JP2013204145A - 曲げ加工性、衝撃特性および引張特性に優れた鋼板およびその製造方法 - Google Patents

曲げ加工性、衝撃特性および引張特性に優れた鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】板厚が厚くとも、高い降伏強度と高い引張強度を示すと共に、母材靭性、曲げ加工性、および曲げ加工後の靭性に優れ、更には、HAZ靭性と溶接性(耐溶接割れ性)にも優れた高張力鋼板を実現する。
【解決手段】所定の成分組成を満たし、かつ、所定の式(1)で定義される溶接割れ感受性組成PCMが0.20%以下であり、かつ、鋼の全組織に占めるアシキュラフェライトの分率:70面積%以上、全組織の平均結晶粒径(円相当直径):7μm以下、およびMAの分率:0.5面積%以下を満たし、更に、鋼板表面部のビッカース硬さの最高値が220以下であることを特徴とする曲げ加工性、衝撃特性および引張特性に優れた鋼板。
【選択図】図1

Description

本発明は、曲げ加工性、衝撃特性(母材靭性および曲げ加工後の靭性)および引張特性に優れた鋼板およびその製造方法に関するものであり、板厚が厚い場合(例えば100mm程度)であっても、母材の引張特性(降伏強度、引張強度)と靭性に優れるだけでなく、曲げ加工性、曲げ加工後の靭性に優れ、更にはHAZ靭性および溶接性にも優れる鋼板とその製造方法に関するものである。
橋梁、船舶、海洋構造物、圧力容器、ラインパイプなどの溶接構造物材として用いられる降伏強度500MPa以上の高張力鋼板には、強度の他に靭性や溶接性が要求され、近年では大入熱での溶接性確保も要求される。加えて、優れた冷間曲げ加工性の他、曲げ加工後の優れた靭性確保や、−20〜−50℃程度の寒冷地での使用のための良好な低温靭性確保も併せて要求される場合がある。特に、冷間曲げ加工については、角形鋼管のような曲げ内半径2.5tといった非常に厳しい冷間曲げ加工がなされる場合がある。この様な場合でも、冷間曲げ加工後の靭性を確保することが求められる。これらの特性を向上させるための検討が、従来からも多数なされており、具体的に、上記特性を向上させるための鋼板の成分組成および製造条件等について、多数の提案がなされている。
古くにはオフラインで再加熱焼入れし、さらに再加熱焼戻し処理する方法、また鋼板を圧延した直後に焼入れを行う、いわゆる直接焼入れを行ってから、オフラインで焼戻し処理をする方法がある。しかしながら、これらはオフラインでの焼き戻し工程が必要であり、生産性の低下や長工期化などの問題があるため、近年では焼戻し処理を省略してオフラインでの熱処理を必要としない、いわゆる非調質の製造方法が種々提案されている。
上記非調質の製造方法として、例えば特許文献1には、成分として、Nbの炭窒化物、Tiの炭化物による析出強化の活用により、従来の非調質プロセスで強度を得るために添加していた高価なNiやCuを削減し、またMn添加量を増加させ、非調質プロセスとして、800℃以上の温度範囲から冷却速度2〜30℃/秒にて冷却し、次いで、550〜700℃の温度範囲から冷却速度0.4℃/秒以下にて冷却することにより、降伏強さが450MPa以上の高張力を有し、音響異方性が小さくかつ溶接性に優れる高張力鋼板が得られる旨提案されている。
また、特許文献2も同様に、Mn添加量を増加させ、かつ、化学成分の適正化に加え、前段冷却−後段冷却を含む非調質プロセスを適用することにより、降伏応力が460MPa以上であって、母材の強度・靭性に優れるとともに、溶接部の靭性にも優れる高張力鋼とその製造方法に関する技術が提案されている。
一方、特許文献3には、冷間曲げ後においても優れた低温靭性を有する歪時効後の靭性に優れた非調質の60キロ級構造用鋼に関する技術が提案されている。この技術は、低Cとし、圧延後にAr3以上より冷却速度2℃/秒以上で300〜600℃の温度域まで冷却するプロセス(加速冷却を室温までの途中で停止するプロセス)を適用すると共に、スラブ加熱温度と再結晶域での圧延により、旧オーステナイト結晶粒径、ベイナイトのパケットサイズの微細化と、未再結晶温度域での累積圧下率確保によるフェライト析出促進により、セメンタイトのサイズを小さくかつ析出量を低減している。その結果、歪時効後にも優れた靭性を確保できることが示されている。
特開2006−241556号公報 特開2009−263777号公報 特開2001−64723号公報
上述のように焼戻し処理省略の観点から、非調質の製造方法が種々提案されている。しかし、冷間曲げ加工後の優れた靭性確保や、−20〜−50℃程度の寒冷地での使用のための良好な低温靭性の確保の観点からなされたものではない。上記特許文献1では、製造工程において、音響異方性を低減すべく高温で圧延を行っていることから、特に板厚80mm以上の厚肉材では、達成できる母材靭性は、vTrsで−50〜−60℃程度であり、冷間曲げ加工後の靭性確保や寒冷地での使用を考慮すると、更なる検討が必要であると考えられる。
また、特許文献2では、前段冷却後に後段冷却を実施し、かつ、後段冷却の停止温度が450℃以下で300℃程度と比較的低温であることから、冷却完了後の徐冷過程での焼戻し効果が少なく、鋼板表面部の硬さが大きいものと思われる。その結果、例えば曲げ内半径が2.5tと厳しい角形鋼管を製造する場合、曲げ加工ができたとしても、曲げ加工の表層部の割れ防止までは難しいと思われる。
