JP2013202303A - 磁気治療器 - Google Patents

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Abstract

【課題】耳介後方の神経及び血管に磁気を作用させて治療効果が高く、装着時の痛みや違和感が少なく、日中や外出時に装着しても目立たず体裁が良い磁気治療器の提供。
【解決手段】耳介の基部に後方から引っ掛けて装着するフック部2と、フック部2の耳介後方に位置する部分に取り付けられた磁石3とから成る。磁石3は複数であっても良い。フック部2は軟質のシリコン樹脂を素材とするのが望ましい。磁石3はフック部2に内蔵するとよい。
【選択図】図3

Description

本発明は、耳介後方の神経及びその周囲の血管を磁気により活性化させて身体の治療を行なう磁気治療器に関する。
耳介後方の深部には図1,2に示すように、顔面神経や三叉神経など脳幹から枝分かれした神経が集中している。顔面神経は第7脳神経で後頭骨と側頭骨の縫合を横切って側頭骨の内耳孔に入り、茎乳突孔から頭蓋の外に出ている。あらゆる顔の表情を作る「表情筋」と呼ばれる筋肉はこの顔面神経という1本の神経によって調節されている。また、三叉神経は、脳神経の中で最も太い神経であり、眼神経、上顎神経、下顎神経の三枝に分かれている。三叉神経は、頭部及び顔面の大部分の感覚と咀嚼運動を支配している。花粉症はアレルギーで誘発されたヒスタミンが三叉神経の知覚神経を刺激して眼や鼻のかゆみ、くしゃみ、鼻水を引き起こしている状態であり、眼精疲労は三叉神経の疲労でもある。
また、糖尿病性末梢神経障害に代表されるように、一般的な神経の障害は血管障害によって生じることが多い。神経を栄養する血流の不良によって神経内鞘の虚血や血管収縮因子が上昇して神経線維が脱落するのである。顔面神経麻痺や三叉神経痛も血流障害が原因の一つである。
一方、各神経の周囲には神経を栄養するために大小の血管が豊富に存在している。また、血管内のヘモグロビン鉄に磁石の磁力線を作用させると血流を促進し、同時にヘモグロビンから酸素を解離させることで磁石周囲の組織に酸素が与えられて、筋や神経の機能を改善させることが分かっている。
例えば、「神経因性と神経痛の痛みのための補完療法」(「The Clinical Journal of Pain」2008 October.24(8):731-3.PMID:18806539)、「静磁界とイオン伝導による血流増加作用」(J.Natl.Inst.Public Health(保健医療科学),56(4):343-50.2007.12)、「静磁場におけるウサギの耳室内の皮膚微小循環への影響」(Bioelectoromagnetics 20:161-171, 1999.)などに発表されている。
すなわち、神経やその周囲の血管を活性化することにより、これら神経が支配する部位の不具合を治療し、良好な状態に維持できると考えられる。
従来、耳介付近の筋や経穴に作用する磁気治療器具が種々知られている。
例えば、特許文献1には、耳介外縁に装着する固定部と、固定部から延長する支持部と、支持部の先端に取り付けられて耳に分布するつぼを押接するつぼ押さえから成る耳つぼ健康器が記載されている。
しかし、この耳つぼ健康器は、耳介の表面に分布するつぼを刺激するものであって、耳介後方の神経や血管に作用するものではない。また、固定部を耳介外縁に嵌合し、つぼ押さえ部で耳介の表面を押圧するので、長時間装着すると痛みや違和感を感じやすいだけでなく、全体が耳介の表面に露出して体裁が悪い。
また、特許文献2には、表面から磁力を発生させる板状磁力発生手段と、板状磁力発生手段で発生させた磁力が後頭骨下縁及び乳様突起の領域に与えられるよう、板状磁力発生手段を保持するベルト状或いは帽子状の保持手段とを備えた頭部用磁気装着体が記載されている。
この磁気装着体は、耳介後方の筋や神経に磁気を作用させることができるものの、ベルト状或いは帽子状の保持手段を頭部に装着し、耳介後方の頭骨の乳様突起にスチール製の板状磁力発生手段を当接するので、装着時の違和感が大きく、嵩張って目立つため常に装着しているのは困難である。
特開2005−6919号公報 特開2009−219589号公報
本発明が解決しようとする課題は、耳介後方の神経及び血管に磁気を作用させて治療効果が高く、装着時の痛みや違和感が少なく、日中や外出時に着しても目立たず体裁の良い磁気治療器を提供することにある。
本発明の磁気治療器は、耳介の基部に後方から引っ掛けて装着するフック部と、該フック部の耳介後方に位置する部分に取り付けられた磁石とから成る。
磁石が配置される耳介後方の深部には、前記のように、顔面神経及び三叉神経の根幹部(枝分かれする前の部分)が位置し、その周囲には、これら神経に酸素を供給する血管が多数存在する。
前記磁石は複数であっても良い。
前記フック部は軟質のシリコン樹脂を素材とするのが望ましい。
前記磁石はフック部に内蔵するとよい。
