JP2013208164A - 超音波装置、超音波プローブ、電子機器、診断装置及び処理装置 - Google Patents

超音波装置、超音波プローブ、電子機器、診断装置及び処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】位相走査時の超音波強度の変化を低減することができる超音波装置、超音波プローブ、電子機器、診断装置及び処理装置等を提供すること。
【解決手段】超音波装置200は、超音波素子アレイ100と、可変容量回路110とを含む。超音波素子アレイ100は、各超音波素子列において複数の超音波素子が第1の方向に沿って配置される第1〜第n(nは2以上の整数)の超音波素子列UEC1〜UECnと、第1の方向D1に沿って配線される第1〜第nの信号線DL1〜DLnと、第1の方向D1に交差する第2の方向D2に沿って配線される第1〜第m(mは2以上の整数)のコモン電極線CL1〜CLmとを有する。第1〜第nの超音波素子列UEC1〜UECnは、第2の方向D2に沿って配置される。可変容量回路110は、第1〜第mのコモン電極線CL1〜CLmに共通接続され、当該超音波装置の動作状態に応じた容量値に設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、超音波装置、超音波プローブ、電子機器、診断装置及び処理装置等に関する。
対象物に向けて超音波を照射し、対象物内部における音響インピーダンスの異なる界面からの反射波を受信するための装置として、例えば人体の内部を検査するための超音波診断装置が知られている。超音波診断装置に用いられる超音波装置(超音波プローブ)として、特許文献1には圧電素子をマトリックスアレイ状に配列し、行・列毎に配線を設けることで行方向及び列方向にビームを走査する手法が開示されている。しかしながらこの手法では、アレイ正面に出射する場合にコモン電極線の電位が変動して超音波強度が小さくなるという問題がある。
特開2006−61252号公報
本発明の幾つかの態様によれば、位相走査時の超音波強度の変化を低減することができる超音波装置、超音波プローブ、電子機器、診断装置及び処理装置等を提供できる。
本発明の一態様は、超音波素子アレイと、可変容量回路とを含み、前記超音波素子アレイは、各超音波素子列において複数の超音波素子が第1の方向に沿って配置される第1の超音波素子列〜第n(nは2以上の整数)の超音波素子列と、前記第1の方向に沿って配線される第1の信号線〜第nの信号線と、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って配線される第1のコモン電極線〜第m(mは2以上の整数)のコモン電極線とを有し、前記第1の超音波素子列〜前記第nの超音波素子列は、前記第2の方向に沿って配置され、前記第1の超音波素子列〜前記第nの超音波素子列のうちの、第j(jは1≦j≦nである整数)の超音波素子列を構成する前記複数の超音波素子がそれぞれ有する第1の電極は、前記第1の信号線〜前記第nの信号線のうちの第jの信号線に接続され、前記第jの超音波素子列を構成する前記複数の超音波素子がそれぞれ有する第2の電極は、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線のうちのいずれかに接続され、前記可変容量回路は、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線に共通接続され、前記可変容量回路の容量値は、当該超音波装置の動作状態に応じた容量値に設定される超音波装置に関係する。
本発明の一態様によれば、第1〜第mのコモン電極線に容量を付加し、さらにその容量値を動作状態に応じて変化させることができるから、第1〜第mのコモン電極線の電位の変動を低減することができる。その結果、放射される超音波の強度の低下を抑えることができるから、動作状態に関わらず超音波強度を一定にすることなどが可能になる。
また本発明の一態様では、前記第1の超音波素子列〜前記第nの超音波素子列の前記各超音波素子列は、前記複数の超音波素子として、前記第1の方向に沿って配置される第1の超音波素子〜第mの超音波素子を有し、前記第1の超音波素子〜前記第mの超音波素子のうちの第i(iは1≦i≦mである整数)の超音波素子が有する前記第2の電極は、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線のうちの第iのコモン電極線に接続されてもよい。
このようにすれば、例えば超音波素子をm行n列のマトリックス状に配置し、第i行の各超音波素子が有する第2の電極を第iのコモン電極線に接続することができる。
また本発明の一態様では、超音波出力の位相走査時において、前記第1の信号線〜前記第nの信号線に対して、同位相の第1の駆動信号〜第nの駆動信号が入力される第1の動作状態では、前記可変容量回路の容量値が第1の容量値に設定され、前記第1の信号線〜前記第nの信号線に対して、互いに異なる位相の前記第1の駆動信号〜前記第nの駆動信号が入力される第2の動作状態では、前記可変容量回路の容量値が前記第1の容量値より小さい第2の容量値に設定されてもよい。
このようにすれば、同位相の駆動信号が入力される第1の動作状態では大きな容量値に設定され、互いに異なる位相の駆動信号が入力される第2の動作状態では小さな容量値に設定される。こうすることで、コモン電極線の電圧変動が大きくなる第1の状態において、放射される超音波の強度の低下を抑えることができる。
また本発明の一態様では、前記第1の信号線〜前記第nの信号線に対して、前記第1の駆動信号〜前記第nの駆動信号が第1の期間〜第nの期間において入力され、前記第1の期間〜前記第nの期間の重なり度合に応じて、前記可変容量回路の前記第2の容量値が設定されてもよい。
このようにすれば、第1〜第nの期間の重なり度合に応じて容量値が設定されるから、位相走査時のビーム方向による超音波強度の変化を抑制することができる。
