JP2013204088A - 電解銅箔製箔用電解液及び電解銅箔 - Google Patents
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Abstract
【課題】300℃×1時間熱処理後の引張強さが450MPa以上、導電率が80%以上の電解銅箔を製造するための電解銅箔製箔用電解液を提供すること。
【解決手段】電解液中にタングステンまたはタングステン酸等のタングステン化合物とチオ尿素系化合物と必要により塩素イオンとを添加した電解銅箔製箔用電解液である。
この電解銅箔製箔用電解液を用いて銅箔を製箔することで、銅箔中にタングステンを取り込ませ、300℃×1時間熱処理後の引張強さが450MPa以上、導電率が80%以上の電解銅箔を製造できる。
【選択図】なし
【解決手段】電解液中にタングステンまたはタングステン酸等のタングステン化合物とチオ尿素系化合物と必要により塩素イオンとを添加した電解銅箔製箔用電解液である。
この電解銅箔製箔用電解液を用いて銅箔を製箔することで、銅箔中にタングステンを取り込ませ、300℃×1時間熱処理後の引張強さが450MPa以上、導電率が80%以上の電解銅箔を製造できる。
【選択図】なし
Description
本発明は、電解銅合金箔、詳しくは銅−タングステン合金電解箔の製造に用いる電解液に関するものである。
本発明の電解液で製箔した電解銅合金箔は特に、高温で加熱しても高い機械的強度を有する電解銅合金箔である。
なお、ここで機械的強度とは引張強さ等を指す。
本発明の電解液で製箔した電解銅合金箔は特に、高温で加熱しても高い機械的強度を有する電解銅合金箔である。
なお、ここで機械的強度とは引張強さ等を指す。
近年リチウムイオン二次電池の負極活物質として炭素材料の理論容量を大きく超える充放電容量を持つ次世代の負極活物質の開発が進められている。例えば、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)や錫(Sn)などリチウム(Li)と合金化可能な金属を含む材料が期待されている。
特に、SiやSnなどを活物質に用いる場合、これらの材料は、充放電時のLiの吸蔵・放出に伴う体積変化が大きいため、集電体と活物質との接着状態を良好に維持することが難しい。また、これらの材料はLiの挿入、脱離に伴う体積変化率が非常に大きく、充放電サイクルによって膨張、収縮を繰り返し、活物質粒子が微粉化したり、脱離したりするため、サイクル劣化が非常に大きいという欠点がある。
このような欠点を解消する目的で、活物質と集電体の密着性を改善するためポリイミドバインダを用いる提案がなされている。しかし、ポリイミドバインダの硬化温度が300℃程度であるため、従来の電解銅箔を集電体として使用すると、電解銅箔は300℃程度の温度で焼鈍され、再結晶が進み軟化することから、活物質の体積膨張に耐えられず、破断する。
そのため、300℃程度の加熱処理を行っても軟化が小さく、高い引張強さを有する電解銅箔が求められている。
そのため、300℃程度の加熱処理を行っても軟化が小さく、高い引張強さを有する電解銅箔が求められている。
例えば、特許文献1には、二次電池用負極集電体用途に最適な銅箔として粗面粗さRzが2.0μm以下で均一に低粗度化された粗面を持ち、180℃における伸び率が10.0%以上である低粗面電解銅箔が記載されている。
そして、硫酸−硫酸銅水溶液を電解液とし、ポリエチレンイミン又はその誘導体、活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩及び塩素イオンを添加することで上記の電解銅箔が得られるとしている。
そして、硫酸−硫酸銅水溶液を電解液とし、ポリエチレンイミン又はその誘導体、活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩及び塩素イオンを添加することで上記の電解銅箔が得られるとしている。
また、特許文献2には、電解銅箔の粗面粗さRzは2.5μm以下であり、電着完了時点から20分以内に測定した25℃における引張強さが820MPa以上であり、電着完了時点から20分以内に測定した25℃における引張強さに対する電着完了時点から300分経過時に測定した25℃における引張強さの低下率が10%以下である電解銅箔が記載されている。
