JP2013211173A - 導電ペーストおよび導電回路 - Google Patents

導電ペーストおよび導電回路 Download PDF

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Abstract

【課題】低抵抗の導電回路の形成を可能とする導電ペーストを提供する。
【解決手段】導電ペーストは、導電性粉末と、有機バインダーと、チオジグリコール酸およびチオジグリコール酸の誘導体の少なくとも何れか1種とを含有することを特徴とする。前記チオジグリコール酸およびチオジグリコール酸の誘導体の少なくとも何れか1種は、固形分換算として、前記有機バインダー100質量部当たり、0.01〜10質量部である。また、前記導電性粉末は、銀粉を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電ペーストおよびそれを用いた導電回路に関する。
従来よりプラズマディスプレイパネル(以下「PDP」ともいう。)などのフラットパネルディスプレイ(以下「FPD」ともいう。)等に対し導電回路を形成する技術として、有機バインダーに銀粉末等の導電性粉末を混合した導電ペーストを基板上に、例えばスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法によってパターン形成し、次いで550℃以上での焼成を行うことで有機成分をバーンアウトさせると共に導電性粉末を基板上に融着させ無機成分のみからなる導電回路を形成する方法が知られている(例えば特許文献1など参照)。この方法は非常に高温条件で行うため適用できる基材は制限されてしまう。
一方、基材にPETなどを用いた電子ペーパー等のフレキシブルデバイスや、タッチパネル等の耐熱性の低いデバイスに対し導電回路を形成する技術として、導電ペーストを基材上にパターン形成し、250℃以下の温度で硬化させ導電性粉末と有機成分からなる導電回路を形成する方法が提案されている(例えば特許文献2など参照)。
特許3520798号 特開2004−355933号公報
上記のような導電ペーストにより形成される導電回路において高い導電性を得るために、例えば導電ペースト中の導電性粉末の含有率を高くしたり、フレーク状の導電性粉末といった形状を特定する等の検討がなされ導電回路の低抵抗化が図られているが、未だ十分とはいえず改善の余地がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、低抵抗の導電回路を形成できる導電ペーストを提供することにある。
本実施形態に係る導電ペーストは、導電性粉末と、有機バインダーと、チオジグリコール酸およびチオジグリコール酸の誘導体の少なくとも何れか1種とを含有することを特徴としている。このような構成により、導電回路の低抵抗化を達成することができる。導電回路の低抵抗化は、有機成分のバーンアウトの有無にかかわらず、達成することができる。
本実施形態に係る導電ペーストは、非感光性であることが好ましい。また、本実施形態に係る導電ペーストは、上記導電性粉末が、銀粉であることが好ましい
また、本実施形態に係る導電ペーストは、上記チオジグリコール酸およびチオジグリコール酸誘導体の少なくとも何れか1種の配合量が固形分換算として、上記有機バインダー樹脂100質量部当たり、0.01〜10質量部であることが好ましい。
このような構成により、導電回路の更なる低抵抗化を達成することができる。
また、本実施形態に係る導電回路は、上記の導電ペースト用いて形成されることを特徴としている。
本発明にかかる導電ペーストによれば、低抵抗の導電回路を形成できる。
本発明の発明者らは、上記課題に対し、鋭意検討した結果、導電回路形成に用いるペーストに、導電性粉末と、有機バインダーと、チオジグリコール酸およびチオジグリコール酸の誘導体の少なくとも何れか1種とを含有することで低抵抗の導電回路を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本実施形態の導電ペーストについて詳細に説明する。
本実施形態の導電ペーストにおける導電性粉末は、形成された導電回路に導電性を付与するものであり、具体的には、例えばAg、Au、Pt、Pd、Ni、Cu、Al、Sn、Pb、Zn、Fe、Ir、Os、Rh、W、Mo、Ruなどを挙げることができる。これらの導電性粉末は、単体の形態で用いてもよいし、これらのいずれかの合金や、これらのいずれかをコアまたは被覆層とする多層体であってもよい。また、酸化錫(SnO2)、酸化インジウム(In2O3)、ITO(Indium Tin Oxide)などの酸化物を用いてもよい。これら導電性粉末の中でもAgが好適に用いられる。
導電性粉末の形状としては、球状、フレーク(鱗片)状の他、デントライト状など種々の形状のものを用いることができ、特に限定されない。
導電性粉末の粒径としては、特に制限はないが例えば球状の導電性粉末を用いる場合は、平均粒径が0.1〜5μm、好ましくは0.2〜3μmである。また、フレーク状の導電性粉末を用いる場合、平均粒径が0.1〜5μm、好ましくは0.3〜3μmである。
なお、平均粒径は、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察したランダムな10個の導電性粉末を測定した平均を算出することで求められる。
また、フレーク状銀粉末とは、具体的にはアスペクト比が3以上である銀粉をいう。アスペクト比は、(平均粒径/平均厚さT)により求めることができる。
ここで、「平均粒径」は、走査型電子顕微鏡で長手方向に測定した粒子10個の平均長径Lを示し、「平均厚さT」は、走査型電子顕微鏡で厚さ方向に測定した粒子10個の平均厚さTを示す。
このような導電性粉末は、導電ペーストの不揮発成分(乾燥工程でペースト中から揮発せず、膜に残存する成分)を基準として、30〜90質量%であることが好ましい。30質量%未満であると、十分な導電性を得ることが困難となり、90質量%を超えると、印刷性に劣り塗膜形成が困難となる。より好ましくは50〜85質量%である。
