JP2013204759A - 車両用変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】低速側の変速段と高速側の変速段との間でシームレスシフトを行う機構を含む車両用変速機の部品点数を削減する。
【解決手段】出力軸A3の第1遊転ギヤG1oと第2遊転ギヤG2oとの間に相対回転不能且つ軸方向に移動不能に設けられた被係合部材130と、被係合部材130と係合する係合位置と係合解除位置との間で回転可能且つ第1遊転ギヤG1oと共に回転する第1係合部材110と、被係合部材130と係合する係合位置と係合解除位置との間で回転可能且つ第2遊転ギヤG2oと共に回転する第2係合部材120と、第1係合部材110及び第2係合部材120を回転させる駆動装置とを備え、駆動装置により、第1係合部材110のみを係合させる低速モードと、第2係合部材120のみを係合させる高速モードと、第1係合部材110及び第2係合部材120の双方を係合させる中間モードと、のうちのいずれかのモードを選択的に達成するようにした。
【選択図】図2
【解決手段】出力軸A3の第1遊転ギヤG1oと第2遊転ギヤG2oとの間に相対回転不能且つ軸方向に移動不能に設けられた被係合部材130と、被係合部材130と係合する係合位置と係合解除位置との間で回転可能且つ第1遊転ギヤG1oと共に回転する第1係合部材110と、被係合部材130と係合する係合位置と係合解除位置との間で回転可能且つ第2遊転ギヤG2oと共に回転する第2係合部材120と、第1係合部材110及び第2係合部材120を回転させる駆動装置とを備え、駆動装置により、第1係合部材110のみを係合させる低速モードと、第2係合部材120のみを係合させる高速モードと、第1係合部材110及び第2係合部材120の双方を係合させる中間モードと、のうちのいずれかのモードを選択的に達成するようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両用変速機に関する。
特表2010−510464号公報(特許文献1)には、車両用変速機の一例が開示されている。この変速機では、低速側のギヤに設けられた第1被係合部材(駆動構造体)に係合可能な一方の係合部材(係合要素セット)と、高速側のギヤに設けられた第2被係合部材(駆動構造体)に係合可能な他方の係合部材(係合要素セット)が用いられており、これら2つの係合部材(係合要素セット)のそれぞれが、各係合部材に専用の駆動部材及びアクチュエータによって軸方向に独立して駆動されるように構成されている。本構成によれば、各係合部材の駆動をアクチュエータによって制御することで、一方の係合部材が第1被係合部材に係合した低速側の変速段から、他方の係合部材が第2被係合部材に係合した高速側の変速段への変更(加速シフト)を瞬時に行うことが可能であり、これにより駆動トルクの途切れのない変速、所謂「シームレスシフト」を達成することができる。
ところで、上記特許文献1に記載のような変速機では、前述のシームレスシフトを達成するための要素の部品点数を削減することによって、当該変速機に関する組み付け工数、重量、コスト等を抑えたいという要請がある。
また、低速側の変速段と高速側の変速段との間の変更に関しては、アクチュエータを用いる代わりに、各係合部材のうち被係合部材との対向部位に、軸方向に対して傾斜するように延在する傾斜面を設ける構造を採用することができる。この構造によれば、例えば低速側の変速段から高速側の変速段に変更する加速シフトの過程で、一方の係合部材の傾斜面が、低速側のギヤとともに回転する第1被係合部材に当接することによって、軸方向に関し当該第1被係合部材から離間するように押し出し荷重を受ける。これにより、第1被係合部の回転力の一部を利用して、一方の係合部材と第1被係合部材との係合解除を行うことが可能になる。
しかしながら、一方の係合部材と第1被係合部材との係合解除のために上述のような傾斜面を用いる場合、この傾斜面に高い強度を持たせる必要があり、その結果、変速機の重量やコストが上昇する。更に、例えば高速側の変速段から低速側の変速段に変更する減速シフトの過程では、一方の係合部材の傾斜面が第1被係合部材から離間するような押し戻し荷重を受けるため、減速シフト時のシームレスシフトが阻害される。
また、低速側の変速段と高速側の変速段との間の変更に関しては、アクチュエータを用いる代わりに、各係合部材のうち被係合部材との対向部位に、軸方向に対して傾斜するように延在する傾斜面を設ける構造を採用することができる。この構造によれば、例えば低速側の変速段から高速側の変速段に変更する加速シフトの過程で、一方の係合部材の傾斜面が、低速側のギヤとともに回転する第1被係合部材に当接することによって、軸方向に関し当該第1被係合部材から離間するように押し出し荷重を受ける。これにより、第1被係合部の回転力の一部を利用して、一方の係合部材と第1被係合部材との係合解除を行うことが可能になる。
しかしながら、一方の係合部材と第1被係合部材との係合解除のために上述のような傾斜面を用いる場合、この傾斜面に高い強度を持たせる必要があり、その結果、変速機の重量やコストが上昇する。更に、例えば高速側の変速段から低速側の変速段に変更する減速シフトの過程では、一方の係合部材の傾斜面が第1被係合部材から離間するような押し戻し荷重を受けるため、減速シフト時のシームレスシフトが阻害される。
