JP2013207338A - 振動素子、振動子、電子デバイス、及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波(200MHz以上)において、電圧制御型発振器の周波数可変範囲を大きくして、振動子の製造歩留りの向上を図るために、容量比γの小さな振動素子を提供する。
【解決手段】厚み滑り振動で振動する基板10と、前記基板の一方の主面に設けられ、矩形の四隅を切り欠いた形状の第1の励振電極25aと、前記基板の他方の主面に設けられている第2の励振電極25bと、を含み、前記矩形の面積S1と前記第1の励振電極の面積S2との比(S2/S1)が87.7%≦(S2/S1)<95.0%である振動素子1。
【選択図】図1

Description

本発明は、厚み滑り振動を励振する振動素子、振動子、電子デバイス、及び電子機器に関する。
主振動である厚み滑り振動を励振するATカット水晶振動子は、小型化、高周波数化に適し、且つ周波数温度特性が優れた三次曲線を呈するので、発振器、電子機器等の多方面で使用されている。特に、近年では伝送通信機器やOA機器の処理速度の高速化、或いは通信データや処理量の大容量化が進むのに伴い、それに用いられる基準周波数信号源としてのATカット水晶振動子に対し高周波化の要求が強まっている。厚み滑り振動で励振するATカット水晶振動子の高周波化には、振動部分の厚みを薄くすることにより高周波化を図るのが一般的である。
しかし、高周波化に伴い、振動部分の厚みが薄くなると、周波数の調整感度が高まるため周波数追い込み精度が悪くなり、振動子の製造歩留りが低下するという問題があった。これに対し、特許文献1には、温度補償型発振器の振動素子において、長方形状の励振電極の四隅を略均等に切り欠き、その面積を切り欠く前との面積比で95%〜98%とし、振動子の容量比γを小さくすることで、周波数可変感度を大きくし、発振周波数の合わせ込みの余裕度を大きくできることが開示されている。
また、特許文献1の段落[0024]においては、「面積比が95%未満であると、実際に振動に寄与している振動部分の励振電極部を欠くことになり、等価直列容量C1が小さくなり、容量比γを小さくする効果が得られなくなる。」と記載されている。
特開2002−111435号公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示されているように、励振電極の四隅を切り欠き面積比で95%〜98%とし、容量比γを小さくできたとしても、温度補償型発振器では電気的特性上十分ではあるが、電圧制御型発振器に用いられる振動子においては、劣化した周波数調整精度を補う程の周波数可変感度が得られないという課題があった。
そこで、高周波(200MHz以上)において、電圧制御型発振器の周波数可変範囲を大きくして、振動子の製造歩留りの向上を図るために、容量比γの小さな振動素子を提供する。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る振動素子は、厚み滑り振動で振動する基板と、前記基板の一方の主面に設けられ、矩形の四隅を切り欠いた形状の第1の励振電極と、前記基板の他方の主面に設けられている第2の励振電極と、を含み、前記矩形の面積S1と前記第1の励振電極の面積S2との比(S2/S1)が87.7%≦(S2/S1)<95.0%であることを特徴とする。
本適用例によれば、基本波の厚み滑り振動で励振する高周波の振動素子において、実際に振動に寄与しない励振電極の四隅を取り除くので、等価直列容量C1はほとんど影響がなく変化しないが、等価並列容量C0は小さくなった面積に比例して小さくなるため、振動素子の容量比(γ=C0/C1)が小さくなり、大きな周波数可変感度を有する電圧制御型発振器が得られるという効果がある。
[適用例2]上記適用例に記載の振動素子において、前記第1の励振電極と前記第2の励振電極は、前記主面と直交する方向から投影して視た場合に、前記第2の励振電極の外縁内に、前記第1の励振電極が収まるように互いに異なる形状であることを特徴とする。
本適用例によれば、基本波の厚み滑り振動で励振する高周波の振動素子において、第1の励振電極と第2の励振電極との面積が同一の場合に比べ、電極膜厚を厚くできるので、電極膜のオーミックロスを回避し、主振動のCI値の劣化を防止できるという効果がある。
また、第1の励振電極と第2の励振電極とを金属マスク法で形成する場合、多少の位置ずれがあった場合でも、第1の励振電極と第2の励振電極との対向面積が変化し難いため、等価直列容量C1と等価並列容量C0のばらつきが生じないので、容量比γのばらつきが小さい振動素子が得られるという効果がある。
[適用例3]上記適用例に記載の振動素子において、前記第1の励振電極と前記第2の励振電極から夫々前記基板の端部に向って延在して設けられているリード電極を含み、前記切り欠いた形状を有する前記励振電極から延在して設けられている前記リード電極は、前記切り欠いた領域を除く前記励振電極の端部から延在されていることを特徴とする。
