JP2013210538A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】F/2.0を超える明るいF値において、収差を良好に補正し、高い結像性能を得ることが可能となる撮像装置を提供する。
【解決手段】複数のレンズを有する撮像光学系と、該撮像光学系の像面近傍に、物体側に凹面を向けて湾曲した撮像面を有する撮像装置であって、
前記撮像光学系は、開口絞りを備え、
前記撮像光学系における前記開口絞りよりも物体側のレンズのパワーと、前記撮像光学系における前記開口絞りよりも像側のレンズのパワーとが、互いに異なる正のパワーを有し、
前記撮像面の曲率半径が前記撮像光学系の焦点距離と略等しく設定されていると共に、前記撮像面の曲率半径が前記撮像光学系の射出瞳から前記撮像面までの距離と略等しく設定されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、湾曲面を有する電子撮像素子、または一端に湾曲面・他端に平面を有した像伝達手段の平面を電子撮像素子に連結させた撮像部を備え、湾曲面を撮像光学系の像面の位置に配置した撮像装置に関する。
特に、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ、携帯電話用カメラ、監視カメラ等に好適な撮像装置に関するものである。
このような湾曲させた撮像面を用いた撮像装置の例がいくつか開示されている。
球殻レンズと、該レンズの内側に球状レンズとで同心球を成した球レンズが提案されている(特許文献1)。
この球レンズは、球面収差や色収差を良好に補正することが可能である。
また、点対称な構成のため広画角化が容易であり、広角かつ高解像度が要求される撮像装置の撮像光学系に適している。
この球レンズにおいて、フレア等の有害光を遮断し良好な結像性能を得るために、球レンズの球中心を通る平面上に開口絞りを有した例が開示されている。
また、電子撮像素子面を2次元的に湾曲させた撮像光学系が提案されている(特許文献2)。
ここでは、電子撮像素子を画像記録媒体とする場合の制約条件を緩和するために、電子撮像素子の受光面を物体側に凹面化して、電子撮像素子に対する光束の入射角度を法線角度に近づけた例が開示されている。
近年の撮像装置では電子撮像素子の画素サイズが急速に小さくなり、撮像光学系は高解像度化が求められている。そのため、撮像光学系は明るいF値においても高い結像性能を実現する必要があった。
さらに、近年の撮像装置は広角化やコンパクト化が求められている。
特開昭63−081413号公報 特許第4628781号公報
特許文献1では球レンズを用いた実施例が開示されており、主な実施例はF/2.8の撮像光学系であって、球面収差や軸上色収差が良好に補正されており、結像性能が良い撮像光学系である。
一方、そこではF/2.8よりも明るい実施例も開示されている。例えば、F/2.0やF/1.4の撮像光学系が開示されている。しかし、このような明るいF値においては球面収差が大きく発生しており、十分な結像性能が得られていない。
すなわち、F/2.0を超える明るいF値の撮像光学系においては、球レンズだけでは特に球面収差が補正しきれず、結像性能が劣化する問題が発生していた。また、F/1.0の撮像光学系も開示されているが、N=2.500やN=2.301等の高屈折率材料を用いて収差を補正している。
この様な高屈折率材料は高価であり、また透過率が低下する問題がある。
特許文献2では、非点対称な撮像光学系を用いた実施例が開示されており、F/2.45〜F/2.91の撮像光学系の比較的明るいF値において、球面収差、軸上色収差、像面湾曲などの収差を補正しており、高い結像性能を実現している。
しかしながら、近年の撮像装置においては、電子撮像素子の画素サイズが微小化され、更なる高解像度な光学系が求められている。
そのために、F/2.0を超える明るいF値の撮像光学系において、球面収差等の収差が発生して結像性能が劣化することが問題となる。
本発明は、上記課題に鑑み、F/2.0を超える明るいF値において、収差を良好に補正し、高い結像性能を得ることが可能となる撮像装置の提供を目的としている。
本発明の撮像装置は、複数のレンズを有する撮像光学系と、該撮像光学系の像面近傍に、物体側に凹面を向けて湾曲した撮像面を有する撮像装置であって、
前記撮像光学系は、開口絞りを備え、
前記撮像光学系における前記開口絞りよりも物体側のレンズのパワーと、前記撮像光学系における前記開口絞りよりも像側のレンズのパワーとが、互いに異なる正のパワーを有し、
前記撮像面の曲率半径が前記撮像光学系の焦点距離と略等しく設定されていると共に、前記撮像面の曲率半径が前記撮像光学系の射出瞳から前記撮像面までの距離と略等しく設定されていることを特徴とする。
その際、前記撮像面の曲率半径を前記撮像光学系の焦点距離と略等しく設定するため、次の(1)式を満たし、
前記撮像面の曲率半径を前記撮像光学系の射出瞳から前記撮像面までの距離と略等しく設定すめため、次の(2)式を満たすように構成することができる。

0.8≦|R_img|/f_sys≦1.5 …(1)

0.8≦|R_img|/d_pup≦1.5 …(2)

但し、f_sysは前記撮像光学系の焦点距離、d_pupは前記撮像光学系の射出瞳から前記撮像面までの距離、R_imgは前記撮像面の曲率半径である。
本発明によれば、F/2.0を超える明るいF値において、収差を良好に補正し、高い結像性能を得ることが可能となる撮像装置を実現することができる。
本発明の実施例1における撮像装置の構成例を説明する図。 本発明の実施例1における撮像光学系における縦収差図。 本発明の実施例1における撮像光学系における横収差図。 本発明の実施例2における撮像装置の構成例を説明する図。 本発明の実施例2における撮像光学系における縦収差図。 本発明の実施例2における撮像光学系における横収差図。 本発明の実施例3における撮像装置の構成例を説明する図。 本発明の実施例3における撮像光学系における縦収差図。 本発明の実施例3における撮像光学系における横収差図。 本発明の実施例4における撮像装置の構成例を説明する図。 本発明の実施例4における撮像光学系における縦収差図。 本発明の実施例4における撮像光学系における横収差図。 本発明の実施形態における撮像装置の物体面を有限距離に配置した際の結像関係を示す図。 本発明の実施形態における撮像装置のピント調整時におけるピント位置と撮像面形状の関係を示す図。
本発明の実施形態における撮像装置の構成例について説明する。
まず、その全体構成について説明する。
本実施形態の撮像装置は、複数のレンズを有する撮像光学系と、該撮像光学系の像面近傍に、物体側に凹面を向けて湾曲した撮像面もしくは撮像面が湾曲した光伝送手段を有しており、撮像光学系の像面湾曲のうちペッツバール像面分を補正できる構成とされている。
さらに、撮像光学系を点対称な光学系に近づけることによって、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差、倍率色収差などの軸外収差の発生を抑え、補正対象収差を球面収差、軸上色収差などの軸上収差のみに限定できる構成が採られている。
撮像光学系を点対称な光学系に近づけることは、レンズ形状を限定してしまい光学設計の自由度を狭めることになるが、それ以上に補正すべき収差を軸上収差のみに限定できる利点の方が広画角に渡って明るく高い結像性能を得るためには重要となる。
そこで、本発明の撮像装置では、撮像面の曲率半径を撮像光学系の焦点距離と略等しく設定し、撮像面の曲率半径を撮像光学系の射出瞳から撮像面までの距離と略等しく設定することにより、撮像光学系を点対称な光学系に近づけている。特に、撮像光学系の開口絞りよりも像側の光学系が点対称に近い構成を採ることが重要であり、画角光束に対してコンセントリックな構成としている。
具体的には、(1)式(以下の表で示された丸数字1の条件式)と、(2)式(以下の表で示された丸数字2の条件式)を満足することで、撮像光学系を点対称に近い構成に設定することができ、特に開口絞りよりも像側の光学系を点対称により近い構成に設定することができる。
これにより、撮像光学系のコマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差、倍率色収差などの軸外収差を良好に補正することができる。
更に、本発明は、次のように(1)式、(2)式を満足させる構成を採るに当たり、上記した撮像光学系における開口絞りよりも物体側の光学系のパワーと、該開口絞りよりも像側の光学系のパワーを互いに異なる正のパワーとする。これにより、特に高次の収差を小さく抑え、高い結像性能を得ることが可能に構成されている。
すなわち、複数のレンズを有する撮像光学系と、該撮像光学系の像面近傍に、物体側に凹面を向けて湾曲した撮像面を有する撮像装置において、
前記撮像光学系は、開口絞りを備え、
前記撮像光学系における前記開口絞りよりも物体側のレンズのパワーと、前記撮像光学系における前記開口絞りよりも像側のレンズのパワーとが、互いに異なる正のパワーを有し、
前記撮像面の曲率半径が前記撮像光学系の焦点距離と略等しく設定されていると共に、前記撮像面の曲率半径が前記撮像光学系の射出瞳から前記撮像面までの距離と略等しく設定されている。
その際、前記撮像面の曲率半径をR_img、前記撮像光学系の焦点距離をf_sys、前記撮像光学系の射出瞳から前記撮像面までの距離をd_pup、としたとき、以下の(1)式及び(2)式を満足させるように構成することができる。