また本発明の一態様では、前記第1の期間〜前記第nの期間の前記重なり度合が大きいほど、前記可変容量回路の前記第2の容量値が大きな値に設定されてもよい。
このようにすれば、第1〜第nの期間の重なり度合が大きい場合、即ちコモン電極線の電圧変動が大きくなる場合に容量値を大きな値に設定することができるから、位相走査時のビーム方向による超音波強度の変化を低減することができる。
また本発明の一態様では、前記可変容量回路は、超音波を放射する送信期間には、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線と電気的に接続され、超音波エコー信号を受信する受信期間には、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線と電気的に非接続となってもよい。
このようにすれば、受信期間には可変容量回路の容量をコモン電極線から電気的に切り離すことができるから、エコー信号を受信する際の受信感度の低減などを防止することができる。
また本発明の一態様では、前記可変容量回路は、圧電素子により構成される容量素子を有してもよい。
このようにすれば、容量素子を超音波素子と同一の製造プロセスにより形成することができるから、超音波素子アレイと同一の基板上に形成することができる。
本発明の他の態様は、上記いずれかに記載の超音波装置を含む超音波プローブに関係する。
本発明の他の態様は、上記いずれかに記載の超音波装置を含む電子機器に関係する。
また、本発明の他の態様では、前記可変容量回路の容量値を前記超音波装置の動作状態に応じた容量値に設定する制御部を含んでもよい。
このようにすれば、制御部により、可変容量回路の容量値を超音波装置の動作状態に応じた容量値に設定することができるから、位相走査時のビーム方向による超音波強度の変化を低減することなどが可能になる。
本発明の他の態様は、上記いずれかに記載の超音波装置を含む診断装置に関係する。
本発明の他の態様は、超音波素子アレイを有する超音波装置の処理装置であって、前記超音波素子アレイの送受信処理を行う送受信部と、可変容量回路と、前記送受信部の制御及び前記可変容量回路の容量値を設定する制御を行う制御部とを含み、前記超音波素子アレイは、各超音波素子列において複数の超音波素子が第1の方向に沿って配置される第1の超音波素子列〜第n(nは2以上の整数)の超音波素子列と、前記第1の方向に沿って配線される第1の信号線〜第nの信号線と、前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って配線される第1のコモン電極線〜第m(mは2以上の整数)のコモン電極線とを有し、前記第1の超音波素子列〜前記第nの超音波素子列は、前記第2の方向に沿って配置され、前記第1の超音波素子列〜前記第nの超音波素子列のうちの、第j(jは1≦j≦nである整数)の超音波素子列を構成する前記複数の超音波素子がそれぞれ有する第1の電極は、前記第1の信号線〜前記第nの信号線のうちの第jの信号線に接続され、前記第jの超音波素子列を構成する前記複数の超音波素子がそれぞれ有する第2の電極は、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線のうちのいずれかに接続され、前記可変容量回路は、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線に共通接続され、前記制御部は、前記可変容量回路の容量値を、前記超音波装置の動作状態に応じた容量値に設定する処理装置に関係する。
本発明の他の態様によれば、超音波素子アレイのコモン電極線に接続された可変容量回路の容量値を、超音波装置の動作状態に応じた容量値に設定することができるから、位相走査時のビーム方向による超音波強度の変化を低減することなどが可能になる。
図1(A)、図1(B)は、超音波素子の基本的な構成例。 超音波装置の構成例。 超音波装置における位相走査を説明する図。 図4(A)、図4(B)、図4(C)は、位相走査時におけるコモン電極線の電位の変化を説明する図。 図5(A)、図5(B)は、駆動信号波形及びコモン電極線の電圧変動の一例。 図6(A)、図6(B)は、駆動信号波形及びコモン電極線の電圧変動の一例。 図7(A)は、コモン電極線の電位の安定化を説明する図。図7(B)は、可変容量回路の第1の構成例。図7(C)は、可変容量回路の第2の構成例。 図8(A)、図8(B)は、可変容量回路を設けた場合の駆動信号波形及びコモン電極線の電圧変動の一例。 図9(A)、図9(B)は、可変容量回路を設けた場合の駆動信号波形及びコモン電極線の電圧変動の一例。 可変容量回路の第2の構成例による容量設定の一例。 プローブヘッド、超音波プローブ及び電子機器の基本的な構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.超音波素子
図1(A)、図1(B)に、本実施形態の超音波装置に含まれる超音波素子UEの基本的な構成例を示す。本実施形態の超音波素子UEは、第1電極層EL1、圧電体層PE、第2電極層EL2、メンブレン(支持部材)MB、空洞領域(空洞部)CAVを含む。なお、本実施形態の超音波素子UEは図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図1(A)は、基板(シリコン基板)SUBに形成された超音波素子UEの、素子形成面側の基板に垂直な方向から見た平面図である。図1(B)は、図1(A)のA−A’に沿った断面を示す断面図である。
第1電極層EL1は、メンブレンMBの上層に例えば金属薄膜で形成される。この第1電極層EL1は、図1(A)に示すように素子形成領域の外側へ延長され、隣接する超音波素子UEに接続される配線であってもよい。