本適用例によれば、リード電極を切り欠いた領域を除く前記励振電極の端部から延在することにより、容量比γの低減に効果のある四隅部分を避けることができるので、容量比γのより小さな振動素子が得られるという効果がある。
[適用例4]上記適用例に記載の振動素子において、エネルギー閉じ込め係数Mが17.1≦M≦35.7であることを特徴とする。
本適用例によれば、基本波の厚み滑り振動で励振する高周波の振動素子において、振動エネルギーの閉じ込め係数Mを17.1以上とすることで、CI値を20Ω以下とすることができるので発振が容易になるという効果がある。また、エネルギー閉じ込め係数Mを35.7以下とすることで、主振動の発振を阻害するインハーモニックモードのスプリアスの影響を抑制できるという効果がある。
[適用例5]上記適用例に記載の振動素子において、前記厚み滑り振動の共振周波数が200MHz以上であることを特徴とする。
本適用例によれば、厚み滑り振動で励振する振動素子は、振動部の厚みを薄くすることで高周波化が図れるが、共振周波数が200MHz以上の高周波になると板厚が8.4μm以下と非常に薄くなるため、励振電極の膜を剥離し周波数調整を行う工程での周波数制御が非常に難しくなり、周波数偏差が非常に大きくなる。そのため、共振周波数が200MHz以上で容量比γを小さくすることは周波数調整精度の緩和が図れ、振動子の製造歩留りが向上できるという効果がある。
[適用例6]上記適用例に記載の振動素子において、前記基板が水晶基板であることを特徴とする。
本適用例によれば、水晶基板はQ値が高く、温度特性の優れた切断角度を有しているので、CI値が小さく、温度特性の優れた振動素子が得られるという効果がある。
[適用例7]本適用例に係る振動子は、上記適用例に記載の振動素子と、前記振動素子を収容するパッケージと、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、振動素子をパッケージに収容することで、温度変化や湿度変化等の外乱の影響や汚染による影響を防ぐことができるため、周波数再現性、周波数温度特性、CI温度特性、及び周波数エージング特性に優れた振動子が得られるという効果がある。
[適用例8]本適用例に係る電子デバイスは、上記適用例に記載の振動素子と、前記振動素子を励振する発振回路と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、基本波で励振する高周波の振動素子を用いて電子デバイスを構成すると、振動素子の容量比γが小さいので、周波数可変幅が広く、更に、基本波で励振するので、S/N比の良好な高周波の電圧制御型発振器が得られるという効果がある。
[適用例9]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の振動素子を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、基本波で励振する高周波の振動素子を電子機器に用いることにより、高周波で周波数安定度に優れ、S/N比の良好な基準周波数源を備えた電子機器が構成できるという効果がある。
本発明の一実施形態に係る振動素子の構造を示した概略図であり、(a)は平面図、(b)はP−P断面図、(c)はQ−Q断面図。 ATカット水晶基板と結晶軸との関係を説明する図。 矩形状励振電極における振動変位分布を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は縦断面図。 電極面積比に対する振動素子のC1値及びC0値を示す図。 電極面積比に対する振動素子の容量比γを示す図。 ATカット水晶振動素子の試作条件と測定結果を示す図。 エネルギー閉じ込め係数Mに対する振動子のCI値を示す図。 エネルギー閉じ込め係数Mに対する振動子の主振動CI値とスプリアスCI値とのCI値比を示す図。 本発明の一実施形態に係る振動子の構造を示した概略図であり、(a)は平面図、(b)は縦断面図。 本発明の一実施形態に係る電子デバイスの構造を示した概略図であり、(a)は平面図、(b)は縦断面図。 本発明の一実施形態に係る振動素子を備える電子機器を適用したモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る振動素子を備える電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る振動素子を備える電子機器を適用したディジタルスチールカメラの構成を示す斜視図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る振動素子の構成を示す概略図であり、図1(a)は振動素子の平面図、図1(b)は図1(a)のP−P断面図、図1(c)は図1(a)のQ−Q断面図である。
