JP2013209679A - 成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長時間の成膜を行っても成膜領域における原料ガス流を適正に保ち、安定した成膜が可能なプラズマCVDによる成膜装置を提供する。
【解決手段】基板とプラズマ生成手段との間に原料ガスを封じ込め、かつ、この基板とプラズマ生成手段との間からの原料ガスの排出を制御するガス流制御部材を有し、かつ、このガス流制御部材の状態に応じて、原料ガスの供給および基板とプラズマ生成手段との間からの原料ガスの排出を制御することにより、前記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマCVDによって基板に成膜を行う成膜装置に関し、詳しくは、長時間の成膜を行った場合でも、成膜領域における原料ガス流を適正に制御できる成膜装置に関する。
光学素子、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置、半導体装置、薄膜太陽電池など、各種の装置に、ガスバリアフィルム、保護フィルム、光学フィルタや反射防止フィルム等の光学フィルムなど、各種の機能性フィルム(機能性シート)が利用されている。
これらの機能性フィルムの製造に、容量結合プラズマCVD(CCP(Capacitively Coupled Plasma)−CVD)などのプラズマCVDが利用されている。
また、プラズマCVDに限らず、効率良く、高い生産性を確保して成膜を行なうためには、長尺な基板(ウェブ状の基板)を長手方向に搬送しつつ、連続的に成膜を行なうのが好ましい。
このような成膜方法を実施する装置として、長尺な基板をロール状に巻回してなる基板ロールから基板を送り出し、成膜済みの基板をロール状に巻回する、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll(以下、RtoRともいう))による成膜が知られている。
このRtoRによる成膜では、成膜位置を含む所定の経路で、基板ロールから巻取り軸まで所定の搬送経路で長尺な基板を通紙し(所定の搬送経路に基板を通し)、基板ロールからの基板の送り出しと、巻取り軸による成膜済の基板の巻取りとを同期して行いつつ、成膜位置において、長手方向に搬送される基板に連続的に成膜を行なう。
ところで、プラズマCVDによる成膜では、成膜圧力が成膜を制御するための重要なパラメータとなる。成膜圧力が不安定であると、成膜領域における原料ガスの分布や原料ガスの流れが不適性になってしまい、安定した成膜を行うことができない。
そのため、プラズマCVDでは、成膜室内の圧力を真空計で検出し、この圧力が一定になるように、各種の制御を行っている。
また、この圧力の制御手段としては、特許文献1に示されるように、原料ガスの供給量を一定にして、成膜室からの排気量を調整して、成膜圧力を一定に保つ方法、および、成膜室からの排気量を一定にして、原料ガスの供給量を調整して、成膜圧力を一定に保つ方法、が知られている。
ここで、プラズマCVDによる成膜では、プラズマを利用するが故に、成膜室内の各種の部材の温度が上昇することが避けられない。
成膜室内の部材の温度が上昇すると、部材が膨張する。原料ガスの供給や排気に影響を与える位置において、部材が膨張すると、原料ガスの流れに影響を与える。その結果、成膜室内の圧力が変動し、成膜領域(プラズマ生成領域)における原料ガスの分布や流れが不安定になって、適正な成膜が行えなくなってしまう。
このような問題を解決するために、各種の提案が成されている。
例えば、特許文献2には、熱CVD装置において、排気経路を形成する部材の上面に、成膜室(真空チャンバ)の径方向に延在する環状突出部を設けることが記載されている。特許文献1においては、このような環状突出部を設けることにより、加熱によって成膜室と排気経路形成部材との間に隙間が生じても、この隙間部分を長くできるので、此処に原料ガスが流れ込んでも、成膜領域における原料ガスの分布や流れを適正に制御できる。
また、特許文献3には、プラズマCVD装置において、原料ガスの放散口の温度を調節する温度調節手段を設けることにより、同様に、成膜領域における原料ガスの分布や流れを適正に制御することが記載されている。
特開2002−217281号公報 特開2002−353207号公報 特開2001−298019号公報
ところで、プラズマCVD装置では、成膜領域内の原料ガスの分布や流れを均一にして、安定した成膜を行うためには、成膜領域内に原料ガスを封じ込め、かつ、成膜領域から外部への原料ガスの流れを制御する部材(以下、ガス流制御部材とする)を設けるのが好ましい。
ここで、前述のRtoRを利用するプラズマCVDによる成膜では、特に基板の搬送方向では、プラズマ生成領域の全域で成膜が行われる。例えば、CCP−CVDによる成膜装置であれば、成膜電極と対向電極とが対面しているプラズマ生成領域の全域が、成膜領域となる。
従って、RtoRを利用するプラズマCVD装置では、ガス流制御部材は、プラズマ生成領域の近傍に配置しなければ、有効に作用しない。また、RtoRによる成膜は、バッチ式に比して長時間になるのが通常である。