0.8≦|R_img|/f_sys≦1.5 …(1)

0.8≦|R_img|/d_pup≦1.5 …(2)

なお、本発明の撮像装置における撮像面は、湾曲させた電子撮像素子、もしくは、入射面を湾曲させた光伝送手段のことである。
また、湾曲させた電子撮像素子とは、例えば、形状可変な基板上に電子撮像素子を形成したものや、小さな平面型電子撮像素子をアレイ状に配置して凹面形状としたものが考えられる。
また、光伝送手段とは、例えば、光ファイバーを束ねてプレート状に構成したイメージプレートが考えられ、一端を凹面形状に、他端を平面に加工したものである。
そして、光伝送手段の入射面を物体側に凹面を向けて湾曲させた面を撮像面とし、平面の射出面を電子撮像素子へと接続して電子撮像部を構成している。
次に、上記した撮像光学系のパワー配置について、更に詳しく説明する。
最近の撮像装置の撮像光学系ではレトロフォーカスタイプのレンズが一般的だが、レトロフォーカスタイプのレンズは、開口絞りよりも物体側の光学系のパワーが負で開口絞りよりも像側の光学系のパワーが正の構成である。
このような構成では、撮像光学系全体に必要な正のパワーに対して、開口絞り前後の光学系のパワーが比較的強い負パワーと比較的強い正パワーの構成となり、必要以上のパワーを与えることで収差を大きく発生させることとなる。そのため、特に高次の収差が発生し易くなるという問題が生じる。
また、撮像光学系が点対称な構成でないために、軸外収差が大きく発生する。
これに対して、本実施形態の撮像装置における撮像光学系では、開口絞りよりも物体側の光学系のパワーと開口絞りよりも像側の光学系のパワーを共に正とされている。
そのため、撮像光学系全体に必要な正のパワーに対して、開口絞り前後の光学系に比較的小さいパワーを与えることができるので、収差の発生を小さく抑えることができる。
特に、高次の収差を小さく抑えられるので、高い結像性能を得やすい構成となる。
また、点対称な構成に近づけることができるので、軸外収差の発生が抑えられ、広い画角において高い結像性能を実現することができる。
さらに、本発明の撮像装置における撮像光学系は、開口絞りよりも物体側の光学系のパワーと、開口絞りよりも像側の光学系のパワーとを異なるパワーとしており、光学設計の自由度を高めることができる。
特には、開口絞りよりも物体側の光学系のパワーを、開口絞りよりも像側の光学系のパワーよりも弱く設定すると軸上収差を補正し易くなるメリットがある。
具体的には、開口絞りよりも物体側の光学系のパワーをφ_fro、開口絞りよりも像側の光学系のパワーをφ_behとしたとき、(3)式を満足させると良い。

0<φ_fro<φ_beh …(3)

