JP2013205764A - 露光装置 - Google Patents

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一郎 枝木
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Abstract

【課題】マスクの位置決めを確実に行うことができる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置100は、マスク2を保持するマスク保持機構20を備えている。マスク保持機構20は、押圧機構70と、位置決め機構50と、検知機構90と、制御部とを備えている。押圧機構70は、マスク2を側方から押圧する。位置決め機構50は、マスク2を間に挟んで押圧機構70と対向する位置に配置され、マスク2の側面と接触する。検知機構90は、マスク2からの圧力または位置決め機構90の変位量を検知する。制御部は、検知機構90が検知した値に応じて押圧機構70の押圧力を制御する
【選択図】図10

Description

本発明は、液晶ディスプレイ装置等の表示用パネル基板の製造において、プロキシミティ方式を用いて基板の露光を行う露光装置に関するものである。
表示用パネル基板としては、例えば液晶ディスプレイ装置を構成するTFT(Thin Film Transistor)基板及びカラーフィルタ基板、プラズマディスプレイ用基板や有機EL(Electroluminescence)基板等が挙げられる。これらの表示用パネル基板の製造は、露光装置を用いて、フォトリソグラフィー技術により基板上にパターンを形成して行われる。
露光装置としては、レンズ又は鏡を用いてマスクのパターンを基板上に投影するプロジェクション方式と、マスクと基板との間に微小な間隙(プロキシミティギャップ)を設けてマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ方式とがある。プロキシミティ方式は、プロジェクション方式に比べてパターン解像性能は劣るが、照射光学系の構成が簡単で、かつ処理能力が高く量産用に適している。
従来の、この種のプロキシミティ方式を用いた露光装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。この特許文献1に記載されたプロキシミティ露光装置は、基板を支持するチャックと、マスクを保持するマスクホルダとを備え、マスクホルダに保持されたマスクとチャックに支持された基板とを極めて接近させて露光を行う。
また、特許文献1に記載されたプロキシミティ露光装置は、マスクの位置決めを行う位置決め手段を備えている。この位置決め手段は、マスクの位置を規制する位置決めピンと、マスクの側面からマスクを押圧する押圧ピンと、押圧ピンをマスクに押し付ける押圧機構とを有している。そして、特許文献1に記載されたプロキシミティ露光装置は、押圧ピンによってマスクの側面を押圧し、位置決めピンにマスクの側面を押し付けることで、マスクの位置決めを行っている。
特開2010−266561号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたプロキシミティ露光装置では、押圧ピンでマスクを押圧する際にマスクがその平面内で回転していると、マスクの側面が位置決めピンに接触しないおそれがあった。その結果、特許文献1に記載されたプロキシミティ露光装置では、マスクに位置ズレが発生し、露光精度が低下する、という問題を有していた。
本発明の目的は、上記従来技術における実情を考慮し、マスクの位置決めを確実に行うことができる露光装置を提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の露光装置は、マスクと基板との間に所定の間隔を設けて、マスクのパターンを基板へ転写するものであって、基板の上方でマスクを保持するマスク保持機構と、を備えている。
マスク保持機構は、押圧機構と、位置決め機構と、検知機構と、制御部と、を備えている。押圧機構は、マスクの側面に接触し、マスクを側方から押圧する。位置決め機構は、マスクを間に挟んで押圧機構と対向する位置に配置され、マスクの側面と接触する。検知機構は、位置決め機構に設けられ、マスクからの圧力または位置決め機構の変位量を検知する。制御部は、検知機構が検知した値に応じて押圧機構の押圧力を制御する。
上記構成の露光装置によれば、検知機構が検知した値に応じて押圧機構の押圧力を制御することで、マスクの側面を位置決め機構に確実に接触させることができ、マスクの位置決めを確実に行うことができる。
