JP2013207501A - 通信システム、通信装置および通信システムの動作方法 - Google Patents

通信システム、通信装置および通信システムの動作方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電力線通信をゼロクロス付近において行う場合において、信頼性の高い通信を実現することが可能な技術を提供する。
【解決手段】通信システムは、第1通信装置と、第1通信装置との間で、電力線を介した電力線通信を行う第2通信装置とを備え、第1通信装置は、誤り検出符号を付加した初期パケット信号KSを、ゼロクロスタイミングZC1(ZC2,ZC3)を含むゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングT1〜T3を変更して送信する。第2通信装置は、各初期パケット信号KSについての誤り検出の結果に基づいて、ゼロクロス期間内の複数の送信タイミングT1〜T3の中から、最適な通信タイミングを特定し、当該最適な通信タイミングに関するタイミング情報を含むACK信号を送信する。そして、第1通信装置は、タイミング情報に基づいて特定される、ゼロクロス期間内の最適な通信タイミングで、データパケット信号を送信する。
【選択図】図5

Description

本発明は、通信技術に関する。
近年、電気機器に電力を供給する電力線を利用した電力線通信(Power Line Communication:PLC)が実用化されている。電力線通信では、商用電源周波数よりも高い周波数の通信信号を商用電力に重畳させて通信が行われる。
しかし、当該電力線通信は、家庭内の電気機器が接続された電力線を伝送路とする通信方式であるため、電気機器のノイズ(「家電ノイズ」とも称する)の影響を受けて通信品質が悪化する場合がある。
この家電ノイズによる影響は、商用の交流電圧波形の振幅が最大となるピーク付近で大きくなるため、これを避けるために、交流電圧波形の振幅がゼロになる、いわゆるゼロクロス付近で電力線通信を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
ゼロクロス付近で通信を行う場合、商用の交流電圧波形の振幅がゼロになるゼロクロスタイミングを検出し、検出したゼロクロスタイミングに基づいて伝送信号の通信タイミングが決定されることになる。
特開2009−284159号公報
しかし、ゼロクロスタイミングでは、スイッチング電源等から生じた位相ノイズと呼ばれる周期的な位相変更がゼロクロスタイミング付近で発生する可能性があり、このような位相変更が伝送信号の送信期間において発生した場合、受信側では、伝送信号を復調できなくなる。
また、電力線には、ゼロクロスタイミングと同期した周期的なパルスノイズが存在する可能性があり、ゼロクロス付近で通信を行うと、当該パルスノイズの影響を受ける虞がある。
このようにゼロクロス付近で通信を行う場合でも、ノイズの影響を受けて通信品質が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、電力線通信をゼロクロス付近において行う場合において、信頼性の高い通信を実現することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明に係る通信システムの第1の態様は、第1通信装置と、前記第1通信装置との間で、電力線を伝送路とした電力線通信を行う第2通信装置とを備え、前記第1通信装置は、商用電源における一定間隔おきのゼロクロスタイミングを検出する検出手段と、誤り検出符号を付加した初期信号を、ゼロクロスタイミングを含むゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して送信する送信手段とを有し、前記第2通信装置は、ゼロクロス期間ごとに受信した各初期信号についての誤り検出を、各初期信号に付加された誤り検出符号に基づいてそれぞれ行う誤り検出手段と、前記各初期信号についての誤り検出の結果に基づいて、ゼロクロス期間内の複数の送信タイミングの中から、最適な通信タイミングを特定する特定手段と、前記最適な通信タイミングに関するタイミング情報を含む応答信号を送信する送信手段とを有し、前記第1通信装置は、前記応答信号を受信する受信手段をさらに有し、前記第1通信装置の送信手段は、前記タイミング情報に基づいて特定される、ゼロクロス期間内の前記最適な通信タイミングで、実データを含む伝送信号を送信する。
また、本発明に係る通信システムの第2の態様は、上記第1の態様であって、ゼロクロス期間内の前記複数の送信タイミングの前記ゼロクロスタイミングに対する各ずれ幅は、商用電源の周波数に基づいて設定される。
また、本発明に係る通信システムの第3の態様は、上記第1の態様または上記第2の態様であって、前記第2通信装置の前記特定手段は、前記各初期信号についての誤り検出の結果に基づいて、通信状態をも特定し、前記第2通信装置の前記送信手段は、前記通信状態に関する通信状態情報をも含む応答信号を送信し、前記第1通信装置の前記受信手段は、当該応答信号を受信し、前記第1通信装置の前記送信手段は、伝送信号をゼロクロス期間ごとに送信し、前記第1通信装置の前記送信手段は、ゼロクロス期間ごとの伝送信号の送信回数が、前記通信状態情報に基づいて特定される回数分に達した場合、伝送信号の送信を中断して、前記初期信号をゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して再送する。
