JP2013209679A - 成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板とプラズマ生成手段との間に原料ガスを封じ込め、かつ、この基板とプラズマ生成手段との間からの原料ガスの排出を制御するガス流制御部材を有し、かつ、このガス流制御部材の状態に応じて、原料ガスの供給および基板とプラズマ生成手段との間からの原料ガスの排出を制御することにより、前記課題を解決する。
【選択図】図2
Description
これらの機能性フィルムの製造に、容量結合プラズマCVD(CCP(Capacitively Coupled Plasma)−CVD)などのプラズマCVDが利用されている。
このような成膜方法を実施する装置として、長尺な基板をロール状に巻回してなる基板ロールから基板を送り出し、成膜済みの基板をロール状に巻回する、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll(以下、RtoRともいう))による成膜が知られている。
このRtoRによる成膜では、成膜位置を含む所定の経路で、基板ロールから巻取り軸まで所定の搬送経路で長尺な基板を通紙し(所定の搬送経路に基板を通し)、基板ロールからの基板の送り出しと、巻取り軸による成膜済の基板の巻取りとを同期して行いつつ、成膜位置において、長手方向に搬送される基板に連続的に成膜を行なう。
また、この圧力の制御手段としては、特許文献1に示されるように、原料ガスの供給量を一定にして、成膜室からの排気量を調整して、成膜圧力を一定に保つ方法、および、成膜室からの排気量を一定にして、原料ガスの供給量を調整して、成膜圧力を一定に保つ方法、が知られている。
成膜室内の部材の温度が上昇すると、部材が膨張する。原料ガスの供給や排気に影響を与える位置において、部材が膨張すると、原料ガスの流れに影響を与える。その結果、成膜室内の圧力が変動し、成膜領域(プラズマ生成領域)における原料ガスの分布や流れが不安定になって、適正な成膜が行えなくなってしまう。
例えば、特許文献2には、熱CVD装置において、排気経路を形成する部材の上面に、成膜室(真空チャンバ)の径方向に延在する環状突出部を設けることが記載されている。特許文献1においては、このような環状突出部を設けることにより、加熱によって成膜室と排気経路形成部材との間に隙間が生じても、この隙間部分を長くできるので、此処に原料ガスが流れ込んでも、成膜領域における原料ガスの分布や流れを適正に制御できる。
また、特許文献3には、プラズマCVD装置において、原料ガスの放散口の温度を調節する温度調節手段を設けることにより、同様に、成膜領域における原料ガスの分布や流れを適正に制御することが記載されている。
従って、RtoRを利用するプラズマCVD装置では、ガス流制御部材は、プラズマ生成領域の近傍に配置しなければ、有効に作用しない。また、RtoRによる成膜は、バッチ式に比して長時間になるのが通常である。
その結果、RtoRによる長時間成膜では、成膜の初期と後期とで、成膜した膜の膜厚や膜質が変化してしまう。
ここで、有効な加熱を行うためには、成膜領域の周辺部材の温度を、100℃以上の高温とする必要がある。しかしながら、RtoRでは、通常、基板としてPETフィルムなどのプラスチックフィルムを用いるので、成膜領域の周辺温度を高くするのは、基板の熱ダメージの点で好ましくない。
また、検出手段は、ガス流制御部材の温度および位置の少なくとも一方を検出するのが好ましい。
また、制御手段は、検出手段による検出結果に応じて、原料ガスの供給量を制御するのが好ましい。
また、制御手段は、検出手段による検出結果に応じて、ガス流制御部材と基板との距離を調節するのが好ましい。
また、制御手段は、検出手段による検出結果に応じて、原料ガスの排気能力を制御するのが好ましい。
また、ガス流制御部材は、基板との間に間隙を有する状態で、プラズマ生成手段と基板との間を囲む筒状の部材であるのが好ましい。
また、CCP−CVDによって基板に成膜を行うものであり、ガス流制御部材は、成膜電極を囲む筒状の部材であるのが好ましい。