本発明の露光装置の実施の形態例を示す概略構成図である。 図1に示す露光装置におけるチャックを露光位置へ移動した状態を示す概略構成図である。 本発明の露光装置の実施の形態例にかかるマスク保持機構を示すもので、図3Aはマスク保持機構の側面図、図3Bはマスク保持機構の下面図である。 本発明の露光装置の実施の形態例にかかるマスクリフタを示すもので、図4Aはマスクリフタの側面図、図4Bはマスクリフタの正面図、図4Cはマスクリフタの下面図である。 本発明の露光装置の実施の形態例にかかる位置決め機構を示すもので、図5Aは位置決め機構の側面図、図5Bは位置決め機構の下面図である。 本発明の露光装置の実施の形態例にかかる押圧機構を示すもので、図6Aは押圧機構の側面図、図6Bは押圧機構の下面図である。 図6に示す押圧機構のエアシリンダを作動させるための空気圧回路を示す説明図である。 図6に示す押圧機構のエアシリンダを作動させるための空気圧回路を示す説明図である。 本発明の露光装置の実施の形態例にかかる位置決めを行う回路系を示すブロック図である。 マスクの位置決め処理時のマスク保持機構の状態を模式的に示す説明図であり、図10Aはマスクの位置が位置決めピンに接触していない状態を示す説明図、図10Bはマスクの位置決めが完了した状態を示す説明図である。 本発明の露光装置の実施の形態例におけるマスクの位置決め処理を示すフローチャートである。
以下、露光装置を実施するための形態について、図1〜図11を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
[露光装置の構成例]
次に、本発明の露光装置の実施の形態例(以下、「本例」という。)について、図1〜図8を参照して説明する。
図1は本例の露光装置を示す概略構成図、図2はチャックを露光位置へ移動した状態を示す図である。
この図1に示す露光装置は、プロキシミティ方式を用いてマスクのパターンを基板へ転写する装置である。図1に示すように、露光装置100は、ベース3と、Xガイド4と、Xステージ5と、Yガイド6と、Yステージ7と、θステージ8と、チャック支持台9と、基板1を保持するチャック10を備えている。また、露光装置100は、マスク2を保持するマスクホルダ20と、このマスクホルダ20に設けられたZチルト機構11を有している。
露光装置100は、これらの他に、基板1をチャック10へ搬入し、また基板1をチャック10から搬出する基板搬送ロボット、マスク搬送ロボットや、露光光を照射する照射光学系、装置内の温度管理を行う温度制御ユニット等を備えている。マスク搬送ロボットは、マスク2をマスクホルダ20へ搬入し、またマスク2をマスクホルダ20から搬出する。
ベース3は、露光装置100の下部に設けられている略平板状の部材である。ベース3の上面には、レール状のXガイド4が設けられている。Xガイド4は、基板1がチャック10へ搬入され、また基板1がチャック10から搬出されるロード/アンロード位置Aと、チャック10に搭載された基板1を露光する露光位置Bと、の間におけるチャック10の移動をガイドする。以下の説明において、ベース3の水平面上の一方向をX方向とし、ベース3の水平面上であってX方向に直交する方向をY方向とする。また、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向(上下方向)とする。
露光装置100は、基板1をXY方向へ間歇的に移動させて(ステップ移動させて)、基板1の一面を複数のショットに分けて露光する。
図2において、基板1が搭載されたチャック10は、露光を行う露光位置Bにある。露光位置Bの上方には、マスク保持機構を示すマスクホルダ20が設置されている。
次に、図3A及び図3Bを参照してマスクホルダ20について説明する。
図3Aは、マスクホルダ20の側面図、図3Bは、マスクホルダ20の下面図である。
図3A及び図3Bに示すように、マスクホルダ20は、矩形枠状に形成されている。マスクホルダ20は、互いに対向する一対の長辺部20bと、互いに対向する一対の短辺部20cとを有している。一対の長辺部20bは、X方向に沿って配置され、一対の短辺部20cは、Y方向に沿って配置される。長辺部20bは、短辺部20cよりも長く形成されている。そして、一対の長辺部20bと一対の短辺部20cを枠状に組み合わせることで、マスクホルダ20には、略長方形状に開口する開口部20aが形成される。
開口部20aには、露光光が通過する。また、マスクホルダ20におけるチャック10と対向する下面には、複数の吸着溝21が設けられている。この複数の吸着溝21は、開口部20aの周囲に配置される。不図示の真空ポンプ等を用いて複数の吸着溝21を負圧にすることにより、マスク2がマスクホルダ20の下面に吸着保持される。
