JP5650872B1 - 電気刺激用マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】顔とマスクとを安定的に密着させ、効果的な電気刺激を付与することができるマスクが提供する。【解決手段】目、口及び鼻に対応する部分に開口部を有するマスク本体部と、これらの開口部を除く前記マスク本体部の内面に設けられる導電部と、前記マスクの外縁に沿って、おとがいを除く下顎に対応する部分から側頭に対応する部分まで延在する左右一対の芯材と、前記芯材に固定され、マスクの装着状態において、前記芯材を介して前記マスク本体部を顔前面に密着させる方向に引っ張る引張部材であって、前記芯材の長手方向における中央を挟んだ上端側の第一の固定部及び下端側の第二の固定部の少なくとも二つの固定部に取り付けられる引張部材と、を有する電気刺激用マスク。【選択図】図2

Description

本願発明は、生体に電気刺激を与える電気刺激用マスクに関する。
従来、生体の治療や美容を目的として、マスクに設けられる電極に電流を印加し、顔の筋肉をほぐして血行を促進する方法や、薬液や美容液等を含浸させた不織布等を顔に密着させた状態でマスクを装着し、マスクに設けられる電極に電流を印加して薬液や美容液等の有効成分を顔に導入する方法が知られている。これらの方法に使用されるマスクとして、マスクの内面に電極を配した種々の電気刺激用マスクが知られている。
特許文献1に記載の電気刺激用マスクは、その内面に2つの額用電極及び2つの頬用電極を備える。当該マスクは、仰向けに寝かせた人の顔に載置され、電極に電流を印加することで使用される。特許文献2に記載の電気刺激用マスクは12対24個の電極を備える。当該マスクは仰向けに寝かせた人の顔に載置され、さらにハードマスク及びジェル用マスクが重ねられて顔に固定され、電極に電流を印加することで使用される。特許文献3に記載の電気刺激用マスクは、マスク端面に導電性布を有する。当該マスクは、マスク本体に設けられるホックにより顔に固定され、導電性布に電流を印加することで使用される。
登録実用新案第3082187号公報 特開2007−37657号公報 登録実用新案第3078100号公報
しかしながら、特許文献1に記載される電気刺激用マスクは仰向けに寝かせた人の顔に単に載置されるだけであり、電気刺激用マスクと顔との間には隙間が生じやすい。そのため、特許文献1に記載される電気刺激用マスクは、電極と顔との限られた接地面に電流が集中して使用者に痛みなどの不快感を与えるとともに、効果的な電気刺激を付与することができないという問題がある。
また、特許文献2に記載される電気刺激用マスクは、電気刺激用マスクを装着した顔をハードマスク及びジェル用マスクを用いて枕に固定しているため、電気刺激用マスクが顔に固定されている間、顔を動かすことができないという問題がある。さらにハードマスク及びジェル用マスクを顔に固定するのには時間がかかり、補助者が必要になるという問題点もある。
また、特許文献3に記載される電気刺激用マスクは、電気刺激用マスクにホックが直接固定されているため、当該マスクを顔に装着した場合、ホックの延長線付近にのみ引張力が加わり、ホックの延長線付近に当たらない部分と顔との間には隙間が生じやすい。そのため、特許文献3に記載される電気刺激用マスクは、電極と顔との限られた接地面に電流が集中して使用者に痛みなどの不快感を与えるとともに、効果的な電気刺激を付与することができないという問題がある。
上記課題を解決するために、本願発明の電気刺激用マスクは、(1)目、口及び鼻に対応する部分に開口部を有するマスク本体部と、これらの開口部を除く前記マスク本体部の内面に設けられる導電部と、前記マスク本体部の外縁に沿って、おとがいを除く下顎に対応する部分から側頭に対応する部分まで延在する左右一対の芯材と、前記芯材に固定され、マスクの装着状態において、前記芯材を介して前記マスク本体部を顔前面に密着させる方向に引っ張る引張部材であって、前記芯材の長手方向における中央を挟んだ上端側の第一の固定部及び下端側の第二の固定部の少なくとも二つの固定部に取り付けられる引張部材と、を有することを特徴とする。
(2)上記(1)の構成において、前記第一の固定部から前記芯材の上端までの長さをAとし、前記第二の固定部から前記芯材の下端までの長さをBとし、前記第一の固定部から前記第二の固定部までの長さをCとしたときに、次の式(1)を満足することを特徴とすることができる。
B<A<C・・・・・・(1)