そこで本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、低速側の変速段と高速側の変速段との間でシームレスシフトを行う機構を含む車両用変速機において、部品点数を削減するのに有効な技術を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、本発明に係る車両用変速機は、車両の駆動源の駆動出力軸と車両の駆動輪とを結ぶ動力伝達系統に介装され、複数の変速段を有する変速機であって、入力軸、出力軸、複数の固定ギヤ、複数の遊転ギヤ、被係合部材、第1係合部材、第2係合部材及び駆動装置を備えている。
入力軸は、駆動出力軸との間で動力伝達系統が形成される軸である。出力軸は、駆動輪との間で動力伝達系統が形成される軸である。複数の固定ギヤは、それぞれが入力軸又は出力軸に同軸的且つ相対回転不能に設けられるとともに、複数の変速段のそれぞれに対応するギヤである。複数の遊転ギヤは、それぞれが入力軸又は出力軸に同軸的且つ相対回転可能に設けられるとともに、複数の変速段のそれぞれに対応し、且つ対応する変速段の固定ギヤと常時噛合するギヤである。これら複数の遊転ギヤは、複数の変速段のうちの低速側変速段及び高速側変速段につき、低速側変速段の固定ギヤに常時噛合する第1遊転ギヤと、高速側変速段の固定ギヤに常時噛合する第2遊転ギヤとを含む。
被係合部材は、入力軸及び出力軸のうち第1遊転ギヤ及び第2遊転ギヤの双方が設けられている軸の第1遊転ギヤと第2遊転ギヤとの間に同軸的且つ相対回転不能に且つ前記軸の軸方向に移動不能に設けられている。第1係合部材は、第1遊転ギヤに設けられた回転軸を中心に被係合部材と係合する係合位置と当該係合が解除される係合解除位置との間で回転可能であり且つ第1遊転ギヤと共に回転する。第2係合部材は、第2遊転ギヤに設けられた回転軸を中心に被係合部材と係合する係合位置と当該係合が解除される係合解除位置との間で回転可能であり且つ第2遊転ギヤと共に回転する。
駆動装置は、第1係合部材及び第2係合部材のそれぞれを当該係合部材の回転軸を中心に回転させるための装置であり、低速モード、高速モード及び中間モードのうちのいずれかのモードを選択的に達成する。低速モードでは、第1係合部材が当該第1係合部材の係合位置に位置し、且つ第2係合部材が当該第2係合部材の係合解除位置に位置する。高速モードでは、第1係合部材が当該第1係合部材の係合解除位置に位置し、且つ第2係合部材が当該第2係合部材の係合位置に位置する。中間モードでは、低速モードと高速モードとの間で、第1係合部材及び第2係合部材の双方が当該係合部材の係合位置に位置する。即ち、この中間モードでは、第1係合部材及び第2係合部材の双方がそれぞれ被係合部材に係合した二重係合状態が形成される。これにより、駆動装置が、低速モードから中間モードを経て高速モードへと制御されることによって、或いは高速モードから中間モードを経て低速モードへと制御されることによって、駆動トルクの途切れのない変速(シームレスシフト)が達成される。
この場合、被係合部材は、第1係合部材及び第2係合部材の双方の係合対象として兼務されているため、シームレスシフトを達成するための要素の部品点数を削減することができる。その結果、車両用変速機に関する組み付け工数、重量、コスト等を抑えることが可能になる。また、第1係合部材及び第2係合部材のそれぞれと被係合部材との係合解除のために駆動装置を用いるため、例えば被係合部材に上述のような高強度の傾斜面を設ける必要がない。その結果、変速機の重量やコストの上昇を抑えるとともに、減速シフト時のシームレスシフトも円滑に行うことが可能になる。
本発明に係る更なる形態の車両用変速機では、駆動装置は、第1弾性部材、第2弾性部材、第1付勢部材及び第2付勢部材を含むのが好ましい。第1弾性部材は、第1係合部材に対して当該第1係合部材の係合位置から係合解除位置に向かう弾発力を常時に付与する。第2弾性部材は、第2係合部材に対して当該第2係合部材の係合位置から係合解除位置に向かう弾発力を常時に付与する。この場合、第1弾性部材及び第2弾性部材は1つの弾性部材として構成されてもよいし、或いはそれぞれが別個の弾性部材として構成されてもよい。第1付勢部材は、第1係合部材を当該第1係合部材の係合解除位置から係合位置に回転させるために第1係合部材を第1弾性部材の弾発力に抗して被係合部材に向けて付勢する一方で、第1係合部材を第1弾性部材の弾発力にしたがって当該第1係合部材の係合位置から係合解除位置に回転させるために前記付勢を解除する。第2付勢部材は、第2係合部材を当該第2係合部材の係合解除位置から係合位置に回転させるために第2係合部材を第2弾性部材の弾発力に抗して被係合部材に向けて付勢する一方で、第2係合部材を第2弾性部材の弾発力にしたがって当該第2係合部材の係合位置から係合解除位置に回転させるために前記付勢を解除する。この場合、第1付勢部材及び第2付勢部材は1つの部材として構成されてもよいし、或いはそれぞれが別個の部材として構成されてもよい。これにより、第1係合部材及び第2係合部材をそれぞれ、当該係合部材の係合解除位置に駆動する構造を、弾性部材を用いて簡素化することができる。