一対の長辺部20bには、Zチルト機構11が設けられている。Zチルト機構11は、マスクホルダ20をZ方向へ移動及びチルトすることにより、マスク2と基板1とのギャップ合わせを行う。
なお、本例では、Zチルト機構11をマスクホルダ20に設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、Zチルト機構11をチャック支持台9に設けて、チャック10をZ方向へ移動及びチルトすることにより、マスク2と基板1とのギャップを合わせるようにしてもよい。
また、図3Bに示すように、マスクホルダ20は、複数のマスクリフタ30と、位置決め機構を示す3つの位置決めピンユニット50a,50b,50cと、押圧機構を示す3つの押圧ピンユニット70a,70b,70cとを有している。複数のマスクリフタ30、3つの位置決めピンユニット50a,50b,50c及び3つの押圧ピンユニット70a,70b,70cは、それぞれマスクホルダ20の下面に設けられている。
本例では、マスクリフタ30は、一対の長辺部20b及び一対の短辺部20cにそれぞれ2つずつ配置されている。また、第1の位置決めピンユニット50aは、2つの短辺部20cのうち一側の短辺部20cに配置される。第2の位置決めピンユニット50b及び第3の位置決めピンユニット50cは、2つの長辺部20bのうち一側の長辺部20bに配置されている。さらに、第2の位置決めピンユニット50bは、長辺部20bのX方向の一側に設けられ、第3の位置決めピンユニット50cは、長辺部20bのX方向の他側に設けられている。
第1の押圧ピンユニット70aは、2つの短辺部20cのうち他側の短辺部20cに配置される。第2の押圧ピンユニット70b及び第3の押圧ピンユニット70cは、2つの長辺部20bのうち他側の長辺部20bに配置されている。また、第2の押圧ピンユニット70bは、長辺部20bのX方向の一側に設けられ、第3の押圧ピンユニット70cは、長辺部20bのX方向の他側に設けられている。
そして、第1の位置決めピンユニット50aと第1の押圧ピンユニット70aは、マスク2を間に挟んで対向するように配置される。同様に、第2の位置決めピンユニット50bは、第2の押圧ピンユニット70bと対向し、第3の位置決めピンユニット50cは、第3の押圧ピンユニット70cと対向する。
なお、本例では、マスクリフタ30を8つ設けた例を説明したが、マスクリフタ30の数は、これに限定されるものではなく、マスクリフタ30を7つ以下、あるいは9つ以上設けてもよい。また、マスクリフタ30を配置する位置は、上述した例に限定されるものではなく。適宜設定されるものである。
マスクホルダ20に位置決めピンユニット50及び押圧ピンユニット70をそれぞれ3つずつ設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、位置決めピンユニット50及び押圧ピンユニット70をマスクホルダ20に2つ以下、あるいは4つ以上設けてもよい。なお、マスク2をバランスよく位置決めし、保持するために、長辺部20bには、位置決めピンユニット50及び押圧ピンユニット70を2つ以上設けることが好ましい。
次に、図4A〜図4Cを参照してマスクリフタ30の構成について説明する。
図4Aはマスクリフタ30の側面図、図4Bはマスクリフタ30の正面図、図4Cはマスクリフタ30の下面図を示している。
図4Aに示すように、マスクリフタ30は、固定ベース31と、ガイド32と、移動ベース33と、移動用エアシリンダ34と、アームスタンド35と、アーム36とを備えている。さらに、マスクリフタ30は、引張コイルバネ40と、取り付けベース41と、昇降ガイド42と、昇降ベース43と、昇降用エアシリンダ44と、ローラスタンド45と、ローラ46とを有している。
図4A及び図4Cに示すように、固定ベース31は、略平板状に形成されている。この固定ベース31の一面には、略棒状のガイド32及び移動用エアシリンダ34が取り付けられている。また、移動用エアシリンダ34のロッドには、移動ベース33が取り付けられている。
移動ベース33は、ガイド32によって摺動可能に支持されている。そして、移動ベース33は、移動用エアシリンダ34により、ガイド32の長手方向に沿って移動する。この移動ベース33には、アームスタンド35が取り付けられている。
アームスタンド35は、取り付け軸35aを有している。そして、取り付け軸35aには、アーム36が回転可能に取り付けられている。アーム36は、略長方形状をなす平板として形成されている。そして、アーム36の長手方向の一側には、バー36aが設けられている。バー36aは、アーム36の一面において、アーム36の長手方向に延在している。このバー36aには、アームスタンド35の取り付け軸35aが貫通している。また、バー36aには、アーム36の長手方向に沿って延在し、アーム36の長手方向の一側が傾斜した案内溝36bが設けられている。