また、本発明に係る通信システムの第4の態様は、上記第1の態様または上記第2の態様であって、前記第1通信装置の前記送信手段は、誤り検出符号を付加した、実データを含む伝送信号をゼロクロス期間ごとに送信し、前記第2通信装置の前記誤り検出手段は、ゼロクロス期間ごとに受信した各伝送信号についての誤り検出をそれぞれ行い、前記第2通信装置の前記送信手段は、前記各伝送信号についての誤り検出の結果に基づいて、前記初期信号の再送指示を含む信号を送信し、前記第1通信装置の前記送信手段は、前記初期信号の再送指示を含む信号が受信された場合、前記伝送信号の送信を中断して、前記初期信号をゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して再送する。
また、本発明に係る通信装置の第1の態様は、受信側の通信装置との間で、電力線を伝送路とした電力線通信を行う送信側の通信装置であって、商用電源における一定間隔おきのゼロクロスタイミングを検出する検出手段と、誤り検出符号を付加した初期信号を、ゼロクロスタイミングを含むゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して送信する送信手段とを備え、前記受信側の通信装置は、ゼロクロス期間ごとに受信した各初期信号についての誤り検出を、各初期信号に付加された誤り検出符号に基づいてそれぞれ行う誤り検出手段と、前記各初期信号についての誤り検出の結果に基づいて、ゼロクロス期間内の複数の送信タイミングの中から、最適な通信タイミングを特定する特定手段と、前記最適な通信タイミングに関するタイミング情報を含む応答信号を送信する送信手段とを有し、前記送信側の通信装置は、前記応答信号を受信する受信手段をさらに備え、前記送信側の通信装置の送信手段は、前記タイミング情報に基づいて特定される、ゼロクロス期間内の前記最適な通信タイミングで、実データを含む伝送信号を送信する。
また、本発明に係る通信装置の第2の態様は、送信側の通信装置との間で、電力線を伝送路とした電力線通信を行う受信側の通信装置であって、前記送信側の通信装置は、商用電源における一定間隔おきのゼロクロスタイミングを検出する検出手段と、誤り検出符号を付加した初期信号を、ゼロクロスタイミングを含むゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して送信する送信手段とを有し、前記受信側の通信装置は、ゼロクロス期間ごとに受信した各初期信号についての誤り検出を、各初期信号に付加された誤り検出符号に基づいてそれぞれ行う誤り検出手段と、前記各初期信号についての誤り検出の結果に基づいて、ゼロクロス期間内の複数の送信タイミングの中から、最適な通信タイミングを特定する特定手段と、前記最適な通信タイミングに関するタイミング情報を含む応答信号を送信する送信手段とを備える。
また、本発明に係る通信システムの動作方法は、第1通信装置と、前記第1通信装置との間で、電力線を伝送路とした電力線通信を行う第2通信装置とを含む通信システムの動作方法であって、a)前記第1通信装置において、商用電源における一定間隔おきのゼロクロスタイミングを検出する工程と、b)前記第1通信装置において、誤り検出符号を付加した初期信号を、ゼロクロスタイミングを含むゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して送信する工程と、c)前記第2通信装置において、ゼロクロス期間ごとに受信した各初期信号についての誤り検出を、各初期信号に付加された誤り検出符号に基づいてそれぞれ行う工程と、d)前記第2通信装置において、前記各初期信号についての誤り検出の結果に基づいて、前記ゼロクロス期間内の複数の送信タイミングの中から、最適な通信タイミングを特定する工程と、e)前記第2通信装置において、前記最適な通信タイミングを示すタイミング情報を含む応答信号を送信する工程と、f)前記第1通信装置において、前記応答信号に含まれる前記タイミング情報に基づいて特定される、ゼロクロス期間内の前記最適な通信タイミングで、実データを含む伝送信号を送信する工程とを備える。
本発明によれば、電力線通信をゼロクロス付近において行う場合において、信頼性の高い通信を実現することが可能になる。
本実施形態に係る通信システムの構成図である。 第1通信装置および第2通信装置の機能構成を示すブロック図である。 パケットの構成を示す図である。 通信システムにおける通信態様の概要を示す図である。 通信の初期段階に送信される初期パケット信号の送信態様を示す図である。 通信システムの全体動作を示す図である。 通信システムの動作を示すフローチャートである。 変形例に係る通信システムの動作を示すフローチャートである。
以下、実施形態について図面を参照して説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一または相応する要素を示すものとする。
<1.実施形態>
[1−1.通信システムの構成]
図1は、本実施形態に係る通信システム1の構成図である。
図1に示されるように、通信システム1は、第1通信装置10と第2通信装置20とを有している。通信システム1における第1通信装置10および第2通信装置20はそれぞれ、電力線30に接続されている。そして、第1通信装置10および第2通信装置20は、電力線30を伝送路とした電力線通信(PLC:Power Line Communication)によって、互いに通信可能に構成されている。
