JP2013209348A - Apj活性化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】APJ受容体(アンジオテンシン受容体様1)を活性化するのに有効な新規なAPJ活性化剤の提供。
【解決手段】ヤマモモ、フトモモ及びコナラの植物体又はその抽出物から成る群から選択される1又は複数の成分を含むAPJ活性化剤。該APJ活性化剤は、経口投与されることが好ましい。該APJ活性化剤は、APJの活性に関与する多様な疾患や症状の予防又は治療に有効な医薬品、あるいは美容学的状態の改善に有効な化粧品として利用することができ、例えば、紫外線の照射によりもたらされる皮膚の炎症、アトピー性皮膚炎、赤ら顔、酒さ、乾癬等の皮膚炎、リンパ浮腫、皮下脂肪蓄積が伴う疾患、例えば、肥満、セルライト、たるみ(皮膚老化、弾力低下)、または皮下脂肪蓄積に付随する疾患・症候群、などが挙げられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ヤマモモ、フトモモ及びコナラの植物体又はその抽出物から成る群から選択される1又は複数の成分を含んで成るAPJ活性化剤に関する。
アペリンは、1998年に、長らくオーファン受容体であった7回膜貫通型のGタンパク質共役型受容体であるAPJ(別名、AGTRL1:Angiotensin receptor like 1)に対する結合因子として牛の胃の細胞抽出液から単離された分子である。ヒトアペリンは、心臓、肺、腎臓、脂肪、胃、脳、副腎、内皮など様々な部位での発現が報告されており、77アミノ酸の前駆タンパク質に由来する36アミノ酸から成るアペリンAPJ受容体のリガンドとして知られる(非特許文献1)。アペリンの cDNA は77アミノ酸をコードするが、この前駆体からロング・フォーム(42〜77アミノ酸)とショート・フォーム(65〜77アミノ酸)が形成される。どちらのアペリンもAPJの活性化を誘導することが知られている。これまで、心血管系や中枢神経系で、APJの発現が報告されてきており、心臓では心筋収縮作用、神経系ではバソプレシンの発現を制御するなど、体液の調節機構に関与することが示唆されてきている。また、APJはエイズウイルスの受容体として感染にも関与することから、種々の観点からの創薬のターゲットとしてにわかに注目を浴びつつある受容体である。APJの発現は、血管系においては、血管内皮細胞や壁細胞に発現するとされてきており、アフリカツメガエルを用いた遺伝子ノックダウンの実験にて、アペリン/APJシステムが血管発生に必須の役割を果たすことが示され、またマウスやヒトにおいても本受容体の発現が内皮細胞に認められることから、哺乳類においても血管形成に関与することが予想されてきた(非特許文献2)。また、アペリンのノックアウトマウスの解析や、試験管内での血管系解析を通して、血管内皮細胞がAng1で刺激を受けた際に分泌するアペリンが血管径を制御することが報告されている(非特許文献3)。さらに、近年、アペリンが、皮膚リンパ管の機能安定化を促進し、皮下脂肪の蓄積を抑制することが明らかとなっている(特許文献1、特許文献2)。
特開2010−208991号公報 特開2012−020942号公報
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本発明の課題は、アペリンの受容体であるAPJを活性化する新規な薬剤を提供することにある。
本発明者は、この度、アペリン/APJシグナル系を利用したスクリーニング方法を確立し、該スクリーニング方法を用いて、ヤマモモ、フトモモ及びコナラの植物体又はその抽出物が、APJを活性化し、アペリンと同様の機能を有するという驚くべき知見を得た。
したがって、本願は以下の発明を包含する:
[1] ヤマモモ、フトモモ及びコナラの植物体又はその抽出物から成る群から選択される1又は複数の成分を含んで成るAPJ活性化剤。
[2] 経口投与されることを特徴とする[1]に記載のAPJ活性化剤。
本発明に係るAPJ活性化剤を皮膚に適用することにより、APJの活性化に関与する多様な疾患や症状の予防・解消や、美容状態の改善が可能となる。
アペリンによる細胞内cAMP濃度の減少、及びアペリン中和抗体による細胞内cAMP濃度の減少の抑制を示すグラフである。 アペリン様薬剤(ヤマモモ、フトモモ及びコナラの抽出物)単独(棒グラフ左)、及びアペリン様薬剤+アペリン中和抗体(棒グラフ右)を添加した場合における細胞内cAMP濃度上昇のコントロールであるフォルスコリン添加群に対する割合を示すグラフである。