また、図4Bに示すように、固定ベース31には、取り付けベース41及び昇降ガイド42が設けられている。また、取り付けベース41には、昇降用エアシリンダ44が取り付けられている。この昇降用エアシリンダ44のロッドには、昇降ベース43が取り付けられている。
また、昇降ガイド42は、筒部材42aと、この筒部材42aの筒孔内を摺動する棒状部材42bとから構成されている。筒部材42aは、固定ベース31の一面に固定されており、棒状部材42bは、昇降ベース43の一面に固定されている。また、昇降ベース43の一面は、固定ベース31の一面と対向する。昇降ベース43は、昇降用エアシリンダ44により、昇降ガイド42の軸方向に沿って昇降する。
さらに、固定ベース31と昇降ベース43の間には、引張コイルバネ40が設けられている。昇降ベース43は、引張コイルバネ40によって、固定ベース31に接近する方向へ付勢されている。また、図4A及び図4Cに示すように、昇降ベース43には、ローラスタンド45が取り付けられている。
ローラスタンド45には、ローラ46が回転可能に設けられている。このローラ46は、バー36aに設けた案内溝36bに挿入され、案内溝36bに摺動可能に支持されている。そして、昇降用エアシリンダ44により昇降ベース43を昇降させると、ローラ46によりバー36aが昇降する。そして、アーム36は、取り付け軸35aを支点に揺動し、アーム36の長手方向の他側である先端36cが昇降する。なお、図4A〜図4Cは、アーム36の先端36cが最も高い位置まで上昇した状態を示している。
マスクリフタ30は、マスク2をマスクホルダ20に装着する際、アーム36を揺動及び進退移動させてマスク2にアーム36の先端36cを接触させる。そして、マスクリフタ30は、マスク2を一時的に保持するとともに、マスク2をマスクホルダ20の下面に押し当てる動作を行う。
なお、マスクリフタ30のアーム36を動作させるために、移動用エアシリンダ34及び昇降用エアシリンダ44を用いた例を説明したが、これに限定されるものではない。マスクリフタ30のアーム36を動作させるためには、例えば、モータとギア等その他各種の駆動方法を用いてもよい。すなわち、マスクリフタ30は、マスク2をマスクホルダ20に装着する際に、マスク2を一時的に保持し、かつマスク2をマスクホルダ20の下面に押し当てることができればよい。
次に、図5A〜図5Cを参照して位置決めピンユニット50a,50b,50cの構成について説明する。
図5Aは、位置決めピンユニット50a,50b,50cの側面図、図5Bは、位置決めピンユニット50a,50b,50cの下面図である。
図5A及び図5Bに示すように、位置決めピンユニット50a,50b,50cは、それぞれ固定ベース51と、ガイド52と、移動ブロック53と、モータ54と、軸継手55とを備えている。また、位置決めピンユニット50a,50b,50cは、それぞれ軸受56と、ボールねじ57aと、ナット57bと、アーム58と、位置決めピン59と、プレート60と、圧力センサ90を有している。
固定ベース51は、略長方形をなす略平板状に形成されている。この固定ベース51の一面には、ガイド52と、モータ54と、軸受56が取り付けられている。ガイド52は、固定ベース51の長手方向に沿って延在している。そして、このガイド52には、移動ブロック53が移動可能に支持されている。
また、モータ54は、固定ベース51の長手方向の一側に配置される。モータ54の回転軸には、軸継手55を介して、ボールねじ57aが接続されている。ボールねじ57aは、軸受56によって回転可能に支持されている。ボールねじ57aにおける軸継手55と反対側の一端は、移動ブロック53に挿入される。
移動ブロック53には、ナット57bが設けられている。このナット57bは、ボールねじ57aに係合している。そして、モータ54を駆動してボールねじ57aを回転駆動すると、そのボールねじ57aの回転力がナット57bを介して移動ブロック53に伝達される。その結果、移動ブロック53は、ガイド52に沿って移動する。
また、移動ブロック53には、略棒状のアーム58が取り付けられている。アーム58における移動ブロック53と反対側の一端には、マスク2の側面に当接する位置決めピン59が設けられている。位置決めピン59には、マスク2の縁部を支持する爪59aと、検知機構の一例を示す圧力センサ90が設けられている。圧力センサ90は、位置決めピン59がマスク2と当接した際に、マスク2からの圧力を検知するものである。
