硫ゴム組成物のtanδ)/(供試加硫ゴム組成物のtanδ)}×100
実施例1〜89及び比較例1〜3
第1表〜第9表に示す、配合処方、並びに混練の第一段階における混練時間、ゴム組成物の最高温度、及び混練の第一段階の途中で化合物(C)を加える時のゴム組成物の温度(℃)になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、実施例1〜89及び比較例1〜3の92種類のゴム組成物を調製した。
実施例1〜89のゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の全部、及びその他の配合剤を混練した後、この第一段階の途中でゴム組成物が第1表〜第9表に示す温度になった時に化合物(C)を加えて更に混練した。
比較例1〜3のゴム組成物の混練の第一段階においては、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の全部、及びその他の配合剤を加えたが、化合物(C)は加えないで、混練した。
得られた92種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第1表〜第9表に示す。
Figure 2013213164
[注]
*1: JSR株式会社製、乳化重合SBR、商品名「#1500」
*2: 旭カーボン株式会社製カーボンブラック、商品名「#80」
*3: N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック 6C」
*4: 加硫促進剤TBBS: N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー NS」
*5: 2−メルカプトベンゾチアゾール、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー M−P」
*6: テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー TOT−N」
*7: N,N’−ジエチルチオ尿素、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー EUR」
*8: ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー ZTC」
*9: 2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック 224」
*10: 加硫促進剤MBTS: ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー DM」
Figure 2013213164
[注]
*1〜*10は第1表と同じである。
Figure 2013213164
[注]
*1〜*10は第1表と同じである。
Figure 2013213164
[注]
*1〜*10は第1表と同じである。
*11: N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー CZ−G」
Figure 2013213164
[注]
*1〜*10は第1表と同じである。
*12: 2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー MZ」
*13: ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー 4MDM」
Figure 2013213164
[注]
*1〜*10は第1表と同じである。
*14: テトラキス(ベンジル)チウラムジスルフィド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー TBZTD」
Figure 2013213164
[注]
*1〜*10は第1表と同じである。
*15: トリメチルチオ尿素、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー TMU」
*16: N, N’−ジフェニルチオ尿素、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー C」
Figure 2013213164
[注]
*1〜*10は第1表と同じである。
*17: N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー PX」
*18: ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー PZ」
*19: ジメチルジチオカルバミン酸銅、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー TT−CU」
Figure 2013213164
[注]
*1〜*10は第1表と同じである。
*20: イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー ZIX−O」
実施例90〜95及び比較例4〜7
次に、第10表に示す、配合処方、並びに混練の第一段階における混練時間、ゴム組成物の最高温度、及び混練の第一段階の途中で化合物(C)を加える時のゴム組成物の温度(℃)になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、実施例90〜95及び比較例4〜7の10種類のゴム組成物を調製した。
実施例90〜95のゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の第10表に示す配合量、及びその他の配合剤を混練した後、この第一段階の途中でゴム組成物が140℃になった時に化合物(C)を加えて更に混練した。
比較例4〜7のゴム組成物の混練の第一段階においては、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の第10表に示す配合量、及びその他の配合剤を加えたが、化合物(C)は加えないで、混練した。
また、実施例91、93及び95並びに比較例5及び7のゴム組成物は、混練の第二段階においてカーボンブラック(B)の残余を加えた。混練の第二段階におけるゴム組成物の最高温度は、いずれも170℃であった。
得られた10種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第10表に示す。
Figure 2013213164
[注]
*1〜*14は第1表〜第6表と同じである。
*21: JSR株式会社製、乳化重合SBR、商品名「#1712」(SBR100質量部に対して37.5質量部が油展オイルである。)
実施例96〜106及び比較例8〜13
第11表及び第12表に示す、配合処方、並びに混練の第一段階における混練時間、ゴム組成物の最高温度、及び混練の第一段階の途中で化合物(C)を加える時のゴム組成物の温度(℃)になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、実施例96〜106及び比較例8〜13の17種類のゴム組成物を調製した。
実施例96〜106のゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)単独、又はカーボンブラック(B)及びシリカの全部、並びにその他の配合剤を混練した後、この第一段階の途中でゴム組成物が140℃になった時に化合物(C)を加えて更に混練した。
比較例8〜13のゴム組成物の混練の第一段階においては、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)単独、又はカーボンブラック(B)及びシリカの全部、並びにその他の配合剤を加えたが、化合物(C)は加えないで、混練した。
得られた17種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第11表及び第12表に示す。
Figure 2013213164
[注]
*1〜*14は第1表〜第6表と同じである。
*22: 天然ゴムRSS#3
*23: JSR株式会社製ポリブタジエンゴム、商品名「BR01」
*24: 旭カーボン株式会社製カーボンブラック、商品名「#65」
Figure 2013213164
[注]
*1〜*21は第1表〜第10表と同じである。
*25: 旭化成株式会社製、溶液重合SBR、商品名「タフデン3835」(SBR100質量部に対して37.5質量部が油展オイルである。)
*26: 三共油化工業株式会社製プロセスオイル、商品名「A/Oミックス」
*27: 東ソー・シリカ株式会社製シリカ、商品名「ニップシールAQ」、BET比表面積205m2/g
*28: ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75」(登録商標)
*29: 加硫促進剤DPG: 1,3−ジフェニルグアニジン、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーD」
第1表〜第12表から明らかなように、実施例1〜106のゴム組成物は、比較例1〜13中の対比すべきゴム組成物と比較して、いずれも低発熱性(tanδ指数)が改良され、優れていた。
本発明のゴム組成物の製造方法は、ゴム組成物の低発熱性を向上できるので、乗用車用、小型トラック用、軽乗用車用、軽トラック用及び大型車両用(トラック・バス用、建設車両用等)等の各種空気入りタイヤの各部材、特に空気入りラジアルタイヤのトレッド用部材(特に、トレッド接地部用部材)の製造方法として好適に用いられる。

Claims (12)

  1. 天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、カーボンブラック(B)を含む充填材、及び加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)及び該カーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後、該第一段階の途中で該化合物(C)を加えて更に混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法。
  2. 前記化合物(C)が、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸類から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
  3. 前記第一段階でのゴム組成物の最高温度が150〜190℃である請求項1又は2に記載のゴム組成物の製造方法。
  4. 前記第一段階の混練時間が3〜15分である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物の製造法。
  5. 前記ゴム組成物が、充填材全量中、カーボンブラック(B)を70〜100質量%含む請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  6. 前記スルフェンアミド類が、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及び/又はN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドである請求項2〜5のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  7. 前記チアゾール類が、2−メルカプトベンゾチアゾール、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド及びジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項2〜5のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  8. 前記チウラム類が、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及び/又はテトラベンジルチウラムジスルフィドである請求項2〜5のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  9. 前記チオウレア類が、チオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジメチルチオ尿素から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項2〜5のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  10. 前記ジチオカルバミン酸塩類が、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛及びジメチルジチオカルバミン酸銅から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項2〜5のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  11. 前記キサントゲン酸塩類が、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛である請求項2〜5のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  12. 前記第一段階において、該化合物(C)を加える時の前記ゴム組成物の温度が130℃以上である請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
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