JP2013213155A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Masayuki Nagai
雅之 永井
Makiko Oshima
麻希子 大島
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Abstract

【課題】成形品における着色度を十分に低下させることができ、成形品の剛性をより十分に向上させることができるポリアセタール樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ポリアセタール樹脂(A)と、セルロース(B)と、多官能イソシアネート化合物(C)とを含有し、ポリアセタール樹脂(A)およびセルロース(B)の合計100質量部に対して、セルロース(B)が1〜50質量部の割合で配合され、多官能イソシアネート化合物(C)が0質量部より大きく3.5質量部以下の割合で配合されているポリアセタール樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はポリアセタール樹脂組成物に関する。
エンジニアリングプラスチックスのポリアセタール樹脂は、優れた機械的特性、摺動特性、摩擦・磨耗特性、耐熱性、成形加工性などを有している。このため、ポリアセタール樹脂を含むポリアセタール樹脂組成物は、自動車、OA機器などの各種機械部品や電気部品等に広く用いられている。特に、用途によっては、優れた剛性が求められる場合もある。
ポリアセタール樹脂組成物の剛性を向上させるためには、ガラス繊維等の無機充填剤を配合する方法が一般的である。しかし、上記のような無機充填剤を配合すると、摺動特性が低下するという問題点がある。そのため、無機充填剤を配合しなくても優れた剛性を示すポリアセタール樹脂組成物が望まれている。
このようなポリアセタール樹脂組成物として、下記特許文献1に記載のポリアセタール樹脂組成物が知られている。下記特許文献1では、ポリアセタール樹脂に特定の平均粒径を有するセルロースパウダー、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミノトリアジン化合物等の窒素含有化合物をそれぞれ所定の割合で配合したポリアセタール樹脂組成物により、成形品の剛性等を向上させることが提案されている。
特開2010−265439号公報
しかし、上記特許文献1のポリアセタール樹脂組成物は、成形品の剛性を向上させる点でいまだ改善の余地があった。また上記特許文献1のポリアセタール樹脂組成物を成形すると成形品が着色する場合があり、この着色により成形品の外観が低下したり、歩留まりが低下したりするという問題があった。従って、成形品の着色度を十分に低下でき、成形品の剛性を十分に向上させることができるポリアセタール樹脂組成物が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、成形品における着色度を十分に低下でき、成形品の剛性を十分に向上させることができるポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記特許文献1に記載のポリアセタール樹脂組成物において、上記課題が生じる原因について検討した。その結果、まず成形品に着色が発生するのは、セルロース中に不純物として含まれるヘミセルロースが溶融混練や成形の際の熱によって分解したために生じるのではないかと考えられる。そして、この着色が、外観の見栄えの低下や歩留まりの低下をもたらすものと考えられる。また、上記特許文献1に記載のポリアセタール樹脂組成物において剛性が十分でないのは、ポリアセタール樹脂とセルロースの密着が不十分であることが原因になっているものと考えられる。そこで、本発明者らは、上記原因を解消するべく鋭意研究を重ねた結果、ポリアセタール樹脂とセルロースとの合計に対し、セルロースを所定の配合量で配合し、多官能イソシアネート化合物を所定の配合量で配合することで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ポリアセタール樹脂(A)と、セルロース(B)と、多官能イソシアネート化合物(C)とを含有し、前記ポリアセタール樹脂(A)および前記セルロース(B)の合計100質量部に対して、前記セルロース(B)が1〜50質量部の割合で配合され、前記多官能イソシアネート化合物(C)が0質量部より大きく3.5質量部以下の割合で配合されているポリアセタール樹脂組成物である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物によれば、成形品における着色度を十分に低下させることができ、成形品の剛性を十分に向上させることができる。
上記効果が得られる理由について、本発明者らは以下のように推測している。
すなわち、本発明のポリアセタール樹脂組成物を成形して成形品を得る際、多官能イソシアネート化合物(C)がセルロース(B)中に不純物として含まれるヘミセルロースの水酸基と反応し、ヘミセルロースの熱分解が抑制される。その結果、成形品における着色度を十分に低下させることができたのではないかと本発明者らは推測している。
