JP2011215552A - 光学積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性材料の安定性が良好であり、と基材密着性に優れたハードコート層と反射防止層を備え、干渉縞の発生を抑え、帯電防止性、透明性に優れる光学積層体を提供する。
【解決手段】透明基材の少なくとも片面に、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に有する多官能性モノマーを含有する電離放射線硬化型樹脂と、ATO、ITO、Sb、TiO、ZnO、Ceの金属酸化物粒子のうち少なくとも1種類以上を含有する導電性材料に、透明基材を溶解または膨潤させる一種類以上の溶剤1と、導電性材料が安定に分散される溶剤2と、さらに塗膜ムラを改善するレオロジーコントロール剤により混合調液された塗布液を用いて形成されるハードコート層と、低屈折率層を順次積層されていることを特徴とする光学積層体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、優れたハードコート層と反射防止層を備え、干渉縞の発生を抑え、帯電防止性、透明性、密着性及び平滑性に優れる光学積層体に関するものである。
LCDやCRT、プラズマデイスプレイパネル等の一般のディスプレイは、室内外での使用を問わず、外光などが入射する環境下で使用される。この外光等の入射光は、ディスプレイ表面等において正反射され、それによる反射像が表示画像と混合することにより、画面表示品質を低下させてしまう。そのため、ディスプレイ表面等に反射防止機能を付与することは必須であり、反射防止機能の高性能化、反射防止機能以外の機能の複合化が求められている。
一般に反射防止機能は、透明基材上に金属酸化物等の透明材料からなる高屈折率層と低屈折率層の繰り返し構造による多層構造の反射防止層を形成することで得られる。これらの多層構造からなる反射防止層は、化学蒸着(CVD)法や、物理蒸着(PVD)法といった乾式成膜法により形成することができる。乾式成膜法を用いて反射防止層を形成する場合にあっては、低屈折率層、高屈折率層の膜厚を精密に制御できるという利点がある一方、成膜を真空中でおこなうため、生産性が低く、大量生産に適していないという問題を抱えている。一方、反射防止層の形成方法として、大面積化、連続生産、低コスト化が可能である塗液を用いた湿式成膜法による反射防止膜の生産が注目されている。
また、これらの反射防止層がフィルム透明基材上に設けられている場合には、その表面が比較的柔軟であることから、表面硬度を付与するために、一般にアクリル多官能化合物の重合体からなるハードコート層を設け、その上に反射防止層を形成するという手法が用いられている。このハードコート層はアクリル樹脂の特性により、高い表面硬度、光沢性、透明性、耐擦傷性を有するが、絶縁性が高いために帯電しやすく、ハードコート層を設けた製品表面への埃等の付着による汚れや、ディスプレイ製造工程において、帯電することにより障害が発生するといった問題を抱えている。
そこでこれらの問題点を改良するために各種導電性材料を添加することが行われているが、導電性材料を添加することで基材とハードコートの屈折率差が生じ、干渉縞が発生してやすくなってしまう。
これまでにいくつかの発明がなされているが、まず、基材とハードコート層の屈折率差を少なくする為に、基材とハードコート層の間に中間層を設ける方式(特許文献1参照)では干渉縞が低減するだけに過ぎず、完全に消失するわけではない。
さらに、基材を溶解または膨潤させる溶剤を含む樹脂を用いてハードコート層を基材に塗布することによってハードコート層を形成することを特徴とする光学フィルム(特許文献3参照)も提案されているが、基材を溶解または膨潤させる溶剤はおもに導電性材料(特に金属酸化微粒子)の分散を阻害するものであることが多く、干渉縞のない導電性ハードコート層の作製は困難である。
これらの課題を解決する手段として、基材を溶解または膨潤させる溶剤と導電性材料が安定に分散される溶剤を組み合わせることを特徴とするハードコートフィルムも提案されている。(特許文献4参照)
しかしながら、この発明はハードコート層についての記載が主であり、反射防止フィルムとしての記載が十分ではない。
先に述べたように、反射防止フィルムとしての機能を発現するためには、ハードコート層上に反射防止層を積層する必要があり、そのためにはハードコート層の塗膜平滑性(レベリング性)と反射防止層との密着性の両立が必要で有る。このようにハードコート層上に低屈折率層を積層するためには、ハードコート層のレベリング剤としてはリコート性に優れたものを用いる必要が有り、このような用途としては、一般的にいわゆるアクリル樹脂系レベリング剤が使用されることが多い。しかしながら、アクリル樹脂系レベリング剤は十分な塗膜レベリング性を有しているものが少なく、塗工スジ、乾燥ムラなどの塗膜面性悪化が発生することが多い。
このことは、溶剤を用いたウェットコーティング方式では、生産性は有利ではあるが、塗布直後の溶剤乾燥を一定に保つことが容易でないことから、塗布後のレベリング不良に起因する塗布スジや、溶剤乾燥速度差に起因する乾燥ムラ、乾燥風で引き起こされる厚みムラである風ムラ、装置起因、基材搬送に伴う振動ムラ、などに挙げられる面状ムラが生じやすいこととなる。
そこで、この均一な膜を形成しつつ、ムラを防止するための一手段として、塗布液の粘度を高めて流動防止する方法が考えられる。塗布液の粘度を上昇させるためにはポリマー等の増粘剤を添加することが知られているが、単に塗布液の粘度を高めることは、レベリング性を悪化させ、塗布時にスジが発生することにつながる。乾燥時のムラ発生も、塗布時のスジ発生も防止する手段として、チキソトロピー性をもつ添加剤を加えることにより、塗布液にチキソトロピー性を付与する方法が考えられる(非特許文献1)。
