JP2013209690A - スパッタリング装置 - Google Patents

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Masahide Yokoyama
政秀 横山
Toshimichi Ishida
敏道 石田
Minoru Yamada
実 山田
Yuta Nakashizu
勇太 中静
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Abstract

【課題】ターゲット材料層の利用効率を向上する。
【解決手段】スパッタリング装置1では、スパッタリング処理の継続中に、ターゲット保持部3の複数のステップ移動(小距離の移動)が行われることにより、ターゲット保持部3が上下方向に往復移動する。複数のステップ移動のそれぞれの移動距離は等しく、各ステップ移動の移動停止時刻と、次のステップ移動の移動開始時刻とが一致する。これにより、往復移動の折り返し点近傍における単位時間中のターゲット保持部3の移動距離が、往復移動の他の部位における単位時間中のターゲット保持部3の移動距離におよそ等しくなる。その結果、ターゲット材料層31において、ターゲット保持部3の往復移動の際に磁石ユニット4に対向する領域におけるターゲット材料層31の利用効率を向上することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタリング装置に関する。
従来より、基板上に薄膜を形成する装置として、マグネトロンスパッタリング法にて成膜を行うスパッタリング装置が利用されている。例えば、特許文献1では、ターゲット部を磁石に対して相対運動させつつスパッタリングを行う装置が開示されている。特許文献1のスパッタリング装置では、ターゲット部を所定の速度で等速往復運動させつつスパッタリングを行うべく、ターゲット部を移動する駆動モータが制御される。
特開平1−111870号公報
ところで、特許文献1のスパッタリング装置では、ターゲット部の往復移動の中央近傍にてターゲット部が等速移動し、ターゲット材の浸食(エロージョン)がおよそ均一に生じる。しかしながら、特許文献1のような等速移動では、ターゲット部の移動方向を反転させる際に、ターゲット部の速度を徐々に減少させて停止した上で反対向きに加速を開始することになるため、ターゲット部の移動方向が反転する位置近傍において、ターゲット材のエロージョンが他の部位よりも深くなり、ターゲット材の利用効率が低くなる傾向になる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ターゲット材料層の利用効率を向上することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、スパッタリング装置であって、平板状のターゲット材料層を保持するターゲット保持部と、基板を前記ターゲット保持部の前方にて保持する基板保持部と、前記ターゲット材料層の後方に配置される磁石ユニットと、前記ターゲット保持部を前記磁石ユニットに対して前記ターゲット材料層に平行な所定の移動方向に相対的に移動する移動機構と、内部に少なくとも前記ターゲット保持部および前記磁石ユニットを収容するチャンバと、前記基板保持部と前記ターゲット保持部との間に電圧を印加することによりスパッタリング処理を行う電源部と、前記電源部および前記移動機構を制御することにより、前記スパッタリング処理を連続的に実行し、前記スパッタリング処理の継続中に、それぞれが前記ターゲット保持部の前記移動方向における小距離の相対移動である複数のステップ移動を行って前記ターゲット保持部を往復移動することにより、前記ターゲット材料層上の被処理領域を前記移動方向に沿って往復移動する制御部とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスパッタリング装置であって、前記複数のステップ移動のそれぞれの移動距離が等しく、前記複数のステップ移動において、各ステップ移動における前記移動方向の移動速度が0となる移動停止時刻と、次のステップ移動の移動開始時刻とが一致する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のスパッタリング装置であって、前記ターゲット保持部が、前記ターゲット材料層の後側の面に接して前記ターゲット材料層を冷却する冷却部と、前記ターゲット材料層と前記磁石ユニットとの間に配置されて前記ターゲット材料層の前記主面全体と重なる絶縁部と接地部とを備える。