このような、RtoRを利用してプラズマCVDによる成膜を行う装置では、このガス流制御部材がプラズマの熱によって加熱されることは避けられない。そのため、成膜中に、ガス流制御部材が熱によって膨張してしまう。このガス流制御部材の膨張により、成膜領域から外部への原料ガスの流れが変化し、成膜領域における原料ガスの分布や流れを適正に制御できない。
その結果、RtoRによる長時間成膜では、成膜の初期と後期とで、成膜した膜の膜厚や膜質が変化してしまう。
また、成膜前に、成膜領域の近傍に配置される部材を、成膜時よりも高温に加熱しておく方法も考えられる。
ここで、有効な加熱を行うためには、成膜領域の周辺部材の温度を、100℃以上の高温とする必要がある。しかしながら、RtoRでは、通常、基板としてPETフィルムなどのプラスチックフィルムを用いるので、成膜領域の周辺温度を高くするのは、基板の熱ダメージの点で好ましくない。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、RtoRを利用するプラズマCVDによる成膜装置において、長時間成膜を行っても、成膜領域における原料ガスの分布や流れの変動を適正に制御することができ、これにより、安定した成膜を長時間行うことができ、成膜の初期と後期とにおける膜厚や膜質の変化を防止できる成膜装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、長尺な基板を長手方向に搬送しつつ、プラズマCVDによって基板に成膜を行う成膜装置であって、プラズマを生成するプラズマ生成手段と、プラズマ生成手段と基板との間に原料ガスを封じ込め、かつ、プラズマ生成手段と基板との間から外部への原料ガスの流れ制御するガス流制御部材と、ガス流制御部材の状態を検出する検出手段と、検出手段による検出結果に応じて、原料ガスの供給およびプラズマ生成手段と基板との間からの原料ガスの排気の、少なくとも一方を制御する制御手段とを有することを特徴とする成膜装置を提供する。
このような本発明の成膜装置において、ロール状に巻回した基板ロールから基板を送り出し、基板を長手方向に搬送しつつプラズマCVDによって基板に成膜を行い、成膜済の基板をロール状に巻回するのが好ましい。
また、検出手段は、ガス流制御部材の温度および位置の少なくとも一方を検出するのが好ましい。
また、制御手段は、検出手段による検出結果に応じて、原料ガスの供給量を制御するのが好ましい。
また、制御手段は、検出手段による検出結果に応じて、ガス流制御部材と基板との距離を調節するのが好ましい。
また、制御手段は、検出手段による検出結果に応じて、原料ガスの排気能力を制御するのが好ましい。
また、ガス流制御部材は、基板との間に間隙を有する状態で、プラズマ生成手段と基板との間を囲む筒状の部材であるのが好ましい。
また、CCP−CVDによって基板に成膜を行うものであり、ガス流制御部材は、成膜電極を囲む筒状の部材であるのが好ましい。
さらに、成膜電極は、対向電極との対向面から原料ガスを供給する機能を有するのが好ましい。
上記構成を有する本発明によれば、RtoRを利用するプラズマCVDによる成膜装置において、例えばCCP−CVDにおける電極間など、成膜領域における原料ガスの流れや分布を適正に制御することができ、これにより、安定した成膜を長時間に渡って行うことを可能にし、成膜の初期と後期とにおける膜厚や膜質の変化が無い、品質が安定した製品を製造することができる。
本発明の成膜装置の一例を概念的に示す図である。 図1に示す成膜装置の部分拡大図である。 図1に示す成膜装置のシャワー電極周辺の構造を概念的に示す図である。 本発明の成膜装置の別の例のシャワー電極周辺の構造を概念的に示す図である。 本発明の成膜装置の別の例のシャワー電極周辺の構造を概念的に示す図である。
以下、本発明の成膜装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明の成膜装置の一例を概念的に示す。
図1に示す成膜装置10は、長尺な基板Zをロール状に巻回してなる基板ロール12から、基板Zを送り出し、ドラム14に巻き掛けて長手方向に搬送しつつ、CCP−CVDによって基板Zの表面に成膜を行い、成膜済の基板Zを、巻取り軸16に巻き取る、前述のロール・ツー・ロール(Roll to Roll(以下、RtoRともいう))による成膜を行う装置である。
なお、図1は、本発明の成膜装置をCCP(Capacitively Coupled Plasma 容量結合型)−CVDによる成膜装置に利用したものであるが、本発明は、これに限定はされず、各種のプラズマCVDによる成膜装置に利用可能である。
例えば、本発明を、ICP(Inductively Coupled Plasma 誘導結合型)−CVDによる成膜装置に利用する場合には、誘電体窓と基板との間を囲むように後述するガス流制御部材46を設け、図1に示す成膜装置と同様の制御を行えばよい。
図1に示す成膜装置10において、前述の基板ロール12を装填する回転軸18、ドラム14、および、巻取り軸16は、真空チャンバ20内に配置される。
また、真空チャンバ20内は、隔壁24によって、回転軸24および巻取り軸16が配置される上方の空間である供給部26と、ドラム14が配置される下方の空間である成膜部30とに分けられている。
従って、基板Zは、供給部26において基板ロール12から送り出されて、成膜部30に搬送され、成膜部30においてドラム14に巻き掛けられて搬送されつつ成膜を行われ、成膜後、成膜部30から、再度、供給部26に搬送されて、巻取り軸16にロール状に巻き取られる。