このチキソトロピー性の制御、つまりレオロジーコントロール剤を添加することで、ハードコート層表面の、乾燥あるいは振動によるスジ・ムラの発生を抑えつつ、反射防止層との密着性を両立させることが可能となる。
本明細書中では、チキソトロピー性とは、高せん断速度下では低粘度、低せん断速度下では高粘度となる性質のことをいう。
特開2000−111760号公報 特開2003−39586号公報 特開2003−205563号公報 特開2006−35493号公報 特開平8−325491号公報 特開2001−233611号公報 特開平7−133105号公報 特開2002−79616号公報 特開2006−106714号公報
粘度制御技術、技術情報協会、1999年、101−115ページ、272−293ページ。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、優れたハードコート層と反射防止層を備え、干渉縞の発生を抑え、塗膜表面にムラ・スジ等が無く、かつ、帯電防止性、透明性、密着性及び塗布により面状ムラのない均一性に優れる光学積層体を提供するものである。
前記課題は、以下の手段によって解決できる。すなわち、請求項1に係る発明は、透明基材の少なくとも片面に、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に有する多官能性モノマーを含有する電離放射線硬化型樹脂と、ATO、ITO、Sb、TiO、ZnO、Ceの金属酸化物粒子のうち少なくとも1種類以上を含有する導電性材料に、透明基材を溶解または膨潤させる一種類以上の溶剤1と、導電性材料が安定に分散される溶剤2と、さらに塗膜ムラを改善するレオロジーコントロール剤、により混合調液された塗布液を用いて形成されるハードコート層と、低屈折率層を順次積層されていることを特徴とする光学積層体である。
また、請求項2に係る発明は、前記ハードコート層において、レオロジーコントロール剤が、ポリカルボン酸アマイド、または変性ウレア樹脂からなり、電離放射線硬化型樹脂が99重量部から99.9重量部の範囲内に対し、レオロジーコントロール剤が1重量部から0.1重量部の範囲内で含むことを特徴とする請求項1記載の光学積層体である。
また、請求項3に係る発明は、前記ハードコート層において、電離放射線硬化型樹脂が、ウレタン(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマーからなり、電離放射線硬化型樹脂が90重量部から99重量部の範囲内に対し、導電性材料が10重量部から1重量部の範囲内で含むことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の光学積層体である。
また、請求項4に係る発明は、前記溶剤1が、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセトン、シクロヘキサノンのうち少なくとも1種類と、
前記溶剤2が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ペンタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、セロソルブのうち少なくとも1種類を含んでおり、前記溶剤1が60重量部から95重量部の範囲内であり、前記溶剤2が40重量部から5重量部の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光学積層体である。
また、請求項5に係る発明は、前記低屈折率層が、少なくとも1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能性モノマーと、低屈折率微粒子を含有しており、低屈折率層の屈折率が1.3以上1.5以下の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光学積層体である。
また、請求項6に係る発明は、前記透明基材が、セルロース系フィルムであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学積層体である。
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光学積層体と、当該光学積層体の低屈折率層非形成面に第1の偏光板を備えたことを特徴とする反射防止性偏光板である。
また、請求項8に係る発明は、観察者側から順に、請求項7に記載の反射防止性偏光板と、液晶セル、第2の偏光板、バックライトユニットをこの順に備え、前記反射防止性偏光板の低屈折率層非形成面側に液晶セルを保持していることを特徴とする透過型液晶ディスプレイである。
従来のハードコート剤は、レベリング剤により塗膜平滑性を付与させているが、低反射層を積層するうえでは使用可能なレベリング剤が限定される。そこで、レベリング剤以外の塗膜平滑性向上させる手段として、レオロジーコントロール剤を用いることで塗膜平滑性の向上、低反射層との密着性が優れた光学積層体を提供できる。
レオロジーコントロール剤を用いることにより、フィルム塗工時あるいは塗工後搬送時の塗膜粘度を制御できることから、塗工時の基材に対する振動・乾燥ムラの影響を減少されることができ、つまり塗膜平滑性を向上させることができる。
本発明の一実施例の光学積層体の断面模式図である。 本発明の一実施例の光学積層体を備えた反射防止性偏光板である。 本発明の一実施例の反射防止フィルムを備える透過型液晶ディスプレイである。
以下、本発明の一実施例の図面を参照して光学積層体について説明する。
図1に、本発明の光学積層体の構成の一例とする断面図を示す。