球面収差や軸上色収差は、入射高hが高い面(光束幅が広い面)のパワーの影響を受け易い特徴がある。
3次収差係数によれば、球面収差は入射高hの4乗に比例し、軸上色収差は入射高hの2乗に比例して大きく発生する。
また、曲率半径に対して光束幅が大きな割合を占める面では高次の球面収差が大きく発生する。
本実施形態の撮像光学系では、開口絞りよりも物体側の光学系及び開口絞りよりも像側の光学系を共に正のパワーとしている。これにより、開口絞りよりも物体側の光学系では各レンズ面上の光束幅が広く、開口絞りよりも像側の光学系では各レンズ面上の光束幅が狭い特徴がある。
そこで、開口絞りよりも物体側の光学系のパワーを弱め、開口絞りよりも像側の光学系に分担させることにより、開口絞りよりも物体側の光学系で発生する球面収差、軸上色収差を少量に抑え、開口絞りよりも像側の光学系で補正し易くしている。
また、開口絞りよりも物体側の光学系で発生する高次の球面収差も小さく抑えられるので、F/2.0を超える明るいF値においても球面収差を良好に補正することができる。
高次の球面収差を良好に補正すると、色の球面収差を補正し易くなり、高い結像性能を実現するための重要な要素となる。
これらにより、広画角に渡って、上記明るいF値であり、高い結像性能を有した撮像光学系を実現することができる。
この明るいF値であり、高い結像性能の撮像光学系を用いれば、解像力が高い撮像装置を実現できる。
また、上記明るいF値の撮像光学系は被写界深度が狭くなるので、コンパクトカメラでありながら、ピント面以外の背景をぼかした撮影が可能となる。
さらに、上記明るいF値の撮像光学系は、F値の2乗に比例して露光時間を短く設定することができるため、手ブレや被写体ブレ、ショットノイズを格段に軽減でき、高品位な画像による撮像装置を提供することができる。
次に、周辺光量落ちを改善する作用について説明する。
一般的な撮像光学系では、画角(入射角)ωに対してcosω4乗則に従って周辺光量比が低下することが知られている。そのため、撮影された画像の周辺部がとても暗くなり奇麗な画像が得られない。
近年のデジタルカメラやデジタルビデオカメラでは、周辺部の感度を大幅に持ち上げて周辺光量落ちをデジタル的に補正するものもあるが、コントラストは低いままノイズが増加してしまうので、画像の中心部と比べて画質がかなり劣化する。
周辺光量落ちは、このような深刻な問題を引き起こす。この傾向は広画角な撮像光学系ほど顕著となり、広画角な撮像光学系を実現するために必要な要素の1つとなっている。
周辺光量比のcosω4乗則の内訳は、
(a)画角に応じて、見かけの焦点距離が長くなることでcosωの2乗分、
(b)画角に応じて見かけの開口径が狭まることでcosωの1乗分、
(c)画角に応じて撮像面への入射角がきつくなることでcosωの1乗分、である。
本実施形態の撮像装置における撮像光学系では、撮像面の曲率半径を撮像光学系の焦点距離と略等しく設定しており、全画角において見かけの焦点距離を略同一にすることができる。
これにより、周辺光量比をcosωの2乗分だけ改善することができる。
(1)式を満足することにより、相応の効果を得ることができる。
また、撮像面の曲率半径を撮像光学系の射出瞳から撮像面までの距離と略等しく設定しており、撮像面への入射角を略垂直に設定することができる。
これにより、周辺光量比をcosωの1乗分だけ改善することができる。
(2)式を満足することにより、相応の効果を得ることができる。
すなわち、(1)式と(2)式を満たすことにより、周辺光量比をcosωの3乗分を改善することができる。
広画角な撮像光学系の周辺光量比を大幅に改善することができるので、広画角に渡ってコントラストが高く、ノイズが少なく高画質な画像を撮影することができる撮像装置を提供することができる。
次に、撮像光学系のサイズについて説明する。
開口絞りよりも物体側の光学系が負のパワーで、開口絞りよりも像側の光学系が正のパワーであるレトロフォーカスのタイプだと、撮像光学系の全長が長くなる。
一方、本発明の撮像装置における撮像光学系では、開口絞りよりも物体側の光学系及び開口絞りよりも像側の光学系を共に正のパワーに設定している。
開口絞りの物体側及び像側の夫々の光学系のパワーを正のパワーに設定すると、パワーをロスすることなく全光学系に必要なパワーが得られるので、撮像光学系をコンパクトに収めることができる。
次に、上記(1)式、(2)式の意義について更に詳しく説明する。
本実施形態の撮像装置では、撮像面の曲率半径をR_img、撮像光学系の焦点距離f_sysと略等しく設定している。
(1)式は撮像面の曲率半径を撮像光学系の焦点距離と略等しく設定する条件であり、像面湾曲と非点収差を良好に補正するための条件である。
(1)式を満たせば、撮像装置の像面形状をペッツバール像面に近づけることができるので、広画角に渡って非点収差を発生させることなく像面湾曲を補正することができる。
(1)式の下限を下回ると、撮像面の周辺部でペッツバール像面からの乖離が大きくなり、像面湾曲が発生して結像性能が劣化する。
同様に、(1)式の上限を上回ると、撮像面の周辺部でペッツバール像面からの乖離が大きくなり、像面湾曲が発生して結像性能が劣化する。
F値が明るい撮像光学系の場合、焦点深度が狭いので像面湾曲の許容範囲が狭く、像面湾曲は高精度に補正する必要がある。
本実施形態の撮像装置では、撮像面の曲率半径を撮像光学系の射出瞳から撮像面までの距離と略等しく設定している。
(2)式は、撮像面の曲率半径を撮像光学系の射出瞳から撮像面までの距離と略等しく設定する条件であり、撮像装置の開口絞りよりも像側の光学系を点対称に近い構成にして軸外収差の発生を抑えることができる。
これにより、広画角においても明るいF値で高い結像性能を有した撮像装置を実現することができる。
(2)式の下限を下回る、もしくは(2)式の上限を上回ると、撮像装置の開口絞りよりも像側の光学系が点対称に近い構成、画角光束に対してコンセントリックに近い構成からの乖離が大きくなり、軸外収差が大きく発生して問題となる。また、被写体距離の変動に伴い像面湾曲が発生して問題となる。
なお、撮像面が、球面ではなく、非球面または階段状になっている場合には、撮像面の曲率半径を以下のように定義する。
まず、撮像面の形状が非球面の場合、基準球面の曲率半径を「撮像面の曲率半径」とする。
非球面はα式で表すことができ、α式の光軸上における曲率cの逆数が曲率半径である。
Figure 2013210538
ここで、zは非球面形状の光軸方向のサグ量(mm)、cは光軸上における曲率(1/mm)、rは半径方向の光軸からの距離(mm)であり、A,B,C,Dはそれぞれ4次、6次、8次、10次の係数である。
撮像面が非球面形状であっても、光軸上の曲率半径を計測することによって基準曲面の曲率半径を求めることができる。
次に、撮像面の形状が階段状の場合について説明する。