本実施形態の導電ペーストにおける有機バインダーは、導電性粉末を分散し、基板上に塗布可能な状態とし、また、導電性ペーストが感光性である場合、パターン露光により現像することにより、塗膜にパターンを形成するために用いられる。
有機バインダーとしては、非感光性の樹脂、感光性の樹脂いずれにも使用することができる。有機バインダーとしては、乾燥性有機バインダー、熱硬化性有機バインダー、光硬化性有機バインダーのいずれか1種を含むものを用いることができる。必ずしも単体で用いる必要はなく、2種以上併用することも可能である。
このうち、乾燥性有機バインダーおよび熱硬化性有機バインダーは用いられる非感光性の導電ペーストに用いられる。乾燥性有機バインダーは、後述する有機溶剤とともに用いられ、加熱乾燥によって有機溶剤が除去されることにより、乾燥塗膜を形成する。また、熱硬化性有機バインダーは、熱または触媒の作用を受けて分子間架橋することにより硬化し、硬化塗膜を形成する。
このような乾燥性有機バインダー、熱硬化性有機バインダーとしては、アクリル系ポリオール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、スチレン−アリルアルコール樹脂、フェノール樹脂等のオレフィン系水酸基含有ポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロールなどのセルロール誘導体や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、アルキドフェノール樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂を用いることができる。特に、熱硬化性有機バインダーとして、熱硬化により硬化塗膜を形成する場合には、後述する過酸化物の熱重合触媒を併用することが好ましい。
また、光硬化性有機バインダーは、感光性を付与する場合に用いられ、紫外線、電子線などの活性エネルギー線の作用を受けて、分子間架橋により硬化し、硬化塗膜を形成する。
このような光硬化性有機バインダーとしては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等のエチレン性不飽和結合やプロパルギル基などの感光性基を有する樹脂、例えば側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体、不飽和カルボン酸変性エポキシ樹脂あるいはそれにさらに多塩基酸無水物を付加した樹脂など、従来公知の各種感光性樹脂(感光性プレポリマー)を用いることができる。
これらの光硬化性有機バインダーは、分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物、即ち後述する光重合性モノマーと併用して用いることができる。また、光硬化性有機バインダーは、光重合をより効率的に進行させるために、後述する光重合開始剤を併用することが好ましい。
チオジグリコール酸は、金属めっき液の安定性の付与のため添加するものであるが、本実施形態においては、導電回路形成に用いる導電ペースト中に含有させることにより低抵抗の導電回路の形成を達成することができる。チオジグリコール酸としては、例えば関東化学社製の鹿1級等のチオジグリコール酸を使用することが出来る。
また、チオジグリコール酸の誘導体を用いても低抵抗の導電回路の形成を達成することができる。なお、誘導体とは、ある化合物に小部分の構造上の変化があってできる化合物をいい、一般には化合物の中の水素原子あるいは特定の原子団が、他の原子あるいは原子団によって置換された化合物をいう。
チオジグリコール酸の誘導体としては、例えば3,3’−チオジプロピオン酸、チオ二酢酸ジアリル、チオビス(酢酸ブチル)、チオジグリコール酸ジナトリウム、2,2’−チオ二酢酸ビス(2−エチルヘキシル)、チオ二酢酸ジオクチル、2,2’−チオビス(酢酸メチル)、チオジグリコール酸ジカリウム等があげられる。
チオジグリコール酸およびチオジグリコール酸の誘導体の少なくとも何れか1種の配合割合は、固形分換算として、有機バインダー100質量部あたり0.01〜10質量部が好ましい。0.01質量部未満であると、導電性が悪化してしまうため、好ましくない。一方、10質量部を超えると、同様に導電性が悪化してしまうため好ましくない。より好ましくは、0.1〜5質量部である。
また、本実施形態の導電ペーストに感光性を付与する場合には、光重合性モノマーを用いることができる。
光重合性モノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよび上記アクリレートに対応する各メタクリレート類;フタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、トリメリット酸、テレフタル酸などの多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−、またはそれ以上のポリエステルなどを挙げることができる。
これら光重合性モノマーは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの光重合性モノマーの中でも、1分子中に2個以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。
このような光重合性モノマーの配合量としては、固形分換算として、有機バインダー100質量部あたり5〜200質量部が好ましい。
また、導電ペーストに感光性を付与する場合に光硬化を促進させることを目的として光重合開始剤を用いることができる
