JP2013202563A - 自硬性汚泥の造粒固化処理土の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 自硬性汚泥に対し、水溶性高分子化合物を添加し、混合すること、及び、当該混合後に、無機粉末系固化材及び/又はカチオン性水溶性化合物を添加し、混合して造粒すること、を含む、造粒固化処理土の製造方法;自硬性汚泥に対し、水溶性高分子化合物を添加し、混合すること、及び当該混合後に、無機粉末系固化材及び/又はカチオン性水溶性化合物を添加し、混合して造粒すること、を含む、造粒固化処理土の製造方法にて得られうる造粒固化処理土;自硬性汚泥に対し、水溶性高分子化合物を添加し、混合することを特徴とする自硬性汚泥の硬化抑制方法;水溶性高分子化合物を含有する自硬性汚泥の硬化抑制剤。
【選択図】なし
Description
一方、国土交通省は建設汚泥のリサイクルを推進しており、2020年までに、建設汚泥のリサイクル率を75%にすることを目標として掲げている。建設汚泥は、固化処理され、所定の強度を発現することで建設改良土としてリサイクルすることが可能となる。
「非自硬性汚泥」は、セメント等の固化材を含まない為、長時間静置しても硬化しないものであり、目的に応じて脱水処理、固化処理等を施し、求める品質の処理土や建設改良土を得ることが容易である。
一方、例えば、高圧噴射攪拌工法やソイルセメント壁工法等を使用する場合には、セメントの混入した建設汚泥、いわゆる「自硬性汚泥」が生じる。この「自硬性汚泥」は、セメント等を含み、発生直後は流動性が高く、強度を発揮しないが、時間の経過とともに強度が発現するようになる。このように「自硬性汚泥」は、時間の経過とともに自ら硬化してしまう為、求める品質を得ることは難しく、リサイクルすることが困難なものである。
特許文献1には、既製杭の中堀り工法等の杭工事から発生する含水比40〜100%の汚泥を加圧脱水し、コーン指数200kN/m2以上の処理土を得る技術が開示されている。しかしながら、この技術では、加圧脱水機を使用することでコーン指数200kN/m2を達成しており、設備設置費、電力費等の費用面、設置場所の確保、脱水機運転時の、ろ布交換等の作業面から、容易には実施できないと考えられる。
また、特許文献2には、自硬性汚泥を固液分離したのち、解きほぐし、連続搬送経路上で固化材と混合して混合処理土を得る方法が開示されている。しかしながら、この技術では、自硬性汚泥を一旦静置し、固液分離したのちに解きほぐす為に、作業時間がかかること、分離水の処理が必要であり、容易には実施できないと考えられる。
このように、造粒固化処理技術において簡易に実施できることが求められている。
また、ピット内で汚泥が硬化すると、その上から新たな自硬性汚泥を追加した場合に、更に大きな塊が形成されてしまい、ピットの汚泥貯留機能が損なわれるという実状がある。
このように、自硬性汚泥が硬化することによって作業効率が低下するため、自硬性汚泥の硬化を簡易に抑制する技術が望まれている。
を添加し、混合することで、自硬性汚泥の硬化を抑制することができ、さらに無機粉末固化材及び/又はカチオン性水溶性化合物を添加し、混合することで、造粒固化処理土が簡易に得られることを見出し、本発明を完成させた。
また、本発明は、前記製造方法にて得られうる造粒固化処理土を提供するものである。
前記自硬性汚泥が汚泥排出後のものであるのが好適である。これにより、自硬性汚泥の硬化が速やかに進行することなく抑制することができるので、造粒固化処理土の性状を良好にすることが可能となる。
前記水溶性高分子化合物の使用量は、汚泥1m3に対し、0.1〜20kgであるのが好適である。
前記無機粉末系固化材の使用量は、汚泥1m3に対し、0.1〜100kgであるのが好適である。
前記カチオン性水溶性化合物の使用量は、汚泥1m3に対し、0.1〜20kgであるのが好適である。
前記自硬性汚泥のpHが、11以上であるのが好適である。これにより、高い強度を発現する自硬性汚泥となるため、得られる造粒固化処理土の強度も良好となる。
また、本発明は、水溶性高分子化合物を含有する自硬性汚泥の硬化抑制剤を提供するものである。
これにより、簡易に、自硬性汚泥の硬化を抑制することができる。
「セメント」とは、無機質粉末で水と練ると硬化する性質を有するものを一般的にいい、本開示の「セメント」は、主に土木建築用に使用されるものである。セメントには、気硬性セメント(石灰、石こう、マグネシアセメントなど)と水硬性セメント(ポルトランドセメント、高炉セメントなどの混合セメント、アルミナセメントなど)があり、セメントには、無機系・有機系の硬化剤;界面活性剤等の混和剤;高分子系の凝集剤等の混合材料・添加材料を任意に含ませてもよい。「セメントミルク」とは、セメントのミルク状のものをいう。