なお、成膜装置10には、図示した部材以外にも、基板Zの搬送ガイドやガイドローラ、各種のセンサなど、CCP−CVD(プラズマCVD)によって成膜を行う装置が有する、各種の部材を有してもよい。
本発明の成膜装置10において、成膜を行う基板(支持体(基材))Zには、限定はなく、RtoRを利用するプラズマCVDによる成膜が可能な、可撓性を有する長尺なシート状物(ウェブ状のシート状物)が、各種、利用可能である。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレートなどの、各種のプラスチック(高分子材料)からなるプラスチックフィルム(樹脂フィルム)が、好適に例示される。
また、本発明においては、このようなプラスチックフィルムの表面に、保護層、接着層、密着層、光反射層、反射防止層、遮光層、平坦化層、緩衝層、応力緩和層、ガスバリア性や偏光性などの目的とする機能を発現する機能層等、1層以上の各種の層(膜)が形成されているシート状物を、基板Zとして用いてもよい。
また、本発明の成膜装置10が成膜する膜にも、限定はなく、プラズマCVDで成膜可能な膜が、各種、成膜可能である。
前述のように、供給部26には、基板ロール12を装填する回転軸18と、成膜済の基板Zを巻き取る巻取り16とが配置される。
なお、成膜装置10には、必要に応じて、供給部26にも、供給部26を排気して所定の圧力に保つための真空ポンプを設けてもよい。
成膜部30は、前述のドラム14に加え、ガイドローラ32aおよび32b、成膜室34ならびに真空ポンプ36を有して構成される。
ガイドローラ32aおよび32bは、公知のシート状物のガイドローラである。
供給部26から供給された基板Zは、ガイドローラ32aによって案内されてドラム14の所定領域に巻き掛けられ、図中時計方向に回転するドラム14によって長手方向に搬送されつつ、成膜室34においてCCP−CVDによる成膜を行われ、ガイドローラ32bによって案内されて、供給部26の巻取り軸16に搬送される。
真空ポンプ36は、成膜部30の成膜室34内以外の空間を、所定の圧力に保つためのものである。あるいは、必要に応じて、窒素等の不活性ガスを導入しつつ、真空ポンプ36による排気を行うことで、成膜部30の成膜室34内以外の空間を不活性雰囲気として、所定の圧力に保つようにしてもよい。
成膜装置10においては、成膜部30の成膜室34内以外の空間を、所定の圧力に保つことにより、成膜室34の外部の圧力が、成膜室34の圧力すなわち成膜圧力に影響を与えることを防止している。すなわち、成膜装置10において、成膜部30の成膜室34内以外の空間は、差圧室として作用している。
本発明において、真空ポンプ36には、特に限定はなく、ターボポンプ、メカニカルブースターポンプ、ロータリーポンプ、ドライポンプなどの真空ポンプ、さらには、クライオコイル等の補助手段、到達真空度や排気量の調整手段等を利用する、真空成膜装置に用いられている公知の(真空)排気手段が、各種、利用可能である。
この点に関しては、他の真空ポンプも同様である。
また、図示は省略するが、真空ポンプ36にも、後述する真空ポンプ52と同様に、排気側度の制御機構が設けられている。
ドラム14は、中心線を中心に図中時計方向に回転する円筒状の部材である。
前述のように、ドラム14は、ガイドローラ32aよって所定の経路で案内された基板Zを、周面の所定領域に掛け回して、所定位置に保持しつつ長手方向に搬送して、成膜室34内に搬送して、ガイドローラ32bに送る。
ここで、ドラム14は、後述する成膜室34のシャワー電極42(成膜電極)の対向電極としても作用する。すなわち、図示例の成膜装置10においては、ドラム14とシャワー電極42とで、CCP−CVDによる成膜を行うための電極対を構成する。
そのため、ドラム14は、アース(設置)されていてもよい。あるいは、ドラム14には、ドラム14にバイアスを印加するためのバイアス電源を接続してもよい。あるいは、アースとバイアス電源との接続を、切り替え可能に接続してもよい。
なお、バイアス電源は、各種の成膜装置で利用されている、バイアスを印加するための高周波電源やパルス電源等の公知の電源が、全て利用可能である。
また、ドラム14は、成膜中の基板Zの温度調整手段(すなわち成膜温度の調節手段)を兼ねてもよい。そのため、ドラム14は、温度調整手段を内蔵するのが好ましい。
ドラム14の温度調節手段には、特に限定はなく、冷媒等を循環する温度調節手段、ペルチェ素子等を用いる冷却手段等、各種の温度調節手段が、全て利用可能である。
図2に、成膜室34を示す。
成膜室34は、筒状の仕切り部材40によって形成される。仕切り部材40は、真空チャンバ20の図中左内壁面から、ドラム14の周面に向けて立設する四角筒状の部材である。仕切り部材40と、仕切り部材40内の真空チャンバ20の内壁面、仕切り部材40が対向するドラム14の周面とで構成される空間が、成膜室34となる。
また、図示例においては、仕切り部材40のドラム14側の開放端(基板搬送方向に延在する端辺)は、ドラム14の周面に応じた曲線状となっている。
成膜室34の内部には、シャワー電極42、ガス流制御部材46、および温度センサ48が配置される。