また多官能イソシアネート化合物(C)は、ポリアセタール樹脂(A)中の水酸基及び/またはセルロース(B)中の水酸基と反応しポリアセタール樹脂(A)とセルロース(B)とを密着させる。加えて、多官能イソシアネート化合物(C)が、ポリアセタール樹脂(A)とセルロース(B)の合計に対して高い割合で含まれていると、ヘミセルロースの水酸基と反応しない多官能イソシアネート化合物(C)が過剰となるところ、本発明では、ポリアセタール樹脂(A)とセルロース(B)の合計に対する多官能イソシアネート化合物(C)の割合を適度な範囲に抑えることで、ポリアセタール樹脂(A)の水酸基及び/またはセルロース(B)の水酸基と反応しない多官能イソシアネート化合物(C)同士が反応してその反応生成物が成形品中に凝集物として存在するのを抑制する。その結果、成形品の剛性を十分に向上させることができたのではないかと本発明者らは推測している。
上記ポリアセタール樹脂組成物においては、前記多官能イソシアネート化合物(C)がポリアセタール樹脂(A)および前記セルロース(B)の合計100質量部に対し0.3〜1.5質量部の割合で配合されていることが好ましい。
この場合、ポリアセタール樹脂(A)およびセルロース(B)の合計100質量部に対する多官能イソシアネート化合物(C)の配合量が上記範囲を外れる場合に比べて、成形品における着色度をより十分に低下させることができ、成形品の剛性をより十分に向上させることができる。
上記ポリアセタール樹脂組成物においては、前記多官能イソシアネート化合物(C)が芳香族ジイソシアネート化合物であることが好ましい。
この場合、ポリアセタール樹脂組成物は、多官能イソシアネート化合物(C)が脂肪族ジイソシアネート化合物や脂環式ジイソシアネート化合物である場合に比べて、成形品における着色度をより十分に低下させることができ、成形品の剛性をより十分に向上させることができる。
上記ポリアセタール樹脂組成物においては、前記芳香族ジイソシアネート化合物が下記一般式(1)で表されることが好ましい。
Figure 2013213155
(上記式(1)中、Xは、少なくとも1つの芳香族基を含む2価の基を表す。)
この場合、芳香族ジイソシアネート化合物が上記一般式(1)で表される芳香族ジイソシアネート化合物を含まない場合に比べて、成形品の着色度をより十分に低下させることができる。
本発明によれば、成形品における着色度を十分に低下させることができ、成形品の剛性を十分に向上させることができるポリアセタール樹脂組成物が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ポリアセタール樹脂(A)と、セルロース(B)と、多官能イソシアネート化合物(C)とを含有し、ポリアセタール樹脂(A)およびセルロース(B)の合計100質量部に対して、セルロース(B)が1〜50質量部の割合で配合され、多官能イソシアネート化合物(C)が0質量部より大きく3.5質量部以下の割合で配合されているポリアセタール樹脂組成物である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物によれば、当該ポリアセタール樹脂組成物を成形してなる成形品における着色度を十分に低下させることができ、成形品の剛性を十分に向上させることができる。
次に、ポリアセタール樹脂(A)、セルロース(B)および多官能イソシアネート化合物(C)について詳細に説明する。
(A)ポリアセタール樹脂
本発明に用いられるポリアセタール樹脂は特に限定されるものではなく、2価のオキシメチレン基のみを構成単位として含むホモポリマーであっても、2価のオキシメチレン基と、炭素数が2以上の2価のオキシアルキレン基とを構成単位として含むコポリマーであってもよい。2価のオキシアルキレン基においては、通常は炭素数が2〜6である。
炭素数が2〜6のオキシアルキレン基としては、例えばオキシエチレン基、オキシプロピレン基、及び、オキシブチレン基などが挙げられる。
ポリアセタール樹脂が炭素数2〜6のオキシアルキレン基を含む場合、ポリアセタール樹脂においては、オキシメチレン基および炭素数2〜6のオキシアルキレン基の総モル数に占める炭素数2〜6のオキシアルキレン基の割合は特に限定されるものではなく、例えば0.5〜10モル%であればよい。
上記ポリアセタール樹脂を製造するためには通常、主原料としてトリオキサンが用いられる。また、ポリアセタール樹脂中に炭素数2〜6のオキシアルキレン基を導入するには、例えば環状ホルマールや環状エーテルを用いることができる。環状ホルマールの具体例としては、例えば1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキセパン、1,3−ジオキソカン、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキソカン等が挙げられ、環状エーテルの具体例としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシド等が挙げられる。ポリアセタール樹脂(A)中にオキシエチレン基を導入するには、例えば1,3−ジオキソランを用いればよく、オキシプロピレン基を導入するには、1,3−ジオキサンを用いればよく、オキシブチレン基を導入するには、1,3−ジオキセパンを用いればよい。
(B)セルロース
本発明に用いられるセルロースは、天然物であっても合成物であっても良い。セルロースとしては、例えば麻繊維、竹繊維、綿繊維、木材繊維、ケナフ繊維、ヘンプ繊維、ジュート繊維、バナナ繊維、ココナッツ繊維などのセルロース繊維および精製パルプなどが挙げられる。