一方、特許文献3は、冷間曲げなどを想定して歪時効後の靭性を改善しているものであるが、その想定している歪量は5%程度(曲げ内半径にして10t程度)であり、上述した様な曲げ内半径2.5tといった厳しい冷間曲げ加工では、曲げ外表面部の歪量が20%程度になるため、曲げ加工後の低温靭性を確保することが困難と考えられる。実際のところ、特許文献3の実施例(本発明例)には、歪時効前のvTs(vTrs)が−70℃程度の例もあるが、母材靭性がこのレベルであると、曲げ内半径2.5tでの曲げ加工後の靭性を確保することが困難であると思われる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、板厚が厚くとも、高い降伏強度と高い引張強度を示すと共に、母材靭性、曲げ加工性、および曲げ加工後の靭性に優れ、更には、HAZ靭性と溶接性(耐溶接割れ性)にも優れた高張力鋼板を、オフラインでの熱処理を必要とせずに生産性よく、かつ安価に提供する技術を確立することにある。
上記課題を解決し得た本発明の曲げ加工性、衝撃特性および引張特性に優れた鋼板は、
C:0.02〜0.05%(「質量%」の意味。化学成分について以下同じ)、
Si:0.10〜0.40%、
Mn:1.85〜2.50%、
P:0.012%以下(0%を含まない)、
S:0.005%以下(0%を含まない)、
Nb:0.020〜0.050%、
Ti:0.005〜0.020%、
N:0.0020〜0.0060%、および
Al:0.010〜0.060%
を満たし、残部が鉄および不可避不純物からなり、かつ、
下記式(1)で定義される溶接割れ感受性組成PCMが0.20%以下であり、かつ、
鋼の全組織に占めるアシキュラフェライトの分率:70面積%以上、
全組織の平均結晶粒径(円相当直径):7μm以下、および
MA(Martensite−Austenite Constituent)の分率:0.5面積%以下を満たし、更に、鋼板表面部のビッカース硬さの最高値が220以下であるところに特徴を有する。
CM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5×B ・・・ (1)
[式(1)において、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Bは、各元素の鋼中含有量(質量%)を示す。]
上記鋼板は、更に他の元素として、Cu:0.50%以下(0%を含まない)およびNi:0.50%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上の元素を含有していてもよい。
また上記鋼板は、更に他の元素として、Ca:0.0005〜0.0050%を含有していてもよい。
本発明は、上記鋼板の製造方法も含むものであって、該製造方法は、上記成分組成を有する鋼片を、1050〜1200℃に加熱し、次いで、表面温度が900〜1050℃の温度域で累積圧下率が30%以上、かつ、表面温度が750〜850℃の温度域で累積圧下率が30%以上となるように熱間圧延を行った後、表面温度がAr以上の温度から、4〜100℃/sの平均冷却速度で450〜600℃の温度域まで冷却し、その後空冷するところに特徴を有する。
本発明によれば、板厚が80mm以上と厚い場合であっても、高い引張特性(降伏強度(YS)が500MPa以上、かつ引張強度(TS)が570MPa以上)を示すと共に、母材靭性、曲げ加工性、および曲げ加工後の靭性に優れ、更には、HAZ靭性と溶接性(耐溶接割れ性)にも優れた高張力鋼板を、オフラインでの熱処理を必要とせずに生産性よくかつ安価に提供することができる。上記特性を有する本発明の鋼板は、例えば橋梁や船舶、海洋構造物、圧力容器、ラインパイプなどの溶接構造部材として用いることができる。
図1は、アシキュラフェライトの分率と降伏強度の関係を示すグラフである。 図2は、アシキュラフェライトの分率と引張強度の関係を示すグラフである。 図3は、全組織の平均結晶粒径と降伏強度の関係を示すグラフである。 図4は、MA分率と降伏強度の関係を示すグラフである。 図5は、全組織の平均結晶粒径とvTrs(衝撃特性)の関係を示すグラフである。
本発明者らは、上記事情に鑑みて、板厚が厚い場合(厚肉)であっても母材の降伏強度と引張強度が高く、かつ母材靭性に優れるとともに、曲げ加工性、曲げ加工後の靭性、更にはHAZ靭性や溶接性(耐溶接割れ性)にも優れた鋼板を得るための方法について鋭意検討した。
その結果、鋼板内部の冷却速度を大きくすることのできない厚肉材に対し、加速冷却を室温までの途中で停止するプロセスを適用して上記特性を確保するには、化学成分として、低カーボンとし、かつ、Nb添加によりフェライトノーズを長時間側にした上でオーステナイト安定化元素(Mn、更には必要に応じてNiなど)を添加して変態温度を下げ、オーステナイト域での再結晶圧延と未再結晶圧延を適切に施し、更に上記プロセスにおいて、加速冷却の冷却開始温度、冷却速度および冷却停止温度を、所定の範囲内に制御して、組織を、微細なアシキュラフェライト主体の組織とし、かつ、局部的にCが濃縮した硬質相であるM−A(Martensite−Austenite Constituent)組織(以下、「MA」という)を極めて少なくすることが重要であることを見出した(尚、以下では、本発明における、加速冷却を室温までの途中で停止するプロセスを「本発明の加速冷却プロセス」ということがある)。
また、曲げ内半径が2.5tとなるような厳しい冷間曲げ加工がなされた場合でも、表面割れの生じない良好な曲げ加工性を確保するには、鋼板の表面硬さを低減することが有効であるため、その方法を検討したところ、化学成分組成において低カーボンとし最高硬さを低く抑えるとともに、特に加速冷却の停止温度を比較的高温として、焼戻し効果を有効に活用すればよいことを見出した。
加えて、鋼材の成分組成において、溶接割れ感受性組成(PCM)を0.20%以下に抑えることによって、溶接割れも抑えられて溶接性に優れるとともに、15kJ/mmのような大入熱でも溶接熱影響部の靭性(HAZ靭性)の高い鋼板を得ることができる。
以下、本発明の鋼板について詳述する。まず、本発明の鋼板の成分組成を規定した理由から説明する。
[C:0.02〜0.05%]
