JP2013205153A - 放射線測定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】土壌等の対象物の内部で放射線の測定を行う。その場合に外界から飛来する放射線による影響を受けないようにする。
【解決手段】
土壌サーベイメータは測定装置30と制御装置32からなる。測定装置30は、土壌に挿入される挿入ユニット34を有し、その内部には検出ユニット42が昇降可能に配置されている。検出ユニット42は、メイン検出器56と、上側サブ検出器58と、下側サブ検出器60と、を有する。指向特性形成部73は、メイン検出器56の検出信号に対して前記上側サブ検出器58の検出信号及び下側サブ検出器60の検出信号に基づく非同時計数処理を実行する。これにより、検出ユニット42において、主感度方向を水平方向とした水平指向特性68が生じる。検出ユニット42の深さ位置を可変すれば線量グラフを作成することができる。メイン検出器の水平方向周囲にサブ検出器を設けるようにしてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は放射線測定システムに関し、特に土壌等の対象物の内部における放射性汚染を調査するための放射線測定システムに関する。
従来の一般的なサーベイメータは、可搬型の検出プローブ、及び、表示器や演算部を有する本体、からなる(特許文献1)。図13には、検出プローブの一例が示されている。検出プローブ10内には、円柱状のシンチレータ部材12、光電子増倍管(PMT)14、電子回路16等が収容されている。検出プローブ10内に、放射線検出器としてGM管、半導体検出器等が設けられることもある。図14には、検出プローブの他の例が示されている。検出プローブ18内には、平板状のシンチレータ部材22、光電子増倍管26、電子回路28等が収容されている。シンチレータ部材22から出た光が導光空間24を経て光電子増倍管26の受光面に到達すると、光電子増倍管26においてその光が電気信号に変換される。
対象物の放射性汚染を調査する場合、上記のような検出プローブが対象物の表面に近付けられ、その状態で対象物の表面から出て来る放射線が検出される。サーベイメータで測定する放射線として、γ線(X線)、β線、α線等をあげることができるが、特に、環境中の放射性汚染度合いを調査する場合にはγ線が測定される。
周知のように、γ線(X線)の透過力は一般に非常に大きく、一般的な検出プローブでは全周囲から飛来するγ線を検出してしまう(図13、図14)。検出プローブを対象物の表面に近付けていても、対象物以外からのγ線も検出してしまうのである。例えば、原子力発電所事故等に起因して、土壌、河川、大気、自然物、人口構造物等が広く汚染した場合に、土壌汚染だけを調査するのは容易ではない。例えば、土壌に穴をあけてそこに検出プローブを差し込んでγ線の検出を行っても、土壌に含まれる放射性物質からのγ線の他、大気中に存在する放射性物質からのγ線も一緒に検知してしまうからである。海や河川等の放射性汚染を調査する場合にも同様の問題が生じる。
土壌等の一部を採取してそのサンプルを持ち帰り、遮蔽室を備えた大型の放射線測定装置を用いてサンプルに含有される放射性物質を調査することは可能である。しかし、その場合には測定結果が出るまでかなりの時間を要してしまう。汚染源の特定、汚染範囲の調査等のためには現場で測定結果が得られるようにする必要がある。
特許文献2には、コリメータ(遮蔽部材)を備えた検出プローブが開示されている。その検出プローブは対象物の外部に配置して用いられるものである。特許文献3には、複数の穴を有する遮蔽部材と、複数の穴の中に配置された複数の放射線検出器と、を有する放射線測定装置が開示されている。特許文献1−3には、検出器を固体、液体等の対象物の中に挿入して放射線を測定する技術については開示されていない。なお、特許文献4には、液体試料及び液体シンチレータの混合液を収容した容器と、容器から出る光を検出する光検出器と、それらを取り囲むように設けられたガード検出器と、を有する放射線検出装置(液体シンチレーションカウンタ)が開示されている。
特開2007−170935号公報 特開2002−214353号公報 特開2002−6053号公報 特開平10−227866号公報
本発明の目的は、土壌等の対象物の内部において放射線を高精度に測定できる放射線測定装置を提供することにある。あるいは、本発明の目的は、土壌等の対象物の内部汚染の測定に当たって外界から飛来する放射線の影響を除外又は軽減できるようにすることにある。あるいは、本発明の目的は、土壌等の対象物における複数の深さ位置で内部汚染を測定できるようにすることある。
(1)望ましくは、放射線測定システムが、土壌等の対象物の表面から深さ方向へ挿入され、前記対象物の内部で放射線を検出する検出ユニットを備える挿入ユニットと、前記検出ユニットからの信号を処理する信号処理ユニットと、を含み、前記検出ユニットは、外界から前記対象物の表面を介して前記対象物の内部に進入した外来放射線と、前記対象物の内部において測定対象とする対象放射線と、を区別して測定するための空間的関係を有するメイン検出器及び第1サブ検出器を含み、前記信号処理ユニットは、前記メイン検出器から出力されたメイン検出信号と前記第1サブ検出器から出力された第1サブ検出信号とに基づいて、前記外来放射線の信号成分を除去又は低減しつつ前記対象放射線の信号成分を抽出する指向特性形成処理を実行する指向特性形成部を含む。