セルロースは、繊維状でも球状でもよいが、繊維状であることが好ましい。この場合、セルロースが球状である場合に比べて、アスペクト比がより大きくなり、補強効果がより大きくなる。セルロースが繊維状である場合、繊維径は特に限定されるものではないが、好ましくは1〜900μmであり、より好ましくは10〜200μmである。また繊維径に対する繊維長の比は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.5〜60であり、より好ましくは1〜20である。
上記セルロースの配合量は、ポリアセタール樹脂およびセルロースの合計100質量部に対して1〜50質量部である。セルロースの配合量が1質量部未満である場合、剛性を十分に向上させることができない。セルロースの配合量が50質量部を超える場合、成形品における着色度を十分に低下させることができない。セルロースの配合量は5〜30質量部であることが好ましく、10〜20質量部であることがさらに好ましい。
(C)多官能イソシアネート化合物
本発明に用いられる多官能イソシアネート化合物は、1分子あたり2個以上のイソシアネート基を有する脂肪族、脂環式または芳香族イソシアネート化合物である。多官能イソシアネート化合物の中では、入手および製造の容易さから1分子あたりイソシアネート基を2個有するジイソシアネート化合物が好ましく用いられる。このようなジイソシアネート化合物としては、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物および芳香族ジイソシアネート化合物が挙げられる。中でも、芳香族ジイソシアネート化合物が好ましい。この場合、多官能イソシアネート化合物(C)が脂肪族ジイソシアネート化合物や脂環式ジイソシアネート化合物である場合に比べて、成形品における着色度をより十分に低下させることができ、成形品の剛性をより十分に向上させることができる。
脂肪族ジイソシアネート化合物としては、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートおよび2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ジイソシアネート化合物としては、4,4’−メチレンビス(シクロへキシルイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート、および、少なくとも1つのカルボジイミド基を有するもの等が挙げられる。少なくとも1つのカルボジイミド基を有する脂環式ジイソシアネート化合物としては、例えばポリ(メチレンビス4−シクロヘキシルカルボジイミド)が挙げられる。
芳香族ジイソシアネート化合物は、下記一般式(1)で表されるものであることが好ましい。
Figure 2013213155
(上記式(1)中、Xは、少なくとも1つの芳香族基を含む2価の基を表す。)
この場合、芳香族ジイソシアネート化合物が上記一般式(1)で表される芳香族ジイソシアネート化合物を含まない場合に比べて、成形品の着色度をより十分に低下させることができる。
Xは、少なくとも1つの芳香族基を含んでいればよく、1つの芳香族基のみで構成されてもよいし、2以上の芳香族基を含んでいてもよい。ここで、芳香族基としては、例えばフェニレン基およびナフチレン基等のアリーレン基、並びに、同一の又は異なる2つのアリーレン基が、単結合若しくはアルキレン基を介して結合されたものなどが挙げられる。
またXが2以上の芳香族基を含む場合、Xは、下記一般式(2)で表されるものであってもよい。
Figure 2013213155
(上記式(2)中、Y及びZはそれぞれ独立に、少なくとも1つの芳香族基を含む2価の基を表す。)
Y及びZによって表される芳香族基としては、一般式(1)の芳香族基と同様のものが挙げられる。中でも、Y及びZによって表される芳香族基としては、同一の又は異なる2つのアリーレン基が、単結合又はアルキレン基を介して結合されたものが好ましい。なお、一般式(1)、(2)の芳香族基に含まれるアルキレン基としては、好ましくはメチレン基が用いられる。
上記一般式(1)で表される芳香族ジイソシアネート化合物の具体例としては、例えば4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ビス[4−(4−イソシアネートフェニルメチル)フェニル]カルボジイミド、ビス(ジシアネートイソホロン)カルボジイミド、ビス(3−イソシアネート−2−メチルフェニル)カルボジイミド、ビス(3−イソシアネート−6−メチルフェニル)カルボジイミドおよびビス−(5−イソシアノナフタレン)カルボジイミド等が挙げられる。
多官能イソシアネート化合物は1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。ここで、Xが一般式(2)で表される芳香族ジイソシアネート化合物と、Xが1つの芳香族基のみで構成される芳香族ジイソシアネート化合物との混合物が特に好ましい。この混合物は、成形品における着色度の低下と、剛性の向上の点で特に有効である。
多官能イソシアネート化合物の配合量は、ポリアセタール樹脂およびセルロースの合計100質量部に対して0質量部より大きく3.5質量部以下である。多官能イソシアネート化合物の配合量が上記範囲を外れる場合、成形品における着色度を十分に低下させることができず、成形品の剛性を十分に向上させることもできない。