Cは、鋼板の強度を高める効果がある。C含有量が0.02%未満であると、アシキュラフェライト組織が十分得られず、必要な母材強度を確保することが困難になるため、本発明では0.02%以上とした。好ましくは0.03%以上である。
一方、Cは、HAZ靭性を劣化させる元素であり、また耐溶接割れ性を劣化させやすい元素でもある。また、C含有量が0.05%を超えると、母材強度は確保しやすくなるが、冷却速度に対する硬さの感受性が大きくなる。その結果、本発明の加速冷却プロセスにおいて冷却速度が大きくなると、鋼板表面部の硬さが大きくなり曲げ加工性が劣化する。更に、C含有量が過剰であると、本発明の加速冷却プロセスを経た後にMAが残留しやすくなり、降伏強度500MPa以上を得ることが困難となる。よって、本発明ではC量の上限を0.05%とした。C含有量は、好ましくは0.04%以下である。
[Si:0.10〜0.40%]
Siは、脱酸材として有効な元素である。また、アシキュラフェライト組織を確保して母材強度の向上に有効な元素でもある。こうした強化機構を発揮させるには、Siを0.10%以上含有させることが必要である。好ましくは0.15%以上である。しかしながら、Si含有量が過剰になると、母材靭性と曲げ加工後の靭性(衝撃特性)が劣化し易い。またSi含有量が過剰になると、HAZ靭性と溶接性の劣化を招きやすくなるので、0.40%以下とする。好ましい上限は0.35%である。
[Mn:1.85〜2.50%]
Mnは、オーステナイトを安定化させ、変態温度を低温化させることによって、焼入れ性を向上させて強度向上に有効であるとともに、低温変態による結晶粒微細化効果により衝撃特性の確保に有効な元素である。加えて、本発明におけるアシキュラフェライト組織の確保を、Cu、Niといった元素の添加よりも安価に達成することが可能となる。こうした効果を発揮させるには、Mnを1.85%以上含有させる必要がある。好ましくは1.90%以上である。しかしながらMnを過剰に含有させると、HAZ靭性が劣化するので、Mn含有量の上限を2.50%とする。好ましい上限は2.40%である。
[P:0.012%以下(0%を含まない)]
不可避的不純物であるPは、衝撃特性とHAZ靭性に悪影響を及ぼす元素であるから、P含有量を0.012%以下に抑制する必要がある。好ましくは0.010%以下である。
[S:0.005%以下(0%を含まない)]
Sは、MnSを形成して衝撃特性(母材靭性、曲げ加工後の靭性)とHAZ靭性を劣化させるので、できるだけ少ない方が好ましい。こうした観点から、S含有量は0.005%以下とする必要がある。好ましくは0.003%以下である。
[Nb:0.020〜0.050%]
Nbは、オーステナイトの低温度域で未再結晶域を形成するのに有効な元素であり、この低温の未再結晶域で圧延することにより、母材の組織微細化および高靭性化を図ることができる。また、後述する本発明の加速冷却プロセス後の析出強化を実現して母材の高強度化にも有効な元素である。更に本発明においてNbは、上述の通り「低Cかつ高Mnとすると共に、Nbを所定量添加し、かつ製造工程において、Nbが固溶する温度まで加熱し、オーステナイト未再結晶域で適切な圧下を加えることによって、アシキュラフェライト組織を得る」ために必要不可欠な元素である。加えて、上記固溶Nbは、鋼の連続冷却変態においてフェライト変態を遅らせる(フェライトノーズを長時間側にする)効果があり、ポリゴナルフェライトの生成を抑制し、母材の高強度化に寄与する。これらの効果を発揮させるには、Nbを0.020%以上含有させる必要がある。好ましくは0.030%以上である。しかしながら、Nb含有量が過剰になると、HAZ靭性が劣化するので、0.050%以下とする必要がある。好ましい上限は0.040%である。
[Ti:0.005〜0.020%]
Tiは、Nと窒化物(TiN)を形成して熱間圧延前の加熱時におけるオーステナイト粒(γ粒)の粗大化を防止し、得られる組織を微細化することによって、高降伏強度の確保、および衝撃特性とHAZ靭性の向上に寄与する元素である。更に、Nを固定して固溶Nbを確保することによって、オーステナイト未再結晶域を確保し、かつ、製造工程において本発明の加速冷却プロセス後に析出強化させて、降伏強度を高めるのにも有効な元素である。これらの効果を発揮させるには、Tiを0.005%以上含有させる必要がある。好ましくは0.010%以上である。しかしながら、Ti含有量が過剰になると、TiNの他にTiCが析出し、衝撃特性とHAZ靭性が劣化する。よってTi含有量は0.020%以下とする。好ましくは0.018%以下である。
[N:0.0020〜0.0060%]
Nは、TiとともにTiNを生成し、熱間圧延前の加熱時および溶接時におけるγ粒の粗大化を防止し、衝撃特性やHAZ靭性を向上させるのに有効な元素である。N含有量が0.0020%未満であると、TiNが不足し、上記γ粒が粗大になり、衝撃特性やHAZ靭性が劣化する。よって本発明では、N量を0.0020%以上とする必要がある。好ましくは0.0025%以上である。一方、N含有量が過剰になり、0.0060%を超えると、衝撃特性とHAZ靭性がかえって劣化する。よって本発明では、N量の上限を0.0060%とする。好ましい上限は0.0055%である。
[Al:0.010〜0.060%]
Alは、脱酸に必要な元素であるため、0.010%以上含有させる。好ましくは0.020%以上であり、より好ましくは0.030%以上である。一方、Alを過剰に含有させると、アルミナ系の粗大な介在物を形成し衝撃特性が低下するので、0.060%以下とする。好ましくは0.050%以下である。
本発明鋼板の成分は上記の通りであり、残部は鉄および不可避不純物からなるものである。また、上記元素に加えて、更に下記の元素を含有させることもでき、これらの元素を適量含有させることにより、強度や靭性等を更に高めることができる。以下、これらの元素について詳述する。