圧電体層PEは、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)薄膜により形成され、第1電極層EL1の少なくとも一部を覆うように設けられる。なお、圧電体層PEの材料は、PZTに限定されるものではなく、例えばチタン酸鉛(PbTiO)、ジルコン酸鉛(PbZrO)、チタン酸鉛ランタン((Pb、La)TiO)などを用いてもよい。
第2電極層EL2は、例えば金属薄膜で形成され、圧電体層PEの少なくとも一部を覆うように設けられる。この第2電極層EL2は、図1(A)に示すように素子形成領域の外側へ延長され、隣接する超音波素子UEに接続される配線であってもよい。
メンブレンMBは、例えばSiO薄膜とZrO薄膜との2層構造により空洞領域CAVの上層に設けられる。このメンブレンMBは、圧電体層PE及び第1、第2電極層EL1、EL2を支持すると共に、圧電体層PEの伸縮に従って振動し、超音波を発生させることができる。
空洞領域CAVは、シリコン基板SUBの裏面(素子が形成されない面)側から反応性イオンエッチング(RIE)等によりエッチングすることで形成される。この空洞領域CAVの開口部OPより超音波が放射される。
超音波素子UEの第1の電極は、第1電極層EL1により形成され、第2の電極は、第2電極層EL2により形成される。具体的には、第1電極層EL1のうちの圧電体層PEに覆われた部分が第1の電極を形成し、第2電極層EL2のうちの圧電体層PEを覆う部分が第2の電極を形成する。即ち、圧電体層PEは、第1の電極と第2の電極に挟まれて設けられる。
圧電体層PEは、第1の電極と第2の電極との間、即ち第1電極層EL1と第2電極層EL2との間に電圧が印加されることで、面内方向に伸縮する。圧電体層PEの一方の面は第1電極層EL1を介してメンブレンMBに接合されているが、他方の面には第2電極層EL2が形成されるものの、第2電極層EL2上には他の層が形成されない。そのため圧電体層PEのメンブレンMB側が伸縮しにくく、第2電極層EL2側が伸縮し易くなる。従って、圧電体層PEに電圧を印加すると、空洞領域CAV側に凸となる撓みが生じ、メンブレンMBを撓ませる。圧電体層PEに交流電圧を印加することで、メンブレンMBが膜厚方向に対して振動し、このメンブレンMBの振動により超音波が開口部OPから放射される。圧電体層PEに印加される電圧は、例えば10〜30Vであり、周波数は例えば1〜10MHzである。
2.超音波装置
図2に、本実施形態の超音波装置200の構成例を示す。本構成例の超音波装置200は、超音波素子アレイ100及び可変容量回路110を含む。超音波素子アレイ100は、第1の超音波素子列〜第n(nは2以上の整数)の超音波素子列UEC1〜UECn、第1〜第n(nは2以上の整数)の信号線DL1〜DLn、第1〜第m(mは2以上の整数)のコモン電極線CL1〜CLmを含む。図2では、例としてm=8、n=12の場合を示すが、これ以外の値であってもよい。なお、本実施形態の超音波装置200は図2の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
第1〜第nの超音波素子列UEC1〜UECnは、第1の方向D1に沿って配置される複数の超音波素子UEをそれぞれ有する。具体的には、各超音波素子列UECは、複数の超音波素子が第1の方向D1に沿って配置される第1の超音波素子〜第mの超音波素子を有する。また、第1〜第nの超音波素子列UEC1〜UECnは、第1の方向D1に交差する第2の方向D2に沿って配置される。例えば、図2では、第1〜第12の超音波素子列UEC1〜UEC12が、第2の方向D2に沿って配置される。
超音波素子UEは、例えば図1(A)、図2(B)に示した構成とすることができる。以下の説明において、超音波素子UEのアレイ内での位置を特定する場合には、例えば第4行第6列に位置する超音波素子をUE46と表記する。例えば第6の超音波素子列UEC6は、UE16、UE26、・・・UE76、UE86の8個の超音波素子を含む。
第1〜第8(広義には第m)のコモン電極線CL1〜CL8は、超音波素子アレイ100において第2の方向D2に沿って配線される。第jの超音波素子列UECjを構成する複数の超音波素子がそれぞれ有する第2の電極は、第1〜第mのコモン電極線CL1〜CLmのうちのいずれかに接続される。具体的には、例えば図2に示すように、第1〜第8のコモン電極線CL1〜CL8のうちの第i(iは1≦i≦8である整数)のコモン電極線CLiは、各超音波素子列UECの第iの超音波素子UEが有する第2の電極に接続される。
第1〜第8のコモン電極線CL1〜CL8には、コモン電圧VCOMが供給される。このコモン電圧は一定の直流電圧であればよく、0V即ちグランド電位(接地電位)でなくてもよい。
第1〜第8(広義には第m)のコモン電極線CL1〜CL8は、可変容量回路110に共通接続される。
第1〜第12(広義には第n)の信号線DL1〜DL12は、超音波素子アレイ100において第1の方向D1に沿って配線される。第1〜第12の信号線DL1〜DL12のうちの第j(jは1≦j≦12である整数)の信号線DLjは、超音波素子アレイ100の第j列に配置される超音波素子UEがそれぞれ有する第1の電極に接続される。
具体的には、例えば図2に示す超音波素子UE11については、第1の電極が信号線DL1に接続され、第2の電極が第1のコモン電極線CL1に接続される。また、例えば図2に示す超音波素子UE46については、第1の電極が第6の信号線DL6に接続され、第2の電極が第4のコモン電極線CL4に接続される。
超音波素子UEの配置は、図2に示すm行n列のマトリックス配置に限定されない。例えば奇数番目の超音波素子列にm個の超音波素子が配置され、偶数番目の超音波素子列にm−1個の超音波素子が配置される、いわゆる千鳥配置であってもよい。
超音波を放射する送信期間には、超音波素子UEを駆動する第1〜第12の駆動信号VDR1〜VDR12が信号線DL1〜DL12を介して各超音波素子に入力される。また、超音波エコー信号を受信する受信期間には、超音波素子UEからの受信信号が信号線DL1〜DL12を介して出力される。