ポリアセタール樹脂およびセルロースの合計100質量部に対する多官能イソシアネート化合物の配合量は0.3〜2質量部であることが好ましく、0.3〜1.5質量部であることがより好ましく、0.5〜1.2質量部であることが特に好ましい。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、例えば上記(A)〜(C)を同時に溶融混練する方法(方法1)、又は、上記(A)と(B)とを溶融混練した後、(C)を添加して混合物を得て、この混合物を溶融混練する方法(方法2)、方法1又は方法2で得た溶融混練物をアニールする方法(方法3)によって得ることができる。
上記(C)として、上述した脂環式ジイソシアネートを用いる場合、特に、方法3によって本発明のポリアセタール樹脂組成物を得ることが好ましい。この場合、得られる成形品の剛性をより十分に向上させることができる。アニールの時間は好ましくは1〜24時間であり、より好ましくは2〜12時間である。またアニールの温度は、好ましくは90〜130℃であり、より好ましくは100〜120℃である。なお、上述した脂環式ジイソシアネートとしては、少なくとも1つのカルボジイミド基を有する脂環式ジイソシアネート化合物が好ましい。この場合、成形品の剛性を特に十分に向上させることができる。
なお、上記方法1〜3において、セルロース(B)を他の成分と溶融混練する前に(B)を乾燥することが好ましい。この場合、セルロース(B)中の水分量を十分に低減できるため、溶融混練により得られる溶融混練物中における水分量を十分に低減できる。その結果、水分による(C)の失活を十分に抑制することができ、得られる成形品の剛性をより十分に向上させることができる。乾燥は例えば熱風乾燥機や真空乾燥機で行うことができる。乾燥時間は例えば3〜4時間とすればよい。
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、上記(A)〜(C)成分のほか、酸化防止剤、着色剤、充填剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、蛍光増白剤、摺動剤、帯電防止剤、界面活性剤等の添加剤がさらに添加されてもよい。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、特に剛性に優れていることから、自動車内装部品、家屋等の内装部品(熱水混合栓等)、衣料部品(ファスナー、ベルトバックル等)や建材用途(配管、ポンプ部品等)、機械部品(歯車等)などに有用である。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で使用した材料は下記の通りである。
(A)ポリアセタール樹脂(POM)
三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製、商品名ユピタールF30−01を粉末化して得たポリアセタール樹脂であってメルトマスフローレイト(190℃、2.16kg、ISO1133)27g/10分であるポリアセタール樹脂
(B)セルロース
東亜化成(株)製、商品名 ARBOCEL BE600/30:微細ファイバー(繊維長30μm、繊維径18μm)
(C)多官能イソシアネート化合物
下記式(3)で表されるカルボジイミド変性MDIと、下記式(4)で表される4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物((3):(4)=25:75(質量比)、NCO含有量29.0〜30.0g/100g)
Figure 2013213155
(実施例1〜5及び比較例1〜6)
ポリアセタール樹脂(A)、セルロース(B)および多官能イソシアネート化合物(C)を、表1〜4に示す配合量で添加して、これらをタンブラーにて20分間混合し、混合物を得た。そして、この混合物を、押出機(製品名:PCM−30、池貝鉄工社製)を用いて、シリンダ温度190℃、吐出速度10kg/hrで溶融混練し、ペレタイザーにてカットすることでポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。なお、表1〜4において、ポリアセタール樹脂(A)、セルロース(B)、および多官能イソシアネート化合物(C)の配合量の単位は質量部である。
[特性評価]
実施例1〜5及び比較例1〜6で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを用いて、下記のようにして試験片を作製し、試験片における着色度の低下及び試験片の剛性について下記のようにして評価した。
(1)試験片の作製
実施例1〜5及び比較例1〜6で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを、射出成形機(製品名:EC−100S、東芝機械社製)を用い、シリンダー温度195℃に設定し、金型温度を90℃に設定して、ISO9988−2規格に準拠して4mm厚ISO多目的ダンベル片(ISO試験片)を成形した。
(2)着色度
着色度はYI値を指標とした。YI値は、上記のようにして作製したISO試験片について、日本電色工業株式会社製Spectro Color Meter(SE2000)にて測定した。そして、各実施例及び比較例のYI値について、基準となる比較例に対する低下率を測定した。結果を表1〜3に示す。
なお、表1は、実施例1〜3および比較例1〜2の全てについて、ポリアセタールとセルロースの合計100質量部に占めるセルロースの配合量を10質量部としたものであり、比較例1を基準にYI値の低下率を測定したものである。表2は、実施例4および比較例3について、ポリアセタールとセルロースの合計100質量部に占めるセルロースの配合量を20質量部としたものであり、比較例3を基準にYI値の低下率を測定したものである。表3は、実施例5および比較例4について、ポリアセタールとセルロースの合計100質量部に占めるセルロースの配合量を30質量部としたものであり、比較例4を基準にYI値の低下率を測定したものである。表4は、比較例5及び6を参考までに示すものであり、YI値の低下率については示していない。