[Cu:0.50%以下(0%を含まない)およびNi:0.50%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上の元素]
CuとNiは、いずれも溶接性、HAZ靭性に大きな悪影響を及ぼすことなく、母材の強度、靭性を向上させるのに有効な元素である。これらの効果を発揮させるには、CuとNiをそれぞれ0.10%以上(より好ましくは0.15%以上)含有させることが好ましい。本発明では、安価なMnの添加量を確保することによって、高価なCu、Niの添加量を極力低減することを目的としている。よって、これらの元素の含有量上限は、冶金的には制約されないが、原料コストを低減する観点から、それぞれ0.50%以下とすることが好ましい。より好ましくはそれぞれ0.45%以下である。
[Ca:0.0005〜0.0050%]
Caは、MnSを球状化して耐溶接割れ性に対する無害化に有効に作用する元素である。こうした効果を発揮させるには、Caを0.0005%以上含有させることが好ましい。より好ましくは0.0010%以上である。しかしながら、Ca含有量が過剰になると、介在物を粗大化させ、母材靭性を劣化させる。よってCa含有量の上限を0.0050%とすることが好ましい。より好ましい上限は0.0040%である。
また本発明では、下記式(1)で定義される溶接割れ感受性組成(PCM)を規定する。
[下記式(1)で示されるPCM:0.20%以下]
CM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5×B ・・・ (1)
[式(1)において、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Bは、各元素の鋼中含有量(質量%)を示す。]
CMは溶接割れ感受性組成と呼ばれ、板厚が例えば100mmと厚肉で拘束度が大きい鋼板においても、溶接割れを安定して抑制するには、0.20%以下とする必要がある。PCMは好ましくは0.19%以下である。
尚、PCMの値は小さいほど好ましく、特に下限はないが、本発明の化学成分組成では、PCMの下限は、おおよそ0.14%程度となる。本発明において、上記式(1)に含まれない元素については、含有量をゼロとして算出した。
次に、本発明で鋼組織(ミクロ組織)を限定した理由について説明する。
本発明では、所望の特性(特に、高い降伏強度と引張強度、優れた衝撃特性)を確保するには、鋼の全組織に占めるアシキュラフェライトの分率を70面積%以上とし、かつ全組織の平均結晶粒径(円相当直径)を7μm以下とし、かつMAの分率を0.5面積%以下とする必要がある。
尚、後述する実施例に示す通り、組織を規定している部位は板厚1/4部位である。当該部位は母材の機械的性質を評価するのに一般的に用いられる部位であり、その部位での組織を規定した。
以下、上記の通り規定した理由について述べる。
[鋼の全組織に占めるアシキュラフェライトの分率:70面積%以上]
本発明では、母材の引張特性と母材靭性を確保するために、成分組成の適正化(低C+高Mn+Nb、Ti添加)と加熱・圧延条件の適正化に加えて、本発明の加速冷却プロセスを採用することにより、鋼の変態強化とNbの析出強化を活用している。しかし、鋼の変態組織の中で最も高温で変態開始し、拡散変態が主で、軟質なポリゴナルフェライトが多くなると、引張特性、特に、降伏強度500MPa以上を満足することが困難になる。よって、ポリゴナルフェライトよりも低温で変態する組織であって、引張特性と衝撃特性の確保に有効なアシキュラフェライトを主体組織とすることが必要である。
具体的には、アシキュラフェライトを、鋼の全組織に対して70面積%以上とする必要がある。アシキュラフェライトの分率が70面積%を下回る、即ち、アシキュラフェライト以外の組織として、ポリゴナルフェライト組織が増加すると、上述の通り母材強度の確保が困難となる。また、ベイナイト組織やマルテンサイト組織の分率が増加すると、母材靭性の確保が困難となるため好ましくない。
アシキュラフェライトの分率は、より好ましくは80面積%以上である。アシキュラフェライトの分率は高いほどよく、上限は特に設けない。
上記アシキュラフェライトの定義は不明確な部分が多いが、本発明におけるアシキュラフェライトは、擬ポリゴナルフェライト、グラニュラベイニティックフェライトを含む。一方、擬ポリゴナルフェライトが全く存在せず、旧γ粒界が明らかに保存されている組織をベイナイト組織として区別した。
上記アシキュラフェライト以外に存在する組織として、製造工程で不可避的に形成される、ポリゴナルフェライトや、ベイナイト、マルテンサイトが挙げられる。より優れた特性を得る観点からは、上記ポリゴナルフェライトを20面積%以下に抑えることが好ましく、より好ましくは10面積%以下に抑えることが好ましい。
[全組織の平均結晶粒径(円相当直径):7μm以下]
本発明では、曲げ加工後の優れた靭性を確保するために、母材の靭性(特には低温靭性)を高める(vTrs≦−85℃)ことが必要である。そのためには、上述の通り鋼組織をアシキュラフェライト主体とするとともに、全組織の平均結晶粒径を円相当直径で7μm以下とする必要がある。上記平均結晶粒径が7μmを超えると、アシキュラフェライト主体の組織であっても、母材の低温靭性を確保することが困難となる。また、組織が粗大になると、組織微細化による降伏強度の上昇効果が小さくなり、降伏強度500MPa以上を満足することが困難になる。全組織の平均結晶粒径は好ましくは6μm以下である。
[MAの分率:0.5面積%以下]
本発明では、高い引張強度を確保すると共に、高降伏強度を達成することを特徴としており、そのためには、MAの分率を0.5面積%以下とする必要がある。MAの分率が0.5面積%を超えると、硬質なMAによる降伏比低減効果により、降伏強度が低下してしまい、高降伏強度を達成できなくなる。MAの分率は、好ましくは0.3面積%以下である。
