JP2013205634A - 光学フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学特性に優れる環状オレフィンを基材に光学フィルムを作製した場合、層間の乖離が甚だしく表面保護機能および反射防止機能を十分に発現することができないという問題がある。そこで、環状オレフィンを基材としつつ表面保護機能および反射防止機能を有する光学フィルムおよびこれを用いた透過型液晶ディスプレイを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂からなる透明基材上に少なくともハードコート層を備える多層構造の光学フィルムであって、熱可塑性樹脂が、環状オレフィン重合体を少なくとも含み、透明基材とハードコート層の層間に透明基材とハードコート層の双方の構成材料が混在した中間層が存在することを特徴とする光学フィルムとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、窓やディスプレイなどの表面に設けられる光学フィルムに関し、より特定的には、反射防止機能を有する光学フィルムに関する。
一般にディスプレイは、室内外での使用を問わず、外光などが入射する環境下で使用される。この外光等の入射光は、ディスプレイ表面等において正反射されて反射像となる。反射像は、表示画像と重なり合うことにより、画面表示品質を低下させてしまう。そのため、ディスプレイ表面等に反射防止機能を付与することは必須である。例えば、反射防止機能を有する光学フィルムをディスプレイ表面に設けることにより、外光の反射を抑制することができ明所でのコントラストを向上させることができる。
一般に反射防止用の光学フィルムは、透明基材上に金属酸化物等の透明材料からなる高屈折率層と低屈折率層の繰り返しからなる多層構造の反射防止層を形成することで得られる。多層構造の反射防止層は、化学蒸着(CVD)法や、物理蒸着(PVD)法といった乾式成膜法により形成することができる。ただし、透明基材および各層は低複屈折であることが要求されるため使用可能な材料は限定的である。
乾式成膜法を用いて反射防止層を形成する場合にあっては、低屈折率層、高屈折率層の膜厚を精密に制御できるという利点がある一方、成膜を真空中で行うため、生産性が低く、大量生産に適していないという問題を抱えている。一方、反射防止層の形成方法として、大面積化、連続生産、低コスト化が可能である塗液を用いた湿式成膜法による反射防止膜の生産が注目されている。
また、光学フィルム自体が薄膜であることから、表面硬度を付与するために、一般にアクリル系材料を硬化して得られるハードコート層を設け、その上に次層を形成するという手法が用いられている。このハードコート層はアクリル系材料により形成され、高い表面硬度、光沢性、透明性、耐擦傷性を有する。この様な光学フィルムを付与することにより反射防止機能に加え、表面保護機能を付与することが同時に可能となる。
湿式成膜法によって反射防止層を形成する場合、電離放射線硬化型材料を硬化させて得られるハードコート層の上に少なくとも低屈折率材料を塗布することによって反射防止層を形成する。湿式成膜法では、乾式成膜法に比べ安価に製造できるメリットがあり、湿式成膜法で形成された光学フィルムは、市場に広く出まわっている。
特開2005−202389号公報 特開2005−199707号公報 特開平11−92750号公報 特開2007−121993号公報 特開2005−144849号公報 特開2006−159415号公報 特開2010−008863号公報 特開2010−085682号公報 国際公開第2010/038709号パンフレット
反射防止機能および表面保護機能を付与するために、光学フィルムは多層膜構造を有するが、光学特性に優れる環状オレフィンを基材に用いた場合、材料間の付着性が弱いことから層間の乖離が顕著となり、表面保護機能および反射防止機能を十分に発現することができないという課題がある。
それ故に、本発明は、表面保護機能および反射防止機能に優れた光学フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、熱可塑性樹脂からなる透明基材上に少なくともハードコート層を備える多層構造の光学フィルムに関するものであって、(A)熱可塑性樹脂が、環状オレフィン重合体を少なくとも含み、(B)透明基材とハードコート層の層間に透明基材とハードコート層の双方の構成材料が混在した中間層が存在し、透明基材、中間層、ハードコート層の層構成を備えることを特徴とする。
上記の光学フィルムは、透明基材上に少なくともハードコート層と、屈折率が1.25以上1.45未満の範囲である低屈折率層を順に備えていてもよい。
また、上記の光学フィルムは、ハードコート層と低屈折率層の間に、屈折率が1.50以上1.70未満の範囲である高屈折率層を備えていてもよい。