上記構成によれば、対象物の表面からその内部へ挿入ユニットが挿入され、対象物の内部で検出ユニットによって放射線(望ましくはγ線)が検出される。検出ユニットは、少なくとも、メイン検出器及び第1サブ検出器を含み、それらは所定の空間的関係をもって配置される。所定の空間的関係は、外界から対象物の表面を介して対象物の内部に進入した外来放射線(あるいは測定対象外の放射線)と、対象物の内部において測定対象とする対象放射線と、を区別して測定するためのものである。例えば、非測定対象である外来放射線がメイン検出器及び第1サブ検出器の両方で同時に検出され且つ対象放射線がメイン検出器及び第1サブ検出器においてそれぞれ個別的につまり非同時に検出されるようにするために、メイン検出器から見て外来放射線が進入してくる側にメイン検出器を覆うあるいは隠すように第1サブ検出器が配置される。この場合、指向特性形成処理として、メイン検出信号に対して第1サブ検出信号を参照信号として利用した非同時計数処理(パルス除外処理)を適用するのが望ましい。他の構成では、非測定対象である外来放射線がメイン検出器及び第1サブ検出器においてそれぞれ個別的につまり非同時に検出され且つ対象放射線がメイン検出器及び第1サブ検出器の両方で同時に検出されるようにするために、メイン検出器から見て対象放射線が進入してくる側にメイン検出器を取り囲むように第1サブ検出器が配置される。この場合、指向特性形成処理として、メイン検出信号に対して第1サブ検出信号を参照信号として利用した同時計数処理を適用するのが望ましい。上記の2つの方法が組み合わされてもよい。それ以外の方式が採用されてもよい。いずれにしても、複数の検出器の空間的配置と複数の検出信号間の関係を利用した処理とを組み合わせて、検出ユニット全体として所望の指向特性が生じるように、つまり目的放射線の検出信号成分を取り出せるように構成するのが望ましい。
上記の信号処理ユニットは、少なくともメイン検出信号及び第1サブ検出信号を用いて指向特性形成処理を実行する指向特性形成部を有する。指向特性形成処理は、外来放射線に対応する信号成分を除外又は軽減し、対象放射線に対応する信号成分を抽出する処理に相当する。事後的な信号処理によって、検出ユニットにおいて測定目的に合致した指向特性(対象物内指向特性)を生じさせることができる。これにより、対象物それ自体の内部線量、対象物内の放射能、対象物内部の汚染度合い、等を指標する測定結果を得ることが可能となる。その場合において、外界からの放射線の影響を受け難いので、測定精度を高められる。
(2)対象物は、土壌(大地)、水(海、湖、川、プール等)、人口構造物(コンクリートブロック、廃棄物等)、樹木、等である。対象物内部の放射性物質濃度、汚染、線量等が問題となる場合一般に上記構成を適用することが可能である。指向特性形成処理により、少なくとも外界からの放射線が除去又は低減される。その場合、下向き半球状の感度特性が形成されるようにしてもよい。望ましくは、深さ方向に直交する平面的な指向特性が形成されるのが望ましい。そのような指向特性を利用して、特定の深さについて他の深さからの影響をあまり受けないで線量測定を行える。平面的な指向特性が検出器周りの360度の方位範囲にわたって形成されてもよいし、特定の方位範囲だけに形成されてもよい。後者によれば深さと方位とを限定した測定を行える。各検出器の構成や複数の検出器の空間的関係を変更することにより、所望の指向特性を形成することができる。挿入ユニット自体に放射性汚染が生じないように挿入ユニットの外側にカバーを被せるようにしてもよい。挿入ユニットの挿入に先立って、対象物に穴が形成され、そこに挿入ユニットが指し込まれてもよい。対象物に生じている窪みに挿入ユニットを配置した上でその周囲を埋めることによって結果として挿入状態が形成されるようにしてもよい。土の中のかなり深い位置まで検出器を到達させて、地下水の放射性汚染を調査することも可能である。検出器は、シンチレータ検出器であるのが望ましい。検出器からの信号の取り出しは有線又は無線で行われる。挿入ユニットは、防水・防塵型として構成するのが望ましい。検出器としてシンチレータ検出器が利用される場合、複数の検出器の空間的関係は、有感部である複数のシンチレータ部材の空間的関係として捉えることができる。
(3)望ましくは、前記第1サブ検出器は前記メイン検出器の前記表面側に設けられ、前記指向特性形成処理は前記第1サブ検出信号に基づく前記メイン検出信号に対する第1の非同時計数処理を含む。この構成によれば、例えば、外来放射線が第1サブ検出器を通過してメイン検出器に到達する。一方、水平方向から飛来する放射線は、第1サブ検出器を経由せずに直接的にメイン検出器に到達する。メイン検出器の下方に第2サブ検出器を設けない場合、メイン検出器の下方からの放射線も直接的にメイン検出器に到達する。すなわち、メイン検出器の上方から飛来する外来放射線はメイン検出器及びサブ検出器において同時に検出され、一方、対象放射線についてはサブ検出器を通過することなくメイン検出器において検出される。そのような条件の違いを利用して、メイン検出信号中における外来放射線成分を除外することが可能である。
望ましくは、前記検出ユニットは前記メイン検出器の前記表面側とは反対側に設けられた第2サブ検出器を含み、前記指向特性形成処理は前記第2サブ検出信号に基づく前記メイン検出信号に対する第2の非同時計数処理を含む。この構成によれば、メイン検出器の上側及び下側の両方から到来する放射線を測定対象から除外することができる。これにより、前記検出ユニットは前記深さ方向に直交する水平指向特性を有する。それは平面的な指向特性を意味する。
望ましくは、前記検出ユニットを前記深さ方向に移動させる移動機構が設けられる。この移動機構を利用して、外来放射線の影響なしにあるいはその影響を低減しつつ、所望の深さにおいて放射線の測定を行える。望ましくは、前記移動機構を制御することにより前記深さ方向における前記検出ユニットの位置を制御する制御部と、前記検出ユニットの位置の可変によって取得された複数の放射線検出データに基いて深さと線量との関係を示すグラフを作成するグラフ作成部と、を含む。
望ましくは、前記挿入ユニットは、前記深さ方向に伸長した部材であって放射線を透過する材料で構成された中空部材を含み、前記中空部材の内部空間に前記対象物から隔てられつつ前記検出ユニットが設けられる。この中空部材によれば、検出ユニットの汚染を防止でき、またその保護を図れる。
