JP2013202467A - 膜分離設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】循環流が安定してスムーズに形成され、膜面の洗浄効果が向上する膜分離設備を提供する。
【解決手段】処理槽2内に循環流4を発生させる複数の散気装置14a〜14dが複数の膜エレメント8の下方に設けられ、膜エレメント8間に、循環流4が流れる膜エレメント間流路を形成し、膜エレメント8を配置した部分での処理槽2の水平方向断面において、実質的に全ての循環流4が膜エレメント間流路を流れるように構成されており、一部の膜エレメント間流路は循環流4の上向流21が流れる上向流流路を形成し、残りの膜エレメント間流路は循環流4の下向流20が流れる下向流流路を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば下廃水や浄水等の処理対象液を固液分離する逆曝気方式の膜分離設備に関する。尚、逆曝気とは、下向流が膜エレメント間に流れている状態で、膜エレメントの下方より曝気して膜エレメント間に気泡を上昇させることをいう。
従来、この種の膜分離設備としては、例えば図20に示すように、処理槽101の内部に浸漬型の膜ユニット102と、上下方向に循環する循環流103を発生させる複数の散気装置104,109とを設置したものがある。膜ユニット102は、上下が開口した箱状のケーシング105と、ケーシング105内に上下方向に配置され且つ所定間隔で並列に並べられた複数の膜エレメント106とを有している。
洗浄用散気装置104は膜エレメント106の下方に配置され、循環流用散気装置109は、処理槽101内の底部で且つ膜ユニット102の外側に配置されている。
これによると、駆動用空気を循環流用散気装置109から処理槽101内の活性汚泥混合液中に散気することにより、膜ユニット102の外側に上向流107が生起し、これらの上向流107は液面付近で反転して下向流108となり、この下向流108は、膜ユニット102の上部から流入して膜ユニット102内を流れた後、処理槽101内の底部で反転し、膜ユニット102の下部から外側へ流出する。このような上向流107と下向流108とによって、処理槽101内に循環流103が発生する。
この際、少量の洗浄用空気を洗浄用散気装置104から散気することにより、少量の空気のエアリフト作用により膜ユニット102に上向流が生起するが、この上向流は循環流用散気装置104による下向流108よりも劣るため、膜ユニット102内には下向流108が生じる。この下向流108は膜エレメント106間に形成されている膜間流路を流れる。この際、洗浄用散気装置104から下向流108中に供給された少量の洗浄用空気の気泡は、下向流108に抗して逆方向に上昇することで上昇速度が遅速し、膜間流路をろ過膜の膜面に沿って上昇しながら上方向のみならず斜め方向や横方向へも漂流する。このような気泡の存在により、下向流108の流れが乱れるとともに、膜間流路における液中の気泡保持量が増加する。これにより、ろ過膜の膜面が良好に洗浄されるとともに、総曝気量を低減できる。
尚、上記のような逆曝気方式の膜分離設備は例えば下記特許文献1に記載されている。
特開2008−246357
上記の従来形式では、図20に示すように処理槽101内に浸漬型の膜ユニット102を一台設置しているが、図21に示すように複数台の膜ユニット102を設置してもよい。この場合、膜ユニット102間の設置間隔Aや膜ユニット102と処理槽101の壁面101aとの間隔B等の条件によっては、処理槽101内に循環流103がスムーズに形成されず、膜エレメント106のろ過膜の膜面の洗浄効果が低下することがある。
特に、処理槽101が大型で、上記各間隔A,Bが大きい場合、上記のような洗浄効果の低下が顕著であり、また、逆に、処理槽101が小型で、上記各距離A,Bが狭い場合であっても、循環流103が不安定になって洗浄効果の低下を招くことがある。
本発明は、循環流が安定してスムーズに形成され、膜面の洗浄効果が向上する膜分離設備を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明は、処理槽内に浸漬して設置された複数の膜エレメントにより原水をクロスフローろ過する膜分離設備であって、
膜エレメントの下方に、上下方向に循環する循環流を発生させる複数の散気装置が設けられ、
膜エレメント間に、循環流が流れる膜エレメント間流路を形成し、
膜エレメントを配置した部分での処理槽の水平方向断面において、実質的に全ての循環流が膜エレメント間流路を流れるように構成されており、
一部の膜エレメント間流路は循環流の上向流が流れる上向流流路を形成し、
残りの膜エレメント間流路は循環流の下向流が流れる下向流流路を形成するものである。
これによると、散気装置で散気することにより、処理槽内に循環流が形成され、実質的に全ての循環流が膜エレメント間流路を流れるため、循環流が流れる流路の抵抗が均一になって循環流が安定してスムーズに流れ、膜エレメントの膜面に対して十分な洗浄効果を得ることができる。
本第2発明における膜分離設備は、膜エレメントを配置した部分での処理槽の水平方向断面において、下向流流路の総断面積Dと上向流流路の総断面積Rとの面積比D/Rが0.63以上で3.33以下の範囲内にあるものである。
これによると、散気装置で散気することにより、処理槽内に循環流が形成され、一部の膜エレメント間流路に上向流が流れるとともに残りの膜エレメント間流路に下向流が流れる。この際、上記面積比D/Rが0.63以上で3.33以下の範囲内となるように散気を行うことで、循環流がより安定してスムーズに流れるため、膜エレメントの膜面の洗浄効果が向上する。
本第3発明における膜分離設備は、膜エレメント間流路を流れる下向流の流速が0.15m/秒より高く0.25m/秒より低い範囲内にあるものである。
これによると、下向流中の気泡保持量が増加すると共に気泡の動きの乱れが増加するため、膜エレメントの膜面の洗浄効果がさらに向上する。