また、真空チャンバ20外部には、成膜室34に対応して、ガス供給手段50、真空ポンプ52、排気速度制御手段54、高周波電源56、真空計58、および、ガス流制御手段60が配置される。
シャワー電極42は、成膜電極であり、前述のように、ドラム14(対向電極)と共にCCP−CVDにおける電極対を構成する。
本発明においては、シャワー電極42は、プラズマCVDによる成膜等を行う装置に用いられる、公知のシャワー電極(シャワープレート)が利用可能である。
図示例において、シャワー電極42は、一例として、アルミニウム製で、最大面をドラム14の周面に対面して配置される、略直方体状の形状を有する。
また、シャワー電極42は、好ましい態様として、対向電極であるドラム14との距離が全面に渡って適正になるように、ドラム14との対向面が、ドラム14の周面に対応する曲面状となっている。
シャワー電極42の内部には、ガス供給空間が形成されている。また、シャワー電極42は、このガス供給空間からドラム14(基板Z)との対向面まで連通して、原料ガスを供給するためのガス供給孔42aが、多数、形成される(図3参照)。シャワー電極42において、このガス供給孔42aは、ドラム14との対向面に全面的に形成される。
ガス供給手段50は、原料ガス(プロセスガス/成膜ガス)を供給する、プラズマCVD装置に利用される、公知のガス供給手段である。
ガス供給手段50は、原料ガスを前述のシャワー電極42のガス供給空間に供給する。従って、原料ガスは、ガス供給空間からガス供給孔42aに流入し、ガス供給孔42aから、シャワー電極42とドラム14(基板Z)との間、すなわちCCP−CVDにおける電極対間に供給される。
高周波電源56は、プラズマ励起電力(成膜電力)を、成膜電極であるシャワー電極42に供給する。高周波電源56は、プラズマCVD装置に利用される公知の高周波電源である。
真空ポンプ52は、成膜室34内をCCP−CVDによる成膜に対応する所定の圧力にするためのものである。真空ポンプ52も、プラズマCVD装置に利用される公知の真空ポンプが利用可能である。
排気速度制御手段54は、真空ポンプ52による排気速度を制御して、成膜室34内および成膜領域(シャワー電極42とドラム14(基板Z)とが対面している領域)の圧力を調整するものである。この排気速度制御手段54も、開放量が可変のバルブや開放量が可変のオリフィスなど、プラズマCVD装置において真空ポンプによる排気量の制御に用いられている公知のものが利用可能である。
成膜室34においては、真空ポンプ52および排気速度制御手段54によって成膜室34内を所定の圧力に保ちつつ、ガス供給手段50から原料ガスをシャワー電極42のガス供給空間に供給し、ガス供給孔42aから原料ガスを排出することにより、シャワー電極42とドラム14(基板Z)との間に原料ガスを供給し、さらに、高周波電源56からシャワー電極42にプラズマ励起電力を供給することにより、CCP−CVDによって基板Zの表面に成膜を行う。
なお、本発明は、シャワー電極42を用いる構成に限定はされない。
すなわち、原料ガスの供給機能を有さない成膜電極と、成膜電極とドラム14(対向電極)との間に原料ガスを供給するノズル等を用いるガス供給手段とを用いて、CCP−CVDによって基板Zに成膜を行う装置であってもよい。
成膜室34には、ガス流制御部材46が配置される。
ガス流制御部材46は、上下面が開放する、シャワー電極42と同じ底面形状を有するの四角筒状(上下面が開放する略直方体状)の部材で、開放面をドラム14に対面して、シャワー電極42を収容するように、配置される。すなわち、成膜室34をドラム14側からみた際には、図3に概念的に示すように、仕切り部材40の中にガス流制御部材46が配置され、ガス流制御部材46の中にシャワー電極42が配置されている。
また、ガス流制御部材46のドラム14側の開放端(基板搬送方向に延在する上端辺)は、開放端をドラム14に近接して位置するために、ドラム14の周面に応じた曲線状となっている。
このガス流制御部材46は、成膜領域に原料ガスを封じ込め、かつ、この成膜領域から排出される原料ガスのガス流を制御する部材である。
このようなガス流制御部材を有することにより、成膜領域における圧力を安定させ、原料ガスの分布および原料ガスのガス流を適正に制御して、安定した成膜が可能になる。
なお、成膜領域とは、図示例においては、シャワー電極42とドラム14(すなわち基板Z)とが対面している領域の空間である。
すなわち、ガス流制御部材46は、前述のように筒状で、シャワー電極42すなわち成膜領域を内包した状態で、ドラム14側の端部を、ドラム14に近接する所定の位置に配置、固定される。
そのため、このガス流制御部材46を有することにより、シャワー電極42のドラム14との対向面と、ガス流制御部材46とによって囲まれた、成膜領域を含む空間内に、原料ガスを封じ込めることができる。
また、ガス流制御部材46は、シャワー電極42を内包する筒状で、端部をドラム14に近接して配置されるので、成膜領域すなわちシャワー電極42とドラム14とが対面する空間からの、原料ガスの排出を、制御できる。すなわち、成膜領域からの原料ガスの主たる排出経路は、シャワー電極42と、ガス流制御部材46との間隙となる。なお、成膜領域からの原料ガスの排気は、ガス流制御部材46ドラム14との間隙からも行われる。