また、本発明に係る偏光板は、上記のいずれかの光学フィルムと、第1の偏光板を備える。
また、本発明に係る透過型液晶ディスプレイは、観察者側から順に、上記の偏光板と、液晶セルと、第2の偏光板と、バックライトユニットとをこの順に備え、偏光板の光学フィルム側に液晶セルを保持していることを特徴とする。
更に、本発明は、上記の光学フィルムの湿式製造方法であって、透明基材上に脂環式炭化水素を含むハードコート層形成用塗液を塗布する塗膜形成工程と、ハードコート層の塗膜を乾燥する工程と、ハードコート層の塗膜乾燥後に電離放射線を照射し硬膜し、ハードコート層を3μm以上10μm以下の厚さで形成する硬膜工程とを備える。。
本発明による光学フィルムにあっては、環状オレフィンを基材としつつ表面保護機能および反射防止機能を有する。前記光学フィルムを用いれば、低複屈折かつ反射防止、表面保護の機能を有する透過型液晶ディスプレイを得ることができる。
本発明の一実施形態に係る光学フィルムの断面模式図 本発明の一実施形態に係る光学フィルムの製造工程の概略図 本発明の一実施形態に係る光学フィルムを用いた反射防止性偏光板の断面模式図 本発明の一実施形態に係る光学フィルムを備える透過型液晶ディスプレイを示す断面模式図
図1に本発明の光学フィルム1の断面模式図を示す。
光学フィルム1は、透明基材11の少なくとも一方の面にハードコート層12が備え、更に、透明基材11とハードコート層13との間に中間層13が形成されている。光学フィルム1に必要とされる機能に応じて、ハードコート層12の上層に、高屈折率層14、低屈折率層15のいずれかの単層膜もしくはこれらを積層した多層膜が設けられていてもよい。
まず、透明基材11について述べる。
透明基材11として、環状オレフィンからなるフィルムを用いることができる。例えば、メタセシス反応による開環重合もしくはα-オレフィンとの付加共重合によって合成されたシクロオレフィンポリマーや各種のシクロオレフィンコポリマーを用いてよい。さらに、これらの有機高分子に公知の添加剤、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を添加することにより機能を付加させたものも使用できる。また、透明基材は上記の複数の層を積層させたものであってもよい。また、透明基材フィルムの厚みとしては、10μm以上120μm以下であることが好ましい。
次に、ハードコート層12について述べる。
ハードコート層12の形成材料は、電離放射線硬化型材料であるアクリル系材料を含んでいてもよい。多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコールおよびアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方およびそれらの単官能、多官能を含む化合物を示している。たとえば、「ウレタン(メタ)アクリレート」は「ウレタンアクリレートおよびウレタンメタアクリレート」の両方およびそれらの単官能、多官能を含む化合物を示している。
また、本発明の光学フィルム1において、形成されるハードコート層12の膜厚は3μm以上10μm以下であることが好ましく、その鉛筆硬度は、物理的な耐擦傷性を備えるために、H以上であることが好ましい。膜厚が薄すぎる場合は鉛筆硬度が未達となり、厚すぎる場合は硬化による内部応力によるフィルムの湾曲が顕著となる。
次に、中間層13について述べる。
中間層13は、環状オレフィンとハードコート層12の構成成分からなることを特徴とする。中間層の存在は、光学フィルム1の断面を走査型電子顕微鏡の反射電子像により観察した際に透明基材11やハードコート層12と異なる第三の層として確認できる。中間層13の厚みは0.1μm以上1μm以下であることが好ましい。
中間層13の特性は、環状オレフィンとハードコート層12の構成成分の混合比率によって変化する。したがって、透明基材11、ハードコート層12、中間層13の違いは、微小押し込み硬度測定(ナノインデーション)を用いることでも区別できる。一般的に環状オレフィンからなる透明基材の弾性率は50〜200MPa未満であり、ハードコート層は2000MPa以上の弾性率を有する。したがって、中間層13は少なくとも透明基材11以上の弾性率を有し、ハードコート層12の弾性率には及ばないという特徴を持つ。
透明基材11に環状オレフィンを用いた光学フィルム1にあっては、透明基材11とハードコート層22との屈折率差により、干渉ムラが発生しやすい。本発明の光学フィルム1にあっては、透明基材11とハードコート層12の層間に中間層13を有するため、屈折率差の上昇を抑えることができるため、好適に使用できる。また、中間層13を有することで、透明基材11とハードコート12と間の密着性が向上する。