本第4発明における膜分離設備は、膜エレメントを配置した部分での処理槽の水平方向断面において、下向流流路のボイド率εdと、上向流流路のボイド率εrとの比εd/εrが0.7以上で1.2以下の範囲内にあるものである。
これによると、膜エレメントの膜面の洗浄効果がさらに向上する。尚、ボイド率とは、気液二相流の中のある領域における気体の占める体積比率をいう。
本第5発明における膜分離設備は、下向流が流れる膜エレメント間流路のボイド率εdは0.07以上であるものである。
これによると、膜エレメントの膜面の洗浄効果がさらに向上する。
本第6発明における膜分離設備は、処理槽内に複数台の膜ユニットが設けられ、
各膜ユニットはそれぞれ、複数の膜エレメントと、これら膜エレメントを収納する膜ケースとを有し、
散気装置は散気ケース内に設けられ、
散気ケースの上部に開口部が形成され、
膜ケースは散気ケースの開口部上に配置され、
散気ケースの内部は、膜ケースを介してのみ、散気ケースの外部で且つ処理槽の内部に連通するものである。
これによると、散気装置で散気することにより、処理槽内に循環流が形成され、循環流の上向流が散気ケース内から開口部を通って一部の膜ユニットの膜エレメント間流路を流れ、循環流の下向流が残りの膜ユニットの膜エレメント間流路を流れて開口部から散気ケース内に戻る。
本第7発明における膜分離設備は、処理槽内は区分板により平面的に複数の処理室に区分けされ、
各処理室内にそれぞれ複数の膜エレメントが設けられ、
散気装置は各処理室内に設けられ、
隣り合う処理室同士は膜エレメントよりも上部および下部で連通し、
膜エレメントを配置した部分での処理槽の水平方向断面の全面は、複数の膜エレメントと、これら膜エレメント間に形成された流路とで占められているものである。
これによると、散気装置で散気することにより、処理槽内に循環流が形成され、全ての循環流が膜エレメント間流路を流れるため、循環流が安定してスムーズに流れ、膜エレメントの膜面に対して十分な洗浄効果を得ることができる。
以上のように本発明によると、循環流が安定してスムーズに流れるため、膜エレメントの膜面の洗浄効果が向上する。
本発明の第1の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 同、膜分離設備の平面図である。 図1におけるX−X矢視図である。 同、膜分離設備の面積比と膜間流速との関係を示すグラフである。 同、複数の面積比に対する膜分離設備の運転経過日数と膜汚れ比率との関係を示すグラフである。 同、複数の面積比に対する膜分離設備の運転経過日数と膜汚れ比率との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態における膜分離設備の面積比と膜間ボイド率との関係を示すグラフである。 同、膜分離設備の複数のボイド率の比に対する膜分離設備の運転経過日数と膜汚れ比率との関係を示すグラフである。 本発明の第3の実施の形態における下降流が流れる膜エレメント間流路の複数のボイド率に対する膜分離設備の運転経過日数と膜汚れ比率との関係を示すグラフである。 本発明の第4の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 同、膜分離設備の平面図である。 本発明の第5の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 同、膜分離設備の平面図である。 本発明の第6の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 同、膜分離設備の平面図である。 図14におけるX−X矢視図である。 本発明の第7の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 本発明の第8の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 本発明の第9の実施の形態における膜分離設備の断面図である。 従来の膜分離設備の断面図である。 従来の別の膜分離設備の断面図である。
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の逆曝気方式の膜分離設備は例えば下廃水や浄水等の水処理に用いるものであり、本第1の実施の形態では、膜分離活性汚泥処理に用いる膜分離設備について説明する。
図1〜図3に示すように、膜分離設備1は、処理槽2と、浸漬型の複数の膜ユニット3a〜3dと、上下方向に循環する循環流4を発生させる散気設備5とを有している。
各膜ユニット3a〜3dはそれぞれ、処理槽2内に設置され且つ上下両端が開放された四角箱型の膜ケース7と、膜ケース7内に設けられた複数の膜エレメント8とを有している。各膜エレメント8は、処理槽2内に供給された処理対象液19(原水)をクロスフローろ過するものであり、樹脂製のろ板9と、ろ板9の両表面に取り付けられたろ過膜10とを有している。これら各膜エレメント8は、ろ過膜10を透過した透過液を導出する透過液導出系12に連通している。
各膜エレメント8は、ろ過膜10の膜面を上下方向に沿わせて、膜ケース7内に所定間隔C(一般的に約5〜8mm程度)をあけて平行に配列されている。膜エレメント8の厚さ方向において隣り合う膜エレメント8のろ過膜10の膜面間には、循環流4が流れる膜エレメント間流路11が形成されている。
散気設備5は、処理槽2内の底部に設置された散気ケース13と、散気ケース13内に設置された複数の散気装置14a〜14dと、各散気装置14a〜14dに散気用の空気を供給する給気装置(図示省略)とを有している。膜ユニット3a〜3dは散気ケース13の上部に設けられている。散気ケース13の上部には複数の開口部24が形成され、各膜ケース7は散気ケース13の各開口部24上に配置されている。各膜ケース7内の下部と散気ケース13内の上部とは開口部24を介して連通しており、散気ケース13の内部は、各膜ケース7を介してのみ、散気ケース13の外部で且つ処理槽2の内部に連通している。