そして硫酸−硫酸銅水溶液を電解液として、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンイミン、活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩、アセチレングリコール、及び塩素イオンを添加することで上記の電解銅箔が得られるとしている。
そして硫酸−硫酸銅水溶液を電解液として、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンイミン、活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩、アセチレングリコール、及び塩素イオンを添加することで上記の電解銅箔が得られるとしている。
更に、特許文献3には、円柱状粒子および双晶境界がなく、10μmまでの平均粒子サイズを有する粒子構造を持つ電着銅箔であって、該粒子構造が実質的に一様でランダムに配向する粒子構造である、制御された低プロフィルの電着銅箔が記載されている。
この電着銅箔は、23℃における最大引張強さが87,000〜120,000psi(600MPa〜827MPa)の範囲にあり、180℃における最大引張強さが25,000〜35,000psi(172MPa〜241MPa)である、としている。
この電着銅箔は、23℃における最大引張強さが87,000〜120,000psi(600MPa〜827MPa)の範囲にあり、180℃における最大引張強さが25,000〜35,000psi(172MPa〜241MPa)である、としている。
上記特許文献に開示されている従来の高強度電解銅箔は常態での機械的強度が大きく、180℃前後で加熱してもほとんど機械的強度は変化しない。しかし、このような箔を300℃程度で加熱すると焼鈍され、再結晶が進むため急速に軟化して機械的強度が低下する。
そこで本発明者は、SiまたはSn合金系活物質の大きな膨張、収縮に対して、集電体(銅箔)と活物質との密着性をポリイミドバインダにより保持し、集電体(銅箔)が破断しない電解銅箔、すなわち300℃×1時間熱処理後の引張強さが450MPa以上、導電率が80%以上の電解銅箔の開発に専念した結果、このような過酷な条件を満足する箔は、銅箔での達成は困難で、特殊な金属を取り込んだ銅合金箔で達成することに成功した。
ところで、電解銅箔の電解銅めっき浴には硫酸銅めっき浴を使用し、銅箔表面の光沢化や平滑化、銅箔の応力減少などを目的として、該めっき浴には種々の添加剤が添加されている。添加剤を用いない場合には、銅箔に要求される表面形態や機械的特性などが得られないことから、添加剤の重要性は非常に高い。特に硫酸銅めっき浴は単純酸性浴であるために均一電着性に劣り、添加剤無しでは電解銅箔は製造できない。硫酸銅めっき浴に用いられる添加剤には塩素イオン、ポリオキシエチレン系の界面活性剤、平滑剤、有機硫化物などの光沢剤、ニカワ、ゼラチンなどが提案され、使用されている。
硫酸銅めっき浴に塩素や添加剤を入れないと電気が流れやすい高電流部分(陽極に近い箇所や、陰極の端、とがったものの先端など)にめっきが集中し、一般的に言うヤケの状態(めっき面がより凸凹になる)になる。そのため通常の硫酸銅めっきでは20〜100mg/l程度の塩素イオンを添加する。塩素が20mg/l以下になると、上記理由から、ヤケが出やすくなり、逆に80mg/lを超えるとレベリング作用が強すぎて低電流部分(小穴の中など)でクモリが発生するためである。
しかし、電解めっき浴中に塩素イオンが存在すると銅箔中に特定の金属を混入させて銅箔の特性を変化させることができなくなる。即ち、塩素イオンが存在しない電解液では銅箔中に他の金属を混入させることが可能であり、他の金属を混入させ(合金化し)銅箔の特性を変化させることができるが、電解液中に塩素イオンが入ると銅箔に他の金属が混入しづらくなり、銅箔の特性を他の金属で変化させることが極めて困難となる。
例えば、特許文献4、5には、硫酸−硫酸銅電解液中にタングステンを加え、さらにニカワと塩素イオンを加えた電解液で電解銅箔を製造する方法が記載され、その効果として180℃における熱間伸び率が3%以上であり、粗面の粗さが大きく、ピンホール発生の少ない銅箔が製造可能であると記載されている。
