JP2013201586A - 無線端末装置、無線基地局装置、通信制御装置、管理装置、通信制御方法および通信制御プログラム - Google Patents

無線端末装置、無線基地局装置、通信制御装置、管理装置、通信制御方法および通信制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】無線端末装置の移動動作を適切に制御することにより、通信の安定化を図ることが可能な無線端末装置、無線基地局装置、通信制御装置、管理装置、通信制御方法および通信制御プログラムを提供する。
【解決手段】無線端末装置202は、移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置101と通信を行い、自己の無線端末装置202の移動動作の実行回数をカウントするためのカウント部13と、上記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置202の移動状態を推定するための移動状態推定部12とを備える。そして、カウント部13は、無線基地局装置101から取得したカウント基準に従ってカウントする。
【選択図】図29

Description

本発明は、無線端末装置、無線基地局装置、通信制御装置、管理装置、通信制御方法および通信制御プログラムに関し、特に、無線端末装置が移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な通信システムにおける無線端末装置、無線基地局装置、通信制御装置、管理装置、通信制御方法および通信制御プログラムに関する。
従来、移動通信システムでは、半径数百メートルから数十キロメートルのセルすなわち無線端末装置が通信可能なエリアを形成する無線基地局装置(以下、マクロ基地局とも称する。)による通信サービスが提供されてきた。
近年、移動通信サービスの加入者数の劇的な増加およびデータ通信による通信トラヒック量の増大から、より半径の小さいセルを形成することによって加入者および通信トラヒックを分散し、また、一定レベルの通信速度をユーザへ安定して提供することが望まれている。また、ビルの超高層化に伴う不感地対策のため、企業フロア内および一般家庭内への無線基地局装置の設置も望まれている。
これらの要望と併せて、無線基地局装置で使用される種々のデバイスの処理能力が飛躍的に向上したことによって無線基地局装置の小型化が進み、このような小型化された小型基地局が注目を集めている。
この小型基地局の一種としてフェムト基地局およびピコ基地局が開発されている。フェムト基地局が形成するフェムトセル(Femto Cell)の半径は10メートル前後と小さいため、フェムト基地局は、マクロ基地局が形成するマクロセル(Macro Cell)の圏外となりマクロ基地局の設置が困難な屋内および地下街等の場所で使用されることが考えられる。
また、フェムト基地局は特定のエリアに多数設置されることから、フェムト基地局を直接コアネットワークに接続することは難しい。このため、特定のエリアに設置された多数のフェムト基地局を一旦、HeNB−GW等のゲートウェイ装置に接続し、フェムト基地局とコアネットワークとをHeNB−GW経由で接続することが考えられる。
また、ピコ基地局は、マクロ基地局をベースに開発され、たとえば半径100メートルから200メートルのピコセル(Pico Cell)を形成する。
このようなフェムト基地局、ピコ基地局およびマクロ基地局が混在する通信システムであるヘテロジーニアスネットワーク(Heterogeneous Network)では、たとえばマクロセル内に複数のフェムトセルまたはピコセルが形成される。このため、無線端末装置のハンドオーバ動作が起こりやすくなり、また、ハンドオーバ動作を行なう状況も複雑になることから、ハンドオーバ動作のタイミングが早すぎたり、あるいは遅すぎたりするなど、不適切なハンドオーバ動作が行なわれる場合がある(たとえば、3GPP(Third Generation Partnership Project) TR 36.902 V9.3.1 2011.3(非特許文献1)参照)。
3GPP TR 36.902 V9.3.1 2011.3
非特許文献1に記載されるような不適切なハンドオーバ動作が行なわれると、通信システムにおいて、通信断および通信トラフィックの増大等、種々の問題が生じる。このような不適切なハンドオーバ動作を抑制し、良好な通信システムを構築する技術が望まれる。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、無線端末装置の移動動作を適切に制御することにより、通信の安定化を図ることが可能な無線基地局装置、無線基地局装置、通信制御装置、管理装置、通信制御方法および通信制御プログラムを提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる無線端末装置は、移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置であって、自己の無線端末装置の上記移動動作の実行回数をカウントするためのカウント部と、上記カウント部によってカウントされた上記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するための移動状態推定部とを備え、上記カウント部は、上記無線基地局装置から取得したカウント基準に従って上記カウントを行う。
このような構成により、無線端末装置と比べて広範囲の通信環境を把握する無線基地局装置から取得したカウント基準に従ってカウントを行うことができるので、無線端末装置は、自己の移動状態を適切に推定することができる。ここで、移動動作は、たとえばハンドオーバ動作またはセル再選択動作である。
これにより、無線端末装置は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置は、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミングを適切に調整することができる。これにより、不適切な移動動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
(2)好ましくは、上記カウント部は、実行された自己の無線端末装置の上記移動動作を上記カウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いて上記カウントを行う。
このような構成により、移動動作の種別に応じて重み付けした値を用いて、移動動作の実行回数を適切にカウントすることができる。
(3)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる無線端末装置は、移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置であって、自己の無線端末装置の上記移動動作の実行回数をカウントするためのカウント部と、上記カウント部によってカウントされた上記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するための移動状態推定部とを備え、上記カウント部は、実行された自己の無線端末装置の上記移動動作を所定のカウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いて上記カウントを行う。
このような構成により、移動動作の種別に応じて重み付けした値を用いてカウントすることができるので、自己の移動状態を適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置は、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミングを適切に調整することができる。これにより、不適切な移動動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
(4)好ましくは、上記カウント部は、実行された自己の無線端末装置の上記移動動作が、上記カウント基準に従う所定条件を満たす場合には、上記所定条件を満たす上記移動動作を上記カウントの対象から除外する。
このような構成により、カウント基準に従って上記カウントの対象として適切な移動動作を選択することができるので、移動動作の実行回数を適切にカウントすることができる。
(5)好ましくは、上記カウント部は、自己の無線端末装置のハンドオーバ動作におけるハンドオーバ元の無線基地局装置から受信したハンドオーバコマンドに含まれるカウント基準を取得する。
このような構成により、移動動作の実行回数をカウントするために必要な情報を、無線端末装置の移動動作を管理する無線基地局装置から取得することができる。
また、ハンドオーバ元の無線基地局装置においては、当該無線基地局装置が形成するセルに在圏する無線端末装置の台数が特に少ない場合、報知情報によりカウント基準を繰り返して送信するよりも、無線端末装置に対してカウント基準を効率よく通知することができる。
(6)好ましくは、上記無線端末装置は、さらに、上記移動状態推定部によって推定された上記移動状態に基づいて、自己の無線端末装置の上記移動動作の実行判断に関わる自己の無線端末装置の設定を行うための設定部を備える。
このような構成により、自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミング等のパラメータの設定を適切に行うことができる。
(7)好ましくは、上記無線端末装置は、さらに、上記移動状態推定部によって推定された上記移動状態を、上記無線基地局装置へ通知するための通知部を備える。
このような構成により、当該無線基地局装置において、無線端末装置により通知された移動状態を用いることにより、適切なタイミングで当該無線端末装置の移動動作が行われるので、当該無線端末装置における不適切な移動動作の発生を抑制することができる。
(8)より好ましくは、上記設定部は、上記移動状態に基づいて、自己の無線端末装置のハンドオーバ動作の実行判断に関わる自己の無線端末装置の動作に関する設定を行う。
このような構成により、ハンドオーバ動作の実行判断に関わる動作を行うタイミング等を調整することができる。無線端末装置の移動状態に基づいて上記タイミングの調整を適切に行うことにより、ハンドオーバ動作のタイミングが適正化され、不適切なハンドオーバ動作の発生を抑制することができる。
(9)より好ましくは、上記カウント部は、上記無線基地局装置から取得した情報に基づいて、上記所定条件を満たすか否かを判断する。
このような構成により、たとえば無線基地局装置における無線信号の送信電力の設定変更により通信システムの構成が変更される場合においても、当該変更を無線端末装置において速やかに反映させることができるので、通信システムの変更に対する柔軟性を高めることができる。
また、周辺の無線基地局装置の情報を予め取得することにより、移動動作の開始に先立って当該移動動作をカウントの対象とするか否かを判断することができる。これにより、無線端末装置は、当該移動動作を自己の移動状態の推定に速やかに反映させることができる。
(10)好ましくは、上記無線端末装置は、さらに、移動動作における移動元または移動先の無線基地局装置から送信される無線信号の送信電力に基づいて、上記移動動作における移動元または移動先の無線基地局装置の種別を判定するための基地局種別判定部を備え、上記カウント部は、上記基地局種別判定部の判定結果に基づいて、上記移動動作を上記カウントの対象とするか否かを判断する。
このような構成により、無線基地局装置が送信する無線信号の送信電力に基づいて、当該無線基地局装置の種別を適切に判別し、上記カウントの対象として適切な移動動作を選択することができる。
(11)好ましくは、上記カウント部は、自己の無線端末装置の無線基地局装置への移動動作が行われてから他の無線基地局装置への移動動作が行われるまでの滞在時間が所定のしきい値未満の場合に、上記移動動作を上記カウントの対象から除外する。
このように、移動動作の完了後に在圏するセルにおける滞在時間を選択基準にする構成により、上記カウントの対象として適切な移動動作を選択し、自己の移動状態を適切に推定することができる。
(12)好ましくは、上記カウント部は、自己の無線端末装置の他の無線基地局装置から小型基地局への移動動作が行われた場合に、上記移動動作を上記カウントの対象から除外する。
このように、他の無線基地局装置から小型基地局への移動動作をカウントの対象から除外する構成により、上記カウントの対象として適切な移動動作を選択し、自己の移動状態を適切に推定することができる。
(13)好ましくは、上記カウント部は、自己の無線端末装置の小型基地局から他の無線基地局装置への移動動作が行われた場合に、上記移動動作を上記カウントの対象から除外する。
このように、小型基地局から他の無線基地局装置への移動動作をカウントの対象から除外する構成により、上記カウントの対象として適切な移動動作を選択し、自己の移動状態を適切に推定することができる。
(14)好ましくは、上記カウント部は、自己の無線端末装置のマクロ基地局から他の無線基地局装置への移動動作または他の無線基地局装置からマクロ基地局への移動動作が行われた場合に、上記移動動作を上記カウントの対象とする。
このように、サイズが大きいマクロセルを移動元または移動先とする移動動作をカウント対象とする構成により、上記カウントの対象として適切な移動動作を選択し、自己の移動状態を適切に推定することができる。
(15)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる無線端末装置は、ハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置であって、自己の無線端末装置の上記ハンドオーバ動作の実行回数をカウントするためのカウント部と、上記カウント部によってカウントされた上記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するための移動状態推定部と、上記移動状態推定部によって推定された上記移動状態に基づいて、TTT(Time to Trigger)の値を設定するための設定部と、上記無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定し、測定結果が上記TTTで示される時間継続して所定条件を満たす場合に、上記測定結果を示すメジャメントレポートを通信接続先の無線基地局装置へ送信するための受信電力報告部とを備え、上記カウント部は、上記無線基地局装置から取得したカウント基準に従って上記カウントを行う。