従って、このようなガス流制御部材46を有することにより、成膜領域内に適正に原料ガスを封じ込め、かつ、成膜領域からの原料ガスの排出を制御して、成膜領域の圧力を適正に保って、成膜領域における原料ガスの分布および原料ガスの流れを、適正に制御することができる。
成膜領域からのガス排出経路となる、ガス流制御部材46とシャワー電極42との間隙には、特に限定はなく、シャワー電極42の大きさ、ドラム14の径、想定される原料ガスの流量範囲等に応じて、適宜、決定すればよい。
また、ガス流制御部材46のドラム側開放端とドラム14との距離にも、特に限定はなく、同じく、ドラム14の径、想定される原料ガスの流量範囲等に応じて、適宜、決定すればよい。
なお、装置構成等に応じて、シャワー電極42とガス流制御部材46との間隔が広い場合など、成膜室34の構成によっては、シャワー電極42とガス流制御部材46の間隙のみでは安定したガス排気経路が確保できない場合が有る。
この場合には、安定したガス排気経路を確保するために、ガス流制御部材46のドラム14と逆側の開放面に、開放面内に突出して、この開放面の周辺部を閉塞してガス流を遮蔽する、板状の排気経路形成部材を設けてもよい。
ここで、成膜装置10においては、メンテナンスや電極間の距離等の調整を行うために、シャワー電極42が、ガス流制御部材46から排出された位置から、ドラム14に向かって移動することにより、図2等に示す所定の位置に配置する構成を有する場合も有る。
この際には、この板状の排気経路形成部材をスプリングによってドラム側に付勢した状態として、シャワー電極42と共に移動し、シャワー電極42は所定位置まで移動し、排気経路形成部材はガス流制御部材46に当接して、移動を停止されるようにしてもよい。
これにより、シャワー電極42が移動する構成であっても、シャワー電極42の移動を妨害せず、かつ、スプリングによって排気経路形成部材をガス流制御部材46に押圧して、確実に安定したガス排気経路を形成できる。
図示例の成膜装置10においては、成膜室34には、ガス流制御部材46の温度を測定する温度センサ48が配置される。
なお、温度センサ48には、特に限定はなく、熱電対等の公知の温度センサ(温度測定手段)が、各種、利用可能である。
温度センサ48による温度測定結果は、ガス流制御手段60に供給される。
ガス流制御手段60は、温度センサ48によるガス流制御部材46の温度の測定結果に応じて、ガス供給手段50を制御して、原料ガスの供給量を調節する。具体的には、適宜設定した温度の閾値に応じて、ガス流制御部材46の温度が閾値を超えた状況では、この閾値を超えていない状況より、原料ガスの供給量を少なくする。
なお、成膜室34においては、基本的に、この原料ガスの供給量の調節を行っても、成膜室34の圧力が一定となるように、排気速度制御手段54を制御する。もしくは、成膜室34においては、基本的に、真空ポンプ52による排気速度を変えることなく、この原料ガスの供給量の調節を行う。
本発明は、このような構成を有することにより、RtoRを利用するCCP−CVDによる成膜において、長時間成膜を行っても、成膜領域における原料ガスの分布や流れの変動を適正に制御することができ、これにより、安定した成膜を長時間行うことができ、成膜の初期と後期とにおける膜厚や膜質の変化を防止できる。
前述のように、ガス流制御部材46は、成膜領域に原料ガスを封じ込め、かつ、成膜領域からの原料ガスの排出を制御する。
ここで、前述のようにRtoRを利用するCCP−CVD(プラズマCVD)による成膜では、特に搬送方向では、プラズマ生成領域の全域が成膜領域となる。そのため、RtoRを利用するCCP−CVDによる成膜では、ガス流制御部材46をプラズマ生成領域の近傍に置かざるを得ず、プラズマによるガス流制御部材46の加熱が避けられない。
ガス流制御部材46が加熱されると、ガス流制御部材46が膨張する。
その結果、成膜領域からの主たる原料ガスの排気経路であるガス流制御部材46とシャワー電極42との間隙が狭くなる。また、ガス流制御部材46とドラム14との間隔も、狭くなる。
そのため、このガス流制御部材46の膨張によって、成膜領域からの原料ガスの排出量が変化する。これにより、成膜領域の圧力が高くなり、成膜領域における原料ガスの分布、および、成膜領域からの原料ガスの排出を、適正に制御できなくなってしまう。その結果、成膜の初期と後期とにおける膜厚や膜質が変化するという問題が生じる。
これに対し、本発明の成膜装置10においては、ガス流制御部材46の温度を測定し、その結果に応じて、ガス流制御部材46の温度が高くなったら、すなわちガス流制御部材46が膨張したら、原料ガスの供給量を低減する。
これにより、成膜領域の圧力を適正な状態まで下げて、成膜領域における原料ガスの分布、および、成膜領域からの原料ガスの排出を適正に制御することが可能になり、長時間の成膜でも、成膜の初期と後期とにおける膜厚や膜質の変化を防止できる。
本発明の成膜装置10において、なお、原料ガスの供給量を変更するガス流制御部材46の温度(閾値)、および、供給する原料ガス量の変更量(原料ガス供給量の調整量)は、成膜室34の構成、成膜する膜の種類、成膜条件等に応じて、実験やシミュレーションを行って、適宜、設定すればよい。