そこで本発明者は、硫酸−硫酸銅電解液中にタングステンを加え、さらにニカワと塩素イオンを加えた実験を繰り返し、特許文献4が目的とする180℃における熱間伸び率が3%以上であり、粗面の粗さが大きく、ピンホール発生の少ない銅箔を製造することができた。しかし、この銅箔を300℃×1時間加熱処理したところ機械的強度が保持できず、また、この銅箔を分析した結果は、電析銅中にタングステンが共析していないことが判明した。
この文献では硫酸−硫酸銅電解液中にタングステンを加え、さらに塩素イオンを20〜100mg/l添加した電解液で電析を行ったため、銅箔中にタングステンが共析せず、従って、300℃で加熱しても高い機械的強度を保持する電解銅合金箔を製造することができなかった。
本発明はSiまたはSn合金系活物質の大きな膨張、収縮に対して、集電体(銅箔)と活物質との密着性をポリイミドバインダにより保持し、集電体(銅箔)が破断しない電解銅箔、すなわち300℃×1時間熱処理後の引張強さが450MPa以上、導電率が80%以上の電解銅合金箔を製造することができる電解液の調製に成功したものである。
そこで本発明は、SiまたはSn合金系活物質の大きな膨張、収縮に対して、集電体(銅箔)と活物質との密着性をポリイミドバインダにより保持し、集電体(銅箔)が破断しない電解銅箔、すなわち300℃×1時間熱処理後の引張強さが450MPa以上、導電率が80%以上の電解銅合金箔を製造するための電解液を提供することを目的とする。
本発明者は、SiまたはSn合金系活物質の大きな膨張、収縮に対して、集電体(銅箔)と活物質との密着性をポリイミドバインダにより保持し、集電体(銅箔)が破断しない電解銅箔の製造方法について検討を進めてきた。その結果、塩素イオンを含む電解液中にタングステン若しくはタングステン酸等のタングステン化合物とチオ尿素系有機添加剤とを添加することで、電解液中に塩素イオンが存在する条件下でも銅箔中にタングステンを取り込ませ、上記特許文献4,5で公知である粗面の低粗度を有したまま、300℃×1時間熱処理後の引張強さが450MPa以上、導電率が80%以上の電解銅合金箔を製造できることを見出した。
この知見に基づいて、本発明は、硫酸銅と硫酸で組成する電解液において、塩素イオンを含む該電解液にタングステン若しくはタングステン化合物とチオ尿素系有機添加剤を添加したことを特徴とする電解液を提供する。
本発明の電解銅箔製箔用電解液は、硫酸銅と硫酸を含有する電解液にタングステンまたはタングステン化合物と、チオ尿素系有機添加剤を添加してなる電解銅箔製箔用電解液である。
本発明の電解銅箔製箔用電解液は、硫酸銅、硫酸と塩素イオンを含有し、タングステン若しくはタングステン化合物と、チオ尿素系有機添加剤を添加してなる電解銅箔製箔用電解液である。
前記電解銅箔製箔用電解液に添加するタングステンまたはタングステン化合物の添加量は、タングステンとして50mg/l以上であり、チオ尿素系有機添加剤は3〜20mg/lとすることが好ましい。
前記電解銅箔製箔用電解液に添加するチオ尿素系化合物として好ましいものは、チオ尿素、N,N‐ジエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、エチレンチオ尿素である。
前記電解銅箔製箔用電解液に必要によりアンモニアイオン、硝酸イオンのうち少なくとも何れかを添加することが好ましい。
本発明の電解銅箔は、前記電解銅箔製箔用電解液を用いて製箔した電解銅箔であり、該電解銅箔はタングステンを0.001〜0.050wt%含む電解銅箔であることが好ましく、300℃×1時間熱処理後の引張強さが450MPa以上、導電率が80%以上であることが望ましい。
本発明の電解銅箔の表面粗さRzは、2.5μm以下であることが好ましい。
本発明が提供する電解液を用いることで、膨張、収縮性が大きく、かつポリイミドバインダにより密着性が向上したSi又はSn合金系活物質の大きな膨張、収縮に対して集電体(銅箔)と活物質との密着性を保持しながら、集電体(銅箔)が破断しない銅合金箔を提供することができ、該銅箔を集電体としたリチウムイオン二次電池用電極、該電極を使用したリチウムイオン二次電池を提供することができる。
以下、本発明電解液および該電解液を用いて製造される電解銅合金箔について説明する。
本発明は、硫酸銅と硫酸の溶液に必要により塩素イオンを含み、タングステン若しくはタングステン酸化物とチオ尿素系有機化合物とを同時に添加した電解液である。