このような構成により、無線端末装置と比べて広範囲の通信環境を把握する無線基地局装置から取得したカウント基準に従ってカウントを行うことができるので、無線端末装置は、自己の移動状態を適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置は、3GPPで規定された無線端末装置によるハンドオーバ動作のタイミング調整の機能を実現するために、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、TTTの調整を適切に行うことにより、ハンドオーバ動作のタイミングを適切に調整することが可能となる。
これにより、不適切なハンドオーバ動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
(16)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる無線端末装置は、ハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置であって、自己の無線端末装置の上記ハンドオーバ動作の実行回数をカウントするためのカウント部と、上記カウント部によってカウントされた上記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するための移動状態推定部と、上記移動状態推定部によって推定された上記移動状態に基づいて、TTTの値を設定するための設定部と、上記無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定し、測定結果が上記TTTで示される時間継続して所定条件を満たす場合に、上記測定結果を示すメジャメントレポートを通信接続先の無線基地局装置へ送信するための受信電力報告部とを備え、上記カウント部は、実行された自己の無線端末装置の上記ハンドオーバ動作を所定のカウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いて上記カウントを行う。
このような構成により、移動動作の種別に応じて重み付けした値を用いてカウントすることができるので、自己の移動状態を適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置は、3GPPで規定された無線端末装置によるハンドオーバ動作のタイミング調整の機能を実現するために、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、TTTの調整を適切に行うことにより、ハンドオーバ動作のタイミングを適切に調整することが可能となる。
これにより、不適切なハンドオーバ動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
(17)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信制御装置は、移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能であり、かつカウント基準に従って上記移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置について、上記カウント基準を作成するためのカウント基準作成部と、上記カウント基準作成部によって作成された上記カウント基準を他の装置に通知するためのカウント基準通知部とを備える。
このように、たとえば無線端末装置または無線基地局装置へ当該カウント基準を通知することにより、当該カウント基準に基づいて、通信システムにおける無線端末装置の移動状態を、無線端末装置において適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置は、自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミングを適切に調整することができるので、不適切な移動動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、たとえば、通信制御装置が、不適切な移動動作を含む複数の移動動作を管理する場合、不適切な移動動作の発生状況を考慮した上で、適切なカウント基準を作成することができる。
(18)好ましくは、上記カウント基準作成部は、各上記無線基地局装置を重み付けし、上記カウント基準通知部は、上記カウント基準作成部による重み付け結果を上記カウント基準として通知する。
このような構成により、無線基地局装置毎に、移動動作のカウント基準を細かく重み付けすることができるので、通信システムにおける無線端末装置の移動状態を、当該カウント基準に基づいて適切に推定することができる。
(19)より好ましくは、上記カウント基準通知部は、上記カウント基準作成部による重み付け結果を上記各無線基地局装置に通知する。
このような構成により、たとえば通信制御装置により管理される無線基地局装置が、自己により形成されるセル内に位置する他の無線基地局装置を管理する場合、通信制御装置は、当該他の無線基地局装置の設置数の密度に応じた重み付け結果を、当該無線基地局装置および当該他の無線基地局装置へ送信することができる。
これにより、当該無線基地局装置は、当該重み付け結果に基づいて、無線端末装置に対して移動状態を適切に推定させることができるので、広範なエリアにわたって無線端末装置の移動動作を最適化することができる。
(20)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる無線基地局装置は、上記(17)の通信制御装置を備える。
このような構成により、無線通信システムにおけるカウント基準の作成および当該カウント基準の通知を各無線基地局装置で行なうことができるため、当該カウント基準の作成処理および当該カウント基準の通知の処理負荷を分散させることができる。
(21)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる管理装置は、上記無線基地局装置を管理し、上記(17)の通信制御装置を備える。
このような構成により、無線通信システムにおけるカウント基準の作成および当該カウント基準の通知を管理装置において一括して行なうことができるため、当該カウント基準の作成処理および当該カウント基準の通知を、より効率的に行なうことができる。
(22)また、この発明のある局面に係わる通信制御方法は、移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置における通信制御方法であって、自己の無線端末装置の上記移動動作の実行回数をカウントするステップと、カウントした上記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するステップとを含み、上記カウントするステップにおいては、上記無線基地局装置から取得したカウント基準に従って上記カウントを行う。
このような構成により、無線端末装置と比べて広範囲の通信環境を把握する無線基地局装置から取得したカウント基準に従ってカウントを行うことができるので、無線端末装置は、自己の移動状態を適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置は、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミングを適切に調整することができる。これにより、不適切な移動動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
(23)また、この発明のある局面に係わる通信制御方法は、移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置における通信制御方法であって、自己の無線端末装置の上記移動動作の実行回数をカウントするステップと、カウントした上記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するステップとを含み、上記カウントするステップにおいては、実行された自己の無線端末装置の上記移動動作を所定のカウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いて上記カウントを行う。
このような構成により、移動動作の種別に応じて重み付けした値を用いてカウントすることができるので、自己の移動状態を適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置は、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミングを適切に調整することができる。これにより、不適切な移動動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
(24)また、この発明の別の局面に係わる通信制御方法は、ハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置における通信制御方法であって、自己の無線端末装置の上記ハンドオーバ動作の実行回数をカウントするステップと、カウントした上記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するステップと、推定した上記移動状態に基づいて、TTTの値を設定するステップと、上記無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定し、測定結果が上記TTTで示される時間継続して所定条件を満たす場合に、上記測定結果を示すメジャメントレポートを通信接続先の無線基地局装置へ送信するステップとを含み、上記カウントするステップにおいては、上記無線基地局装置から取得したカウント基準に従って上記カウントを行う。
このような構成により、無線端末装置と比べて広範囲の通信環境を把握する無線基地局装置から取得したカウント基準に従ってカウントを行うことができるので、無線端末装置は、自己の移動状態を適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置は、3GPPで規定された無線端末装置によるハンドオーバ動作のタイミング調整の機能を実現するために、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、TTTの調整を適切に行うことにより、ハンドオーバ動作のタイミングを適切に調整することが可能となる。
これにより、不適切なハンドオーバ動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
(25)また、この発明の別の局面に係わる通信制御方法は、ハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置における通信制御方法であって、自己の無線端末装置の上記ハンドオーバ動作の実行回数をカウントするステップと、カウントした上記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するステップと、推定した上記移動状態に基づいて、TTTの値を設定するステップと、上記無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定し、測定結果が上記TTTで示される時間継続して所定条件を満たす場合に、上記測定結果を示すメジャメントレポートを通信接続先の無線基地局装置へ送信するステップとを含み、上記カウントするステップにおいては、実行された自己の無線端末装置の上記ハンドオーバ動作を所定のカウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いて上記カウントを行う。
このような構成により、移動動作の種別に応じて重み付けした値を用いてカウントすることができるので、自己の移動状態を適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置は、3GPPで規定された無線端末装置によるハンドオーバ動作のタイミング調整の機能を実現するために、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、TTTの調整を適切に行うことにより、ハンドオーバ動作のタイミングを適切に調整することが可能となる。
これにより、不適切なハンドオーバ動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
(26)また、この発明の別の局面に係わる通信制御方法は、通信制御装置における通信制御方法であって、移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能であり、かつカウント基準に従って上記移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置について、上記カウント基準を作成するステップと、作成した上記カウント基準を他の装置に通知するステップとを含む。
このように、たとえば無線端末装置または無線基地局装置へ当該カウント基準を通知することにより、当該カウント基準に基づいて、通信システムにおける無線端末装置の移動状態を、無線端末装置において適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置は、自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミングを適切に調整することができるので、不適切な移動動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、たとえば、通信制御装置が、不適切な移動動作を含む複数の移動動作を管理する場合、不適切な移動動作の発生状況を考慮した上で、適切なカウント基準を作成することができる。
(27)また、この発明のある局面に係わる通信制御プログラムは、移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置において用いられる通信制御プログラムであって、コンピュータに、自己の無線端末装置の上記移動動作の実行回数をカウントするステップと、カウントした上記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するステップとを実行させるためのプログラムであり、上記カウントするステップにおいては、上記無線基地局装置から取得したカウント基準に従って上記カウントを行う。