振動素子1は、振動部12及び振動部12に連設され、振動部12の厚みよりも厚い厚肉部13を有する基板10と、振動部12の両主面(±Y’方向の表裏面)に夫々対向するようにして形成された第1の励振電極25a、第2の励振電極25bと、第1の励振電極25a、第2の励振電極25bから厚肉部に設けられたパッド電極29a、29bに向けて、夫々延出されて形成されたリード電極27a、27bと、を備えている。
基板10は、矩形状をなし、且つ肉薄でY’軸に直交し厚みが一定である平板状の振動部12と、振動部12の一辺を除いた三辺に沿って一体化された第1の厚肉部14、第2の厚肉部15、及び第3の厚肉部16(第1、第2及び第3の厚肉部14、15、16とも称する)からなる厚肉部13と、支持固定した際に生じるマウント応力を振動部12に伝わるのを防止するためのスリット17と、を備えている。
なお、第1の厚肉本体14a、第2の厚肉本体15a、及び第3の厚肉本体16a(第1、第2及び第3の厚肉本体14a、15a、16aとも称する)とは、Y’軸に平行な厚みが一定である領域をいう。
また、第1の傾斜部14b、第2の傾斜部15b、及び第3の傾斜部16b(第1、第2及び第3の傾斜部14b、15b、16bとも称する)とは、第1、第2及び第3の厚肉本体14a、15a、16aと、振動部12と、の間に生じる傾斜面をいう。
振動部12の一方の主面と、第1、第2及び第3の厚肉部14、15、16の夫々の一方の面とは、同一平面上、即ち図1に示す座標軸のX−Z’平面上にあり、この面(図1(b)の−Y’方向にある下面側)をフラット面(平坦面)といい、凹陥部11を有する反対側の面(図1(b)の+Y’方向にある上面側)を凹陥面という。
第1の励振電極25a、第2の励振電極25bは、図1に示す実施形態例において、第1の励振電極25aは矩形の四隅を切り欠いた形状に形成されている。第2の励振電極25bは矩形状であり、振動部12の主面のほぼ中央部(上面及び下面両面)に対峙して形成されている。なお、第1の励振電極25aは切り欠いた四隅の面積が均一(略均等)であるのが望ましいが、製造ばらつきを考慮すると約10%の差が生じたとしても、実際の振動に影響を及ぼさないことが確認されており、本実施形態例により得られる効果に影響を与えるような問題はない。
また、第1の励振電極25a、第2の励振電極25bは、リード電極27a、27bと接続している部分について、励振電極形状の外縁(外辺)に沿った延長線(仮想線)を境界として形状や面積として説明する。
リード電極27aは、凹陥面に形成した励振電極25aから延出し、振動部12上から第3の傾斜部16bと、第3の厚肉本体16aとを経由して、第2の厚肉本体15aの凹陥面に形成されたパッド電極29aに導通接続されている。また、リード電極27bは、フラット面に形成された励振電極25bから延出し、基板10のフラット面の端縁部を経由して、第2の厚肉本体15aのフラット面に形成されたパッド電極29bと導通接続されている。
図1(a)に示した実施形態例は、リード電極27a、27bの引出し構造の一例であり、リード電極27aは他の厚肉部を経由してもよい。ただ、リード電極27a、27bの長さは最短であることが望ましく、リード電極27a、27b同士が基板10を挟んで交差しないように配慮することにより静電容量の増加を抑えることが望ましい。
また、第1の励振電極25a、第2の励振電極25b、リード電極27a、27b、パッド電極29a、29bは、蒸着装置、あるいはスパッタ装置等を用いて、例えば、下地にニッケル(Ni)を成膜し、その上に金(Au)を重ねて成膜してある。なお、電極材料として、下地のニッケル(Ni)の代わりにクロム(Cr)、また、金(Au)の代わりに銀(Ag)、白金(Pt)を用いても構わない。
水晶等の圧電材料は三方晶系に属し、図2に示すように互いに直交する結晶軸X、Y、Zを有する。X軸、Y軸、Z軸は、夫々電気軸、機械軸、光学軸と呼称される。そして水晶基板は、XZ面をX軸の回りに所定の角度θだけ回転させた平面に沿って、水晶から切り出された平板が基板10として用いられる。例えば、ATカット水晶基板の場合は、角度θは略35°15’である。なお、Y軸及びZ軸もX軸の周りにθ回転させて、夫々Y’軸及びZ’軸とする。従って、ATカット水晶基板は、直交する結晶軸X、Y’、Z’を有する。ATカット水晶基板は、厚み方向がY’軸に平行であり、Y’軸に直交するXZ’面(X軸及びZ’軸を含む面)が主面であり、厚み滑り振動が主振動として励振される。
即ち、基板10は、図2に示すようにX軸(電気軸)、Y軸(機械軸)、Z軸(光学軸)からなる直交座標系のX軸を中心として、Z軸をY軸の−Y方向へ傾けた軸をZ’軸とし、Y軸をZ軸の+Z方向へ傾けた軸をY’軸とし、X軸とZ’軸に平行な面で構成され、Y’軸に平行な方向を厚みとするATカット水晶基板である。
なお、本実施形態例に係る基板10は、図2に示す角度θが略35°15’のATカットに限定されるものではなく、厚み滑り振動を励振するBTカット等の基板にも広く適用できる。