さらに、成膜電極は、対向電極との対向面から原料ガスを供給する機能を有するのが好ましい。
図1に示す成膜装置10は、長尺な基板Zをロール状に巻回してなる基板ロール12から、基板Zを送り出し、ドラム14に巻き掛けて長手方向に搬送しつつ、CCP−CVDによって基板Zの表面に成膜を行い、成膜済の基板Zを、巻取り軸16に巻き取る、前述のロール・ツー・ロール(Roll to Roll(以下、RtoRともいう))による成膜を行う装置である。
例えば、本発明を、ICP(Inductively Coupled Plasma 誘導結合型)−CVDによる成膜装置に利用する場合には、誘電体窓と基板との間を囲むように後述するガス流制御部材46を設け、図1に示す成膜装置と同様の制御を行えばよい。
また、真空チャンバ20内は、隔壁24によって、回転軸24および巻取り軸16が配置される上方の空間である供給部26と、ドラム14が配置される下方の空間である成膜部30とに分けられている。
なお、成膜装置10には、図示した部材以外にも、基板Zの搬送ガイドやガイドローラ、各種のセンサなど、CCP−CVD(プラズマCVD)によって成膜を行う装置が有する、各種の部材を有してもよい。
また、本発明においては、このようなプラスチックフィルムの表面に、保護層、接着層、密着層、光反射層、反射防止層、遮光層、平坦化層、緩衝層、応力緩和層、ガスバリア性や偏光性などの目的とする機能を発現する機能層等、1層以上の各種の層(膜)が形成されているシート状物を、基板Zとして用いてもよい。
なお、成膜装置10には、必要に応じて、供給部26にも、供給部26を排気して所定の圧力に保つための真空ポンプを設けてもよい。
供給部26から供給された基板Zは、ガイドローラ32aによって案内されてドラム14の所定領域に巻き掛けられ、図中時計方向に回転するドラム14によって長手方向に搬送されつつ、成膜室34においてCCP−CVDによる成膜を行われ、ガイドローラ32bによって案内されて、供給部26の巻取り軸16に搬送される。
成膜装置10においては、成膜部30の成膜室34内以外の空間を、所定の圧力に保つことにより、成膜室34の外部の圧力が、成膜室34の圧力すなわち成膜圧力に影響を与えることを防止している。すなわち、成膜装置10において、成膜部30の成膜室34内以外の空間は、差圧室として作用している。
この点に関しては、他の真空ポンプも同様である。
また、図示は省略するが、真空ポンプ36にも、後述する真空ポンプ52と同様に、排気側度の制御機構が設けられている。
前述のように、ドラム14は、ガイドローラ32aよって所定の経路で案内された基板Zを、周面の所定領域に掛け回して、所定位置に保持しつつ長手方向に搬送して、成膜室34内に搬送して、ガイドローラ32bに送る。
そのため、ドラム14は、アース(設置)されていてもよい。あるいは、ドラム14には、ドラム14にバイアスを印加するためのバイアス電源を接続してもよい。あるいは、アースとバイアス電源との接続を、切り替え可能に接続してもよい。
なお、バイアス電源は、各種の成膜装置で利用されている、バイアスを印加するための高周波電源やパルス電源等の公知の電源が、全て利用可能である。
ドラム14の温度調節手段には、特に限定はなく、冷媒等を循環する温度調節手段、ペルチェ素子等を用いる冷却手段等、各種の温度調節手段が、全て利用可能である。
成膜室34は、筒状の仕切り部材40によって形成される。仕切り部材40は、真空チャンバ20の図中左内壁面から、ドラム14の周面に向けて立設する四角筒状の部材である。仕切り部材40と、仕切り部材40内の真空チャンバ20の内壁面、仕切り部材40が対向するドラム14の周面とで構成される空間が、成膜室34となる。
また、図示例においては、仕切り部材40のドラム14側の開放端(基板搬送方向に延在する端辺)は、ドラム14の周面に応じた曲線状となっている。
また、真空チャンバ20外部には、成膜室34に対応して、ガス供給手段50、真空ポンプ52、排気速度制御手段54、高周波電源56、真空計58、および、ガス流制御手段60が配置される。