このような光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;またはキサントン類;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネイト等のホスフィンオキサイド類;1,2−オクタンジオン,1−[4−フェニルチオ]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−9−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;各種パーオキサイド類などを挙げられる。また、光重合開始剤としてはBASFジャパン製のIRGACURE 389も好適に用いることが出来る。これら光重合開始剤を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
市販品としては、例えばBASFジャパン社製のIRGACURE 184、IRGACURE 369、IRGACURE 379、IRGACURE 389、IRGACURE 819、IRGACURE 907、ルシリン(登録商標)TPO、CGI‐325、IRGACURE(登録商標)OXE01、IRGACURE OXE02、ADEKA社製のNCI-831などを用いることができる。
このような光重合開始剤の配合量としては、固形分換算として、有機バインダー100質量部あたり0.01〜50質量部が好ましい。0.01質量部未満であると、光硬化性が不十分になりパターンに欠けが発生しやすくなる。また表面硬化性が不足し、現像時に塗膜表面がダメージを受け、導電性に影響を及ぼす。一方、50質量部を超えると、パターンのハレーションが発生し、パターンエッジ部分のシャープ性が悪化する。またパターンの抜き性が悪化し、スペースが小さいパターンが描けなくなる。
上記した光重合開始剤には、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの三級アミン類のような光増感剤の1種あるいは2種以上と組み合わせて用いることができる。
また、導電ペーストの硬化促進を目的として、必要に応じて熱重合触媒を用いることができる。熱重合触媒は、数分から1時間程度の高温におけるエージングにより、未硬化の重合性成分を反応させることができる。
このような熱重合触媒としては、例えば過酸化ベンゾイルなどの過酸化物、イソブチロニトリルなどのアゾ化合物であり、好ましくは、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジバレロニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレイト、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド、2−メチル−2,2’−アゾビスプロパンニトリル、2,4−ジメチル−2,2,2’,2’−アゾビスペンタンニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2,2’,2’−アゾビス(2−メチルブタナミドオキシム)ジヒドロクロライドなどを挙げることができる。
また、本実施態様の導電ペーストには、粘度を調整し、均一な塗膜を形成するために有機溶剤を用いることができる。
このような有機溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テルピネオールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤を挙げることができ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような導電ペーストにおいて、さらに、保存安定性を向上させ、ゲル化や流動性の低下による塗布作業性の悪化を抑制するために、安定剤を添加することができる。
このような安定剤としては、導電ペースト中の導電性粉末との錯体化あるいは塩形成などの効果のある化合物を用いることができる。
具体的には、例えば硝酸、硫酸、塩酸、ホウ酸などの各種無機酸;ギ酸、酢酸、アセト酢酸、クエン酸、ステアリン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、スルファミン酸などの各種有機酸;リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸ブチル、リン酸フェニル、亜リン酸エチル、亜リン酸ジフェニル、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートなどの各種リン酸化合物(無機リン酸、有機リン酸)などの酸を挙げることができる。これら安定剤は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、本実施形態の導電ペーストには、シリコーン系、アクリル系などの消泡・レベリング剤、塗膜の密着性向上のためのシランカップリング剤などの他の添加剤を配合することができる。またさらに、公知の酸化防止剤や保存時の熱的安定性を向上させるための熱重合禁止剤などを添加することもできる。
以上のように構成される導電ペーストは、各成分を混合することにより調製され、攪拌機等による攪拌の後、3本ロールミルなどにより練肉してペースト化することができる。
このようにして調製された導電ペーストは、非感光性の導電ペーストの場合には、スクリーン印刷、オフセット印刷等の印刷法によりガラス基板等の基材に所望の導電回路を印刷し、その後、導電回路が印刷された基材を、80〜300℃で5〜60分乾燥、または硬化させることで基材上に所望の導電回路を形成する。
一方、感光性の導電ペーストの場合には、上記方法の他、以下の方法により導電回路が形成される。
先ず、スクリーン印刷法、バーコーダー、ブレードコーターなど適宜の塗布方法で、ガラス基板などの基材に塗布し、塗膜を形成する。
