JP2013213066A - 眼科用清涼組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】清涼化剤のなかでも特にメントール、カンフル又はボルネオールから選択される化合物を単独または組み合わせて、それらの総量として0.01w/v%以上0.1
w/v%未満の限定された範囲内で含有したうえで、無機塩類を必須の構成成分として含
有し、さらに、特定の分子量を有する特定の高分子を組み合わせて含有することでソフトコンタクトレンズ装用時に清涼感を付与するための眼科用清涼組成物を提供できる。
【選択図】なし
Description
角膜は知覚神経に富む組織であり、角膜上皮における神経密度は皮膚の約300〜600倍といわれている。(非特許文献1)。したがって、使用者が清涼感を感じるかどうかは、角膜表面にメントールがどの程度接触したかに影響される。ハードコンタクトレンズ直径は角膜径よりも小さく、ハードコンタクトレンズを装用しても角膜周縁部が露出しているが、ソフトコンタクトレンズ径は、角膜よりも大きくソフトコンタクトレンズを装用すると角膜表面はソフトコンタクトレンズに覆われてしまう。そのため、ソフトコンタクトレンズ装用者は、裸眼の場合に比して格段に清涼感を感じにくい。
また、ソフトコンタクトレンズを装用中は、レンズ後面(角膜側)とレンズに覆われていない部分(結膜表面)との涙液交換率が極めて低下する。ハードコンタクトレンズでは、ベストフィッティングでの涙液交換率が健常眼の涙液メニスカスにおける涙液交換率と同程度の高値25.6±11.1(%/分)を示すが、ソフトコンタクトレンズでは、ベストフィッティングでの涙液交換率ですら、16.5±1.1(%/分)と低値を示す(非特許文献2
レンズと涙液交換率の低下)。そのため、メントールがソフトコンタクトレンズと眼表面の間隙にある涙液層を経て角膜中央部に到達するための涙液交換も著しく遅く、清涼感の感度低下を増長してしまう。
このようにソフトコンタクトレンズ装用中に所要の清涼感を一定時間持続させつつ、刺激を緩和することは極めて困難であった。
さらに、メントールなどの清涼化剤や、クロロブタノール等の局所麻酔作用剤、塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩などの防腐剤等、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン等の血管収縮剤等のソフトコンタクトレンズに悪影響(吸着や変形)を及ぼすことが懸念される成分を含有する場合には、製剤設計が制限される。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(12)に掲げる眼科用清涼組成物である。
(1)a)メントール、カンフル又はボルネオールから選択される化合物を、それらの総量として0.01w/v%以上0.1w/v%未満、
b)無機塩類、および
c)平均分子量が20万〜250万のヒドロキシエチルセルロース、平均分子量が5万〜50万のメチルセルロース、平均分子量が1万〜15万のポリビニルピロリドン、平均分子量が5万〜50万のヒドロキシプロピルメチルセルロース、平均分子量が1万〜30万のポリビニルアルコール、又は平均分子量が0.5万〜50万のコンドロイチン硫酸或いはその塩から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするソフトコンタクトレンズ装用時に清涼感を付与するための眼科用清涼組成物、
(2) 平均分子量が20万〜250万のヒドロキシエチルセルロースを、0.001〜10w/v%で含有する(1)に記載の眼科用清涼組成物、
(3) 平均分子量が5万〜50万のメチルセルロースを、0.001〜10w/v%で
含有する(1)に記載の眼科用清涼組成物、
(4) 平均分子量が1万〜15万のポリビニルピロリドンを、0.001〜10w/v
%で含有する(1)に記載の眼科用清涼組成物、
(5) 平均分子量が5万〜50万のヒドロキシプロピルメチルセルロースを、0.001〜10w/v%で含有する(1)に記載の眼科用清涼組成物、
(6) 平均分子量が1万〜30万のポリビニルアルコールを、0.001〜10w/v
%で含有する(1)に記載の眼科用清涼組成物、
(7) 平均分子量が0.5万〜50万のコンドロイチン硫酸或いはその塩を、0.001〜10w/v%で含有する(1)に記載の眼科用清涼組成物、
(8) さらに、非イオン性界面活性剤を0.001〜5w/v%含有する(1)乃至(
7)に記載の眼科用清涼組成物、
(9)さらに、エデト酸又はその塩を0.0001〜1w/v%含有する(1)乃至(8
)に記載の眼科用清涼組成物、
(10)さらに、アミノエチルスルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、グルタミン酸ナトリウム、グルコース又はトレハロースから選択される少なくとも1種以上の成分を、それらの総量として0.01〜5w/v%含有
する(1)乃至(9)に記載の眼科用清涼組成物、
(11)点眼剤又は洗眼剤である(1)乃至(10)に記載の眼科用清涼組成物、
(12)a)メントール、カンフル又はボルネオールから選択される化合物を、それらの総量として0.01w/v%以上0.1w/v%未満、
b)無機塩類、および
c)平均分子量が20万〜250万のヒドロキシエチルセルロース、平均分子量が5万〜50万のメチルセルロース、平均分子量が1万〜15万のポリビニルピロリドン、平均分子量が5万〜50万のヒドロキシプロピルメチルセルロース、平均分子量が1万〜30万のポリビニルアルコール、又は平均分子量が0.5万〜50万のコンドロイチン硫酸或いはその塩から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするソフトコンタクトレンズ常用者用の眼科用清涼組成物。
