JP3759484B2 - 低周波美容器における電極装着装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔面またはバストの筋肉に低周波パルス電流を通電して、筋肉を刺激して活性化させ、筋肉のたるみをなくし、顔面またはバストを引き締めたりする低周波美容器において、電極を、顔面またはバストの筋肉上に正確に、且つ脱落することなく装着することができる低周波美容器における電極装着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、低周波パルス電流発生装置を備えた低周波美容器を用いて顔面またはバストに低周波パルス電流を通電する場合、電極としては金属電極、金属をネル生地で被覆した電極、電導ゴム電極、電導ゴムと粘着パットを組合せた電極、電導ゴムとスポンジを組合せた電極等が用いられており、また電極を顔面またはバストに固定する方式としては、ベルト、絆創膏、粘着式、吸引式等が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記各電極を低周波美容器が目的とする顔面またはバストに使用する場合、金属電極や電導ゴム電極は皮膚(肌)への密着が悪く使用しにくいという課題があり、また粘着パットや絆創膏では汗や化粧液等のため、固定できないという課題があり、更に吸引固定の場合は、うっ血跡が残り不向きであるという課題があった。
【0004】
また更に、前記低周波美容器を使用しているエステティックサロンにおいては、前記電極を被施術者に装着固定すると、脱落することが多いので、施術者は被施術者から離れることができず、複数の被施術者に同時に施術することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決すべくなされたもので、顔面またはバストに被着するマスクを形成し、且つ該マスクの被通電部分である各筋肉に対応する位置に、複数個の電極保持体差込み用スリットを設けると共に、電極を挿入した柔軟な保水性部材より成る電極保持体を、前記電極保持体差込み用スリットに差込んで装着固定して、前記電極保持体を被通電部分に接触させることにより、肌触りがよく、また電極保持体がマスクから脱落する虞れもなく、従って、エステティックサロンにおいて、複数の被施術者に同時に施術することができる低周波美容器における電極装着装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外層材としてウェットスーツ生地、中層材としてゴムシートおよび内層材として伸縮性のある布地の3層構造により、保温性と保湿性並びに伸縮性を備えて、顔面またはバストにそれぞれ密着して被着することができるよう形成されたマスクの両側端部に固定用の帯片を突設すると共に、顔面またはバストの複数の筋肉に、プラス側電極とマイナス側電極の電極保持体を間隔を有して接触させるべく、これら各電極保持体を1組として、各組がそれぞれ左右対称となるよう、前記マスクの前記各筋肉に対応する位置に複数組の電極保持体差込み用スリットを設ける一方、
前記各電極保持体は柔軟な保水性部材により形成され、且つ低周波パルス電流発生装置に接続された薄手の金属片より成る各電極、前記各電極保持体の各電極装入用穴に挿入すると共に、該各電極保持体を前記各電極保持体差込み用スリットにマスクの伸縮性を利用して着脱自在に装着するという手段を採用することにより、上記課題を解決した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態につき、図面に基づいて詳細に説明すると、本発明低周波美容器における電極装着装置は、低周波パルス電流発生装置Mからの低周波パルス電流を、顔面またはバストに通電する薄手の電極片より成る電極1を保持した電極保持体2を装着固定するため、顔面またはバストの被通電部分を被覆するようマスク3を形成すると共に、該マスク3の所要個所に前記電極保持体2を差込む電極保持体差込み用スリット4を複数個設けて形成されている。
【0008】
前記マスク3は、被覆する顔面またはバストの形状に応じて、それぞれの形状に形成される。例えば、顔面を被覆するマスク3aの場合、顔面全体を被覆できるような形状に形成する。すなわち、図3に示すように、顔面の形状に合わせて形成されたマスク3aの両側端部に、該マスク3aを顔面に固定するための固定用の帯片5をそれぞれ突設すると共に、顔面中の複数の筋肉のそれぞれに確実に低周波パルス電流を通電するために、前記各筋肉上の皮膚面にプラス側電極とマイナス側電極を間隔を有してそれぞれ接触させるべく、これら各電極1を1組として、各組がそれぞれ左右対称となるよう、前記各筋肉に対応する位置に複数組の電極保持体差込み用スリット4を設け、更に眼・鼻および口に対応する位置にそれぞれ開口部6を設けて形成する。