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記導電部が、下顎及び頬に対応する部分を覆いつつ、おとがいに対応する部分からこめかみに対応する部分まで延設する第一の導電部と、前記電気刺激用マスクの短手方向における中心線を挟んで左右一方の額に対応する部分から他方の額に対応する部分まで延設する第二の導電部と、を有することを特徴とすることができる。
(4)上記(1)〜(3)の構成において、前記マスク本体部と前記導電部の間には、前記マスク本体部から前記導電部に向かって延びる多数の柔軟リブが収められる収容部が形成されており、これらの柔軟リブは、マスク装着時に前記導電部を介して使用者の顔に当接することにより弾性変形する。これにより、装着時のソフト感及びフィット感を高めることができる。
(5)上記(1)〜(4)の構成において、前記マスク本体部には、前記芯材が差し込まれるスリットが形成されており、前記芯材は、弓形に形成されるとともに、その差し込み方向における端面には複数の切り欠きが該芯材の長手方向に所定間隔を隔てて形成されており、各切り欠きは前記スリットの内部に形成された複数の仕切り壁のそれぞれに嵌合している。これにより、芯材の位置ずれが防止するとともに、装着時に切り欠きを閉じる方向に芯材が弾性変形することで、マスク本体部における密着力のバラツキをより効果的に抑制できる。
(6)上記(1)〜(5)の構成において、前記マスク本体部の内面における顎に対応した領域には、前記マスク本体部の内面に沿って滴下する液体を一時的に貯留するための湾曲した反し部を形成することができる。これにより、導電部及び顔の間に介在する不織布等から流出し、マスク本体部の内面に沿って滴下する薬液等を、反し部において貯留することができる。その結果、電気刺激用マスクの外部に液体が流出することを防止できる。
本願発明の電気刺激用マスクによれば、電気刺激用マスクを顔に固定するための引張力が芯材を介してマスク本体部全体に伝わるため、顔とマスクとを安定的に密着させ、効果的な電気刺激を付与することができる。
人体の顔の構造を示す模式図である。 電気刺激用マスクの正面図である。 電気刺激用マスクの側面図である。 電気刺激用マスクの背面図である。 電気刺激用マスクの使用状態を示す図である。 第2実施形態の電気刺激用マスクの背面図である。 スリットの概略図である。 第2実施形態の芯材の平面図である。
まず、本願発明の実施形態である電気刺激用マスク1が装着された人体の顔の構造について説明する。図1は人体の顔の構造を模式的に示しており、点線を用いて顔の各部位を特定している。
人体の顔は感覚器官である目、鼻、口及び耳を有し、目部100、鼻部101、口部102及び耳部103を形成する。
口部102の下端と耳部103の下端を結ぶ線の下部には下顎が形成され、下顎は口部102の下部に形成されるおとがい部104と、おとがい部104から耳部103の下部まで延びる下顎体部105とを有する。また、下顎体部105は、顎の下部の輪郭と顎の側方の輪郭とが交差する部分に下顎角部110を有する。
目部100と耳部103との間にはこめかみ部106が形成され、目部100、鼻部101、口部102、下顎体部105、耳部103及びこめかみ部106によって包囲される位置に頬部107が形成される。
左右一方の下顎角部110から左右のこめかみ部106を経由して他方の下顎角部110までを結ぶ線を境界とした顔前面側であって、かつ目部100及び鼻部101よりも上方には、緩やかに湾曲する額部109が形成される。
額部109の側方であり、かつ耳部103及びこめかみ部106の上方には側頭部108が形成される。
以下、当該人体の顔の構造と対比しながら、本願発明の実施形態である電気刺激用マスク1について説明する。
図2は電気刺激用マスク1の正面図である。マスク本体部2は、主に額部109、側頭部108、こめかみ部106、頬部107、下顎体部105及びおとがい部104に対応する部分を有し、顔前面の構造に合わせた形状に湾曲して形成される。
マスク本体部2は、目部100、鼻部101及び口部102に対応する部分にそれぞれ開口部3a〜3cを有し、例えば、目部100に対応する開口部3aは、マスク本体部2の上端から2/10〜4/10の位置に中心線Xを挟んで左右対称に形成され、鼻部101に対応する開口部3bは、マスク本体部2の上端から5/10〜6/10の位置に中心線Xを横断して左右対称に形成され、口部102に対応する開口部3cは、マスク本体部2の上端から6/10〜8/10の位置に中心線Xを横断して左右対称に形成される。
ここで、本明細書において「対応する部分」とは、本願発明の電気刺激用マスク1を顔に装着した際に、人体の特定部分を覆う電気刺激用マスク1の部分を意味する。