本発明においては、シャワー電極42は、プラズマCVDによる成膜等を行う装置に用いられる、公知のシャワー電極(シャワープレート)が利用可能である。
また、シャワー電極42は、好ましい態様として、対向電極であるドラム14との距離が全面に渡って適正になるように、ドラム14との対向面が、ドラム14の周面に対応する曲面状となっている。
ガス供給手段50は、原料ガスを前述のシャワー電極42のガス供給空間に供給する。従って、原料ガスは、ガス供給空間からガス供給孔42aに流入し、ガス供給孔42aから、シャワー電極42とドラム14(基板Z)との間、すなわちCCP−CVDにおける電極対間に供給される。
真空ポンプ52は、成膜室34内をCCP−CVDによる成膜に対応する所定の圧力にするためのものである。真空ポンプ52も、プラズマCVD装置に利用される公知の真空ポンプが利用可能である。
排気速度制御手段54は、真空ポンプ52による排気速度を制御して、成膜室34内および成膜領域(シャワー電極42とドラム14(基板Z)とが対面している領域)の圧力を調整するものである。この排気速度制御手段54も、開放量が可変のバルブや開放量が可変のオリフィスなど、プラズマCVD装置において真空ポンプによる排気量の制御に用いられている公知のものが利用可能である。
すなわち、原料ガスの供給機能を有さない成膜電極と、成膜電極とドラム14(対向電極)との間に原料ガスを供給するノズル等を用いるガス供給手段とを用いて、CCP−CVDによって基板Zに成膜を行う装置であってもよい。
ガス流制御部材46は、上下面が開放する、シャワー電極42と同じ底面形状を有するの四角筒状(上下面が開放する略直方体状)の部材で、開放面をドラム14に対面して、シャワー電極42を収容するように、配置される。すなわち、成膜室34をドラム14側からみた際には、図3に概念的に示すように、仕切り部材40の中にガス流制御部材46が配置され、ガス流制御部材46の中にシャワー電極42が配置されている。
また、ガス流制御部材46のドラム14側の開放端(基板搬送方向に延在する上端辺)は、開放端をドラム14に近接して位置するために、ドラム14の周面に応じた曲線状となっている。
このようなガス流制御部材を有することにより、成膜領域における圧力を安定させ、原料ガスの分布および原料ガスのガス流を適正に制御して、安定した成膜が可能になる。
なお、成膜領域とは、図示例においては、シャワー電極42とドラム14(すなわち基板Z)とが対面している領域の空間である。
そのため、このガス流制御部材46を有することにより、シャワー電極42のドラム14との対向面と、ガス流制御部材46とによって囲まれた、成膜領域を含む空間内に、原料ガスを封じ込めることができる。
また、ガス流制御部材46は、シャワー電極42を内包する筒状で、端部をドラム14に近接して配置されるので、成膜領域すなわちシャワー電極42とドラム14とが対面する空間からの、原料ガスの排出を、制御できる。すなわち、成膜領域からの原料ガスの主たる排出経路は、シャワー電極42と、ガス流制御部材46との間隙となる。なお、成膜領域からの原料ガスの排気は、ガス流制御部材46ドラム14との間隙からも行われる。
また、ガス流制御部材46のドラム側開放端とドラム14との距離にも、特に限定はなく、同じく、ドラム14の径、想定される原料ガスの流量範囲等に応じて、適宜、決定すればよい。
この場合には、安定したガス排気経路を確保するために、ガス流制御部材46のドラム14と逆側の開放面に、開放面内に突出して、この開放面の周辺部を閉塞してガス流を遮蔽する、板状の排気経路形成部材を設けてもよい。
この際には、この板状の排気経路形成部材をスプリングによってドラム側に付勢した状態として、シャワー電極42と共に移動し、シャワー電極42は所定位置まで移動し、排気経路形成部材はガス流制御部材46に当接して、移動を停止されるようにしてもよい。
これにより、シャワー電極42が移動する構成であっても、シャワー電極42の移動を妨害せず、かつ、スプリングによって排気経路形成部材をガス流制御部材46に押圧して、確実に安定したガス排気経路を形成できる。