本発明に係る更なる形態の車両用変速機では、第1付勢部材及び第2付勢部材はそれぞれ、前記軸方向に延在する1つのフォークシャフトに連結されるとともに、対応する係合部材を当該係合部材の係合位置又は係合解除位置に回転させるためにフォークシャフトと共に前記軸方向に動作するのが好ましい。これにより、第1付勢部材及び第2付勢部材を1つのシャフトと一体化させることによって、駆動装置の構造を簡素化することができる。
本発明に係る更なる形態の車両用変速機では、被係合部材は、円板状の本体部と、本体部の外縁において当該本体部の周方向に等間隔で配置された複数の被係合溝と、を備えるのが好ましい。また、第1係合部材及び第2係合部材はそれぞれ、複数の被係合溝に対応して前記周方向に等間隔で複数設けられるとともに、各係合部材は複数の被係合溝のそれぞれに挿入可能な係合爪を備えるのが好ましい。これにより、第1係合部材及び第2係合部材のそれぞれと被係合部材とが係合する構造を、互いに係合する爪体及び溝を用いて簡素化することができる。
以上のように、本発明によれば、低速側の変速段と高速側の変速段との間でシームレスシフトを行う機構を含む車両用変速機において、部品点数を削減することが可能になった。
以下、本発明の実施形態に係る車両用変速機について図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係る(車両用)変速機T/Mは、車両の駆動源であるエンジンの駆動出力軸と車両の駆動輪とを結ぶ動力伝達系統に介装され、車両前進用に5つ変速段(1速(1st)〜5速(5th))、及び、車両後進用に1つの変速段(リバース)を備えている。
図1に示すように、変速機T/Mは、入力軸A2及び出力軸A3を備えている。変速機T/Mの入力軸A2は、クラッチC/D及びフライホイールF/Wを介して、エンジンE/Gの駆動出力軸A1に接続されている。この入力軸A2とエンジンE/Gの駆動出力軸A1との間で動力伝達系統が形成される。変速機T/Mの出力軸A3は、ディファレンシャルD/Fを介して車両の駆動輪D/Wに接続されている。この出力軸A3と駆動輪D/Wとの間で動力伝達系統が形成される。
クラッチC/Dは、変速機T/Mの入力軸A2に一体回転するように設けられた周知の構成の1つを有する摩擦クラッチディスクである。より具体的には、エンジンE/Gの出力軸A1に一体回転するように設けられたフライホイールF/Wに対して、クラッチC/D(より正確には、クラッチディスク)が互いに向き合うように同軸的に配置されている。フライホイールF/Wに対するクラッチC/D(より正確には、クラッチディスク)の軸方向の位置が調整可能になっている。クラッチC/Dの軸方向位置は、クラッチアクチュエータACT1により調整される。なお、このクラッチC/Dは、運転者によって操作されるクラッチペダルを備えていない。
変速機T/Mは、複数の固定ギヤ(「駆動ギヤ」ともいう)G1i、G2i、G3i、G4i、G5iと、複数の遊転ギヤ(「被動ギヤ」ともいう)G1o、G2o、G3o、G4o、G5oを備えている。複数の固定ギヤG1i、G2i、G3i、G4i、G5iは、それぞれが入力軸A2に同軸的且つ相対回転不能に、且つそれぞれが入力軸A2の軸方向に相対移動不能に固定されるとともに、それぞれが前進用の複数の変速段のそれぞれに対応している。具体的には、これらの固定ギヤG1i、G2i、G3i、G4i、G5iがそれぞれ、1速、2速、3速、4速、5速に対応している。複数の遊転ギヤG1o、G2o、G3o、G4o、G5oは、それぞれが出力軸A3に同軸的且つ相対回転可能に設けられ、且つそれぞれが前進用の複数の変速段のそれぞれに対応するとともに、それぞれが対応する変速段の固定ギヤと常時噛合している。具体的には、これらの遊転ギヤG1o、G2o、G3o、G4o、G5oがそれぞれ、1速、2速、3速、4速、5速に対応している。
変速機T/Mは、動力伝達機構101,102,103を含み、変速段の変更・設定は、変速機アクチュエータACT2を用いて、動力伝達機構101,102,103のそれぞれを作動させることによって実行される。変速段を変更することで、減速比(出力軸A3の回転速度に対する入力軸A2の回転速度の割合)が調整される。
制御装置200は、アクセル開度センサS1、シフト位置センサS2、ブレーキセンサS3及び電子制御ユニットECUを備えている。アクセル開度センサS1は、アクセルペダルAPの操作量(アクセル開度)を検出するセンサである。シフト位置センサS2は、シフトレバーSFの位置を検出するセンサである。ブレーキセンサS3は、ブレーキペダルBPの操作の有無を検出するセンサである。電子制御ユニットECUは、上述のセンサS1〜S3、並びにその他のセンサ等からの情報等に基づいて、上述のアクチュエータACT1,ACT2を制御することで、C/Dのクラッチストローク(従って、クラッチトルク)、及び、変速機T/Mの変速段を制御する。また、この電子制御ユニットECUは、エンジンE/Gの燃料噴射量(スロットル弁の開度)を制御することで、エンジンE/Gの出力軸A1の駆動トルクを制御する。
上記の動力伝達機構101,102,103はいずれも同様の構造を有するため、ここでは図2及び図3を参照しつつ動力伝達機構101の構造についてのみ説明する。
図2に示す動力伝達機構101は、複数の変速段のうち相対的に低速の変速段である1速と、1速に対して高速の変速段である2速とに対応しており、変速機T/Mの出力軸A3上にそれぞれ設けられた、第1遊転ギヤG1o、第2遊転ギヤG2o、第1係合部材110、第2係合部材120、被係合部材130を含む。