このような構成により、無線端末装置と比べて広範囲の通信環境を把握する無線基地局装置から取得したカウント基準に従ってカウントを行うことができるので、無線端末装置は、自己の移動状態を適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置は、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミングを適切に調整することができる。これにより、不適切な移動動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
(28)また、この発明のある局面に係わる通信制御プログラムは、移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置において用いられる通信制御プログラムであって、コンピュータに、自己の無線端末装置の上記移動動作の実行回数をカウントするステップと、カウントした上記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するステップとを実行させるためのプログラムであり、上記カウントするステップにおいては、実行された自己の無線端末装置の上記移動動作を所定のカウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いて上記カウントを行う。
このような構成により、移動動作の種別に応じて重み付けした値を用いてカウントすることができるので、自己の移動状態を適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置は、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミングを適切に調整することができる。これにより、不適切な移動動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
(29)また、この発明の別の局面に係わる通信制御プログラムは、通信制御装置において用いられる通信制御プログラムであって、コンピュータに、移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能であり、かつカウント基準に従って上記移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置について、上記カウント基準を作成するステップと、作成した上記カウント基準を他の装置に通知するステップとを実行させるためのプログラムである。
このように、たとえば無線端末装置または無線基地局装置へ当該カウント基準を通知することにより、当該カウント基準に基づいて、通信システムにおける無線端末装置の移動状態を、無線端末装置において適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置は、自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミングを適切に調整することができるので、不適切な移動動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、たとえば、通信制御装置が、不適切な移動動作を含む複数の移動動作を管理する場合、不適切な移動動作の発生状況を考慮した上で、適切なカウント基準を作成することができる。
本発明によれば、無線端末装置の移動動作を適切に制御することにより、通信の安定化を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて移動動作が行われる状況の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおけるセル再選択動作のシーケンスの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおけるハンドオーバ動作のシーケンスの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、不適切なハンドオーバ動作(Too Late HO)が生じた状況の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、不適切なハンドオーバ動作(Too Late HO)およびその検出処理のシーケンスの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、不適切なハンドオーバ動作(Too Early HO)が生じた状況の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、不適切なハンドオーバ動作(Too Early HO)が生じた状況の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、不適切なハンドオーバ動作(Too Early HO)およびその検出処理のシーケンスの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、不適切なハンドオーバ動作(HO to Wrong Cell)が生じた状況の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、不適切なハンドオーバ動作(HO to Wrong Cell)およびその検出処理のシーケンスの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、無線端末装置の受信品質のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が測定結果通知を送信するイベントA1を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が測定結果通知を送信するイベントA2を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が測定結果通知を送信するイベントA3を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が測定結果通知を送信するイベントA4を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が測定結果通知を送信するイベントA5を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、ヒステリシスHSの調整によるハンドオーバ動作のタイミング制御を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、TTTの調整によるハンドオーバ動作のタイミング制御を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、オフセットOSTの調整によるハンドオーバ動作のタイミング制御を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、各位置の無線信号の受信電力の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、ハンドオーバ動作のタイミングを制御するためのパラメータの他の例を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、接続確立状態の無線端末装置が移動状態の検出処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、アイドル状態の無線端末装置が移動状態の検出処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、接続確立状態の無線端末装置がハンドオーバ動作のタイミング調整を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、アイドル状態の無線端末装置がセル再選択動作のタイミング調整を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、無線端末装置の移動経路に基づく移動動作の実行回数の比較を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線端末装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線端末装置における制御部の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線基地局装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線基地局装置における制御部の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、カウント方法リストの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、カウント方法リストの他の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、無線端末装置の移動経路の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、カウント方法リストの更新処理および無線端末装置へのカウント基準の通知処理のシーケンスの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置がカウント方法リストの更新処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置がカウント方法リストの更新処理を行う際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が無線端末装置へカウント基準を通知する際の動作手順を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が無線端末装置へカウント基準を通知する際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が無線端末装置へカウント基準を通知する際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置がセル再選択動作の完了後に行う移動状態の更新動作の一例を示すシーケンス図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置がハンドオーバ動作の完了後に行う移動状態の更新動作の一例を示すシーケンス図である。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動状態の検出処理および当該移動状態に応じた設定処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動状態の検出処理および当該移動状態の無線基地局装置への通知処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
無線基地局装置は、自らの形成するセルおよび周辺セルについての情報、すなわち無線信号の周波数および周辺セルのID(identification)等を無線端末装置に通知する。無線端末装置は、無線基地局装置から通知された情報に基づいて、周辺セルの検出および測定を行なう。無線端末装置は、この測定結果に基づいて、周辺セルへの移動を開始する。ここで、無線端末装置の「移動」とは、ハンドオーバを意味することに加えて、セル再選択(Cell Reselection)を意味する。
ハンドオーバとは、ある無線基地局装置との通信接続が確立した状態(以下、接続確立状態と称する)にある無線端末装置の通信接続先が他の無線基地局装置へ切り替えられることを意味する。
セル再選択とは、アイドル状態の無線端末装置が今後通信を開始する、すなわち通話またはデータ通信を開始する際にどのセルを介して通信を行なうかを選択することを意味すし、たとえば3GPP TS 36.304に記載の内容が当てはまる。
ハンドオーバ動作は、無線端末装置の通信接続先の無線基地局装置主導で行なわれる。一方、セル再選択は、無線端末装置主導で行なわれ、通常、無線基地局装置が無線端末装置に対して特に指示を与えることなく実行される。
無線端末装置の「アイドル状態」とは、ある無線基地局装置を無線端末装置が通信相手として選択しており、かつ当該無線基地局装置と通信を行っていない状態である。また、「通信を行っていない状態」とは、当該無線基地局装置へ何らかの情報を送信する動作を行っていない状態である。
たとえば、無線端末装置が無線基地局装置と通信しているときには、無線端末装置の移動先は無線基地局装置またはコアネットワークにおける上位装置が決定する。また、たとえば、無線端末装置が無線基地局装置と通信していないときには、無線端末装置の移動先は無線端末装置が決定する。
また、無線端末装置がセルに在圏している、とは、無線端末装置が、当該セルを形成する無線基地局装置を通信先として選択し、かつ当該無線基地局装置と通信可能な状態または通信中である状態を意味する。
具体的には、たとえば、無線端末装置が新たなセルすなわち無線基地局装置へ移動したことを当該無線基地局装置の上位装置が登録した状態を意味する。
また、「在圏」は、無線端末装置の属するトラッキングエリアの更新を上位装置が登録した状態を含むものとする。
すなわち、無線端末装置は、新たなセルへ移動した場合、この移動によって自己の存在するトラッキングエリアすなわちページング処理の対象エリアが変わった場合には、トラッキングエリア更新処理を実行する。
フェムトセルおよびアクセスモードは、3GPP SPEC TS22.220において以下のように説明されている。すなわち、フェムト基地局は、無線インタフェースを介して接続されている無線端末装置を、IPバックホール(backhaul)を用いて、移動通信事業者網に接続する顧客構内装置である。
また、フェムトセルのアクセスモードにおいて、クローズドアクセスモードのフェムト基地局は、関連するCSG(Closed Subscriber Group)メンバーにのみサービスを提供する。また、ハイブリッドモードのフェムト基地局は、関連するCSGメンバーおよびCSGノンメンバーにサービスを提供する。また、オープンアクセスモードのフェムト基地局は、通常の基地局として動作する。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいても、このような3GPPの定義を適用してもよい。
また、上記定義と合わせて、あるいは別個に、以下のような定義を適用することも可能である。
マクロ基地局およびピコ基地局は、事業者の管理下にあり、事業者と契約している無線基地局装置が通信可能な無線基地局装置である。また、マクロ基地局およびピコ基地局は、基本的に電源がオフになることはないと考えられる。