また、通信装置10,20間の電力線通信は、周波数軸上で互いに直交する複数のサブキャリアを合成して得られるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を用いて行われる。そして、当該OFDM信号は、一定の時間単位で区切ってパケット単位で伝送される。
なお、以下では、第1通信装置10は主として送信装置として機能し、第2通信装置20は主として受信装置として機能する場合を例示するが、第1通信装置10および第2通信装置20とも同様の通信機能を有していてもよい。
以下では、通信システム1を構成する第1通信装置10および第2通信装置20それぞれの構成について、この順序で説明する。図2は、第1通信装置10および第2通信装置20の機能構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、第1通信装置(送信装置)10は、結合部101、ゼロクロス検出部102、送信処理部103、受信処理部104、同期処理部105、および通信制御部106を備えている。
結合部101は、電力線30に接続され、送信処理部103から入力されるOFDM信号を、電力線通信を行うための通信信号(PLC信号)に変換し、当該PLC信号を伝送信号(送信信号)として電力線30に出力する機能を有している。また、結合部101は、電力線30からPLC信号を取り出し、当該PLC信号を受信信号として受信処理部104に出力する機能を有している。
ゼロクロス検出部(検出手段)102は、商用の交流電圧波形の振幅がゼロになるタイミング(「ゼロクロスタイミング」とも称する)を検出し、当該ゼロクロスタイミングに同期した検出信号を出力する。なお、隣接するゼロクロスタイミング間の間隔は一定間隔であり、「ゼロクロス間隔」とも称される。
送信処理部103は、誤り検出符号付加部131と変調部132とパケット構成部133とを有し、通信制御部106から伝送対象のデータ(「伝送データ」とも称する)を取得し、当該伝送データを変調して、伝送データを含むOFDM信号を生成する。
具体的には、誤り検出符号付加部131は、通信制御部106から入力される伝送データに、チェックサム (Check Sum)またはCRC(Cyclic Redundancy Check)符号(巡回冗長検査符号)等の誤り検出符号を付加して、付加後のデータを変調部132に出力する。
変調部132は、誤り検出符号付加後の伝送データに一次変調および逆高速フーリエ変換を施して、OFDM信号を生成する。生成されたOFDM信号は、パケット構成部133に出力される。
パケット構成部133は、変調部132から出力されるOFDM信号にプリアンブル信号を付加して、パケット単位の信号(「パケット信号」とも称する)を生成する。
ここで、パケット構成部133で生成される、パケット(パケット信号)の構成について説明する。図3は、パケットの構成を示す図である。
図3に示されるように、パケット50は、プリアンブル(Preamble)51と、プリアンブル51に続くPHY(物理層)ヘッダー52と、PHYヘッダー52に続くPHYペイロード53とで構成されている。
プリアンブル51は、受信側において送信側から送られてくるパケット信号の検出処理、シンボルタイミング同期等の各種同期処理に用いられる。
PHYヘッダー52は、後続して送信される伝送データの伝送速度、データ長等のヘッダー情報を含んでいる。
PHYペイロード53は、伝送対象の伝送データを含んでいる。
パケット構成部133は、プリアンブル51と、PHYヘッダー52と、PHYペイロード53とで構成されたパケット信号を生成し、当該パケット信号を結合部101に出力する。
図2の第1通信装置10の説明に戻って、受信処理部104は、結合部101から入力される受信信号を復調して、受信データを生成する機能を有している。受信処理部104で生成された受信データは、通信制御部106に出力される。
同期処理部105は、通信制御部106と協働して、周波数同期、およびシンボルタイミング同期(シンボル同期)等の各種同期処理を行う。
通信制御部106は、第1通信装置10における通信動作を制御する。
具体的には、通信制御部106は、伝送データを生成して、当該伝送データを送信処理部103の誤り検出符号付加部131へ出力する。また、通信制御部106は、伝送信号を第1通信装置10の外部に出力するタイミング(「送信タイミング」または「通信タイミング」とも称する)を制御する。
より詳細には、通信制御部106は、ゼロクロス検出部102からの検出信号に基づいてゼロクロスタイミングを特定し、当該ゼロクロスタイミングを含む特定期間(「ゼロクロス期間」とも称する)において、伝送信号を出力するように結合部101を制御する。このように、通信制御部106は、結合部101と協働して送信手段として機能する。
次に、第2通信装置20(受信装置)の構成について詳述する。第2通信装置20は、第1通信装置10と同様の構成を有しているため、ここでは、受信装置としての特徴部分(受信処理部204の構成)をより詳細に説明する。
図2に示されるように、第2通信装置20は、結合部201、ゼロクロス検出部202、送信処理部203、受信処理部204、同期処理部205、および通信制御部206を備えている。
結合部201は、上述の結合部101と同様の機能を有している。すなわち、結合部201は、電力線30に接続され、送信処理部203から入力されるOFDM信号をPLC信号に変換し、当該PLC信号を電力線30に出力する機能を有している。また、結合部201は、電力線30からPLC信号を取り出し、当該PLC信号を受信信号として受信処理部204に出力する機能を有している。