次いで、得られた塗膜を、指触乾燥性を得るために熱風循環式乾燥炉、遠赤外線乾燥炉などで例えば約70〜120℃で5〜40分程度乾燥させ、タックフリーの塗膜(乾燥塗膜)を形成する。このとき、予め導電ペーストをフィルム上に成膜している場合には、基材上にラミネートしてもよい。
その後、得られた乾燥塗膜に対し、選択的露光を行う。選択的露光としては、所定の露光パターンを有するネガマスクを用いた接触露光および非接触露光が可能である。露光光源としては、例えばハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー光、メタルハライドランプ、ブラックランプ、無電極ランプなどが使用される。露光量としては10〜700mJ/cm2程度が好ましい。
選択的露光後の塗膜に対し、現像を行う。現像にはスプレー法、浸漬法などが用いられる。現像液としては、導電ペースト中に含まれる有機バインダー中に含まれるカルボキシル基がケン化され、未硬化部(未露光部)を除去することができればよく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム等の金属アルカリ水溶液や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン水溶液、特に約1.5wt%以下の濃度の希アルカリ水溶液が好適に用いられる。また、現像後に不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行うことが好ましい。
その後、現像により所望の導電パターンが形成された基板を、80〜300℃で5〜60分乾燥、または硬化させることで基材上に所望の導電回路を形成する。
以下、実施例および比較例を示して本実施形態について具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。尚、以下において「%」とあるのは、特に断りのない限り全て重量基準である。
〈有機バインダーの合成例〉
温度計、攪拌機、滴下ロート、および還流冷却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレート、メタクリル酸を0.87:0.13のモル比で仕込み、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル、触媒としてアゾビスイソブチロ二トリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃で2〜6時間攪拌し、有機バインダーを含む樹脂溶液を得た。この有機バインダーは、重量平均分子量が約10,000、酸価が74mgKOH/g、固形分が57%であった。
有機バインダーの重量平均分子量の測定には、島津製作所製ポンプLC−6ADと昭和電工製カラムShodex(登録商標)KF−804、KF−803、KF−802を3本つないだ高速液体クロマトグラフィーを使用した。
〈導電ペーストの調製〉
表1に示す各成分・組成比にて配合し、攪拌機により攪拌後、3本ロールミルにより練肉してペースト化を行い、実施例1〜4および比較例1〜5の各導電ペーストを調製した。
Figure 2013211173
*1:平均粒径=1.5μm
*2:M−350(東亜合成社製)
*3:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド;IRGACURE 819(BASFジャパン社製)
*4:2,2’−チオジグリコール酸(関東化学社製;規格 鹿1級)
*5:3,3’−チオジプロピオン酸(関東化学社製;規格 鹿1級)
*6:グリコール酸(関東化学社製;規格 鹿1級)
*7:チオグリコール酸(関東化学社製;規格 鹿1級)
*8:マロン酸(関東化学社製;規格 鹿1級)
〈シート抵抗値評価〉
調整した各導電ペーストを、ガラス基板上にパターン印刷し、0.5cm×10cmのパターンを形成し、170℃×30分にて加熱処理し、0.5cm×10cmの導電回路を形成した。この導電回路について、ミリオームハイテスターを用いた四端子法によりシート抵抗値を測定し、比抵抗値を算出した。
Figure 2013211173
表2に示すように、チオジグリコール酸、またはその誘導体を用いた実施例1〜4では、感光、非感光性に関係なく何れも10−5(Ω・cm)オーダーの比抵抗値が得られ、低抵抗であることが確認された。一方、チオジグリコール酸およびチオジグリコール酸の誘導体の少なくとも何れか1種を用いない比較例1、2、チオジグリコール酸およびチオジグリコール酸の誘導体の少なくとも何れか1種に代えてグリコール酸、チオグリコール酸、マロン酸をそれぞれ用いた比較例3、4、5では、感光、非感光性に関係なく何れも10−5(Ω・cm)オーダーの比抵抗値が得られず、実施例に比して、比抵抗値が高いことが確認された。

Claims (5)

  1. 導電性粉末と、有機バインダーと、チオジグリコール酸およびチオジグリコール酸の誘導体の少なくとも何れか1種とを含有することを特徴とする導電ペースト。
  2. 非感光性であることを特徴とする請求項1に記載の導電ペースト。
  3. 前記導電性粉末は、銀粉を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電ペースト。
  4. 前記チオジグリコール酸およびチオジグリコール酸の誘導体の少なくとも何れか1種は、固形分換算として、前記有機バインダー100質量部当たり、0.01〜10質量部であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の導電ペースト。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の導電ペーストを用いて形成されることを特徴とする導電回路。
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