また、各散気装置14a〜14dはそれぞれ、各膜ユニット3a〜3dの下方に配置されており、複数の散気管等から構成されている。尚、給気装置は、ブロワや、各散気装置14a〜14dの散気量(空気噴出量)を調節するバルブ等を有している。
また、散気ケース13の内部は、複数の仕切板15によって、複数のドラフト部17a〜17dに仕切られている。尚、各仕切板15の下端と処理槽2の底面との間には連通部16が形成されており、仕切板15を介して隣接するドラフト部17a〜17d同士は連通部16を介して連通している。
図2に示すように、各膜ユニット3a〜3dの膜ケース7の内部における内側縦寸法をL1とし、内側横寸法をL2とすると、一台の膜ケース7の内側横断面積SはL1×L2となる。この内側横断面積SのE%を膜エレメント間流路11が占めているとすると(以下、上記Eを膜エレメント間流路率という)、膜ユニット3a〜3dの一台当りの膜エレメント間流路11の流路断面積S1は下記式のように示される。
S1=S×E/100=L1×L2×E/100
例えば、内側縦寸法L1=2000mm、内側横寸法L2=500mmとすると、内側横断面積Sは2000mm×500mm=1mとなる。このうちの50%が膜エレメント間流路11とすると、各膜ユニット3a〜3dの一台当りの流路断面積S1は0.5mとなる。
各散気装置14a〜14dの散気量を調節することにより、処理槽2内の処理対象液19が流動して、処理槽2内に上下方向の循環流4が発生する。この際、循環流4が流れる膜エレメント間流路11のうちの下向流20が流れる下向流流路の総断面積をDとし、上向流21が流れる上向流流路の総断面積をRとすると、総断面積Dと総断面積Rとの面積比D/Rが0.63以上で3.33以下の範囲内にあり、膜エレメント間流路11を流れる下向流20の流速が0.15m/秒以上で0.25m/秒以下の範囲内になるように、各散気装置14a〜14dの散気量を調節する。
尚、膜エレメント間流路11を流れる下向流20の流速は、散気ケース13内の各ドラフト部17a〜17dの特定の水平断面における下向きの流速を電磁流速計等で測定し、測定された流速に、各ドラフト部17a〜17dの水平断面積と下向流20が流れる膜エレメント間流路11の総断面積との比を乗じることにより、求めることができる。また、上向流21の流速も同様にして求めることができる。
例えば、図1に示すように、第1および第3の散気装置14a,14cの散気量を減らして小曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの散気量を第1および第3の散気装置14a,14cの散気量よりも増やして大曝気量とすることにより、第2および第4の膜ユニット3b,3dの各膜エレメント間流路11に循環流4の一部である上向流21が生起し、上向流21が液面付近で反転して下向流20となり、下向流20は、第1および第3の膜ユニット3a,3cの各膜エレメント間流路11を流れた後、第1および第3のドラフト部17a,17cから底部の連通部16を通って隣の第2および第4のドラフト部17b,17dに流入して循環する。尚、この際、循環流4を構成する下向流20および上向流21は開口部24のみを上下方向に通過して循環する。
このときの面積比D/Rは以下のようになる。
面積比D/R=(第1の膜ユニット3aの流路断面積S1+第3の膜ユニット3cの流路断面積S1)/(第2の膜ユニット3bの流路断面積S1+第4の膜ユニット3dの流路断面積S1)=(0.5m+0.5m)/(0.5m+0.5m)=1
上記のように面積比D/R=1となり、0.63≦D/R≦3.33の条件を満たしている。
尚、本実施の形態では、各膜ユニット3a〜3d間のスペース22に発生する下向流および各膜ユニット3a〜3dと処理槽2の側壁面2aとの間のスペース23に発生する下向流は、途中で散気ケース13により遮断されるため、各膜ユニット3a〜3dの下方に連通せず、循環流4にはならない。このような循環流4にならない下向流が発生する各スペース22,23は、下向流流路とみなさず、総断面積Dには含まない。また、上向流についても同様である。これにより、膜エレメント8を配置した部分での処理槽2の水平方向断面において、実質的に全ての循環流4が膜エレメント間流路11を流れる。
また、膜分離設備1の実運転に際して、所定時間毎に下向流20と上向流21とを切り替える運転を行なってもよい。例えば、第1,第3,第4の膜ユニット3a,3c,3dに下向流20を発生させ、第2の膜ユニット3bに上向流21を発生させた運転を行なう。このとき、上記面積比D/R=3となる。そして、所定時間経過後に第1,第2,第4の膜ユニット3a,3b,3dに下向流20を発生させ、第3の膜ユニット3cに上向流21を発生させた運転に切り替え、さらに所定時間経過後に第1,第2,第3の膜ユニット3a,3b,3cに下向流20を発生させ、第4の膜ユニット3dに上向流21を発生させた運転に切り替え、さらに所定時間経過後に第2,第3,第4の膜ユニット3b,3c,3dに下向流20を発生させ、第1の膜ユニット3aに上向流21を発生させた運転に切り替え、これを繰り返す運転を行なうこともできる。
以下、上記構成における作用を説明する。
例えば、図1に示すように、第1〜第4の散気装置14a〜14dで散気することにより、処理槽2内に循環流4が形成され、実質的に全ての循環流4が各膜ユニット3a〜3dの膜エレメント間流路11を流れるため、循環流4が流れる流路の抵抗が均一になって循環流4が安定してスムーズに流れ、膜エレメント8の膜面に対して十分な洗浄効果を得ることができる。