マスク本体部2には、絶縁性及び可撓性を有する部材を使用することができ、例えばシリコンゴムを使用することができる。マスク本体部2がシリコンゴムから形成される場合、マスク本体部2の顔の輪郭に合わせた変形が許容されるため、電気刺激用マスク1と顔との密着性が向上する。
また、マスク本体部2と顔との接地面であるマスク本体部2の内面には点線で示される額用導電部10、右側面導電部11−R、左側面導電部11−Lが設けられており、マスク本体部2の内部には点線で示される芯材4が埋没している。なお、額用導電部10、右側面導電部11−R、左側面導電部11−L及び芯材4については後述する。
次に、図3乃至図5を用いて本実施形態の電気刺激用マスク1の構成及び作用・効果について説明する。
図3は、電気刺激用マスク1の側面図である。図3に示す通り、芯材4は、下顎体部105に対応する部分から側頭部108に対応する部分まで延在している。言い換えれば、芯材4はおとがい部104を除く下顎に対応する部分から側頭部108に対応する部分まで延在している。
ここで、芯材4はマスク本体部2の外縁に沿って延在しており、例えば外縁から1cm隔離した位置にマスク本体部2の外縁と略平行に延在させることができる。
芯材4は、芯材4の長手方向における中央を挟んだ上端側の第一の固定部20と、下端側の第二の固定部21との少なくとも2つの固定部を左右に一対有し、これらの固定部20、21には引張部材5が固定される。なお、本実施形態では、芯材4をマスク本体部2の内部に埋没させているが、芯材4をマスク内面又は表面に設けてもよい。
上述の構成によれば、電気刺激用マスク1を顔に固定することで加わる引張力が芯材4の中央を挟んで上端側及び下端側から芯材4に伝わるため、マスク本体部2の上端から下端までの各部位における引張力のバラツキを抑制することができる。そのため、本願発明の電気刺激用マスク1は、マスク本体部2全体を顔にバランス良く密着させることができるとともに、電気刺激用マスク1を顔に装着した状態で動いても、マスク本体部2と顔との密着を保持することができる。
図5は電気刺激用マスク1の使用状態を示す図であり、芯材4から延びる矢印はマスク本体部2に加わる引張力を模式的に示している。一方、芯材4が上述の構成を有していない場合、電気刺激用マスク1を装着する際にマスク本体部2に加わる引張力がマスク本体部2の一部に集中したり、マスク本体部2が顔の輪郭に合わせて変形することができないため、マスク本体部2と顔との間に隙間が生じる。
また、図3に示す通り、第一の固定部20から芯材4の上端までの長さをAとし、第二の固定部21から芯材4の下端までの長さをBとし、第一の固定部20から第二の固定部21までの長さをCとしたときに、以下の式(1)を満足することが好ましい。この場合、例えば額や下顎などの顔の構造の中で比較的固い部分の水平方向における延長線上に、第一の固定部20及び第二の固定部21が設けられるため、マスク本体部2を安定して顔に密着させることができる。
B<A<C・・・・・・(1)
芯材4には外力が加わった際に塑性変形を受けにくい部材を使用することができる。また、芯材4には、例えばポリカーボネイト、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂を用いることができる。
次に引張部材5について説明する。図4に示す通り、引張部材5は左右に設けられ、第1の繋ぎ部材6と、第2の繋ぎ部材7と、ベルト部8とを有する。左右に設けられる引張部材5は、相互に連結可能であり、引張部材5を頭の後ろで相互に連結することで、芯材4を介してマスク本体部2を顔前面に密着させる方向に引っ張り、電気刺激用マスク1を顔に固定することができる。なお、図3は、左右に設けられる引張部材5同士が相互に連結した状態を示している。
第1の繋ぎ部材6は線状部材により形成され、第一の固定部20及び第二の固定部21に固定される。第2の繋ぎ部材7は孤形状に形成されており、第1の繋ぎ部材6に固定される。当該構成によれば、図5に示す通り、第1の繋ぎ部材6は第2の繋ぎ部材7を介して耳に引っ掛けられることとなるため、装着を容易に行うことができる。また、第2の繋ぎ部材7に固定されるベルト部8は面ファスナー9を有し、左右に設けられる面ファスナー9同士の貼り付け位置を調整することでマスク本体部2に加わる引張力を調整することができる。
第1の繋ぎ部材6には、例えばチタンを用いることができる。この場合、金属と人体との接触によって生じる人体のアレルギー反応を抑制することができる。