次に、高屈折率層14について述べる。
高屈折率層14は、電離放射線硬化型材料であるアクリル系材料を含んでいてもよい。アクリル系材料に金属微粒子が添加されていてもよく、具体的な金属微粒子としては酸化ジルコニウム、五酸化アンチモン、酸化チタン、スズドープ酸化インジウム(ITO)アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、フッ化マグネシウム、シリカ等を用いることができる。このとき、アクリル系材料と金属微粒子の混合比率を変える事で任意の屈折率を選択することができる。
このとき光学フィルム1に十分な反射防止機能を発揮させるために、高屈折率層14の膜厚Dは、膜厚Dに高屈折率層14の屈折率Nをかけることによって得られる光学膜厚NDが可視光の波長の1/2と等しくなるように設計される。なお、本発明の高屈折率層14は、膜厚が100nm以上200nm以下であることが好ましく、その屈折率は589nmの光源を用いた際に1.50以上1.70以下であることが好ましい。この値の膜厚および屈折率とすることで光学フィルムの反射色をより色味の少ないものにできる。また、これらは高屈折率層形成塗液を塗布する湿式成膜法により形成される。
次に、低屈折率層15について述べる。
低屈折率層15は、内部に空隙を有する有機珪素材料を含み、低屈折率層形成塗液を塗布する湿式成膜法により形成される。このとき光学フィルム1に十分な反射防止機能を発揮させるために、低屈折率層15の膜厚dは、膜厚dに低屈折率層15の屈折率nをかけることによって得られる光学膜厚ndが可視光の波長の1/4と等しくなるように設計される。なお、低屈折率層15の膜厚は、50nm以上150nm以下であることが好ましい。
低屈折率層15に用いられる内部空隙は、平均径が20nm以上150nm以下であることが好ましい。平均径が150nmを超える場合、レイリー散乱によって光が著しく反射され、低屈折率層15が白化して光学フィルムの透明性が低下する傾向にある。一方、平均径が20nm未満の場合、屈折率の高い層構成となってしまい平均視感反射率の上昇に転じる。
低屈折率層15は、低屈折率層の589nmの光源に対する屈折率が1.25以上1.45未満の範囲であることが好ましい。低屈折率層15の屈折率を1.25以上1.45未満の範囲内とすることにより、光学フィルムに反射防止機能を付与することができる。低屈折率層15の屈折率が1.45を超える場合にあっては得られる光学フィルムが十分な反射防止機能を得られなくなってしまうことがある。一方、低屈折率層15の屈折率は低い方が好ましいが、1.25を下回るようにするには、内部の空隙の占有率を大幅に増加させる必要があり、強度の低下を招く要因となってしまう。
また、低屈折率層15表面の平均視感反射率が0.05%以上2.50%未満の範囲内であることが好ましい。平均視感反射率は、低屈折率層15表面の分光反射率曲線から求められる。本発明の光学フィルム1の分光反射率曲線は、光学フィルム1の低屈折率層15と反対側の面を黒色塗料で艶消し処理した後に行われ、入射角度は、低屈折率層15表面に対して垂直方向から5度に設定され、光源としてC光源を用い、2度視野の条件下で求められる。視感平均反射率は、可視光の各波長の反射率を比視感度により校正し、平均した反射率の値である。このとき、比視感度は明所視標準比視感度が用いられる。
以上の材料からなる低屈折率層15は湿式成膜法により塗布、塗膜化されることにより形成することができる。
また、本発明の光学フィルム1の全光線透過率が90.0%以上であることが好ましい。全光線透過率が90.0%に満たない光学フィルムにあって透過率が低下しすぎるために、ディスプレイ表面に設ける光学フィルムに適さなくなってしまう。
以下に光学フィルム1の形成方法を示す。
まず、ハードコート層形成用塗液を透明基材11上に塗布し、ハードコート層の塗膜を形成する。ハードコート層形成用塗液を、透明基材上に塗布するための塗工方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いた塗布方法を用いることができる。
ハードコート層形成塗液は、電離放射線硬化型材料であるアクリル系材料を含んでいてもよい。電離放射線硬化型材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコールおよびアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
また、ハードコート層形成用塗液は、光重合開始剤を含んでいてもよい。透明基材上にハードコート層形成用塗液を湿式成膜法により塗布し塗膜を形成した後、電離放射線として紫外線を用い、紫外線照射により塗膜を硬化する場合は、塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類等が挙げられる。また、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等を用いることができる。