[鋼板表面部のビッカース硬さの最高値:220以下]
更に本発明では、曲げ加工性に優れた高張力鋼板とするために、鋼板表面部の硬さを低減する必要がある。詳細には、鋼板表面部(後述する実施例に示す通り、鋼板表面から1mm深さの位置)のビッカース硬さの最高値を220以下に抑える必要がある。上記ビッカース硬さの最高値が220を超えると、曲げ内半径が2.5tといったような厳しい冷間曲げ加工を行う場合に、鋼板表面部に割れが生じる恐れがある。上記ビッカース硬さの最高値は、より好ましくは215以下である。
次に、本発明の鋼板の製造方法について説明する。
本発明では、上記記載の化学成分組成を有する鋼片を、1050〜1200℃に加熱し、次いで、表面温度が900〜1050℃の温度域で累積圧下率が30%以上、かつ、表面温度が750〜850℃の温度域で累積圧下率が30%以上となるように熱間圧延を行った後、表面温度がAr以上の温度から、4〜100℃/sの平均冷却速度で450〜600℃の温度域まで冷却し、その後空冷する。以下、上記の通り規定した理由について述べる。
[熱間圧延に際しての鋼片の加熱温度:1050〜1200℃]
この加熱温度は、熱間圧延前の組織制御に大きく影響する。規定量のNbを含有させても、加熱温度が1050℃未満であると、Nbの固溶が不十分となり、固溶Nbによる再結晶抑制効果が小さくなり、組織微細化の効果が小さくなる。加えて、固溶Nbが少ないと、加速冷却中の連続冷却変態時のフェライト変態を遅らせてポリゴナルフェライトの生成を抑制する効果や、本発明の加速冷却プロセスでの、加速冷却途中停止後の析出強化といった効果が小さくなり、優れた引張特性を確保することが困難になる。よって本発明では、加熱温度を1050℃以上とした。好ましくは1080℃以上である。一方、加熱温度が1200℃を超えると、オーステナイト(γ)粒径の粗大化により、衝撃特性が劣化し、また所望の降伏強度を確保できない。よって本発明では、加熱温度の上限を1200℃とする。より好ましくは1180℃以下である。
[表面温度が900〜1050℃の温度域での累積圧下率:30%以上]
表面温度が900〜1050℃の温度域は、固溶Nb量が十分確保できている状態でも熱間圧延時にオーステナイトが再結晶する温度域である。優れた母材靭性(および曲げ加工後の靭性)と所望の降伏強度を確保するには、この温度域での累積圧下率を30%以上とし、オーステナイト粒を繰り返し再結晶させて微細化する必要がある。該累積圧下率が30%未満であると、上記加熱直後のオーステナイト粒を微細化することができず、結果として最終組織が粗大になり、上記特性の確保が困難となる。この温度域での好ましい累積圧下率は40%以上である。
また、該累積圧下率の上限は、上記微細化の観点から特に限定されないが、圧延工程の生産性やトータル圧下比の観点からは80%程度となる。
[表面温度が750〜850℃の温度域での累積圧下率:30%以上]
表面温度が750〜850℃の温度域は、固溶Nb量が十分確保できている状態であれば熱間圧延時にオーステナイトが再結晶しない、いわゆる未再結晶域である。優れた衝撃特性と所望の降伏強度を確保するには、上記再結晶温度域の熱間圧延でオーステナイト粒を繰り返し再結晶により微細化した上で、更に、この未再結晶域で累積圧下率を30%以上確保することが必要である。これによりオーステナイトに歪を蓄積させ、熱間圧延後の加速冷却工程での変態核を増加させることができ、変態後の最終組織を微細化することができる。この温度域での累積圧下率が30%未満であると、変態核が不足し、最終組織が粗大になり、上記特性の確保が困難となる。この温度域での好ましい累積圧下率は40%以上である。
また、該累積圧下率の上限は、上記微細化の観点から特に限定されないが、圧延工程の生産性やトータル圧下比の観点からは80%程度となる。
[加速冷却の開始温度(冷却開始温度):Ar以上の温度]
表面温度がAr点を下回ると、軟質なポリゴナルフェライトが生成し、母材強度の低下を招く。よって加速冷却は、Ar以上の温度から開始することが必要である。加速冷却の冷却開始温度は、好ましくは(Ar点+20℃)以上の温度である。尚、加速冷却の冷却開始温度の上限は、800℃程度である。
上記Arは下記式(2)により算出した。下記式(2)において、鋼中に含まれていない元素については、ゼロとして算出した。
Ar(℃)=910−310×C−80×Mn−20×Cu−15×Cr−55×Ni−80×Mo ・・・ (2)
[式(2)において、C、Mn、Cu、Cr、Ni、Moは、各元素の鋼中含有量(質量%)を示す。]
[加速冷却の平均冷却速度:4〜100℃/s]
アシキュラフェライトを十分確保して、高い引張特性を確保するには、加速冷却の平均冷却速度を4℃/s以上とする必要がある。この平均冷却速度が4℃/sを下回る、たとえば、空冷のような遅い冷却速度の場合、アシキュラフェライト分率が減少し、ポリゴナルフェライトが増加してしまうため、母材強度が確保できなくなる。加速冷却の平均冷却速度は、好ましくは8℃/s以上である。一方、上記平均冷却速度が100℃/sを超えると、表面部は剪断変態によりマルテンサイトが主体となり、表面硬さが大きくなってしまう。よって、上記平均冷却速度の上限を100℃/sとした。好ましくは80℃/s以下である。
[加速冷却の停止温度(冷却停止温度):450〜600℃の温度域]
加速冷却プロセスにおいて、変態強化および析出強化により高強度化を図るには、450〜600℃といった比較的高い温度域で加速冷却を停止する必要がある。450℃を下回ると変態強化は得られるが、途中停止による焼戻し効果が小さくなり、表面硬さの増大を招くとともに、MAが残存して降伏強度の低下を招く。よって、加速冷却の停止温度を450℃以上とした。好ましくは470℃以上である。一方、600℃を上回ると、十分な変態強化が得られず、ポリゴナルフェライト主体組織となり、十分な母材強度を得ることが困難となる。よって、加速冷却の停止温度を600℃以下とした。好ましくは570℃以下である。