また、フェムト基地局は、主に個人または法人の建物内に設置され、ユーザの事情により移動するまたは電源がオフとなる可能性がある無線基地局装置である。
また、フェムト基地局は、オープン/ハイブリッド/クローズドのいずれかのアクセスモードで動作する。フェムト基地局は、クローズドアクセスモードで動作する場合には、登録済みのメンバー(端末)のみ接続可能となる。また、クローズドアクセスモードで動作する場合には、登録済みのメンバーにのみサービスを提供する。また、ハイブリッドモードで動作する場合には、登録済みのメンバー、および未登録のメンバーすなわちノンメンバーの両方にサービスを提供する。また、オープンアクセスモードで動作する場合には、マクロ基地局およびピコ基地局と同じ動作をする。
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、無線通信システム401は、たとえば3GPPで規格化されたLTE(Long Term Evolution)に従う移動体通信システムであり、無線基地局装置101A,101B,101Cを備える。図1では、3つの無線基地局装置を代表的に示しているが、さらに多数の無線基地局装置が設けられてもよい。無線通信システム401は、さらに、コアネットワーク301に設けられたS−GW(Serving Gateway)161と、MME(Mobility Management Entity)162と、P−GW(Packet Data Network Gateway)163とを含む。
無線端末装置202は、無線基地局装置101A、無線基地局装置101Bまたは無線基地局装置101Cと、S−GW161と、P−GW163とを介してIP網302におけるサーバ等と通信コネクションを確立し、たとえばIP(Internet Protocol)パケットを含む通信データを送受信する。
より詳細には、無線基地局装置101A,101B,101Cは、無線信号を無線端末装置202と送受信することにより、無線端末装置202との通信を行なう。
S−GW161は、無線基地局装置101A,101B,101CとIP網302との間に接続されている。S−GW161は、無線基地局装置101A,101B,101C経由で無線端末装置202から受信した通信データをP−GW163経由でIP網302へ送信するとともに、IP網302におけるサーバ等からP−GW163経由で受信した通信データを無線基地局装置101A,101B,101C経由で無線端末装置202へ送信する。
MME162は、無線通信システム401における無線基地局装置101A,101B,101C、および無線端末装置202等を管理する。MME162は、無線基地局装置101A,101B,101Cとの間で制御メッセージを送受信する。
無線基地局装置101A,101B,101Cは、S−GW161およびP−GW163を介してIP網302との間で通信データを送受信する。
無線基地局装置101A,101B,101CおよびS−GW161は、論理的なインタフェースであるS1−Uインタフェースに従う通信データを互いに送受信することにより、S1−Uインタフェース経由で種々の情報を互いにやりとりする。
無線基地局装置101A,101B,101CおよびMME162は、点線で示すように、論理的なインタフェースであるS1−MMEインタフェースに従う通信データを互いに送受信することにより、S1−MMEインタフェース経由で種々の情報を互いにやりとりする。
MME162およびS−GW161は、論理的なインタフェースであるS11インタフェースに従う通信データを互いに送受信することにより、S11インタフェース経由で種々の情報を互いにやりとりする。
S−GW161およびP−GW163は、論理的なインタフェースであるS5インタフェースに従う通信データを互いに送受信することにより、S5インタフェース経由で種々の情報を互いにやりとりする。
図2は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて移動動作が行なわれる状況の一例を示す図である。
図2を参照して、無線基地局装置101A,101B,101Cは、たとえばフェムト基地局、ピコ基地局またはマクロ基地局である。
無線基地局装置101Aは、セルCAを形成し、セルCA内に存在する無線端末装置202と無線信号を送受信することにより、当該無線端末装置202と通信することが可能である。無線基地局装置101Bは、セルCBを形成し、セルCB内に存在する無線端末装置202と無線信号を送受信することにより、当該無線端末装置202と通信することが可能である。無線基地局装置101Cは、セルCCを形成し、セルCC内に存在する無線端末装置202と無線信号を送受信することにより、当該無線端末装置202と通信することが可能である。
ここで、無線端末装置202からコアネットワーク301への方向を上り方向と称し、コアネットワーク301から無線端末装置202への方向を下り方向と称する。
[セル再選択動作の一例]
本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける無線基地局装置および無線端末装置は、以下の各シーケンスの各ステップを含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記録媒体に格納された状態で流通する。
以下、無線端末装置202の移動元の無線基地局装置をサービング基地局とも称し、移動先の無線基地局装置をターゲット基地局とも称する。また、以下では、無線基地局装置101Aがサービング基地局であり、無線基地局装置101Bがターゲット基地局である場合について説明する。
本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、セル再選択の実行判断に電力測定処理(Measurement)を利用する。この電力測定処理は、たとえば3GPPでは、レイヤ3スタックのRRC(Radio Resource Control)に対応する。
ここで、3GPP TS36.133 4.2.2.1章では、セル再選択のためのサービングセルの測定周期について、以下のように記載されている。すなわち、無線端末装置202は、少なくともDRX(Discontinuous Reception)サイクルごとに、サービングセルのRSRP(Reference Signal Received Power)レベルを測定し、TS36.304で定義されるS値(Cell Selection Criterion S)とRSRPレベルとを比較する。
無線端末装置202は、サービングセルの測定結果を、少なくとも2回の測定でフィルタリングする。このフィルタリングは、平均化であると考えられる。
フィルタリング対象となる上記測定の組のうち、少なくとも2回の測定は、少なくともDRXサイクルの1/2の間隔を空けて実行しなければならない。これは、測定間隔をDRXサイクルの1/2以上にしなければならないことを意味する、と考えられる。
ここで、3GPP TS36.133 4.2.2.1章の表4.2.2.1−1では、DRXサイクル長[秒]とDRXサイクル数Nservとの対応関係が示されている。具体的には、DRXサイクル長が0.32秒、0.64秒、1.28秒および2.56秒のとき、DRXサイクル数Nservがそれぞれ4,4,2,2である。
無線端末装置202は、Nserv回の連続したDRXサイクルにおいて、サービングセルがS値を満たしていない場合には、自己の測定(Measurement)機能が何らかの規制により制限されていない限り、サービング基地局から指定されたすべての周辺セルの測定を開始する。すなわち、無線端末装置202は、一定期間経過すれば、S値が条件を満たしていなくても周辺セルの測定を開始する。
このような3GPP TS36.133の記載から、サービングセルの測定周期として最短でも0.16秒(160ms)が必要となり、上記のようなS値の判定には少なくとも2回の測定が必要となる。このため、周辺セルの測定開始判断には、実質0.32秒(320ms)以上の間隔が必要になる。
また、S値が条件を満たしていない状態で周辺セルの測定を開始する場合、周辺セルの測定開始判断には0.32秒×4回=1.28秒の間隔が必要になる。
3GPP TS36.133 4.2.2.1章では、RSRPについてのみ記載されているが、RSRQ(Reference Signal Receive Quality)についてもRRCに従って測定されることから、RSRPと同様であると考えられる。
図3は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおけるセル再選択動作のシーケンスの一例を示す図である。
ここでは、図2に示すように、無線端末装置202が、セルCA内に位置し、無線基地局装置101Aを通信相手として選択してから、セルCAおよびセルCBの重複領域へ移動した場合を想定する。
再び図3を参照して、まず、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aを新たに通信相手として選択することを決定すると、無線基地局装置101Aから送信される報知情報を受信し(ステップS1)、受信した報知情報の内容を保存する(ステップS2)。この報知情報に、周辺セル情報、およびセル再選択を行なうための情報が含まれる。
次に、無線端末装置202は、コアネットワーク301におけるMME162等に対して新たなセルCAへ移動したことを通知するため、端末登録処理であるアタッチ処理(Attach Procedure)を実行する(ステップS3)。
次に、無線端末装置202は、サービング基地局である無線基地局装置101Aから送信される無線信号の受信電力の測定を開始する。すなわち、無線端末装置202は、サービングセルの受信電力の測定を行なう。たとえば、無線端末装置202は、当該無線信号に含まれるパイロット信号を用いて受信電力を測定する。この測定周期は、たとえば0.16秒である(ステップS4)。
次に、無線端末装置202は、サービングセルの評価値であるS値を算出し、S値判定を行なう(ステップS5)。
無線端末装置202は、サービングセルのS値が所定条件を満たす場合には(ステップS5でYES)、報知情報の示す周波数において、報知情報の示す周辺基地局から送信される無線信号の受信電力の測定を開始する。ここで、周辺基地局は、サービング基地局以外の他の無線基地局装置101を示す。すなわち、無線端末装置202は、サービングセルに加えて、周辺セルの受信電力の測定を行なう。たとえば、無線端末装置202は、当該無線信号に含まれるパイロット信号を用いて受信電力を測定する(ステップS6)。
次に、無線端末装置202は、周辺セルの評価値であるS値を算出し、S値判定を行なう(ステップS7)。
無線端末装置202は、周辺セルのS値が所定条件を満たす場合には(ステップS7でYES)、サービングセルおよび周辺セルの測定結果を用いて、サービングセルおよび周辺セルをたとえば受信電力品質の良い順に順位付けする(ステップS8)。
次に、無線端末装置202は、順位付けの結果、最上位のセルがサービングセルでは無かった場合には(ステップS9でYES)、当該最上位セルへのセル再選択を行なう。すなわち、無線端末装置202は、最上位の周辺セルに対応する無線基地局装置、たとえば無線基地局装置101Bを新たに通信相手として選択することを決定する。そして、無線端末装置202は、無線基地局装置101Bからの報知情報を受信し(ステップS10)、受信した報知情報の内容を保存する(ステップS11)。
次に、無線端末装置202は、コアネットワーク301におけるMME162等に対して新たなセルCBへ移動したことを通知するため、端末登録処理であるアタッチ処理を実行する(ステップS12)。
[ハンドオーバ動作の一例]
図4は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおけるハンドオーバ動作のシーケンスの一例を示す図である。
ここでは、図2に示すように、無線端末装置202が、セルCA内に位置し、無線基地局装置101Aと通信中である状態から、セルCAおよびセルCBの重複領域へ移動した場合を想定する。
以下、無線端末装置202と通信中の無線基地局装置またはハンドオーバ元の無線基地局装置をサービング基地局とも称し、ハンドオーバ先の無線基地局装置をターゲット基地局とも称する。また、以下では、無線基地局装置101Aがサービング基地局であり、無線基地局装置101Bがターゲット基地局である場合について説明する。
再び図4を参照して、まず、無線基地局装置101Aは、自己と通信中の無線端末装置202の測定対象となる周波数と、当該周波数の無線信号を送信する他の無線基地局装置とを設定する(ステップS31)。
次に、無線基地局装置101Aは、設定した他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを無線端末装置202に測定させるための測定開始要求(Measurement Configuration)を無線端末装置202へ送信する。この測定開始要求には、周辺セル情報、すなわち測定対象となる無線基地局装置のセルIDが含まれる。また、この測定開始要求には、各無線基地局装置の送信周波数が含まれる(ステップS32)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aから測定開始要求を受信して、電力測定処理(Measurement)を開始する、すなわち受信した測定開始要求の示す周波数において、測定開始要求の示す無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定する(ステップS33)。
次に、無線端末装置202は、この受信電力の測定結果を示す測定結果通知(Measurement Report)を無線基地局装置101Aへ送信する。たとえば、無線端末装置202は、受信電力の測定を定期的に行ない、無線基地局装置101Aとの通信状態が悪くなった場合、および無線基地局装置101A以外の他の無線基地局装置との通信状態が良くなった場合に、測定結果通知を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS34)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、セルIDごとの測定結果を示す測定情報を取得し、図示しない記憶部に保存する(ステップS35)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、当該無線端末装置202がハンドオーバすべきか否かを判断し、ハンドオーバすべきであると判断すると、周辺セル情報を参照してたとえば無線基地局装置101Bをハンドオーバ先として決定する(ステップS36)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bを示すハンドオーバ要求を上位装置へ送信する(ステップS37)。