また、面積比D/Rを0.63以上で3.33以下の範囲内にし、下向流20の流速を0.15m/秒以上で0.25m/秒以下の範囲内にすることで、第1および第3の散気装置14a,14cから放出された気泡の鉛直方向への上昇速度が遅くなり、気泡は、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11を流れる下向流20中を、横方向へ揺動しながら低速で上昇する。このような気泡の存在により、下降流20の流れが乱れるとともに、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11における処理対象液19中の気泡保持量が増加し、ボイド率が増加する。また、気泡同士が接触して適度に気泡径が大きくなることで、膜面と気泡との接触機会が増加し、第1および第3の膜ユニット3a,3cのろ過膜10の膜面が良好に洗浄される。尚、このような作用効果は逆曝気によって顕著に生じるものである。
尚、仮に、下向流20の流速が0.25m/秒を超えてしまうと、第1および第3の散気装置14a,14cから放出された気泡の一部が上昇せずに下向流20と共に下降してしまうため、第1および第3の膜ユニット3a,3cのろ過膜10の膜面の洗浄効率が低下してしまう。
また、反対に、下向流20の流速が0.15m/秒よりも低いと、第1および第3の散気装置14a,14cから放出された気泡の上昇速度があまり遅くならず、下向流20中における気泡の横方向へ揺動が不足するため、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11における処理対象液19中の気泡保持量が低下し、第1および第3の膜ユニット3a,3cのろ過膜10の膜面の洗浄効率が低下してしまう。
また、第2および第4の膜ユニット3b,3dのろ過膜10の膜面は上向流21中の大量の気泡により十分に洗浄される。
上記実施の形態では、面積比D/Rを0.63以上で3.33以下の範囲内にし、下向流20の流速を0.15m/秒以上で0.25m/秒以下の範囲内にしているが、より好適な範囲として、面積比D/Rを0.67以上で3.0以下の範囲内にし、下向流20の流速を0.16m/秒以上で0.22m/秒以下の範囲内にしてもよい。これによって膜面がより良好に洗浄される。
図4に示すグラフは、面積比D/Rと膜ユニット3a〜3dの膜間流速(m/秒)との関係を示すものであり、グラフGdは下向流20の膜間流速、グラフGrは上向流21の膜間流速を示す。尚、下向流20の膜間流速とは膜エレメント間流路11を流れる下向流20の流速であり、上向流21の膜間流速とは膜エレメント間流路11を流れる上向流21の流速である。
また、図4のグラフにおいては、処理槽2内に5〜8台の膜ユニットを設け、下向流20が流れる膜ユニットの台数と上向流21が流れる膜ユニットの台数との比を、2対3、3対3、4対2、6対2、4対1に切り換えることにより、面積比D/Rを0.67、1、2、3、4とした。
また、各々の曝気量の総量(総曝気量)が同じになるようにして、面積比D/R=0.67、1、2、3、4に対応する小曝気量と大曝気量との比を、13対87、19対81、32対68、39対61、49対51とした場合、グラフGdの下向流20の膜間流速は0.2〜0.08m/秒となった。例えば、面積比D/Rが0.67(すなわち上記台数比が2対3)で小曝気量と大曝気量との比が13対87の場合、下向流20が流れる2台の膜ユニットの1台当りの曝気量が6.5(=13/2)となり、上向流21が流れる3台の膜ユニットの1台当りの曝気量が29(=87/3)となる。
また、面積比D/Rが4(すなわち上記台数比が4対1)で小曝気量と大曝気量との比が49対51の場合、上向流21が流れる膜ユニットの1台当りの曝気量が51となり、流れの推進力が高まって上向流21の流速が早くなると予想されるが、実験では流速が遅くなる傾向が見られた。この原因は、ボイド率が大きくなるとドラフト部から膜エレメント間流路への流入部で滞留する気泡が増えて抵抗が大きくなることが一因と考えられる。そして、上向流21の流速が低下するため、結果として下向流20の流速も低下した。
図5,図6に示すグラフは、膜分離設備1の運転経過日数(日)と膜エレメント8の膜汚れ比率(kPa/kPa)との関係を示すものである。尚、膜汚れ比率は、清浄な新しい膜エレメント8の膜間差圧に対する所定の経過日数運転した膜エレメント8の膜間差圧の比である。
図5に示すグラフにおいて、第1のグラフG1は面積比D/Rが1であり下向流20の流速が0.22m/秒、第2のグラフG2は面積比D/Rが1であり下向流20の流速が0.08m/秒、第3のグラフG3は面積比D/Rが0.67であり下向流20の流速が0.19m/秒、第4のグラフG4は面積比D/Rが0.67であり下向流20の流速が0.08m/秒で運転した場合を示す。また、第5のグラフG5は、全ての膜ユニットに対する曝気量を大曝気量にして、全ての膜ユニットに上向流21を発生させる上向流運転を行った場合を示す。
また、図6に示すグラフにおいて、第6のグラフG6は面積比D/Rが2であり下向流20の流速が0.2m/秒、第7のグラフG7は面積比D/Rが3であり下向流20の流速が0.22m/秒、第8のグラフG8は面積比D/Rが3であり下向流20の流速が0.16m/秒、第9のグラフG9は面積比D/Rが3であり下向流20の流速が0.12m/秒、第10のグラフG10は面積比D/Rが4であり下向流20の流速が0.14m/秒で運転した場合を示す。また、第5のグラフG5は、図5に示したグラフと同じものであり、全ての膜ユニットに対する曝気量を大曝気量にして、全ての膜ユニットに上向流21を発生させる上向流運転を行った場合を示す。
上記図5のグラフにおいて、第1および第3のグラフG1,G3は0.63≦面積比D/R≦3.33かつ0.15m/s≦下向流流速≦0.25m/sの条件を満たしており、第1および第3のグラフG1,G3の膜汚れ比率は、第2および第4のグラフG2,G4の膜汚れ比率に比べて低くなり、第5のグラフG5の膜汚れ比率とほぼ同等に保たれる。
また、上記図6のグラフにおいて、第6〜第8のグラフG6〜G8も0.63≦面積比D/R≦3.33かつ0.15m/s≦下向流流速≦0.25m/sの条件を満たしており、第6〜第8のグラフG6〜G8の膜汚れ比率は、第9および第10のグラフG9,G10の膜汚れ比率に比べて低くなり、第5のグラフG5の膜汚れ比率とほぼ同等に保たれる。これにより、上記の条件を満たすことで、循環流が安定してスムーズに流れ、膜エレメントの膜面の洗浄効果が向上することが明らかである。