望ましくは、前記挿入ユニットは、前記深さ方向に配列された複数の検出ユニットを含み、前記複数の検出ユニットにより複数の深さ位置において放射線が測定される。この構成によれば複数の深さ位置において同時に線量測定等を行える。
望ましくは、前記第1サブ検出器は前記メイン検出器の水平方向周囲に設けられ、前記指向特性形成処理は前記メイン検出信号と前記第1サブ検出信号とに基づく同時計数処理である。この構成によれば、対象放射線がメイン検出器と第1サブ検出器の両方で同時に検出される。一方、外来放射線はメイン検出器と第1サブ検出器において個別的に非同時で検出される。そのような条件の違いを利用して、対象放射線の信号成分を抽出することが可能である。第1サブ検出器の形態を調整することにより検出ユニットの指向特性(指向角、指向方向、検出方位範囲等)を自由に設定できる。この同時計数方式を利用した構成は対象放射線をメイン検出器及び第1サブ検出器の内で一方を透過させてから他方で検出することになるので、透過時の減衰が問題となるような場合には、上記の非同時計数方式に基づく構成を採用するのが望ましい。なお、2つの方式を組み合わせることも可能であり、また遮蔽部材(コリメータ)を組み合わせることも可能である。
望ましくは、土壌等の対象物の表面から深さ方向へ挿入され、前記対象物の内部で放射線を検出する検出ユニットを備える挿入ユニットと、前記検出ユニットからの信号を処理する信号処理ユニットと、を含み、前記検出ユニットは、それぞれ放射線を検出する深さ方向に整列したn(但しnは4以上)個の検出器からなる検出器列を有し、前記信号処理ユニットは、前記検出器列においてi(但し2≦i≦n−1)番目の検出器の検出結果に対して、i−1番目の検出器の検出結果に基づく非同時計数処理及びi+1番目の検出器の検出結果に基づく非同時計数処理を実行する。この構成によれば、隣接する3つのシンチレータを単位として、メイン検出器、上側サブ検出器(第1サブ検出器)及び下側サブ検出器(第2サブ検出器)が構成される。上端及び下端を除いて、各シンチレータが検出深さ次第で複数の機能を選択的に発揮することになる。
望ましくは、前記対象物は土壌であり、前記土壌に対して前記挿入ユニットを支持する支持機構が設けられる。望ましくは、前記対象物は水であり、前記水に対して前記挿入ユニットを支持する支持機構が設けられる。
望ましくは、放射線測定方法が、対象物に対してその表面から穴を形成する形成工程と、前記穴に対して複数の検出器を挿入する工程と、前記穴の内部において複数の深さ位置で前記複数の検出器を用いて放射線の検出を行う工程と、前記複数の深さ位置での前記複数の検出器を用いた放射線の検出により得られた複数の信号を処理することにより前記対象物内の放射性物質から出た放射線に対応する目的信号成分を抽出する信号処理工程と、前記複数の深さ位置に対応する複数の目的信号成分に基づいて、深さと線量との関係を示すグラフを生成する工程と、を含む。穴は手作業で形成でき、あるいは専用の機械を利用して形成される。望ましくは、上記グラフに基づいて前記土壌に対して行う除染作業の深さ範囲を決定する除染範囲決定方法が提供される。なお、上記構成の転用例としては、水平指向特性を使った対象物表面の測定、空中における高さごとの測定が考えられる。
本発明によれば、土壌等の対象物の内部において放射線を高精度に測定できる。あるいは、本発明によれば、土壌等の対象物の内部汚染の測定に当たって外界から飛来する放射線の影響を除外又は軽減できる。あるいは、本発明によれば、土壌等の対象物における複数の深さ位置で内部汚染を測定できる。
本発明に係る土壌サーベイシステムの構成例を示す図である。 図1に示した検出ユニットの拡大図である。 図1に示した指向特性形成部の構成例を示す図である。 線量分布の一例を示す図である。 検出ユニットの他の構成例を示す図である。 同時計数方式を適用した場合の構成例を示す図である。 本発明に係る土壌サーベイシステムの他の構成例を示す図である。 線量分布の他の例を示す図である。 本発明に係る土壌サーベイシステムの更に他の構成例を示す図である。 無線通信を利用したシステム構成例を示す図である。 地山に対する放射線測定の一例を示す図である。 本発明に係る水中サーベイシステムの構成例を示す図である。 一般的な検出プローブの一例を示す図である。 一般的な検出プローブの他の例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る放射線測定システムの一例が示されている。このシステムは、土壌又は大地の内部における放射性汚染を調査するための土壌サーベイシステムである。
土壌サーベイシステムは、測定装置30と、制御装置32と、からなる。測定装置30は、例えば学校の校庭等の測定場所(通常、屋外)に設置される。制御装置32はパーソナルコンピュータ又は専用装置として構成される。測定装置30の近くに制御装置32が配置されてもよいが、両者が隔てて配置されてもよい。測定装置30がネットワークや通信回線を介して制御装置32に接続されてもよい。
測定装置30について説明する。測定装置30は、挿入体としての挿入ユニット34、測定台座としてのサポートユニット36、等を有している。挿入ユニット34は、図1に示す例において、深さ方向に伸長した円柱状の形態を有する。挿入ユニット34は土壌の表面39から掘削によって形成された穴38内に挿入される。穴38は手作業により形成され、あるいは、機械を利用して形成される。挿入ユニット34自体がドリルのような機能を有していてもよい。挿入ユニット34の外径は例えば10−15cmであり、その全長は1−3mである。挿入ユニット34における表面39よりも上方の部分(上方端部分)は例えば数十cmである。挿入ユニット34の形態は目的等に応じて適宜定められる。細径形を採用することもできるし、小型化も可能である。例えば、地中深くまで挿入される挿入ユニットが構成されてもよい。