なお、本明細書中、特に言及しない限り、%はw/v%を意味するものとする。
これまで、ソフトコンタクトレンズ装用中に適用する点眼剤としては、人工涙液型点眼剤が広く用いられている。従来型の人工涙液型点眼剤では、十分な清涼感を付与したくてもメントールなどの清涼化剤がソフトコンタクトレンズに吸着することが安全面での弊害となり、高濃度のメントールを含有することができなかった。また吸着の問題を解決してメントールを増量しても、ソフトコンタクトレンズ装用中の眼では、角膜が露出していないうえに涙液交換率が低下しているために、メントール等による刺激を受けることがなく清涼感の付与が困難であった。
本発明の眼科用清涼組成物によれば、眼に組成物を適用した直後から十分な清涼感が得られ、かつ刺激が緩和されているため、ソフトコンタクトレンズ装用者に快い清涼感を付与するための眼科用清涼組成物を提供できる。さらに、本発明によれば、メントールを少量用いても十分な清涼感を付与することができ、刺激がなく安全性が高い眼科用清涼組成物を提供できる。
さらに、本発明の眼科用清涼組成物は、清涼化剤の刺激を伴うことなく清涼感を感じることができるので、例えばソフトコンタクトレンズ装用によって障害を有する眼となった、ソフトコンタクトレンズ常用者がソフトコンタクトレンズの装用中のみならずソフトコンタクトレンズを外した後の眼に清涼感を付与するためのソフトコンタクトレンズ常用者
用の眼科用清涼組成物としても利用できる。
w/v)%以上では、組成物を眼に適用した直後の清涼感が強くなりすぎる傾向があり使用者によっては刺激を感じる場合がある。
本発明において眼科用清涼組成物中のヒドロキシエチルセルロースの含有量は、好ましくは0.001〜10%、より好ましくは0.005〜5%、特に好ましくは0.01〜3%程度である。
0万のものが用いられる。さらに好ましくは平均分子量10万〜50万であり、特に好ましくは20万〜50万のメチルセルロースを用いる。かかるメチルセルロースは市販のものを利用することができ、例えば、メトローズSMシリーズとして信越化学工業株式会社から販売されている、SM−15(平均分子量約7万)、SM−25(平均分子量約9万)、SM−50(平均分子量約11万)、SM−100(平均子量約12万)、SM−400(平均分子量約17万)、SM−1500(平均分子量約29万)、SM−4000(平均分子量約36万)等が利用できる。
本発明において眼科用清涼組成物中のメチルセルロースの含有量は、好ましくは0.001〜10%、より好ましくは0.005〜5%、特に好ましくは0.01〜3%程度である。
本発明において眼科用清涼組成物中のポリビニルピロリドンの含有量は、好ましくは0.001〜10%、より好ましくは0.01〜5%、特に好ましくは0.1〜3%程度である。
本発明において眼科用清涼組成物中のヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は、好ましくは0.001〜10%、より好ましくは0.005〜5%、特に好ましくは0.01〜3%程度である。
本発明において眼科用清涼組成物中のポリビニルアルコールの含有量は、好ましくは0.001〜10%、より好ましくは0.01〜5%、特に好ましくは0.1〜3%程度である。
販売されているコンドロイチン硫酸ナトリウム(平均分子量約0.7万等)等が利用できる。
本発明において眼科用清涼組成物中のコンドロイチン硫酸又はその塩の含有量は、好ましくは0.001〜10%、より好ましくは0.01〜5%、特に好ましくは0.05〜3%程度である。
ビタン(ポリソルベート20) ,モノオレイン酸POE(20)ソルビタン (ポリソルベート80) ,POEソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60),POEソルビタントリステアレート(ポリソルベート65) などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POE硬
化ヒマシ油5 ,POE硬化ヒマシ油10 ,POE硬化ヒマシ油20 ,POE硬化ヒマシ油40
,POE硬化ヒマシ油50、POE硬化ヒマシ油60 ,POE硬化ヒマシ油100などのPO
E硬化ヒマシ油類;POE(9) ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4) セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル類などが挙げられる。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
)、グルタミン酸、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、グルタミン酸ナトリウム、グルコース又はトレハロースから選択される少なくとも1種以上の成分を配合した場合に、更に顕著となる。この場合に、上記したエデト酸またはその塩や非イオン性界面活性剤と組み合わせて配合した場合に更に顕著になる。
粘度の測定は、円すい一平板形回転粘度計を用いる方法(第十四改正日本薬局法に記載の、一般試験法、45.粘度測定法、第2法回転粘度計法、「(3)円すい−平板形回転粘度計」の項に記載の方法)に従い行うことができる。一例として、E型粘度計の1種であるT
VE−20L形粘度計コーンプレートタイプ(トキメック(TOKIMEC)製、東機産業(日本))を用いて以下の測定条件の下で測定を行うことができる。
TVE−20L形粘度計コーンプレートタイプに付属の標準コーンロータ(α=1°34'、半径(R)=2.4cm)をフルスケール・トルク67.37×10-6 Nm のスプリングを介してモータで回転させる。測定時、粘度計は回転軸が水平面に対して垂直になるように設置する。被検試料1mlをコーンロータの所定のプレート位置に載置し、温度が20℃になるまで放置する。次いで、装置を被検試料の粘度に応じた回転数で回転させ、4分後に、表示された粘度