(第2の実施の形態)
本第2の実施の形態では、各散気装置14a〜14dの散気量を調節することにより、上記第1の実施の形態における0.63≦面積比D/R≦3.33かつ0.15m/s≦下向流流速≦0.25m/sの条件を満たしつつ、下向流20が流れる膜エレメント間流路11のボイド率をεd、上向流21が流れる膜エレメント間流路11のボイド率をεrとすると、両者のボイド率の比εd/εrが0.7以上で1.2以下の範囲内なるように、各散気装置14a〜14dの散気量を調節する。尚、ボイド率εdは、膜エレメント間流路11に、日本カノマックス製の気液流計測システム(光ファイバボイド率計)を設置することで、測定できる。
以下、上記構成における作用を説明する。
例えば、上記第1の実施の形態と同様に、図1に示すように、第1および第3の散気装置14a,14cの散気量を小曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの散気量を大曝気量として、第2および第4の膜ユニット3b,3dの各膜エレメント間流路11に上向流21を生起させ、第1および第3の膜ユニット3a,3cの各膜エレメント間流路11に下向流20を生起させる。
ボイド率の比εd/εrを0.7以上で1.2以下の範囲内にすることで、第1および第3の散気装置14a,14cから放出された気泡の上昇速度が遅くなり、気泡は、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11を流れる下向流20中を、横方向へ揺動しながら低速で上昇する。このような気泡の存在により、下降流20の流れが乱れ、気泡同士が接触して適度に気泡径が大きくなることで、膜面と気泡との接触機会が増加し、第1および第3の膜ユニット3a,3cのろ過膜10の膜面が良好に洗浄される。尚、このような作用効果は逆曝気によって顕著に生じるものである。
また、第2および第4の膜ユニット3b,3dのろ過膜10の膜面は上向流21中の大量の気泡により十分に洗浄される。
図7に示すグラフは、面積比D/Rと膜ユニット3a〜3dの膜間ボイド率との関係を示すものであり、グラフGdは下向流20が流れる膜エレメント間流路11のボイド率εd、グラフGrは上向流21が流れる膜エレメント間流路11のボイド率εrを示す。尚、図7に示すグラフは上記図4に示すグラフと同じ条件で得られたものである。
図7に示すように、下向流20を形成する膜ユニットの曝気量は上向流21を形成する膜ユニットの曝気量よりも少ないが、下向流20が流れる膜エレメント間流路11のボイド率は上向流21が流れる膜エレメント間流路11のボイド率と同等にすることができる。上向流21が流れる膜エレメント間流路11のボイド率は、上向流21の流速、気泡径の因子が影響し、面積比D/Rが4のときのように、曝気量は多いが上向流21の流速が低下することでボイド率も低下する場合があることが分かった。
図8に示すグラフは、膜分離設備1の運転経過日数(日)と膜エレメント8の膜汚れ比率(kPa/kPa)との関係を示すものである。尚、膜汚れ比率は、清浄な新しい膜エレメント8の膜間差圧に対する所定の経過日数運転した膜エレメント8の膜間差圧の比である。
図8に示すグラフにおいて、第1のグラフG1は、ボイド率の比εd/εrが0.65であり、このときの下向流20が流れる膜エレメント間流路11のボイド率εdが0.05の場合を示す。同様に、第2のグラフG2はボイド率の比εd/εrが0.7でボイド率εdが0.07であり、第3のグラフG3はボイド率の比εd/εrが1.0でボイド率εdが0.08であり、第4のグラフG4はボイド率の比εd/εrが1.2でボイド率εdが0.12であり、第5のグラフG5はボイド率の比εd/εrが1.25でボイド率εdが0.13で運転した場合を示す。また、第6のグラフG6は、全ての膜ユニットに対する曝気量を大曝気量にして、全ての膜ユニットに上向流21を発生させる上向流運転を行った場合を示す。尚、上記第1〜第6のグラフG1〜G6は上記面積比D/Rが1の場合のデータである。
これによると、第2〜第4のグラフG2〜G4は0.7≦εd/εr≦1.2の条件を満たしており、第2〜第4のグラフG2〜G4の膜汚れ比率は第1および第5のグラフG1,G5の膜汚れ比率に比べて低くなり、特に第3のグラフG3の膜汚れ比率は第6のグラフG6の膜汚れ比率とほぼ同等に保たれる。これにより、上記の条件を満たすことで、循環流が安定してスムーズに流れ、膜エレメントの膜面の洗浄効果が向上することが明らかである。
このとき、第1および第3の散気装置14a,14cから放出された気泡の上昇速度が適度になり、気泡は、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11を流れる下向流20中を、横方向へ揺動しながら低速で上昇している。このような気泡の存在により、下降流20の流れが乱れるとともに、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜エレメント間流路11における処理対象液19中の気泡保持量が増加して膜面と気泡との接触機会が増加することで洗浄効果を向上させている。
ボイド率の比εd/εrが0.07より小さくなると、循環流4の流速は速くなるが、下向流20が流れる膜エレメント間流路11の気泡量が少ないために膜面の洗浄効果は低下する。ボイド率の比εd/εrが1.2より大きくなると、上向流21が流れる膜エレメント間流路11の気泡量が少なくなって上向流21の流速が遅くなるため、膜面の洗浄効果は低下する。
(第3の実施の形態)
本第3の実施の形態では、下向流20が流れる膜エレメント間流路11のボイド率εdを0.07以上にしている。
例えば、上記第1の実施の形態と同様に、図1に示すように、第1および第3の散気装置14a,14cの散気量を小曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの散気量を大曝気量として、第2および第4の膜ユニット3b,3dの各膜エレメント間流路11に上向流21を生起させ、第1および第3の膜ユニット3a,3cの各膜エレメント間流路11に下向流20を生起させる。