請求項1に係る発明によれば、耳介後方の深部に位置する神経とその周囲の血管に磁気を作用させて、表情筋の引き締め、顔面のむくみ軽減、眼精疲労や花粉症の予防と改善等の良好な影響を与えることができる。
また、フック部を耳介の基部に後方から引っ掛けるだけで装着できるので、耳の表面、乳様突起等に磁石を当接するものに比べて痛みや違和感を感じにくいだけでなく、小型で嵩張らず、毛髪に隠れて外から見えにくいため、日中や外出時に装着しても目立たず体裁が良い。
請求項2に係る発明によれば、同時に複数個所の神経及び血管に同時に作用して、身体の複数の部位に対する治療効果を挙げることができる。
請求項3に係る発明によれば、長時間装着しても疲れにくく、装着時の痛みや違和感をいっそう少なくできる。
請求項4に係る発明によれば、磁石が直接皮膚に接触しないので痛みが無く、磁石の脱落も防止できる。
顔面神経の分布図。 三叉神経の分布図。 本発明の実施例1を示す磁気治療器の斜視図。 本発明の実施例1を示す磁気治療器の使用状態における側面図。 本発明の実施例1を示す磁気治療器の(イ)は正面図、(ロ)は側面図。 本発明の実施例1を示す磁気治療器の断面図。 本発明の実施例2を示す磁気治療器の斜視図。 本発明の実施例2を示す磁気治療器の断面図。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図3〜図6は、本発明の実施例1を示す。
本発明の磁気治療器1は、耳介Aの基部に後方から引っ掛けて装着するフック部2と、フック部2に取り付けた一つの磁石3とから成る。磁石はこの実施例において、直径10mm、厚さ5mmのフェライト磁石であり、磁束密度2000ガウス前後である。フェライト磁石には発錆の心配があるが、シリコン樹脂に埋め込むので人体に影響はない。なお、磁石としてはNd−Fe−B磁石(ネオジウム−鉄−ボロン)も利用できる。
フック部2は、軟質のシリコン樹脂を素材とし、耳介Aの基部後面の形状に沿うよう、緩やかに湾曲した弓形に形成されている。この実施例において寸法の概略は、図5(イ)(ロ)に示すように、d1=34mm、d2=55mm、d3=12mmである。
フック部2の上部において、耳介Aの後方に当接する部分は、厚みが大きくて幅広い磁石取付部4となっている。
また、フック部2の上端部において耳介Aの基部上面に引っ掛ける部分は、耳介Aに馴染んで確実に係止できるよう、磁石取付部4よりも薄く僅かに幅広くなっている。
フック部2の内周面、即ち、耳介Aに接触する面は、接触面積を広くして接触圧を小さくするために、幅広い平坦面5としてある(図3)。
磁石3は、フック部2の磁石取付部4に内蔵されている。
フック部2を耳介Aの基部に後方から引っ掛けると、磁石取付部4に内蔵された磁石3が耳介後方に位置し、磁石3の磁力が耳介後方の領域にある深部の血管に作用して血流を増加させる。この結果、血流によって酸素が送り込まれた神経を活性化させ、この神経が支配している身体部分の機能を高め、様々な症状が改善する。
磁石3の取付位置は、症状を改善しようとする身体の部位によって変えることができる。例えば、三叉神経の根幹部は顔面神経の根幹部よりも高い位置にあるので、三叉神経が支配する眼、鼻、口等の症状に対応するためには、磁石取付部4の高い位置に磁石3を設け、顔面神経が支配する表情筋の症状に対応するためには、磁石取付部4の低い位置に磁石3を設ける。
また、症状の重さに応じて、磁石3の強度が異なるものを準備しておくことも可能である。
なお、磁気治療器1は、通常、両耳に装着する。
図5及び図6は、本発明の実施例2を示す。
実施例2の磁気治療器1では、フック部2の磁石取付部4に二つの磁石3を上下に並べて内蔵してある。
このため、磁気治療器1を装着すると、高い位置にある三叉神経と低い位置にある顔面神経へ同時に磁力を作用させることができる。
その他の構造及び使用方法は実施例1と同様である。
なお、フック部2に磁石3を3個以上取り付けても良い。
また、磁石3を、その一部がフック部2の内周面に露出するよう取り付けることもできるが、実施例1及び実施例2のように、完全にフック部2の内部に埋め込むと、硬い磁石3が直接皮膚に接触しないので違和感を小さくできる。
1 磁気治療器
2 フック部
3 磁石
4 磁石取付部
5 平坦面
A 耳介

Claims (4)

  1. 耳介の基部に後方から引っ掛けて装着するフック部と、該フック部の耳介後方に位置する部分に取り付けられた磁石とから成ることを特徴とする磁気治療器。
  2. 複数の磁石が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の磁気治療器。
  3. 前記フック部が軟質のシリコン樹脂より成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気治療器。
  4. 前記磁石がフック部に内蔵されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の磁気治療器。
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