遊転ギヤG1o,G2oはいずれも、スナップリング140(固定手段)によって出力軸A3の軸方向Xの移動が阻止されており、且つ出力軸A3との軸周り方向Yの相対回転が可能になっている。被係合部材130は、第1遊転ギヤG1oと第2遊転ギヤG2oとの間においてスプライン嵌合によって出力軸A3に同軸的且つ相対回転不能に設けられるとともに、前述のスナップリング140と同様の固定手段によって出力軸A3の軸方向Xに移動不能とされている。従って、この被係合部材130は、出力軸A3の軸周り方向Yの回転時には出力軸A3と共に常時に回転する。更に、この被係合部材130は、円板状の本体部130と、この本体部130の外縁において当該本体部の周方向に等間隔で配置された複数の被係合溝132を備えている。この被係合部材130が本発明の「被係合部材」に相当する。
第1係合部材110は、第1遊転ギヤG1oに設けられた回転軸111を中心に被係合部材130と係合する係合位置(図2に示す位置)と当該係合が解除される係合解除位置との間で回転可能であり、且つ第1遊転ギヤG1oと共に出力軸A3の軸周り方向Yに回転するように第1遊転ギヤG1oに取り付けられている。また、この第1係合部材110と第1遊転ギヤG1oとの間には、第1係合部材110に対して当該第1係合部材110の係合位置から係合解除位置に向かう弾発力を常時に付与するコイルスプリング114が介装されている。このコイルスプリング114が本発明の「第1弾性部材」に相当する。
同様に、第2係合部材120は、第2遊転ギヤG2oに設けられた回転軸121を中心に被係合部材130と係合する係合位置と当該係合が解除される係合解除位置(図2に示す位置)との間で回転可能であり、且つ第2遊転ギヤG2oと共に出力軸A3の軸周り方向Yに回転するように第2遊転ギヤG1oに取り付けられている。また、この第2係合部材120と第2遊転ギヤG2oとの間には、第2係合部材120に対して当該第2係合部材120の係合位置から係合解除位置に向かう弾発力を常時に付与する、コイルスプリング114と同様のコイルスプリング124が介装されている。このコイルスプリング124が本発明の「第2弾性部材」に相当する。
一方で、第1係合部材110は、第1付勢部材152によって所定のタイミングで付勢されるように構成されている。この第1付勢部材152は、1つのフォーク150に設けられており、このフォーク150は、出力軸A3の軸方向Xに延在する1つのフォークシャフト151に連結されている。同様に、第2係合部材120は、第2付勢部材153によって所定のタイミングで付勢されるように構成されている。この第2付勢部材153は、第1付勢部材152と同一のフォーク150に設けられるとともに、出力軸A3の軸方向Xに関して第1付勢部材152から離間して配置されている。第1付勢部材152及び第2付勢部材153はそれぞれ、対応する係合部材を当該係合部材の係合位置又は係合解除位置に回転させるためにフォークシャフト151と共に出力軸A3の軸方向Xに動作する。フォーク150及びフォークシャフト151は、上述の電子制御ユニットECUで制御されたアクチュエータACT2によって出力軸A3の軸方向Xに駆動される。
第1付勢部材152は、第1係合部材110をコイルスプリング114の弾発力に抗して被係合部材130との係合解除位置から係合位置に回転させるために当該第1係合部材110を付勢する一方で、第1係合部材110をコイルスプリング114の弾発力にしたがって被係合部材130との係合位置から係合解除位置に回転させるために当該第1係合部材110に対する付勢を解除する。同様に、第2付勢部材153は、第2係合部材120をコイルスプリング124の弾発力に抗して被係合部材130との係合解除位置から係合位置に回転させるために当該第2係合部材120を付勢する一方で、第2係合部材110をコイルスプリング124の弾発力にしたがって被係合部材130との係合位置から係合解除位置に回転させるために当該第2係合部材120に対する付勢を解除する。ここでいう第1付勢部材152及び第2付勢部材153がそれぞれ、本発明の「第1付勢部材」及び「第2付勢部材」に相当する。
要するに、第1係合部材110は、駆動装置を構成するコイルスプリング114及びアクチュエータACT2(第1付勢部材152を含むフォーク150及びフォークシャフト151)の協働によって、回転軸111を中心に回転して、その回転位置を変更することができる。例えば、第1係合部材110は、アクチュエータACT2による付勢力が解除された状態では、コイルスプリング114の弾発力のみによって係合解除位置(「初期位置」ともいう)に設定される。一方で、第1係合部材110は、コイルスプリング114の弾発力を上回る、アクチュエータACT2による付勢力によって被係合部材130に近接するように制御され、係合位置に設定される。
同様に、第2係合部材110は、駆動装置を構成するコイルスプリング124及びアクチュエータACT2(第2付勢部材153を含むフォーク150及びフォークシャフト151)の協働によって、回転軸121を中心に回転して、その回転位置を変更することができる。例えば、第2係合部材120は、アクチュエータACT2による付勢力が解除された状態では、コイルスプリング124の弾発力のみによって係合解除位置(「初期位置」ともいう)に設定される。一方で、第2係合部材120は、コイルスプリング124の弾発力を上回る、アクチュエータACT2による付勢力によって被係合部材130に近接するように制御され、係合位置に設定される。