ゼロクロス検出部202は、商用の交流電圧波形の振幅がゼロになるゼロクロスタイミングを検出し、検出したゼロクロスタイミングに同期して検出信号を出力する。
送信処理部203は、上述の送信処理部103と同様、通信制御部206から伝送データを取得し、当該伝送データを変調して、伝送データを含むOFDM信号を生成する。
受信処理部(受信処理手段)204は、FFT部240と伝送路推定部241と等化処理部242と復調部243と誤り検出部244とを有し、結合部201から入力される受信信号を復調して、受信データを生成する機能を有している。
具体的には、FFT部240は、受信信号に高速フーリエ変換を施して、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する、いわゆるマルチキャリア復調処理を実行する。FFT部240から出力されるマルチキャリア復調処理後の受信信号は、伝送路推定部241および等化処理部242に入力される。
伝送路推定部241は、受信信号に含まれるパイロット信号を用いて、パイロット信号を伝送したサブキャリアの伝送路特性(パイロット信号の伝送路特性)を算出する。そして、伝送路推定部241は、パイロット信号の伝送路特性を用いて補間処理を実行することによって、パイロット信号以外の他の信号を伝送したサブキャリアの伝送路特性を推定する。このような伝送路推定処理によって得られたパイロット信号以外の他の信号の伝送路特性(「推定伝送路特性」とも称する)は、等化処理部242に出力される。
等化処理部242は、受信信号を、当該受信信号に対応する推定伝送路特性で除算する等化処理を行う。等化処理部242から出力される等化処理後の受信信号は、復調部243に出力される。
復調部243は、等化処理後の受信信号にデマッピング処理等のサブキャリア復調処理を施し、復調された受信データを誤り検出部244および通信制御部206に出力する。
誤り検出部244は、受信データに付加されている誤り検出符号に基づいて、受信データの誤り検出を行う。誤り検出の結果は、通信制御部206に出力される。
同期処理部(同期処理手段)205は、通信制御部206と協働して、キャリア周波数の誤差を調整する周波数同期、および第2通信装置20に到来したOFDM信号を検出して、OFDMシンボルとマルチキャリア復調処理とのタイミングの同期をとるシンボルタイミング同期等の各種同期処理を行い、同期情報を取得する。
通信制御部206は、第2通信装置20における通信動作を制御する。具体的には、通信制御部206は、受信処理部204で復調された受信データを取得する。
また、通信制御部206は、誤り検出の結果に基づいて、ゼロクロス期間内の最適な通信タイミングを決定する通信タイミング決定手段としての機能も有している。そして、通信制御部206は、最適な通信タイミングに関する情報を含むACK(Acknowledgement)信号を生成して、送信処理部203に出力する。
[1−2.通信システムの通信態様]
次に、上述のような構成を有する通信装置10,20間で行われる電力線通信の通信態様について説明する。図4は、通信システム1における通信態様の概要を示す図である。図5は、通信の初期段階に送信される初期パケット信号KSの送信態様を示す図である。図6は、通信システム1の全体動作を示す図である。
通信装置10,20間で行われる電力線通信は、電力線30に接続された電気機器によって生じる家電ノイズの影響を避けるため、特定の期間において行われる。
具体的には、図4に示されるように、家電ノイズKNの影響は、商用の交流電圧波形の振幅がピークとなるピーク付近で大きくなるため、通信装置10,20間で行われる電力線通信は、交流電圧波形の振幅がゼロになる、いわゆるゼロクロス付近ZRのゼロクロス期間で行われる。
このように、通信システム1では、家電ノイズの影響を避けるために、商用の交流電圧波形の振幅がゼロになるゼロクロス点を含むゼロクロス期間において電力線通信を行うように構成されている。
そして、図5に示されるように、第1通信装置10は、通信を確立する前の初期段階(トレーニング段階)では、通信を確立するための初期パケット信号(初期信号)KSを、順次に訪れるゼロクロス期間それぞれにおいて送信する。
ここで、各ゼロクロス期間で送信される各初期パケット信号KSの送信タイミングについて詳述する。図5には、トレーニング段階で送信される3つの初期パケット信号KS1〜KS3が示されている。
これら3つの初期パケット信号KS1〜KS3のうち、最初の初期パケット信号KS1のゼロクロス期間内の送信タイミングT1は、他の初期パケット信号KS2,KS3のゼロクロス期間内の送信タイミングT2,T3よりも遅いタイミングとなっている。また、2番目の初期パケット信号KS2のゼロクロス期間内の送信タイミングT2は、最初の初期パケット信号KS1のゼロクロス期間内の送信タイミングT1よりも早いタイミングであって、3番目の初期パケット信号KS3のゼロクロス期間内の送信タイミングT3よりも遅いタイミングとなっている。また、3番目の初期パケット信号KS3のゼロクロス期間内の送信タイミングT3は、他の初期パケット信号KS1,KS2のゼロクロス期間内の送信タイミングT1,T2よりも早いタイミングとなっている。
このように、各初期パケット信号KS1〜KS3は、各ゼロクロス期間において、ゼロクロス期間内の異なるタイミングT1〜T3で送信される。なお、各初期パケット信号KS1〜KS3についての各ゼロクロス期間内の送信タイミングのずれは、各ゼロクロス期間のゼロクロスタイミングZC1〜ZC3を基準にして考えると、容易に把握することができる。