APJ受容体は、AGTRL1(アンジオテンシン受容体様1)とも称され、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の1つであり、380のアミノ酸から成る。この膜貫通領域は、アンジオテンシン(AT1)受容体と40〜50%の相同性を示す。APJ受容体は、αサブユニット(約40〜50kDa)、βサブユニット(約35kDa)及びγサブユニット(約10kDa)からなるヘテロ三量体Gタンパク質と共役しており、情報伝達(シグナル)カスケードに関連していることが知られている。APJ受容体が活性化していない状態ではα,β,γの各々のサブユニットは強く結合しているが、APJ受容体にアペリンが結合することにより、APJ受容体が活性化し、αサブユニットに結合しているGDPとGTPの交換反応がおこり、GTP結合型αサブユニットとβγサブユニットに解離する。これらのサブユニットは、各々の標的タンパク質・酵素を活性化し、シグナルを下流へと伝達する。その後、αサブユニットに結合したGTPは、αサブユニットのGTPase活性により分解されてGDPとなり、GDP結合型αサブユニットはβγサブユニットと結合し、不活性型の三量体を再び形成する。三量体Gタンパク質はαサブユニットの機能及び遺伝子の相違から、Gs、Gi、Go、Gq、Gt、Golf等のサブファミリーに分類されている。GsとGi はそれぞれアデニル酸シクラーゼの活性を亢進又は抑制し、Goは神経組織のシグナル伝達系に関係し、GqはホスホリパーゼCβを活性化し、そしてGtとGolfはそれぞれ視細胞(網膜)と臭細胞のシグナル伝達系に重要な役割を果たしている。APJ受容体がアペリンと結合した場合には、Gi経路を介してアデニル酸シクラーゼの活性が抑制されるため、その結果、細胞内のcAMP濃度が減少する。
本発明者は、上記アペリン/APJシグナル系を利用し、アペリン様薬剤のスクリーニング方法を確立した。具体的には、アペリン様薬剤のスクリーニングは、まず、1次スクリーニングとして、cAMPルシフェラーゼレポーターベクターをトランスフェクトした単離細胞(例えば、NIH-3T3細胞)を96ウェルプレートに播種し、そこに候補薬剤を添加してプレインキュベートし、フォルスコリンによりアデニル酸シクラーゼを活性化させた後、ルシフェラーゼの発光をルミノメーター(例えば、GloMaxTM 96 Microplate Luminometer(Promega))によりcAMP濃度を測定し、フォルスコリンによるcAMP濃度上昇を抑制した薬剤を選定とする。そして、次に、cAMP濃度の減少がAPJの活性化を介していることを確認するために、2次スクリーニングとして、1次スクリーニングで選定した薬剤とアペリン中和抗体(例えば、4G5)とを一緒に加え、1次スクリーニングと同様のルシフェラーゼアッセイを行う。その結果、中和抗体の添加により、cAMP濃度の減少が抑制され、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは100%までcAMP濃度の減少を回復する薬剤をアペリン様薬剤として選定することができる。
本発明者は、この度、上記スクリーニング方法により、ヤマモモ、フトモモ及びコナラの植物体又はその抽出物が、アペリンの受容体であるAPJを活性化させ、これにより、アペリンと同様の機能を有する蓋然性が極めて高いという知見を得た。したがって、本発明により、ヤマモモ、フトモモ及びコナラの植物体又はその抽出物から成る群から選択される1又は複数の成分を含んで成るAPJ活性化剤が提供される。
ヤマモモ(Myrica rubra)は、中国大陸や日本を原産とするヤマモモ目ヤマモモ科の常緑樹であり、果実は、生食用のほか、ジャムや果実酒などの飲食品に利用される。また、脂肪分解促進剤として使用できることも報告されている。
フトモモ(Syzygium jambos)は、東南アジアを原産とするフトモモ科の常緑高木であり、果実は、味は薄いがバラのような芳香があって食べられる。また、抗肥満剤として使用できることも報告されている。
コナラ(Quercus serrata)は、北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国に分布するブナ目ブナ科コナラ属の落葉広葉樹であり、材は木炭の原料や、シイタケの原木に使われており、実は灰汁抜きをすることによって食用とすることもできる。肥満予防剤として使用できることが報告されている。
これら3種の植物は日本にも広く分布し、また栽培もされているため、容易に入手可能な植物である。
尚、本発明で使用する各植物の植物体又はその抽出物とは、各々の植物体の各種部位(花、花穂、果皮、果実、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、根、種子又は全草など)をそのまま又は乾燥したものを粉砕して乾燥粉末としたもの、又は、そのまま或いは乾燥・粉砕後、溶媒で抽出したものを意味する。
前記植物体の抽出部位としては、上記植物体のいずれの部位を用いてもかまわないが、ヤマモモについては、例えば樹皮、粘液、果実、種子、花、枝、葉、根等が挙げられ、特に葉や枝が好ましく、フトモモについては、例えば樹皮、粘液、果実、種子、花、枝、葉、根等が挙げられ、特に葉や枝が好ましく、コナラについては、例えば樹皮、粘液、果実、種子、花、枝、葉、根等が挙げられ、特に葉、樹皮、枝、根が好ましい。
これらの植物体の抽出方法は特に限定されるものではないが、溶媒を用いた抽出法が好ましい。抽出を行う際には、上記原材料をそのまま使用することもできるが、粉末状に粉砕・細断して抽出に供した方が、穏和な条件で短時間に高い抽出効率で有効成分の抽出を行うことができる。