小さな電子撮像素子をアレイ化して構成した場合や、光ファイバーを束ねて湾曲した撮像面を構成した場合、厳密に言うと撮像面が階段状になる。
その場合は、電子撮像素子の1画素もしくは光ファイバーの1本の中心点を結んだ曲面を撮像面とみなすことができる。
その曲面を上記α式で最小二乗法によりフィッティングした結果から基準曲面の曲率半径を算出すれば、撮像面の曲率半径を求めることができる。
また、本発明の撮像装置は、撮像光学系と撮像面の間隔を変更することによってピント位置を調整する。
図13(a)および図13(b)に物体面を有限距離に配置した際の結像関係を示す。図13(a)において、OBJは物体面、SYSは撮像光学系、IMGは像面であり、撮像光学系SYSは物体面OBJ上のある物点を像面IMG上の像点へ結像させている。
図13(a)に示したように、撮像光学系SYSは、撮像光学系SYSから等距離にある物点をペッツバール像面上へ結像させるので、このときの物体面OBJは湾曲した形状となる。
しかしながら、撮像光学系では物体面OBJは平面であることが好ましい。
図13(b)に示したように、光軸上以外にある物点は破線で示した湾曲状の物体面ではなく、実線で示した平面の物体面とする。
すると、図13(b)の矢印Aで示したように、物点は撮像光学系SYSから離れる方向へ移動し、像点も矢印Bで示したように、破線で示したペッツバール像面から実線で示した像面IMGへと撮像光学系SYSに近づく方向へ移動する。
この像面側の移動量を、光束の進行方向におけるデフォーカス量として図13(b)の撮像光学系のモデルにおいて一例を図14のグラフに示した。
図14には、ある例のピント調整時におけるピント位置と撮像面形状の関係を示している。
この例では、各パラメーターにおける撮像光学系の焦点距離をf_sys=12.0(mm)、撮像面の曲率半径をR_img=12.0(mm)としている。また、撮像光学系の射出瞳から撮像面までの距離をd_pup=12.0(mm)、物体距離をS=−300(mm)、画角をω=60(deg)としている。前述の通り、物体面を平面とした場合、各画角光束のピント位置がペッツバール像面から撮像光学系側にデフォーカスする。
光束の進行方向におけるデフォーカス量を丸数字1のピント位置のグラフに表示している。
また、撮像面の曲率半径は撮像光学系の焦点距離と等しく設定しており、物体距離が無限遠におけるペッツバール像面形状に相当する。
物体距離が無限遠で丸数字1のピント位置と丸数字2の撮像面形状が一致するのは当然だが、図14は物体距離をS=−300(mm)まで近づけた場合でも丸数字1のピント位置と丸数字2の撮像面形状がぴったり一致することを示している。
これは物体距離が無限遠からS=−300(mm)までのどの距離においても、平面の物体面を像面湾曲を発生させることなく、ピント調整できることを意味している。
また、画角−60〜+60(deg)の広範囲において上記のように実現することができる。
ゆえに、撮像面の曲率半径を撮像光学系の焦点距離と略等しく設定し、撮像面の曲率半径を撮像光学系の射出瞳から撮像面までの距離と略等しく設定すれば、撮像面形状を変化させることなく、撮像光学系と撮像面の距離を変更するだけでピント調整が可能となる。
そのために、(1)式および(2)式を満足させることが重要である。
本発明の撮像装置のように格段に明るいF値の撮像光学系は焦点深度が非常に狭いので、高精度なピント調整を簡単に実現できることは撮像装置にとって極めて重要である。
[実施例1]
実施例1として、本発明を適用した撮像装置の構成例について説明する。
本実施例の撮像装置に用いる撮像光学系は、図1に示すように、開口絞りと4枚のレンズで構成されている。
物体側から順に、
物体側に凸面を向けたメニスカスレンズである第1レンズG1、
物体側に凸面を向けた平凸レンズである第2レンズG2、
開口絞りSTO、像側に凸面を向けた平凸レンズである第3レンズG3、
像側に凸面を向けたメニスカスレンズである第4レンズG4、が配置されている。
第1レンズG1の射出面は第2レンズG2の入射面と貼り合せており、第2レンズG2の射出面は第3レンズG3の入射面と貼り合せており、第3レンズG3の射出面は第4レンズG4の入射面と貼り合せている。
開口絞りSTOは、第2レンズG2の射出面と第3レンズG3の入射面との貼り合せ面に、遮光部材を配置することで構成されている。
また、図1中のIMGは撮像面である。
図1に示したように、電子撮像素子の撮像面IMGを球状に湾曲させた形状とし、撮像光学系の像面湾曲に沿わせることによって、撮像面IMGの全域に渡り良好な結像を実現している。
表1に本実施例の撮像装置の構成を示す。
面番号1は第1レンズG1の入射面、面番号2は第1レンズG1の射出面と第2レンズG2の入射面との貼り合せ面、面番号3は第2レンズG2の射出面と第3レンズG3の入射面との貼り合せ面であり、開口絞り面STOである。
面番号4は第3レンズG3の射出面と第4レンズG4の入射面との貼り合せ面、面番号5は第4レンズG4の射出面、面番号6は電子撮像素子の撮像面IMGである。
Rは曲率半径(mm)、dは面間隔(mm)、Ndはd線の屈折率、νdはアッベ数を示す。
Figure 2013210538
第1レンズG1の屈折率Nd1=1.902000よりも第2レンズG2の屈折率Nd2=1.850259を小さく設定しており、第1レンズG1の射出面と第2レンズG2の入射面との貼り合せ面を物体側に凸形状として負のパワーを有するレンズ面としている。
第3レンズG3の屈折率Nd3=1.850259よりも第4レンズG4の屈折率Nd4=1.922860を大きく設定しており、第3レンズG3の射出面と第4レンズG4の入射面との貼り合せ面を像側に凸形状として負のパワーを有するレンズ面としている。
本実施例の撮像装置では、これら2つの負のパワーを有するレンズ面によって、第1レンズG1の入射面ならびに第4レンズG4の射出面で発生する球面収差、軸上色収差、色の球面収差などを良好に補正している。
また、表2に本実施例の撮像装置の仕様を示す。
Figure 2013210538
本実施例の撮像装置は、F値がF/1.2と格段に明るく、画角が120.0(deg)と超広画角ながら、全長が6.170(mm)とコンパクトに抑えており、明るさ、高解像度、超広画角、コンパクトを同時に実現した撮像装置の例である。
表3に、本実施例の撮像装置における、(1)式および(2)式の値を示す。
Figure 2013210538
(1)式の値は0.94であり、(1)式の範囲を満足している。これにより、120.0(deg)の超広画角に渡って像面湾曲と非点収差を良好に補正することができる。
(2)式の値は0.93であり、(2)式の範囲を満足している。
また、本実施例の撮像装置では、撮像光学系の焦点距離を撮像光学系の射出瞳から像面までの距離と略等しく設定している。
具体的には、撮像光学系の焦点距離f_sysと、撮像光学系の射出瞳から像面までの距離d_pupとの関係が次式を満足させている。