駆動信号電圧とコモン電圧との差の電圧が各超音波素子UEに印加され、所定の周波数の超音波が放射される。例えば、図2の超音波素子UE11には、信号線DL1に供給される駆動信号電圧VDR1とコモン電極線CL1に供給されるコモン電圧VCOMとの差VDR1−VCOMが印加される。同様に、超音波素子UE46には、信号線DL6に供給される駆動信号電圧VDR6とコモン電極線CL4に供給されるコモン電圧VCOMとの差VDR6−VCOMが印加される。
可変容量回路110は、超音波装置200の動作状態に応じて容量値(キャパシタンス値)が可変に設定される。即ち、可変容量回路110の容量値は、制御部(図示せず)の制御に基づいて、超音波装置200の動作状態に応じた容量値に設定される。具体的には、超音波出力の位相走査時において、第1〜第12(広義には第n)の信号線DL1〜DL12に対して、同位相の第1〜第12(広義には第n)の駆動信号VDR1〜VDR12が入力される第1の動作状態では、可変容量回路110の容量値が第1の容量値に設定される。また、第1〜第12の信号線DL1〜DL12に対して、互いに異なる位相の第1〜第12の駆動信号VDR1〜VDR12が入力される第2の動作状態では、可変容量回路110の容量値が第1の容量値より小さい第2の容量値に設定される。なお、位相走査については、後で詳細に説明する。
また具体的には、超音波出力の位相走査時において、第1〜第12の信号線DL1〜DL12に対して、第1〜第12の駆動信号VDR1〜VDR12が第1〜第12の期間において入力される。そして、第1〜第12の期間の重なり度合に応じて第2の容量値が設定される。より具体的には、第1〜第12の期間の重なり度合が大きいほど、第2の容量値が大きな値に設定される。
ここで第1〜第12の期間の重なりとは、2つ以上の期間の少なくとも一部が時間的に重複することをいう。そして重複する期間の数が多いほど重なり度合が大きい。例えば第1の期間の一部と第2の期間の一部が重複する場合は重なり度合は2であり、第1、第2、第3の期間のそれぞれの一部が重複する場合は重なり度合が3である。或いは、重なり度合は、1本のコモン電極線に接続される12個の超音波素子のうちの同時に駆動される超音波素子の個数と考えてもよい。例えば第1の期間の一部と第2の期間の一部が重複する場合は、その重複する期間において同時に駆動される超音波素子は2個であり、第1、第2、第3の期間のそれぞれの一部が重複する場合は、その重複する期間において同時に駆動される超音波素子は3個である。
可変容量回路110の一端は、第1〜第8のコモン電極線CL1〜CL8に接続され、他端には所定の電圧VAが印加される。この所定の電圧VAは、直流電圧であればよく、コモン電圧VCOMでなくてもよい。
可変容量回路110は、圧電素子(超音波素子)により構成される容量素子(キャパシター)を有してもよい。こうすることで、容量素子を超音波素子アレイ100と同一の基板上に形成することができる。さらに、基板(シリコン基板)上にCMOSトランジスターなどを形成することで、スイッチ素子と容量素子とを含む可変容量回路110を超音波素子アレイ100と同一基板上に設けることができる。
なお、可変容量回路110の一部を超音波装置200ではなく、後述する接続部210(図11)又はプローブ本体230(図11)に設けてもよい。
後述するように、可変容量回路110を設けることで、位相走査(ビームステアリング)時におけるコモン電極線CL1〜CL8の電位の変化を抑制することができる。その結果、位相走査時のビーム方向による超音波出力(超音波強度)の変化を抑制することができる。
第1〜第12の駆動信号VDR1〜VDR12の位相が一致している場合には、各超音波素子からそれぞれ放射される超音波が合成されて、超音波素子アレイ100に垂直な方向(アレイ面の法線方向)に放射される超音波が形成される。一方、駆動信号VDR1〜VDR12が互いに位相差をもつ場合には、合成された超音波は位相差に応じてアレイ面の法線方向からずれた方向に放射される。この現象を利用すれば、各駆動信号の位相差を変化させることで超音波の放射方向を変化させることができる。各駆動信号の位相差を制御することで、超音波の放射方向(ビーム方向)を走査することを「位相走査」又は「ビームステアリング」と呼ぶ。
図3は、本実施形態の超音波装置200における位相走査を説明する図である。簡単にするために、図3では4個の超音波素子UE1〜UE4について説明する。UE1〜UE4は、等間隔dで配置されている。そして供給される駆動信号VDR1〜VDR4の位相はVDR1が最も早く、VDR2、VDR3、VDR4の順に所定の位相差だけ遅くなる。即ち、駆動信号VDR1〜VDR4は、VDR1、VDR2、VDR3、VDR4の順に所定の時間差Δtを伴って供給される。
図3には、各超音波素子UE1〜UE4から放射された超音波の或る時刻における波面W1〜W4を示す。各超音波素子から放射された超音波は合成されて、合成された超音波の波面WTを形成する。この波面WTの法線方向DTが合成された超音波の放射方向(ビーム方向)となる。ビーム方向DTとアレイ面の法線方向との成す角度θsは、
sinθs=c×Δt/d (1)
で与えられる。ここでcは音速、Δtは駆動信号の時間差、dは素子間隔である。
このように位相走査、即ち各超音波素子に供給する駆動信号の位相差(時間差)を変化させることで、ビーム方向を変化させることができる。具体的には、例えば図2に示す構成例では、信号線DL1〜DL12に供給する駆動信号VDR1〜VDR12の位相差(時間差)を変化させることで、ビーム方向を第2の方向D2に沿って走査(スキャン)させることができる。即ち、第2の方向D2は位相走査のスキャン方向であり、第1の方向D1はスライス方向である。
図4(A)、図4(B)、図4(C)は、位相走査時におけるコモン電極線CL1〜CL8の電位の変化を説明する図である。簡単にするために、第i行の6個の超音波素子UE、信号線DL1〜DL6及び第iのコモン電極線CLiについて説明する。