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のスパッタリング装置であって、前記ターゲット保持部に対する相対位置が固定されて接地され、前記絶縁部の外周部から前記ターゲット材料層に向かって広がり、前記冷却部の側面および前記ターゲット材料層の側面を覆う第1シールド部と、前記磁石ユニットに対する相対位置が固定されて接地され、前記ターゲット材料層と前記基板との間に配置され、前記磁石ユニットと対向する位置に開口が設けられ、前記ターゲット材料層の前側の面のうち前記開口と対向する領域を除く他の領域全体を覆う第2シールド部とをさらに備える。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のスパッタリング装置であって、前記磁石ユニットの前記チャンバに対する相対位置が固定されており、前記基板保持部が、シート状の前記基板を外側面に保持する円筒状であり、前記ターゲット材料層の往復移動の中心が、前記基板保持部の中心軸と前記磁石ユニットの中心とを含む平面上に位置し、前記移動機構が、前記チャンバ外に配置される外部駆動機構と、前記外部駆動機構と前記ターゲット保持部とを接続するとともに、前記外部駆動機構により所定の回転軸を中心として回動することにより、前記ターゲット保持部を前記移動方向に往復移動する揺動部とを備える。
本発明では、ターゲット材料層の利用効率を向上することができる。
一の実施の形態に係るスパッタリング装置を示す側面図である。 移動機構の近傍の部位を示す平面図である。 シールド部およびターゲット保持部を前側から見た図である。 ターゲット保持部の移動速度を示す図である。 第1の比較例のスパッタリング装置におけるターゲット材料層のエロージョンの様子を示す断面図である。 第2の比較例のスパッタリング装置におけるターゲット材料層のエロージョンの様子を示す断面図である。 一の実施の形態に係るターゲット材料層のエロージョンの様子を示す断面図である。 ターゲット保持部の移動速度の他の例を示す図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係るスパッタリング装置1を示す側面図である。スパッタリング装置1は、マグネトロンスパッタリング法にて基板上に薄膜を形成する装置である。
スパッタリング装置1は、基板保持部21と、基板保護部23と、ターゲット保持部3と、磁石ユニット4と、移動機構5と、シールド部6と、チャンバ7と、電源部81と、制御部82とを備える。基板保持部21、基板保護部23,ターゲット保持部3、磁石ユニット4、シールド部6はチャンバ7の内部に収容される。また、移動機構5の一部はチャンバ7の内部に収容され、他の部位はチャンバ7の外部に配置される。図1では、チャンバ7を断面にて示し、チャンバ7の内部の構成を描いている。基板保持部21と磁石ユニット4とは、ターゲット保持部3を間に挟んで対向する。以下の説明では、便宜上、図1中の右側(すなわち、基板保持部21が配置される側)を「前側」といい、図1中の左側を「後側」とする。
基板保持部21は、中心軸24を中心とする略円筒状の部材である。基板保持部21は、外側面にシート状の基板9を保持し、ターゲット保持部3の前方にて基板9の一部をターゲット保持部3に対向させる。基板保持部21は、電源部81と共通のアースに接続されている。基板保持部21は、図示省略の保持部回転機構により、基板9と共に中心軸24を中心として回転する。基板保護部23は、基板保持部21上の基板9から所定の距離だけ離間して配置され、基板9のターゲット保持部3に対向する部位以外の部位を被覆する。