サポートユニット36は表面(地面)39上に設置され、挿入ユニット34を支持するものである。サポートユニット36は台座として機能する。それはサポート台(水平板)44、脚部46等を有する。サポート台44は検出ユニット34の蓋としても機能する。サポート台44を通じてリール48が回転可能に設けられている。それはモータ等の駆動部52からの駆動力によって回転する。リール48にはワイヤ50が巻き付けられている。ワイヤ50はサポート台44を通じて検出ユニット34の内部へ導かれており、その下端は測定ユニット42に連結されている。測定ユニット42はワイヤによって吊り下げられている。測定ユニット42から伸びるケーブル(信号線、電源ケーブル等)はサポート台を通じて制御装置32へ導かれている。図1に示す有線方式に代えて無線方式を採用することもできる。深度検出器54は、検出ユニット42の位置(深さ)を直接的に又は間接的に検出するものである。深度検出器54として、ワイヤ50の動作量を検出するものを利用してもよいし、サポート台44から検出ユニット42までの距離を測定する距離センサを利用してもよい。駆動部52の動作は制御装置32により制御されており、深度検出器54の出力信号は制御装置32へ送られる。駆動部52に代えて手作業で検出ユニット42の深さ位置が設定されてもよい。
本実施形態では、移動機構としてリール52及びワイヤ50が設けられている。それに代わる移動機構として、ラック及びピニオンを利用する機構、ベルト駆動方式による機構、油圧力を利用する機構、ロッドを利用する機構、等を利用することができる。挿入ユニット34は、通常、表面39に対して垂直な方向に挿入される。但し、斜め方向に挿入されてもよい。
挿入ユニット34は、筒状のガイド部材40と、その内部に昇降自在に設けられた検出ユニット42と、を有する。ガイド部材40は、放射線(本実形態ではγ線)を透過させる(あまり減弱させない)材料、例えば樹脂やアルミニウムで構成される。その肉厚は構造的に一定の強度が得られる限りにおいて薄くしてもよい。ガイド部材40は、対象物としての土壌とその内部の検出ユニット42とを隔てる機能を発揮する。すなわち、検出ユニット42の汚染防止、検出ユニットの保護、等の機能を発揮する。ガイド部材40が透明フィルム等からなるカバーによって覆われるようにしてもよい。これは挿入ユニット34の汚染防止のためである。
検出ユニット42は可動体を構成するものであり、ガイド部材40の内部空間40Aにおいて昇降運動する。検出ユニット42を任意の深さに設置してその深さで放射線の測定を行える。検出ユニット42を一定速度で上方又は下方へ運動させながら放射線の測定を行うことも可能である。
本実施形態において、検出ユニット42は、メイン検出器56、上側サブ検出器(第1サブ検出器)58、下側サブ検出器(第2サブ検出器)60及び中空のケース70を有する。メイン検出器56、上側サブ検出器58及び下側サブ検出器60の出力信号に対する指向特性形成処理の結果として、検出ユニット42において水平方向指向特性68が電子的に生じる。それは水平方向に面状に広がる指向特性であり、主感度方向は水平方向の全方位となっている。但し、一定の方位範囲だけを測定するように構成することも可能である。その範囲の大きさや方位を可変設定するように構成することもできる。
図2には、検出ユニットの拡大図が示されている。検出ユニット42は、上記のように、メイン検出器56、上側サブ検出器58及び下側サブ検出器60を有している。上側サブ検出器58及び下側サブ検出器60はそれぞれガード検出器として機能する。メイン検出器56は、検出ユニット42の中心に配置された円形又は円盤形を有するシンチレータ部材250と、そこで生じた光を電気信号に変換する光電子増倍管(PMT)252と、で構成される。シンチレータ部材250は、放射線に対する有感部分である。光電子増倍管252の受光面が下方に向けられており、その受光面がシンチレータ部材250の上面に密着している。両者の間に導光部材を配置してもよい。シンチレータ部材250に放射線が入射すると、そこで光が生じ、その光が受光面に到達して電気信号に変換される。光電子増倍管252は検出ユニット42の中心軸上に配置されている。シンチレータ部材250は他のシンチレータ部材と同様、例えばNaIシンチレータとして構成される。他の材料で構成されてもよい。光電子増倍管252は一般に円柱形状を有する。
上側サブ検出器58は、円盤状のシンチレータ部材254と、光電子増倍管256と、で構成される。シンチレータ部材254は、シンチレータ部材250の上側において、その全体を覆うように水平方向に広がった形態を有する。シンチレータ部材254の直径は、シンチレータ部材250の直径よりも大きい。両者の直径差によりリング状の溝(開口部)66が形成されている。光電子増倍管252の受光面はシンチレータ部材254の上面に密着している。両者間に導光部材を配置してもよい。光電子増倍管256は、検出ユニットの中心軸から偏移した位置に設けられている。但しその設置位置は任意である。重量バランス、設置スペース等を考慮して適宜定めればよい。上下方向(深さ方向)において、シンチレータ部材254の厚みはシンチレータ部材250の厚みよりも小さい。しかし、検出感度その他の条件に基づいて各厚みを設定すればよい。シンチレータ部材254が水平方向に広がっているため、上方からシンチレータ部材250に到達する放射線の内で多くのものがシンチレータ254を通過することになる。そのように2つのシンチレータ部材254,250で検出される放射線は測定対象外であって、その検出成分は信号処理段階で後述する非同時計数処理により除去される。
下側サブ検出器60は、シンチレータ部材250の下側に設けられており、それは、シンチレータ部材258と、光電子増倍管260とを有する。シンチレータ部材258は、上記のシンチレータ部材254と同じ形態を有する。但し、両者の形態を異ならせてもよい。光電子増倍管260の受光面は上方を向いており、それはシンチレータ部材258の下面に密着している。シンチレータ部材258がシンチレータ部材250の下側でそれを下方から隠すように水平方向に広がっており、シンチレータ部材250へその下方から到達する放射線の内で多くのものがシンチレータ部材258を透過する。その放射線は測定対象外であり、それをシンチレータ258,260での同時検出により特定することが可能である。