更に、振動部12の外縁に沿って厚肉部を設けた例を用いて説明したが、これに限らず、振動部12の外縁全周に沿って厚肉部を設けた基板や厚肉部が設けられていない平板状の基板にも広く適用できる。
電圧制御型発振器は振動子、発振回路部、可変容量ダイオードを含む制御電圧端子により構成され、重要な仕様として制御電圧により振動子の発振周波数を可変する周波数可変範囲がある。この周波数可変範囲は伝送通信機器等で必要なAPR(絶対周波数可変範囲)と周波数許容偏差(周波数常温偏差、周波数温度特性、電源電圧による周波数変動、負荷による周波数変動、リフローによる周波数変動、経時変化による周波数変動)との和であるため、電圧制御型発振器は発振器の外部環境や発振回路条件の変化による周波数変化量を発振器自身が補っている。そのため、周波数可変範囲を広く取れることは製造や設計に起因する周波数許容偏差を緩和できるため、振動子の製造歩留りを向上する上で非常に重要である。
ここで、電圧制御型発振器の周波数可変感度Sは、下記式(1)で表される。
S=−△CL/2・γ・C0・(1+CL/C0)2・・・(1)
ここで、△CLは負荷容量変化、γは容量比(C0/C1)、C0は等価並列容量、CLは負荷容量である。
式(1)より、周波数可変感度Sは発振回路で構成される負荷容量CLが一定であれば、振動素子の等価並列容量C0と容量比γにより決定され、特に、容量比γによる影響が大きい。従って、容量比γが小さければ、電圧制御型発振器の周波数可変感度Sを大きくすることができ、振動子の製造歩留りを向上することができる。
矩形状の励振電極23を有する振動素子の基本波の厚み滑り振動モードの振動変位分布を有限要素法で計算した結果を図3に示す。この図より、振動変位は励振電極23の四隅部で非常に小さく、この部分が実際の振動に寄与していないことが解る。ここで、振動素子の等価並列容量C0は表裏励振電極間の静電容量であるので対向面積に依存するが、等価直列容量C1は実際の振動部における容量成分であるため励振電極23の面積が十分大きければ依存しない。そのため、実際の振動に寄与しない励振電極23の一部を除去することは、等価直列容量C1に影響を及ぼさずに、等価並列容量C0のみを小さくできるので、容量比γが小さい振動素子が得られる。
図4は図1の実施形態例で試作した491MHz帯の共振周波数を有するATカット水晶振動素子の電極面積比(S2/S1)に対するC1値及びC0値を示している。
矩形状励振電極の面積(0.30mm×0.24mm)を基準面積S1として、矩形の四隅の電極部を徐々に除去した電極の面積S2とした場合の電極面積比(S2/S1)に対する主振動の等価直列容量C1値と等価並列容量C0値を示したものである。
図4より、等価直列容量C1は電極面積比(S2/S1)の減少に伴い、約90%までは振動に寄与していない部分を除去しているため影響が小さくほぼ一定値を示しているが、約90%を超えると振動に影響を及ぼし始め、小さくなる傾向を示していることが判明した。また、等価並列容量C0については電極面積比(S2/S1)の減少に比例し、小さくなる傾向を示していることも確認された。
そこで、本願発明者らは、電極面積比(S2/S1)が約90%を超えてもATカット水晶振動素子の主振動の特性に実質上悪影響を生じさせず、容量比γを小さくし、従来技術よりも更に周波数可変感度を良好にする領域について実験とシミュレーションを積み重ね、分析を行った。
図5は電極面積比(S2/S1)に対するATカット水晶振動素子の容量比γを示したものであり、電極面積比(S2/S1)の減少に伴い、容量比γは小さくなるが90%を超えると徐々に大きくなり、86%以上では初期の容量比γよりも大きくなる傾向を示した。この結果より、矩形の四隅を切り欠いた形状の面積S2が基準とした矩形状励振電極の面積S1との電極面積比(S2/S1)を87.7%≦(S2/S1)<95%とすることで、先行技術よりも更に、容量比γの小さい振動素子を得ることができることが確認された。
従来技術である特許文献1では「面積比が95%未満であると、実際に振動に寄与している振動部分の励振電極部を欠くことになり、等価直列容量C1が小さくなり、容量比γを小さくする効果が得られなくなる。」と記載されており、容量比γを更に小さくすることは不可能であるとされていたが、本願発明者らは電極面積比(S2/S1)が87.7%≦(S2/S1)<95%の領域に、即ち、特許文献1では不可能とされた領域に容量比γを更に小さくすることができる領域があることを導き出すことができた。
一般的に厚み滑り振動モードは基板上に部分電極を形成するか、板厚差を設けると、その部分近傍に振動エネルギーを閉じ込めることができ、安定した共振周波数を得ることができる。この場合の閉じ込めモードの共振周波数は、基板の板厚tsや励振電極の膜厚teと寸法hxにより求まるエネルギー閉じ込め係数Mの関数として表される。
エネルギー閉じ込め係数Mは、下記式(2)で表される。