次に、上位装置は、無線基地局装置101Aからハンドオーバ要求を受信して、無線基地局装置101Bへ当該ハンドオーバ要求を送信する(ステップS38)。
次に、無線基地局装置101Bは、上位装置からハンドオーバ要求を受信して、上位装置へ当該ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答を送信する(ステップS39)。
次に、上位装置は、無線基地局装置101Bからハンドオーバ応答を受信して、無線基地局装置101Aへハンドオーバ指示を送信する(ステップS40)。
次に、無線基地局装置101Aは、上位装置からハンドオーバ指示を受信して、無線端末装置202へRRC(Radio Resource Control)コネクション再構成指示(RRC Connection Reconfiguration)を送信する(ステップS41)。
次に、無線基地局装置101Aは、上位装置へ自己の通信状態等を示す状態通知を送信する(ステップS42)。
次に、上位装置は、無線基地局装置101Aから状態通知を受信して、無線基地局装置101Bへ無線端末装置202との通信内容等を示す状態通知を送信する(ステップS43)。
また、無線端末装置202および無線基地局装置101B間でRRCコネクションが確立されると、無線端末装置202は、無線基地局装置101BへRRCコネクション再構成完了通知(RRC Connection Reconfiguration Complete)を送信する(ステップS44)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線端末装置202からRRCコネクション再構成完了通知を受信して、上位装置へハンドオーバ完了通知を送信する(ステップS45)。
次に、上位装置は、無線基地局装置101Bからハンドオーバ完了通知を受信して、端末情報解放指示を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS46)。
次に、無線基地局装置101Aは、上位装置から端末情報解放指示を受信して、無線端末装置202に関する情報を解放し、上位装置へ端末情報解放完了通知を送信する(ステップS47)。
[不適切なハンドオーバ動作の例]
図5は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、不適切なハンドオーバ動作(Too Late HO)が生じた状況の一例を示す図である。
図6は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、不適切なハンドオーバ動作(Too Late HO)およびその検出処理のシーケンスの一例を示す図である。
”Too Late HO”は、たとえば以下のような場合をいう。すなわち、ハンドオーバが始まる前、あるいはハンドオーバ処理の最中に、ハンドオーバ元の無線基地局装置について無線リンク断(RLF:Radio Link Failure)が発生し、かつハンドオーバ元の無線基地局装置以外の無線基地局装置に対する無線端末装置202の接続再確立が生じた場合である。
”Too Late HO”の検出方法は、たとえば以下のようになる。すなわち、無線端末装置202が無線基地局装置101AについてRLFを起こした後に無線基地局装置101Bに対して無線リンクを再確立した場合、無線基地局装置101Bが無線基地局装置101Aに対してRLF通知を送信する。これにより、無線基地局装置101Aは”Too Late HO”を検出する。
ここでは、図5に示すように、無線端末装置202が、セルCA内に位置し、無線基地局装置101Aと通信中である場合を想定する。
図5および図6を参照して、まず、無線端末装置202は、各無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定し、測定した受信電力の測定結果を示す測定結果通知を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS51)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、当該無線端末装置202のハンドオーバを行なうべきか否かを判断する。無線基地局装置101Aは、当該無線端末装置202のハンドオーバを行なうべきであると判断すると、周辺セル情報を参照してたとえば無線基地局装置101Bをハンドオーバ先として決定する(ステップS52)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bを示すハンドオーバ要求を、基地局間インタフェースであるX2インタフェース経由で無線基地局装置101Bへ送信する(ステップS53)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aからハンドオーバ要求を受信して、無線基地局装置101Aへ当該ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答をX2インタフェース経由で送信する(ステップS54)。
ここで、ネットワーク側のハンドオーバの準備中、すなわち無線基地局装置101Aおよび101Bが上記のようなハンドオーバのためのメッセージの送受信を行っている間に、無線端末装置202が、セルCAの圏外、かつセルCBの圏内に移動する(ステップS55)。
この無線端末装置202の移動により、無線基地局装置101Aから送信されるハンドオーバを指示するためのRRCコネクション再構成指示(ステップS56)が無線端末装置202に届かなくなり、RLFが発生してしまう(ステップS57)。
次に、無線端末装置202は、RLF発生を検出すると、無線信号の受信電力の測定等によって周辺の無線基地局装置の探索を行ない、探索した無線基地局装置101Bに再接続するために、RRCコネクション再確立要求(RRC Connection Reestablishment Request)を送信する(ステップS58)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線端末装置202からRRCコネクション再確立要求を受信して、RRCコネクション再確立応答を無線端末装置202へ送信する(ステップS59)。これにより、無線端末装置202および無線基地局装置101B間でRRCコネクションが確立される。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101BへRRCコネクション再確立完了通知(RRC Connection Reestablishment Complete)を送信する(ステップS60)。
このRRCコネクション再確立完了通知は、たとえば”rlf-InfoAvailable”というパラメータを含む。無線端末装置202は、このパラメータを設定してRRCコネクション再確立完了通知を送信する。これにより、無線基地局装置101Bは、当該無線端末装置202についてRLFの発生があったことを認識する。無線基地局装置101Bは、RLFの詳細な情報を取得するため、端末情報要求(UE Information Request)を無線端末装置202へ送信する(ステップS61)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Bから端末情報要求を受信して、RLFレポートを含む端末情報応答(UE Information Response)を無線基地局装置101Bへ送信する(ステップS62)。RLFレポートは、RLFの発生した無線基地局装置のPCI(Physical Cell ID)、RRCコネクション再確立の発生した無線基地局装置のPCIおよびECGI(E- UTRAN Cell Global Identifier)ならびに自己の無線端末装置202のC−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identifier)等を含む。ここでは、RLF発生のPCIは無線基地局装置101AのIDであり、RRCコネクション再確立発生のPCIおよびECGIは無線基地局装置101BのIDであり、C−RNTIは無線基地局装置101Aが付与したIDである。
次に、無線基地局装置101Bは、無線端末装置202から受信したRLFレポートのPCIを参照することにより、無線基地局装置101AにおいてRLFが発生したことを認識する。そして、無線基地局装置101Bは、”Too Late HO”であることを通知するために、当該RLFレポートの内容を含むRLF通知(RLF INDICATION)をX2インタフェース経由で無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS63)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bから受信したRLF通知のPCI、ECGIおよびC−RNTIを参照することにより、セルCBへの”Too Late HO”が発生したことを認識する(ステップS64)。
次に、無線基地局装置101Aは、セルCBへの”Too Late HO”の発生が抑制されるように、ハンドオーバ動作の最適化処理を実行する(ステップS65)。
図7および図8は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、不適切なハンドオーバ動作(Too Early HO)が生じた状況の一例を示す図である。
図7および図8を参照して、無線基地局装置101Bの形成するセルCBは、無線基地局装置101Bの設置エリアを含むセルCB1と、セルCA内に形成された、無線基地局装置101Bの設置エリアを含まないセルCB2とで構成される。
図9は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、不適切なハンドオーバ動作(Too Early HO)およびその検出処理のシーケンスの一例を示す図である。
”Too Early HO”は、たとえば以下のような場合をいう。すなわち、無線端末装置202がハンドオーバ先の無線基地局装置に対する接続を成功した後、RLFが短時間で発生し、かつ、ハンドオーバ元の無線基地局装置に対して、当該無線端末装置202の接続再確立が生じた場合である。
”Too Early HO”の検出方法は、たとえば以下のようになる。すなわち、ハンドオーバ先の無線基地局装置101Bは、RLFレポートをハンドオーバ元の無線基地局装置101Aから受信した場合において、当該受信タイミングからさかのぼって所定時間内に、当該無線端末装置202の自己へのハンドオーバの完了による端末情報開放指示を無線基地局装置101Aへ送信していたときに、”Too Early HO”である旨を無線基地局装置101Aに通知する。
ここで、無線基地局装置101Bは、上記所定時間を計測するために、タイマを用いる。これにより、無線基地局装置101Bは、RLFレポートを受信した場合において、自己の”Too Late HO”によってRLFが発生したのか、無線基地局装置101Aの”Too Early HO”によってRLFが発生したのかを判別することができる。
ここでは、図7に示すように、無線端末装置202が、セルCA内に位置し、無線基地局装置101Aと通信中である状態から、セルCB2内へ移動した場合(ステップS70)を想定する。
図7〜図9を参照して、まず、無線端末装置202は、無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定し、測定した受信電力の測定結果を示す測定結果通知を無線基地局装置101A(Source eNB, Serving eNB)へ送信する(ステップS71)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、当該無線端末装置202のハンドオーバを行なうべきか否かを判断する。無線基地局装置101Aは、当該無線端末装置202のハンドオーバを行なうべきであると判断すると、周辺セル情報を参照してたとえば無線基地局装置101Bをハンドオーバ先として決定する(ステップS72)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bを示すハンドオーバ要求を、基地局間インタフェースであるX2インタフェース経由で無線基地局装置101Bへ送信する(ステップS73)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aからハンドオーバ要求を受信して、無線基地局装置101Aへ当該ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答をX2インタフェース経由で送信する(ステップS74)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bからハンドオーバ応答を受信して、無線端末装置202へRRCコネクション再構成指示(RRC Connection Reconfiguration)を送信する(ステップS75)。
次に、無線端末装置202および無線基地局装置101B間でRRCコネクションが確立されると、無線端末装置202は、RRCコネクション再構成完了通知(RRC Connection Reconfiguration Complete)を無線基地局装置101Bへ送信する(ステップS76)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線端末装置202からRRCコネクション再構成完了通知を受信して、端末情報解放指示を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS77)。
また、無線基地局装置101Bは、無線端末装置202のセルCBにおける滞在時間を計測するために、タイマをスタートさせる(ステップS78)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bから端末情報解放指示を受信して、無線端末装置202に関する情報(UE Context)を解放する(ステップS79)。
以上により、無線端末装置202の無線基地局装置101Aから無線端末装置202Bへのハンドオーバが完了する(ステップS80)。
ここで、無線端末装置202が、測定結果通知(Measurement Report)を無線基地局装置101Bへ送信する前に、セルCBの圏外かつセルCAの圏内に移動する(ステップS81)。
そうすると、無線端末装置202は、無線基地局装置101Bと通信できなくなることから、RLFが発生してしまう(ステップS83)。