また、ハードコート層形成用塗液にあっては、帯電防止剤を含んでいてもよい。帯電防止剤としては、四級アンモニウム塩または金属酸化物微粒子または導電性高分子を使用することができる。
また、ハードコート層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒が加えられる。溶媒を加えることにより、塗工適性を向上させることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、ヘキサデカン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−ブチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類、水等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。
より具体的には、少なくとも常温で液体である脂環式炭化水素が含まれていくことが好ましく、エチルシクロプロパン、メチルシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。これらの材料が含まれていることにより塗工時に透明基材の主成分である環状オレフィンが侵食される。これにより環状オレフィンとハードコートの構成材料が混在した中間層が形成される。
ハードコート層形成用塗液には、ハードコート層形成用塗液を塗布することによって形成される塗膜にハジキ、ムラといった塗膜欠陥が発生することを防止するために、表面調整剤と呼ばれる添加剤を加えても良い。表面調整剤は、その働きに応じて、レベリング剤、消泡剤、界面張力調整剤、表面張力調整剤とも呼ばれるが、いずれも形成される塗膜の表面張力を変化させる働きを有する。
また、ハードコート層形成用塗液においては、塗液中に先に述べた表面調整剤のほかにも、他の機能性添加剤を加えても良い。機能性添加剤としては、帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、密着性向上剤、硬化剤などを用いることができる。
次に、透明基材上に形成されたハードコート層塗膜を乾燥させることにより、塗膜中の溶媒は除去される。このとき乾燥手段としては、加熱、送風、熱風等を用いることができる。
次に、電離放射線を照射することにより、ハードコート層12を硬化させる。
電離放射線としては、紫外線、電子線を用いることができる。紫外線硬化の場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用できる。紫外線硬化においてはそのピーク照度が100〜500mW/cm2かつ積算光量が50〜800mJ/cm2であることが好ましい。紫外線硬化の場合は窒素置換雰囲気中で処理を行っても良く、ラジカル重合反応を主反応とする場合これにより酸素による硬化阻害を抑制することができる。また、電子線硬化の場合はコックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線が利用できる。電子線は、50〜1000keVのエネルギーを有するのが好ましい。100〜300keVのエネルギーを有する電子線がより好ましい。
次に高屈折率層14の形成方法を示す。
まず、高屈折率層形成用塗液をハードコート層12に塗布し、高屈折率層の塗膜を形成する。このときの塗工方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いた塗布方法を用いることができる。
高屈折率層形成用塗液としては、電離放射線硬化型材料であるアクリル系材料を含んでいてもよい。高屈折率層形成用塗液用のアクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコールおよびアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
また、高屈折率層形成用塗液は、光重合開始剤を含んでいてもよい。電離放射線として紫外線を用い、紫外線照射により塗膜を硬化させる場合、塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類等が挙げられる。また、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等を用いることができる。