各送信タイミングのゼロクロスタイミングZC1〜ZC3に対するずれ幅(ずらし幅)は、商用電源の周波数に応じて異なる値に設定され、当該ずれ幅は、ゼロクロス間隔の1/11〜1/13に設定されることが好ましい。ずれ幅が大きすぎるとゼロクロス期間を逸脱したタイミングで信号を送信することになって家電ノイズの影響を受け易くなり、ずれ幅が小さすぎるといずれの初期パケット信号KS1〜KS3も位相ノイズ或いはパルスノイズの影響を受けてしまう可能性が高くなるためである。なお、周波数50Hzの商用電源では、ゼロクロス間隔は10msとなり、周波数60Hzの商用電源では、ゼロクロス間隔は8.3msとなる。
一方、第2通信装置20は、受信される複数の初期パケット信号KSに基づいて、ゼロクロス期間内の最適な送信タイミングを決定し、当該最適な送信タイミングに関する通信情報を含むACK信号RSを第1通信装置10に対して送信する(図6参照)。
第1通信装置10は、第2通信装置20から送信されたACK信号を受信した後のデータ送信段階では、ACK信号に含まれる通信情報に基づいて最適な送信タイミングを特定し、当該送信タイミングで、伝送データとしての実データ(伝送実データ)を含んだデータパケット信号DSを送信する。
[1−3.通信システムの動作]
次に、通信システム1の動作について詳述する。図7は、通信システム1の動作を示すフローチャートである。なお、図7では、左側に送信装置としての第1通信装置10の動作、右側に受信装置としての第2通信装置20の動作がそれぞれ記載されているが、以下では、時系列に沿って通信システム1の動作を説明する。
図7に示されるように、まず、ステップSP11では、送信装置としての第1通信装置10のゼロクロス検出部102によって、ゼロクロスタイミングの検出が行われる。
次のステップSP12では、第1通信装置10の通信制御部106の制御に基づいて、第1通信装置10から、初期パケット信号KS1〜KS3がゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して順次に送信される。これにより、初期パケット信号KS1〜KS3が送信される各ゼロクロス期間を総合すると、各初期パケット信号KS1〜KS3は、ゼロクロス期間内の複数の送信タイミングで送信されることになる。
そして、ステップSP13では、受信装置としての第2通信装置20において、初期パケット信号KSが順次に受信される。初期パケット信号KSが受信されると、動作工程は、ステップSP14へと移行される。
ステップSP14では、第2通信装置20の受信処理部204によって、各初期パケット信号KSに対して復調処理がそれぞれ施され、復調処理後のデータに対して、誤り検出符号に基づいた誤り検出がさらに行われる。なお、ここでの復調処理は、マルチキャリア復調処理およびサブキャリア復調処理を含んでいる。
このような誤り検出は、各ゼロクロス期間で送信されてくる、初期パケット信号KS1〜KS3それぞれに対して実行され、各誤り検出の結果は、通信制御部206に出力される。
次のステップSP15では、通信制御部206によって、各初期パケット信号KS1〜KS3それぞれに関する誤り検出結果に基づいて、ゼロクロス期間内の複数の送信タイミングの中から、最適な通信タイミングが決定される。最適な通信タイミングの決定は、図6に示されるような品質評価テーブルBLを参照して行われる。なお、ここでは、最適な通信タイミングに加えて、通信状態を示す通信品質のランク(品質ランク)をも決定する態様を例示する。
例えば、受信した各初期パケット信号KS1〜KS3の誤り検出結果がいずれも良好だった場合、品質ランクは、最上位のAランクに決定され、最適な通信タイミングは、2番目の初期パケット信号KS2のゼロクロス期間内の送信タイミングT2に決定される。
また、各初期パケット信号KS1〜KS3の誤り検出結果のうち、3番目の初期パケット信号KS3の誤り検出結果が不良だった場合、品質ランクは、上位のBランクに決定され、最適な通信タイミングは、2番目の初期パケット信号KS2のゼロクロス期間内の送信タイミングT2に決定される。
また、各初期パケット信号KS1〜KS3の誤り検出結果のうち、2番目および3番目の初期パケット信号KS2,KS3の誤り検出結果が不良だった場合、品質ランクは、中位のCランクに決定され、最適な通信タイミングは、1番目の初期パケット信号KS1のゼロクロス期間内の送信タイミングT1に決定される。
また、各初期パケット信号KS1〜KS3の誤り検出結果がいずれも不良だった場合、品質ランクは、最下位のDランクに決定され、最適な通信タイミングは、未決定とされる。
そして、ステップSP16では、最適な通信タイミングが決定されたか否かが通信制御部106によって判定され、最適な通信タイミングが決定された場合は、動作工程は、ステップSP17に移行される。
ステップSP17では、最適な通信タイミングに関するタイミング情報および品質ランクに関する通信状態情報を含むACK信号RSが生成され、当該ACK信号RSが第1通信装置10に対して送信される。なお、タイミング情報および通信状態情報は、総称して通信情報と称される。
一方、ステップSP16において、最適な通信タイミングが決定されていないと判定された場合は、ACK信号RSの送信を行うことなく、動作工程は、ステップSP13に戻される。すなわち、最適な通信タイミングが決定されなかった場合は、第2通信装置20は、第1通信装置10による初期パケット信号KSの再送を待つことになる。