図4(A)には、超音波素子UE及びコモン電極線CLiの等価回路を示す。超音波素子UEは、電気的には容量素子(キャパシター)CEとみなすことができる。コモン電極線CLiは配線抵抗RCOMを有するから、各超音波素子UEには抵抗素子RCOMを介してコモン電圧VCOMが印加される。コモン電極線CLiは、超音波素子UEが持つ容量CEを介して信号線DL1〜DL6に接続されるから、信号線DL1〜DL6に入力される駆動信号VDR1〜VDR6によって、コモン電極線CLiの電位が変化する。
図4(B)には、正面出射、即ち超音波のビーム方向がアレイ面の法線方向である場合(第1の動作状態)の駆動信号VDR1〜VDR6の波形の一例を示す。正面出射時には、同位相の駆動信号が同一タイミングで入力されるから、6個の超音波素子が同時に駆動される。即ち、駆動信号VDR1〜VDR6が第1〜第6の期間T1〜T6において入力され、第1〜第6の期間T1〜T6の重なり度合は6である。
図4(C)には、超音波のビーム方向がアレイ面の法線方向からずれた方向である場合(第2の動作状態)の駆動信号VDR1〜VDR6の波形の一例を示す。この場合には、駆動信号は互いに位相差(時間差)を伴って入力される。期間TB1、TB3では同時に駆動される超音波素子は1個であるが、期間TB2では同時に駆動される超音波素子は2個である。即ち、駆動信号VDR1〜VDR6が第1〜第6の期間T1〜T6において入力され、期間TB1、TB3では重なり度合は1であり、期間TB2では重なり度合は2である。
このように、図4(B)に示す正面出射の場合では、1本のコモン電極線に接続される全ての超音波素子が同時に駆動されるから、コモン電極線の電位変化(電圧変動)は大きくなる。一方、図4(C)に示すビームを傾けた場合では、同時に駆動される超音波素子の個数は少なくなるから、コモン電極線の電位変化(電圧変動)は図4(B)の場合より小さくなる。上記の説明では、1本のコモン電極線について説明したが、コモン電極線が複数ある場合でも同様である。
図5(A)、図5(B)、図6(A)、図6(B)に、回路シミュレーションによる駆動信号波形及びコモン電極線の電圧変動の一例を示す。具体的には、駆動信号波形は図4(A)のVDR3の波形であり、コモン電極線の電圧はVDR3が入力される超音波素子のコモン電極ノード(図4(A)のN3)の電圧V(N3)である。
図5(A)には第1のステアリング角(ビーム方向とアレイ面の法線方向とが成す角)θ1の場合を示し、図5(B)には第2のステアリング角θ2(<θ1)の場合を示し、図6(A)には正面出射(ステアリング角が0)の場合を示す。
図5(A)、図5(B)、図6(A)から分かるように、ステアリング角が小さいほどコモン電極線の電圧変動は大きくなる。これは上述したように、ステアリング角が小さいほど同時に駆動される超音波素子の個数が多くなり、反対にステアリング角が大きいほど同時に駆動される超音波素子の個数が少なくなるからである。
図6(B)には、超音波素子に印加される電圧(実効電圧)VDR3−V(N3)を示す。ステアリング角がθ1の場合には、A1に示すように最も実効電圧の振幅が大きくなる。そしてステアリング角θ2(<θ1)の場合には、A2に示すように実効電圧の振幅がθ1の場合よりも小さくなり、正面出射の場合にはA3に示すように実効電圧の振幅が最も小さくなる。このように、ステアリング角が小さくなるほど実効電圧の振幅は小さくなり、反対にステアリング角が大きくなるほど実効電圧の振幅は大きくなる。
実効電圧の振幅がステアリング角によって変化すると、放射される超音波の強度がステアリング角によって変化してしまう。例えば超音波診断装置などで位相走査する場合に、ビーム方向によって放射される超音波強度が変化するためにエコー信号の強度も方向により変化する。その結果、正確なエコー画像を得ることが難しいなどの問題が生じる。
本実施形態の超音波装置200は、この問題を解決する手段を提供するものである。本実施形態の超音波装置200によれば、コモン電極線に可変容量回路110を接続することで、位相走査を行う場合に放射される超音波の強度の変化を低減する、或いは強度をほぼ一定にすることができる。
図7(A)は、本実施形態の超音波装置200によるコモン電極線の電位の安定化を説明する図である。図7(A)には、簡単にするために、第i行の6個の超音波素子UE、信号線DL1〜DL6及び第iのコモン電極線CLiを示すが、コモン電極線が複数有る場合でも同様である。
可変容量回路110の一端は、コモン電極線CLiに接続され、他端には所定の電圧VAが印加される。この所定の電圧VAは、直流電圧であればよく、コモン電圧VCOMでなくてもよい。この可変容量回路110の容量値(キャパシタンス値)CAを、コモン電極線CLiと信号線DL1〜DL6との間の結合容量(図7(A)では6×CE)より十分大きくすることで、コモン電極線CLiの電位変動を抑制することができる。
上述したように、ステアリング角によって同時に駆動される超音波素子の個数が異なる。駆動されない超音波素子はコモン電極線CLiの電位に影響を与えないから、同時に駆動される超音波素子の個数をk個とした場合に、可変容量回路110の容量値CAをk×CEより十分大きくすればよい。即ち、正面出射(ステアリング角が0)の場合に容量値CAを最大に設定し、ステアリング角が大きくなるほど容量値CAを小さく設定することができる。
このようにすれば、可変容量回路110の容量CAを、電位安定化に必要な容量値を超えて過剰に大きな値に設定することを避けることができる。その結果、容量CAを充放電するための過渡的な電流を低減することができるから、可変容量回路110を付加することによる消費電力の増大を抑えることができる。
図7(B)に、本実施形態の可変容量回路110の第1の構成例を示す。第1の構成例の可変容量回路110は、可変容量CA及びスイッチ素子SWを含む。なお、本実施形態の可変容量回路110は図7(B)の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