本発明の一実施例としての光学積層体は、透明基材(11)の少なくとも片面に、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能性モノマーを主成分とする電離放射線硬化型樹脂(121)と導電性材料(122)を主成分とするハードコート層(12)、低屈折率層(13)を順次積層した積層体であって、前記ハードコート層(12)が、透明基材(11)を溶解または膨潤させる一種類以上の溶剤1及び導電性材料(122)が安定に分散される溶剤2を含む塗布液を用いて形成される。
さらに低屈折率層(13)が1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能性モノマーを主成分とした低屈折率層形成用樹脂(131)とすることで、優れたハードコート層(12)と低屈折率層(13)を備え、干渉縞の発生を抑え、帯電防止性、透明性及び密着性に優れる光学積層体(1)である。
本発明で用いられる透明基材(11)としては、トリアセチルセルロースフィルム等のセルロース系フィルムが用いられる。複屈折が少なく、透明性、屈折率、分散などの光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性の点に優れており、更に溶剤によって容易に溶解または膨潤する為、本発明においては他のフィルムよりも好ましい。
前記透明基材(11)には、各種安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等が添加されていても良い。また、透明基材の厚さは特に限定されるものではないが、20μm以上200μm以下が好ましい。さらにトリアセチルセルロースフィルムである場合には、38μm以上80μm以下が好ましい。
本発明で用いられる電離放射線硬化型樹脂(121)とは、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂も包含するものであって、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能性モノマーを主成分とする。
多官能性モノマーとしては、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスβ‐(メタ)アクリロイルオキシプロピネート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2,3‐ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル[2.2.1]ヘプタン、ポリ1,2−ブタジエンジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルヘキサン、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカンエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、10−デカンジオール(メタ)アクリレート、3,8−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.10]デカン、水素添加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバリンサンエステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、エポキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。多官能モノマーは、単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。また、必要で有れば単官能モノマーと併用して共重合させることもできる。
また、本発明にて好ましい多官能性モノマーとしてウレタンアクリレートも挙げられ、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に水酸基を有するアクリレートモノマーを反応させ容易に形成されるものを挙げることができる。
具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどを用いることができる。また、これらの単量体は、1種または2種以上を混合して使用することができる。また、これらは塗液においてモノマーであってもよいし、一部が重合したオリゴマーであってもかまわない。
光重合開始剤としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、p−クロロベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、アセトフェノン、2−クロロチオキサントン等が挙げられる。これらを単独、もしくは2種類以上合わせて用いても良い。
光増感剤としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール等の3級アミン、トリフェニルホスフィン等のアルキルフォスフィン系、β−チオジグリコール等のチオエーテル系をあげることが出来、これらを1種類あるいは2種類以上を混合して使用することもできる。
さらに、性能改良のため、泡消剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤等を含有することもできる。
導電性材料(122)としては、ATO(酸化アンチモン/酸化スズ)、ITO(酸化インジウム/酸化スズ)、Sb、TiO、ZnO、Ce等の金属酸化物微粒子が挙げられる。その中でも導電性に優れたATO微粒子の使用が望ましい。
本発明の光学積層体におけるハードコート層(4)は、電離放射線硬化型樹脂(121)は、90重量部から99重量部に対し、導電性材料(122)は、10重量部から1重量部の範囲が好ましい。