また、アーム58には、マスクホルダ20の下面に設けたガイドと摺動可能に係合するプレート60が取り付けられている。そして、モータ54が駆動すると、アーム58は、マスクホルダ20のガイドに沿って進退移動する。
なお、本例では、アーム58を動作させる駆動部としてモータ54を用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、エアシリンダ等その他各種の駆動部を用いてもよい。
次に、押圧ピンユニット70a,70b,70cの構成について図6A〜図8を参照して説明する。
図6Aは、押圧ピンユニット70a,70b,70cの側面図、図6Bは、押圧ピンユニットの下面図である。
図6A及び図6Bに示すように、押圧ピンユニット70a,70b,70cは、固定ベース71と、移動ブロック73と、エアシリンダ74とを備えている。また、押圧ピンユニット70a,70b,70cは、圧縮コイルバネ75と、アーム78と、押圧ピン79と、プレート80とを有している。
固定ベース71は、略長方形をなす略平板状に形成されている。この固定ベース71には、エアシリンダ74が取り付けられている。エアシリンダ74は、固定ベース71の長手方向の一側に配置されている。このエアシリンダ74のロッドには、移動ブロック73が取り付けられている。そして、エアシリンダ74が駆動すると、移動ブロック73は、固定ベース71の長手方向に移動する。
また、移動ブロック73とエアシリンダ74の間には、圧縮コイルバネ75が配置されている。この圧縮コイルバネ75により、移動ブロック73は、エアシリンダ74から離反する方向に付勢されている。さらに、移動ブロック73におけるエアシリンダ74と反対側の一面には、略棒状のアーム78が取り付けられている。
アーム78における移動ブロック73と反対側の一端には、マスク2の側面を押圧する押圧ピン79が取り付けられている。押圧ピン79には、マスク2の縁部を支持する爪79aが設けられている。
また、アーム78には、マスクホルダ20の下面に設けたガイドと摺動可能に係合するプレート80が取り付けられている。そして、エアシリンダ74が駆動すると、アーム78は、マスクホルダ20のガイドに沿って進退移動する。
図7及び図8は、押圧ピンユニット70a,70b,70cにおけるエアシリンダ74を作動させるための空気圧回路を示す説明図である。なお、本例では、エアシリンダ74として復動型シリンダを用いた例を説明する。
まず、エアシリンダ74について説明する。エアシリンダ74は、筒部74aと、筒部74a内を摺動するピストン74bとを有している。また、筒部74aには、ピストン74bによって第1の空気室74cと、第2の空気室74dに仕切られている。第1の空気室74cに空気が供給されると、ピストン74bは、後退し、第2の空気室74dに空気が供給されると、ピストン74bが押し出される。
図7に示すように、エアシリンダ74を作動させるための空気圧回路は、第1の方向制御弁82と、第2の方向制御弁85と、第1の速度制御弁83aと、第2の速度制御弁83bと、レギュレータ84とを含んで構成されている。第1の方向制御弁82及び第2の方向制御弁85は、複数のポートを有している。また、第1の方向制御弁82には、不図示の圧縮空気供給源が接続される。
エアシリンダ74における第1の空気室74c側には、第1の速度制御弁83aが接続され、第2の空気室74d側には、第2の速度制御弁83bが接続される。また、第2の速度制御弁83bと第2の方向制御弁85の間には、レギュレータ84が設けられている。レギュレータ84は、エアシリンダ74へ供給する圧縮空気の空気圧を調整する。
まず、図7を参照してエアシリンダ74のピストン74bが後退した状態、すなわち初期状態について説明する。
図7に示すように、初期状態では、第1の方向制御弁82のBポートにつながる供給口に圧縮空気供給源を接続する。そのため、圧縮空気供給源から供給された圧縮空気は、第1の方向制御弁82のBポートから第1の速度制御弁83aを介して、エアシリンダ74の第1の空気室74cへ供給される。
これにより、エアシリンダ74のピストン74bは、圧縮コイルバネ75の付勢力に抗して後退する。また、エアシリンダ74の第2の空気室74dから排出される空気は、第2の速度制御弁83b及びレギュレータ84を介して、第2の方向制御弁85のAポートから排気口に排気される。
次に、図8を参照してエアシリンダ74のピストン74bが前進した状態、すなわち移動ブロック73を押し出す状態について説明する。
図8に示すように、第1の方向制御弁82のAポートへつながる供給口へ圧縮空気供給源を接続する。そのため、圧縮空気供給源から供給された圧縮空気は、第1の方向制御弁82のAポートから第2の方向制御弁85のAポートを通る。そして、第2の方向制御弁85のAポートを通過した圧縮空気は、レギュレータ84及び第2の速度制御弁83bを介して、エアシリンダ74の第2の空気室74dへ供給される。