次に、図4を用いて導電部について説明する。図4は、電気刺激用マスク1の背面図である。電気刺激用マスク1の内面には、電気刺激用マスク1の短手方向における中心線Xを挟んで位置する一方の額部109に対応する部分から他方の額部109に対応する部分まで延設する額用導電部10と、下顎及び頬部107に対応する部分を覆うとともに、おとがい部104に対応する部分からこめかみ部106に対応する部分まで延設する左右1対の右側面用導電部11−R及び左側面用導電部11−Lが設けられる。この場合、例えばシワの形成されやすい目元や口元などにも電気刺激を付与することができる。
額用導電部10、右側面用導電部11−R及び左側面用導電部11−Lには、導電性を有する、例えば、導電性のシリコンゴムを用いることができる。なお、額用導電部10、右側面用導電部11−R、左側面用導電部11−Lは多層構造でもよく、例えば、導電性の電極収容体の内部に金属板を収容させてもよい。
次に、電気刺激用マスク1の使用方法について、図5を用いて説明する。額用導電部10、右側面用導電部11−R及び左側面用導電部11−Lには、電気信号出力装置(不図示)から延びる出力コード(不図示)を接続することができる。
本実施形態の電気刺激用マスク1は、正極タイプの導電部と負極タイプの導電部とが対になって使用することができる。この場合、マスク本体部2の内面に設けられる導電部以外に電極を設けて人体に接触させることができる。例えば、額用導電部10、右側面用導電部11−R及び左側面用導電部11−Lを正極(負極)とした場合、導電部以外の電極は負極(正極)とすることができる。
本実施形態の電気刺激用マスク1は、薬液や美容液等が含浸した不織布等(不図示)を顔に貼り付けた状態で、顔に装着することにより、薬液などの効果的な注入を行うことができる。なお、導電部以外の電極は人体に接触できればよく、例えば当該電極を手に保持させる構成であってもよい。また、額用導電部10を正極(負極)、右側面用導電部11−R及び左側面用導電部11−Lを負極(正極)とすることもできる。この場合、導電部以外の電極は省略することができる。
また、これらの電極の極性が所定周期で交互に反転する極性反転回路を電気信号出力装置に実装してもよい。例えば、各電極に対して、プラス極性の群発パルス信号とマイナス極性の群発パルス信号とを、略1.5sec毎に極性が反転するように交互に供給するパルス生成回路を電気信号出力装置に実装することができる。この場合、プラスとマイナスにイオン化する薬液や美容液等の有効成分の両方を生体内に浸透させることができる。
また、電気刺激用マスク1は、マスク本体部2の内面に設けられる額用導電部10、右側面用導電部11−R及び左側面用導電部11−Lを薬液や美容液等が含浸した不織布等で覆った状態で装着することもできる。なお、薬液や美容液等を含浸させた不織布等を使用せずに電気刺激用マスク1を装着してもよい。
ここで、図2乃至図4を参照して、マスク本体部2の内面における顎の部分には、上端が内面に向かって湾曲した反し部2aが形成されており、この反し部2aの上端は電気刺激用マスク1の装着時に使用者の顎によって上から押さえつけられる。電気刺激用マスク1の装着時に不織布等が顔に圧接されると、そこから薬液等が絞り出される。この絞り出された薬液等は顔やマスク本体部2の内面に沿って滴下した後、反し部2aに貯留される。これにより、薬液等が電気刺激用マスク1から流出することを防止できる。なお、反し部2aは、後述する変形例及び実施形態2に適用することもできる。
上述の電気刺激用マスク1は、薬液注入以外の用途にも用いることができる。例えば、電気信号出力装置(不図示)から延びる出力コードを介して導電部に電流を印加することにより、顔に電気刺激を付与することができる。
このように、本願発明の電気刺激用マスク1によれば、引張部材5によりマスク本体部2を顔に固定するという簡単な手段で顔とマスク本体部2とを密着させることができるとともに、電気刺激用マスク1を装着した状態で顔を動かしても、マスク本体部2と顔との密着状態を保持することができる。これにより、電流密度のバラツキによって生じる痛みなどの不快感、つまり、特定の接触部位に電流が集中することによる痛みなどの不快感を使用者に与えることがない。
また、本願発明の電気刺激用マスク1によれば、薬液や美容液等に含まれる有効成分を均一に導入することができ、効果的に顔をトリートメントすることができる。また、薬液や美容液等が含浸した不織布を使用することなく、本願発明の電気刺激用マスク1を使用した場合でも、効果的に顔の筋肉をほぐし血行を促進することができる。つまり、本願発明の電気刺激用マスク1によれば、顔に効果的な電気刺激を付与することができる。