次に、無線端末装置202は、RLF発生を検出すると、無線信号の受信電力の測定等によって周辺の無線基地局装置の探索を行ない、探索した無線基地局装置101Aに再接続するために、RRCコネクション再確立要求(RRC Connection Reestablishment Request)を送信する(ステップS84)。
次に、無線基地局装置101Aは、当該無線端末装置202に関する情報(UE Context)を解放済みであり、保持していないことから、当該無線端末装置202からのRRCコネクション再確立要求を受け入れることができず(ステップS85)、RRCコネクション再確立拒絶を当該無線端末装置202へ送信する(ステップS86)。
次に、無線端末装置202は、RRCコネクション再確立拒絶を無線基地局装置101Aから受信すると、無線基地局装置101Aと通常の接続手順をスタートさせる(ステップS87)。
すなわち、まず、無線端末装置202は、RRCコネクション要求(RRC Connection Request)を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS88)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202からRRCコネクション要求を受信して、RRCコネクション情報(RRC Connection Setup)を無線端末装置202へ送信する(ステップS89)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101AからRRCコネクション情報を受信して、RRCコネクション完了通知(RRC Connection Setup Complete)を送信する(ステップS90)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202からRRCコネクション完了通知を受信して、セキュリティ情報(Security Mode Command)を無線端末装置202へ送信する(ステップS91)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aからセキュリティ情報を受信して、セキュリティ完了通知(Security Mode Complete)を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS92)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202へRRCコネクション再構成指示(RRC Connection Reconfiguration)を送信する(ステップS93)。
次に、無線端末装置202および無線基地局装置101A間でRRCコネクションが確立されると、無線端末装置202は、無線基地局装置101AへRRCコネクション再構成完了通知(RRC Connection Reconfiguration Complete)を送信する(ステップS94)。
ここで、RRCコネクション完了通知およびRRCコネクション再構成完了通知は、たとえば”rlf-InfoAvailable”というパラメータを含む。無線端末装置202は、このパラメータを設定してRRCコネクション完了通知およびRRCコネクション再構成完了通知を送信する。これにより、無線基地局装置101Aは、当該無線端末装置202についてRLFの発生があったことを認識する。無線基地局装置101Aは、RLFの詳細な情報を取得するため、端末情報要求(UE Information Request)を無線端末装置202へ送信する(ステップS95)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aから端末情報要求を受信して、RLFレポートを含む端末情報応答(UE Information Response)を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS96)。RLFレポートは、RLFの発生した無線基地局装置のPCI、RRCコネクション再確立の発生した無線基地局装置のPCIおよびECGIならびに自己の無線端末装置202のC−RNTIを含む。ここでは、RLF発生のPCIは無線基地局装置101BのIDであり、RRCコネクション再確立発生のPCIおよびECGIは無線基地局装置101AのIDであり、C−RNTIは無線基地局装置101Bが付与したIDである。
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202から受信したRLFレポートのPCIを参照することにより、無線基地局装置101BにおいてRLFが発生しことを認識し、セルCAへの”Too Late HO”が発生したと判断する(ステップS97)。
次に、無線基地局装置101Aは、”Too Late HO”であることを通知するために、当該RLFレポートの内容を含むRLF通知(RLF INDICATION)をX2インタフェース経由で無線基地局装置101Bへ送信する(ステップS98)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101AからRLF通知を受信すると、スタートさせておいたタイマを確認し、タイマが動作している場合、すなわちタイマをスタートさせてから所定時間経過していない場合には、セルCAへの”Too Late HO”ではなく、セルCBへの”Too Early HO”であると判断する。なお、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101AからRLF通知を受信したときにタイマが動作していない場合、すなわちタイマをスタートさせてから上記所定時間経過している場合には、セルCAへの”Too Late HO”であると判断する。
無線基地局装置101Bは、セルCBへの”Too Early HO”であると判断すると(ステップS99)、ハンドオーバレポートを無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS100)。このハンドオーバレポートは、たとえば”Handover Report Type”というパラメータを含む。無線基地局装置101Bは、このパラメータを所定値に設定することにより、”Too Early HO”を無線基地局装置101Aに通知する。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bから当該ハンドオーバレポートを受信して、セルCBへの”Too Early HO”が発生したことを認識し(ステップS101)、”Too Early HO”の発生が抑制されるように、ハンドオーバ動作の最適化処理を実行する(ステップS102)。
図10は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、不適切なハンドオーバ動作(HO to Wrong Cell)が生じた状況の一例を示す図である。
図11は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、不適切なハンドオーバ動作(HO to Wrong Cell)およびその検出処理のシーケンスの一例を示す図である。
”HO to Wrong Cell”は、たとえば以下のような場合をいう。すなわち、無線端末装置202がハンドオーバ先の無線基地局装置との接続に成功した後、短時間でRLFが発生し、かつハンドオーバ元およびハンドオーバ先の無線基地局装置以外の無線基地局装置に対する、無線端末装置202の接続再確立が生じた場合である。
”HO to Wrong Cell”の検出方法は、たとえば以下のようになる。すなわち、ハンドオーバ先の無線基地局装置101Bは、RLFレポートをハンドオーバ元の無線基地局装置101A以外の無線基地局装置101Cから受信した場合において、当該受信タイミングからさかのぼって所定時間内に、当該無線端末装置202の自己へのハンドオーバの完了による端末情報開放指示を無線基地局装置101Aへ送信していたときに、”HO to Wrong Cell”である旨を無線基地局装置101Aに通知する。
ここで、無線基地局装置101Bは、上記所定時間を計測するために、タイマを用いる。これにより、無線基地局装置101Bは、RLFレポートを受信した場合において、自己の”Too Late HO”によってRLFが発生したのか、無線基地局装置101Aの”HO to Wrong Cell”によってRLFが発生したのかを判別することができる。
ここでは、図10に示すように、無線端末装置202が、セルCA内に位置し、無線基地局装置101Aと通信中である状態から、仮想セルCBVおよびセルCAの重複領域へ移動した場合(ステップS110)を想定する。仮想セルCBVは、無線基地局装置101Aから無線基地局装置101Bへのハンドオーバを促進するために、パラメータであるオフセットOSTに従ってセルCBから拡大された仮想的なセルである。この場合、オフセットOSTは、無線基地局装置101Aの保持するパラメータである。
図10および図11を参照して、まず、無線端末装置202は、無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定し、測定した受信電力の測定結果を示す測定結果通知を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS111)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、当該無線端末装置202のハンドオーバを行なうべきか否かを判断する。無線基地局装置101Aは、当該無線端末装置202のハンドオーバを行なうべきであると判断すると、周辺セル情報を参照してたとえば無線基地局装置101Bをハンドオーバ先として決定する(ステップS112)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bを示すハンドオーバ要求を、基地局間インタフェースであるX2インタフェース経由で無線基地局装置101Bへ送信する(ステップS113)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aからハンドオーバ要求を受信して、無線基地局装置101Aへ当該ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答をX2インタフェース経由で送信する(ステップS114)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bからハンドオーバ応答を受信して、無線端末装置202へRRCコネクション再構成指示(RRC Connection Reconfiguration)を送信する(ステップS115)。
次に、無線端末装置202および無線基地局装置101B間でRRCコネクションが確立されると、無線端末装置202は、RRCコネクション再構成完了通知(RRC Connection Reconfiguration Complete)を無線基地局装置101Bへ送信する(ステップS116)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線端末装置202からRRCコネクション再構成完了通知を受信して、端末情報解放指示を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS117)。
また、無線基地局装置101Bは、無線端末装置202のセルCBにおける滞在時間を計測するために、タイマをスタートさせる(ステップS118)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bから端末情報解放指示を受信して、無線端末装置202に関する情報(UE Context)を解放する(ステップS119)。
以上により、無線端末装置202の無線基地局装置101Aから無線端末装置202Bへのハンドオーバが完了する(ステップS120)。
ここで、無線端末装置202が、測定結果通知(Measurement Report)を無線基地局装置101Bへ送信する前に、セルCBの圏外、かつ仮想セルCBVおよびセルCCの圏内に移動する(ステップS121)。
そうすると、無線端末装置202は、無線基地局装置101C(Other eNB)から送信される無線信号の干渉が大きく、無線基地局装置101Bと通信できなくなることから、RLFが発生してしまう(ステップS123)。
次に、無線端末装置202は、RLF発生を検出すると、無線信号の受信電力の測定等によって周辺の無線基地局装置の探索を行なう。この場合、無線基地局装置101Cからの無線信号の受信電力が最大となることから、無線端末装置202は、探索した無線基地局装置101Cに再接続するために、RRCコネクション再確立要求(RRC Connection Reestablishment Request)を無線基地局装置101Cへ送信する(ステップS124)。
次に、無線基地局装置101Cは、当該無線端末装置202に関する情報(UE Context)を保持していないことから、当該無線端末装置202からのRRCコネクション再確立要求を受け入れることができず(ステップS125)、RRCコネクション再確立拒絶を当該無線端末装置202へ送信する(ステップS126)。
次に、無線端末装置202は、RRCコネクション再確立拒絶を無線基地局装置101Cから受信して、無線基地局装置101Cと通常の接続手順をスタートさせる(ステップS127)。
すなわち、まず、無線端末装置202は、RRCコネクション要求(RRC Connection Request)を無線基地局装置101Cへ送信する(ステップS128)。
次に、無線基地局装置101Cは、無線端末装置202からRRCコネクション要求を受信して、RRCコネクション情報(RRC Connection Setup)を無線端末装置202へ送信する(ステップS129)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101CからRRCコネクション情報を受信して、RRCコネクション完了通知(RRC Connection Setup Complete)を送信する(ステップS130)。
次に、無線基地局装置101Cは、無線端末装置202からRRCコネクション完了通知を受信して、セキュリティ情報(Security Mode Command)を無線端末装置202へ送信する(ステップS131)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Cからセキュリティ情報を受信して、セキュリティ完了通知(Security Mode Complete)を無線基地局装置101Cへ送信する(ステップS132)。