シンチレータ部材250に対してその水平方向から進入してくる放射線は、シンチレータ部材254,258を通過せず、それらによっては検出されない。つまり、そのような測定対象放射線を他の放射線から区別して測定することが可能である。なお、シンチレータ部材254,258に対しても、水平方向から放射線が入射するが、それは後述する非同時計数処理において計数対象とはならない。よって、シンチレータ部材250とシンチレータ部材254の空間的関係を適宜設定することにより、上方から飛来する放射線の除去範囲を調整でき、同様に、シンチレータ部材250とシンチレータ部材258の空間的関係を適宜設定することにより、下方から飛来する放射線の除去範囲を調整できる。換言すれば、三者の空間的関係によって、検出ユニットの水平指向特性が定められる。
メイン検出器56、上側サブ検出器58及び下側サブ検出器60はケース70内に収容されている。ケース70は放射線透過性をもった部材で構成され、例えば樹脂により構成される。ケース70の外面とガイド部材40の内面とが接触する構成となっているため両者間の摩擦を低減するように構成するのが望ましい。内部40A内に絶縁油等を注入することも可能である。各シンチレータ部材250、254、258においては、光電子増倍管の受光面が密着する部分を除いて、遮光が必要な部分に遮光膜262,264が設けられている。ケース70も遮光構造を有する。
本実施形態では図示のような水平指向特性が形成されているため、検出ユニット42(より正確にはシンチレータ部材)の設置深さにおける土壌の放射線汚染等の測定を高精度に行える。つまり、深さ方向において位置分解能がよい。なお、光電子増倍管に代わる電子回路を利用することも可能である。
図1に戻って、制御装置32について説明する。信号処理回路72は、3つの検出器56,58,60が有する3つの光電子増倍管からの出力パルスを処理する回路であり、アンプ、波高弁別器、指向特性形成部73、等を有している。指向特性形成部73の構成例が図3に示されている。指向特性形成部73は、2つの非同時計数回路73A,73Bを有している。非同時計数回路73Aは、メイン検出器から出力されたパルスの内で、上側サブ検出器から出力されたパルスと同時に入力されるパルスを除外し、それ以外のパルスを出力するゲート処理回路である。非同時計数回路73Bは、メイン検出器から出力されたパルスの内で、下側サブ検出器から出力されたパルスと同時に入力されるパルスを除外し、それ以外のパルスを出力するゲート処理回路である。すなわち、検出ユニットの上方から飛来する放射線が上側サブ検出器及びメイン検出器で検出された場合、両方の検出器から同時にパルスが出力され、そのパルスは計数対象から除外される。また、検出ユニットの下方から飛来する放射線が下側サブ検出器及びメイン検出器で検出された場合、両方の検出器から同時にパルスが出力され、そのパルスは計数対象から除外される。よって、メイン検出器からのパルス列の内で、除外対象となっていないパルスだけが信号処理回路から出力される。計数対象となる当該パルスは、メイン検出器が有するシンチレータ部材に対して、他のシンチレータ部材を経由せずに水平方向から直接的に到達した放射線に対応したものとなる。この結果、検出ユニットにおいて水平方向に主感度方向を向けた水平指向特性が生じる。そのような指向特性は深度毎の線量測定において有用なものである。
図1において、演算部74はカウンタを有し、信号処理回路72から出力されたパルスをカウントし、具体的には一定時間当たりのカウント数(cpm)を計測する。そのカウント値が線量に換算され、あるいは、放射性物質濃度に換算される。演算部74がマルチチャンネルアナライザとして構成されてもよい。表示部は液晶表示器等により構成され、その表示画面上には後述するグラフが表示される。測定結果の表示単位としては、線量率(μSv/h)、計数率(cpmもしくはmin-1)、放射能面密度(Bq/cm2)等があげられる。制御部78は、制御装置32が有する各構成の動作制御を行っている。また駆動部52を制御しており、その際には深度検出器54からの信号が参照されている。バッテリ79はシステム全体に電力を供給するものである。一般電源からの電力を使って動作する構成を採用することも可能である。高電圧源80は3つの検出器が有する3つの光電子増倍管に対してその動作で必要な高電圧を生成するものである。符号82は、3つの電力信号と3つの検出信号を示している。
制御部78には入力部84が接続されている。入力部84を用いて測定深度がユーザー指定されると、制御部78はその指定された深度に検出ユニット42を位置決める制御を実行する。また、スキャンモードが選択された場合、検出ユニット42を一定速度で上方又は下方に移動させながら、連続的に測定を行わせる制御を実行する。その場合において、信号の移動平均処理に当たっての時定数はスキャン速度つまり昇降速度に応じて適応的に設定される。検出ユニット42を移動させながら測定を連続的に行うと、制御部78において図4に示すグラフが生成される。図4において、横軸は線量であり、縦軸は深さを示している。このグラフ85に示されるように、深さに応じて線量が変動しており、そのようなグラフからどの深さ範囲まで除染を行えばよいのかを的確に決定できる。
次に図1に示したシステムの動作例を説明する。まず学校の校庭等に所定の深さをもった穴38が形成される。その穴38の内径は挿入ユニット34を挿入可能なものとして設定される。穴38に対してガイド部材40が挿入され、また表面(地面)39上にサポートユニット36が設置される。それと共に、ガイド部材40の中に検出ユニット42が吊り下げられた状態で配置される。準備が整ったところで、入力部84を用いて測定する深さを指定すると、制御部78が駆動部52の動作を制御し、検出ユニット42が指定深さに位置決められる。その場合においては必要に応じて深度検出器54の出力に基づくフィードバック制御が実行される。検出ユニット42が位置決めされた後、そこで所定時間にわたって放射線の測定が実行される。これにより指定深度での線量データを得られる。ユーザーがスキャンモードを選択すると、制御部78は一定の深さ範囲にわたって検出ユニット42を低速で運動させる。これにより深度ごとに線量データが得られる。それらをプロットすれば図4に示した線量グラフを作成できる。このような測定作業が必要に応じて複数の地点で実施される。
