JP2013211404A - 金属露出基板の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属露出基板を、アンモニア以外のアルカリ薬品を用いて洗浄する。好ましくは、洗浄水として、非アンモニア系アルカリ薬品を含む水素ガス溶解水を用いる。アンモニア以外のアルカリ薬品を用いることで銅等の金属の腐食を防止することができる。また、その際に洗浄水に水素ガスを溶存させることで更に防食効果が高められる。
【選択図】図1
Description
本発明の金属露出基板の洗浄方法は、半導体用のシリコンウェハ、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板等、高度な清浄度を必要とする電子部品などの洗浄技術として好適に用いられる。
例えば、特許文献1には、電子材料の洗浄水として、水素ガス、酸素ガス、オゾンガス、希ガス、炭酸ガスなどを溶解させたガス溶解水を用いることが記載され、特に、アンモニアを添加した水素ガス溶解水が微粒子除去効果に優れるとされている。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
特に、洗浄水として、アンモニア以外のアルカリ薬品を含む水素ガス溶解水を用いた場合には、金属の腐食を防止した上で、金属露出基板に付着している微粒子を高度に除去すると共に、微粒子の再付着の防止、また帯電防止を図ることができる。これは、非アンモニア系アルカリ薬品を含む水素ガス溶解水を洗浄水として用いた場合には、水素ガス溶解水の微粒子除去効果とアルカリ添加による除去された微粒子の基板への再付着防止効果が有効に作用すると共に、酸化還元電位が還元側にあることによる酸化抑制効果で非アンモニア系アルカリ薬品によるわずかな腐食も抑えられていることによるものと考えられる。
まず、本発明で洗浄対象とする金属露出基板について説明する。
本発明で洗浄対象とする金属露出基板は、基板表面の一部又は全面に金属が露出したものであり、その金属としては特に制限はないが、銅、アルミニウム及びこれらの合金等が挙げられる。これらのうち、特に洗浄による腐食の問題が大きいことから、本発明は銅露出基板の洗浄に特に有効である。
このような金属露出基板としては、表面に銅配線、アルミ配線等の金属膜が形成されたシリコンウェハ、ガラス基板、石英ガラス基板等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
本発明の一態様では、上述のような金属露出基板の防食用洗浄水として水素ガス溶解水を用い、別の態様では、非アンモニア系アルカリ薬品を添加した水又は非アンモニア系アルカリ薬品を添加した水素ガス溶解水を用いる。
本発明で用いる水素ガス溶解水の溶存水素ガス濃度は0.1〜1.6mg/L、特に0.3〜1.5mg/L程度であることが好ましく、その酸化還元電位は−100〜−700mV(vs.NHE)程度であることが好ましい。
本発明で用いる非アンモニア系アルカリ薬品は、金属腐食性を有するアンモニア以外のアルカリ薬品であり、具体的には、KOH(水酸化ナトリウム)、NaOH(水酸化ナトリウム)、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、コリン等のアルカリ性薬品やアルカリ性界面活性剤などが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
洗浄水のpHが低いと十分な洗浄効果が得られず高過ぎると経済的でない。
本発明においては、特に水素ガス溶解水に上述のような非アンモニア系アルカリ薬品を溶解させた洗浄水を用いることにより、金属の腐食を抑制した上で、良好な洗浄効果、即ち、微粒子除去効果、微粒子の再付着防止効果、帯電防止効果を得ることができる。
本発明に従って、水素ガス溶解水、非アンモニア系アルカリ薬品水又は非アンモニア系アルカリ薬品含有水素ガス溶解水を用いて金属露出基板を洗浄する方法には特に制限はなく、洗浄時間や用いる洗浄水量についても、その洗浄方法と洗浄対象の金属露出基板の汚染の程度に応じて適宜決定される。