スイッチ素子SWは、可変容量CAと直列に設けられ、送信期間にはオン状態に設定され、受信期間にはオフ状態に設定される。このようにすれば、可変容量回路110は、送信期間にはコモン電極線に電気的に接続され、受信期間にはコモン電極線に電気的に非接続となる。こうすることで、受信期間には可変容量CAをコモン電極線から電気的に切り離すことができるから、エコー信号を受信する際の受信感度の低減などを防止することができる。スイッチ素子SWは、制御部(図示せず)の制御に基づいてオン状態又はオフ状態に設定される。
図7(C)に、本実施形態の可変容量回路110の第2の構成例を示す。第2の構成例の可変容量回路110は、第1〜第5の容量素子(キャパシター)CA1〜CA5及び第1〜第5のスイッチ素子SW1〜SW5を含む。なお、本実施形態の可変容量回路110は図7(C)の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
第1〜第5の容量素子CA1〜CA5は、例えば圧電素子により構成することができる。こうすることで、容量素子CA1〜CA5を超音波素子UEと同一の製造プロセスにより形成することができるから、超音波素子アレイ100と同一の基板上に形成することができる。
第1〜第5のスイッチ素子SW1〜SW5は、第1〜第5の容量素子CA1〜CA5に直列に設けられ、同時に駆動される超音波素子の個数(広義には超音波装置の動作状態)に応じてオン状態又はオフ状態に設定される。こうすることで、同時に駆動される超音波素子の個数に応じて容量値を可変に設定することができる。スイッチ素子SW1〜SW5は、制御部(図示せず)の制御に基づいてオン状態又はオフ状態に設定される。第2の構成例の可変容量回路110による容量値の設定の詳細については、後述する
図7(B)、図7(C)のスイッチ素子SW、SW1〜SW5は、例えばCMOSトランジスターにより実現することができる。CMOSプロセスに超音波素子(圧電素子)を形成するプロセスを組み込むことで、超音波素子アレイ100と可変容量回路110とを同一基板上に形成することもできる。
なお、スイッチ素子SW、SW1〜SW5は、図示していない制御部によりオン・オフ制御される。この制御部は、後述する超音波プローブに設けてもよいし、本体装置に設けてもよい。
図8(A)、図8(B)、図9(A)、図9(B)に、本実施形態の可変容量回路110を設けた場合の、回路シミュレーションによる駆動信号波形及びコモン電極線の電圧変動の一例を示す。具体的には、駆動信号波形は図7(A)のVDR3の波形であり、コモン電極線の電圧はVDR3が入力される超音波素子のコモン電極ノード(図7(A)のN3)の電圧V(N3)である。
図8(A)には、図5(A)と同じ第1のステアリング角θ1で、コモン電極線に容量CAを付加しない場合を示す。図8(B)には、図5(B)と同じ第2のステアリング角θ2(<θ1)で、コモン電極線に容量CAを付加した場合を示す。図9(A)には正面出射(ステアリング角が0)の場合で、コモン電極線にさらに大きな容量値のCAを付加した場合を示す。図8(B)、図9(A)から分かるように、コモン電極線に容量CAを付加することでコモン電極線の電位が安定になる。
図9(B)には、超音波素子に印加される電圧(実効電圧)VDR3−V(N3)を示す。コモン電極線に容量CAを付加することで、ステアリング角に関わらず実効電圧の振幅がほとんど一定になることが分かる(図9(B)のB1、B2、B3)。
図10には、本実施形態の可変容量回路110の第2の構成例(図7(C))による容量設定の一例を示す。ここでは簡単にするために、図7(A)に示すような6本の信号線DL1〜DL6に駆動信号VDR1〜VDR6が入力される場合を説明する。また、図7(C)の容量素子CA1〜CA5は、同一の容量値であるとする。
図10には、第1〜第4の送信期間TC1〜TC4における、駆動信号VDR1〜VDR6の波形、同時に駆動される超音波素子の個数(重なり度合)及びコモン電極線に接続される容量素子数を示す。
第1の送信期間TC1は、正面出射の場合(第1の動作状態)であって、同時に駆動される超音波素子の個数(重なり度合)は6である。この場合は図7(C)のスイッチ素子SW1〜SW5を全てオン状態に設定し、こうすることで容量素子CA1〜CA5の全てがコモン電極線に接続される。即ち、コモン電極線に接続される容量素子数を5に設定することができる。
第2、第3、第4の送信期間TC2、TC3、TC4は、互いに異なる位相の駆動信号が入力される場合(第2の動作状態)であって、ステアリング角がそれぞれφ2、φ3、φ4(φ2<φ3<φ4)の場合である。
第2の送信期間TC2では、同時に駆動される超音波素子数(重なり度合)は期間の初めには1であり、次に2になり、その後3、4、3、2、1と変化する。これに対応してスイッチ素子SW1〜SW5を個別にオン・オフすることで、コモン電極線に接続される容量素子数を0、1、2、3、2、1、0と可変に設定することができる。
第3の送信期間TC3では、同時に駆動される超音波素子数(重なり度合)は期間の初めには1であり、次に2になり、そして1になる。これに対応してスイッチ素子SW1〜SW5を個別にオン・オフすることで、コモン電極線に接続される容量素子数を0、1、0と可変に設定することができる。
第4の送信期間TC4では、ステアリング角がさらに大きくなり、同時に駆動される超音波素子数(重なり度合)は1である。これに対応してスイッチ素子SW1〜SW5を全てオフ状態に設定することで、コモン電極線に接続される容量素子数を0に設定することができる。