M=K・(hx/2・ts)・√△・・・(2)
ここで、Kは基板の異方性係数、hxは振動モードの変位方向の励振電極寸法、tsは基板の板厚、△はプレートバック量である。
また、プレートバック量△は下記式(3)で表される。
△=(fs−fe)/fs・・・(3)
ここで、fsは基板のカットオフ周波数、feは基板全面に励振電極を成膜した場合の周波数である。
なお、表裏の励振電極の形状と面積が同一の場合、基板のカットオフ周波数fsは下記式(4)で、基板全面に励振電極を成膜した場合の周波数feは下記式(5)で表される。
fs=R/ts・・・(4)
fe=R/[ts+te・(ρe/ρx)]・・・(5)
ここで、Rは基板の周波数定数、tsは基板の板厚、teは表裏の励振電極の膜厚の和、ρeは励振電極の密度、ρxは基板の密度である。
また、表裏の励振電極の形状と面積が異なる場合、基板のカットオフ周波数fsは下記式(6)で、基板全面に励振電極を成膜した場合の周波数feは下記式(7)で表される。
fs=R/[ts+te2・(ρe/ρx)]・・・(6)
fe=R/[ts+te・(ρe/ρx)]・・・(7)
ここで、Rは基板の周波数定数、tsは基板の板厚、te2は面積の大きい励振電極の膜厚、teは表裏の励振電極の膜厚の和、ρeは励振電極の密度、ρxは基板の密度である。
式(2)乃至式(7)より、表裏の励振電極の形状と面積が異なる場合は、基板の板厚tsや励振電極の膜厚teと寸法hx等が同一条件である場合、表裏の励振電極の形状と面積が同一の場合に比べ、面積の大きい励振電極の膜厚が基板の板厚に加わり基板が厚くなることで基板のカットオフ周波数fsが低下する。そのため、プレートバック量△が小さくなるので、エネルギー閉じ込め係数Mは小さくなり、インハーモニックモードのスプリアスを回避し易くなる。
また、エネルギー閉じ込め係数Mを同一とした場合には、表裏の励振電極の形状と面積が同一の場合に比べ、励振電極の膜厚teを厚くすることができるので、CI値の劣化を抑えることができる。
一般的にATカット水晶基板の厚み滑り振動モードにおいて、基本波の単一モードを閉じ込める条件はエネルギー閉じ込め係数M=2.8以下と言われている。
例えば、491MHz帯の共振周波数で振動するATカット水晶振動素子は、励振電極寸法hx=0.30mmとした場合、エネルギー閉じ込め係数M=2.8となる励振電極の膜厚が約1nmと非常に薄く、製造上実現不可能な膜厚となり、例え実現できたとしても電極薄膜化によるオーミックロスの影響によりCI値が非常に大きくなり発振回路で発振することはできない。
そのため、高周波の振動素子は電極膜厚のオーミックロスを避けるために膜厚を厚くする必要があるので、エネルギー閉じ込め係数Mが大きくなり、主振動のみを閉じ込めることはできず、インハーモニックモードのスプリアスも閉じ込めてしまう。しかし、スプリアスのCI値が主振動のCI値より1.8倍以上大きければ、理論上発振回路では主振動のみが発振するので、問題とはならない。
図6は図1の実施形態例で試作した246MHz〜491MHz帯の共振周波数で振動するATカット水晶振動素子の試作条件と測定結果を示したものである。
但し、第1の励振電極25aは矩形で、四隅を切り欠きしていない。
第1の励振電極25a、第2の励振電極25bは下地のニッケル(Ni)膜厚を7nmで一定とし、金(Au)の膜厚を45nm〜120nmとしている。第1の励振電極25aはhx/hzを約1.28で一定とし、hxを0.14mm〜0.70mmとしている。
また、表裏のリード電極27a、27bとパッド電極29a、29bはオーミックロスの影響を回避するために励振電極と同等の膜厚を形成した上層部に、ニッケル(Ni)膜厚を7nm積層し、その上に金(Au)を膜厚200nm積層している。
図7は図6に示したATカット水晶振動素子のエネルギー閉じ込め係数Mに対するCI値を示したものである。エネルギー閉じ込め係数Mが大きくなるとCI値は小さくなる傾向を示し、電極膜厚が大きくなることでオーミックロスの影響が小さくなることと、電極面積が大きくなることで励振電荷が多くなり抵抗が小さくなるためと考えられる。よって、図7より、発振回路が必要とするCI値規格(CI≦20Ω)を満足するには、エネルギー閉じ込め係数Mを17.1以上とする必要がある。
図8は図6に示したATカット水晶振動素子のエネルギー閉じ込め係数Mに対する主振動のCI値(CIm)とスプリアスのCI値(CIs)とのCI値比(CIs/CIm)を示したものである。エネルギー閉じ込め係数Mが大きくなるとCI値比(CIs/CIm)は小さくなる傾向を示し、励振電極の膜厚や面積が大きくなることでインハーモニックモードのスプリアスを強く閉じ込めてしまうためであると考えられる。図8より、発振回路が必要とするスプリアス規格(CIs/CIm≧2.0)を満足するには、エネルギー閉じ込め係数Mを35.7以下とする必要がある。