下向流20が流れる膜エレメント間流路11のボイド率εdが0.07以上の場合、径が適度に増大した気泡と第1および第3の膜ユニット3a,3cのろ過膜10との接触機会が増加し、気泡の乱れが膜面に作用する機会が増加するため、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜面に対する洗浄効果が向上する。
尚、下向流20が流れる膜エレメント間流路11のボイド率εdが0.07未満に低下してしまうと、膜エレメント8のろ過膜10の膜面への気泡の作用が低下するため、第1および第3の膜ユニット3a,3cの膜面に対する洗浄効果が低下する。
また、図9に示すグラフは、膜分離設備1の運転経過日数(日)と膜エレメント8の膜汚れ比率(kPa/kPa)との関係を示すものである。
このグラフにおいて、第1のグラフG1はボイド率εdが0.1であり下向流20の流速が0.25m/秒、第2のグラフG2はボイド率εdが0.075であり下向流20の流速が0.2m/秒、第3のグラフG3はボイド率εdが0.07であり下向流20の流速が0.15m/秒、第4のグラフG4はボイド率εdが0.05であり下向流20の流速が0.1m/秒で運転した場合を示す。また、第5のグラフG5は、全ての膜ユニットに対する曝気量を大曝気量にして、全ての膜ユニットに上向流21を発生させる上向流運転を行ったときにおけるボイド率εrが0.06の場合を示す。
上記図9に示すグラフにおいて、第1〜第3のグラフG1〜G3は、上記第1の実施の形態における0.63≦面積比D/R≦3.33かつ0.15m/s≦下向流流速≦0.25m/sの条件を満たすと共に、ボイド率εd≧0.07の条件を満たしている。第1〜第3のグラフG1〜G3の膜汚れ比率は、第4のグラフG4の膜汚れ比率に比べて低くなり、特に、第1のグラフG1は第5のグラフG5の膜汚れ比率とほぼ同等に保たれる。これにより、上記の条件を満たすことで、循環流が安定してスムーズに流れ、気泡保持量が増加すると共に気泡の動きの乱れが増加するため、膜エレメントの膜面の洗浄効果が向上することが明らかである。
(第4の実施の形態)
本第4の実施の形態では、図10,図11に示すように、散気ケース13は、各膜ユニット3a〜3d毎に設けられた複数の散気ケース本体部25a〜25dと、互いに隣り合う膜ユニット3a〜3dの下部間を遮蔽する複数の上部遮蔽板26とを有している。各散気装置14a〜14dは各散気ケース本体部25a〜25d内に設置されており、各膜ユニット3a〜3dは各散気ケース本体部25a〜25dの上部に設けられている。各散気ケース本体部25a〜25dの上部には複数の開口部24が形成され、各膜ケース7内の下部と各散気ケース本体部25a〜25d内の上部とは開口部24を介して連通している。
各散気ケース本体部25a〜25dの下端部には連通口27が形成されており、互いに隣り合う散気ケース本体部25a〜25d内は連通口27を介して連通している。また、隣り合う散気ケース本体部25a〜25d同士が向い合う面の連通口27以外の連通口27は下部遮蔽板28で閉じられている。これにより、散気ケース13の内部(すなわち各散気ケース本体部25a〜25dの内部と各上部遮蔽板26の下方とを合わせた部分)は、膜ケース7を介してのみ、散気ケース13の外部で且つ処理槽2の内部に連通する。
これによると、上記第1〜第3の実施の形態と同様な作用、効果が得られる。
(第5の実施の形態)
本第5の実施の形態は、上記第4の実施の形態の変形例であり、図12,図13に示すように、散気ケース13は、各膜ユニット3a〜3d毎に設けられた複数の散気ケース本体部25a〜25dと、互いに隣り合う膜ユニット3a〜3dの下部間を遮蔽する複数の上部遮蔽板26と、各膜ユニット3a〜3dの下部と処理槽2の壁面2aとの間を遮蔽する上部遮蔽板29と、処理槽2の下部とを有している。尚、散気ケース13の内部(すなわち各散気ケース本体部25a〜25dの内部と各上部遮蔽板26,29の下方とを合わせた部分)は、膜ケース7を介してのみ、散気ケース13の上方で且つ処理槽2の内部に連通する。
これによると、上記第1〜第3の実施の形態と同様な作用、効果が得られる。
(第6の実施の形態)
本第6の実施の形態では、図14〜図16に示すように、処理槽2内は複数の区分板32により平面的に複数の処理室33a〜33dに区分けされている。各処理室33a〜33d内にはそれぞれ、複数の膜エレメント8が設けられている。膜エレメント8間には、膜エレメント間流路11が形成されている。
各散気装置14a〜14dは、各処理室33a〜33d内に設けられ、膜エレメント8の下方に位置している。隣り合う処理室33a〜33d同士は膜エレメント8よりも上部および下部で連通している。膜エレメント8を配置した部分での処理槽2の水平方向断面の全面が、複数の膜エレメント8と複数の膜エレメント間流路11とで占められている。
これによると、例えば、第1および第3の散気装置14a,14cの散気量を小曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの散気量を大曝気量とすることにより、第2および第4の処理室33b,33d内の各膜エレメント間流路11に上向流21が生起し、上向流21は液面付近で反転して下向流20となる。この下向流20は、第2および第4の処理室33b,33dの上部領域から第1および第3の処理室33a,33cの上部領域に流れ、第1および第3の処理室33a,33c内の各膜エレメント間流路11を流れた後、第1および第3の処理室33a,33cの下部領域から第2および第4の処理室33b,33dの下部領域に流入して循環する。この場合、膜エレメント8を配置した部分での処理槽2の水平方向断面において、下向流20は第1および第3の処理室33a,33c内の各膜エレメント間流路11を流れ、上向流21は第2および第4の処理室33b,33d内の各膜エレメント間流路11を流れる。