上記構成によれば、対象物としての土壌の内部において、そこに含まれる放射性物質からの放射線を精度良く検出することができ、その場合において、空気中から表面39を介して進入してくる放射線や地中のより深い地点から到来する放射線を測定対象から除外することができる。よって、対象とする放射線の測定精度を高められる。もっとも、下側サブ検出器60を取り外せば、下向き半球型の検出感度特性を生じさせることができ、土壌内部の全般にわたって放射線を検出できる。この場合も対象物内指向特性の形成と言いうる。なお、検出ユニット42の設置状況をモニタするための小型カメラを設けるようにしてもよい。
図5には、検出ユニットの他の構成例が示されている。検出器ユニット266は、メイン検出器268とサブ検出器270とを有する。メイン検出器268は、立方体形状を有するシンチレータ部材272と、そこで生じた光を検出する光電子増倍管274と、を有する。サブ検出器270は、上側シンチレータ部材274と、下側シンチレータ部材276と、光電子増倍管278と、を有する。上側シンチレータ部材274と下側シンチレータ部材276との間であってシンチレータ部材272の水平方向周囲には放射線の減衰があまり生じない導光部材280が設けられている。2つの検出器268,270の相互間で光のクロストークが生じないように遮光膜282が設けられている。図5に示す構成において、シンチレータ部材272に放射線が入射して光が生じると、それが光電子増倍管274で検出される。上側シンチレータ部材274に放射線が入射して光が生じると、その光は導光部材280及び下側シンチレータ部材276を介して光電子増倍管278に到達して検出される。下側シンチレータ部材276に放射線が入射して生じた光も光電子増倍管278で検出される。図5に示す構成によれば、上側シンチレータ部材274と下側シンチレータ部材276で生じた光を単一の光電子増倍管278で検出できるので構成を簡略化できる。単一の光電子増倍管を下側ではなく上側に配置するようにしてもよい。光電子増倍管278は下側シンチレータ部材276に埋設されているが、それを下側シンチレータ部材276の外側に配置するようにしてもよい。この図3に示す検出ユニット266を利用する場合、指向特性形成部において単一の非同時計数回路を利用して上方及び下方から到来する放射線の計数を除外できる。
図6には検出ユニットについて更に他の構成例が示されている。検出ユニットは、メイン検出器290と、サブ検出器292と、を有する。メイン検出器290は、中心軸上に配置された円柱状のシンチレータ部材293と、そこで生じた光を検出する光電子増倍管294と、で構成されている。サブ検出器292は、リング状のシンチレータ部材295と、そこで生じた光を検出する光電子増倍管296と、で構成されている。シンチレータ部材295は、シンチレータ部材293の水平方向の外側においてそれを取り囲むように構成されている。上方からの放射線及び下方からの放射線は直接的にシンチレータ部材293に到達し、一方、シンチレータ部材293から見て水平方向から到来する放射線はシンチレータ部材295を透過した上で、シンチレータ部材293に到達する。すなわち、水平方向から飛来する放射線だけが二重に検出される。よって、そのような条件の違いを利用して、特定方向からの放射線の検出パルスを他の検出パルスと識別することが可能となる。すなわち、メイン検出器290から出力されるパルス列の内、サブ検出器から出力されたパルスを同時に生じたパルスだけ計数される。他の方向から到来する放射線は2つの検出器に同時に入射することはないので、計数対象から除外される。信号処理回路における指向特性形成部には図示される同時計数回路298が設けられる。光電子増倍管296は横倒しの姿勢で配置されているが、それを起立状態で配置することも可能である。
図8には、土壌サーベイシステムの他の構成例が示されている。土壌サーベイシステムは、測定装置100と制御装置102とを有する。測定装置100は、挿入ユニット106及びサポートユニット104を有する。挿入ユニット106は、土壌内に挿入されるものであり、それはシースとしてのガイド部材108を有する。ガイド部材108は放射線を透過させる部材で構成された中空の円筒部材である。その内部には、上下方向に整列した複数の検出ユニット110a―110eからなる検出器ユニット列110が設けられている。各検出ユニット110a―110eは図2に示した構成を有する。制御装置102は、複数の検出ユニット110a―110eに対応して設けられた複数の信号処理回路112Aを有する。各信号処理回路112Aは、図3に示した構成を有する。すなわち、2つの非同時計数回路を備える。これにより各検出ユニット110a―110eにおいて水平指向特性が生じる。演算部116は、各検出ユニット110a―110eごとに計数を行い、これにより複数の深さに対応する複数の線量を演算する。それをグラフとして表したものが図7に示す線量グラフ128である。それは棒グラフである。複数の検出ユニット110a―110eに対応して複数の高電圧源120Aが設けられている。但し、単一の高電圧源を利用して個々の検出ユニット110a―110eが有する3つの光電子増倍管へ高電圧を印加するようにしてもよい。制御装置102は、上記の他、制御部124、入力部126、表示部118、バッテリ122等を備える。この図8に示したシステムによれば、複数の検出ユニット110a―110eにおいて異なる複数の深さで同時に放射線を検出できる。よって検出ユニットの昇降機構を設ける必要がなくなる。