電解液に添加するタングステン若しくはタングステン酸化物の量は、タングステンとして10mg/l以上、より好ましくは50〜200mg/lである。電解液に添加するタングステン量が10mg/l未満の場合には、タングステンを添加した効果が殆ど現れない。一方、タングステンの添加量を200mg/l以下とするのが好ましいのは、200mg/l以上添加してもその効果は既に飽和し、この電解液を用いて製造した電解銅合金箔の物性改善に更なる効果が見られないためである。
有機添加剤としてチオ尿素系化合物を使用するのは、これらの化合物が溶液中で容易に[=S]の構造に変化し、[=S]構造が優先的に銅上に吸着して有機分子の吸着層を形成し、該吸着層上にタングステン酸化物が吸着することで、タングステンはチオ尿素系化合物と一緒に箔中に取り込まれるためである。
タングステンは酸性溶液中では酸化物として存在するが、塩素を含む電解液を用いた銅電析では銅の析出面上を塩素イオンが被覆しているため、タングステン酸化物は銅上に吸着されず、箔中へのタングステンの取り込みが起こらない。該電解液にチオ尿素系化合物を添加すると、[=S]構造が塩素イオンよりも優先的に銅上に吸着して銅上に有機分子の吸着層を形成する。該吸着層上にタングステン酸化物が吸着することにより、タングステンはチオ尿素系化合物と一緒に箔中に取り込まれるものと推考される。
タングステンは酸性溶液中では酸化物として存在するが、塩素を含む電解液を用いた銅電析では銅の析出面上を塩素イオンが被覆しているため、タングステン酸化物は銅上に吸着されず、箔中へのタングステンの取り込みが起こらない。該電解液にチオ尿素系化合物を添加すると、[=S]構造が塩素イオンよりも優先的に銅上に吸着して銅上に有機分子の吸着層を形成する。該吸着層上にタングステン酸化物が吸着することにより、タングステンはチオ尿素系化合物と一緒に箔中に取り込まれるものと推考される。
チオ尿素系化合物を具体的に例示すると、チオ尿素、N,N‐ジエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、エチレンチオ尿素であるが、これらは実施例で使用したものを例示しているに過ぎず、以上で述べたような構造的特徴を有し、同様の効果を発揮する化合物であれば、いずれの化合物も使用可能である。
電解液に添加するチオ尿素系有機添加剤の量は、3〜20mg/lが好ましい。電解液に添加するチオ尿素系有機添加剤が3mg/l未満の場合には、タングステンが銅箔中にほとんど取り込まれない。一方、チオ尿素系有機添加剤を20mg/l以下とするのが好ましいのは、20mg/l以上添加すると、該添加剤による銅の電析抑制効果が強く、ヤケめっきになる恐れがあるためである。
以下、本件発明に係る電解液組成及び該電解液を用いて製造される銅合金箔の特性について実施例で説明する。
本実施例では、電解液として、銅濃度50〜120g/L、フリーの硫酸濃度30〜150g/L、塩化物イオン濃度1〜100mg/lに調製した硫酸銅溶液を基本溶液とした。添加剤としてのチオ尿素系化合物とその添加濃度、タングステン濃度を比較例と対比可能なように表1に纏めて示す。
基本溶液の塩素濃度を100mg/l以下としたのは、100mg/l以上添加しても箔の機械的特性に差異が見られなかったためである。
本実施例では上記電解液を用いて12μmの銅合金箔を製造した。製造条件は、電流密度30〜100A/dm2、温度30〜70℃である。
製箔した銅箔中のタングステン含有量については、一定重量の電解銅合金箔を酸で溶解した後、ICP発光分光分析法により溶液中のタングステン量を求めた。
引張強さはJISZ2241−1880に基づき測定を行った。それぞれの結果を比較例とともに表1に示した。
製箔した銅箔中のタングステン含有量については、一定重量の電解銅合金箔を酸で溶解した後、ICP発光分光分析法により溶液中のタングステン量を求めた。
引張強さはJISZ2241−1880に基づき測定を行った。それぞれの結果を比較例とともに表1に示した。
表1に示す評価結果から、実施例1−1から実施例1−15の電解銅合金箔は、300℃×1H加熱後の機械的強度が450MPaを上回っており、SiまたはSn合金系活物質の大きな膨張、収縮に対して、集電体と活物質との密着性をポリイミドバインダにより保持し、集電体が破断しないことを証明している。
実施例1−16は、実施例1−4の電解液にアンモニウムイオンを7g/l含む電解液を用いて製造している。また、実施例1−17は、実施例1−4の電解液に硝酸イオンを130mg/l含む電解液を用いて製造している。