0.8≦f_sys/d_pup≦1.5 …(4)

(4)式を満足することによって、撮像光学系の後ろ側主点を射出瞳と略同一の位置に設置できるので、画角光束の入射高が低くなって軸上光束と同様に扱うことができ、広画角に渡って収差を補正し易くなるメリットがある。
(4)式の上限値を上回る場合や、下限値を下回る場合は、広画角領域において収差が補正し難くなる。
本実施例の撮像装置では、表3の通り、(4)式を満足しており、広画角に渡って良好な光学性能を得ることができる。
本実施例の撮像装置における、開口絞りSTOより物体側の光学系のパワーφ_froと開口絞りSTOより像側の光学系のパワーφ_behの値、ならびに(1)式をそれぞれ表4に示す。
Figure 2013210538
開口絞りSTOよりも物体側の光学系のパワーφ_froと開口絞りSTOよりも像側の光学系のパワーφ_behとを異なるパワーに設定しており、従来の球レンズと比較して収差補正の自由度が高く、球面収差や軸上色収差の補正能力を向上させている。
特に、開口絞りSTOよりも物体側の光学系のパワーφ_froを開口絞りSTOよりも像側の光学系のパワーφ_behよりも弱いパワーに設定しており、球面収差を良好に補正している。
具体的には、表3に示した通り、本実施例の撮像装置は(3)式を満たすように構成されている。
すなわち、開口絞りSTOよりも物体側の光学系、及び開口絞りSTOよりも像側の光学系を共に正のパワーとし、開口絞りSTOよりも像側の光学系のパワーを、開口絞りよりも物体側の光学系のパワーよりも1.04倍強く設定されている。
そのため、球面収差や軸上色収差の補正能力が向上し、F/1.2の明るいF値においても、高い結像性能を得ることができる。
また、本実施例の撮像装置では、全てのレンズ面の曲率中心をレンズ面の位置よりも開口絞り側に配置し、開口絞りに対してコンセントリックな形状としている。
但し、第3面は平面としているが、第3面の前後の面が同じ屈折率のためレンズ面があると見做さない。
この様にすると、撮像装置が点対称に近い構成と成り、画角光束の各レンズ面への入射角を、軸上光束の各レンズ面への入射角へ近づけることができる。
これにより、軸外収差の発生を抑え、軸上収差を良好に補正することによって、広範囲の画角において良好な収差補正が可能な撮像装置を実現できる。
図2に本実施例の撮像光学系における縦収差図を、図3に横収差図を示す。
図2に示したように、球面収差、軸上色収差、非点収差、像面湾曲、ディストーション、及び色の球面収差を良好に補正している。ここでは、色の球面収差を基準波長(例えばd線)の球面収差量に対する各波長(例えば、C線、F線、g線など)の球面収差量の差と定義する。
明るい光学系では高次の球面収差が発生し易く、入射高が高い部分で大きくうねった球面収差になる傾向がある。
実施例の撮像装置はF/1.2と超明るい光学系であるが、本発明の効果により入射高が高い部分で球面収差がうねるのを抑え、まっすぐ立った球面収差形状を実現している。
このように、本各入射高の光線を像面近傍に集光させており、特に入射高の0割近傍の低い部分の光線を像面より少し奥に集光させ、入射高の5割よりも高い部分の光線を像面上に集光させるように球面収差形状を制御している。
このように、入射高の高い部分を重点的に像面上に集光させることによって、スポットダイアグラムの色が利を抑え、高い結像性能を実現している。
以上、本発明の効果を用いれば、撮像光学系が開口絞りの物体側と像側とでは異なる構成であっても、開口絞りの像側においては点対称に近い構成をとることができる。
特に、(1)式、(2)式を満足させることにより、コマ収差、像面湾曲、ディストーション、倍率色収差などの軸外収差の発生を抑制することができる。球面収差や軸上色収差などの軸上収差だけに収差を限定することができるので、収差の補正能力が圧倒的に向上させることができる。
そのため、本実施例の撮像光学系のような、超広画角且つF/2.0を超える超明るいF値においても収差を良好に補正することが可能な撮像光学系を実現できる。
さらに、シンプルなレンズ構成で実現できるので、撮像光学系の小型化が図れる。
本実施例の特長の1つが「明るい光学系」である点である。
明るい光学系は、一度に多くの光量を取り込むことができるので露光時間を短くでき、手ブレ、被写体ブレ、ノイズなどを低減することができるメリットがある。
取り込み光量はF値の二乗に反比例して増加するので、一般的な光学系のF/3.5に対して、明るい光学系のF/2.0では約3.1倍の光量、本実施例の明るい光学系のF/1.2では約8.5倍の光量が得られる。
すなわち、本実施例の撮像装置を用いれば、手ブレや被写体ブレ、ノイズを約1/8.5に低減することができ、非常に高画質な画像を撮影することができる。
次に、周辺光量比について説明する。
一般的な撮像光学系ではcosω4乗則に従って周辺光量比が落ちるので、広画角な撮像光学系においては周辺光量比の落ちが大きな問題となっている。
本実施例の場合、画角2ω=120degであり半画角ω=60degである。画角ω=60degにおける周辺光量比はcosω^4=0.0625となり、撮像素子の周辺部には光軸上の6%の光量しか到達しない。
そのため、撮影された画像の周辺部がとても暗くなり、奇麗な画像が得られない。
近年のデジタルカメラやデジタルビデオカメラでは、周辺部の感度を大幅に持ち上げて周辺光量落ちをデジタル的に補正するものもあるが、SNRは変えられないのでノイズが目立つようになり、画像の中心部と比べて画質的にかなり劣化したものになる。
周辺光量比がかなり小さいことは、このような深刻な問題を引き起こす。
これに対して、本実施例の撮像光学系は周辺光量落ちに対しても効果を発揮する。
(1)式を満たすことにより、各画角の焦点距離が光軸上の焦点距離と略等しくできるのでcosωの2乗分の周辺光量を増加させることができる。
(3)式を満たすことにより、撮像素子面に対して略垂直に入射させることができるのでcosωの1乗分の周辺光量を増加させることができる。
そして、(2)式と(3)式を同時に満たすことにより、cosωの3乗分の周辺光量を増加させることができるので、周辺光量比はcosωの1乗に比例するようになる。
そのため、本実施例の撮像光学系は、画角2ω=120degと超広角でありながら、周辺光量比はcosω^1=0.0500となり、撮像素子の周辺部には光軸上の50%の光量を到達させることができる。これは前述した一般的な広角撮像光学系と比べて8倍の光量であり、周辺光量落ちを非常に小さく抑えるメリットがある。
これにより、画像の周辺部が暗くなり過ぎるのを抑えることができるので、周辺部でも十分なコントラストを得ることができる。
また、デジタルカメラやデジタルビデオカメラで周辺部の感度を大幅に持ち上げて周辺光量落ちをデジタル的に補正した場合でも、ノイズを目立たなくすることができる。
また、複数波長の画像を取得するカラー撮像装置において高解像力を実現するためには、色収差を良好に補正することが重要である。
本実施例の撮像光学系では(1)式と(2)式を満足させているため、軸外収差である倍率色収差を抑制する構成としており、色収差の補正対象を軸上収差である軸上色収差と色の球面収差に限定することで色収差の補正能力を向上させている。
これらの軸上色収差を補正するにあたり、これらの収差の特徴を捉える事が重要である。軸上色収差や色の球面収差は共にレンズ面の近軸入射高が高い程、レンズ面のパワーに対して強い影響力を受ける。
3次収差論によると軸上色収差はレンズ面の近軸入射高の2乗に比例し、色の球面収差はレンズ面の近軸入射高の4乗に比例する。
特に、色の球面収差はレンズ面の入射高の影響を強く受けるので、レンズ面の入射高が高くなる開口絞りより物体側の光学系においては色収差への影響力を小さくし、開口絞りより像側の光学系の色収差への影響力を大きくして色収差を補正すると良い。
このように構成すれば、明るい光学系であっても、高次の色の球面収差が開口絞りより物体側の光学系で発生することを抑制し、開口絞りより像側の光学系によって、入射高の高い位置で色の球面収差をゼロ(撮像面)に近づくように補正することができる。
これにより、各波長のスポットダイアグラムの広がりを抑えて高い結像性能を実現することができる。
そのために、開口絞りよりも物体側の光学系のパワーを、開口絞りよりも像側の光学系のパワーよりも弱く設定して、開口絞りよりも物体側の光学系の色収差への影響力を小さく抑えている。
さらに、本実施例の撮像光学系では、最も物体側にあるレンズのアッベ数を最も像側にあるレンズのアッベ数よりも大きく設定している。
具体的には、最も物体側にある第1レンズのアッベ数νd_most_obj=25.1に対して、最も像側にある第4レンズのアッベ数νd_most_img=18.9としており、次の(5)式を満足させるようにされている。

νd_most_img>νd_most_obj …(5)

このように、最も物体側にある第1レンズの入射面における色収差への影響力を弱め、軸上色収差や色の球面収差の発生を抑制させるように構成している。
そのため、軸上色収差や色の球面収差を補正し易くしている。
また、第1レンズの射出面においても、色収差への影響力を弱めている。
そのために、撮像装置のうち、最も像側の前記撮像光学系におけるレンズのアッベ数と、該レンズと隣接する撮像光学系におけるレンズのアッベ数との差を、
最も物体側の撮像光学系におけるレンズのアッベ数と該レンズと隣接するレンズのアッベ数との差よりも大きく設定している。
具体的には、最も像側にある第4レンズのアッベ数νd_most_img=18.9とその隣のレンズのアッベ数νd_next_img=32.3の差の絶対値|Δνd_most_img|=13.4に対して、
最も物体側にある第1レンズのアッベ数νd_most_obj=25.1とその隣のレンズのアッベ数νd_next_obj=32.3の差の絶対値|Δνd_most_obj|=7.2としており、次の(6)式を満足させるようにする。

|Δνd_most_img|>|Δνd_most_obj| …(6)