この点に関しては、後述する真空ポンプ52による排気速度を調整して成膜領域の原料ガス分布等を制御する態様、および、ガス流制御部材46を移動して成膜領域の原料ガス分布等を制御する態様も、同様である。また、上記の点に関しては、ガス流制御部材46の温度ではなく、ガス流制御部材46の位置を検出して、この検出結果に応じて、原料ガスの供給量等を調節して、成膜領域における原料ガスの分布や排出を制御する態様でも、同様である。
図示例の成膜装置10は、ガス流制御部材46の温度を測定し、この測定結果に応じて、原料ガスの供給量を制御することで、ガス流制御部材46が加熱/膨張した際における成膜領域での原料ガスの分布および排出を適正に制御しているが、本発明は、これに限定はされない。
例えば、原料ガスの供給量は一定として、ガス流制御部材46の温度測定結果に応じて、排気速度制御手段54によって真空ポンプ52による排気速度を制御することにより、成膜領域の圧力を適正な状態として、成膜領域における原料ガスの分布や排出を制御してもよい。
すなわち、この態様においては、ガス流制御部材46の温度が閾値を超えた状況では、ガス流制御手段46の温度が、この温度の閾値を超えていない状況よりも、排気速度制御手段54に真空ポンプによる排気速度を向上するように指示を出し、成膜室34内の圧力を下げる。
これにより、成膜領域からの原料ガスの排出量を増加して、成膜領域の圧力を適正な状態まで下げて、成膜領域における原料ガスの分布、および、成膜領域からの原料ガスの排出を適正に制御することが可能になる。
図4に、本発明の成膜装置における成膜室の別の例を示す。
上述の成膜室34は、ガス流制御部材46の温度に応じて原料ガスの供給量(あるいは排気量)を変更した。これに対して、図4に示す成膜室68では、ガス流制御部材46の温度に応じてガス流制御部材46の位置を移動する。
すなわち、成膜室68は、ガス流制御部材46をドラム14に接離する方向に移動する移動手段70を有する。
温度センサ48によるガス流制御部材46の温度測定結果は、ガス流制御手段72に供給される。ガス流制御手段72は、ガス流制御部材46の温度に応じて、この測定結果が所定の閾値を超えた状況では、ガス流制御部材46をドラム14から、所定量、離間する方向に移動するように、移動手段70に指示を出す。移動手段70は、これに応じて、この温度の閾値を超えていない状況よりもドラム14から離間する方向に、ガス流制御部材46を移動する。
このガス流制御部材46の移動により、ガス流制御部材46とドラム14との間隙を大きくして、この間隙から原料ガスを排出し易くすることで、成膜領域からの原料ガスの排出量を増加する。これにより、成膜領域の圧力を適正な状態まで下げて、成膜領域における原料ガスの分布、および、成膜領域からの原料ガスの排出を適正に制御することが可能になる。
なお、本発明において、ガス流制御部材46の移動方法には、限定はなく、減圧下で使用可能で、かつ、十分な耐熱性を有するものであれば、ネジ伝動、ラックアンドピニオン等の公知の移動手段が、各種、利用可能である。
図5に、本発明の成膜装置における成膜室の別の例を示す。
以上の例は、温度センサ48によってガス流制御部材46の温度を測定し、この温度測定結果に応じて、原料ガスの供給量、成膜室34からの排気量、ガス流制御部材46の位置を調整することで、成膜領域における原料ガスの分布や排気を制御している。
これに対して、図5に示す成膜室76では、ガス流制御部材46の位置を検出し、その検出結果に応じて、原料ガスの供給量(成膜室34からの排気量、ガス流制御部材46の位置)を調整する。
すなわち、成膜室76は、ガス流制御部材46のドラム14側の端部に、変位センサ78を有する。
変位センサ78は、ガス流制御部材46の先端位置を検出して、ガス流制御部材46とドラム14との距離を測定するためのセンサである。図5に示す成膜室76においては、ガス流制御部材46とドラム14との距離を測定することにより、ガス流制御部材46の加熱(加熱による膨張)を検出する。
変位センサ78によるガス流制御部材46の先端位置の検出結果は、ガス流制御手段80に供給される。ガス流制御手段80は、ガス流制御部材46の先端位置から、ガス流制御部材46とドラム14との距離を検出し、この距離が所定の閾値を下回った状況では、ガス供給手段50に指示を出し、原料ガスの供給量を、閾値を下回らない状況よりも所定量、低減する。
これにより、成膜領域の圧力を適正な状態まで下げて、成膜領域における原料ガスの分布、および、成膜領域からの原料ガスの排出を適正に制御することが可能になる。
なお、ガス流制御部材46とドラム14との距離を検出する態様においても、先の温度測定を行う例と同様、距離の検出結果に応じて、成膜室76からの排気量を調整し、あるいは、ガス流制御部材46の位置を調整して、成膜領域の圧力を適正にし、成膜領域における原料ガスの分布および排出の適正な制御を行ってもよい。
また、ガス流制御部材46とドラム14との距離を検出するのではく、変位センサ78による位置検出結果(変位の検出結果)、そのものを利用して、原料ガスの供給量の調整等を行ってもよい。
なお、図5に示す成膜室76において、ガス流制御部材46の先端位置の検出手段は、図示例の変位センサ78に限定はされず、光学的な検出手段等、公知の位置検出手段が、各種、利用可能である。
以上の例では、ガス流制御部材46の温度またはガス流制御部材46の位置を検出することによって、原料ガスの供給量やガス流制御部材の位置等を変更している。しかしながら、本発明は、これに限定はされず、ガス流制御部材46の温度検出結果および位置検出結果の両者を併用して、原料ガスの供給量、排気量、ガス流制御部材46の位置等を変更するタイミングを判断してもよい。