従って、エネルギー閉じ込め係数Mを17.1以上とすれば、オーミックロスの影響が小さい電極膜厚である50nm以上を確保できるので、発振回路で容易に発振できるCI値で、且つ、スプリアスの影響を受けない振動素子を得ることができる。また、共振周波数が200MHz以上の振動素子におけるエネルギー閉じ込め係数Mが20MHzや30MHz帯の設計値としてのエネルギー閉じ込め係数Mに比べ、大きくすることは、振動エネルギーが励振電極中央部へより集中することを可能とする。よって、励振電極の四隅を切り欠く量を大きくすることができるので、等価並列容量C0をより小さくすることを可能とし、容量比γをより低減することができる。そのため、エネルギー閉じ込め係数Mを大きくしつつ励振電極の四隅を切り欠くことは、高周波において非常に有効であることに、本願発明者は、シミュレーションと実験とを繰り返すことによって想到した。
しかし、エネルギー閉じ込め係数Mが35.7を超えると主振動よりもCI値の小さなスプリアスが多発するので、エネルギー閉じ込め係数Mは35.7以下とする必要があることが解った。
図1(a)に示した実施形態例では、凹陥面側(図1(b)の表面側)の第1の励振電極25aの面積の大きさは、フラット面側(図1(b)の裏面側)の励振電極25bの外形形状の外縁内に収まる大きさに設定してある。つまり、第1の励振電極25aは第2の励振電極25bより小さな形状に形成されている。従って、第1の励振電極25aと第2の励振電極25bとを金属マスク法で形成する場合、電極形成時に多少の位置ずれがあったとしても、第1の励振電極と第2の励振電極との対向面積が変化し難いため、等価直列容量C1と等価並列容量C0のばらつきが生じず、容量比γのばらつきが小さい振動素子が得られる。
なお、実施形態例では第2の励振電極25bとして矩形の例を示したが、これに限定する必要はなく、円形や楕円形であってもよい。
振動子の周波数調整精度は、共振周波数が200MHz未満の周波数帯では約20ppm以内に調整可能であり、歩留りの点では問題が無かった。しかし、高周波化に伴う振動部分の薄板化により、共振周波数が200MHz以上の周波数帯では約30ppm〜40ppmと200MHz未満の周波数帯に比べ約1.5倍〜2倍劣化した。対策として調整時間を遅くし、粗調整と本調整の2回に分けて行っているが、大幅な改善を得ることができていなかった。そのため、製造プロセスを変更することなく、励振電極形状を変更することで容量比γを小さくし発振器の周波数可変範囲を広げられることは200MHz以上の振動子の周波数調整精度歩留りを向上する上で非常に有効である。
なお、現状の設備で製造可能な周波数の上限は800MHz程度と予想される。
図9は、本発明の一実施形態に係る振動子の構成を示す図であり、図9(a)は蓋部材を省略した平面図であり、図9(b)は縦断面図である。振動子2は、振動素子1と、振動素子1を収容するために矩形の箱状に形成されているパッケージ本体40と、金属、セラミック、ガラス等から成る蓋部材49と、で構成されている。
パッケージ本体40は、図9に示すように、第1の基板41と、第2の基板42と、第3の基板43と、シールリング44と、実装端子45と、を積層して形成されている。実装端子45は、第1の基板41の外部底面に複数形成されている。第3の基板43は中央部が除去された環状体であり、第3の基板43の上部周縁に例えばコバール等のシールリング44が形成されている。
第3の基板43と第2の基板42とにより、振動素子1を収容する凹部(キャビティ)が形成される。第2の基板42の上面の所定の位置には、導体46により実装端子45と電気的に導通する複数の素子搭載パッド47が設けられている。素子搭載パッド47は、振動素子1を載置した際に第2の厚肉本体15aに形成したパッド電極29aに対応するように配置されている。
振動素子1を固定する際には、先ず、振動素子1を反転(裏返し)してパッド電極29aを導電性接着剤30が塗布された素子搭載パッド47に載置して荷重をかける。導電性接着剤30は経年変化を考慮して脱ガスの少ないポリイミド系接着剤を用いている。
次に、パッケージ本体40に搭載された振動素子1の導電性接着剤30を硬化させるために、所定の温度の高温炉に所定の時間入れる。導電性接着剤30を硬化させた後、反転して上面側になったパッド電極29bと、パッケージ本体40の電極端子48とをボンディングワイヤーBWで導通接続する。図9(b)に示すように、振動素子1をパッケージ本体40に支持・固定する部分は、一カ所(一点)であるため、支持固定により生じる応力の大きさを小さくすることが可能となる。
アニール処理を施した後、第2の励振電極25bに質量を付加するか、又は質量を減じて周波数調整を行う。その後、パッケージ本体40の上面に形成したシールリング44上に、蓋部材49を載置し、真空中、又は窒素ガスの雰囲気中で蓋部材49をシーム溶接して密封し、振動子2が完成する。又は、パッケージ本体40の第3の基板43の上面に塗布した低融点ガラスに蓋部材49を載置し、溶融して密着する方法もある。この場合もパッケージのキャビティ内は真空にするか、又は窒素ガス等の不活性ガスで充填して、振動子2が完成する。