なお、温度センサ48には、特に限定はなく、熱電対等の公知の温度センサ(温度測定手段)が、各種、利用可能である。
ガス流制御手段60は、温度センサ48によるガス流制御部材46の温度の測定結果に応じて、ガス供給手段50を制御して、原料ガスの供給量を調節する。具体的には、適宜設定した温度の閾値に応じて、ガス流制御部材46の温度が閾値を超えた状況では、この閾値を超えていない状況より、原料ガスの供給量を少なくする。
なお、成膜室34においては、基本的に、この原料ガスの供給量の調節を行っても、成膜室34の圧力が一定となるように、排気速度制御手段54を制御する。もしくは、成膜室34においては、基本的に、真空ポンプ52による排気速度を変えることなく、この原料ガスの供給量の調節を行う。
ここで、前述のようにRtoRを利用するCCP−CVD(プラズマCVD)による成膜では、特に搬送方向では、プラズマ生成領域の全域が成膜領域となる。そのため、RtoRを利用するCCP−CVDによる成膜では、ガス流制御部材46をプラズマ生成領域の近傍に置かざるを得ず、プラズマによるガス流制御部材46の加熱が避けられない。
その結果、成膜領域からの主たる原料ガスの排気経路であるガス流制御部材46とシャワー電極42との間隙が狭くなる。また、ガス流制御部材46とドラム14との間隔も、狭くなる。
そのため、このガス流制御部材46の膨張によって、成膜領域からの原料ガスの排出量が変化する。これにより、成膜領域の圧力が高くなり、成膜領域における原料ガスの分布、および、成膜領域からの原料ガスの排出を、適正に制御できなくなってしまう。その結果、成膜の初期と後期とにおける膜厚や膜質が変化するという問題が生じる。
これにより、成膜領域の圧力を適正な状態まで下げて、成膜領域における原料ガスの分布、および、成膜領域からの原料ガスの排出を適正に制御することが可能になり、長時間の成膜でも、成膜の初期と後期とにおける膜厚や膜質の変化を防止できる。
この点に関しては、後述する真空ポンプ52による排気速度を調整して成膜領域の原料ガス分布等を制御する態様、および、ガス流制御部材46を移動して成膜領域の原料ガス分布等を制御する態様も、同様である。また、上記の点に関しては、ガス流制御部材46の温度ではなく、ガス流制御部材46の位置を検出して、この検出結果に応じて、原料ガスの供給量等を調節して、成膜領域における原料ガスの分布や排出を制御する態様でも、同様である。
例えば、原料ガスの供給量は一定として、ガス流制御部材46の温度測定結果に応じて、排気速度制御手段54によって真空ポンプ52による排気速度を制御することにより、成膜領域の圧力を適正な状態として、成膜領域における原料ガスの分布や排出を制御してもよい。
これにより、成膜領域からの原料ガスの排出量を増加して、成膜領域の圧力を適正な状態まで下げて、成膜領域における原料ガスの分布、および、成膜領域からの原料ガスの排出を適正に制御することが可能になる。
上述の成膜室34は、ガス流制御部材46の温度に応じて原料ガスの供給量(あるいは排気量)を変更した。これに対して、図4に示す成膜室68では、ガス流制御部材46の温度に応じてガス流制御部材46の位置を移動する。
温度センサ48によるガス流制御部材46の温度測定結果は、ガス流制御手段72に供給される。ガス流制御手段72は、ガス流制御部材46の温度に応じて、この測定結果が所定の閾値を超えた状況では、ガス流制御部材46をドラム14から、所定量、離間する方向に移動するように、移動手段70に指示を出す。移動手段70は、これに応じて、この温度の閾値を超えていない状況よりもドラム14から離間する方向に、ガス流制御部材46を移動する。
このガス流制御部材46の移動により、ガス流制御部材46とドラム14との間隙を大きくして、この間隙から原料ガスを排出し易くすることで、成膜領域からの原料ガスの排出量を増加する。これにより、成膜領域の圧力を適正な状態まで下げて、成膜領域における原料ガスの分布、および、成膜領域からの原料ガスの排出を適正に制御することが可能になる。