このように、光束幅が広い開口絞りよりも物体側においては、色収差への影響力を弱めて色収差、特に軸上色収差と色の球面収差の発生を小さく抑え、光束幅が狭い開口絞りよりも像側において、色収差への影響力を強めることにより軸上色収差および色の球面収差を良好に補正している。
この構成によって、入射高の高い位置において各波長の球面収差をゼロ(撮像面)に近づけており、各波長のスポットダイアグラムの広がりを抑えた高い結像性能を実現している。
[実施例2]
実施例2として、上記実施例1と異なる形態の撮像装置の構成例について説明する。
本実施例の撮像装置に用いる撮像光学系は、図4に示すように、開口絞りと4枚のレンズで構成されている。
物体側から順に、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズである第1レンズG1、物体側に凸面を向けた平凸レンズである第2レンズG2、開口絞りSTO、像側に凸面を向けた平凸レンズである第3レンズG3、そして像側に凸面を向けたメニスカスレンズである第4レンズG4が配置されている。
第1レンズG1の射出面は第2レンズG2の入射面と貼り合せており、第2レンズG2の射出面は第3レンズG3の入射面と貼り合せており、第3レンズG3の射出面は第4レンズG4の入射面と貼り合せている。
開口絞りSTOは、第2レンズG2の射出面と第3レンズG3の入射面との貼り合せ面に、遮光部材を配置することで構成している。
図4中のIMGは撮像面であり、光伝送手段OTMの入射面である。
本実施例の光伝送手段OTMは数ミクロンピッチの光ファイバーを束ねて構成したイメージファイバーであり、撮像光学系の像面に形成された像を電子撮像素子ICDへ伝送する役割を担う。
光伝送手段OTMの入射面を球状に湾曲させた形状とし、射出面を平面として電子撮像素子ICDに密着させて接続することで、撮像素子部ICUを構成している。
光伝送手段OTMの入射面形状を撮像光学系の像面湾曲に沿わせることによって、撮像面IMGの全域に渡り良好な結像を実現している。
本実施例では光伝送手段OTMを用いたが、撮像素子自体を球面状に構成するのに比べて、光伝送手段OTMの一方の面を球面状に構成し他方の面を電子撮像素子ICDに接続した電子撮像部ICUの方が製造が容易となるメリットがある。
表5に本実施例の撮像装置の構成を示す。
面番号1は第1レンズG1の入射面、面番号2は第1レンズG1の射出面と第2レンズG2の入射面との貼り合せ面、面番号3は第2レンズG2の射出面と第3レンズG3の入射面との貼り合せ面であり、開口絞り面STOである。
面番号4は第3レンズG3の射出面と第4レンズG4の入射面との貼り合せ面、面番号5は第4レンズG4の射出面、面番号6は撮像面IMGであり、電子撮像部ICUの光伝送手段OTMの入射面である。そして、光伝送手段OTMの射出面が電子撮像素子ICDと接続している。
表中のRは曲率半径(mm)、dは面間隔(mm)、Ndはd線の屈折率、νdはアッベ数を示す。
Figure 2013210538
第1レンズG1の屈折率Nd1=2.102000よりも第2レンズG2の屈折率Nd2=2.000600を小さく設定しており、第1レンズG1の射出面と第2レンズG2の入射面との貼り合せ面を物体側に凸形状として負のパワーを有するレンズ面としている。
第3レンズG3の屈折率Nd3=2.000600よりも第4レンズG4の屈折率Nd4=2.102000を大きく設定しており、第3レンズG3の射出面と第4レンズG4の入射面との貼り合せ面を像側に凸形状として負のパワーを有するレンズ面としている。
本実施例の撮像装置では、これら2つの負のパワーを有するレンズ面によって、第1レンズG1の入射面ならびに第4レンズG4の射出面で発生する球面収差、軸上色収差、色の球面収差などを良好に補正している。
また、表6に本実施例の撮像装置の仕様を示す。
Figure 2013210538
本実施例の撮像装置は、F値がF/1.0と実施例1の撮像装置よりもさらに明るく、画角が120.0(deg)と超広画角ながら、全長が6.703(mm)とコンパクトに抑えており、明るさ、高解像度、超広画角、コンパクトを同時に実現した撮像装置の例である。
表7に、本実施例の撮像装置における、(1)式および(2)式の値を示す。
Figure 2013210538
(1)式の値は0.93であり、(1)式の範囲を満足している。
これにより120.0(deg)の超広画角に渡って像面湾曲と非点収差を良好に補正することができる。
(2)式の値は0.92であり、(2)式の範囲を満足している。
(4)式の値は0.99であり、(4)式を満足している。
これにより、広画角に渡って良好な光学性能を得ることができる。
図5に本実施例の撮像光学系における縦収差図を、図6に横収差図を示す。
本実施例の撮像装置における、開口絞りSTOより物体側の光学系のパワーφ_froと開口絞りSTOより像側の光学系のパワーφ_beh、ならびにパワーの比率φ_beh /φ_froをそれぞれ表8に示す。
Figure 2013210538
開口絞りSTOよりも物体側の光学系のパワーφ_froと開口絞りSTOよりも像側の光学系のパワーφ_behとを異なるパワーに設定しており、従来の球レンズと比較して収差補正の自由度が高く、球面収差や軸上色収差の補正能力を向上させている。
特に、開口絞りSTOよりも物体側の光学系のパワーφ_froを開口絞りSTOよりも像側の光学系のパワーφ_behよりも弱いパワーに設定しており、球面収差を良好に補正している。
具体的には、表8に示した通り、本実施例の撮像装置は(3)式を満たすように構成している。
さらに、次の(7)式を満足するように構成されており、これらにより本発明の効果を十分に得ることができる。

φ_beh/φ_fro≧ 1.1 …(7)

すなわち、開口絞りSTOよりも物体側の光学系、及び開口絞りSTOよりも像側の光学系を共に正のパワーとし、開口絞りSTOよりも像側の光学系のパワーを、開口絞りよりも物体側の光学系のパワーよりも約2割も強く設定している。そのため、球面収差や軸上色収差の補正能力が向上し、F/1.0という非常に明るいF値においても、高い結像性能を得ることができる。
また、本実施例の撮像装置でも、全てのレンズ面の曲率中心をレンズ面の位置よりも開口絞り側に配置し、開口絞りに対してコンセントリックな形状としている。
但し、第3面は平面としているが、第3面の前後の面が同じ屈折率のためレンズ面があると見做さない。
この様にすると、撮像装置が点対称に近い構成と成り、画角光束の各レンズ面への入射角を、軸上光束の各レンズ面への入射角へ近づけることができる。
これにより、軸外収差の発生を抑え、軸上収差を良好に補正することによって、広範囲の画角において良好な収差補正が可能な撮像装置を実現できる。
また、本実施例の撮像装置では、表5に示したように、第1レンズG1と第4レンズG4の屈折率をNd=2.102000、第2レンズG2と第3レンズG3の屈折率をNd=2.000600と高い屈折率で構成している。
レンズ面のパワーφsは、レンズ面の物体側の屈折率N、レンズ面の像側の屈折率N´、レンズ面の曲率半径Rより、次式で与えられる。

φs=(N´−N)/R … (8)

撮像装置の撮像光学系の中で最も物体側にあるレンズの入射面において、入射面の物体側には空気があり、(7)式のNはN=1.000000である。
(8)式のN´は最も物体側にあるレンズの屈折率であり、屈折率を高く設定すると同等のレンズ面パワーφsを得るのに曲率半径Rが緩くすることができる。つまり、最も物体側のレンズの屈折率を高くすると、入射面の曲率半径を緩く設定することができ、球面収差の発生を小さく抑えて良好な結像性能を得やすくなる効果がある。
撮像装置の最も物体側のレンズの屈折率を高屈折率とするのが好ましく、(9)式を満足させるのが良い。

1.850000≦ Nd≦ 2.300000 …(9)