また、以上の例では、原料ガス供給量の調整、成膜室34からの排気速度の調整、および、ガス流制御部材46の位置の調整のいずれかによって、成膜領域の圧力すなわち原料ガス分布および原料ガスの排出を制御したが、本発明は、これに限定はされない。すなわち、上記3つの成膜領域における原料ガスの制御方法のうち、2つを併用して、あるいは3つ全てを使って、成膜領域の圧力を調整するようにしてもよい。あるいは、上記3つの成膜領域における原料ガスの制御方法のうち、1以上を選択して、成膜領域の圧力を調整するようにしてもよい。
以下、成膜装置10の作用を説明する。
前述のように、基板Zを巻回してなる基板ロール12が回転軸18に装填されると、基板ロール12から基板Zが引き出され、ガイドローラ32a、ドラム14、およびガイドローラ32bを経て、巻取り軸16に至る所定の搬送経路を挿通される。
基板Zが挿通されたら、真空チャンバ20を閉塞して、真空ポンプ36および真空ポンプ52を駆動して、さらに、排気速度制御手段54を調節して、各室の排気を開始する。
成膜室34および成膜室34の外部空間(あるいはさらに供給部26)が、所定の真空度以下まで排気されたら、次いで、ガス供給手段50を駆動して、成膜室34に原料ガスを供給する。
全ての室の圧力が所定圧力で安定したら、ドラム14等の回転を開始して、基板Zの搬送を開始し、さらに、高周波電源56を駆動して、基板Zを長手方向に搬送しつつ、成膜室34における基板Z成膜を開始し、長尺な基板Zに連続的に成膜を行う。
成膜中は、温度センサ48によってガス流制御部材46の温度が測定されている。
この温度測定結果は、ガス流制御手段60に供給される。ガス流制御手段60は、温度センサ48による温度測定結果に応じて、ガス流制御部材46の温度が所定の閾値を超えた状態となると、ガス供給手段50に指示を出し、原料ガスの供給量を、所定量、低減させる。この原料ガス供給量の調整によって、ガス流制御部材46が加熱によって膨張しても、成膜領域の圧力を適正な状態まで下げて、成膜領域における原料ガスの分布、および、成膜領域からの原料ガスの排出を適正に制御できる。
そのため、長時間の成膜を行っても、成膜の初期と後期とにおける膜厚や膜質の変化を防止できる。
以上、本発明の成膜装置について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
[実施例1]
図1に示す成膜装置10を用いて、基板Zの表面に、厚さ50nmの窒化ケイ素膜を、連続して200m成膜した。
基板Zは、幅が1000mmで厚さが100μmの長尺なPETフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)を用いた。
ドラム14は内部に温度制御機能を有するステンレス製で、温度を40℃に制御した。
ガス流制御部材46はアルミニウム製で、ドラム14との距離は3mmとした。
温度センサ48は、K熱電対を用いた。成膜開始時のガス流制御部材46の温度は、25℃であった。
高周波電源86は、周波数13.56MHzの高周波電源を用い、シャワー電極42に供給するプラズマ励起電力は3kWとした。
成膜ガスは、シランガス(SiH4)、アンモニアガス(NH3)、および窒素ガス(N2)を用いた。供給量は、シランガスが100sccm、アンモニアガスが150sccm、窒素ガスが1000sccmとした。
なお、ガス流制御部材46の温度が90℃を超えた状況では、原料ガスの供給量をシランガスが80sccm、アンモニアガスが120sccm、窒素ガスが800sccmに低減した。
また、成膜室34の圧力は、40Paで一定となるように、排気速度制御手段54で排気速度の調整を行った。
このようにして窒化ケイ素膜を成膜した200mの基板Zについて、成膜開始位置および成膜終了位置において、全光線透過率(400nm〜800nmの平均)を測定し、その変化量を測定した。
その結果、成膜開始位置と成膜終了位置とにおける全光線透過率の変化量は、−0.3%であった。
[実施例2]
ドラム14の温度を80℃とし、また、ガス流制御部材46の温度が90℃を超えた状況における原料ガスの供給量を、シランガスが90sccm、アンモニアガスが135sccm、窒素ガスが900sccmとした以外は、実施例1と同様にして、基板Zに、窒化ケイ素膜を、連続して200m成膜した。
なお、成膜開始時のガス流制御部材46の温度は、40℃であった。
窒化ケイ素膜を成膜した200mの基板Zについて、実施例1と同様にして、成膜開始位置と成膜終了位置とにおける全光線透過率の変化量を測定したところ、−0.4%であった。
[実施例3]
原料ガスの供給量をシランガスが100sccm、アンモニアガスが150sccm、窒素ガスが1000sccmで一定とし、また、ガス流制御部材46の温度が90℃を超えた状況において、排気速度制御手段54で排気速度を調整して成膜室34の圧力を40Paから35Paとした以外は、実施例1と同様にして、基板Zに、窒化ケイ素膜を、連続して200m成膜した。
なお、成膜開始時のガス流制御部材46の温度は、25℃であった。
窒化ケイ素膜を成膜した200mの基板Zについて、実施例1と同様にして、成膜開始位置と成膜終了位置とにおける全光線透過率の変化量を測定したところ、+0.5%であった。