図9には、土壌サーベイシステムの更に他の構成例が示されている。土壌サーベイシステムは、測定装置300と演算装置302とを有する。測定装置304は、挿入ユニット304を備え、それは、複数の検出器305a―305fを有する。個々の検出器305a―305fはシンチレータ部材306a―306fと、光電子増倍管308a―308fと、を有する。複数のシンチレータ部材306a―306fは、互いに同一の形態を有し、具体的には円柱状又は円板状の形態を有する。それらは深さ方向に整列しており、換言すれば、深さ方向に積層されている。一方、制御装置302においては、信号処理回路が設けられ、それは複数の非同時計数回路310−1〜310−5からなる。複数の非同時計数回路310−1〜310−5は、上下に隣接する3つの検出器(検出器セット)を単位として、非同時計数処理を実行するものである。
具体的には、深さ方向に整列した検出器の個数をn(但しnは4以上の整数)とした場合、n−1個の非同時計数回路が設けられる。i(但し2≦i≦n−1)番目の検出器の検出パルスに対して、i−1番目の検出器の検出パルスを利用して非同時計数処理が実行され、且つ、i+1番目の検出器の検出パルスを利用して非同時計数処理が実行される。これにより、i番目の検出器において水平指向特性が生じる。すなわち、2番目の検出器からn−1番目の検出器までの個々の検出器において水平指向特性を独立して生じさせることができる。なお、図9において、非同時計数回路以外の信号処理回路については図示省略されている。この構成においても、昇降機構を設けることなく、複数の深さにおいて個別的に線量を測定できる。しかも、3番目からn−2番目までの検出器がメイン検出器、上側サブ検出器及び下側サブ検出器の三者の機能を同時に果たし、2番目とn−1番目の検出器がメイン検出器とサブ検出器の二者の機能を同時に果たすから、測定装置の構成を簡略化できる。なお、1番目とn番目の検出ユニットはサブ検出器として機能する。
図10には、図1に示したシステムの変形例が示されている。但し測定装置130は図5に示した検出ユニットを備えている。このシステムでは測定装置130と制御装置132との間で無線通信が行われている。測定装置130は、対象物に挿入される挿入ユニットを有し、それは深さ方向に移動可能な検出ユニットを有する。検出ユニットは、メイン検出器134とサブ検出器136とを有する。メイン検出器134は、シンチレータ部材138と光電子増倍管140とを有し、サブ検出器136は、シンチレータ部材142と光電子増倍管144とを有する。シンチレータ部材142は、シンチレータ部材138の水平方向を除いて、シンチレータ部材138の周囲を取り囲んでいる。測定装置130は、信号処理回路152を有し、それは指向特性形成部153を有する。指向特性形成部153はメイン検出器の出力パルスに対してサブ検出器の出力パルスを利用した非同時計数処理を実行する。信号処理回路152において計数率又は線量が計算され、そのデータが通信部154、156を介して制御部132へ伝送されている。高電圧源146は、光電子増倍管140、144に高電圧を印加する。測定装置130はバッテリ150を備えている。この構成によれば、測定装置130と制御装置132との間で無線通信によって信号の授受を行えるから、取扱性が良好となる。
図11には、地山158に対する測定が示されている。地山158の斜面の掘削により穴が形成され、そこにガイド部材162が差し込まれる。その内部160に検出ユニット164が挿入される。検出ユニット164はロッド(竿)168の先端に取付けられており、ロッド168の深さ方向の進入量を可変することにより、検出ユニット164の深さ位置を可変設定することができる。ロッド168は駆動機構により操作され、あるいは、ユーザーによって操作される。この構成では、重力方向とは別の方向に検出ユニットが挿入されている。そのような場合でも挿入方向の各深さ位置において放射線の測定を行える。検出ユニット164は深さ方向に直交する水平方向に指向性を有するものである。よって、外界からの放射線の遮断を良好に行うためには、地山158の斜面に対しておよそ垂直な方向に挿入ユニットを挿入するのが望ましい。但し、測定場所及び測定方位に応じて、指向特性を可変できる機構を備えるようにしてもよい。
図12には、水中サーベイシステムの構成例が示されている。このシステムは、海等において、水中において放射線の測定を行うものであり、特に外界(空気中)からの放射線を遮蔽して水中に存在する放射性物質からの放射線を効果的に検出するものである。図12に示す水中サーベイシステムは、測定装置170と演算装置で構成される。演算装置は図1に示した演算装置74と同様の機能を備える。
測定装置170は、浮遊体174を有する。それは海176の表面(海面)178上において浮かぶものである。それが固定設置されてもよい。浮遊体174はバルーン又は浮き袋を備えている。浮遊体174のベース180にはサポートプレート182が設置されており、そのサポートプレート182によって挿入ユニットが保持されている。挿入ユニットは、円筒形状をもった中空のガイド部材192を有する。その内部の底面上には重心を下げて挿入ユニットの姿勢を安定化させるためのウエイト194が設けられている。ガイド部材192は放射線透過材料で構成され、気密構造を有し、その内部に海水が入り込むことはない。もっとも、その内部に海水を取り込むように構成することは可能である。
ガイド部材192の内部には検出ユニット190が昇降可能に設けられている。その検出ユニット190は、図1に示した検出ユニットと基本的に同じ構造を有している。すなわち、それはメイン検出器、上側サブ検出器及び下側サブ検出器を備えている。検出ユニット190の設置深さはリール184によるワイヤ186の巻き取り量によって可変される。3つの光電子増倍管からの信号はケーブル188を介して通信回路に送られ、無線信号に変換される。それがアンテナ210から電波として制御装置へ伝送される。符号212は支柱である。