図3に示す実施形態では、上記の第1係合部材110は、被係合部材130の複数の(図3では3つの)被係合溝132に対応して、本体部131の周方向に等間隔で複数(図3では3つ)設けられるとともに、各係合部材110は複数の被係合溝132のそれぞれに挿入可能な係合爪112を備えている。即ち、各被係合溝132は、少なくとも各係合爪112が挿入可能となるように、周方向の寸法及び出力軸A3の軸方向の寸法が設定されている。3つの係合爪112は、円環状に形成された第1付勢部材152によって同時に被係合部材130との係合位置へと付勢されて、各係合爪112が各被係合溝132に挿入される。係合爪112が被係合溝132に挿入されることによって、第1係合部材110が被係合部材130と係合する。
また特に図示しないものの、上記の第2係合部材120も第1係合部材110と同様に構成されており、被係合部材130の複数の被係合溝132に対応して、本体部131の周方向に等間隔で複数設けられるとともに、各係合部材120は複数の被係合溝132のそれぞれに挿入可能な係合爪122を備えている。ここでいう係合爪112,122及び被係合溝132がそれぞれ、本発明における「係合爪」及び「被係合溝」に相当する。
以下、上記構成の動力伝達機構101の制御態様、特には変速機T/Mの変速段が1速から2速に変更される際の制御態様を、図4〜図8を参照しつつ説明する。この制御は、制御装置200の電子制御ユニットECUが変速機アクチュエータACT2を制御することによって遂行される。これにより、少なくとも下記の低速モード、高速モード及び中間モードのうちのいずれかのモードが選択的に達成される。なお、これらの図面では、3つの第1係合部材110と、3つの第2係合部材120のうち係合に関与する代表的な係合部材のみを記載しており、また、第1遊転ギヤG1oと第2遊転ギヤG2oとのギヤ比が1:2の場合を想定している。
(低速モード)
図4に示す低速モードでは、変速機T/Mが1速に設定されている。即ち、第1係合部材110が当該第1係合部材の係合位置に制御され、且つ第2係合部材120が当該第2係合部材の係合解除位置に制御される。具体的には、第1係合部材110は、その係合爪112が被係合部材130の被係合溝132に挿入されるように、変速機アクチュエータACT2(第1付勢部材152を含むフォーク150及びフォークシャフト151)によって図4中の係合位置に付勢されている。即ち、第1係合部材110は、コイルスプリング114の弾発力に抗して、回転軸111を中心として被係合部材130に近接する方向に付勢された結果、図4中の係合位置に設定されている。また、この係合位置では、図5に示すように、係合爪112の側壁113が被係合溝132の溝縁133に当接することによって、第1係合部材110は、被係合部材130と共に出力軸A3の軸周り方向Yに一体状に回転することができる。一方で、第2係合部材120は、その係合爪122と被係合部材130の被係合溝132との係合が解除されるように、変速機アクチュエータACT2(第2付勢部材153を含むフォーク150及びフォークシャフト151)による付勢が解除され、コイルスプリング114の弾発力のみによって図4中の係合解除位置に維持されている。
図4に示す低速モードでは、変速機T/Mが1速に設定されている。即ち、第1係合部材110が当該第1係合部材の係合位置に制御され、且つ第2係合部材120が当該第2係合部材の係合解除位置に制御される。具体的には、第1係合部材110は、その係合爪112が被係合部材130の被係合溝132に挿入されるように、変速機アクチュエータACT2(第1付勢部材152を含むフォーク150及びフォークシャフト151)によって図4中の係合位置に付勢されている。即ち、第1係合部材110は、コイルスプリング114の弾発力に抗して、回転軸111を中心として被係合部材130に近接する方向に付勢された結果、図4中の係合位置に設定されている。また、この係合位置では、図5に示すように、係合爪112の側壁113が被係合溝132の溝縁133に当接することによって、第1係合部材110は、被係合部材130と共に出力軸A3の軸周り方向Yに一体状に回転することができる。一方で、第2係合部材120は、その係合爪122と被係合部材130の被係合溝132との係合が解除されるように、変速機アクチュエータACT2(第2付勢部材153を含むフォーク150及びフォークシャフト151)による付勢が解除され、コイルスプリング114の弾発力のみによって図4中の係合解除位置に維持されている。
この低速モードでは、第1遊転ギヤG1oが所定の回転速度(「角速度」ともいう)ωで回転し、第2遊転ギヤG2oがその2倍の回転速度である2ωで回転している場合、第1遊転ギヤG1oに取り付けられた第1係合部材110は、第1遊転ギヤG1oと同一の回転速度ωで同一の方向に回転している。また、第1係合部材110と係合状態にある被係合部材130も、出力軸A3と共に同一の回転速度ωで同一の方向に回転している。この場合、入力軸A2の回転は、第1遊転ギヤG1oのみを介して出力軸A3に伝達され、1速の減速比を有する動力伝達系統が形成される。この低速モードが本発明の「低速モード」に相当する。