(変形例1)
上述の実施形態において、引張部材5は第1の繋ぎ部材6、第2の繋ぎ部材7及びベルト部8を有しているが、引張部材5はマスク本体部2の内面を顔前面に密着させる方向に引っ張る部材であればよく、これに限られない。例えば、第1の繋ぎ部材6、第2の繋ぎ部材7及びベルト部8を一体的に形成してもよい。
(変形例2)
上述の実施形態において、引張部材5に面ファスナー9を設けて電気刺激用マスク1を顔に固定しているが、電気刺激用マスク1を顔に固定できる構造であれば他の構成でもよい。当該他の構成として、例えば、左右に設けられる引張部材5の一方に長手方向に沿って並ぶ複数の凹部を設け、他方に凹部に係止可能な突起を設け、いずれかの凹部に突起を係合させることにより、電気刺激用マスク1を顔に固定してもよい。
(変形例3)
上述の実施形態において、電気刺激用マスク1は、顔の後方で一対の引張部材5を連結することにより固定されているが、引張部材5はマスク本体部2を顔前面に密着させる方向に引っ張る部材であればよく、これに限られない。例えば、第一の固定部20とその下部の第二の固定部21とを接続する弾性部材を左右それぞれに設け、当該弾性部材を直接耳にかけることでマスク本体部2を顔に密着させてもよい。また、例えば、第一の固定部20に固定される引張部材5と、左右それぞれの第二の固定部21に固定される引張部材5とを設け、それら左右の引張部材5を後頭部側で接続してもよい。
(変形例4)
本実施形態において、導電部をさらに増減させることもできる。例えば、側頭部108に対応する部分に導電部を設けてもよい。
(変形例5)
本実施形態において、引張部材5は連結具を用いて芯材4に固定されてもよい。例えば、芯材4の第一の固定部20及び第二の固定部21に、リング状の突起を有する連結具を固定し、リング状の突起と引張部材5の端部に設けられるリングとをつなげることで、引張部材5を芯材4に固定してもよい。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態の電気刺激用マスク1´の背面図であり、図4に対応している。第1実施形態と機能が共通する要素には、同一符号を付している。額用導電部10及び右側面用導電部11−Rは第1の接続導電部10Rを介して互いに電気的に接続されている。額用導電部10及び左側面用導電部11−Lは第2の接続導電部10Lを介して互いに電気的に接続されている。右側面用導電部11−Rの接続口CT1には不図示の電気刺激信号出力装置から延びる出力ケーブルが接続され、左側面用導電部11−Lの接続口CT2には不図示の電気刺激信号出力装置から延びる別の出力ケーブルが接続される。
これらの接続口CT1及びCT2は、中央線Xを挟んで略左右対称な位置に設けられている。これにより、導電部を流れる電流値の左右におけるバラツキが小さくなり、電気刺激の偏り(バラツキ)を抑制することができる。
額用導電部10、右側面用導電部11−R、左側面用導電部11−Lはこれらの外縁に沿ってマスク本体部2に接合されており、これらの外縁の内側に形成された収容部(マスク本体部2と導電部との間に形成された隙間によって形成される収容部)には、マスク本体部2から突出する多数の柔軟リブ23が収められている。これらの柔軟リブ23には、マスク本体部2の使用材料(例えば、シリコンゴム)と同じ材料を用いることができる。電気刺激用マスク1´を装着する際に、使用者の顔の形状に応じて柔軟リブ23が弾性変形することで、装着時のフィット感及びソフト感を向上させることができる。
マスク本体部2の外縁には、実施形態1の芯材4に対応した位置にスリット24が形成されている。図7は、図6の矢印A方向からスリットを視たときの概略図である。スリット24は、スリット24の長手方向に対して直交する方向に延びる係止壁24aによって複数の分割スリット領域に分割されている。隣接する係止壁24aの間隔は互いに、略同じに設定することができる。図8は、芯材4´の平面図である。
芯材4´は弓形に形成されており、スリット24に対して矢印で示す差し込み方向から差し込まれる。芯材4´の差し込み方向における端面には、複数の切り欠き41´が形成されている。これらの切り欠き41´はそれぞれ、スリット24の係止壁24aに対応する位置に形成されており、芯材4´をスリット24に差し込むことで、切り欠き41´を係止壁24aに嵌合させることができる。係止壁24aが切り欠き41´に嵌合することで、芯材4´の位置ずれを効果的に防止できる。