上記加速冷却後は、室温まで空冷して本発明の鋼板を得ることができる。本発明では、上述の通り加速冷却にて450〜600℃の温度域で冷却停止し、その後空冷することによって、Nbの炭窒化物による析出強化を図る。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
表1に示す(化学)成分組成(残部は鉄および不可避不純物であり、表1中、空欄は元素を添加していないことを示している)に調整して溶製完了後、連続鋳造して得られたスラブを、表2または表3に示す温度(スラブ加熱温度)に加熱してから熱間圧延を施し、その後、加速冷却を行って表2または表3に示す板厚の鋼板を得た。尚、一部の例ではこの加速冷却を行わず、空冷を行った。
上記スラブ加熱温度は、スラブ中央の厚み方向にて計算した平均温度であり、加熱炉の炉内雰囲気温度と在炉時間から計算したものである。また、熱間圧延における温度、加速冷却開始温度、および加速冷却停止温度は、いずれもラインに設置されている放射温度計にて測定した温度である。ここで、加速冷却停止温度は、加速冷却完了後の復熱後の表面温度である。また、加速冷却時の平均冷却速度は、加速冷却開始時の鋼板表面温度と停止時の鋼板表面温度、および冷却時間から計算したものである。
Figure 2013204145
Figure 2013204145
Figure 2013204145
上記のようにして得られた鋼板を用い、組織観察と特性の評価を下記の要領で実施した。
<鋼組織の観察>
〔アシキュラフェライト分率の測定〕
アシキュラフェライト分率は下記のようにして測定した。
(1)圧延方向に平行でかつ鋼板表面に対して垂直な、鋼板表裏面を含む板厚断面を、観察できるよう上記鋼板からサンプルを採取する。
(2)湿式エメリー研磨紙(#150〜#1000)での研磨、またはそれと同等の機能を有する研磨方法(ダイヤモンドスラリー等の研磨剤を用いた研磨等)により、観察面の鏡面仕上を行う。
(3)研磨されたサンプルを、3%ナイタール溶液を用いて腐食し、結晶粒界を現出させる。
(4)t(板厚)/4部位において、現出させた組織を400倍の倍率で写真撮影する(本実施例では6cm×8cmの写真として撮影)。次に、撮影した写真にて、旧オーステナイト粒界にポリゴナルフェライトが生成しているものを判別し、黒く塗りつぶす。
一方、ポリゴナルフェライトが生成しておらず、旧オーステナイト粒界が明らかに残存している場合、そのオーステナイト粒界に囲まれる領域の組織は、剪断変態が主体であるベイナイト組織またはマルテンサイト組織と判断し、黒く塗りつぶす。
上記ベイナイト組織またはマルテンサイト組織が生じる場合として、本発明で規定の成分組成を満たす場合には、製造工程において、加速冷却時の速度が極端に大きい場合や、熱間圧延などの加工を加えずに加速冷却した場合、または熱間圧延での加工率が小さい場合などが挙げられる。また、本発明で規定の成分組成を満たさない場合には、Bを含有する場合やCの添加量が多くなり、焼入れ性が高い、すなわち、変態温度がさらに低下する場合などが挙げられる。
尚、MAは、上記腐食では判別できないため、後述する方法で別途測定する。
次に、前記写真を画像解析装置に取り込む(前記写真の領域は400倍の場合、150μm×200μmに相当する)。画像解析装置への取り込みは、いずれの倍率の場合も、領域の合計が1mm×1mm以上となるよう取り込む(即ち、400倍の場合、上記写真を少なくとも35枚取り込む)。
(5)画像解析装置において、写真毎に黒色以外の面積率を算出し、さらに、後述するMAの分率を差し引いたものを、アシキュラフェライト分率とした。尚、表4および表5には、上記黒く塗りつぶしたポリゴナルフェライト、ならびに、ベイナイトおよび/またはマルテンサイトの分率についても参考までに示している。
〔全組織の平均結晶粒径(円相当直径)の測定〕
全組織の平均結晶粒径(円相当直径)を下記の要領で測定した。
(1)圧延方向と平行な方向に切断した、板厚の表裏面部を含むサンプルを準備する。
(2)#150〜#1000までの湿式エメリー研磨紙あるいはそれと同等の機能を有する研磨方法を用いて研磨紙、ダイヤモンドスラリーなどの研磨剤を用いて鏡面仕上を施す。
(3)TexSEM Laboratories社製のEBSP(Electron Back Scattering Pattern)装置を使用し、板厚方向のt/4部において測定範囲:200×200μm、0.5μmピッチで、結晶方位差が15°以上の境界を結晶粒界として大傾角粒のサイズを測定する。この時、測定方位の信頼性を示すコンフィデンス・インデックスが0.1よりも小さい測定点は解析対象から除外する。
(4)このようにして求められる大角粒界で囲まれるサイズの平均値を算出して、本発明における「全組織の平均結晶粒径」とする。尚、大角粒界で囲まれるサイズが1.0μm以下のものについては、測定ノイズと判断し、平均値計算の対象から除外する。
〔MAの観察および分率の測定方法〕
MAの分率は下記のとおり測定した。
(1)圧延方向に平行でかつ鋼板表面に対して垂直な、鋼板表裏面を含む板厚断面を、観察できるよう上記鋼板からサンプルを採取する。
(2)湿式エメリー研磨紙(#150〜#1000)での研磨、またはそれと同等の機能を有する研磨方法(ダイヤモンドスラリー等の研磨剤を用いた研磨等)により、観察面の鏡面仕上を行う。
(3)研磨されたサンプルを、レペラ溶液を用いて腐食し、MAを現出させる。MA現出部分は、光学顕微鏡写真上では白く着色されている。尚、マルテンサイトは、この腐食では白くならないため、マルテンサイトとMAを区別できる。