【0009】
前記帯片5の各端部には、マスク3aを顔面に密着して固定するためのストッパーとなる面ファスナー等の固定手段7がそれぞれ取付けられており、前記マスク3aを顔面に装着した後、各帯片5を後頭部側へ巻回して、固定手段7により固定することにより、該マスク3aは顔面に密着して固定される。
【0010】
そして、顔面の場合、特に限定する必要はないが、図3に示すような位置に通電することができるように、それぞれプラス側電極とマイナス側電極の8組、合計16個の電極保持体差込み用スリット4をマスク3aに設けることが推奨される。なお、図中、○はプラス側電極、●はマイナス側電極の位置を示す。また、各組は図中点線で囲って示されている。
【0011】
また、バストを被覆するマスク3bの場合、バストを被覆できるような形状に形成する。すなわち、図4に示すように、バストの形状に合わせて形成されたマスク3bの両側端部に、該マスク3bを背中部分で固定するための固定用の帯片8をそれぞれ突設すると共に、該マスク3bにバストの複数の筋肉のそれぞれに確実に低周波パルス電流を通電するために、前記各筋肉上の皮膚面に、プラス側電極とマイナス側電極を間隔を有して接触させるべく、これら各電極1を1組として、各組がそれぞれ左右対称となるよう、前記各筋肉に対応する位置に複数組の電極保持体差込み用スリット9を設けて形成する。
【0012】
前記帯片8の各端部には、マスク3bをバストに密着して固定するためのストッパーとなる面ファスナー等の固定手段10がそれぞれ取付けられており、前記マスク3bをバストに装着した後、各帯片8を背中側へ巻回して、各固定手段10により固定することにより、該マスク3bはバストに密着して固定される。
【0013】
そして、バストの場合、特に限定する必要はないが、図4に示すような位置に通電することができるように、それぞれプラス側電極とマイナス側電極の6組、合計12個の電極保持体差込み用スリット9をマスク3bに設けることが推奨される。なお、図中、○はプラス側電極、●はマイナス側電極の位置を示す。また、各組は図中点線で囲って示されている。
【0014】
前記各マスク3は、特に限定する必要はないが、好ましくは図5に示すように、外層材11としてウエットスーツ用生地、中層材12してゴムシート、内層材13として伸縮性のある布地の3層構造とすることが推奨される。この3層構造とすることにより、全体として保温性と保湿性を有し、且つ伸縮性があり、顔面またはバストの湾曲面に対応してマスク3をそれぞれ密着して被着することができる。更に、顔面またはバストに皮膚の活性化を促進するためのコラーゲン、ビタミンCまたはエラスチン等の導入液を塗布した場合、これらが垂れ落ちることを阻止することができる。なお、帯片5・8もマスク3と同一素材により形成してもよいし、他の素材を用いて形成してもよい。
【0015】
前記各マスク3の各電極保持体差込み用スリット4・9に差込まれる電極保持体2は、図6に示すように、長方形状をしたスポンジ等の保水性を有する保水性部材により形成され、且つ該電極保持体2の一端縁から、薄手の金属片より成る電極1を挿入する小巾の電極装入用穴14が穿設されている。
【0016】
前記構成より成る本発明の実施の形態における作用について説明する。特に、本実施の形態における作用については、顔面を被覆するマスク3aを使用する場合について説明する。マスク3aを顔面に被着する場合、その被着前に必要に応じて、皮膚の活性化を促進し、シワやシミを除去する作用を有する前記導入液を塗布する。そして、最初に下方から顎部に固定し、その後顔面全体にフィットするようにして被着し、更に、図7に示すように、マスク3aの伸縮性を利用して開口部6を押し拡げるようにして、眼球の上や鼻部にガーゼまたはコットン等の保護材15を装入して保護するようにした後、各帯片5を後頭部に巻回して固定手段7で固定し、マスク3aを顔面に被着固定する。
【0017】
そして、前記各電極1を、水に濡らした各電極保持体2の電極挿入用穴14に挿入して、それぞれプラス側電極およびマイナス側電極を挿入した所定の電極保持体2を、前記マスク3aの各電極保持体差込み用スリット4に、該マスク3aの伸縮性を利用して差込んで装着固定する。前記各電極保持体差込み用スリット4にそれぞれ各電極保持体2を差込むと、該各電極保持体2の先端部は、必ず顔面の筋肉上の皮膚面に接触する。
【0018】
前記マスク3aの各電極保持体差込み用スリット4に各電極保持体2を差込み、該各電極保持体2をマスク3aの伸縮性を利用して離脱しないよう装着固定した後、低周波パルス電流発生装置Mから低周波パルス電流を各電極1に流すと、該パルス電流が各電極1から水に流れた電極保持体2を媒体として皮膚面へ流れて筋肉へ通電する。これにより、顔面の筋肉を刺激して活性化させ、筋肉のたるみをなくして、顔面を引き締めることができる。なお、図7においては、4個の電極保持体2がマスク3aに装着固定されているのみであるが、実際の使用状態においては、16個の電極保持体2がマスク3aに装着固定される。