次に、無線基地局装置101Cは、無線端末装置202へRRCコネクション再構成指示(RRC Connection Reconfiguration)を送信する(ステップS133)。
次に、無線端末装置202および無線基地局装置101C間でRRCコネクションが確立されると、無線端末装置202は、無線基地局装置101CへRRCコネクション再構成完了通知(RRC Connection Reconfiguration Complete)を送信する(ステップS134)。
ここで、RRCコネクション完了通知およびRRCコネクション再構成完了通知は、たとえば”rlf-InfoAvailable”というパラメータを含む。無線端末装置202は、このパラメータを設定してRRCコネクション完了通知およびRRCコネクション再構成完了通知を送信する。これにより、無線基地局装置101Cは、当該無線端末装置202についてRLFの発生があったことを認識する。無線基地局装置101Cは、RLFの詳細な情報を取得するため、端末情報要求(UE Information Request)を無線端末装置202へ送信する(ステップS135)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Cから端末情報要求を受信して、RLFレポートを含む端末情報応答(UE Information Response)を無線基地局装置101Cへ送信する(ステップS136)。RLFレポートは、RLFの発生した無線基地局装置のPCI、RRCコネクション再確立の発生した無線基地局装置のPCIおよびECGIならびに自己の無線端末装置202のC−RNTIを含む。ここでは、RLF発生のPCIは無線基地局装置101BのIDであり、RRCコネクション再確立発生のPCIおよびECGIは無線基地局装置101CのIDであり、C−RNTIは無線基地局装置101Bが付与したIDである。
次に、無線基地局装置101Cは、無線端末装置202から受信したRLFレポートのPCIを参照することにより、無線基地局装置101BにおいてRLFが発生しことを認識し、セルCCへの”Too Late HO”が発生したと判断する(ステップS137)。
次に、無線基地局装置101Cは、”Too Late HO”であることを通知するために、当該RLFレポートの内容を含むRLF通知(RLF INDICATION)をX2インタフェース経由で無線基地局装置101Bへ送信する(ステップS138)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101CからRLF通知を受信すると、スタートさせておいたタイマを確認し、タイマが動作している場合、すなわちタイマをスタートさせてから所定時間経過していない場合には、セルCCへの”Too Late HO”ではないと判断し、さらに、無線基地局装置101A以外の無線基地局装置101CからRLF通知を受信したことから、セルCBへの”Too Early HO”ではなく、セルCBへの”HO to Wrong Cell”であると判断する。なお、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101CからRLF通知を受信したときにタイマが動作していない場合、すなわちタイマをスタートさせてから上記所定時間経過している場合には、セルCCへの”Too Late HO”であると判断する。
無線基地局装置101Bは、セルCBへの”HO to Wrong Cell”であると判断すると(ステップS139)、ハンドオーバレポートを無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS140)。このハンドオーバレポートは、たとえば”Handover Report Type”というパラメータを含む。無線基地局装置101Bは、このパラメータを所定値に設定することにより、”HO to Wrong Cell”を無線基地局装置101Aに通知する。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bから当該ハンドオーバレポートを受信して、セルCBへの”HO to Wrong Cell”が発生したことを認識し(ステップS141)、”HO to Wrong Cell”の発生が抑制されるように、ハンドオーバ動作の最適化処理を実行する(ステップS142)。
以上のような”Too Late HO”、”Too Early HO”および”HO to Wrong Cell”の他に、不適切なハンドオーバ動作として”Ping Pong HO”がある。
これは、ある無線端末装置について、2つの無線基地局装置が互いに他の無線基地局装置へのハンドオーバを判断する場合である。この”Ping Pong HO”が発生すると、無線端末装置および無線基地局装置間の接続が切断されることはないが、当該無線端末装置についてはハンドオーバ動作のための処理が繰り返され、通話およびデータ通信を行なうことができなくなり、また、上位ネットワーク側の負荷が増大してしまう。
[ハンドオーバ動作の制御パラメータ]
図12は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、無線端末装置の受信品質のシミュレーション結果を示す図である。
図12は、無線端末装置202が、時速30kmでピコ基地局付近を通過し、マクロ基地局付近を通過するまでの100秒間における無線端末装置202のRSSI(Received Signal Strength Indication)を示している。
図12において、グラフG1およびG3は、マクロ基地局から送信される無線信号のRSSIを示し、グラフG2およびG4は、ピコ基地局から送信される無線信号のRSSIを示している。また、グラフG1およびG2は、シャドウィング、すなわち無線端末装置202および他の物体間の相対的な位置変化に起因する、当該無線端末装置202における無線信号の受信電力の時間的な変化を考慮したシミュレーション結果であり、グラフG3およびG4は、シャドウィングを考慮しないシミュレーション結果である。
図12を参照して、無線端末装置202のピコ基地局からマクロ基地局へのハンドオーバの理想位置は、グラフの交点付近すなわち移動時間が約17秒となる位置である。しかしながら、実際には、無線端末装置202の未来の通信環境を無線通信システムにおいて把握することは困難であるため、各種測定結果等に基づいてハンドオーバ動作のタイミングを調整することにより、ハンドオーバ動作の最適化を図ることが重要である。
また、移動時間が15秒から20秒の期間では、各無線基地局装置からの無線信号の強弱が入り組んでいるため、たとえば”Too Early HO”または”Ping Pong HO”が発生しやすくなる。また、移動時間が20秒となるタイミング付近では、ピコ基地局からの無線信号の受信電力が急に小さくなり、マクロ基地局からの無線信号の受信電力が急に大きくなり、SINR(Signal to Interference-plus-Noise Ratio)が急激に悪化するため、”Too Late HO”が発生しやすくなる。
ここで、3GPPで規定されたハンドオーバの最適化を図るMRO(Mobility Robustness Optimization)の評価関数をY=MRO(X)とすると、Yは、たとえば”Too Late HO”の発生頻度、”Too Early HO”の発生頻度、”HO to Wrong Cell”の発生頻度、”Ping Pong HO”等の不必要なハンドオーバの発生頻度、またはRRCコネクション情報を送信した直後すなわち無線端末装置202が無線基地局装置に接続された直後のハンドオーバの発生頻度である。
また、たとえば、Xは、電力測定処理(Measurement)用のパラメータであり、ヒステリシスHS:0dB〜+15dB、TTT(Time to Trigger):0ms〜5120ms、またはオフセットOST(Cell Individual Offset):−24dB〜+24dBである。あるいは、Xは、セル再選択処理用のパラメータである。
たとえば、ヒステリシスHSおよびTTTは後述するイベントごとに設定可能であり、オフセットOSTはサービング基地局の形成するサービングセル、および周辺セルごとに設定可能であり、後述するギャップMGおよびフィルタリング係数αはサービングセルごとに設定可能である。
ここでは、無線基地局装置は、無線端末装置202の上り送信負荷を軽減するために、測定結果通知(Measurement Report)を受信するとハンドオーバの判断を行なうものとする。すなわち、測定結果通知の送信タイミングとハンドオーバのタイミングとが対応するものとする。
以下、測定結果通知を送信する各種イベントと電力測定処理のパラメータとの関係について説明する。
図13は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が測定結果通知を送信するイベントA1を示す図である。図13において、横軸は時間であり、縦軸は無線端末装置202における無線信号の受信電力またはSINRであり、SVCはサービングセルの受信電力またはSINRすなわちサービング基地局が送信する無線信号の受信電力またはSINRである。
図13を参照して、イベントA1では、閾値Thに対して正負の方向にヒステリシスHSが設定される。
無線端末装置202は、サービングセルの受信電力またはSINRが(Th+HS)よりも大きくなると、レポートオン状態へ遷移する(タイミングT1)。
そして、無線端末装置202は、受信電力またはSINRが(Th−HS)よりも大きい、という条件が満たされた状態でタイミングT1からTTT経過すると、測定結果通知を送信する(タイミングT2)。
次に、無線端末装置202は、当該条件が満たされた状態でタイミングT2からTTT経過すると、測定結果通知を送信する(タイミングT3)。
次に、無線端末装置202は、タイミングT3からTTT経過するまでに当該条件が満たされなくなると、測定結果通知を送信せず、レポートオフ状態へ遷移する(タイミングT4)。
ここで、無線端末装置202は、レポートオン状態およびレポートオフ状態間の遷移とは無関係に、たとえば周期的に電力測定処理を行なっており、直近の測定結果を測定結果通知として送信する。また、たとえば、無線端末装置202は、受信電力およびSINRの各々について独立にレポートオン状態およびレポートオフ状態間の遷移を行なう。すなわち、無線端末装置202は、受信電力およびSINRの一方について条件を満たせば、測定結果通知を送信する。
図14は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が測定結果通知を送信するイベントA2を示す図である。図の見方は図13と同様である。
図14を参照して、イベントA2では、閾値Thに対して正負の方向にヒステリシスHSが設定される。
無線端末装置202は、サービングセルの受信電力またはSINRが(Th−HS)よりも小さくなると、レポートオン状態へ遷移する(タイミングT11)。
そして、無線端末装置202は、受信電力またはSINRが(Th+HS)よりも小さい、という条件が満たされた状態でタイミングT11からTTT経過すると、測定結果通知を送信する(タイミングT12)。
次に、無線端末装置202は、当該条件が満たされた状態でタイミングT12からTTT経過すると、測定結果通知を送信する(タイミングT13)。
次に、無線端末装置202は、タイミングT13からTTT経過するまでに当該条件が満たされなくなると、測定結果通知を送信せず、レポートオフ状態へ遷移する(タイミングT14)。
図15は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が測定結果通知を送信するイベントA3を示す図である。図15において、横軸は時間であり、縦軸は無線端末装置202における無線信号の受信電力またはSINRであり、SVCはサービングセルの受信電力またはSINRであり、NBCは周辺セルの受信電力またはSINRすなわち周辺基地局が送信する無線信号の受信電力またはSINRである。
図15を参照して、イベントA3では、サービングセルの受信電力またはSINRに対してオフセットOST1が正方向に設定されており、さらに、正負の方向にヒステリシスHSが設定される。また、周辺セルの受信電力またはSINRに対してオフセットOST2が正方向に設定される。
無線端末装置202は、{(周辺セルの受信電力またはSINR)+OST2}が{(サービングセルの受信電力またはSINR)+OST1+HS}よりも大きくなると、レポートオン状態へ遷移する(タイミングT21)。
そして、無線端末装置202は、{(周辺セルの受信電力またはSINR)+OST2}が{(サービングセルの受信電力またはSINR)+OST1−HS}よりも大きい、という条件が満たされた状態でタイミングT21からTTT経過すると、測定結果通知を送信する(タイミングT22)。
次に、無線端末装置202は、当該条件が満たされた状態でタイミングT22からTTT経過すると、測定結果通知を送信する(タイミングT23)。
次に、無線端末装置202は、タイミングT23からTTT経過するまでに当該条件が満たされなくなると、測定結果通知を送信せず、レポートオフ状態へ遷移する(タイミングT24)。
図16は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が測定結果通知を送信するイベントA4を示す図である。図の見方は図15と同様である。
図16を参照して、イベントA4では、周辺セルの受信電力またはSINRに対してオフセットOSTが正方向に設定されており、閾値Thに対して正負の方向にヒステリシスHSが設定される。
無線端末装置202は、{(周辺セルの受信電力またはSINR)+OST}が(Th+HS)よりも大きくなると、レポートオン状態へ遷移する(タイミングT31)。
そして、無線端末装置202は、{(周辺セルの受信電力またはSINR)+OST}が(Th−HS)よりも大きい、という条件が満たされた状態でタイミングT31からTTT経過すると、測定結果通知を送信する(タイミングT32)。
次に、無線端末装置202は、当該条件が満たされた状態でタイミングT32からTTT経過すると、測定結果通知を送信する(タイミングT33)。
次に、無線端末装置202は、タイミングT33からTTT経過するまでに当該条件が満たされなくなると、測定結果通知を送信せず、レポートオフ状態へ遷移する(タイミングT34)。
図17は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が測定結果通知を送信するイベントA5を示す図である。図の見方は図15と同様である。