(4)t(板厚)/4部位において、現出させた組織を1000倍の倍率で写真撮影する(本実施例では6cm×8cmの写真として撮影)。次に、前記写真を画像解析装置に取り込む(前記写真の領域は、1000倍の場合、60μm×80μmに相当する)。画像解析装置への取り込みは、領域の合計が0.4mm×0.4mm以上となるよう取り込む(即ち、1000倍の場合は上記写真を少なくとも35枚取り込む)。
(5)画像解析装置において、写真毎にMAの面積率を算出し、全ての写真の平均値をMAの面積率とする。
<曲げ加工性の評価(表面のビッカース硬さの最高値の測定)>
表面のビッカース硬さの最高値(表面硬さ)は下記のとおり測定した。
(1)圧延方向に平行でかつ鋼板表面に対して垂直な、鋼板表裏面を含む板厚断面を、観察できるよう上記鋼板からサンプルを採取する。
(2)湿式エメリー研磨紙(#150〜#1000)での研磨、またはそれと同等の機能を有する研磨方法(ダイヤモンドスラリー等の研磨剤を用いた研磨等)により、観察面の鏡面仕上を行う。
(3)研磨されたサンプルにて、表面下1mm部で水平方向に1mmピッチで10点、98Nの荷重にてビッカース硬さの測定を行い、この10点のビッカース硬さのうち、最も高いものを、鋼板表面部のビッカース硬さの最高値とした。そして、この最高値が220以下の場合を、表面硬さが低く、曲げ加工性に優れていると評価した。
<引張特性の評価>
t(板厚)/4の部位から圧延直角方向にJISZ 2201の4号試験片を採取して、JISZ 2241の要領で引張試験を行い、降伏強度、引張強度を測定した。そして、降伏強度が500MPa以上、かつ引張強度が570MPa以上のものを、引張特性が優れていると評価した。
<衝撃特性の評価(シャルピー衝撃試験)>
t(板厚)/4の部位から圧延直角方向にJISZ 2242のVノッチ試験片を採取して、JISZ 2242の要領でシャルピー衝撃試験を行い、vTrsを求めた。なお、vTrsを求める際には、各試験温度で3本ずつ実施した。そして、vTrsが−85℃以下のものを衝撃特性が優れている、具体的には母材靭性に優れていると共に、曲げ加工後の曲げ部の靭性にも優れていると評価した。
<HAZ靭性の評価>
再現熱サイクル試験機により、溶接入熱15kJ/mmを想定した熱サイクルを付与し、JISZ 2242のVノッチ試験片を採取して、JISZ 2242の要領でシャルピー衝撃試験を行って、HAZ靭性を評価した。試験温度は−20℃で行い、3本の平均値を求めた。そして該平均値が100J以上の場合をHAZ靭性が優れていると評価した。
<溶接性の評価(割れ防止温度の測定)>
割れ防止温度の評価については、被覆アーク溶接にてJISZ 3158の要領で、予熱温度を5℃、25℃、50℃、75℃として溶接を実施し、割れ防止温度を測定した。割れ防止温度が5℃のものを、溶接性が優れているものと評価した。
これらの結果を表4および表5に示す。
Figure 2013204145
Figure 2013204145
表1〜5から次の様に考察することができる(以下のNo.は表2〜5の実験No.を示す)。
No.A1−1、A1−3、A1−4、A2〜A5、A6−3、A6−4、A6−7、A6−8、A7−3、A7−4、A7−6〜A7−8、A8−3、A8−4、A9〜A13は、本発明で規定する成分組成を満たし、また規定の条件で製造して得られたものであるので、高い引張特性(降伏強度・引張強度)を示すと共に、母材靭性に優れ、かつ曲げ加工性、曲げ加工後の靭性、溶接性およびHAZ靭性のいずれも優れている。
これに対し、上記No.以外の例は、本発明で規定する成分組成、製造条件の少なくともいずれかを満たしておらず、その結果、上記特性のいずれかが劣るものとなった。
詳細には、No.A1−2は、(スラブ)加熱温度が低すぎるため、Nbが全固溶せず、焼入れ性が不足してアシキュラフェライト組織が得られなかった。その結果、引張特性の劣るものとなった。
No.A1−5は、(スラブ)加熱温度が高すぎるため、オーステナイト(γ)結晶粒が粗大化し、結果として全組織の平均結晶粒径が大きくなった。その結果、衝撃特性に劣ると共に、所望の降伏強度を確保できなかった。
No.A6−1は、鋼板の表面温度が900〜1050℃の温度域(γ再結晶温度域)での圧下を行っていないため、またNo.A6−2は、上記温度域での圧下率が不足しているため、いずれも全組織の平均結晶粒径が大きくなった。その結果、衝撃特性に劣ると共に、所望の降伏強度を確保できなかった。
No.A6−5は、鋼板の表面温度が750〜850℃の温度域(γ未再結晶温度域)での圧下を行っていないため、またNo.A6−6は、上記温度域での圧下率が不足しているため、いずれも全組織の平均結晶粒径が大きくなった。その結果、衝撃特性に劣ると共に、所望の降伏強度を確保できなかった。
No.A7−1は、加速冷却を実施していないため、アシキュラフェライト組織が十分得られず、ポリゴナルフェライト組織主体となり、引張特性の劣るものとなった。
No.A7−2は、加速冷却における冷却開始温度がArを下回って低いため、ポリゴナルフェライトが析出し、アシキュラフェライト組織が十分に得られなかった。その結果、引張特性の劣るものとなった。
No.A7−5は、加速冷却における冷却速度が遅いため、アシキュラフェライト組織が十分得られず、ポリゴナルフェライト組織主体となり、引張特性の劣るものとなった。
No.A7−9は、加速冷却における冷却速度が速すぎるため、表面硬さが大きくなりすぎて曲げ加工性に劣るものとなった。
No.A8−1およびA8−2は、加速冷却における冷却停止温度が低すぎるため、MAが生成し、所望の降伏強度を確保できなかった。また、表面硬さも大きくなりすぎて曲げ加工性に劣るものとなった。
No.A8−5は、加速冷却における冷却停止温度が高すぎるため、アシキュラフェライト組織が十分に得られず、ポリゴナルフェライト組織主体となり、引張特性の劣るものとなった。