ターゲット保持部3は、ターゲット材料層31(例えば、透明導電膜の材料であるITO、ZnO等)と、バッキングプレート32と、絶縁部33と、アース部(接地部)34とを備える。バッキングプレート32は、前側の面に平板状のターゲット材料層31を保持する。ターゲット材料層31は、バッキングプレート32の面にターゲット材料をメタルボンディングすることにより形成される。バッキングプレート32は電源部81に電気的に接続され、スパッタ電極としての役割を果たす。バッキングプレート32内には内部流路321が設けられ、内部流路321を流れる冷却液によりターゲット材料層31が冷却される。換言すれば、バッキングプレート32は、ターゲット材料層31の後側の面に接してターゲット材料層31を冷却する冷却部である。冷却液は、バッキングプレート32からチャンバ7の外部へと延びる冷却用配管35によりバッキングプレート32へと導かれる。
絶縁部33は、絶縁材料により形成された平板状の部材である。絶縁部33は、ターゲット材料層31およびバッキングプレート32と磁石ユニット4との間において、バッキングプレート32の後側の面上に配置される。本実施の形態では、バッキングプレート32の後側の面のうち、ターゲット保持部3を移動機構5に取り付けるための樹脂等により形成された絶縁ボルトが挿入される孔部近傍を除く領域全体が、絶縁部33により覆われる。バッキングプレート32は、絶縁ボルトと絶縁部33とにより、移動機構5と電気的に絶縁される。絶縁部33は、また、ターゲット材料層31の後側の面のおよそ全体とも、バッキングプレート32の当該面の法線方向から見て重なる。
アース部34は、接地された平板状の部材である。アース部34は、絶縁部33と磁石ユニット4との間において、絶縁部33の後側の面上に配置される。アース部34は、上述の法線方向から見て絶縁部33の後側の面のおよそ全体、および、ターゲット材料層31の後側の面のおよそ全体と重なる。絶縁部33は、バッキングプレート32およびアース部34に当接する。
磁石ユニット4は、ターゲット材料層31の後方に(すなわち、ターゲット材料層31の基板9とは反対側に)、ターゲット保持部3から離間して配置される。磁石ユニット4は、S極と、S極の周囲に環状に配置されたN極とを備える。図1では、磁石ユニット4による磁界を二点鎖線にて描く。なお、S極とN極とは逆に配置されてもよい。移動機構5は、ターゲット保持部3を磁石ユニット4に対して、ターゲット材料層31に平行な所定の移動方向に相対的に移動する。本実施の形態では、磁石ユニット4がブロック55を介してチャンバ7に固定され、ターゲット保持部3が図1中の上下方向(本実施の形態では、実際の上下方向に一致し、以下の説明では単に「上下方向」という。)に往復移動する。ターゲット保持部3の往復移動の中心は、基板保持部21の中心軸24と、磁石ユニット4の中心41とを含む平面上に位置する。磁石ユニット4の中心41は、上下方向の中心であり、かつ、上下方向に垂直かつターゲット材料層31に平行な方向(すなわち、紙面に垂直な方向)の中心である。
移動機構5は、チャンバ7外に配置される外部駆動機構51と、チャンバ7内においてターゲット保持部3が取り付けられるフレーム52と、外部駆動機構51とフレーム52とを接続する揺動部53と、チャンバ7内においてフレーム52が移動部541に取り付けられるリニアガイド54とを備える。揺動部53は、外部駆動機構51とターゲット保持部3とをフレーム52を介して間接的に接続する。リニアガイド54のレール542は、上下方向に延びており、ブロック55を介してチャンバ7に固定される。図1では、フレーム52を断面にて描いている。
外部駆動機構51は、上下方向に延びる駆動軸515と、駆動軸515が回転軸512を中心として回動自在に取り付けられる支持部513と、駆動軸515に接続されるとともにパルス制御により駆動軸515を上下方向に進退する駆動部514(例えば、パルスモータやサーボモータと、ボールネジによる直動機構)とを備える。駆動軸515の先端は、揺動部53に回動自在に機械的に接続される。駆動軸515の先端と揺動部53との接続部は、ターゲット保持部3が往復移動の中心に位置する際に、基板保持部21の中心軸24と磁石ユニット4の中心41とを含む平面上に位置する。
図2は、移動機構5の近傍の部位を示す平面図である。図2においても、図1と同様に、チャンバ7を断面にて示す。図1および図2に示すように、揺動部53は、第1アーム531と、第2アーム532と、回転軸533とを備える。第1アーム531はチャンバ7外に配置され、第2アーム532はチャンバ7内に配置される。また、回転軸533は、チャンバ7の外部から内部へと挿入され、チャンバ7の外部と内部との境界には、真空シールとしての磁性流体シール534が設けられる。第1アーム531の一方の端部は、外部駆動機構51の駆動軸515の先端に機械的に接続され、他方の端部はチャンバ7外において回転軸533に固定される。第2アーム532の一方の端部は、図1に示すように、フレーム52に機械的に接続され、他方の端部はチャンバ7内において回転軸533に固定される。第2アーム532とフレーム52との接続部は、ターゲット材料層31の中央部に対向する。