ハードコート層における導電性材料が1重量部以下であると、十分な導電性を発現せず、10重量部以上であると金属酸化物微粒子による着色、光学散乱が発生してしまい、光学積層体としての十分な機能を発現しなくなる。
本発明のレオロジーコントロール剤とは、塗布液をフィルム基材上にコーティングする際の高剪断力が作用するときには低い粘度特性を示すことで良好な塗工性を示し、フィルムコーティング後の静止状態では高い粘度特性を示すことで乾燥あるいは振動などに起因する面状ムラが発生しにくい特性を付与することを目的とする。
レオロジーコントロール剤としては、例えばエチルセルロースやポリアクリル酸などの前記の粘度特性を付与しうる適宜なものを用いることができる。このような高分子タイプのレオロジーコントロール剤としては、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオネート、ポリビニルブチレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルプロパナール、ポリビニルヘキサナール、ポリビニルピロリドン、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどが挙げられる。
この他にも、スメクタイト、フッ素四珪素雲母、ベントナイト、シリカ、モンモリロナイト及びポリアクリル酸ソーダ、有機粘土、ポリエチレンワックス、など、公知の粘度調整剤やチキソトロピー性付与剤が挙げられる。(特許文献5参照)
本発明において特に好ましいのは、塗布液との相溶性の高いポリカルボン酸アマイド、変性ウレア樹脂系レオロジーコントロール剤が好ましい。具体的には、ターレンシリーズ(共栄社化学株式会社)、BYK−405、BYK−410、BYK−411(ビックケミー株式会社)などが挙げられる。
レオロジーコントロール剤の配合量は、塗布液の粘度特性などに応じて適宜に決定しうるが、一般には塗工性、塗膜平滑性などの点より放射線硬化型樹脂100重量部あたり、0.1〜10重量部、特に1〜5重量部が好ましい。
本発明の粘度については10.0[mPa・sec]以下であることが好ましく、更に好ましくは5.0[mPa・sec]以下である。塗布液によってはせん断速度により粘度が変化するため、上記の値は塗布される瞬間のせん断速度における粘度を示している。塗布液にレオロジーコントロール剤を添加して、高せん断のかかる塗布時は粘度が低く、塗布液にせん断が殆どかからない乾燥時は粘度が高くなると乾燥時のムラが発生しにくくなり好ましい。
ハードコート層(12)の形成方法としては、ウェットコーティング法とされる、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等などにより透明基材の少なくとも片面に塗布することにより形成することができる。特に薄く、均一に層を形成する必要性があることより、マイクログラビアコーティング法を用いることが好ましい。また、厚い層を構成する必要が生じた場合には、ダイコーティング法を用いることも可能である。どちらの塗布方法もコーティングの際に高せん断速度がかかる方式である。
ハードコート層(12)を形成する際の硬化方法としては、例えば、紫外線照射、加熱等を用いることができる。紫外線照射の場合、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ等を使用することができる。紫外線照射量は、通常100mJ/cm以上800mJ/cm以下である。
また、ハードコート層の膜厚は3μm以上あれば十分な強度となるが、塗工精度、取扱いから5μm以上10μm以下の範囲が好ましい。10μm以上では硬化収縮による基材の反り、ゆがみ、基材折れが発生してしまうためである。さらに、膜厚としては、5μm以上7μm以下の範囲であるとハードコート層としては非常に好ましい。
本発明における溶剤1としては、セルロース系フィルム表面を溶解または膨潤させる溶剤として、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、またアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらにメチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類が挙げられる。これらを単独、もしくは2種類以上合わせて用いても良い。また、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセトン、シクロヘキサノンのうち少なくとも1種類を用いることが好ましい。
本発明における溶剤2としては、金属酸化物微粒子の凝集等を起こすことなく安定した塗液状態を維持することを目的としており、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール類、またメチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、さらにメチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類が挙げられる。これらを単独、もしくは2種類以上合わせて用いても良い。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ペンタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、セロソルブのうち少なくとも1種類を用いることが好ましい。
これら溶剤1及び溶剤2は、溶剤1は60重量部から95重量部及び、溶剤2は40重量部から5重量部であり、溶剤1と溶剤2を合わせた時に100重量部となるように調液することが好ましい。