パッド電極29a、29bの間隔をZ’軸方向に離して形成した振動素子1を構成してもよい。この場合も図9で説明した振動子2と同様に振動子を構成することができる。また、パッド電極29a、29bを同一面上に間隔を離して形成した振動素子1を構成してもよい。この場合、振動素子1は、二カ所(二点)に導電性接着剤30を塗布して、導通と支持・固定を図るようにした構造である。低背化に適した構造であるが、導電性接着剤30に起因するマウント応力が少し大きくなる虞がある。
以上の振動子2の実施形態例では、パッケージ本体40に積層板を用いた例を説明したが、パッケージ本体40に単層セラミック板を用い、蓋体に絞り加工を施したキャップを用いて振動子を構成してもよい。
図9に示すように、振動素子1を支持する部位が一点であり、且つ厚肉部13と振動部12の間にスリット17を設けることにより、導電性接着剤30に起因して生じる応力を小さくすることができるため、周波数再現性、周波数温度特性、CI温度特性、及び周波数エージング特性に優れた振動子2が得られるという効果がある。
図10は、本発明の一実施形態に係る電子デバイスの構成を示す図であって、図10(a)は蓋部材を省略した平面図であり、図10(b)は縦断面図である。電子デバイス3は、パッケージ本体50と、蓋部材49と、振動素子1と、振動素子1を励振する発振回路を搭載したIC部品51と、電圧により容量が変化する可変容量素子、温度より抵抗が変化するサーミスター、インダクター等の電子部品52の少なくとも1つと、を備えている。
パッケージ本体50は、図10に示すように、第1の基板61と、第2の基板62と、第3の基板63と、を積層して形成されている。実装端子45は、第1の基板61の外部底面に複数形成されている。第2の基板62と第3の基板63とは中央部が除去された環状体で形成されている。
第1の基板61と、第2の基板62と、第3の基板63と、により、振動素子1、IC部品51、および電子部品52などを収容する凹部(キャビティ)が形成される。第2の基板62の上面の所定の位置には、導体46により実装端子45と電気的に導通する複数の素子搭載パッド47が設けられている。素子搭載パッド47は、振動素子1を載置した際に第2の厚肉本体15aに形成したパッド電極29aに対応するように配置されている。
反転した振動素子1のパッド電極29aを、導電性接着剤(ポリイミド系)30を塗布したパッケージ本体50の素子搭載パッド47に載置し、パッド電極29aと素子搭載パッド47との導通を図る。反転して上面側になったパッド電極29bと、パッケージ本体50の電極端子48とをボンディングワイヤーBWにて接続し、パッケージ本体50の基板間に形成された導体を通じて、IC部品51の1つの電極端子55との導通を図る。IC部品51をパッケージ本体50の所定の位置に固定し、IC部品51の端子と、パッケージ本体50の電極端子55とをボンディングワイヤーBWにて接続する。また、電子部品52は、パッケージ本体50の所定の位置に載置し、金属バンプ等を用いて導体46に接続する。パッケージ本体50を真空、あるいは窒素等の不活性気体で満たし、パッケージ本体50を蓋部材49で密封して電子デバイス3を完成する。
パッド電極29bとパッケージ本体50の電極端子48とをボンディングワイヤーBWで接続する工法は、振動素子1を支持する部位が一カ所(一点)になり、導電性接着剤30に起因して生じるマウント応力を小さくする。また、パッケージ本体50に収容するに当たり、振動素子1を反転して、より大きな励振電極25bを上面にしたので、電子デバイス3の周波数調整が容易となる。
図10に示すように、電子デバイス3を構成することにより、基本波で励振する高周波の振動素子1を用いているので、容量比が小さく、周波数可変幅が広がる。更に、S/N比の良好な電圧制御型発振器が得られるという効果がある。
また、電子デバイス3として発振器、温度補償型発振器等を構成することが可能であり、周波数再現性、エージング特性、周波数温度特性に優れた発振器を構成できるという効果がある。
次いで、本発明の一実施形態に係る振動素子を適用した電子機器(本発明の電子機器)について、図11〜図13に基づき、詳細に説明する。
図11は、本発明の一実施形態に係る振動素子を備える電子機器としてのモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能する振動素子1が内蔵されている。
図12は、本発明の一実施形態に係る振動素子を備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。このような携帯電話機1200には、フィルター、共振器等として機能する振動素子1が内蔵されている。