スパッタリング装置1では、外部駆動機構51の駆動軸515が進退することにより、揺動部53の第1アーム531および第2アーム532が回転軸533を中心として回動する。これにより、ターゲット保持部3がフレーム52と共に、リニアガイド54のレール542に沿って上下方向に往復移動する。
上述の冷却用配管35は、ターゲット保持部3の内部流路321に接続される第1配管351と、第1配管351に接続される第2配管352と、第2配管352に接続される第3配管353とを備える。第1配管351および第2配管352はチャンバ7内に配置され、第3配管353はチャンバ7外に配置される。第1配管351は、ターゲット保持部3と共に上下方向に移動する。第2配管352は、第1配管351の移動に伴って上下方向に伸縮するベローズである。冷却用配管35は、スパッタリング装置1の左右方向(すなわち、紙面に垂直な方向)において、移動機構5とは異なる位置に配置される。
シールド部6は、フレーム52に固定される第1シールド部61と、ブロック55に固定される第2シールド部62とを備える。第1シールド部61のターゲット保持部3に対する相対位置は固定されており、第2シールド部62のチャンバ7および磁石ユニット4に対する相対位置は固定されている。第1シールド部61および第2シールド部62は、例えば、アルミニウムやステンレス鋼により形成されて接地される。図1では、第1シールド部61および第2シールド部62を断面にて示している。
図3は、シールド部6およびターゲット保持部3を前側から見た図である。ターゲット材料層31、バッキングプレート32および磁石ユニット4は、ターゲット材料層31の前側から見ると(以下、「正面視において」という。)略矩形状である。第1シールド部61および第2シールド部62は、正面視において略矩形枠状である。図1および図3に示すように、第1シールド部61は、絶縁部33の外周部から、バッキングプレート32の側面および前側の面の一部を覆いつつ、ターゲット材料層31の側面に向かって広がる。第1シールド部61の内側のエッジは、ターゲット材料層31の側面に近接して対向し、ターゲット材料層31の側面を覆う。
第2シールド部62は、ブロック55から基板保持部21に向かって広がり、フレーム52の側面と対向する。また、第2シールド部62は、第1シールド部61およびターゲット材料層31と基板9との間へと広がる。第2シールド部62のターゲット材料層31と基板9との間に配置される部位には、ターゲット保持部3を挟んで磁石ユニット4と対向する位置に開口621が設けられる。
開口621は、正面視において磁石ユニット4よりも縦横共に小さい略矩形状であり、開口621の中心は、磁石ユニット4の中心とおよそ一致する。ターゲット材料層31の前側の面は、第2シールド部62により、開口621と対向する領域を除く領域全体が覆われる。本実施の形態では、第2シールド部62とターゲット材料層31との間の最短距離は、約5〜20mmである。また、ターゲット材料層31と基板9との間の最短距離は、約30〜120mmである。
スパッタリング装置1では、チャンバ7の内部空間が減圧されて真空状態とされた後、アルゴン等の不活性ガスがチャンバ7内に導入される。続いて、制御部82により移動機構5が制御されることにより、ターゲット保持部3および第1シールド部61が上下方向に往復移動する。また、保持部回転機構により、基板9が基板保持部21と共に中心軸24を中心として回転する。そして、制御部82により電源部81が制御されることにより、バッキングプレート32およびターゲット材料層31を負極とし、基板保持部21および基板9を接地して(または、陽極として)、ターゲット保持部3と基板保持部21との間に電圧が印加されてスパッタリング処理が行われる。