溶剤1が60重量部以下であると、セルロース系フィルム表面を溶解・膨潤させるのに十分でなく、ハードコート層の密着性低下を引き起こしてしまう。一方、溶剤1が95重量部以上であると、導電性材料が塗液中にて不安定になってしまい、微粒子の凝集等の不具合がおこってしまう。
本発明の光学積層体(1)は、低屈折率層(13)を有しており、ハードコート層(12)の上に形成される。これによって光学積層体における反射防止機能等の光学特性を良好なものとすることができる。
低屈折率層(13)は、ハードコート層(12)よりも低い屈折率を有するものが好ましい。本発明の好ましい形態としては、ハードコート層の屈折率が1.5以上であり、低屈折率層の屈折率が1.5未満であり、より好ましくは1.45以下、更に好ましくは1.35以下である。屈折率が1.5以上であると低屈折率層(13)とハードコート層(12)の屈折率差が小さいために反射が高くなってしまうことから、屈折率は低い方が望ましい。
低屈折率層における低屈折率粒子(132)として、空隙を有する微粒子を利用することが挙げられ、空隙を有する微粒子とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子である。
また、微粒子の形態、構造、凝集状態、被膜内部での微粒子の分散状態により、内部、及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。この微粒子を使用した低屈折率層は、屈折率を1.30以上1.45以下に調節することが可能である。
このような空隙を有する無機系の微粒子としては、例えば、特許文献6に記載された方法によって調製された中空シリカ微粒子を挙げることができる。また、特許文献7、特許文献8、特許文献9に記載された製法によって得られる中空シリカ微粒子であってもよい。
空隙を有する中空シリカ微粒子は製造が容易でそれ自身の硬度が高いため、バインダーと混合して低屈折率層を形成した際、その層強度が向上され、かつ、屈折率を1.20以上1.45以下程度の範囲内に調整することを可能とする。
中空シリカ微粒子の平均粒子径は、5nm以上300nm以下であることが好ましく、下限が8nmであり上限が100nmであることがより好ましく、下限が10nmであり上限が80nmであることが更に好ましい。
微粒子の平均粒子径がこの範囲内にあることにより、低屈折率層に優れた透明性を付与することが可能となる。中空シリカ微粒子は、前記低屈折率層中にマトリックス樹脂100重量部に対して、通常0.1重量部以上500重量部以下、好ましくは10重量部以上200重量部以下とするのが好ましい。
低屈折率層の形成にあっては、低屈折率層形成用樹脂(131)として1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能性モノマー、中空シリカ微粒子、及び必要に応じて添加剤(重合開始剤、帯電防止剤、防眩剤等)を溶剤に溶解又は分散してなる溶液又は分散液を低屈折率層形成用組成物として用い、前記組成物による塗膜を形成し、紫外線照射あるいは加熱等により硬化させることで低屈折率層を得ることができる。なお、重合開始剤、帯電防止剤、防眩剤等の添加剤は公知のものを使用することができる。
前記低屈折率層形成用樹脂の1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能性モノマーとしては、ハードコート層形成時に用いる電離放射線硬化型樹脂にて記載している樹脂等を使用することができる。
低屈折率層(13)は、通常、揮発性溶媒に希釈して塗布される。希釈溶媒として用いられるものは、組成物の安定性、ハードコート層に対する濡れ性、揮発性などを考慮して、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらを単独、もしくは2種類以上合わせて用いても良い。中でも、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、PGME、PGMEAが好ましい。また、組成物の調製方法は、成分を均一に混合できれば良く、公知の方法に従って実施すれば良く、公知の装置を使用して混合分散することができる。
低屈折率層は、前述したウェットコーティング法により表面処理を行ったハードコート層上に塗工され、加熱乾燥により塗膜中の溶媒を揮発させ、その後、加熱、紫外線照射、電子線照射等を行い塗膜を硬化させる。また、低屈折率層の形成は、前記ハードコート層の形成方法と同様にマイクログラビア法を用いると好ましい。
なお、低屈折率層を形成する時の膜厚(nm)dAは、
式(1):dA=mλ/(4nA)・・・(1)
(式(1)中、nAは低屈折率層の屈折率を表し、mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)を満たすものが好ましい。
図2に本発明の光学積層体(1)を用いた反射防止性偏光板(210)について説明する。
図2の反射防止性偏光板(210)においては、第1の透明基材(11)の一方の面にハードコート層(12)と、低屈折率層(13)が順に備えている光学積層体(1)であり、低屈折率層非形成面側に、第1の偏光層(23)と、第2の透明基材(22)を順に備えた反射防止性偏光板(210)となる。
本発明の実施の形態に係る光学積層体(1)は、ディスプレイ部材、画像装置の一部として用いることができる。
図3に本発明の光学積層体(1)を用いた透過型液晶ディスプレイの構成について説明する。
図3(a)の透過型液晶ディスプレイにおいては、本発明の光学積層体(1)を、一方の面に貼り合わせた第1の偏光板(2)を低屈折率層非形成面に備えた反射防止性偏光板(200)、液晶セル(3)、第2の偏光板(4)、バックライトユニット(5)をこの順に備えている。このとき、光学積層体(1)側が観察側すなわちディスプレイ表面となる。
図3(a)にあっては、光学積層体(1)の透明基材(11)と第1の偏光板(2)の透明基材を別々に備える透過型液晶ディスプレイとなっている。