No.B1は、PCMが規定の上限を超えているため、耐溶接割れ性が劣化した。
No.B2は、C量が不足しているため、アシキュラフェライト組織が十分得られず、引張特性の劣る結果となった。
No.B3は、C量が過剰であるため、MAが過剰に生成して、所望の降伏強度を確保できなかった。また、表面硬さが大きくなりすぎて曲げ加工性に劣るものとなった。更には微細な組織が得られず、衝撃特性に劣る結果となった。またHAZ靭性も劣化した。
No.B4は、Si量が不足しているため、アシキュラフェライト組織が十分得られず、引張特性の劣る結果となった。またNo.B5は、Si量が過剰であるため、衝撃特性とHAZ靭性が劣化した。
No.B6は、Mn量が不足しているため、アシキュラフェライト組織が十分得られず、引張特性が劣化した。また、全組織の平均結晶粒径が大きくなり、衝撃特性に劣る結果となった。No.B7は、Mn量が過剰であるため、HAZ靭性が劣化する結果となった。
No.B8は、P量が過剰であるため、衝撃特性とHAZ靭性に劣る結果となった。
No.B9は、S量が過剰であるため、撃特性とHAZ靭性に劣る結果となった。
No.B10は、Al量が過剰であるため、衝撃特性とHAZ靭性に劣る結果となった。
No.B11は、Nb量が不足しているため、アシキュラフェライト組織が十分得られず、また全組織の平均結晶粒径が大きくなり、引張特性が劣化し、かつ衝撃特性も劣化した。No.B12は、Nb量が過剰であるため、HAZ靭性が劣化した。
No.B13は、Ti量が不足しているため、TiNが十分形成されず、熱間圧延前の加熱でオーステナイト粒が粗大化して、所望の降伏強度が得られず、また衝撃特性とHAZ靭性も劣化する結果となった。No.B14は、Ti量が過剰であるため、TiCが析出して、衝撃特性(母材靭性、曲げ加工後の靭性)とHAZ靭性が劣化した。
No.B15は、N量が不足しているため、TiNが十分形成されず、熱間圧延前の加熱でオーステナイト粒が粗大化して、全組織の平均結晶粒径が大きくなり、所望の降伏強度が得られず、また衝撃特性とHAZ靭性も劣化する結果となった。No.B16は、N量が過剰であるため、衝撃特性とHAZ靭性が劣化した。
また、実施例を用いて、組織と特性の関係を整理した図を図1〜5に示す。図1は、アシキュラフェライトの分率と降伏強度の関係を示すグラフであり、図2は、アシキュラフェライトの分率と引張強度の関係を示すグラフである。この図1および図2から、降伏強度を500MPa以上かつ引張強度を570MPa以上とするには、アシキュラフェライトの分率を70面積%以上とする必要があることがわかる。また、図3は、全組織の平均結晶粒径と降伏強度の関係を示すグラフであり、図4は、MA分率と降伏強度の関係を示すグラフである。これら図3および図4から、降伏強度を500MPa以上とするには、全組織の平均結晶粒径を7μm以下にすると共に、MAの分率を0.5面積%以下に抑える必要があることがわかる。
更に、図5は、全組織の平均結晶粒径とvTrs(衝撃特性)の関係を示すグラフである。この図5から、vTrs:−85℃以下を達成するには、全組織の平均結晶粒径を7μm以下にする必要があることがわかる。

Claims (4)

  1. C:0.02〜0.05%(「質量%」の意味。化学成分について以下同じ)、
    Si:0.10〜0.40%、
    Mn:1.85〜2.50%、
    P:0.012%以下(0%を含まない)、
    S:0.005%以下(0%を含まない)、
    Nb:0.020〜0.050%、
    Ti:0.005〜0.020%、
    N:0.0020〜0.0060%、および
    Al:0.010〜0.060%
    を満たし、残部が鉄および不可避不純物からなり、かつ、
    下記式(1)で定義される溶接割れ感受性組成PCMが0.20%以下であり、かつ、
    鋼の全組織に占めるアシキュラフェライトの分率:70面積%以上、
    全組織の平均結晶粒径(円相当直径):7μm以下、および
    MA(Martensite−Austenite Constituent)の分率:0.5面積%以下を満たし、
    更に、鋼板表面部のビッカース硬さの最高値が220以下であることを特徴とする曲げ加工性、衝撃特性および引張特性に優れた鋼板。
    CM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5×B ・・・ (1)
    [式(1)において、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Bは、各元素の鋼中含有量(質量%)を示す。]
  2. 更に他の元素として、Cu:0.50%以下(0%を含まない)およびNi:0.50%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上の元素を含有する請求項1に記載の鋼板。
  3. 更に他の元素として、Ca:0.0005〜0.0050%を含有する請求項1または2に記載の鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板を製造する方法であって、
    請求項1〜3のいずれかに記載の成分組成を有する鋼片を、1050〜1200℃に加熱し、次いで、表面温度が900〜1050℃の温度域で累積圧下率が30%以上、かつ、表面温度が750〜850℃の温度域で累積圧下率が30%以上となるように熱間圧延を行った後、表面温度がAr以上の温度から、4〜100℃/sの平均冷却速度で450〜600℃の温度域まで冷却し、その後空冷することを特徴とする曲げ加工性、衝撃特性および引張特性に優れた鋼板の製造方法。
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