このとき、各処理室33a〜33dの内側縦寸法L1=1500mmとし、内側横寸法L2=500mmとし、各処理室33a〜33dの膜エレメント間流路率Eを50%とすると、面積比D/Rは以下のようになる。
D/R=(0.75m×0.5+0.75m×0.5)/(0.75m×0.5+0.75m×0.5)=1
これによると上記第1〜第3の実施の形態と同様な作用、効果が得られる。
(第7の実施の形態)
本第7の実施の形態は、上記第6の実施の形態の変形例であり、図17に示すように、処理室33a〜33d内にそれぞれ、複数の膜エレメント8が上下二段(複数段)ずつ設けられている。
これによると、上記第1〜第3の実施の形態と同様な作用、効果が得られる。
上記第7の実施の形態では、膜エレメント8を上下二段設けたが、三段以上であってもよい。
上記第6および第7の実施の形態では、処理槽2内に処理室33a〜33dを四室設けたが、四室以外の複数室設けたものであってもよい。この場合、少なくとも一つの処理室内の膜エレメント間流路11に下向流20が流れ、残りの処理室内の膜エレメント間流路11に上向流21が流れるものであればよい。
(第8の実施の形態)
本第8の実施の形態では、図18に示すように、処理槽の一例である膜分離槽55内に、上記第1の実施の形態で示した膜ユニット3a〜3dと散気設備5とが設けられている。尚、散気設備5の散気ケース13の内部は、各膜ケース7を介してのみ、散気ケース13の外部で且つ膜分離槽55の内部に連通している。このため、循環流4は散気ケース13の開口部24のみを上下方向に通過して循環する。
膜分離槽55の上流側には生物処理槽56(上流側槽の一例)が設置され、膜分離槽55の下流側には汚泥貯留槽57(下流側槽の一例)が設置されている。尚、生物処理槽56は、曝気槽、硝化槽、嫌気性消化槽等である。また、下流側槽の一例として汚泥貯留槽57を設けたが、汚泥貯留槽57の代わりに汚泥濃縮槽を設けてもよい。
生物処理槽56の上部と膜分離槽55の上部とは供給口59を介して連通し、生物処理槽56内の処理対象液19は供給口59からオーバーフローして膜分離槽55内に供給される。また、散気設備5の散気ケース13内と汚泥貯留槽57の下部とは排出管60を介して連通している。また、汚泥貯留槽57には、槽内の処理対象液19(汚泥)を引き抜いて生物処理槽56へ返送する引抜きポンプ61と返送路64とが設けられている。尚、供給口59と排出管60と引抜きポンプ61と返送路64とによって、膜分離槽55内の下向流の流れを促進させる流れ促進装置が構成されている。
以下、上記構成における作用を説明する。
例えば、第1および第3の散気装置14a,14cの散気量を減らして小曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの散気量を第1および第3の散気装置14a,14cの散気量よりも増やして大曝気量とすることにより、第2および第4の膜ユニット3b,3dの各膜エレメント間流路11に上向流21が生起し、上向流21が液面付近で反転して下向流20となり、下向流20は、第1および第3の膜ユニット3a,3cの各膜エレメント間流路11を流れた後、第1および第3のドラフト部17a,17cから連通部16を通って第2および第4のドラフト部17b,17dに流入して循環する。
この際、引抜きポンプ61を駆動して汚泥貯留槽57内の処理対象液19を引き抜いて生物処理槽56へ返送することにより、生物処理槽56内の処理対象液19は、供給口59からオーバーフローして膜分離槽55内に供給され、膜分離槽55内を下向きに流れた後、排出管60を通って汚泥貯留槽57内へ排出され、引抜きポンプ61により生物処理槽56へ返送される。これにより、処理対象液19が各槽55、56、57に亘って循環する。
この際、排出管60は供給口59よりも下位にあるため、供給口59から膜分離槽55内に供給された処理対象液19は、下向流となって、第1および第3の膜ユニット3a,3cの各膜エレメント間流路11を流れる。これにより、第1および第3の膜ユニット3a,3cには、曝気により生起された下向流に加えて、供給口59から排出管60に向って下向流が流れることになる。このため、第1および第3の膜ユニット3a,3cを流れる下向流20の流量が増加し、第1および第3の膜ユニット3a,3cの各膜エレメント間流路11を流れる下向流20の流速が増大する。これにより、第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量(大曝気量)を低減しても、下向流20の流速を0.15m/秒以上で0.25m/秒以下の範囲内にすることが可能であり、散気設備5の総曝気量を低減して消費電力を節約することができる。
(第9の実施の形態)
本第9の実施の形態は、上記第8の実施の形態の変形例であり、図19に示すように、汚泥貯留槽57が設置されていない。また、膜分離槽55には、散気ケース13内の処理対象液19を引き抜いて生物処理槽56へ返送する引抜きポンプ61と返送路64とが設けられている。尚、供給口59と引抜きポンプ61と返送路64とによって、膜分離槽55内の下向流の流れを促進させる流れ促進装置が構成されている。また、引抜きポンプ61は引抜き管61aを介して膜分離槽55の底部に接続されている。
以下、上記構成における作用を説明する。
例えば、第1および第3の散気装置14a,14cの散気量を減らして小曝気量とし、第2および第4の散気装置14b,14dの散気量を第1および第3の散気装置14a,14cの散気量よりも増やして大曝気量とすることにより、第2および第4の膜ユニット3b,3dに上向流21を生起させ、第1および第3の膜ユニット3a,3cに下向流20を生起させる。
この際、引抜きポンプ61を駆動して散気ケース13内の処理対象液19を引き抜いて生物処理槽56へ返送することにより、生物処理槽56内の処理対象液19は、供給口59からオーバーフローして膜分離槽55内に供給され、引抜きポンプ61により膜分離槽55内から生物処理槽56へ返送される。これにより、処理対象液19が各槽55、56に亘って循環する。