【0019】
更に、導入液を顔面に塗布した場合は、顔面の筋肉を強化させることにより、皮膚面も活性化され、前記導入液が皮膚面に有効に作用し、シミやシワを取り去ることもできる。なお、前記低周波パルス電流発生装置Mから各電極1へ流れるパルス電流の強さや、通電時間は、被施術者の年令、症状等に応じて適宜調整する。
【0020】
また、バストにマスク3bを使用する場合も前記顔面のマスク3aの使用方法とほぼ同一であるが、当然ながらバストの場合ガーゼやコットン等の保護材15を装入する必要はないが、バストの筋肉に低周波パルス電流を流すと、バストの筋肉を刺激して活性化させて、バストアップを図ることができるという作用を有する。
【0021】
前記構成より成る本発明装置によれば、マスク3の各電極保持体差込み用スリット4・9に各電極保持体2を差込むと、電極保持体2はスポンジ等の柔軟な保水性部材により形成されているため、マスク3の伸縮力により、マスク3の内面と顔面またはバスト間に押圧されて離脱することなく装着固定されるので、施術中において各電極保持体2が前記各電極保持体差込み用スリット4・9から離脱することはない。従って、本発明装置はエステテックサロンにおいて、複数の被施術者に同時に施術することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上述のようであるから、外層材としてウェットスーツ生地、中層材としてゴムシートおよび内層材として伸縮性のある布地の3層構造により、保温性と保湿性並びに伸縮性を備えてマスクが形成されているため、顔面またはバストに前記マスクが密着して装着固定されて、顔面またはバストに導入液を塗布しても、これらが垂れ落ちることがない。そして、前記マスクの電極保持体差込み用スリットに柔軟な保水性部材より成る電極保持体を差込むと、マスクの伸縮性により前記電極保持体が離脱することなく装着固定され、また前記マスクに装着固定された電極保持体の先方部は必ず顔面またはバストの筋肉上の皮膚面に接触するよう構成されているので、いちいち筋肉の場所を捜して装着固定することもなく、装着作業が容易で、且つ迅速にできる。
更に、各電極保持体差込み用スリットに装着固定された各電極保持体は離脱する虞れが全くないので、特に、本発明装置は、エステテックサロンにおいて、一人の施術者が複数の被施術者に同時に施術することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明低周波美容器における電極装着装置に使用する顔面用マスクの正面図である。
【図2】本発明低周波美容器における電極装着装置に使用するバスト用マスクの正面図である。
【図3】本発明低周波美容器における電極装着装置を使用する顔面の通電位置を示す正面図である。
【図4】本発明低周波美容器における電極装着装置を使用するバストの通電位置を示す正面図である。
【図5】本発明低周波美容器における電極装着装置に使用するマスクの縦断面図である。
【図6】本発明低周波美容器における電極装着装置に使用する電極と電極保持体の分解斜視図である。
【図7】本発明低周波美容器における電極装着装置を顔面に使用した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
M 低周波パルス電流発生装置、 1 電極、 2 電極保持体、 3 マスク、 3a 顔面用マスク、 3b バスト用マスク、 4・9 電極保持体差込み用スリット、 5・8 帯片、 14 電極装入用穴。

Claims (1)

  1. 外層材としてウェットスーツ生地、中層材としてゴムシートおよび内層材として伸縮性のある布地の3層構造により、保温性と保湿性並びに伸縮性を備えて、顔面またはバストにそれぞれ密着して被着することができるよう形成されたマスクの両側端部に固定用の帯片を突設すると共に、顔面またはバストの複数の筋肉に、プラス側電極とマイナス側電極の電極保持体を間隔を有して接触させるべく、これら各電極保持体を1組として、各組がそれぞれ左右対称となるよう、前記マスクの前記各筋肉に対応する位置に複数組の電極保持体差込み用スリットを設ける一方、
    前記各電極保持体は柔軟な保水性部材により形成され、且つ低周波パルス電流発生装置に接続された薄手の金属片より成る各電極、前記各電極保持体の各電極装入用穴に挿入すると共に、該各電極保持体を前記各電極保持体差込み用スリットにマスクの伸縮性を利用して着脱自在に装着することを特徴とする低周波美容器における電極装着装置。
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