高屈折率層形成用塗液には、アクリル系材料に金属微粒子が添加されていてもよく、具体的な金属微粒子としては酸化ジルコニウム、五酸化アンチモン、酸化チタン、スズドープ酸化インジウム(ITO)アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、フッ化マグネシウム、シリカ等を用いることができる。このとき、アクリル系材料と金属微粒子の混合比率を変える事で任意の屈折率を選択することができる。
また、アクリル系材料単独で高屈折率層形成用塗液を成しても良い。アクリル系材料単独で高い屈折率を実現するために、芳香環を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを使用することができる。
また、高屈折率層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒が加えられる。溶媒を加えることにより、塗工適性を向上させることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘキサデカンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−ブチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類、水等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。
次に、形成された高屈折率層塗膜を乾燥させることにより塗膜中の溶媒は除去される。このとき乾燥手段としては、加熱、送風、熱風等を用いることができる。
次に、電離放射線を照射することにより、高屈折率層を硬膜する。電離放射線としては、紫外線、電子線を用いることができる。塗液の特性に応じて使用する電離放射線を適宜選択することができる。紫外線硬化の場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用できる。紫外線硬化においてはそのピーク照度が100〜500mW/cm2かつ積算光量が50〜800mJ/cm2であることが好ましい。紫外線硬化の場合は窒素置換雰囲気中で処理を行っても良く、ラジカル重合反応を主反応とする場合これにより酸素による硬化阻害を抑制することができる。また、電子線硬化の場合はコックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線が利用できる。電子線は、50〜1000keVのエネルギーを有するのが好ましい。100〜300keVのエネルギーを有する電子線がより好ましい。
次に低屈折率層15の形成方法を示す。
まず、低屈折率層形成用塗液をハードコート層12もしくは高屈折率層14上に塗布し、低屈折率層の塗膜を形成する。このときの塗工方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いた塗布方法を用いることができる。
低屈折率層形成用塗液は、内部に20nm以上200nm以下の空隙を有するシリカ粒子とアクリル系材料とを含む。内部に空隙を有するシリカ粒子にあっては、空隙の部分を空気の屈折率(≒1)とすることができるため、非常に低い屈折率を備える低屈折率粒子とすることができる。内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子としては、多孔質シリカ粒子やシェル(殻)構造のシリカ粒子を用いることができる。
低屈折率層形成用塗液に用いられる具体的なアクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコールおよびアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
また、高屈折率層形成用塗液は、光重合開始剤を含んでいてもよい。電離放射線として紫外線を用い、紫外線照射により塗膜を硬化する場合は、塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類等が挙げられる。また、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等を用いることができる。
また、低屈折率層形成用塗液に任意の溶剤を加えることができる。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、フルオロエーテル、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−ブチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。この他に添加物として表面調整剤を用いても良い。表面調整剤は、その働きに応じて、レベリング剤、消泡剤、界面張力調整剤、表面張力調整剤とも呼ばれるが、いずれも形成される塗膜の表面張力の制御が可能となる。