図1に示すスパッタリング装置1では、ターゲット材料層31と基板9との間に、第2シールド部62の開口621を介してグロー放電が生じ、ターゲット材料層31の磁石ユニット4の磁界によって、ターゲット材料層31を構成するターゲット材料の粒子が飛び出し、基板9の表面に堆積して基板9上にターゲット材量の薄膜が形成される。
ターゲット材料層31では、磁石ユニット4の磁界によって、ターゲット材料が浸食されてエロージョンが生じる。スパッタリング装置1では、スパッタリング処理の継続中は、上述のように、ターゲット保持部3が上下方向に往復移動する。これにより、ターゲット材料層31上のエロージョンが生じる領域(以下、「被処理領域」という。)が、上下方向に沿って往復移動する。
図4は、移動機構5によるターゲット保持部3の移動速度を示す図である。図4中の横軸は時間を示し、縦軸はターゲット保持部3の上下方向における速度を示す。図4では、下側から上側に向かう移動時の速度をプラスとし、上側から下側に向かう移動時の速度をマイナスとする。スパッタリング装置1では、図4に示すように、ターゲット保持部3の上向きの移動は、それぞれが移動方向における小距離の移動(すなわち、磁石ユニット4に対する小距離の相対移動)である複数のステップ移動を行うことにより実現され、ターゲット保持部3の下向きの移動も同様に、複数のステップ移動を行うことにより実現される。各ステップ移動は、ターゲット保持部3の移動開始から移動停止までを意味する。本実施の形態では、各ステップ移動は、移動開始から所定の速度まで一定の加速度で加速する加速域と、当該所定の速度で移動する定常域と、移動停止まで一定の加速度で減速する減速域とを順に有する。
ターゲット保持部3の往復移動では、複数のステップ移動のそれぞれの上下方向における移動距離が等しい。また、複数のステップ移動において、各ステップ移動における移動方向の移動速度が0となる移動停止時刻と、次のステップ移動の移動開始時刻とが実質的に一致する。本実施の形態では、各ステップ移動の時間(すなわち、移動開始から移動停止までの時間)は約0.1秒であり、各ステップ移動による上下方向の移動距離は約1mmである。また、ターゲット保持部3の往復移動の片道の長さ、すなわち、ターゲット保持部3の上下方向の揺動幅は、約50mmである。各ステップ移動による移動距離は、好ましくは、ターゲット保持部3の揺動幅の1/200以上1/5以下であり、より好ましくは1/100以上1/10以下である。
図5は、ターゲット保持部が磁石ユニットに対して相対的に固定された状態でスパッタリング処理を行う装置(以下、「第1の比較例のスパッタリング装置」という。)におけるターゲット材料層310aのエロージョンの様子を示す断面図である。ターゲット材料層310aでは、磁石ユニットの2つの磁界に対応する2つの部位に深いエロージョンが生じ、当該2つの部位の間のターゲット材料はほとんど浸食されていない。このため、第1の比較例のスパッタリング装置では、ターゲット材料層310aの利用効率が低くなってしまう。
また、図6は、ターゲット保持部を所定の移動範囲において連続的に往復移動しつつスパッタリング処理を行う装置(以下、「第2の比較例のスパッタリング装置」という。)におけるターゲット材料層310bのエロージョンの様子を示す断面図である。第2の比較例のスパッタリング装置では、往復移動の中央近傍においてターゲット保持部が等速にて移動するため、ターゲット材料層310bの中央部では、およそ均一なエロージョンが生じる。しかしながら、ターゲット保治部の移動方向を反転させる際に、移動速度を徐々に減少させて停止した上で反対向きに加速を開始することになるため、移動方向が反転する位置の近傍において、ターゲット材料層310bのエロージョンが上記中央部よりも深くなり、ターゲット材料層310bの利用効率が低くなってしまう。
これに対し、本実施の形態に係るスパッタリング装置1では、上述のように、スパッタリング処理の継続中に、ターゲット保持部3の複数のステップ移動が行われることにより、ターゲット保持部3が上下方向に往復移動する。これにより、当該往復移動の折り返し点近傍(すなわち、ターゲット保持部3の移動方向が反転する位置近傍)における単位時間中(例えば、1秒間)のターゲット保持部3の移動距離が、往復移動の他の部位における単位時間中のターゲット保持部3の移動距離におよそ等しくなる。その結果、図7に示すように、ターゲット材料層31において、ターゲット保持部3の往復移動の際に磁石ユニット4に対向する領域におけるエロージョンを均一化(すなわち、エロージョンによりターゲット材料層31に生じた凹部の深さの均一化)でき、ターゲット材料層31の利用効率を向上することができる。