この構成によれば、海中における指定深さ位置において線量を測定できる。また深さ方向に検出ユニット190を移動させながら線量を測定すれば線量グラフを形成できる。個々の測定に当たって、空気中から飛来する放射線は遮蔽されており、特定深さに存在する放射性物質からの放射線を精度良く計測できる。図12に示しされた測定ユニットに代えて他の構成を採用することも可能である。
30 測定装置、32 制御装置、34 測定ユニット、36 サポートユニット、42 測定ユニット、56 メイン検出器、58 上側サブ検出器、60 下側サブ検出器、73 指向特性形成部。

Claims (14)

  1. 土壌等の対象物の表面から深さ方向へ挿入され、前記対象物の内部で放射線を検出する検出ユニットを備える挿入ユニットと、
    前記検出ユニットからの信号を処理する信号処理ユニットと、
    を含み、
    前記検出ユニットは、外界から前記対象物の表面を介して前記対象物の内部に進入した外来放射線と、前記対象物の内部において測定対象とする対象放射線と、を区別して測定するための空間的関係を有するメイン検出器及び第1サブ検出器を含み、
    前記信号処理ユニットは、前記メイン検出器から出力されたメイン検出信号と前記第1サブ検出器から出力された第1サブ検出信号とに基づいて、前記外来放射線の信号成分を除去又は低減しつつ前記対象放射線の信号成分を抽出する指向特性形成処理を実行する指向特性形成部を含む、
    ことを特徴とする放射線測定システム。
  2. 請求項1記載のシステムにおいて、
    前記第1サブ検出器は前記メイン検出器の前記表面側に設けられ、
    前記指向特性形成処理は前記第1サブ検出信号に基づく前記メイン検出信号に対する第1の非同時計数処理を含む、
    ことを特徴とする放射線測定システム。
  3. 請求項2記載のシステムにおいて、
    前記検出ユニットは前記メイン検出器の前記表面側とは反対側に設けられた第2サブ検出器を含み、
    前記指向特性形成処理は前記第2サブ検出信号に基づく前記メイン検出信号に対する第2の非同時計数処理を含む、
    ことを特徴とする放射線測定システム。
  4. 請求項3記載のシステムにおいて、
    前記検出ユニットは前記深さ方向に直交する水平指向特性を有する、
    ことを特徴とする放射線測定システム。
  5. 請求項4記載のシステムにおいて、
    前記検出ユニットを前記深さ方向に移動させる移動機構が設けられた、
    ことを特徴とする放射線測定システム。
  6. 請求項5記載のシステムにおいて、
    前記移動機構を制御することにより前記深さ方向における前記検出ユニットの位置を制御する制御部と、
    前記検出ユニットの位置の可変によって取得された複数の放射線検出データに基いて深さと線量との関係を示すグラフを作成するグラフ作成部と、
    を含むことを特徴とする放射線測定システム。
  7. 請求項5記載のシステムにおいて、
    前記挿入ユニットは、前記深さ方向に伸長した部材であって放射線を透過する材料で構成された中空部材を含み、
    前記中空部材の内部空間に前記対象物から隔てられつつ前記検出ユニットが設けられた、
    ことを特徴とする放射線測定システム。
  8. 請求項1記載のシステムにおいて、
    前記挿入ユニットは、前記深さ方向に配列された複数の検出ユニットを含み、
    前記複数の検出ユニットにより複数の深さ位置において放射線が測定される、
    ことを特徴とする放射線測定システム。
  9. 請求項1記載のシステムにおいて、
    前記第1サブ検出器は前記メイン検出器の水平方向周囲に設けられ、
    前記指向特性形成処理は前記メイン検出信号と前記第1サブ検出信号とに基づく同時計数処理である、
    ことを特徴とする放射線測定システム。
  10. 土壌等の対象物の表面から深さ方向へ挿入され、前記対象物の内部で放射線を検出する検出ユニットを備える挿入ユニットと、
    前記検出ユニットからの信号を処理する信号処理ユニットと、
    を含み、
    前記検出ユニットは、それぞれ放射線を検出する深さ方向に整列したn(但しnは4以上)個の検出器からなる検出器列を有し、
    前記信号処理ユニットは、前記検出器列においてi(但し2≦i≦n−1)番目の検出器の検出結果に対して、i−1番目の検出器の検出結果に基づく非同時計数処理及びi+1番目の検出器の検出結果に基づく非同時計数処理を実行する、
    ことを特徴とする放射線測定システム。
  11. 請求項1又は10記載のシステムにおいて、
    前記対象物は土壌であり、
    前記土壌に対して前記挿入ユニットを支持する支持機構が設けられた、
    ことを特徴とする放射線測定システム。
  12. 請求項1又は10記載のシステムにおいて、
    前記対象物は水であり、
    前記水に対して前記挿入ユニットを支持する支持機構が設けられた、
    ことを特徴とする放射線測定システム。
  13. 対象物に対してその表面から穴を形成する形成工程と、
    前記穴に対して複数の検出器を挿入する工程と、
    前記穴の内部において複数の深さ位置で前記複数の検出器を用いて放射線の検出を行う工程と、
    前記複数の深さ位置での前記複数の検出器を用いた放射線の検出により得られた複数の信号を処理することにより前記対象物内の放射性物質から出た放射線に対応する目的信号成分を抽出する信号処理工程と、
    前記複数の深さ位置に対応する複数の目的信号成分に基づいて、深さと線量との関係を示すグラフを生成する工程と、
    を含むことを特徴とする放射線測定方法。
  14. 請求項13記載の放射線測定方法で得られた前記グラフに基づいて前記土壌に対して行う除染作業の深さ範囲を決定する、ことを特徴とする除染範囲決定方法。
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