また、本開示にて処理する際の自硬性汚泥のpH、含水率、比重は、以下の範囲であるのが、良好な強度を有し、取り扱いが容易な造粒固化処理土になりやすいので、望ましい。
また、自硬性汚泥に対し、水溶性高分子化合物を添加するタイミングは、セメント等を地中に注入し汚泥排出後の自硬性汚泥であるのが好適である。この「汚泥排出後」とは、水溶性高分子化合物を添加し、例えば汚泥の均一化が図れるまでの間をいう。具体的には、汚泥排出後1時間以内が好ましい。これにより、自硬性汚泥の硬化が速やかに進行することなく抑制することができ、得られる造粒固化処理土の性状を良好とする。
前記合成水溶性高分子化合物は、アニオン性モノマーとノニオン性モノマーの1種又は2種以上を構成成分とする単独重合体又は共重合体が好適である。
前記アニオン性基(アニオン性モノマー)としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボン酸(モノマー);スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等のスルホン酸(モノマー)等が例示される。
また、前記ノニオン性基(ノニオン性モノマー)としては、例えば、アクリルアミド(モノマー)やメタクリルアミド(モノマー)等が例示される。
前記アクリル酸系及び/又はアクリルアミド系ポリマーとしては、例えば、アクリル酸単重合体、アクリルアミド単独重合体、アクリル酸/アクリルアミド共重合体、ポリアクリルアミドの部分加水分解体、アクリル酸/アクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸/マレイン酸共重合体等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。このうち、アクリル酸/アクリルアミド共重合体、アクリルアミド単独重合体、ポリアクリルアミドの部分加水分解体が、高分子量であるので、好ましく、このうちアクリル酸/アクリルアミド共重合体がより好適である。
前記アクリルアミド系及び/又はアクリル酸系ポリマーの平均分子量は、好ましくは1,000,000〜10,000,000、より好ましくは5,000,000〜9,000,000(固有粘度法)とするのが好適である。
また、アニオン性高分子の場合、前記アクリル酸系及び/又はアクリルアミド系ポリマーを生成する際のアクリル酸単位の含有量は、使用する単量体の全合計量(100モル%)に対して、好ましくは5モル%以上、より好ましくは20〜100モル%とするのが好適である。
さらに、自硬性汚泥の硬化抑制作用と流動性増大のマッチポンプの発生を少なくすることができるエマルジョン状(好ましくは、W/O型エマルジョン状)で使用するのが好適である。W/O型エマルジョン状の水溶性高分子化合物は、公知の手法(例えば、特公昭52−039417号公報、特開昭51−41090号公報)にて製造することができる。
前記混合(攪拌)を行うことにより、この汚泥中の水分を前記水溶性高分子化合物に含ませつつ、この自硬性汚泥中に前記水溶性高分子化合物を分散させる。これによって、汚泥中の自由水を均一化して硬化抑制することが可能となる。
前記混合に使用する攪拌機又は混練機については、特に限定されないが、例えば、バックホウ、ユンボー、スタビライザー、ミキサー、二軸ミキサー等の従来の公知のものを使用すればよい。
また、このとき、処理温度は特に限定されないが、常温(5〜35℃)程度で行うのが、反応性の点から好適である。
従来技術として掘削汚泥等の含水泥土のような「非自硬性汚泥」に水溶性高分子を添加する方法があるが、この目的は短時間で固化処理させるためのものであり、水溶性高分子を添加混合した「非自硬性汚泥」はそのまま造粒固化処理されている。
また、「自硬性汚泥」の場合、前記水溶性高分子化合物とケイ酸ナトリウム等の無機粉末系固化材とを同時に添加・混合するようなことが、作業効率性や従来の手法から考えられるが、実際に得られた固化処理土は、塊状が混在し、また均一的な品質が得られず、リサイクルには適さない。
なお、「前記水溶性高分子化合物添加混合後」から、「無機粉末系固化材及び/又はカチオン性水溶性化合物の添加」までの間は、同時でなければ特に限定されず、1分〜6時間以内であればよい。
無機粉末系固化材を使用することで、自硬性汚泥中に含まれる硬化成分濃度の影響をあまり受けることなく、好適に自硬性汚泥を固化処理することができる。このことは、建設汚泥は現場によって変わることもあるが、本開示の方法であれば、安定的に処理することができるので、産業上利用の点でも有利である。