(9)式の下限値を超えると、最も物体側にあるレンズの入射面の曲率半径がきつく(小さく)なり、球面収差が大きく発生して問題となる。
(9)の上限値を超えると、最も物体側にあるレンズの入射面の曲率半径が緩く(大きく)なるが、入射面から開口絞りまでの距離を大きく採る必要があり、撮像装置が大型化して問題となる。
同様に、撮像装置の最も像側のレンズの屈折率を高屈折率とするのが好ましく、(7)式を満足させるのが良い。
最も物体側にあるレンズの屈折率をその隣のレンズの屈折率よりも高くし、最も物体側のレンズの射出面に負のパワーを持たせて球面収差を補正すると共に、最も物体側にあるレンズのアッベ数をその隣のレンズのアッベ数よりも低くして色収差を補正している。
同様に、最も像側にあるレンズの屈折率をその隣のレンズの屈折率よりも高くし、最も像側のレンズの入射面に負のパワーを持たせて球面収差を補正すると共に、最も像側にあるレンズのアッベ数をその隣のレンズのアッベ数よりも低くして色収差を補正している。
このように、本発明を用いれば、広画角で高解像度な撮像装置を実現することができる。
[実施例3]
実施例3として、上記実施例と異なる形態の撮像装置の構成例について説明する。
本実施例の撮像装置に用いる撮像光学系は、図7に示すように、開口絞りと、5枚のレンズとで構成されている。
物体側から順に、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズである第1レンズG1、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズである第2レンズG2、
物体側に凸面を向けたメニスカスレンズである第3レンズG3、
開口絞りSTO、像側に凸面を向けた両凸レンズである第4レンズG4、
像側に凸面を向けたメニスカスレンズである第5レンズG5、が配置されている。
第1レンズG1と第2レンズG2、第2レンズG2と第3レンズG3、及び第4レンズG4と第5レンズG5を貼り合せている。
本実施例の撮像装置における開口絞りSTOは、第3レンズと第4レンズとの間の空気層に配置しており、可変絞りを設置することができる。
可変絞りは、明るさの調整や焦点深度制御を可能とするものである。
本実施例のように明るいF値の撮像装置では焦点深度が狭くなるため、開口絞りによって焦点深度制御を制御することが求められる。
開口絞りSTOを空気層に設置すると収差補正が難しくなるが、撮像装置に可変絞りを設置することの意義が大きく、開口絞りSTOを空気層に設置した場合の収差の補正方法は重要な課題の1つである。
また、電子撮像部ICUには実施例2と同様のものを用いている。
表9に本実施例の撮像装置の構成を示す。
面番号1は第1レンズG1の入射面、面番号2は第1レンズG1の射出面と第2レンズG2の入射面との貼り合せ面、面番号3は第2レンズG2の射出面と第3レンズG3の入射面との貼り合せ面であり、面番号4は第3レンズG3の射出面であり空気層と接続している。
面番号5は開口絞りSTOであり、空気層の中に配置している。面番号6は第4レンズG4の入射面、面番号7は第4レンズG4の射出面と第5レンズG5の入射面との貼り合せ面、面番号8は第5レンズG5の射出面である。
面番号9は撮像面IMGであり、電子撮像部ICUの光伝送手段OTMの入射面である。そして、光伝送手段OTMの射出面が電子撮像素子ICDと接続している。
表中のRは曲率半径(mm)、dは面間隔(mm)、Ndはd線の屈折率、νdはアッベ数を示す。
Figure 2013210538
第1レンズG1の屈折率Nd1=2.001100よりも第2レンズG2の屈折率Nd2=1.726350を小さく設定しており、第1レンズG1の射出面と第2レンズG2の入射面との貼り合せ面を物体側に凸形状として負のパワーを有するレンズ面としている。
第2レンズG2の屈折率Nd1=1.726350よりも第3レンズG3の屈折率Nd3=1.670939を小さく設定しており、第2レンズG2の射出面と第3レンズG3の入射面との貼り合せ面を物体側に凸形状として負のパワーを有するレンズ面としている。
第3レンズG3の射出面を物体側に凸形状として負のパワーを有する面としている。
第4レンズG4の屈折率Nd4=1.882997よりも第5レンズG5の屈折率Nd5=2.000800を大きく設定しており、第4レンズG4の射出面と第5レンズG5の入射面との貼り合せ面を像側に凸形状として負のパワーを有するレンズ面としている。
本実施例の撮像装置では、これら4つの負のパワーを有するレンズ面によって、第1レンズG1の入射面、第4レンズG4の入射面、第5レンズG5の射出面で発生する球面収差、軸上色収差、色の球面収差などを良好に補正している。
また、表10に本実施例の撮像装置の仕様を示す。
Figure 2013210538
本実施例の撮像装置は、空気層に開口絞りを配置して、可変絞りを採用した撮像光学系の例である。レンズ5枚のシンプルな構成ながら、F/1.6と明るい光学系を実現している。また、焦点距離11.997(mm)に対して全長は17.959(mm)であり、L_sys / f_sys=1.50のコンパクトな光学系である。
表11に、本実施例の撮像装置における、(1)式および(2)式の値を示す。
Figure 2013210538
(1)式の値は1.04であり、(1)式の範囲を満足している。
これにより、65.5(deg)の画角に渡って像面湾曲と非点収差、倍率色収差を良好に補正することができる。
(2)式の値は0.88であり、(2)式の範囲を満足している。
(4)式の値は0.85であり、(4)式を満足している。
これにより、広画角に渡って良好な光学性能を得ることができる。
本実施例の撮像装置における、開口絞りSTOより物体側の光学系のパワーφ_froと開口絞りSTOより像側の光学系のパワーφ_beh、ならびにパワーの比率φ_beh /φ_froをそれぞれ表12に示す。
Figure 2013210538
開口絞りSTOよりも物体側の光学系のパワーφーfroと開口絞りSTOよりも像側の光学系のパワーφ_behとを異なるパワーに設定しており、従来の球レンズと比較して収差補正の自由度が高く、球面収差や軸上色収差の補正能力を向上させている。
図8に本実施例の撮像光学系における縦収差図を、図9に横収差図を示す。
特に、開口絞りSTOよりも物体側の光学系のパワーφ_froを、開口絞りSTOよりも像側の光学系のパワーφ_behよりも弱いパワーに設定しており、球面収差を良好に補正している。
具体的には、表12に示した通り、本実施例の撮像装置は(10)式を満たすように構成している。

φ_beh/φ_fro≧ 1.10 …(10)