(中間モード)
図6に示す中間モードは、図4の低速モードと図8の高速モードとの間で、変速機T/Mが1速から2速に変更される過程の状態である。具体的には、図4の低速モードに引き続いて、第2係合部材120は、その係合爪122が被係合部材130の被係合溝132に係合する(挿入される)ように、変速機アクチュエータACT2(第2付勢部材153を含むフォーク150及びフォークシャフト151)によって図4中の係合解除位置から図6中の係合位置へと付勢されている。即ち、第2係合部材120は、コイルスプリング124の弾発力に抗して、回転軸111を中心として被係合部材130に近接する方向に付勢された結果、図6中の係合位置に設定されている。一方で、第1係合部材110は、その係合爪112が被係合部材130の被係合溝132と係合した係合位置に維持されている。従って、図6に示す中間モードでは、一時的に第1係合部材110及び第2係合部材120の双方が被係合部材130に係合した二重係合状態(「二重噛み合い状態」ともいう)が形成されている。
図6に示す中間モードは、図4の低速モードと図8の高速モードとの間で、変速機T/Mが1速から2速に変更される過程の状態である。具体的には、図4の低速モードに引き続いて、第2係合部材120は、その係合爪122が被係合部材130の被係合溝132に係合する(挿入される)ように、変速機アクチュエータACT2(第2付勢部材153を含むフォーク150及びフォークシャフト151)によって図4中の係合解除位置から図6中の係合位置へと付勢されている。即ち、第2係合部材120は、コイルスプリング124の弾発力に抗して、回転軸111を中心として被係合部材130に近接する方向に付勢された結果、図6中の係合位置に設定されている。一方で、第1係合部材110は、その係合爪112が被係合部材130の被係合溝132と係合した係合位置に維持されている。従って、図6に示す中間モードでは、一時的に第1係合部材110及び第2係合部材120の双方が被係合部材130に係合した二重係合状態(「二重噛み合い状態」ともいう)が形成されている。
この中間モードでは、第2係合部材120が被係合部材130と係合した結果、この第2係合部材120の回転速度は2ωからωに半減する。また、この第2係合部材120が取り付けられている第2遊転ギヤG2oの回転速度も2ωからωに半減する。これにより、第2遊転ギヤG2oの回転が、固定ギヤG2i、入力軸A2及び固定ギヤG1iを経由して第1遊転ギヤG1oに伝達されることで、第1遊転ギヤG1o及び第1係合部材110の回転速度はいずれもωから(1/2)ωに半減する。この場合、入力軸A2の回転は、一時的に第1遊転ギヤG1o及び第2遊転ギヤG2oの双方を介して出力軸A3に伝達される。この中間モードが本発明の「中間モード」に相当する。
更に、図7に示すように、第1係合部材110の回転速度が低下して、第1係合部材110と被係合部材130との間に回転差が生じた結果、当接していた係合爪112の側壁113と被係合溝132の溝縁133とが互いに離間するように、係合爪112及び被係合部材130が相対回転する(図7中の白抜き矢印参照)。この場合、入力軸A2の回転は、一時的に第2遊転ギヤG2oのみを介して出力軸A3に伝達される。
(高速モード)
図8に示す高速モードでは、第1係合部材110が当該第1係合部材の係合解除位置に制御され、且つ第2係合部材120が当該第2係合部材の係合位置に制御される。具体的には、第1係合部材110は、図6に示す中間モードに引き続いて、変速機アクチュエータACT2(第1付勢部材152を含むフォーク150及びフォークシャフト151)の付勢が解除され、コイルスプリング114の弾発力のみによって回転軸111を中心として被係合部材130から離間する方向に駆動された結果、図2中の係合解除位置に復帰している。これにより、第1係合部材110は、被係合部材130との係合が完全に解除される。この場合、入力軸A2の回転は、第2遊転ギヤG2oのみを介して出力軸A3に伝達され、2速の減速比を有する動力伝達系統が形成される。かくして、1速から2速への変更(加速シフト)を瞬時に行うことができ、これにより駆動トルクの途切れのないシームレスシフトが達成される。この高速モードが本発明の「高速モード」に相当する。
図8に示す高速モードでは、第1係合部材110が当該第1係合部材の係合解除位置に制御され、且つ第2係合部材120が当該第2係合部材の係合位置に制御される。具体的には、第1係合部材110は、図6に示す中間モードに引き続いて、変速機アクチュエータACT2(第1付勢部材152を含むフォーク150及びフォークシャフト151)の付勢が解除され、コイルスプリング114の弾発力のみによって回転軸111を中心として被係合部材130から離間する方向に駆動された結果、図2中の係合解除位置に復帰している。これにより、第1係合部材110は、被係合部材130との係合が完全に解除される。この場合、入力軸A2の回転は、第2遊転ギヤG2oのみを介して出力軸A3に伝達され、2速の減速比を有する動力伝達系統が形成される。かくして、1速から2速への変更(加速シフト)を瞬時に行うことができ、これにより駆動トルクの途切れのないシームレスシフトが達成される。この高速モードが本発明の「高速モード」に相当する。