[比較例1]
ガス流制御部材46の温度によらず、原料ガスの供給量をシランガスが100sccm、アンモニアガスが150sccm、窒素ガスが1000sccmで一定とした以外は、実施例1と同様にして、基板Zに、窒化ケイ素膜を、連続して200m成膜した。
なお、成膜開始時のガス流制御部材46の温度は、27℃であった。
窒化ケイ素膜を成膜した200mの基板Zについて、実施例1と同様にして、成膜開始位置と成膜終了位置とにおける全光線透過率の変化量を測定したところ、−1.5%であった。
[比較例2]
ガス流制御部材46の温度によらず、原料ガスの供給量をシランガスが100sccm、アンモニアガスが150sccm、窒素ガスが1000sccmで一定とし、また、ドラム14の温度を80℃とした以外は、実施例1と同様にして、基板Zに、窒化ケイ素膜を、連続して200m成膜した。
なお、成膜開始時のガス流制御部材46の温度は、45℃であった。
窒化ケイ素膜を成膜した200mの基板Zについて、実施例1と同様にして、成膜開始位置と成膜終了位置とにおける全光線透過率の変化量を測定したところ、−1.2%であった。
ドラム14の温度、ガス流制御部材46の温度(部材温度)、成膜室34の圧力、原料ガスの供給量、および、全光線透過率の変化量(変化量)を下記の表にまとめて示す。
上記表に示すように、ガス流制御部材46の温度が90℃になった状況では、ガス流制御部材46の温度が90℃以下の状況よりも原料ガスの供給量を低減し、あるいは、排気速度を向上して成膜室34の圧力を下げる本発明の成膜装置によれば、成膜開始時と成膜終了時とにおける全光線透過率の変化量が少なく、すなわち、成膜開始時と成膜終了時における膜厚の変動が少ない。
これに対して、ガス流制御部材46の温度によらず、一定の条件で成膜を行った比較例では、本発明に比して、成膜開始時と成膜終了時とにおける全光線透過率が大きく変化している。これは、ガス流制御部材の加熱による膨張によって、成膜領域の圧力が変化して、原料ガスの分布および原料ガスの排出が適正に制御できず、その結果、成膜開始時に比して、成膜終了時の膜厚が厚くなったためである。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
太陽電池や有機ELディスプレイ等に用いられるガスバリアフィルム等の機能性フィルム、および、その製造に、好適に利用可能である。
10 成膜装置
12 基板ロール
14 ドラム
16 巻取り軸
18 回転軸
20 真空チャンバ
24 隔壁
26 供給部
30 成膜部
32a,32b ガイドローラ
34,68,76 成膜室
36,52 真空ポンプ
40 仕切り部材
42 シャワー電極
46 ガス流制御部材
48 温度センサ
50 ガス供給手段
54 排気速度制御手段
56 高周波電源
58 真空計
60,72,80 ガス流制御手段
78 変位センサ

Claims (9)

  1. 長尺な基板を長手方向に搬送しつつ、プラズマCVDによって基板に成膜を行う成膜装置であって、
    プラズマを生成するプラズマ生成手段と、
    前記プラズマ生成手段と基板との間に原料ガスを封じ込め、かつ、前記プラズマ生成手段と基板との間から外部への原料ガスの流れ制御するガス流制御部材と、
    前記ガス流制御部材の状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果に応じて、原料ガスの供給および前記プラズマ生成手段と基板との間からの原料ガスの排気の、少なくとも一方を制御する制御手段とを有することを特徴とする成膜装置。
  2. ロール状に巻回した基板ロールから前記基板を送り出し、前記基板を長手方向に搬送しつつプラズマCVDによって基板に成膜を行い、成膜済の基板をロール状に巻回する、請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記検出手段は、前記ガス流制御部材の温度および位置の少なくとも一方を検出する請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 前記制御手段は、前記検出手段による検出結果に応じて、原料ガスの供給量を制御する請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置。
  5. 前記制御手段は、前記検出手段による検出結果に応じて、前記ガス流制御部材と基板との距離を調節する請求項1〜4のいずれかに記載の成膜装置。
  6. 前記制御手段は、前記検出手段による検出結果に応じて、原料ガスの排気能力を制御する請求項1〜5のいずれかに記載の成膜装置。
  7. 前記前記ガス流制御部材は、前記基板との間に間隙を有する状態で、前記プラズマ生成手段と基板との間を囲む筒状の部材である請求項1〜6のいずれかに記載の成膜装置。
  8. CCP−CVDによって前記基板に成膜を行うものであり、前記ガス流制御部材は、成膜電極を囲む筒状の部材である請求項1〜7のいずれかに記載の成膜装置。
  9. 前記成膜電極は、対向電極との対向面から原料ガスを供給する機能を有する請求項8に記載の成膜装置。
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