図13は、本発明の一実施形態に係る振動素子を備える電子機器としてのディジタルスチールカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部100は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部100に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このディジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなディジタルスチールカメラ1300には、フィルター、共振器等として機能する振動素子1が内蔵されている。
なお、本発明の一実施形態に係る振動素子を備える電子機器は、図11のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図12の携帯電話機、図13のディジタルスチールカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
1…振動素子、2…振動子、3…電子デバイス、10…基板、11…凹陥部、12…振動部、13…厚肉部、14…第1の厚肉部、14a…第1の厚肉本体、14b…第1の傾斜部、15…第2の厚肉部、15a…第2の厚肉本体、15b…第2の傾斜部、16…第3の厚肉部、16a…第3の厚肉本体、16b…第3の傾斜部、17…スリット、23…励振電極、25a…第1の励振電極、25b…第2の励振電極、27a,27b…リード電極、29a,29b…パッド電極、30…導電性接着剤、40…パッケージ本体、41…第1の基板、42…第2の基板、43…第3の基板、44…シールリング、45…実装端子、46…導体、47…素子搭載パッド、48…電極端子、49…蓋部材、50…パッケージ本体、51…IC部品、52…電子部品、55…電極端子、61…第1の基板、62…第2の基板、63…第3の基板、100…表示部、1100…パーソナルコンピューター、1102…キーボード、1104…本体部、1106…表示ユニット、1200…携帯電話機、1202…操作ボタン、1204…受話口、1206…送話口、1300…ディジタルスチールカメラ、1302…ケース、1304…受光ユニット、1306…シャッターボタン、1308…メモリー、1312…ビデオ信号出力端子、1314…入出力端子、1430…テレビモニター、1440…パーソナルコンピューター。

Claims (9)

  1. 厚み滑り振動で振動する基板と、
    前記基板の一方の主面に設けられ、矩形の四隅を切り欠いた形状の第1の励振電極と、
    前記基板の他方の主面に設けられている第2の励振電極と、
    を含み、
    前記矩形の面積S1と前記第1の励振電極の面積S2との比(S2/S1)が87.7%≦(S2/S1)<95.0%であることを特徴とする振動素子。
  2. 請求項1において、
    前記第1の励振電極と前記第2の励振電極は、
    前記主面と直交する方向から投影して視た場合に、前記第2の励振電極の外縁内に、前記第1の励振電極が収まるように互いに異なる形状であることを特徴とする振動素子。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1の励振電極と前記第2の励振電極から夫々前記基板の端部に向って延在して設けられているリード電極を含み、
    前記切り欠いた形状を有する前記励振電極から延在して設けられている前記リード電極は、前記切り欠いた領域を除く前記励振電極の端部から延在されていることを特徴とする振動素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    エネルギー閉じ込め係数Mが17.1≦M≦35.7であることを特徴とする振動素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記厚み滑り振動の共振周波数が200MHz以上であることを特徴とする振動素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項において、
    前記基板が水晶基板であることを特徴とする振動素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の振動素子と、
    前記振動素子を収容するパッケージと、
    を備えていることを特徴とする振動子。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の振動素子と、
    前記振動素子を励振する発振回路と、
    を備えていることを特徴とする電子デバイス。
  9. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の振動素子を備えていることを特徴とする電子機器。
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