以上の材料を調整して得られる低屈折率層形成用塗液を湿式成膜法により透明基材上に塗布し、塗膜を形成し、低屈折率層を形成することができる。バインダマトリックス形成材料として電離放射線硬化型材料を用いる場合は、必要に応じて塗膜の乾燥を行ったあとに、電離放射線を照射することにより、低屈折率層を形成することができる。電離放射線としては、紫外線、電子線を用いることができる。塗液の特性に応じて、使用する電離放射線を適宜選択することができる。紫外線硬化の場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用できる。紫外線硬化においてはそのピーク照度が100〜500mW/cm2かつ積算光量が50〜800mJ/cm2であることが好ましい。紫外線硬化の場合は窒素置換雰囲気中で処理を行っても良く、ラジカル重合反応を主反応とする場合これにより酸素による硬化阻害を抑制することができる。また、電子線硬化の場合はコックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線が利用できる。電子線は、50〜1000keVのエネルギーを有するのが好ましい。100〜300keVのエネルギーを有する電子線がより好ましい。
図2に、本発明の一実施形態に係る光学フィルムの製造工程の概略図を示す。本発明の光学フィルムはロール・ツー・ロール方式により連続形成される。巻き取られているウェブ状の透明基材を巻き出し部31から巻き取り部32まで連続走行させる。このとき、透明基材11を塗布ユニット21(塗布工程)、加熱・乾燥ユニット22(加熱・乾燥工程)、電離放射線照射ユニット23(硬膜工程)を通過させることにより、透明基材11上にハードコート層12が連続形成される。その後、高屈折率層14、低屈折率層(15)についても同様に、塗布から硬膜までのユニットを通過させることにより、ハードコート層12上に高屈折率層14および低屈折率層15を形成し、光学フィルム(1)を製造することができる。ハードコート層を形成した段階でロールに巻き取り、低屈折率層形成時に再度、ロール・ツー・ロール方式で低屈折率層を形成しても良いし、ハードコート層形成後、引き続き連続して、低屈折率層を形成してからロールに巻き取るようにしても良い。
以上により、本発明の光学フィルムを得ることができる。
次に、本発明の光学フィルム(1)を用いた反射防止性偏光板(510)について説明する。
図3に、本発明の一実施形態に係る光学フィルムを用いた反射防止性偏光板の断面模式図を示す。図3の反射防止性偏光板510は、第1の透明基材11の一方の面にハードコート層12と、低屈折率層13を順に備えている光学フィルム1と、第1の透明基剤11の他方面側(低屈折率層非形成面側)に、第1の偏光層53と、第3の透明基材52とを順に備える。
本発明の実施の形態に係る光学フィルム1は、ディスプレイ部材、画像装置の一部として用いることができる。
次に、本発明の光学フィルムを用いた透過型液晶ディスプレイの構成について説明する。
図4に本発明の一実施形態に係る光学フィルムを用いた透過型液晶ディスプレイを示す。図4(a)の透過型液晶ディスプレイは、本発明の光学フィルム1を第1の偏光板50の一方面に貼り合わせてなる反射防止性偏光板500と、液晶セル60と、第2の偏光板70と、バックライトユニット80とをこの順に備えている。光学フィルム1側が観察側、すなわちディスプレイ表面側となる。
図4(a)の例では、光学フィルム1の透明基材11と第1の偏光板50の透明基材を別々に備える透過型液晶ディスプレイとなっている。
バックライトユニット80は、光源と光拡散板とを備える。液晶セル60は、一方の透明基材に電極が設けられ、もう一方の透明基材に電極およびカラーフィルターを備えており、両電極間に液晶が封入された構造となっている。液晶セル60を挟むように、第1の偏光板50および第2の偏光板70が設けられている。第1の偏光板50は、第2の透明基材51および第3の透明基材52の間に第1の偏光層53が狭持された構造を有する。同様に、第2の偏光板70は、第4の透明基材71および第5の透明基材72の間に第2の偏光層73が狭持された構造を有する。
また、図4(b)の透過型液晶ディスプレイは、透明基材11の一方の面に低屈折率層13を備えた光学フィルム1を有する反射防止性偏光板510と、液晶セル60と、第2の偏光板70と、バックライトユニット80とをこの順に備える。反射防止性偏光板510は、光学フィルム1の低屈折率層非形成面に、第1の偏光層53および第3の透明基材52を順に設けた構造を有する。光学フィルム1の低屈折率層13側が観察側、すなわちディスプレイ表面となる。
図4(b)の例では、光学フィルム1の低屈折率層非形成面側に設けられた第1の偏光層53および第3の透明基材52が、第1の偏光板として機能する。