バックライトユニット(5)は、光源と光拡散板を備える。液晶セル(3)は、一方の透明基材に電極が設けられ、もう一方の透明基材に電極及びカラーフィルターを備えており、両電極間に液晶が封入された構造となっている。液晶セル(3)を挟むように設けられる第1、第2の偏光板にあっては、透明基材(21、22、41、42)間に偏光層(23、43)を挟持した構造となっている。
また、図3(b)にあっては、透明基材(11)の一方の面に低屈折率層(13)を備えた光学積層体(1)と、当該反射防止フィルムの低屈折率層非形成面に、偏光層(23)、透明基材(22)を順に備えて、反射防止性偏光板(210)を形成し、反射防止性偏光板(210)、液晶セル(3)、第2の偏光板(4)、バックライトユニット(5)をこの順に備えている。このとき、光学積層体(1)の低屈折率層(13)側が観察側すなわちディスプレイ表面となる。
図3(b)にあっては、光学積層体の反射防止層非形成面に、第1の偏光板として、偏光層(23)と透明基材(22)を、この順に備えた反射防止性偏光板(210)を備えた透過型液晶ディスプレイとなっている。
図3(b)においても、図3(a)と同様に、バックライトユニット(5)は、光源と光拡散板を備える。液晶セルは、一方の透明基材に電極が設けられ、もう一方の透明基材に電極及びカラーフィルターを備えており、両電極間に液晶が封入された構造となっている。液晶セル(3)を挟むように設けられる第1、第2の偏光板にあっては、透明基材(11、22、41、42)間に偏光層(23、43)を挟持した構造となっている。
また、本発明の透過型液晶ディスプレイにあっては、他の機能性部材を備えても良い。他の機能性部材としては、例えば、バックライトから発せられる光を有効に使うための、拡散フィルム、プリズムシート、輝度向上フィルムや、液晶セルや偏光板の位相差を補償するための位相差フィルムが挙げられるが、本発明の透過型液晶ディスプレイはこれらに限定されるものではない。
以上により、本発明の光学積層体を用いた、透過型液晶ディスプレイが製造される。
以下、本発明の具体的な実施例について詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1から図3に示すように、第1の透明基材(11)としては、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムを用意した。
第1の透明基材(11)上に、ハードコート層処方を撹拌混合した塗布液を、バーコーティング法により乾燥後の膜厚が6μm程度になるように塗布、乾燥させ、高圧水銀灯により600mJ/cmの紫外線を照射し、ハードコート層を形成した。この際、乾燥時の風向を調整して乾燥風が直接塗布面に当たるようにし、強制的に風ムラが発生するようにして実施した。
前記ハードコート層処方においては、以下の処方にておこなった。
<ハードコート層処方>
・ウレタンアクリレート(UV−1700B 日本合成化学社製) 90重量部
・導電性金属酸化物(五酸化アンチモン、屈折率n=1.60) 10重量部
・光重合開始剤(イルガキュアー184 チバ・ジャパン社製) 5.0重量部
・溶剤1:アセトン 80重量部
・溶剤2:エタノール 20重量部
・レオロジーコントロール剤(BYK−410 ビックケミー社製) 1重量部
上記ハードコート層の上に、低屈折率層処方をおこなった塗布液を塗布した後、温度50℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が300mJになるように照射して塗膜を硬化させることにより、0.2g/cm(乾燥時)の低屈折率層を形成させて、光学積層体を作製した。
前記低屈折率層処方においては、以下の処方にておこなった。
<低屈折率層処方>
・中空シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分は20重量%溶液;メチルイソブチルケトン、粒子径50ナノメートル) 70重量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 30重量部
・光重合開始剤(イルガキュアー127 チバ・ジャパン社製) 3.0重量部
・メチルイソブチルケトン 50重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME) 50重量部
(実施例2)
前記(実施例1)同様に、以下のハードコート層処方においてハードコート層を形成した。
<ハードコート層処方>
・ウレタンアクリレート(UV−1700B 日本合成化学社製) 90重量部
・導電性金属酸化物(五酸化アンチモン、屈折率n=1.60) 10重量部
・光重合開始剤(イルガキュアー184 チバ・ジャパン社製) 5.0重量部
・溶剤1:アセトン 80重量部
・溶剤2:エタノール 20重量部
・レオロジーコントロール剤(ターレンKY−2000 共栄社化学社製)
0.5重量部
それ以外の形成方法及び低屈折率層の形成においては、(実施例1)と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例3)
前記(実施例1)同様に、以下のハードコート層処方においてハードコート層を形成した。
<ハードコート層処方>
・ウレタンアクリレート(UV−1700B 日本合成化学社製) 95重量部
・導電性金属酸化物(五酸化アンチモン、屈折率n=1.60) 5重量部
・光重合開始剤(イルガキュアー184 チバ・ジャパン社製) 3.5重量部
・溶剤1:アセトン 60重量部
・溶剤2:エタノール 40重量部
・レオロジーコントロール剤(BYK−410 ビックケミー社製) 1重量部
それ以外の形成方法及び低屈折率層の形成においては、(実施例1)と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例4)