また、レギュレータ84を制御することで、エアシリンダ74へ供給される圧縮空気の空気圧を調整することができる。そのため、押圧ピンユニット70a,70b,70cの押圧力を調整することが可能となる。
これにより、エアシリンダ74のピストン74bは、前進し、移動ブロック73を押し出す。また、エアシリンダ74の第1の空気室74cから排出される空気は、第1の速度制御弁83aを介して、第1の方向制御弁82のBポートから排気口へ排気される。
なお、本例では、押圧ピンユニット70a,70b,70cとしてエアシリンダ74を用いてアーム78を移動させる例を説明したが、アーム78を移動させる駆動機構は、これに限定されるものではない。例えば、ソレノイドモータやギア等によってアーム78を移動させてもよい。すなわち、押圧ピンユニット70a,70b,70cの押圧力を調整することが可能であれば、その他各種の駆動機構を用いてもよい。
次に、本例の露光装置100におけるマスク2の位置決めを行う回路系について図9を参照して説明する。
図9は、位置決めを行う回路系を示すブロック図である。
図9に示すように、露光装置100におけるマスク2の位置決めを行う回路系は、制御部201と、位置決めピン59に取り付けた圧力センサ90と、押圧ピンユニット70a,70b,70cとを有している。圧力センサ90及び押圧ピンユニット70a〜70cは、制御部201に接続されている。そして、制御部201は、圧力センサ90が検知した値を受信し、受信した値に応じて押圧ピンユニット70a〜70cの押圧力を制御する。
[露光装置によりマスクの位置決め処理]
次に、露光装置100によるマスク2の位置決め処理例について図10A〜図11を参照して説明する。
図10A及び図10Bは、マスク2の位置決め処理時のマスクホルダ20の状態を模式的に示す説明図である。なお、図10A及び図10Bでは、マスクリフタ30は省略して示している。図11は。マスク2の位置決め処理を示すフローチャートである。
まず、図11に示すように、マスク2の大きさに合わせて位置決めピンユニット50a〜50cの位置決めピン59の絶対位置を設定する。そして、位置決めピンユニット50a〜50cのモータ54を駆動させ、位置決めピン59を絶対位置に移動させる(ステップS1)。
位置決めピンユニット50a〜50cの位置決めピン59が絶対位置まで移動すると、制御部201は、押圧ピンユニット70a〜70cの押圧力を設定する(ステップS2)。次に、図10Aに示すように、マスクホルダ20の下面側にマスク2を配置する。なお、予めマスクホルダ20の下面側にマスク2を配置してから、ステップS1及びステップS2の処理を行ってもよい。
マスクホルダ20の下面側にマスク2が配置されると、押圧ピンユニット70a〜70cは、設定された押圧力に基づいてエアシリンダ74を駆動し、マスク2の側面を押圧ピン79によって押圧する(ステップS3)。これにより、図10Aに示すように、マスク2は、押圧ピン79に押圧されて、位置決めピンユニット50a〜50cの位置決めピン59側に移動する。そして、マスク2における押圧ピン79と接触する側面と反対側の側面が位置決めピン59に接触または接近する。
ここで、各位置決めピンユニット50a〜50cの位置決めピン59には、圧力センサ90が設けられている。そして、圧力センサ90は、位置決めピン59にマスク2が押し付けられた際のマスク2からの圧力を検知する。
次に、制御部201は、各位置決めピンユニット50a〜50cの圧力センサ90の値を読み込む(ステップS4)。そして、制御部201は、読み込んだ各位置決めピンユニット50a〜50cの圧力センサ90の値が適正かどうか判断する(ステップS5)。
ここで、マスク2がXY平面内で回転した等によって、マスク2が位置決めピンユニット50a〜50cの位置決めピン59に接触していない場合、圧力センサ90の値は、適正値よりも低くなる。そして、制御部201は、全ての位置決めピンユニット50a〜50cの圧力センサ90の値が適正値となるまで、ステップS2からステップS3の処理を繰り返す。すなわち、制御部201は、圧力センサ90の値を押圧ピンユニット70a〜70cの押圧力にフィードバックする。
例えば図10Aに示すように、第3の位置決めピンユニット50cの位置決めピン59にマスク2が接触していない場合、第3の位置決めピンユニット50cの圧力センサ90は、マスク2からの圧力を検知することができない。すなわち、第3の位置決めピンユニット50cの圧力センサ90の値は、適正値よりも低くなっている。