すなわち、開口絞りSTOよりも物体側の光学系、及び開口絞りSTOよりも像側の光学系を共に正のパワーとし、開口絞りSTOよりも像側の光学系のパワーを、開口絞りよりも物体側の光学系のパワーよりも約2割も強く設定している。そのため、球面収差や軸上色収差の補正能力が向上し、開口絞りを空気層に配置した光学系であってもF/1.6という明るいF値で高い結像性能を得ることができる。
[実施例4]
実施例4として、上記各実施例と異なる形態の撮像装置の構成例について説明する。
本実施例の撮像装置に用いる撮像光学系は、図10に示すように開口絞りSTOと6枚のレンズG1〜G6と波面制御手段WFCで構成している。
物体側から順に、
物体側に凸面を向けたメニスカスレンズである第1レンズG1、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズである第2レンズG2、
物体側に凸面を向けた平凸レンズである第3レンズG3、
2枚の平板ガラスの貼り合せ面に位相差を付与した波面制御素子WFC、該波面制御素子WFCの2枚の平板ガラスの貼り合せ面に配置した開口絞りSTO、像側に凸面を向けた平凸レンズである第4レンズG4、
像側に凸面を向けたメニスカスレンズである第5レンズG5、
像側に凸面を向けたメニスカスレンズである第6レンズG6、が配置されている。
第1レンズG1から第6レンズG6までの全ての光学素子を貼り合せて構成している。
本実施例の電子撮像部ICUには実施例2と同様のものを用いている。
表13に本実施例の撮像装置の構成を示す。
面番号1は第1レンズG1の入射面、面番号2は第1レンズG1の射出面と第2レンズG2の入射面との貼り合せ面、面番号3は第2レンズG2の射出面と第3レンズG3の入射面との貼り合せ面である。
また、面番号4は第3レンズG3の射出面と波面制御素子WFCの入射面との貼り合せ面、面番号5は波面制御素子WFCの2枚の平板ガラスの貼り合せ面であり、有効部には位相差板、非有効部には開口絞り面STOか配置されている。
面番号6は波面制御素子WFCの射出面と第4レンズG4の入射面との貼り合せ面、面番号7は第4レンズG4の射出面と第5レンズG5の入射面との貼り合せ面、面番号8は第5レンズG5の射出面と第6レンズG6の入射面との貼り合せ面である。
面番号9は第6レンズG6の射出面、面番号10は撮像面IMGであり、電子撮像部ICUの光伝送手段OTMの入射面である。
そして、光伝送手段OTMの射出面が電子撮像素子ICDと接続している。
表中のRは曲率半径(mm)、dは面間隔(mm)、Ndはd線の屈折率、νdはアッベ数を示す。尚、Rの欄に「*印」があるレンズ面は非球面であり、「◆印」がある面は位相差板である。
本実施例における非球面形状は(11)式で表現される回転対称非球面を用いている。
Figure 2013210538
ここで、zは非球面形状の光軸方向のサグ量(mm)、cは光軸上における曲率、rは半径方向の光軸からの距離であり、A,B,C,Dはそれぞれ4次、6次、8次、10次の係数である。
また、本実施例における位相差板に付与した位相差は回転対称な位相多項式としており、(12)式に示した位相差分布としている。
Figure 2013210538
ここで、φは位相差(波長)、C、C、C、Cはそれぞれ2次、4次、6次、8次の係数である。これらを次の表13に示す。
Figure 2013210538
Figure 2013210538
本実施例の撮像装置では、最も物体側のレンズである第1レンズG1の入射面と、最も像側のレンズである第5レンズG5の射出面を非球面としており、周辺部でパワーが弱まる非球面形状とすることで球面収差を補正している。
また、表14に本実施例の撮像装置の仕様を示す。
Figure 2013210538
本実施例の撮像装置は、最も物体側のレンズの入射面と最も像側の射出面を非球面とし、開口絞りの位置に波面制御素子を配置して、球面収差の補正能力を向上させており、焦点距離7.499(mm)と長くした場合においてもF/1.0と明るい光学系で良好な結像性能を実現することができる。
表15に、本実施例の撮像装置における、(1)式および(2)式の値を示す。
Figure 2013210538
(1)式の値は1.28であり、(1)式の範囲を満足している。
(2)式の値は1.34であり、(2)式の範囲を満足している。
(4)式の値は1.05であり、(4)式を満足している。
これらにより、74.0(deg)の画角に渡って像面湾曲と非点収差、倍率色収差を補正し易くして、F/1.0の明るい光学系を実現している。
図11に本実施例の撮像光学系における縦収差図を、図12に横収差図を示す。

本実施例の撮像装置における、開口絞りSTOより物体側の光学系のパワーφ_froと開口絞りSTOより像側の光学系のパワーφ_beh、ならびにパワーの比率φ_beh /φ_froをそれぞれ表16に示す。
Figure 2013210538
開口絞りSTOよりも物体側の光学系のパワーφ_froと開口絞りSTOよりも像側の光学系のパワーφ_behとを異なるパワーに設定しており、従来の球レンズと比較して収差補正の自由度が高く、球面収差や軸上色収差の補正能力を向上させている。
特に、開口絞りSTOよりも物体側の光学系のパワーφ_froを、開口絞りSTOよりも像側の光学系のパワーφ_behよりも弱いパワーに設定しており、球面収差を良好に補正している。
具体的には、表16に示した通り、本実施例の撮像装置は(3)式を満たすように構成している。
さらに、実施例2で説明した(7)式を満足するように構成されており、本発明の効果を十分に得ることができる。
すなわち、開口絞りSTOよりも物体側の光学系、及び開口絞りSTOよりも像側の光学系を共に正のパワーとし、開口絞りSTOよりも像側の光学系のパワーを、開口絞りよりも物体側の光学系のパワーよりも2割近く強く設定している。そのため、球面収差や軸上色収差の補正能力が向上し、開口絞りを空気層に配置した光学系であってもF/1.0という明るいF値で高い結像性能を得ることができる。
以上で説明した各実施例を含む本発明は、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、携帯電話用カメラ、監視カメラなど、撮像装置を用いる製品に利用可能である。
G1、G2、G3、G4、G5、G6:レンズ
STO:開口絞り
IMG:撮像面
OTM:光伝送手段
ICD:電子撮像素子
ICU:電子撮像部

Claims (8)

  1. 複数のレンズを有する撮像光学系と、該撮像光学系の像面近傍に、物体側に凹面を向けて湾曲した撮像面を有する撮像装置であって、
    前記撮像光学系は、開口絞りを備え、
    前記撮像光学系における前記開口絞りよりも物体側のレンズのパワーと、前記撮像光学系における前記開口絞りよりも像側のレンズのパワーとが、互いに異なる正のパワーを有し、
    前記撮像面の曲率半径が前記撮像光学系の焦点距離と略等しく設定されていると共に、前記撮像面の曲率半径が前記撮像光学系の射出瞳から前記撮像面までの距離と略等しく設定されていることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記撮像面の曲率半径をR_img、前記撮像光学系の焦点距離をf_sys、前記撮像光学系の射出瞳から前記撮像面までの距離をd_pup、としたとき、
    前記撮像面の曲率半径を前記撮像光学系の焦点距離と略等しく設定するため、次の(1)式を満足させ、
    前記撮像面の曲率半径を前記撮像光学系の射出瞳から前記撮像面までの距離と略等しく設定するため、次の(2)式を満足させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。

    0.8≦|R_img|/f_sys≦1.5 …(1)

    0.8≦|R_img|/d_pup≦1.5 …(2)
  3. 前記撮像光学系における前記開口絞りよりも物体側のレンズのパワーが、前記撮像光学系における前記開口絞りよりも像側のレンズのパワーより弱く設定され、
    前記撮像光学系における前記開口絞りよりも物体側のレンズのパワーをφ_fro、前記撮像光学系における前記開口絞りよりも像側のレンズのパワーをφ_behとしたとき、次の式を満足させることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。

    0<φ_fro<φ_beh
  4. 前記撮像光学系における前記開口絞りよりも物体側のレンズのパワーφ_froと、前記撮像光学系における前記開口絞りよりも像側のレンズのパワーφ_behとの関係が、次の式を満させることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。

    φ_beh/φ_fro≧ 1.1
  5. 前記撮像光学系の焦点距離f_sysと、前記撮像光学系の射出瞳から像面までの距離d_pupとの関係が、次の式を満足させることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。

    0.8≦f_sys/d_pup≦1.5
  6. 前記撮像装置のうち、最も物体側の前記撮像光学系におけるレンズのアッベ数をνd_most_img、最も像側の前記撮像光学系におけるレンズのアッベ数をνd_most_objとしたとき、次の式を満足させることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。

    νd_most_img>νd_most_obj
  7. 前記撮像装置のうち、最も像側の前記撮像光学系におけるレンズのアッベ数と、該レンズと隣接する前記撮像光学系におけるレンズのアッベ数との差を、
    最も物体側の前記撮像光学系におけるレンズのアッベ数と該レンズと隣接するレンズのアッベ数との差よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  8. 前記撮像装置のうち、最も物体側の前記撮像光学系におけるレンズと、最も像側の前記撮像光学系におけるレンズの少なくともどちらか一方を、次の式を満足させる屈折率Ndに設定したことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
    1.850000≦Nd≦2.300000
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