前記(実施例1)同様に、以下のハードコート層処方においてハードコート層を形成した。
<ハードコート層処方>
・ウレタンアクリレート(UA306H 共栄社化学社製) 90重量部
・導電性金属酸化物(五酸化アンチモン、屈折率n=1.60) 10重量部
・光重合開始剤(イルガキュアー184 チバ・ジャパン社製) 3.5重量部
・溶剤1:メチルエチルケトン 70重量部
・溶剤2:メチルセロソルブ 30重量部
・レオロジーコントロール剤(BYK−410 ビックケミー社製) 1重量部
それ以外の形成方法及び低屈折率層の形成においては、(実施例1)と同様にして光学積層体を作製した。
本発明のレオロジーコントロール剤の性能と比較するための比較例として(比較例1)及び(比較例2)、その他性能を比較するために(比較例2)及び(比較例3)を作製した。
(比較例1)
前記(実施例1)同様に、以下のハードコート層処方においてハードコート層を形成した。
<ハードコート層処方>
・ウレタンアクリレート(UV−1700B 日本合成化学社製) 90重量部
・導電性金属酸化物(五酸化アンチモン、屈折率n=1.60) 10重量部
・光重合開始剤(イルガキュアー184 チバ・ジャパン社製) 5.0重量部
・溶剤1:アセトン 80重量部
・溶剤2:エタノール 20重量部
それ以外の形成方法及び低屈折率層の形成においては、(実施例1)と同様にして光学積層体を作製した。
(比較例2)
前記(実施例1)同様に、以下のハードコート層処方においてハードコート層を形成した。この際、乾燥風が直接塗布面に当たらないようにして、風ムラが発生しないようにして実施した。
<ハードコート層処方>
・ウレタンアクリレート(UV−1700B 日本合成化学社製) 90重量部
・導電性金属酸化物(五酸化アンチモン、屈折率n=1.60) 10重量部
・光重合開始剤(イルガキュアー184 チバ・ジャパン社製) 5.0重量部
・溶剤1:アセトン 80重量部
・溶剤2:エタノール 20重量部
それ以外の形成方法及び低屈折率層の形成においては、(実施例1)と同様にして光学積層体を作製した。
(比較例3)
<ハードコート層処方>
・ウレタンアクリレート(UV−1700B 日本合成化学社製) 90重量部
・導電性金属酸化物(五酸化アンチモン、屈折率n=1.60) 10重量部
・光重合開始剤(イルガキュアー184 チバ・ジャパン社製) 5.0重量部
・溶剤1:アセトン 80重量部
・溶剤2:エタノール 20重量部
・シリコーン系レベリング剤(BYK−UV3500 ビックケミー社製)
0.5重量部
それ以外の形成方法及び低屈折率層の形成においては、(実施例1)と同様にして光学積層体を作製した。
(比較例4)
<ハードコート層処方>
・ウレタンアクリレート(UV−1700B 日本合成化学社製) 90重量部
・導電性金属酸化物(五酸化アンチモン、屈折率n=1.60) 10重量部
・光重合開始剤(イルガキュアー184 チバ・ジャパン社製) 5.0重量部
・溶剤1:アセトン 80重量部
・溶剤2:エタノール 20重量部
・セルロース系レオロジーコントロール剤(メセロールMC−40H 巴工業社製)
1重量部
それ以外の形成方法及び低屈折率層の形成においては、(実施例1)と同様にして光学積層体の作製を試みたがハードコート層用塗液との相溶性が悪く白濁し、ハードコート層も白濁した。
前記(実施例1)、(実施例2)、(実施例3)、(実施例4)及び(比較例1)、(比較例2)(比較例3)の、それぞれの光学積層体の性能は、下記の方法に従って評価した。評価結果については(表1)に示す。
(a)光学特性
「反射率測定」
得られた反射防止フィルムの低屈折率層表面について、自動分光光度計(日立製作所社製、U−4000)を用い、波長360〜800nmの光を入射角5°における分光反射率を測定した。なお、測定の際には透明基材であるトリアセチルセルロースフィルムのうち低屈折率層の形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布し、反射防止の処置をおこなった。
「ヘイズ値測定」
得られた光学積層体について、写像性測定器(日本電色工業社製、NDH−2000)を使用して、JIS−K7105−1981に準拠して、ヘイズ値を測定した。
「干渉縞観察」
得られた光学積層体について、透明基材であるトリアセチルセルロースフィルムのうち低屈折率層の形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布したのち、蛍光灯(三波長蛍光灯)直下で低屈折率層表面の干渉縞を目視にて確認した。
目視にて確認した評価は、
○:暗い環境下でも色ムラが確認されない。
×:暗い環境下でも色ムラがはっきりと確認される。
「乾燥ムラ観察」
得られた光学積層体について、透明基材であるトリアセチルセルロースフィルムのうち低屈折率層の形成されていない面につや消し黒色塗料を塗布したのち、蛍光灯(三波長蛍光灯)直下で反射防止フィルム表面の乾燥ムラを目視にて確認した。
目視にて確認した評価は、
○:乾燥ムラが確認されない。
×:乾燥ムラがはっきりと確認される。
(b)表面抵抗値
「表面抵抗」
得られた反射防止フィルムの低屈折率層表面の表面抵抗値を、JIS−K6911−1994に準拠して高抵抗抵抗率計(株式会社ダイアインスツルメンツ社製、ハイレスターMCP−HT260)を測定した。
(c)機械強度
「耐擦傷性試験」
学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製、AB−301)を用いて、光学積層体の低屈折率層表面に250g/cmの荷重をかけたスチールウール(日本スチールウール社製、ボンスター#0000)を用い、10往復擦り、擦り跡やキズなどによる外観の変化を目視で評価した。