また、上述の複数のステップ移動のそれぞれの移動距離が等しいことにより、ターゲット材料層31のエロージョンをより均一化することができる。さらに、各ステップ移動の移動停止時刻と次のステップ移動の移動開始時刻とが実質的に一致することにより、エロージョンをより一層均一化することができる。その結果、ターゲット材料層31の利用効率をさらに向上することができる。
ターゲット保持部3では、ターゲット材料層31を保持するバッキングプレート32が、ターゲット材料層31を冷却する冷却部としても機能する。これにより、ターゲット保持部3を小型化することができる。また、バッキングプレート32へと冷却液を導く冷却用配管35は、チャンバ7内においてターゲット保持部3と共に移動する第1配管351と、第1配管351の移動に伴ってチャンバ7内において伸縮する第2配管352とを備える。これにより、減圧雰囲気のチャンバ7内にて移動するターゲット保持部3に対し、簡単な構造で冷却液を供給することができる。
ターゲット保持部3では、ターゲット材料層31およびバッキングプレート32と磁石ユニット4との間に、ターゲット材料層31の面全体およびバッキングプレート32の面全体と重なる絶縁部33とアース部34とが設けられる。これにより、スパッタリング処理の際に、ターゲット材料層31と基板9との間のみに放電が発生する。その結果、スパッタリング処理を効率良く行うことができる。
スパッタリング装置1では、ターゲット保持部3に対して相対的に固定され、絶縁部33の外周部からターゲット材料層31の側面に向かって広がる第1シールド部61が設けられる。これにより、バッキングプレート32の端部からの不要な放電を防止することができる。また、スパッタリング装置1では、磁石ユニット4に対して相対的に固定され、磁石ユニット4と対向する位置に開口621を有する第2シールド部62が設けられる。これにより、磁石ユニット4の端部から広がる磁力線により電子が基板9へと到達することを抑制することができる。その結果、基板9の温度上昇や熱損傷等を抑制することができる。
上述のように、移動機構5は、チャンバ7外に配置される外部駆動機構51と、外部駆動機構51とターゲット保持部3とを接続する揺動部53とを備え、揺動部53が回動することによりターゲット保持部3が上下方向に往復移動する。また、ターゲット材料層31の往復移動の中心が、円筒状の基板保持部21の中心軸24と、磁石ユニット4の中心41とを含む平面上に位置する。これにより、ターゲット保持部3の上下方向の往復移動を、簡単な構造で実現することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、ターゲット保持部3の各ステップ毎の移動の時間、各ステップ毎の移動による移動距離、および、ターゲット保持部3の揺動幅は、適宜変更されてよい。また、複数のステップ移動のそれぞれの移動距離は必ずしも等しい必要はなく、異なっていてもよい。各ステップ移動は、必ずしも、図4に示すような加速域、定常域および減速域を有するものである必要はなく、例えば、図5に示すように、定常域を有さず、加速域と減速域のみにより構成され、加速域および減速域における加速度が一定でないものであってもよい。あるいは、各ステップ移動における移動停止時刻と次のステップ移動の移動開始時刻との間に僅かなインターバルが設けられてもよい。
上記実施の形態では、磁石ユニット4のチャンバ7に対する相対位置が固定され、ターゲット保持部3が所定の移動方向に移動するが、ターゲット保持部3の磁石ユニット4に対する相対移動は、例えば、ターゲット保持部3のチャンバ7に対する相対位置が固定され、磁石ユニット4が移動機構5により所定の移動方向に移動されてもよい。移動機構5の構造は、様々に変更されてよい。また、基板保持部21の形状は略円筒状には限定されず、例えば、平板状の基板保持部21上に平板状の基板9が保持されてもよい。