実施例1―16、実施例1−17の電解銅合金箔は、300℃×1H加熱後の機械的強度が実施例1−4に比べて増加しており、加熱処理後の機械的強度をさらに向上させる際は、アンモニアイオンまたは硝酸イオンを含む電解液を用いることが好ましい。
実施例1―16、実施例1−17の電解銅合金箔は、300℃×1H加熱後の機械的強度が実施例1−4に比べて増加しており、加熱処理後の機械的強度をさらに向上させる際は、アンモニアイオンまたは硝酸イオンを含む電解液を用いることが好ましい。
比較例2−1は、基本溶液にタングステンを添加している。常態での機械的強度は大きいが、300℃×1H加熱後では機械的強度が著しく低下している。またこの銅箔中のタングステン量を測定してみると、検出下限以下である。
電解液中に塩素イオンを含むとタングステンの析出が抑制され、電解銅箔が形成されるがCu−W合金からなる電解銅合金箔は形成されなかった。
電解液中に塩素イオンを含むとタングステンの析出が抑制され、電解銅箔が形成されるがCu−W合金からなる電解銅合金箔は形成されなかった。
比較例2−2は、特許文献4(特許第3238278号)に基づいて銅箔を作成したものであり、比較例2−1の電解液にさらにニカワを添加した組成で製箔したものである。
この銅箔は常態での機械的強度も小さく、300℃×1H加熱後では機械的強度が著しく低下する。またこの銅箔中のタングステン量を測定してみると、検出下限以下であった。
電解液中にニカワ(膠)を添加したが、ニカワは[=S]を持たないため、ニカワでは、塩素イオンよりも優先的に銅上に吸着して銅上に有機分子の吸着層を形成することができず、タングステン酸化物は銅上に吸着されず、箔中へのタングステンの取り込みが起こらず、電解Cu−W合金箔は形成されなかったものと推考される。
この銅箔は常態での機械的強度も小さく、300℃×1H加熱後では機械的強度が著しく低下する。またこの銅箔中のタングステン量を測定してみると、検出下限以下であった。
電解液中にニカワ(膠)を添加したが、ニカワは[=S]を持たないため、ニカワでは、塩素イオンよりも優先的に銅上に吸着して銅上に有機分子の吸着層を形成することができず、タングステン酸化物は銅上に吸着されず、箔中へのタングステンの取り込みが起こらず、電解Cu−W合金箔は形成されなかったものと推考される。
本発明の電解液を用いて製造される電解銅合金箔は、加熱後も高い機械的強度を持つことから、SiまたはSn合金系活物質の大きな膨張、収縮に対して、活物質との密着性をポリイミドバインダにより保持し、破断しない集電体として好適である。
Claims (9)
- 硫酸銅と硫酸を含有する電解液にタングステンまたはタングステン化合物と、チオ尿素系有機添加剤を添加してなる電解銅箔製箔用電解液。
- 硫酸銅、硫酸と塩素イオンを含有し、タングステンまたはタングステン化合物と、チオ尿素系有機添加剤を添加してなる電解銅箔製箔用電解液。
- 前記電解液に添加するタングステンまたはタングステン化合物はタングステンとして50mg/l以上であり、チオ尿素系有機添加剤は3〜20mg/lとする請求項1または請求項2に記載の電解銅箔製箔用電解液。
- 前記電解液に添加するチオ尿素系化合物は、チオ尿素、N,N−ジエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、エチレンチオ尿素のいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の電解銅箔製箔用電解液。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電解液にアンモニアイオン、硝酸イオンのうち少なくとも何れかを添加してなる電解銅箔製箔用電解液。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の電解銅箔製箔用電解液を用いて製箔された電解銅箔。
- タングステンを0.001〜0.050wt%含む請求項6に記載の電解銅箔。
- 300℃×1時間熱処理後の引張強さが450MPa以上、導電率が80%以上である請求項6または7に記載の電解銅箔。
- 粗面の表面粗さRzが、2.5μm以下である請求項6〜8のいずれかに記載の電解銅箔。
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