目視にて確認した評価は、
○:傷を確認することが出来ない。
△:数本傷を確認できる。
×:傷が多数確認できる。
「密着性試験」
得られた光学積層体について、塗料一般試験法JIS−K5400−1990の付着性試験方法(碁盤目テープ法)に準拠して、低屈折率層表面の塗膜の残存数にて評価した。
目視にて確認した評価は、
○:剥離が確認することが出来ない。
△:20マス以下の剥離が確認できる。
×:20マス以上の剥離が確認できる。
「鉛筆硬度試験」
クレメンス型引掻き硬度試験機(テスター産業株式会社製、HA−301)を用いて、JIS−K5400−1990に従い、光学積層体の低屈折率層表面に500gの荷重をかけた硬度3Hの鉛筆(三菱UNI)を用い、試験を行い、キズによる外観の変化を目視で評価した。
目視にて確認した評価は、
○:外観の変化が確認することが出来ない。
×:外観の変化が目立つ。
このフィルムの性能評価結果を(表1)に示す。
Figure 2011215552
(表1)より、(実施例1)、(実施例2)、(実施例3)、(実施例4)で得られた本発明の光学積層体は、耐擦傷性に優れ、干渉縞が認められない、優れた塗膜平滑性を有するハードコート層と反射防止層を備えるものである。
これに対して、(比較例1)で得られた本発明の光学積層体は、塗膜平滑性に劣り送風による乾燥ムラが認められた。このことから乾燥時の送風により乾燥ムラが発生しやすく、レオロジーコントロール剤の添加により塗膜平滑性の向上が確認できる(比較例2)。また、(比較例3)で得られた本発明の光学積層体は、塗膜平滑性は高いもののシリコーン系レベリング剤を用いていることからハードコート層と低屈折率層の密着性に乏しく、耐擦傷性の低下が認められた。さらに、(比較例4)ではセルロース系レオロジーコントロール剤と塗液の相溶性が悪く塗液の白濁が認められた。
1 光学積層体
11 透明基材
12 ハードコート層
121 電離放射線硬化型樹脂
122 導電性材料(導電性粒子)
13 低屈折率層
131 低屈折率層形成用樹脂
132 低屈折率粒子
2 第1の偏光板
21 透明基材
22 透明基材
23 偏光層
200 反射防止性偏光板
210 反射防止性偏光板
3 液晶セル
4 第2の偏光板
41 透明基材
42 透明基材
43 偏光層
5 バックライトユニット

Claims (8)

  1. 透明基材の少なくとも片面に、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に有する多官能性モノマーを含有する電離放射線硬化型樹脂と、
    ATO、ITO、Sb、TiO、ZnO、Ceの金属酸化物粒子のうち少なくとも1種類以上を含有する導電性材料に、
    透明基材を溶解または膨潤させる一種類以上の溶剤1と、導電性材料が安定に分散される溶剤2と、さらに塗膜ムラを改善するレオロジーコントロール剤により混合調液された塗布液を用いて形成されるハードコート層と、低屈折率層を順次積層されていることを特徴とする光学積層体。
  2. 前記ハードコート層において、レオロジーコントロール剤が、ポリカルボン酸アマイド、または変性ウレア樹脂からなり、電離放射線硬化型樹脂が99重量部から99.9重量部の範囲内に対し、レオロジーコントロール剤が1重量部から0.1重量部の範囲内で含むことを特徴とする請求項1記載の光学積層体。
  3. 前記ハードコート層において、電離放射線硬化型樹脂が、ウレタン(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマーからなり、電離放射線硬化型樹脂が90重量部から99重量部の範囲内に対し、導電性材料が10重量部から1重量部の範囲内で含むことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の光学積層体。
  4. 前記溶剤1が、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセトン、シクロヘキサノンのうち少なくとも1種類と、
    前記溶剤2が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ペンタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、セロソルブのうち少なくとも1種類を含んでおり、前記溶剤1が60重量部から95重量部の範囲内であり、前記溶剤2が40重量部から5重量部の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光学積層体。
  5. 前記低屈折率層が、少なくとも1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に含有する多官能性モノマーと、低屈折率微粒子を含有しており、低屈折率層の屈折率が1.3以上1.5以下の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光学積層体。
  6. 前記透明基材が、セルロース系フィルムであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学積層体。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光学積層体と、当該光学積層体の低屈折率層非形成面に第1の偏光板を備えたことを特徴とする反射防止性偏光板。
  8. 観察者側から順に、請求項7に記載の反射防止性偏光板と、液晶セル、第2の偏光板、バックライトユニットをこの順に備え、前記反射防止性偏光板の低屈折率層非形成面側に液晶セルを保持していることを特徴とする透過型液晶ディスプレイ。
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