磁石ユニット4の正面視における形状は矩形状には限定されず、様々な形状に変更されてよい。また、第2シールド部62の開口621は、磁石ユニット4よりも小さい矩形状である必要はなく、磁石ユニット4の形状や磁力に合わせて様々な形状および大きさに変更されてよい。また、基板9の温度上昇等が許容範囲に収まる場合は、第2シールド部62が省略されてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 スパッタリング装置
3 ターゲット保持部
4 磁石ユニット
5 移動機構
7 チャンバ
9 基板
21 基板保持部
24 (基板保持部の)中心軸
31 ターゲット材料層
32 バッキングプレート
33 絶縁部
35 冷却用配管
41 (磁石ユニットの)中心
51 外部駆動機構
53 揺動部
61 第1シールド部
62 第2シールド部
81 電源部
82 制御部
351 第1配管
352 第2配管
533 (揺動部の)回転軸
621 開口

Claims (5)

  1. スパッタリング装置であって、
    平板状のターゲット材料層を保持するターゲット保持部と、
    基板を前記ターゲット保持部の前方にて保持する基板保持部と、
    前記ターゲット材料層の後方に配置される磁石ユニットと、
    前記ターゲット保持部を前記磁石ユニットに対して前記ターゲット材料層に平行な所定の移動方向に相対的に移動する移動機構と、
    内部に少なくとも前記ターゲット保持部および前記磁石ユニットを収容するチャンバと、
    前記基板保持部と前記ターゲット保持部との間に電圧を印加することによりスパッタリング処理を行う電源部と、
    前記電源部および前記移動機構を制御することにより、前記スパッタリング処理を連続的に実行し、前記スパッタリング処理の継続中に、それぞれが前記ターゲット保持部の前記移動方向における小距離の相対移動である複数のステップ移動を行って前記ターゲット保持部を往復移動することにより、前記ターゲット材料層上の被処理領域を前記移動方向に沿って往復移動する制御部と、
    を備えることを特徴とするスパッタリング装置。
  2. 請求項1に記載のスパッタリング装置であって、
    前記複数のステップ移動のそれぞれの移動距離が等しく、
    前記複数のステップ移動において、各ステップ移動における前記移動方向の移動速度が0となる移動停止時刻と、次のステップ移動の移動開始時刻とが一致することを特徴とするスパッタリング装置。
  3. 請求項1または2に記載のスパッタリング装置であって、
    前記ターゲット保持部が、
    前記ターゲット材料層の後側の面に接して前記ターゲット材料層を冷却する冷却部と、
    前記ターゲット材料層と前記磁石ユニットとの間に配置されて前記ターゲット材料層の前記面全体と重なる絶縁部と接地部と、
    を備えることを特徴とするスパッタリング装置。
  4. 請求項3に記載のスパッタリング装置であって、
    前記ターゲット保持部に対する相対位置が固定されて接地され、前記絶縁部の外周部から前記ターゲット材料層に向かって広がり、前記冷却部の側面および前記ターゲット材料層の側面を覆う第1シールド部と、
    前記磁石ユニットに対する相対位置が固定されて接地され、前記ターゲット材料層と前記基板との間に配置され、前記磁石ユニットと対向する位置に開口が設けられ、前記ターゲット材料層の前側の面のうち前記開口と対向する領域を除く他の領域全体を覆う第2シールド部と、
    をさらに備えることを特徴とするスパッタリング装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のスパッタリング装置であって、
    前記磁石ユニットの前記チャンバに対する相対位置が固定されており、
    前記基板保持部が、シート状の前記基板を外側面に保持する円筒状であり、
    前記ターゲット材料層の往復移動の中心が、前記基板保持部の中心軸と前記磁石ユニットの中心とを含む平面上に位置し、
    前記移動機構が、
    前記チャンバ外に配置される外部駆動機構と、
    前記外部駆動機構と前記ターゲット保持部とを接続するとともに、前記外部駆動機構により所定の回転軸を中心として回動することにより、前記ターゲット保持部を前記移動方向に往復移動する揺動部と、
    を備えることを特徴とするスパッタリング装置。
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