ステップSP18では、第1通信装置10において、初期パケット信号KSを受信したことを示すACK信号RSを受信したか否かが判定される。ACK信号RSが受信された場合、動作工程は、ステップSP19に移行される。一方、所定時間経過後もACK信号RSが受信されない場合、動作工程は、ステップSP11に移行され、初期パケット信号KSが再送されることになる。
ステップSP19では、通信制御部106によって、ACK信号RSに含まれるタイミング情報に基づいて、ゼロクロス期間内の最適な通信タイミングが特定され、当該最適な通信タイミングで実データを含むデータパケット信号DSが送信される。例えば、タイミング情報に基づいて特定される最適な通信タイミングがタイミングT2であった場合、データパケット信号DSは、ゼロクロス期間内のタイミングT2で送信されることになる。
ステップSP20では、ゼロクロス期間ごとのデータパケット信号DSの送信回数が、ACK信号RSに含まれる、品質ランクに関する通信状態情報に基づいて特定される通信回数分に達したか否かが通信制御部106によって判定される。データパケット信号DSの送信が、品質ランクに基づく通信回数分行われた場合、データパケット信号DSの送信を中断して、動作工程は、ステップSP11に移行され、初期パケット信号KSが再送されることになる。すなわち、通信動作がトレーニング段階から再度実行されることになる。なお、品質ランクに基づく通信回数は、例えば、Aランクでは10回、Bランクでは5回、Cランクでは2回という具合に、ランクごとに予め定められている。
このように、通信品質に応じてデータ送信段階からトレーニング段階に戻ることによれば、通信状態の悪化を早期に回避できるので、通信の信頼性を向上させることができる。
一方、ステップSP20において、品質ランクに基づく通信回数分の送信が未実行と判定された場合、動作工程は、ステップSP21に移行される。
ステップSP21では、データパケット信号DSの送信が終了したか否かが判定される。データパケット信号DSの送信が終了していない場合、動作工程はステップSP19に移行され、データパケット信号DSが引き続き送信されることになる。
一方、ステップSP21において、データパケット信号DSの送信が終了したと判定された場合、通信システム1の通信動作が終了する。
このように、通信システム1では、送信側の第1通信装置10から、初期パケット信号KS1〜KS3が、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更しつつ、ゼロクロス期間ごとに順次に出力される。受信側の第2通信装置20は、各初期パケット信号KS1〜KS3の誤り検出の結果に基づいて、ゼロクロス期間内の複数の送信タイミングの中から、最適な通信タイミングを決定する。そして、最適な通信タイミングに関する情報は、ACK信号RSを用いて、送信側の第1通信装置10へと送信され、第1通信装置10は、ゼロクロス期間内の当該最適な通信タイミングでデータパケット信号DSの送信を行う。
以上のように、通信システム1は、第1通信装置10と、当該第1通信装置10との間で、電力線30を伝送路とした電力線通信を行う第2通信装置20とを備え、第1通信装置10は、商用電源における一定間隔おきのゼロクロスタイミングを検出するゼロクロス検出部102と、誤り検出符号を付加した初期パケット信号KSを、ゼロクロスタイミングを含むゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して送信する送信手段とを有している。
そして、第2通信装置20は、ゼロクロス期間ごとに受信した各初期パケット信号KSについての誤り検出を、各初期パケット信号KSに付加された誤り検出符号に基づいてそれぞれ行う誤り検出部244と、各初期パケット信号KSについての誤り検出の結果に基づいて、ゼロクロス期間内の複数の送信タイミングの中から、最適な通信タイミングを特定する特定手段と、最適な通信タイミングに関するタイミング情報を含むACK信号RSを送信する送信手段とを有している。またさらに、第1通信装置10は、ACK信号RSを受信する受信手段を有し、第1通信装置10の送信手段は、タイミング情報に基づいて特定される、ゼロクロス期間内の最適な通信タイミングで実データを含むデータパケット信号DSを送信する。
このように、通信システム1の第2通信装置20は、ゼロクロス期間内の複数のタイミングで初期パケット信号KSを受信し、当該複数のタイミングの中から、最適な通信タイミングを特定する。そして、第1通信装置10は、第2通信装置20から伝えられたゼロクロス期間内の最適な通信タイミングでデータパケット信号DSを送信する。
これによれば、ゼロクロス期間内の複数のタイミングのうち、最適な通信タイミングでデータパケット信号DSを送信することができるので、位相ノイズまたはパルスノイズの影響を回避して、データパケット信号DSを送信できる可能性が高くなる。よって、当該通信システム1では、信頼性の高い電力線通信を実現することが可能になる。
<2.変形例>
以上、通信システム1の実施形態について説明したが、この発明は、上記に説明した内容に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、受信側の第2通信装置20において、データパケット信号DSの通信タイミングを決定していたが、これに限定されない。
具体的には、第2通信装置20は、初期パケット信号KSの誤り検出結果を第1通信装置10に送信し、第1通信装置10が誤り検出結果に基づいてデータパケット信号DSの通信タイミングを決定するようにしてもよい。