無機粉末系固化材としては、特に限定されないが、例えば、カルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属化合物、普通ポルトランドセメント、フライアッシュセメントに加え、ポゾラン性を有する化合物が挙げられる。例えば、アルカリ土類金属の塩化物、硫酸塩、水酸化物、酸化物等が挙げられる。ケイ酸化合物は固化処理土を安定的に造粒させにくいが、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の酸化物の水和反応を呈する化合物は固化処理土を安定的に造粒させやすいので好適である。
なお、これらのものを1種で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
また、本開示で使用する無機粉末系固化材の使用量は、汚泥1m3に対し、好ましくは5〜200kg、より好ましくは10〜100kgとするのが、これを混合することで造粒固化処理土に一定の強度を付加することができるのが好適である。
また、自硬性汚泥中に硬化成分が比較的多量に含有しているような場合には、無機粉末系固化材を添加しなくとも、水溶性カチオン性化合物を添加することで、良好な造粒固化処理土を得ることができる。
前記酸性無機金属塩として、例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、塩化鉄等の鉄塩及びアルミニウム塩などが挙げられる。このうち、高分子であるポリ塩化アルミニウムが好適である。
なお、これらのものを1種で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中で、架橋構造を有するものを用いるのが好適である。
前記カチオン性高分子化合物の平均分子量は、好ましくは1,000,000〜10,000,000(固有粘度法)とするのが好適である。
なお、これらは1種を単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい
前記混合(攪拌)を行うことにより、この汚泥中の水分を前記無機粉末系固化材及び/又は水溶性カチオン性化合物に含ませつつ、この汚泥中に前記無機粉末系固化材及び/又は水溶性カチオン性化合物を分散させる。これによって、汚泥を均一混合して均一的な粒状とし、最終的に良好な強度を有し、取り扱い容易な造粒固化処理土とすることができる。
前記混合に使用する攪拌機又は混練機については、上述のとおりである。
また、このとき、処理温度は特に限定されないが、常温(5〜35℃)程度で行うのが、反応性の点から好適である。
また、本開示の製造方法にて得られた造粒固化処理土は、自硬性汚泥を対象としても、求める強度を示す品質を有するものである。さらに、本開示の造粒固化処理土は、一定強度を有する粒状であるため、取り扱いが容易であり、搬送や保管等の作業効率を向上させるものである。
さらに、本開示の造粒固化処理土は、再泥化することがないため、本開示の方法は、造粒固化処理土の再汚泥化防止方法として実施することが可能である。
なお、本開示の造粒固化処理土は、無機粉末系固化材及び/又はカチオン性水溶性化合物を添加混合した後、24時間経過後のコーン指数(Qc)を計測した(JISA1228準拠)際に、400〜3000kN/m2となるのが好ましい。
前記自硬性汚泥の硬化抑制方法は、自硬性汚泥に対し、水溶性高分子化合物を添加し、混合することを特徴とするものである。これにより、簡易に、自硬性汚泥の硬化を抑制することができる。自硬性汚泥が硬化して搬出の妨げになるのを防止するとともに、得られる改良土が高い強度を発現し、流動化処理土の骨材としてリサイクルに適した品質を有することを可能とする。なお、自硬性汚泥の硬化抑制方法及び硬化抑制剤に関し、上述にて説明した構成の説明については省略する。
なお、上述した無機粉末系固化材及び/又はカチオン性水溶性化合物を使用する場合には、(A)前記水溶性高分子化合物を含む組成物、(B)無機粉末系固化材及び/又はカチオン性水溶性化合物を含む組成物という2〜3等複数の組成物から構成される自硬性汚泥用硬化抑制剤及び自硬性汚泥の造粒固化処理剤のキットとすればよい。当該キットの使用方法は、上述した造粒固化処理土の製造方法、造粒固化処理方法及び自硬性汚泥の硬化抑制方法に従って行えばよい。
地盤に、表1に示すセメントミルクを注入した際に発生した、表2に示すセメント交じりの自硬性汚泥の試料1〜3を得た。