抽出温度は特に限定されるものではなく、原材料の粉砕物の大きさや溶媒の種類等に応じて適宜設定すればよい。通常は、室温から溶媒の沸点までの範囲内で設定される。また、抽出時間も特に限定されるものではなく、原材料の粉砕物の大きさ、溶媒の種類、抽出温度等に応じて適宜設定すればよい。さらに、抽出時には、撹拌を行ってもよいし、撹拌せず静置してもよいし、超音波を加えてもよい。
例えば、上記植物抽出物は、原材料を溶媒中に浸漬し、室温又は80℃〜100℃にて抽出することができる。抽出処理により得られた抽出液をろ過後、そのまま又は必要に応じて濃縮若しくは乾固したものを、活性成分として使用することができる。なお、この抽出処理の際には、原材料は細断又は粉砕したものを用いてもよい。また、生の原材料又は乾燥した原材料を用いてもよいし、あるいは焙煎した原材料を用いてもよい。焙煎方法は特に限定されるものではないが、80℃〜120℃で0.5時間〜2時間焙煎する方法が挙げられる。
抽出に使用される溶媒の種類は特に限定されるものではないが、水(熱水等を含む)、アルコール(例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール)、グリコール(例えば1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール)、グリセリン、ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル)、アセトニトリル、エステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例えばヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン)、芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレン)、ハロゲン化炭化水素(例えばクロロホルム)、又はこれらのうち2種以上の混合溶媒が好ましい。
このような抽出操作により、原材料から有効成分が抽出され、溶媒に溶け込む。抽出物を含む溶媒は、そのまま使用してもよいが、数日静置して熟成させてから用いても良い。さらに滅菌、洗浄、濾過、脱色、脱臭等の慣用の精製処理を加えてから使用してもよい。また、必要により濃縮又は希釈してから使用してもよい。さらに、溶媒を全て揮発させて固体状(乾燥物)としてから使用してもよいし、該乾燥物を任意の溶媒に再溶解して使用してもよい。
本発明に係るAPJ活性化剤は、APJの活性に関与する多様な疾患や症状の予防又は治療に有効な医薬品、あるいは美容学的状態の改善に有効な化粧品として利用できる。APJの発現に関与する疾患や症状、美容学的状態には、紫外線の照射によりもたらされる皮膚の炎症、アトピー性皮膚炎、赤ら顔、酒さ、乾癬等の皮膚炎、リンパ管の構造の不安定化を原因とするリンパ液の漏出による皮膚疾患、例えば紫外線照射、フィラリア、手術、悪性腫瘍、炎症にともなう二次性のリンパ浮腫や、先天性リンパ浮腫、例えばMilroy病、Meige病、lymphedema-distichiasis症候群、皮下脂肪蓄積が伴う疾患、例えば肥満、セルライト、たるみ(皮膚老化、弾力低下)、または皮下脂肪蓄積に付随する疾患・症候群、例えば睡眠時無呼吸症候群、頻尿、無毛症、月経異常、ホルモン低下による発育不良、貧血、卵巣がん、子宮がん、乳がん、不妊症、肝硬変、痔、深部静脈血栓症、肺塞栓症、静脈血栓塞栓症などが挙げられる。
本発明に係るAPJ活性化剤は、その使用目的に合わせて用量、用法、剤型を適宜決定することが可能である。例えば、本発明のAPJ活性化剤の投与形態は特に制限されるものではなく、経口、非経口、外用等であってよいが。好ましくは経口剤である。剤型としては、例えば軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、浴用剤等の外用剤、注射剤、点滴剤、若しくは坐剤等の非経口投与剤、又は錠剤、粉剤、カプセル剤、顆粒剤、エキス剤、シロップ剤等の経口投与剤を挙げることができる。
本発明のAPJ活性化剤中のアペリン様薬剤(ヤマモモ、フトモモ及びコナラの植物体又はその抽出物)の配合量は、用途に応じて適宜決定できるが、一般には剤全量中、0.00001〜20.0質量%、好ましくは0.00001〜10.0質量%である。
また、本発明のAPJ活性化剤には、アペリン様薬剤(ヤマモモ、フトモモ及びコナラの植物体又はその抽出物)以外に、例えば、通常の食品や医薬品に使用される賦形剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、甘味料、酸味料、調味料、着色料、香料等、化粧品等に通常用いられる美白剤、保湿剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