そのため、制御部201は、例えば、第3の位置決めピンユニット50cと対向して配置される第3の押圧ピンユニット70cの押圧力を高める。すなわち、第3の押圧ピンユニット70cのレギュレータ84(図8参照)の設定圧を調整し、エアシリンダ74へ供給する圧縮空気の空気圧を高める。
そして、マスク2におけるX方向の他側が第3の押圧ピンユニット70cによってさらに押圧され、第3の位置決めピンユニット50c側に押し付けられる。その結果、図10Bに示すように、マスク2の側面と全ての位置決めピンユニット50a〜50cの位置決めピン59が接触する。これにより、マスク2のXY平面内での回転を修正することができ、マスク2を所定の位置に配置することができる。
ステップS5の処理において、全ての位置決めピンユニット50a〜50cの圧力センサ90の値が適正値に達した場合、マスク2の位置決め処理が終了する。
このように、本例の露光装置100によれば、全ての位置決めピンユニット50a〜50cの圧力センサ90の値が適正値に達するまで、押圧ピンユニット70a〜70cの押圧力を調整している。これにより、マスク2の位置決めを確実に行うことができ、マスク2に位置ズレが発生して露光精度が低下することを防ぐことができる。
以上、本発明の露光装置の実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の露光装置は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
また、上述した実施の形態例では、検知機構として位置決めピン59にマスク2からの圧力を検知する圧力センサ90を設けた例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、位置決めピンユニットのアーム58を駆動するモータ54に、検知機構の他の例を示すエンコーダを設ける。そして、位置決めピン59がマスク2の側面に押圧されて微少に変位する位置決めピン59の変位量をエンコーダから読み取って、マスク2が位置決めピン59に押し付けられたかどうかの判断を行ってもよい。
1…基板、 2…マスク、 3…ベース、 9…チャック支持台、 10…チャック、 20…マスクホルダ(マスク保持機構)、 30…マスクリフタ、 50a…第1の位置決めピンユニット(位置決め機構)、 50b…第2の位置決めピンユニット(位置決め機構)、 50c…第3の位置決めピンユニット(位置決め機構)、 54…モータ(駆動部)、 58…アーム、 59…位置決めピン、 70a…第1の押圧ピンユニット(押圧機構)、 70b…第2の押圧ピンユニット(押圧機構)、 70c…第3の押圧ピンユニット(押圧機構)、 74…エアシリンダ、 78…アーム、 79…押圧ピン、 90…圧力センサ(検知機構)、 100…露光装置、 201…制御部

Claims (5)

  1. マスクと基板との間に所定の間隔を設けて、前記マスクのパターンを前記基板へ転写する露光装置において、
    前記基板の上方で前記マスクを保持するマスク保持機構と、を備え、
    前記マスク保持機構は、
    前記マスクの側面に接触し、前記マスクを側方から押圧する押圧機構と、
    前記マスクを間に挟んで前記押圧機構と対向する位置に配置され、前記マスクの側面と接触する位置決め機構と、
    前記位置決め機構に設けられ、前記マスクからの圧力または前記位置決め機構の変位量を検知する検知機構と、
    前記検知機構が検知した値に応じて前記押圧機構の押圧力を制御する制御部と、
    を備えた露光装置。
  2. 前記検知機構は、前記位置決め機構における前記マスクの側面に接触する位置決めピンに設けられた圧力センサである
    請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記位置決め機構は、前記マスクの側面に接触する位置決めピンと、前記位置決めピンを有するアームと、前記アームを進退移動させる駆動部と、を有し、
    前記検知機構は、前記駆動部に設けられたエンコーダからなり、前記位置決めピンに前記マスクの側面が接触した際に生じる前記位置決めピンの変位量を検知する
    請求項1に記載の露光装置。
  4. 前記制御部は、前記検知機構が検知した値が予め設定された規定値に達するまで、前記押圧機構の押圧力を繰り返し調整する
    請求項1〜3のいずれかに記載の露光装置。
  5. 前記位置決め機構は、前記マスク保持機構に複数設けられ、
    前記検知機構は、複数の前記位置決め機構にそれぞれ設置される
    請求項1〜4のいずれかに記載の露光装置。
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