この排出された自硬性汚泥の試料1〜3に、それぞれ、W/O型エマルジョン系アニオン性の水溶性高分子化合物を添加し、ミキサーにて混合し、添加後の汚泥のブリージング率から、硬化抑制効果を確認した。
W/O型エマルジョン系アニオン性の水溶性高分子化合物は、アクリル酸/アクリルアミド共重合体の固有粘度換算による分子量は500万〜900万であった。また、この重合体のアクリル酸単量体のモル%は、30〜40モル%であった。このW/O型エマルジョンポリマー(pH6〜8程度)は、公知の手法(例えば特公昭52−039417号公報、特開昭51−41090号公報)にて得ることができる。具体的には、鉱物油に界面活性剤(転相剤も含む)及びアクリル酸/アクリルアミドの単量体水溶液を添加し、乳化重合にて得ることが可能である。
試験例1における硬化抑制剤の添加量と、ブリージング量の関係を表3に示す。
自硬性汚泥の場合、ブリージングが発生し、水、セメント、土粒子等の材料が分離しやすくなり、自硬性汚泥の一部の硬化が進行しやすくなるので、ブリージング抑制することで、自硬性汚泥の硬化抑制が可能と考える。
上記W/Oエマルジョン系アニオン性の水溶性高分子化合物を用いることで、自硬性汚泥のブリージングを抑制することができたので、自硬性汚泥の硬化を抑制できることが認められた。
よって、上記のW/Oエマルジョン系アニオン性の水溶性高分子化合物は、自硬性汚泥の硬化抑制作用を有し、自硬性汚泥用の硬化抑制剤として使用可能である。
表4に示す排出された自硬性汚泥に、試験例1のW/Oエマルジョン系アニオン性の水溶性高分子化合物を添加混合し、次いでセメント系固化材を添加混合して得られた固化処理土の品質確保を検証した。
表4の排出された自硬性汚泥は、表1の地盤に注入したセメントミルクにて発生したものである。
試験例1で使用したW/Oエマルジョン系アニオン性の水溶性高分子化合物を、自硬性汚泥用の硬化抑制剤として、添加・混合し、硬化を抑制した自硬性汚泥に対し、セメント系固化材(ハードキープP−430:トクヤマセメント製)を添加・混合し、24時間経過後のコーン指数(Qc)を計測した(JISA1228準拠)。
このセメント系固化材は、無機粉末系固化材であり、主としてアルカリ土類金属酸化物が含まれるものである。
そして、試験例1のW/Oエマルジョン系アニオン性の水溶性高分子化合物の添加量を増やすことによって、コーン指数のばらつきが小さくなり、一定の品質保持できるようになった(表5)。このように試験例1のW/Oエマルジョン系アニオン性の水溶性高分子化合物を用いると、自硬性汚泥の性状が多少変化しても、強度発現に必要なセメント系固化材を特定範囲の添加量(例えば、汚泥1m3に対し30〜70kg/m3)で使用すれば、造粒固化処理土の強度のばらつきを低減することが可能となる。このことから、本開示の方法を用いれば、安定的に一定の品質の造粒固化処理土が得られるといえる。
試験例1のW/Oエマルジョン系アニオン性の水溶性高分子化合物を添加混合し、次いでセメント系固化材を添加混合し、得られた自硬性汚泥改良土(固化処理土)の状態を検証した。
硬化抑制剤未添加の自硬性汚泥は、そのまま放置すると、大きな塊状で硬化してしまい、再利用性が低かった。
表4に示す自硬性汚泥の試料4を用い、自硬性汚泥用の硬化抑制剤及びセメント系固化材は、試験例2で使用したものを使用した。自硬性汚泥に、自硬性汚泥用の硬化抑制剤を添加・撹拌し、次いでセメント系固化材を添加・撹拌した自硬性汚泥改良土は粒状を呈し、24時間硬化後も直径10mm程度の粒状固化物を形成した。その結果を表6に示す。このことから、本開示の方法を用いれば、安定的に一定の品質の造粒固化処理土が得られるといえる。
試験例3(表6)で得た造粒固化処理土を水に浸漬し、泥状に戻らないことを検証した(再泥化防止効果)。再泥化すると、浸漬した水に土壌粒子や固化材が分散し、汚染水が発生するとともに、汚染水が流出すると環境に悪影響を与えることとなる。
固化処理から24時間経過した無処理土および造粒固化処理土を100g採取し、500mlビーカーに300mlの水を張って、浸漬した。スパーテルで10分間撹拌し、得られた上澄水の濁度を計測した。この値が高いほど、再泥化していると判定した。試験例3の硬化抑制工程次いで造粒工程にて得られた造粒処理土は上澄水濁度が低く、再泥化しないことを確認した。このことから、本開示の方法を用いれば、安定的に一定の品質の造粒固化処理土が得られるといえる(表7)。