さらに、本発明のAPJ活性化剤を皮膚外用剤として使用する場合、皮膚外用剤に慣用の助剤、例えばエデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸及びその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、カリンの果実の熱水抽出物、各種生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸及びその誘導体またはその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類、レチノイン酸、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類なども適宜配合することができる。
本発明に係るAPJ活性化剤は痩身を目的とする美容学的方法にも利用される。この美容学的方法は、例えば本発明に係るAPJ活性化剤を皮下脂肪蓄積の気になる部位、例えばセルライト(脂肪の繊維組織)を呈している部位に適用し、そのまま放置するか又は例えばリンパ管液の流れの方向に即してマッサージなどを施し、リンパ管液の流れを促進するなどして行うことができる。この方法の適用箇所には顔面、首、手足、など、全身のあらゆる部位が挙げられる。
以下の実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
実験1.アペリン様薬剤のスクリーニング系の確立
APJ発現細胞の培養
NIH3T3細胞にアペリン受容体APJを高発現させ、ハイグロマイシンで選択した安定株(大阪大学微生物病研究所高倉伸幸教授より供与)をcAMPルシフェラーゼレポーターベクターでトランスフェクトし、これを以下のcAMPルシフェラーゼアッセイに用いた。培養は200 μg/mlのハイグロマイシンを含む10% FBS含有DMEM培地(Invirtogen)で行った。アッセイ前日に、96穴プレートに1ウェルあたり2.0×105個の細胞を播種し、10% FBSと200 μg/mlハイグロマイシンを含むDMEM培地で培養した。
cAMPルシフェラーゼアッセイ
一晩培養した後、培地をアスピレーターで除き、1ウェルあたり100 μlの添加剤を含まないDMEM培地に交換した。3時間後、GloSensorTM cAMP 試薬(Promega)を1ウェルあたり4 μlずつ添加し、遮光し2時間室温で平衡化した。その後、アペリン13(ペプチド研究所)を0.4 μg/mlとなるように添加剤を含まないDMEM培地で希釈し、これを1ウェルあたり50 μlずつ添加し(最終濃度は0.1 μg/ml)、室温で5 分間プレインキュベートした。更に、40 μMに調整したフォルスコリン(Sigma)を50 μlずつ添加し(最終濃度は10 μM)、15 分間処理した。その後、GloMaxTM 96 Microplate Luminometer(Promega)を用いて発光を測定した。また、上記と同様のルシフェラーゼアッセイを、アペリンと共にアペリン中和抗体である4G5(大阪大学より供与)を添加して行なった。この場合、5 μg/mlとなるように中和抗体を含まないDMEM培地で希釈し、1ウェルあたり50 μlずつ添加した(最終濃度0.5 μg/ml)。同様に、最終濃度が1.5、5、15及び50 μg/mlとなるような中和抗体を調製し、それぞれウェルに添加した。コントロールとして、アペリンを添加せずに、20 μMのフォルスコリンを1ウェルあたり100 μl添加した。
上記cAMPルシフェラーゼアッセイの結果を図1に示す。図1からもわかるように、アペリンによってcAMP濃度が減少する一方、アペリン中和抗体によるアペリン活性の消失に伴いcAMP濃度の減少は抑制されている。すなわち、上記のcAMPルシフェラーゼアッセイにおいて、まず、アペリンの代わりに候補薬剤を添加した場合にcAMP濃度を減少させる薬剤を探索し(1次スクリーニング)、次に、これらの薬剤の中から、アペリン中和抗体と一緒に添加した場合にcAMP濃度の減少が有意に抑制される薬剤をさらに選別すること(2次スクリーニング)により、アペリン受容体であるAPJの活性化を介してcAMP濃度を減少させる薬剤(すなわちアペリン様薬剤)を短時間かつ効率的に選定することが可能となる。
実験2.アペリン様薬剤のスクリーニング
候補薬剤として、約110種の食品素材(株式会社資生堂)を用いて、実験1において確立したスクリーニング系によりアペリン様薬剤の選定を行った。
具体的には、候補薬剤を400 μg/mlに調製し、実験1のcAMPルシフェラーゼアッセイで使用したアペリンの代わりに、1ウェルあたり50 μlずつ添加し(最終濃度100 μg/ml)、実験1と同様のアッセイを行った。
図2に示されるとおり、ヤマモモ、フトモモ及びコナラの抽出物は、細胞内のcAMP濃度を有意に減少させ、またアペリン中和抗体(4G5)と共に添加した場合には、アペリン活性の消失によりcAMP濃度の減少が有意に抑制されていることから、これらの植物抽出物は、アペリンと同様の機能を有することが示された。

Claims (2)

  1. ヤマモモ、フトモモ及びコナラの植物体又はその抽出物から成る群から選択される1又は複数の成分を含んで成るAPJ活性化剤。
  2. 経口投与されることを特徴とする請求項1に記載のAPJ活性化剤。
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