(3)剛性
剛性の評価は、曲げ応力を指標とした。曲げ応力は、上記のようにして作製したISO試験片について、曲げ試験機である全自動曲げ試験機(島津製作所社製)を用いて、ISO178に記載の方法に従って、曲げ試験速度2mm/分で曲げ試験を行い、曲げ応力を測定した。また、測定した曲げ応力と比較例1の曲げ応力とを用い、下記式に基づき曲げ応力の増加率を測定した。
曲げ応力の増加率(%)=[実施例又は比較例の試験片の曲げ応力(MPa)−比較例1の試験片の曲げ応力(MPa)]/[比較例1の試験片の曲げ応力(MPa)]×100
結果を表1〜表3に示す。
なお、表1は、実施例1〜3および比較例1〜2の全てについて、ポリアセタールとセルロースの合計100質量部に占めるセルロースの配合量を10質量部としたものであり、比較例1を基準に曲げ応力の増加率を測定したものである。表2は、実施例4および比較例3について、ポリアセタールとセルロースの合計100質量部に占めるセルロースの配合量を20質量部としたものであり、比較例3を基準に曲げ応力の増加率を測定したものである。表3は、実施例5および比較例4について、ポリアセタールとセルロースの合計100質量部に占めるセルロースの配合量を30質量部としたものであり、比較例4を基準に曲げ応力の増加率を測定したものである。表4は、比較例5及び6を参考までに示すものであり、曲げ応力の増加率については示していない。
Figure 2013213155
Figure 2013213155
Figure 2013213155
Figure 2013213155
表1に示す結果より、実施例1〜3については比較例1に比べて曲げ応力が顕著に向上していた。このことから、実施例1〜3については、比較例1に比べて剛性が十分に向上していることが分かった。また実施例1〜3については試験片における着色度が、比較例1を基準として十分に低下していた。これに対し、比較例2については試験片における着色度が、比較例1を基準として低下していたが、曲げ応力は低下しており、剛性は向上しないことがわかった。
また表2に示す結果より、実施例4については、比較例3に比べて曲げ応力が顕著に向上していた。このことから、実施例4については、比較例3に比べて剛性が十分に向上していることが分かった。また実施例4については試験片における着色度が、比較例3を基準として十分に低下していた。
さらに表3に示す結果より、実施例5については、比較例4に比べて曲げ応力が顕著に向上していた。このことから、実施例5については、比較例4に比べて剛性が十分に向上していることが分かった。また実施例5については試験片における着色度が、比較例4を基準として十分に低下していた。
以上より、本発明のポリアセタール樹脂組成物によれば、成形品における着色度を十分に低下させることができ、成形品の剛性をより十分に向上させることができることが確認された。

Claims (4)

  1. ポリアセタール樹脂(A)と、
    セルロース(B)と、
    多官能イソシアネート化合物(C)とを含有し
    前記ポリアセタール樹脂(A)および前記セルロース(B)の合計100質量部に対して、前記セルロース(B)が1〜50質量部の割合で配合され、前記多官能イソシアネート化合物(C)が0質量部より大きく3.5質量部以下の割合で配合されているポリアセタール樹脂組成物。
  2. 前記多官能イソシアネート化合物(C)が前記ポリアセタール樹脂(A)および前記セルロース(B)の合計100質量部に対し0.3〜1.5質量部の割合で配合されている請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 前記多官能イソシアネート化合物(C)が芳香族ジイソシアネート化合物である請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 前記芳香族ジイソシアネート化合物が下記一般式(1)で表される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
    Figure 2013213155
    (上記式(1)中、Xは、少なくとも1つの芳香族基を含む2価の基を表す。)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016094565A (ja) * 2014-11-17 2016-05-26 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリアセタール樹脂組成物
WO2022215756A1 (ja) * 2021-04-09 2022-10-13 旭化成株式会社 ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法
WO2023234157A1 (ja) * 2022-06-01 2023-12-07 丸紅ケミックス株式会社 環境分解性成分を含有した樹脂成形品および樹脂ペレットの製造方法、樹脂ペレットの成形装置、樹脂ペレット

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