高速モードにおける第1係合部材110の駆動は、上述のようにコイルスプリング114が図2中の係合解除位置に復帰する際の弾発力のみを利用して行われるのが好ましい。これにより、第1係合部材110と被係合部材130との係合を解除するための動力が抑えられる。一方で、第1係合部材110と被係合部材130との係合を解除するために、コイルスプリング114及び変速機アクチュエータACT2の双方を用いることもできる。また、第1係合部材110を係合位置に設定するのにコイルスプリング114を用いる一方で、第1係合部材110を係合解除位置に設定するのに変速機アクチュエータACT2を用いることもできる。また、コイルスプリング以外のバネや、バネ以外の弾性部材を用いることもできる。
なお具体的に図示しないものの、2速から1速への変速段の変更(減速シフト)については、図4から図8に至る制御態様が実質的に反対に実行されることによって、1速から2速への変速段の変更(加速シフト)と同様のシームレスシフトが達成される。
上記構成の動力伝達機構101によれば、被係合部材130は、第1係合部材110及び第2係合部材120の双方の係合対象として兼務されているため、シームレスシフトを達成するための要素の部品点数を削減することができる。その結果、変速機T/Mに関する組み付け工数、重量、コスト等を抑えることが可能になる。また、第1係合部材110及び第2係合部材120のそれぞれと被係合部材130との係合解除のために制御装置200を用いるため、例えば被係合部材130に上述のような高強度の傾斜面、即ち出力軸A3の軸方向に対して傾斜するように延在する傾斜面を設ける必要がない。その結果、変速機T/Mの重量やコストの上昇を抑えるとともに、減速シフト時のシームレスシフトも円滑に行うことが可能になる。
また、第1係合部材110及び第2係合部材120をそれぞれ、当該係合部材の係合解除位置に設定する構造を、コイルスプリング114,124を用いて簡素化することができる。
更に、第1付勢部材152及び第2付勢部材153を1つのフォーク150を介して1つのフォークシャフト151と一体化させることによって、駆動装置の構造を簡素化することができる。
更に、第1係合部材110及び第2係合部材120のそれぞれと被係合部材130とが係合する構造を、互いに係合する爪体及び溝を用いて簡素化することができる。
また、第1係合部材110及び第2係合部材120をそれぞれ、当該係合部材の係合解除位置に設定する構造を、コイルスプリング114,124を用いて簡素化することができる。
更に、第1付勢部材152及び第2付勢部材153を1つのフォーク150を介して1つのフォークシャフト151と一体化させることによって、駆動装置の構造を簡素化することができる。
更に、第1係合部材110及び第2係合部材120のそれぞれと被係合部材130とが係合する構造を、互いに係合する爪体及び溝を用いて簡素化することができる。
本発明は、上記の典型的な実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記の実施形態では、動力伝達機構101,102,103を出力軸A3に設ける場合について記載したが、本発明では、動力伝達機構101,102,103に相当する機構をそれぞれ入力軸A2及び出力軸A3の少なくとも一方に設けることができる。即ち、所定の遊動ギヤが設けられている軸に対して、本発明の動力伝達機構を適用することができる。
上記の実施形態では、第1付勢部材152及び第2付勢部材153が1つのフォーク150を介して1つのフォークシャフト151と一体化されて、フォークシャフト151と共に駆動される場合について記載したが、本発明では、第1付勢部材152及び第2付勢部材153がそれぞれ、専用の2つのフォークと専用の2つのフォークシャフトを用いて、独立して駆動されるように構成することもできる。
上記の実施形態では、一例として1速と2速との間で変速が行われる動力伝達機構について記載したが、相対的に低速の変速段と相対的に高速側の変速段との間で変速が行われる動力伝達機構に本発明を適用することができる。
T/M…変速機、C/D…クラッチ、D/F…ディファレンシャル、D/W…駆動輪、E/G…エンジン、F/W…フライホイール、A1…駆動出力軸、A2…入力軸、A3…出力軸、ACT1…クラッチアクチュエータ、ACT2…変速機アクチュエータ、AP…アクセルペダル、BP…ブレーキペダル、SL…シフトレバー、ECU…電子制御ユニット、G1i、G2i、G3i、G4i、G5i…固定ギヤ、G1o、G2o、G3o、G4o、G5o…遊転ギヤ、S1…アクセル開度センサ、S2…シフト位置センサ、S3…ブレーキセンサ、101,102,103…動力伝達機構、110…第1係合部材、111,121…回転軸、112,122…係合爪、113…側壁、114,124…コイルスプリング、120…第2係合部材、130…被係合部材、131…本体部、132…被係合溝、133…溝縁、140…スナップリング、150…フォーク、151…フォークシャフト、152…第1付勢部材、153…第2付勢部材、200…制御装置
Claims (4)
- 車両の駆動源の駆動出力軸と前記車両の駆動輪とを結ぶ動力伝達系統に介装され、複数の変速段を有する車両用変速機であって、
前記駆動出力軸との間で動力伝達系統が形成される入力軸と、
前記駆動輪との間で動力伝達系統が形成される出力軸と、