このように本実施形態の超音波装置によれば、同時に駆動される超音波素子数(重なり度合)に応じてコモン電極線に接続される容量の容量値を可変に設定することができる。そして重なり度合が大きいほど容量値が大きな値に設定される。こうすることで、コモン電極線の電位変動を低減することができるから、位相走査時のビーム方向による超音波強度の変化を抑制することができる。その結果、ビーム方向に関わらず超音波強度を一定にすることができるから、例えば超音波診断装置などで精度の高いエコー画像を得ることなどが可能になる。
3.超音波プローブ、電子機器、診断装置及び処理装置
図11に、本実施形態の超音波装置200を含む超音波プローブ300、電子機器(診断装置)400及び処理装置の基本的な構成例を示す。超音波プローブ300は、プローブヘッド220及びプローブ本体230を含む。プローブヘッド220は、超音波装置200及び接続部210を含む。プローブ本体230は、送受信部と制御部(超音波プローブ側制御部)CNTLとを含む。
また、処理装置は、超音波素子アレイ100の送受信処理を行う送受信部と、可変容量回路110と、送受信部の制御及び可変容量回路110の容量値を設定する制御を行う制御部(超音波プローブ側制御部)CNTLとを含む。なお、処理装置が行う制御の一部は、制御部(本体装置側制御部)310により実現されてもよい。
プローブヘッド220は、接続部210を介して脱着可能であり、診断対象に合わせて交換することができる。接続部210は、超音波装置200とプローブ本体230とを電気的に接続するためのものであって、例えばフレキシブル基板とコネクターなどで構成することができる。
送受信部は、超音波素子アレイ100の送受信処理を行い、マルチプレクサーMUX、駆動信号発生器HV_P、送受信切換スイッチT/R_SW及びアナログフロントエンドAFEを含む。
マルチプレクサーMUXは、駆動信号及び受信信号のチャネル切換を行う。例えば駆動信号発生器HV_P、送受信切換スイッチT/R_SW及びアナログフロントエンドAFEが8チャネル分の信号に対応する構成である場合には、マルチプレクサーMUXがこの8チャネル分の信号を超音波素子アレイ100の信号線DL1〜DLnに分配する。
駆動信号発生器HV_Pは、制御部(超音波プローブ側制御部)CNTLの制御に基づいて、超音波素子UEを駆動するための駆動信号VDR1〜VDRnを生成する。
送受信切換スイッチT/R_SWは、送信時及び受信時の信号の切換を行う。受信時にはマルチプレクサーMUXとアナログフロントエンドAFEとを電気的に接続して、プローブヘッド220からの受信信号をアナログフロントエンドAFEに出力する。送信時には、マルチプレクサーMUXとアナログフロントエンドAFEとを電気的に非接続にして、駆動信号がアナログフロントエンドAFEに入力することを防止する。
アナログフロントエンドAFEは、受信信号の増幅、ゲイン設定、周波数設定、A/D変換(アナログ/デジタル変換)などを行い、検出データ(検出情報)として処理部320に出力する。アナログフロントエンドAFEは、例えば低雑音増幅器、電圧制御アッテネーター、プログラマブルゲインアンプ、ローパスフィルター、A/Dコンバーターなどで構成することができる。
制御部(超音波プローブ側制御部)CNTLは、送受信部の制御を行う。具体的には、駆動信号発生器HV_Pに対して駆動信号の位相、周波数の制御を行い、アナログフロントエンドAFEに対して受信信号の周波数設定の制御を行う。また、制御部CNTLは、可変容量回路110の容量値を設定する制御を行う。具体的には、可変容量回路110のスイッチ素子をオン・オフして、容量値の設定制御を行う。制御部CNTLは、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)で実現することができる。
なお、送受信部の制御及び可変容量回路110の容量値を設定する制御は、制御部(超音波プローブ側制御部)CNTLが行ってもよいし、或いは制御部(本体装置側制御部)310が行ってもよい。
電子機器400は、例えば超音波診断装置であって、超音波プローブ300、本体装置410を含む。本体装置410は、制御部(本体装置側制御部)310、処理部320、UI(ユーザーインターフェース)部330、表示部340を含む。
制御部(本体装置側制御部)310は、超音波プローブ300に対して超音波の送受信制御を行い、処理部320に対して検出データの画像処理等の制御を行う。処理部320は、アナログフロントエンドAFEからの検出データを受けて、必要な画像処理や表示用画像データの生成などを行う。UI(ユーザーインターフェース)部330は、ユーザーの行う操作(例えばタッチパネル操作など)に基づいて制御部(本体装置側制御部)310に必要な命令(コマンド)を出力する。表示部340は、例えば液晶ディスプレイ等であって、処理部320からの表示用画像データを表示する。
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また超音波装置、超音波プローブ、電子機器、診断装置及び処理装置の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
100 超音波素子アレイ、110 可変容量回路、200 超音波装置、
210 接続部、220 プローブヘッド、230 プローブ本体、
300 超音波プローブ、310 制御部(本体装置側制御部)、320 処理部、
330 UI部、340 表示部、400 電子機器、410 本体装置、
UE 超音波素子、UEC1〜12 超音波素子列、DL1〜DL12 信号線、
CL1〜CL8 コモン電極線、VDR1〜VDR12 駆動信号、
VCOM コモン電圧

Claims (12)

  1. 超音波素子アレイと、
    可変容量回路とを含み、
    前記超音波素子アレイは、
    各超音波素子列において複数の超音波素子が第1の方向に沿って配置される第1の超音波素子列〜第n(nは2以上の整数)の超音波素子列と、
    前記第1の方向に沿って配線される第1の信号線〜第nの信号線と、