いずれの洗浄装置でも、配管11からの水素ガス溶解水に、薬液貯槽3からポンプ4により、配管12を経て非アンモニア系アルカリ薬品が注入され、非アンモニア系アルカリ薬品含有水素ガス溶解水がノズル5から金属露出基板1の表面にスプレーされて金属露出基板1が洗浄される。
図2の態様において、搬送ローラー6による金属露出基板1の搬送速度にも特に制限はないが、1〜20cm/秒、特に2〜10cm/秒程度とすることが好ましい。
図1に示す洗浄装置を用いて、以下の金属露出基板を、以下の洗浄条件で洗浄した。
吐出口:超音波洗浄併用 本多電子製超音波ノズル 1MHz
洗浄水量:2L/min
ウェハ回転数:100rpm
注入薬液:電子工業用TMAH 100mg/L
洗浄水:水素ガス溶解水 溶存水素ガス濃度 1.4mg/L
酸化還元電位 −700mV(vs.NHE)
洗浄時間:3min
金属露出基板は、全面を銅蒸着したシリコンウェハをCMP研磨剤として通常用いられるシリカスラリーで汚染させたものを用いた。汚染レベルは顕微鏡観察で、1〜5μm程度の微粒子が1視野に10〜20個程度観察される程度とし、100視野の微粒子数を、洗浄前後でカウントし、以下の式(1)で微粒子除去率を算出した。
微粒子除去率(%)=((洗浄前100視野中の微粒子数)−(洗浄後100視野中の微粒子数))/(洗浄前100視野中の微粒子数) ×100 …式(1)
また、基板表面の腐食も100視野観察したなかで腐食が見られた視野数でカウントした。
実施例1において、洗浄水を、表1に示すものに変更したこと以外は同様にして洗浄テストを行い、結果を表1に示した。
なお、実施例2及び比較例3の洗浄水の溶存水素ガス濃度は実施例1で用いた水素ガス溶解水と同等であり、実施例3の洗浄水のTMAH濃度は実施例1の洗浄水のTMAH濃度と同等で、洗浄水のpHは11である。比較例2,3の洗浄水のアンモニア濃度は、100mg/LでpHは約11である。
比較例1の超純水を用いた洗浄では、腐食は起きないが、微粒子除去率が低い。比較例2,3のアンモニアを用いた場合は、銅の腐食が起こり、特に、比較例3のアンモニアが添加されている場合、水素ガス溶解水を用いても腐食を完全に抑制することは難しい。
これに対して、水素ガス溶解水にTMAHを添加した実施例1では、除去率が高く、腐食も抑制できる。これは、水素ガス溶解水の微粒子除去効果とアルカリ添加による除去された微粒子の基板への再付着防止効果が働くことと、酸化還元電位が還元側にあることによる酸化抑制効果でTMAHによるわずかな腐食が抑えられていることによると考えられる。
なお、水素ガス溶解水を用いた実施例2やTMAH水を用いた実施例3では、微粒子除去率は高いとは言えないが、超純水を用いた比較例1よりも微粒子除去率は高く、アンモニアを用いた比較例2,3よりも腐食抑制効果は格段に優れる。
2 回転台
3 薬液貯槽
4 薬液ポンプ
5 洗浄水吐出ノズル
6 搬送ローラー
Claims (5)
- 表面に金属が露出した基板の該金属露出面を洗浄する方法において、該金属の防食用洗浄水として、水素ガス溶解水を用いることを特徴とする金属露出基板の洗浄方法。
- 表面に金属が露出した基板の該金属露出面をアルカリ薬品を用いて洗浄する方法において、該アルカリ薬品として非アンモニア系アルカリ薬品を用いることを特徴とする金属露出基板の洗浄方法。
- 請求項2において、該非アンモニア系アルカリ薬品が、KOH、NaOH、TMAH、コリン、及びアルカリ性界面活性剤よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする金属露出基板の洗浄方法。
- 請求項2又は3において、前記金属露出面を、非アンモニア系アルカリ薬品を含む水素ガス溶解水を用いて洗浄することを特徴とする金属露出基板の洗浄方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、該金属が銅であることを特徴とする金属露出基板の洗浄方法。
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