それぞれが前記入力軸又は前記出力軸に同軸的且つ相対回転不能に設けられるとともに、前記複数の変速段のそれぞれに対応する複数の固定ギヤと、
それぞれが前記入力軸又は前記出力軸に同軸的且つ相対回転可能に設けられるとともに、前記複数の変速段のそれぞれに対応し、且つ対応する変速段の前記固定ギヤと常時噛合する複数の遊転ギヤと、
を備え、
前記複数の遊転ギヤは、
前記複数の変速段のうちの低速側変速段及び高速側変速段につき、前記低速側変速段の前記固定ギヤに常時噛合する第1遊転ギヤと、前記高速側変速段の前記固定ギヤに常時噛合する第2遊転ギヤと、を含み、
当該車両用変速機は更に、
前記入力軸及び前記出力軸のうち前記第1遊転ギヤ及び前記第2遊転ギヤの双方が設けられている軸の前記第1遊転ギヤと前記第2遊転ギヤとの間に同軸的且つ相対回転不能に且つ前記軸の軸方向に移動不能に設けられた被係合部材と、
前記第1遊転ギヤに設けられた回転軸を中心に前記被係合部材と係合する係合位置と当該係合が解除される係合解除位置との間で回転可能であり且つ前記第1遊転ギヤと共に回転する第1係合部材と、
前記第2遊転ギヤに設けられた回転軸を中心に前記被係合部材と係合する係合位置と当該係合が解除される係合解除位置との間で回転可能であり且つ前記第2遊転ギヤと共に回転する第2係合部材と、
前記第1係合部材及び前記第2係合部材のそれぞれを当該係合部材の前記回転軸を中心に回転させるための駆動装置と、
を備え、
前記駆動装置は、
前記第1係合部材が当該第1係合部材の前記係合位置に位置し、且つ前記第2係合部材が当該第2係合部材の前記係合解除位置に位置する低速モードと、
前記第1係合部材が当該第1係合部材の前記係合解除位置に位置し、且つ前記第2係合部材が当該第2係合部材の前記係合位置に位置する高速モードと、
前記低速モードと前記高速モードとの間で、前記第1係合部材及び前記第2係合部材の双方が当該係合部材の前記係合位置に位置する中間モードと、のうちのいずれかのモードを選択的に達成する、車両用変速機。 - 請求項1に記載の車両用変速機であって、
前記駆動装置は、
前記第1係合部材に対して当該第1係合部材の前記係合位置から前記係合解除位置に向かう弾発力を常時に付与する第1弾性部材と、
前記第2係合部材に対して当該第2係合部材の前記係合位置から前記係合解除位置に向かう弾発力を常時に付与する第2弾性部材と、
前記第1係合部材を当該第1係合部材の前記係合解除位置から前記係合位置に回転させるために前記第1係合部材を前記第1弾性部材の弾発力に抗して前記被係合部材に向けて付勢する一方で、前記第1係合部材を前記第1弾性部材の弾発力にしたがって当該第1係合部材の前記係合位置から前記係合解除位置に回転させるために前記付勢を解除する第1付勢部材と、
前記第2係合部材を当該第2係合部材の前記係合解除位置から前記係合位置に回転させるために前記第2係合部材を前記第2弾性部材の弾発力に抗して前記被係合部材に向けて付勢する一方で、前記第2係合部材を前記第2弾性部材の弾発力にしたがって当該第2係合部材の前記係合位置から前記係合解除位置に回転させるために前記付勢を解除する第2付勢部材と、
を含む、車両用変速機。 - 請求項2に記載の車両用変速機であって、
前記第1付勢部材及び前記第2付勢部材はそれぞれ、前記軸方向に延在する1つのフォークシャフトに連結されるとともに、対応する係合部材を当該係合部材の前記係合位置又は前記係合解除位置に回転させるために前記フォークシャフトと共に前記軸方向に動作する、車両用変速機。 - 請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の車両用変速機であって、
前記被係合部材は、円板状の本体部と、前記本体部の外縁において当該本体部の周方向に等間隔で配置された複数の被係合溝と、を備え、
前記第1係合部材及び前記第2係合部材はそれぞれ、前記複数の被係合溝に対応して前記周方向に等間隔で複数設けられるとともに、各係合部材は前記複数の被係合溝のそれぞれに挿入可能な係合爪を備える、車両用変速機。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012076131A JP2013204759A (ja) | 2012-03-29 | 2012-03-29 | 車両用変速機 |
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JP2012076131A JP2013204759A (ja) | 2012-03-29 | 2012-03-29 | 車両用変速機 |
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JP2012076131A Pending JP2013204759A (ja) | 2012-03-29 | 2012-03-29 | 車両用変速機 |
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-
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- 2012-03-29 JP JP2012076131A patent/JP2013204759A/ja active Pending
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