具体的には、第2通信装置20は、初期パケット信号KSの誤り検出結果をACK信号RSに付加して第1通信装置10に送信する。第1通信装置10は、品質評価テーブルBLを参照して、ACK信号RSに付加された誤り検出結果に基づいてデータパケット信号DSの通信タイミングを決定する。
また、上記実施形態では、データ送信段階からトレーニング段階に戻る条件に、通信の品質ランクを利用していたが、これに限定されない。
具体的には、データパケット信号DSに対して誤り検出を行い、データパケット信号DSの誤り検出結果をデータ送信段階からトレーニング段階に戻る条件に利用してもよい。図8は、変形例に係る通信システム1の動作を示すフローチャートである。
図8に示されるように、受信側の第2通信装置20は、ステップSP21においてデータパケット信号DSを受信した後、ステップSP31において、データパケット信号DSに対して誤り検出を行う。
そして、次のステップSP32では、第2通信装置20は、誤りが所定回(例えば2回)連続して検出されたか否かを判定する。連続して受信したデータパケット信号DSにおいて、連続して誤りが検出されなかった場合、動作工程は、ステップSP21に移行され、次のデータパケット信号DSの受信待ちとなる。
一方、連続して受信したデータパケット信号DSそれぞれにおいて、連続して誤りが検出された場合、動作工程は、ステップSP33に移行される。
ステップSP33では、第2通信装置20は、トレーニング段階へ移行させるためのトレーニング実行指示、換言すれば初期パケット信号KSを再送させるための再送指示を第1通信装置10に対して送信する。なお、トレーニング実行指示は、例えば、ACK信号に含めて送信する態様であってもよい。
トレーニング実行指示を受信した第1通信装置10では、データパケット信号DSの送信を中断して、動作工程が、ステップSP11に移行され、通信動作がトレーニング段階から再度実行されることになる。
このように、データ送信段階からトレーニング段階に戻る条件に、データパケット信号DSの誤り検出結果を利用してもよい。
また、データ送信段階からトレーニング段階に戻る条件に、時間情報を用いてもよい。この場合、送信側の第1通信装置10は、データパケット信号DSの送信開始から計時を開始し、所定時間経過後にトレーニング段階に戻って初期パケット信号KSの送信を再度行うことになる。
また、データ送信段階からトレーニング段階に戻る条件に、通信制御部106からの指令を用いてもよい。この場合、上位層としての通信制御部106から発行されるトレーニング実行指令に応じて、データ送信段階からトレーニング段階に戻って初期パケット信号KSの送信を再度行うことになる。
また、データ送信段階からトレーニング段階に戻る条件に、NAC(Negative-Acknowledgement)信号の受信を利用してもよい。
具体的には、データパケット信号DSを受信できなかった場合、或いは復調処理によってデータパケット信号DSから実データを得られなかった場合等、実データを取得できなかった場合、第2通信装置20は、実データを取得できなかったことを示す否定応答信号(NAC信号)RSnを送信する態様としてもよい。この場合、当該NAC信号RSnを受信した第1通信装置10は、トレーニング段階から通信動作を再開する。
また、上記実施形態では、ゼロクロス期間内の互いに異なる3回のタイミングT1〜T3で初期パケット信号KSを送信していたが、これに限定されない。具体的には、ゼロクロス期間内の初期パケット信号KSの送信タイミングは、互いに異なる4回、5回等の他の回数であってもよい。
1 通信システム
10 第1通信装置
20 第2通信装置
102,202 ゼロクロス検出部
103,203 送信処理部
104,204 受信処理部
106,206 通信制御部
131 誤り検出符号付加部
132 変調部
133 パケット構成部
203 送信処理部
241 伝送路推定部
243 復調部
244 誤り検出部
30 電力線
50 パケット
BL 品質評価テーブル
DS データパケット信号
KN 家電ノイズ
KS,KS1〜KS3 初期パケット信号
T1〜T3 送信タイミング
ZC1〜ZC3 ゼロクロスタイミング
ZR ゼロクロス付近

Claims (7)

  1. 第1通信装置と、
    前記第1通信装置との間で、電力線を伝送路とした電力線通信を行う第2通信装置と、
    を備え、
    前記第1通信装置は、
    商用電源における一定間隔おきのゼロクロスタイミングを検出する検出手段と、
    誤り検出符号を付加した初期信号を、ゼロクロスタイミングを含むゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して送信する送信手段と、
    を有し、
    前記第2通信装置は、
    ゼロクロス期間ごとに受信した各初期信号についての誤り検出を、各初期信号に付加された誤り検出符号に基づいてそれぞれ行う誤り検出手段と、
    前記各初期信号についての誤り検出の結果に基づいて、ゼロクロス期間内の複数の送信タイミングの中から、最適な通信タイミングを特定する特定手段と、
    前記最適な通信タイミングに関するタイミング情報を含む応答信号を送信する送信手段と、
    を有し、
    前記第1通信装置は、
    前記応答信号を受信する受信手段をさらに有し、
    前記第1通信装置の送信手段は、
    前記タイミング情報に基づいて特定される、ゼロクロス期間内の前記最適な通信タイミングで、実データを含む伝送信号を送信する通信システム。