以上の例は、温度センサ48によってガス流制御部材46の温度を測定し、この温度測定結果に応じて、原料ガスの供給量、成膜室34からの排気量、ガス流制御部材46の位置を調整することで、成膜領域における原料ガスの分布や排気を制御している。
これに対して、図5に示す成膜室76では、ガス流制御部材46の位置を検出し、その検出結果に応じて、原料ガスの供給量(成膜室34からの排気量、ガス流制御部材46の位置)を調整する。
変位センサ78は、ガス流制御部材46の先端位置を検出して、ガス流制御部材46とドラム14との距離を測定するためのセンサである。図5に示す成膜室76においては、ガス流制御部材46とドラム14との距離を測定することにより、ガス流制御部材46の加熱(加熱による膨張)を検出する。
これにより、成膜領域の圧力を適正な状態まで下げて、成膜領域における原料ガスの分布、および、成膜領域からの原料ガスの排出を適正に制御することが可能になる。
また、ガス流制御部材46とドラム14との距離を検出するのではく、変位センサ78による位置検出結果(変位の検出結果)、そのものを利用して、原料ガスの供給量の調整等を行ってもよい。
また、以上の例では、原料ガス供給量の調整、成膜室34からの排気速度の調整、および、ガス流制御部材46の位置の調整のいずれかによって、成膜領域の圧力すなわち原料ガス分布および原料ガスの排出を制御したが、本発明は、これに限定はされない。すなわち、上記3つの成膜領域における原料ガスの制御方法のうち、2つを併用して、あるいは3つ全てを使って、成膜領域の圧力を調整するようにしてもよい。あるいは、上記3つの成膜領域における原料ガスの制御方法のうち、1以上を選択して、成膜領域の圧力を調整するようにしてもよい。
前述のように、基板Zを巻回してなる基板ロール12が回転軸18に装填されると、基板ロール12から基板Zが引き出され、ガイドローラ32a、ドラム14、およびガイドローラ32bを経て、巻取り軸16に至る所定の搬送経路を挿通される。
成膜室34および成膜室34の外部空間(あるいはさらに供給部26)が、所定の真空度以下まで排気されたら、次いで、ガス供給手段50を駆動して、成膜室34に原料ガスを供給する。
この温度測定結果は、ガス流制御手段60に供給される。ガス流制御手段60は、温度センサ48による温度測定結果に応じて、ガス流制御部材46の温度が所定の閾値を超えた状態となると、ガス供給手段50に指示を出し、原料ガスの供給量を、所定量、低減させる。この原料ガス供給量の調整によって、ガス流制御部材46が加熱によって膨張しても、成膜領域の圧力を適正な状態まで下げて、成膜領域における原料ガスの分布、および、成膜領域からの原料ガスの排出を適正に制御できる。
そのため、長時間の成膜を行っても、成膜の初期と後期とにおける膜厚や膜質の変化を防止できる。
図1に示す成膜装置10を用いて、基板Zの表面に、厚さ50nmの窒化ケイ素膜を、連続して200m成膜した。
ガス流制御部材46はアルミニウム製で、ドラム14との距離は3mmとした。
温度センサ48は、K熱電対を用いた。成膜開始時のガス流制御部材46の温度は、25℃であった。
なお、ガス流制御部材46の温度が90℃を超えた状況では、原料ガスの供給量をシランガスが80sccm、アンモニアガスが120sccm、窒素ガスが800sccmに低減した。
また、成膜室34の圧力は、40Paで一定となるように、排気速度制御手段54で排気速度の調整を行った。
その結果、成膜開始位置と成膜終了位置とにおける全光線透過率の変化量は、−0.3%であった。
ドラム14の温度を80℃とし、また、ガス流制御部材46の温度が90℃を超えた状況における原料ガスの供給量を、シランガスが90sccm、アンモニアガスが135sccm、窒素ガスが900sccmとした以外は、実施例1と同様にして、基板Zに、窒化ケイ素膜を、連続して200m成膜した。
なお、成膜開始時のガス流制御部材46の温度は、40℃であった。
原料ガスの供給量をシランガスが100sccm、アンモニアガスが150sccm、窒素ガスが1000sccmで一定とし、また、ガス流制御部材46の温度が90℃を超えた状況において、排気速度制御手段54で排気速度を調整して成膜室34の圧力を40Paから35Paとした以外は、実施例1と同様にして、基板Zに、窒化ケイ素膜を、連続して200m成膜した。