図4(b)の例でも、図4(a)と同様に、バックライトユニット80は、光源と光拡散板を備える。液晶セルは、一方の透明基材に電極が設けられ、もう一方の透明基材に電極およびカラーフィルターを備えており、両電極間に液晶が封入された構造となっている。液晶セル60を挟むように、第1の偏光板50および第2の偏光板70が設けられている。第1の偏光板50は、第2の透明基材51および第3の透明基材52の間に第1の偏光層53が狭持された構造を有する。同様に、第2の偏光板70は、第4の透明基材71および第5の透明基材72の間に第2の偏光層73が狭持された構造を有する。
また、本発明の透過型液晶ディスプレイは、他の機能性部材を備えても良い。他の機能性部材としては、例えば、バックライトから発せられる光を有効に使うための、拡散フィルム、プリズムシート、輝度向上フィルムや、液晶セルや偏光板の位相差を補償するための位相差フィルムが挙げられるが、本発明の透過型液晶ディスプレイはこれらを用いたものに限定されるものではない。
以上により、本発明の光学フィルムを用いた、透過型液晶ディスプレイが製造される。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
透明基材として、ゼオノアフィルム(日本ゼオン製、厚さ60μm、屈折率1.53)を用意した。
(実施例に係るハードコート層形成用塗液の調液例)
・ウレタンアクリレート(共栄社化学社製 商品名:UA306I) 100重量部
・光重合開始剤(BASF社製 商品名:イルガキュア184) 10重量部
これらをエチルシクロヘキサンとメチルエチルケトンの混合溶媒(混合比4:6)で固形分が50%になるように溶解してハードコート層形成用塗液を調製した。
(比較例に係るハードコート層形成用塗液)
・ウレタンアクリレート(共栄社化学製 商品名:UA306I) 100重量部
・光重合開始剤(BASF社製 商品名:イルガキュア184) 10重量部
これらを用い、これをメチルエチルケトンに固形分が50%になるように溶解してハードコート層形成用塗液を調製した。
(高屈折率層用塗液)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 100重量部
・酸化ジルコニウム分散液(ソーラー社製 商品名:NANON5) 500重量部
・光重合開始剤(BASF社製 商品名:イルガキュア184) 10重量部
これらを、メチルエチルケトンに固形分が10%になるように溶解して高屈折率層形成用塗液を調製した。
(低屈折率層用塗液)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 100重量部
・内部に空隙を有する低屈折率シリカ微粒子分散液
(一次粒子径30nm/固形分20wt%/メチルエチルケトン分散) 500重量部
・光重合開始剤(BASF社製 商品名:イルガキュア184) 10重量部
これらを、メチルエチルケトンに固形分が10%になるように溶解して低屈折率層形成用塗液を調製した。
(実施例)
ゼオノアフィルム(膜厚60μm)の片面に、上記の実施例に係るハードコート層形成用塗液を塗布し、40℃のオーブン内で60秒間乾燥させた。乾燥後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/cm2で紫外線照射を行うことにより乾燥膜厚5μmの透明なハードコート層を形成した。
次に、ハードコート層の上層に、高屈折率層および低屈折率層を形成した。
まず、高屈折率層は、ハードコート層の上に、高屈折率層形成用塗液を塗布し、40℃のオーブン内で60秒間乾燥させた。乾燥後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/cm2で紫外線照射を行うことにより乾燥膜厚155nmの透明な高屈折率層を形成した。
次に、低屈折率層形成用塗液を、乾燥後の膜厚が100nmとなるように、高屈折率層上に塗布した。オーブン内で乾燥処理を40℃、60秒の条件下で行った。乾燥処理の後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量192mJ/cm2で紫外線照射を行って硬膜させて低屈折率層を形成した。
以上の工程を得て、実施例に係る光学フィルムを得た。
(比較例)
ハードコート層形成用塗液として、上記の比較例に係るハードコート層形成用塗液を用いた他は、実施例と同様にして、比較例に係る光学フィルムを得た。
尚、実施例および比較例に係る高屈折率層の屈折率を反射分光膜厚計(大塚電子社製 FE−3000)にて測定したところ、589nmの波長の光に対して、いずれも1.62であった。また、実施例および比較例に係る低屈折率層の屈折率を反射分光膜厚計(大塚電子社製 FE−3000)にて測定したところ、589nmの波長の光に対して、いずれも1.38であった。
実施例および比較例に係る光学フィルムについて、以下の測定・評価を行った。