  2. ゼロクロス期間内の前記複数の送信タイミングの前記ゼロクロスタイミングに対する各ずれ幅は、商用電源の周波数に基づいて設定される請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記第2通信装置の前記特定手段は、前記各初期信号についての誤り検出の結果に基づいて、通信状態をも特定し、
    前記第2通信装置の前記送信手段は、前記通信状態に関する通信状態情報をも含む応答信号を送信し、
    前記第1通信装置の前記受信手段は、当該応答信号を受信し、
    前記第1通信装置の前記送信手段は、伝送信号をゼロクロス期間ごとに送信し、
    前記第1通信装置の前記送信手段は、
    ゼロクロス期間ごとの伝送信号の送信回数が、前記通信状態情報に基づいて特定される回数分に達した場合、伝送信号の送信を中断して、前記初期信号をゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して再送する請求項1または請求項2に記載の通信システム。
  4. 前記第1通信装置の前記送信手段は、誤り検出符号を付加した、実データを含む伝送信号をゼロクロス期間ごとに送信し、
    前記第2通信装置の前記誤り検出手段は、ゼロクロス期間ごとに受信した各伝送信号についての誤り検出をそれぞれ行い、
    前記第2通信装置の前記送信手段は、前記各伝送信号についての誤り検出の結果に基づいて、前記初期信号の再送指示を含む信号を送信し、
    前記第1通信装置の前記送信手段は、
    前記初期信号の再送指示を含む信号が受信された場合、前記伝送信号の送信を中断して、前記初期信号をゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して再送する請求項1または請求項2に記載の通信システム。
  5. 受信側の通信装置との間で、電力線を伝送路とした電力線通信を行う送信側の通信装置であって、
    商用電源における一定間隔おきのゼロクロスタイミングを検出する検出手段と、
    誤り検出符号を付加した初期信号を、ゼロクロスタイミングを含むゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して送信する送信手段と、
    を備え、
    前記受信側の通信装置は、
    ゼロクロス期間ごとに受信した各初期信号についての誤り検出を、各初期信号に付加された誤り検出符号に基づいてそれぞれ行う誤り検出手段と、
    前記各初期信号についての誤り検出の結果に基づいて、ゼロクロス期間内の複数の送信タイミングの中から、最適な通信タイミングを特定する特定手段と、
    前記最適な通信タイミングに関するタイミング情報を含む応答信号を送信する送信手段と、
    を有し、
    前記送信側の通信装置は、
    前記応答信号を受信する受信手段をさらに備え、
    前記送信側の通信装置の送信手段は、
    前記タイミング情報に基づいて特定される、ゼロクロス期間内の前記最適な通信タイミングで、実データを含む伝送信号を送信する送信側の通信装置。
  6. 送信側の通信装置との間で、電力線を伝送路とした電力線通信を行う受信側の通信装置であって、
    前記送信側の通信装置は、
    商用電源における一定間隔おきのゼロクロスタイミングを検出する検出手段と、
    誤り検出符号を付加した初期信号を、ゼロクロスタイミングを含むゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して送信する送信手段と、
    を有し、
    前記受信側の通信装置は、
    ゼロクロス期間ごとに受信した各初期信号についての誤り検出を、各初期信号に付加された誤り検出符号に基づいてそれぞれ行う誤り検出手段と、
    前記各初期信号についての誤り検出の結果に基づいて、ゼロクロス期間内の複数の送信タイミングの中から、最適な通信タイミングを特定する特定手段と、
    前記最適な通信タイミングに関するタイミング情報を含む応答信号を送信する送信手段と、
    を備える受信側の通信装置。
  7. 第1通信装置と、前記第1通信装置との間で、電力線を伝送路とした電力線通信を行う第2通信装置とを含む通信システムの動作方法であって、
    a)前記第1通信装置において、商用電源における一定間隔おきのゼロクロスタイミングを検出する工程と、
    b)前記第1通信装置において、誤り検出符号を付加した初期信号を、ゼロクロスタイミングを含むゼロクロス期間ごとに、ゼロクロス期間内の送信タイミングを変更して送信する工程と、
    c)前記第2通信装置において、ゼロクロス期間ごとに受信した各初期信号についての誤り検出を、各初期信号に付加された誤り検出符号に基づいてそれぞれ行う工程と、
    d)前記第2通信装置において、前記各初期信号についての誤り検出の結果に基づいて、前記ゼロクロス期間内の複数の送信タイミングの中から、最適な通信タイミングを特定する工程と、
    e)前記第2通信装置において、前記最適な通信タイミングを示すタイミング情報を含む応答信号を送信する工程と、
    f)前記第1通信装置において、前記応答信号に含まれる前記タイミング情報に基づいて特定される、ゼロクロス期間内の前記最適な通信タイミングで、実データを含む伝送信号を送信する工程と、
    を備える通信システムの動作方法。
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