を読み取る。高精度の測定結果を得るために、被検試料測定前に、JIS Z 8809 により規
定されている石油系の炭化水素油(ニュートン流体)を校正用標準液として用い、測定値が標準液の粘度に一致するように調整する。測定時の使用ローター、回転数、測定試料量等は適宜選択できる。
本発明の眼科用清涼組成物を用いることができるソフトコンタクトレンズとしては、ソフトコンタクトレンズのカーブ形状やエッジの形状、材質等によらず利用することができ、非含水ソフトコンタクトレンズや、厚生省医薬安全局によるソフトコンタクトレンズ及びソフトコンタクトレンズ用消毒剤の審査におけるソフトコンタクトレンズの分類方法によってグループI〜グループIVに分類されるいずれのソフトコンタクトレンズであっても、十分な清涼感を付与することができる。例えば、非含水ソフトコンタクトレンズ、グループI(メダリスト・登録商標、ボシュロム・ジャパン株式会社)、グループII(メニコンソフトS・登録商標、メニコン株式会社)、グループIII(ハイフローAce・登録商標、HOYAヘルスケア株式会社)、グループIV(2ウイークアキュビュー・登録商標、ジョンソンエンドジョンソン株式会社)等のソフトコンタクトレンズが挙げられる。
ネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸ナファゾリンなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
眼筋調節薬成分:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピンなど。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、硝酸銀、プラノプロフェン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリンなど。
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、トラニラスト、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸レボカバスチン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウム、マレイン酸クロルフェニラミンなど。
ビタミン類:例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リン酸ピリドキサール、シアノコバラミン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、アスコルビン酸、酢酸トコフェロールなど。
局所麻酔薬成分:例えば、クロロブタノール、塩酸オキシブプロカイン、塩酸コカイン、塩酸コルネカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ピペロカイン、塩酸プロカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸ヘキソチオカイン、塩酸リドカインなど。
剤、緩衝剤、などの各種添加剤を挙げることができる。
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸またはその塩、マクロゴール、ヒアルロン酸ナトリウム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グリセリン、デキストラン、アルギン酸プロピレングリコールエステルなど。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリン、トレハロースなど。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。
界面活性剤:例えば、アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型両性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩(具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの陽イオン界面活性剤など。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニドなど)、グローキル(ローディア社製 商品名)など。
pH調整剤:例えば、塩酸、ホウ酸、イプシロン−アミノカプロン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミンなど。
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、プロピレングリコールなど。
香料又は清涼化剤:例えば、上記したメントール、カンフル、ボルネオール以外の、ゲラニオール、リュウノウ、ウイキョウ油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油など。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
安定剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウムなど。