    前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って配線される第1のコモン電極線〜第m(mは2以上の整数)のコモン電極線とを有し、
    前記第1の超音波素子列〜前記第nの超音波素子列は、前記第2の方向に沿って配置され、
    前記第1の超音波素子列〜前記第nの超音波素子列のうちの、第j(jは1≦j≦nである整数)の超音波素子列を構成する前記複数の超音波素子がそれぞれ有する第1の電極は、前記第1の信号線〜前記第nの信号線のうちの第jの信号線に接続され、
    前記第jの超音波素子列を構成する前記複数の超音波素子がそれぞれ有する第2の電極は、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線のうちのいずれかに接続され、
    前記可変容量回路は、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線に共通接続され、
    前記可変容量回路の容量値は、当該超音波装置の動作状態に応じた容量値に設定されることを特徴とする超音波装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1の超音波素子列〜前記第nの超音波素子列の前記各超音波素子列は、
    前記複数の超音波素子として、
    前記第1の方向に沿って配置される第1の超音波素子〜第mの超音波素子を有し、
    前記第1の超音波素子〜前記第mの超音波素子のうちの第i(iは1≦i≦mである整数)の超音波素子が有する前記第2の電極は、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線のうちの第iのコモン電極線に接続されることを特徴とする超音波装置。
  3. 請求項1又は2において、
    超音波出力の位相走査時において、
    前記第1の信号線〜前記第nの信号線に対して、同位相の第1の駆動信号〜第nの駆動信号が入力される第1の動作状態では、前記可変容量回路の容量値が第1の容量値に設定され、
    前記第1の信号線〜前記第nの信号線に対して、互いに異なる位相の前記第1の駆動信号〜前記第nの駆動信号が入力される第2の動作状態では、前記可変容量回路の容量値が前記第1の容量値より小さい第2の容量値に設定されることを特徴とする超音波装置。
  4. 請求項3において、
    前記第1の信号線〜前記第nの信号線に対して、前記第1の駆動信号〜前記第nの駆動信号が第1の期間〜第nの期間において入力され、前記第1の期間〜前記第nの期間の重なり度合に応じて、前記可変容量回路の前記第2の容量値が設定されることを特徴とする超音波装置。
  5. 請求項4において、
    前記第1の期間〜前記第nの期間の前記重なり度合が大きいほど、前記可変容量回路の前記第2の容量値が大きな値に設定されることを特徴とする超音波装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記可変容量回路は、
    超音波を放射する送信期間には、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線と電気的に接続され、
    超音波エコー信号を受信する受信期間には、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線と電気的に非接続となることを特徴とする超音波装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記可変容量回路は、
    圧電素子により構成される容量素子を有することを特徴とする超音波装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の超音波装置を含むことを特徴とする超音波プローブ。
  9. 請求項1乃至7のいずれかに記載の超音波装置を含むことを特徴とする電子機器。
  10. 請求項9において、
    前記可変容量回路の容量値を前記超音波装置の動作状態に応じた容量値に設定する制御部を含むことを特徴とする電子機器。
  11. 請求項1乃至7のいずれかに記載の超音波装置を含むことを特徴とする診断装置。
  12. 超音波素子アレイを有する超音波装置の処理装置であって、
    前記超音波素子アレイの送受信処理を行う送受信部と、
    可変容量回路と、
    前記送受信部の制御及び前記可変容量回路の容量値を設定する制御を行う制御部とを含み、
    前記超音波素子アレイは、
    各超音波素子列において複数の超音波素子が第1の方向に沿って配置される第1の超音波素子列〜第n(nは2以上の整数)の超音波素子列と、
    前記第1の方向に沿って配線される第1の信号線〜第nの信号線と、
    前記第1の方向に交差する第2の方向に沿って配線される第1のコモン電極線〜第m(mは2以上の整数)のコモン電極線とを有し、
    前記第1の超音波素子列〜前記第nの超音波素子列は、前記第2の方向に沿って配置され、
    前記第1の超音波素子列〜前記第nの超音波素子列のうちの、第j(jは1≦j≦nである整数)の超音波素子列を構成する前記複数の超音波素子がそれぞれ有する第1の電極は、前記第1の信号線〜前記第nの信号線のうちの第jの信号線に接続され、
    前記第jの超音波素子列を構成する前記複数の超音波素子がそれぞれ有する第2の電極は、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線のうちのいずれかに接続され、
    前記可変容量回路は、前記第1のコモン電極線〜前記第mのコモン電極線に共通接続され、
    前記制御部は、前記可変容量回路の容量値を、前記超音波装置の動作状態に応じた容量値に設定することを特徴とする処理装置。
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