なお、成膜開始時のガス流制御部材46の温度は、25℃であった。
ガス流制御部材46の温度によらず、原料ガスの供給量をシランガスが100sccm、アンモニアガスが150sccm、窒素ガスが1000sccmで一定とした以外は、実施例1と同様にして、基板Zに、窒化ケイ素膜を、連続して200m成膜した。
なお、成膜開始時のガス流制御部材46の温度は、27℃であった。
ガス流制御部材46の温度によらず、原料ガスの供給量をシランガスが100sccm、アンモニアガスが150sccm、窒素ガスが1000sccmで一定とし、また、ドラム14の温度を80℃とした以外は、実施例1と同様にして、基板Zに、窒化ケイ素膜を、連続して200m成膜した。
なお、成膜開始時のガス流制御部材46の温度は、45℃であった。
これに対して、ガス流制御部材46の温度によらず、一定の条件で成膜を行った比較例では、本発明に比して、成膜開始時と成膜終了時とにおける全光線透過率が大きく変化している。これは、ガス流制御部材の加熱による膨張によって、成膜領域の圧力が変化して、原料ガスの分布および原料ガスの排出が適正に制御できず、その結果、成膜開始時に比して、成膜終了時の膜厚が厚くなったためである。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
12 基板ロール
14 ドラム
16 巻取り軸
18 回転軸
20 真空チャンバ
24 隔壁
26 供給部
30 成膜部
32a,32b ガイドローラ
34,68,76 成膜室
36,52 真空ポンプ
40 仕切り部材
42 シャワー電極
46 ガス流制御部材
48 温度センサ
50 ガス供給手段
54 排気速度制御手段
56 高周波電源
58 真空計
60,72,80 ガス流制御手段
78 変位センサ
Claims (9)
- 長尺な基板を長手方向に搬送しつつ、プラズマCVDによって基板に成膜を行う成膜装置であって、
プラズマを生成するプラズマ生成手段と、
前記プラズマ生成手段と基板との間に原料ガスを封じ込め、かつ、前記プラズマ生成手段と基板との間から外部への原料ガスの流れ制御するガス流制御部材と、
前記ガス流制御部材の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に応じて、原料ガスの供給および前記プラズマ生成手段と基板との間からの原料ガスの排気の、少なくとも一方を制御する制御手段とを有することを特徴とする成膜装置。 - ロール状に巻回した基板ロールから前記基板を送り出し、前記基板を長手方向に搬送しつつプラズマCVDによって基板に成膜を行い、成膜済の基板をロール状に巻回する、請求項1に記載の成膜装置。
- 前記検出手段は、前記ガス流制御部材の温度および位置の少なくとも一方を検出する請求項1または2に記載の成膜装置。
- 前記制御手段は、前記検出手段による検出結果に応じて、原料ガスの供給量を制御する請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置。
- 前記制御手段は、前記検出手段による検出結果に応じて、前記ガス流制御部材と基板との距離を調節する請求項1〜4のいずれかに記載の成膜装置。
- 前記制御手段は、前記検出手段による検出結果に応じて、原料ガスの排気能力を制御する請求項1〜5のいずれかに記載の成膜装置。
- 前記前記ガス流制御部材は、前記基板との間に間隙を有する状態で、前記プラズマ生成手段と基板との間を囲む筒状の部材である請求項1〜6のいずれかに記載の成膜装置。
- CCP−CVDによって前記基板に成膜を行うものであり、前記ガス流制御部材は、成膜電極を囲む筒状の部材である請求項1〜7のいずれかに記載の成膜装置。
- 前記成膜電極は、対向電極との対向面から原料ガスを供給する機能を有する請求項8に記載の成膜装置。
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