硬化抑制工程次いで造粒工程における「セメント系汚泥固化材」に代えて「カチオン性水溶性高分子」を用いて、自硬性汚泥の造粒改質を検討した(表8及び9)。その結果、カチオン性水溶性高分子でも、十分な強度の造粒固化処理土を得ることが可能であった。このとき自硬性汚泥のpHは、11以上であるのが、一定の強度を有する造粒固化処理土を得る点で、望ましい。
このことより、本開示の方法を用いれば、安定的に一定の品質の造粒固化処理土が得られるといえる。
〔1〕 自硬性汚泥に対し、水溶性高分子化合物を添加し、混合すること、及び、
当該混合後に、無機粉末系固化材及び/又はカチオン性水溶性化合物を添加し、混合して造粒すること、を含む、造粒固化処理土の製造方法。
〔2〕 自硬性汚泥に対し、水溶性高分子化合物を添加し、混合すること、及び、
当該混合後に、無機粉末系固化材及び/又はカチオン性水溶性化合物を添加し、混合して造粒すること、を含む、造粒固化処理方法。
〔3〕 前記水溶性高分子化合物が、W/O型エマルジョン系である前記〔1〕又は〔2〕記載の方法。
〔4〕 前記水溶性高分子化合物の使用量は、汚泥1m3に対し、0.1〜20kgである、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の方法。
〔5〕 前記無機粉末系固化材の使用量は、汚泥1m3に対し、0.1〜100kgである、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の方法。
〔6〕 前記カチオン性水溶性化合物の使用量は、汚泥1m3に対し、0.1〜20kgである、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の方法。
〔7〕 前記自硬性汚泥のpHが、11以上である前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載の方法。
当該混合後に、無機粉末系固化材及び/又はカチオン性水溶性化合物を添加し、混合して造粒すること、を含む、造粒固化処理土の製造方法にて得られうる造粒固化処理土。
〔9〕 前記〔3〕〜〔7〕のいずれか1項記載の製造方法にて得られうる前記〔8〕記載の造粒固化処理土。
〔11〕前記水溶性高分子が、W/O型エマルジョン系水溶性高分子化合物である前記〔10〕記載の自硬性汚泥の硬化抑制方法。
〔12〕前記水溶性高分子化合物の使用量は、汚泥1m3に対し、0.1〜20kgである、前記〔10〕又は〔11〕記載の自硬性汚泥の硬化抑制方法。
〔13〕水溶性高分子化合物を含有する自硬性汚泥の硬化抑制剤。
〔14〕前記水溶性高分子が、W/O型エマルジョン系水溶性高分子化合物である前記〔13〕記載の自硬性汚泥の硬化抑制剤。
Claims (13)
- 自硬性汚泥に対し、水溶性高分子化合物を添加し、混合すること、及び、
当該混合後に、無機粉末系固化材及び/又はカチオン性水溶性化合物を添加し、混合して造粒すること、を含む、
造粒固化処理土の製造方法。 - 前記水溶性高分子化合物が、W/O型エマルジョン系である請求項1記載の造粒固化処理土の製造方法。
- 前記水溶性高分子化合物の使用量は、汚泥1m3に対し、0.1〜20kgである、請求項1又は2記載の造粒固化処理土の製造方法。
- 前記無機粉末系固化材の使用量は、汚泥1m3に対し、0.1〜100kgである、請求項1〜3のいずれか1項記載の造粒固化処理土の製造方法。
- 前記カチオン性水溶性化合物の使用量は、汚泥1m3に対し、0.1〜20kgである、請求項1〜4のいずれか1項記載の造粒固化処理土の製造方法。
- 前記自硬性汚泥のpHが、11以上である請求項1〜5のいずれか1項記載の造粒固化処理土の製造方法。
- 自硬性汚泥に対し、水溶性高分子化合物を添加し、混合すること、及び、
当該混合後に、無機粉末系固化材及び/又はカチオン性水溶性化合物を添加し、混合して造粒すること、を含む、
造粒固化処理土の製造方法にて得られうる造粒固化処理土。 - 請求項2〜6のいずれか1項記載の製造方法にて得られうる請求項7記載の造粒固化処理土。
- 自硬性汚泥に対し、水溶性高分子化合物を添加し、混合することを特徴とする自硬性汚泥の硬化抑制方法。
- 前記水溶性高分子化合物が、W/O型エマルジョン系水溶性高分子化合物である請求項9記載の自硬性汚泥の硬化抑制方法。
- 前記水溶性高分子化合物の使用量は、汚泥1m3に対し、0.1〜20kgである、請求項9又は10記載の自硬性汚泥の硬化抑制方法。
- 水溶性高分子化合物を含有する自硬性汚泥の硬化抑制剤。
- 前記水溶性高分子化合物が、W/O型エマルジョン系水溶性高分子化合物である請求項12記載の自硬性汚泥の硬化抑制剤。
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