芯材4´には、さらに引掛部42´が形成されている。この引掛部42´は、径方向断面が円形に形成されるとともに、上端部が拡径した段差形状に形成されており、マスク本体部2を貫通してマスク本体部2の表面側に向かって突出している。引掛部42´は、実施形態1の第一の固定部20、第二の固定部21に対応した位置にそれぞれ設けられている。これらの引掛部42´は、装着バンド30の一端部に形成された図示しない取り付け開口部に対して着脱可能に装着される。
装着バンド30の他端部には、面ファスナー31が設けられている。一方の面ファスナー31を他方の面ファスナー31に貼り付けることで、電気刺激用マスク1´を顔に装着することができる。このとき、装着バンド30に引っ張られることにより、芯材4´は切り欠き41´を閉じる方向に弾性変形する。その結果、マスク本体部2における密着力のバラツキをより効果的に抑制できる。装着バンド30には、エラストマーを用いることができる。エラストマーが用いられることで、その伸縮性により電気刺激用マスク1´が装着部位に圧接して位置ずれが起こりにくくなり、またコストを削減することができる。
1 1´ 電気刺激用マスク 2 マスク本体部
2a 反し部 3−a 目部に対応する開口部
3−b 鼻部に対応する開口部 3−c 口部に対応する開口部
4 4´ 芯材 5 引張部材
6 第1の繋ぎ部材 7 第2の繋ぎ部材
8 ベルト部 9 31 面ファスナー
10 額用導電部 11−R 右側面用導電部
11−L 左側面用導電部 20 第一の固定部
21 第二の固定部 23 柔軟リブ
24 スリット 24a 係止壁
30 装着バンド 41´ 切り欠き
42´ 引掛部 X 中心線
100 目部 101 鼻部
102 口部 103 耳部
104 おとがい部 105 下顎体部
106 こめかみ部 107 頬部
108 側頭部 109 額部

Claims (6)

  1. 目、口及び鼻に対応する部分に開口部を有するマスク本体部と、
    前記マスク本体部の内面に設けられる導電部と、
    前記マスク本体部の外縁に沿って、おとがいを除く下顎に対応する部分から側頭に対応する部分まで延在する左右一対の芯材と、
    前記芯材に固定され、マスクの装着状態において、前記芯材を介して前記マスク本体部を顔前面に密着させる方向に引っ張るための引張部材であって、前記芯材の長手方向における中央を挟んだ上端側の第一の固定部及び下端側の第二の固定部の少なくとも二つの固定部に取り付けられる引張部材と、
    を有する電気刺激用マスク。
  2. 請求項1に記載の電気刺激用マスクにおいて、
    前記第一の固定部から前記芯材の上端までの長さをAとし、
    前記第二の固定部から前記芯材の下端までの長さをBとし、
    前記第一の固定部から前記第二の固定部までの長さをCとしたときに、
    次の式(1)を満足することを特徴とする電気刺激用マスク。
    B<A<C・・・・・・(1)
  3. 請求項1または2に記載の電気刺激用マスクにおいて、
    前記導電部が、下顎及び頬に対応する部分を覆うとともに、おとがいに対応する部分からこめかみに対応する部分まで延設する第一の導電部と、前記電気刺激用マスクの短手方向における中心線を挟んで左右一方の額に対応する部分から他方の額に対応する部分まで延設する第二の導電部と、を有することを特徴とする電気刺激用マスク。
  4. 前記マスク本体部と前記導電部の間には、前記マスク本体部から前記導電部に向かって延びる多数の柔軟リブが収められる収容部が形成されており、
    これらの柔軟リブは、マスク装着時に前記導電部を介して使用者の顔に当接することにより弾性変形することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の電気刺激用マスク。
  5. 前記マスク本体部には、前記芯材が差し込まれるスリットが形成されており、
    前記芯材は、弓形に形成されるとともに、その差し込み方向における端面には複数の切り欠きが該芯材の長手方向に所定間隔を隔てて形成されており、各切り欠きは前記スリットの内部に形成された複数の仕切り壁のそれぞれに嵌合していることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の電気刺激用マスク。
  6. 前記マスク本体部の内面における顎に対応した領域には、前記マスク本体部の内面に沿って滴下する液体を一時的に貯留するための湾曲した反し部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の電気刺激用マスク。
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