「断面観察」
得られた光学フィルムの断面を電子顕微鏡を用いて観察した。実施例1の光学フィルムでは中間層が確認されなかった。実施例2の光学フィルムでは530nmの厚みの中間層が確認できた。
「視感平均反射率」
得られた光学フィルムの低屈折率層形成面と反対側の面を黒色艶消しスプレーにより黒色に塗装した。塗装後、自動分光光度計(日立製作所社製、U−4000)を用いて、低屈折率層形成面について、C光源、2度視野の条件下での入射角5°における分光反射率から平均視感反射率(Y%)を算出した。また、比視感度は明所視標準比視感度を用いた。
「ヘイズ(H)、平行光線透過率の測定」
得られた光学フィルムについて、写像性測定器(日本電色工業社製、NDH−2000)を使用してヘイズ(H)、平行光線透過率を測定した。
「付着性試験」
得られた光学フィルムの付着性をJIS−K5400に準拠して碁盤目テープ法を用いて測定を行った。
「色ムラ干渉縞の確認」
得られた光学フィルム裏面をスプレーインクで黒塗りし、塗工面の状態を目視で確認を行なった。目視で確認した評価は次のようになる。
○:色ムラ、干渉縞は確認されなかった。
×:色ムラ、干渉縞が確認された。
表1に得られた光学フィルムの視感平均反射率、ヘイズ、平行光線透過率、表面抵抗値、付着性、色ムラ干渉縞の評価結果を示す。
Figure 2013205634
実施例で得られた光学フィルムにあっては、環状オレフィンを基材としつつ表面保護機能および反射防止機能に優れた光学フィルムを提供することができた。
本発明の光学フィルムは、窓やディスプレイなどの光学フィルムの他、拡散フィルム、プリズムシート、輝度向上フィルム、タッチパネル、液晶セル、偏光板の光学特性を補償するための部材やレンズ、プリズム素子、発光ダイオード、フォトダイオード、CCD、照明機器など、反射を防止すべき部材全てに適用できる。ディスプレイの用途では、液晶ディスプレイ(LCD)、CRTディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などのディスプレイの表面に設けられる光学フィルムとして好適であり、特に、LCD、さらには、透過型LCD表面に設けられる光学フィルムとして有用である。
1 光学フィルム
11 透明基材(第1の透明基材)
12 ハードコート層
13 中間層
14 高屈折率層
15 低屈折率層
21 塗布工程
22 加熱・乾燥工程
23 硬膜工程
31 巻き出し部
32 巻き取り部
50 第1の偏光板
51 第2の透明基材
52 第3の透明基材
53 第1の偏光層
60 液晶セル
70 第2の偏光板
71 第4の透明基材
72 第5の透明基材
73 第2の偏光層
80 バックライトユニット
500 反射防止性偏光板
510 反射防止性偏光板

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂からなる透明基材上に少なくともハードコート層を備える多層構造の光学フィルムであって、
    (A)前記熱可塑性樹脂が、環状オレフィン重合体を少なくとも含み、
    (B)前記透明基材と前記ハードコート層の層間に、前記透明基材と前記ハードコート層の双方の構成材料が混在した中間層が存在し、前記透明基材、前記中間層、前記ハードコート層の層構成を備えることを特徴とする、光学フィルム。
  2. 請求項1に記載の光学フィルムであって、前記透明基材上に少なくとも前記ハードコート層と、屈折率が1.25以上1.45未満の範囲である低屈折率層とを順に備える、光学フィルム。
  3. 請求項2に記載の光学フィルムであって、前記ハードコート層と前記低屈折率層の間に、屈折率が1.50以上1.70未満の範囲である高屈折率層を備える、光学フィルム。
  4. 偏光板であって、
    請求項2および3に記載の光学フィルムと、
    第1の偏光板とを備えたことを特徴とする、偏光板。
  5. 透過型液晶ディスプレイであって、
    観察者側から順に、
    請求項4に記載の偏光板と、
    液晶セルと、
    第2の偏光板と、
    バックライトユニットとを備え、
    前記偏光板の光学フィルム側に液晶セルを保持していることを特徴とする、透過型液晶ディスプレイ。
  6. 前記請求項1から3に記載のフィルムの湿式製造方法であって、
    前記透明基材上に脂環式炭化水素を含むハードコート層形成用塗液を塗布する塗膜形成工程と、
    前記ハードコート層の塗膜を乾燥させる工程と、
    前記ハードコート層の塗膜乾燥後に電離放射線を照射して硬膜し、ハードコート層を3μm以上10μm以下の厚さで形成する硬膜工程とを備える、光学フィルムの製造方法。
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