塩化ベンザルコニウム(アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド)、メチルパラベン,エチルパラベン,プロピルパラベン,ブチルパラベン等のパラヒドロキシ安息香酸エステル類、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、dl-塩酸メチルエフェドリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン等、ソフ
トコンタクトレンズに吸着しやすい成分やコンタクトレンズの変形を起こしやすい成分、或いはコンタクト装用時の重篤な病症を隠匿してしまう恐れのある充血除去剤を含有する場合には、製剤設計を工夫する必要がある。また、実質的にこれらの成分を含まない製剤設計とすることも可能であり、場合によっては実質的にこれらの成分を含まない眼科用清涼組成物が望ましい。
しくは6.5〜8.5である。pHの調整は、緩衝剤、前記pH調整剤などを用いて行うことができる。
清涼化剤のなかでも特にメントール、カンフル又はボルネオールから選択される化合物を単独または組み合わせて、その総量として0.01w/v%以上0.1w/v%未満の限定された範囲内で含有したうえで、無機塩類を必須の構成成分として含有し、さらに、特定の分子量を有する特定の高分子を組み合わせて含有することで、ソフトコンタクトレン
ズを常用することによって眼に障害を有して、刺激に敏感になった眼に適用した場合においても、適用直後から十分な清涼感が付与され、かつ、刺激が緩和されている使用感に優れた組成物を提供することができる。
試験に用いた各実施例及び試験例の調製は、表1〜6に示す処方に従った。具体的には、表1に記載の実施例1の調製方法を示す。ヒドロキシエチルセルロース(HEC-CF-G)を約100mLの精製水中にて攪拌溶解した(調製液A)。次に、ポリソルベート80、l-メントール、d-カンフル、d-ボルネオールを攪拌溶解した(調整液B)。エデト酸ナトリウムと
塩化ナトリウムを50mLの精製水に溶解し、調整液Aおよび調製液Bを加え、さらに精製水
を加えてpHを調整して(pH=7.4)、全体を200mlとした。さらに実施例1に従い、他の実施例及び比較例も調製した。
試験溶液を無菌的に濾過し、10mlずつ点眼容器に充填して、20名のソフトコンタクトレンズを常用している専用パネラーにおいて、ソフトコンタクトレンズを装用中又は裸眼時(ソフトコンタクトレンズを外した直後)に点眼した場合の、点眼直後及び点眼5分後、点眼10分後の清涼感の評価を行った。使用したソフトコンタクトレンズは、グループIV(2ウイークアキュビュー(登録商標)、ジョンソンエンドジョンソン株式会社)のソフトコンタクトレンズを用いた。
各パネラーには、清涼感について全く感じない場合を0点、十分に強い清涼感を感じる場合を6点として7段階評価してもらった。同様に眼刺激について全く感じない場合を6点、強い刺激を感じる場合を0点として7段階評価してもらった。パネラー全員の評価点を平均して、その平均値が0〜2点未満を×、2点以上3点未満を△、3点以上4点未満を○、4点以上6点以下を◎として表に結果を示す。
ドン(平均分子量約12万)を塩化ナトリウムと組み合わせて含有する本発明の実施例では眼に組成物を適用した直後から十分な清涼感が得られ、刺激がなく安全性が高いことが示された。また、ソフトコンタクトレンズを常用すると、涙液の減少や角膜表面に何らかの障害を惹起することが知られており、特にソフトコンタクトレンズを外した直後は、メントール等の清涼感に対して極めて過敏になっているが、この極めて過敏な眼に対しても刺激を伴うことなく十分な清涼感を付与することができることが確認された。
ール(平均分子量約12万)を塩化ナトリウムと組み合わせて含有する本発明の実施例では眼に組成物を適用した直後から十分な清涼感が得られ、刺激がなく安全性が高いことが示された。また、ソフトコンタクトレンズを常用すると、涙液の減少や角膜表面に何らかの障害を惹起することが知られており、特にソフトコンタクトレンズを外した直後は、メントール等の清涼感に対して極めて過敏になっているが、この極めて過敏な眼に対しても刺激を伴うことなく十分な清涼感を付与することができることが確認された。
チン硫酸ナトリウム(平均分子量約2万)を塩化ナトリウムと組み合わせて含有する本発
明の実施例では眼に組成物を適用した直後から十分な清涼感が得られ、刺激がなく安全性が高いことが示された。また、ソフトコンタクトレンズを常用すると、涙液の減少や角膜表面に何らかの障害を惹起することが知られており、特にソフトコンタクトレンズを外した直後は、メントール等の清涼感に対して極めて過敏になっているが、この極めて過敏な眼に対しても刺激を伴うことなく十分な清涼感を付与することができることが確認された。
Claims (4)
- a)メントール、カンフル又はボルネオールから選択される化合物を、それらの総量として0.01w/v%以上0.1w/v%未満、
b)無機塩類、および
c)平均分子量が20万〜250万のヒドロキシエチルセルロース、平均分子量が1万〜15万のポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする眼科用清涼組成物。 - さらに、非イオン性界面活性剤を0.001〜5w/v%含有する請求項1に記載の眼科用清涼組成物。
- さらに、エデト酸又はその塩を0.0001〜1w/v%含有する請求項1又は2に記載の眼科用清涼組成物。
- さらに、アミノエチルスルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、グルタミン酸ナトリウム、グルコース又はトレハロースから選択される少なくとも1種以上の成分を、それらの総量として0.01〜5w/v%含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の眼科用清涼組成物。
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