この際、供給口59から膜分離槽55内に供給された処理対象液19は、下向流となって、第1および第3の膜ユニット3a,3cの各膜エレメント間流路11を流れる。これにより、第1および第3の膜ユニット3a,3cには、曝気により生起された下向流に加えて、供給口59から引抜き管61aに向って下向流が流れることになる。このため、第1および第3の膜ユニット3a,3cの各膜エレメント間流路11を流れる下向流20の流速が増大し、これにより、第2および第4の散気装置14b,14dの曝気量(大曝気量)を低減しても、下向流20の流速を0.15m/秒以上で0.25m/秒以下の範囲内にすることが可能であり、散気設備5の総曝気量を低減して消費電力を節約することができる。
上記第8および第9の実施の形態では、膜分離槽55内に、上記第1の実施の形態で示した膜ユニット3a〜3dと散気設備5とを設けたが、膜分離槽55内に、上記第2〜第7の実施の形態で示したものを設けてもよい。
上記第1の実施の形態では、図1に示すように、第1および第3の膜ユニット3a,3cに下向流20を発生させ、第2および第4の膜ユニット3b,3dに上向流21を発生させたが、下向流20と上向流21とが逆になるように切り換えてもよい。また、下向流20と上向流21との組み合わせを適宜変更してもよい。尚、その他の実施の形態においても同様である。
上記各実施の形態では、処理槽2内に四台の膜ユニット3a〜3dを設置したが、四台以外の複数台設置したものであってもよい。この場合、少なくとも一台の膜ユニットの膜エレメント間流路に下向流20が流れ、残りの膜ユニットの膜エレメント間流路に上向流が流れるものであればよい。
上記各実施の形態では、膜エレメント8は平膜形式のものを用いたが、中空糸形式の膜エレメント8であってもよい。
膜分離装置を設置する水槽の容量(断面積)や形状は、膜分離装置のレイアウトを優先することができないことが多い。すなわち、生物処理槽と兼用する場合はBOD−MLSS負荷、BOD容積負荷、総窒素−MLSS負荷等の条件によって水槽容量が決まり、設備を設置する敷地形状によって水槽の形状に制約を受けることもある。また、最近は既設プラントの改造工事が増加しているが、既設改造工事では既設水槽に膜分離装置を設置することになり、自由度は全くない。本発明は、水槽容量や水槽形状に捉われずに設置することができる膜分離装置の開発が望まれる中、その期待に応えることができるものである。
1 膜分離設備
2 処理槽
3a〜3d 膜ユニット
4 循環流
7 膜ケース
8 膜エレメント
11 膜エレメント間流路
13 散気ケース
14a〜14d 散気装置
20 下向流
21 上向流
24 開口部
32 区分板
33a〜33d 処理室
55 膜分離槽(処理槽)

Claims (7)

  1. 処理槽内に浸漬して設置された複数の膜エレメントにより原水をクロスフローろ過する膜分離設備であって、
    膜エレメントの下方に、上下方向に循環する循環流を発生させる複数の散気装置が設けられ、
    膜エレメント間に、循環流が流れる膜エレメント間流路を形成し、
    膜エレメントを配置した部分での処理槽の水平方向断面において、実質的に全ての循環流が膜エレメント間流路を流れるように構成されており、
    一部の膜エレメント間流路は循環流の上向流が流れる上向流流路を形成し、
    残りの膜エレメント間流路は循環流の下向流が流れる下向流流路を形成することを特徴とする膜分離設備。
  2. 膜エレメントを配置した部分での処理槽の水平方向断面において、下向流流路の総断面積Dと上向流流路の総断面積Rとの面積比D/Rが0.63以上で3.33以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の膜分離設備。
  3. 膜エレメント間流路を流れる下向流の流速が0.15m/秒より高く0.25m/秒より低い範囲内にあることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の膜分離設備。
  4. 膜エレメントを配置した部分での処理槽の水平方向断面において、下向流流路のボイド率εdと、上向流流路のボイド率εrとの比εd/εrが0.7以上で1.2以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の膜分離設備。
  5. 下向流が流れる膜エレメント間流路のボイド率εdは0.07以上であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の膜分離設備。
  6. 処理槽内に複数台の膜ユニットが設けられ、
    各膜ユニットはそれぞれ、複数の膜エレメントと、これら膜エレメントを収納する膜ケースとを有し、
    散気装置は散気ケース内に設けられ、
    散気ケースの上部に開口部が形成され、
    膜ケースは散気ケースの開口部上に配置され、
    散気ケースの内部は、膜ケースを介してのみ、散気ケースの外部で且つ処理槽の内部に連通することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の膜分離設備。
  7. 処理槽内は区分板により平面的に複数の処理室に区分けされ、
    各処理室内にそれぞれ複数の膜エレメントが設けられ、
    散気装置は各処理室内に設けられ、
    隣り合う処理室同士は膜エレメントよりも上部および下部で連通し、
    膜エレメントを配置した部分での処理槽の水平方向断面の全面は、複数の膜エレメントと、これら膜エレメント間に形成された流路とで占められていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の膜分離設備。
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