図17を参照して、イベントA5では、周辺セルの受信電力またはSINRに対してオフセットOSTが正方向に設定されており、閾値Th1に対して正負の方向にヒステリシスHS1が設定されており、閾値Th2に対して正負の方向にヒステリシスHS2が設定される。
無線端末装置202は、サービングセルの受信電力またはSINRが(Th1−HS1)よりも小さくなり、かつ{(周辺セルの受信電力またはSINR)+OST}が(Th2+HS2)よりも大きくなると、レポートオン状態へ遷移する(タイミングT41)。
そして、無線端末装置202は、サービングセルの受信電力またはSINRが(Th1+HS1)よりも小さく、かつ{(周辺セルの受信電力またはSINR)+OST}が(Th2−HS2)よりも大きい、という条件が満たされた状態でタイミングT41からTTT経過すると、測定結果通知を送信する(タイミングT42)。
次に、無線端末装置202は、タイミングT42からTTT経過するまでに当該条件が満たされなくなると、測定結果通知を送信せず、レポートオフ状態へ遷移する(タイミングT43)。
以上のように、イベントA1〜A5で説明したパラメータ、すなわちヒステリシスHS、TTTおよびオフセットOSTを調整すれば、無線端末装置202のハンドオーバ動作のタイミングを制御することが可能である。
図18は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、ヒステリシスHSの調整によるハンドオーバ動作のタイミング制御を示す図である。図18は、イベントA3の場合を示す。
図18を参照して、ヒステリシスHSをゼロに設定した場合には、タイミングT51においてレポ−トオン状態へ遷移し、タイミングT53において測定結果通知が送信され、タイミングT55においてレポートオフ状態へ遷移する。
これに対して、ヒステリシスHSをゼロより大きく設定した場合には、タイミングT51より後のタイミングT52においてレポ−トオン状態へ遷移し、タイミングT53より後のタイミングT54において測定結果通知が送信され、タイミングT55より後のタイミングT56においてレポートオフ状態へ遷移する。
すなわち、ヒステリシスHSを大きくすると、測定結果通知の送信タイミングすなわちハンドオーバ動作のタイミングを遅くすることができる。
図19は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、TTTの調整によるハンドオーバ動作のタイミング制御を示す図である。図19は、イベントA3の場合を示す。
図19を参照して、TTTを小さく設定した場合には、タイミングT62において測定結果通知が送信される。
これに対して、TTTを大きく設定した場合には、タイミングT61より後のタイミングT63において測定結果通知が送信される。
すなわち、TTTを大きくすると、測定結果通知の送信タイミングすなわちハンドオーバ動作のタイミングを遅くすることができる。
図20は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、オフセットOSTの調整によるハンドオーバ動作のタイミング制御を示す図である。図20は、イベントA3の場合を示す。
図20を参照して、オフセットOSTをゼロに設定した場合には、タイミングT71においてレポ−トオン状態へ遷移し、タイミングT73において測定結果通知が送信され、タイミングT76においてレポートオフ状態へ遷移する。
これに対して、オフセットOSTをゼロより小さく設定した場合には、タイミングT71より後のタイミングT72においてレポ−トオン状態へ遷移し、タイミングT73より後のタイミングT74において測定結果通知が送信され、タイミングT76より前のタイミングT75においてレポートオフ状態へ遷移する。
すなわち、オフセットOSTを小さくすると、測定結果通知の送信タイミングすなわちハンドオーバ動作のタイミングを遅くすることができる。
以上のように、ヒステリシスHSを大きくするか、TTTを大きくするか、あるいはオフセットOSTを小さくすることにより、ハンドオーバ動作のタイミングが遅くなる。すなわち、無線端末装置202がサービング基地局に接続される時間が長くなることから、”Too Early HO”、”HO to Wrong Cell”および”Ping Pong HO”の発生頻度が減り、”Too Late HO”の発生頻度が増えることになる。
ここで、ヒステリシスHS、TTTおよびオフセットOSTを調整する効果の違いについて考察する。
いずれのパラメータを調整しても、ハンドオーバのタイミングを調整することができるが、これらの効果は、干渉を含む地形、および無線端末装置の移動速度等によって異なる。
ヒステリシスHSおよびオフセットOSTを調整することは、セルを仮想的に大きくしたり小さくしたりして、ハンドオーバの行なわれる位置を調整することに相当する。たとえば、サービングセルのヒステリシスHSを大きくすることにより、無線信号の受信電力を大きく見せて、他セルへのハンドオーバが行なわれにくくする。また、周辺セルのオフセットOSTを負の値に設定することにより、周辺セルからの無線信号の受信電力を小さく見せて、他セルへのハンドオーバが行なわれにくくする。
また、ヒステリシスHSおよびオフセットOSTは、無線端末装置の移動速度による影響を受けにくいパラメータである。
図21は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、各位置の無線信号の受信電力の一例を示す図である。
図21を参照して、受信電力が極大値となる位置P1,P3,P5では、ヒステリシスHSを調整することにより、ハンドオーバ動作のタイミングを調整することが好ましい。また、受信電力が極小値となる位置P2,P4,P6では、オフセットOSTを調整することにより、ハンドオーバ動作のタイミングを調整することが好ましい。
一方、TTTは、ハンドオーバ動作のタイミングを時間領域で遅らせることが可能なパラメータである。TTTを調整する場合には、ハンドオーバ動作のタイミングが電波環境および地形に依存しない代わりに、ハンドオーバの行なわれる位置が無線端末装置202の移動速度によって大きく変わることになる。たとえば、TTTを大きく設定しすぎると、高速で移動する無線端末装置では、周囲の電波環境の変化が大きいため、ハンドオーバの失敗が生じやすくなる。
図22は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、ハンドオーバ動作のタイミングを制御するためのパラメータの他の例を説明するための図である。
図22を参照して、無線端末装置202は、たとえばギャップMGの時間間隔で、無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定する。
ギャップMGを大きくする場合には、より過去の受信電力がハンドオーバの判断に用いられることになるため、ハンドオーバ動作のタイミングが遅くなる。一方、ギャップMGを小さくする場合には、より最近の受信電力がハンドオーバの判断に用いられることになるため、ハンドオーバ動作のタイミングが早くなる。
ギャップMGを小さくすることにより、より最近の受信電力に基づいた適切なハンドオーバを行なうことが可能となる。一方、ギャップMGを大きくすることにより、無線端末装置202の処理負荷を低減することができる。
また、無線端末装置202は、たとえば、時刻(t−1)において測定した受信電力M(t−1)、時刻(t−1)より後の時刻tにおいて測定した受信電力M(t)およびフィルタリング係数αから、以下の式で表される受信電力MR(t)を算出する。
MR(t)=α×M(t−1)+(1−α)×M(t)
無線端末装置202は、受信電力MR(t)を示す測定結果通知を無線基地局装置へ送信する。
フィルタリング係数αを大きくする場合には、より過去の受信電力が測定結果通知に反映されることになるため、ハンドオーバ動作のタイミングが遅くなる。一方、フィルタリング係数αを小さくする場合には、より最近の受信電力が測定結果通知に反映されることになるため、ハンドオーバ動作のタイミングが早くなる。
ここで、無線基地局装置から無線端末装置202へ送信される測定開始要求(Measurement Configuration)およびRRCコネクション再構成指示(RRC Connection Reconfiguration)には、たとえば、周辺セルごとにオフセットOSTが設定され、イベントA1〜A5のうちの少なくとも1つが設定され、設定イベントに対応するヒステリシスHSおよびTTTが設定される。また、測定開始要求には、サービングセルごとにギャップMGおよびフィルタリング係数αが設定される。
[接続確立状態における無線端末装置の移動状態の検出処理]
図23は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、接続確立状態の無線端末装置が移動状態の検出処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
無線端末装置202は、たとえば無線基地局装置101へのハンドオーバ動作を行った後、ハンドオーバ動作において無線基地局装置101から受信したRRCコネクション再構成指示に含まれる移動状態パラメータ(MobilityStateParameters)に基づいて、自己の移動状態の推定処理を行うことが可能である。
そして、無線端末装置202は、自己の移動状態の推定処理の結果に基づいて、自己の移動状態を通常移動状態(Normal-mobility State)、高速移動状態(High-mobility State)または中速移動状態(Medium-mobility State)に設定する。
図23を参照して、まず、無線端末装置202は、ハンドオーバ動作の実行回数をカウントする期間を計測するためにタイマを用いる。無線端末装置202は、タイマの計測時間を移動状態パラメータにおけるt-Evaluationに設定し、当該タイマを始動させる(ステップS202)。
次に、無線端末装置202は、タイマを始動させてからタイマが満了するまでの間、ハンドオーバ動作の実行回数をカウントする(ステップS204)。
次に、無線端末装置202は、カウントしたハンドオーバ動作の実行回数が移動状態パラメータに含まれるn-CellChangeHigh以上となる場合(ステップS206でYES)、自己の移動状態を高速移動状態に設定する(ステップS208)。
一方、無線端末装置202は、カウントしたハンドオーバ動作の実行回数が上記n-CellChangeHigh未満であり(ステップS206でNO)、かつ移動状態パラメータに含まれるn-CellChangeMedium以上となる場合(ステップS210でYES)、自己の移動状態を中速移動状態に設定する(ステップS212)。
一方、無線端末装置202は、カウントしたハンドオーバ動作の実行回数が上記n-CellChangeMedium未満となる場合(ステップS210でNO)、タイマが満了しているか否かを確認する(ステップS214)。
無線端末装置202は、タイマが満了していない場合、すなわちタイマを始動させてからt-Evaluationに相当する時間が経過していない場合(ステップS214でNO)、引き続きハンドオーバ動作の実行回数をカウントする(ステップS204)。
一方、無線端末装置202は、タイマが満了していた場合、すなわちタイマを始動させてからt-Evaluationに相当する時間が経過した場合(ステップS214でYES)、自己の移動状態を通常移動状態に設定する(ステップS216)。
以上の動作により、無線端末装置202が、接続確立状態において、たとえばt-Evaluationにより示される所定時間内におけるハンドオーバ動作の実行回数に基づいて、自己の移動状態を推定する。
[アイドル状態における無線端末装置の移動状態の検出処理]
図24は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、アイドル状態の無線端末装置が移動状態の検出処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
無線端末装置202は、たとえば無線基地局装置101から受信したRRCコネクション再構成指示に含まれる移動状態パラメータに基づいて、自己の移動状態の推定処理を行うことが可能である。
そして、無線端末装置202は、自己の移動状態の推定処理の結果に基づいて、自己の移動状態を通常移動状態(Normal-mobility State)、高速移動状態(High-mobility State)または中速移動状態(Medium-mobility State)に設定する。
図24を参照して、まず、無線端末装置202は、セル再選択動作の実行回数をカウントする期間を測定するためにタイマを用いる。無線端末装置202は、タイマの計測時間を移動状態パラメータにおけるt-Evaluationに設定し、当該タイマを始動させる(ステップS242)。
次に、無線端末装置202は、タイマを始動させてからタイマが満了するまでの間、セル再選択動作の実行回数をカウントする(ステップS244)。
次に、無線端末装置202は、カウントしたセル再選択動作の実行回数が移動状態パラメータに含まれるn-CellChangeHigh以上となる場合(ステップS246でYES)、自己の移動状態を高速移動状態に設定する(ステップS248)。
一方、無線端末装置202は、カウントしたセル再選択動作の実行回数が上記n-CellChangeHigh未満であり(ステップS246でNO)、かつ移動状態パラメータに含まれるn-CellChangeMedium以上となる場合(ステップS250でYES)、自己の移動状態を中速移動状態に設定する(ステップS252)。
一方、無線端末装置202は、カウントしたセル再選択動作の実行回数が上記n-CellChangeMedium未満となる場合(ステップS250でNO)、タイマが満了しているか否かを確認する(ステップS254)。
無線端末装置202は、タイマが満了していない場合、すなわちタイマを始動させてからt-Evaluationに相当する時間が経過していない場合(ステップS254でNO)、引き続きセル再選択動作の実行回数をカウントする(ステップS244)。
一方、無線端末装置202は、タイマが満了していた場合、すなわちタイマを始動させてからt-Evaluationに相当する時間が経過した場合(ステップS254でYES)、自己の移動状態を通常移動状態に設定する(ステップS256)。
以上の動作により、無線端末装置202は、アイドル状態において、たとえばt-Evaluationにより示される所定時間内におけるセル再選択動作の実行回数に基づいて、自己の移動状態を推定する。
[検出した移動状態に応じたハンドオーバ動作のタイミング調整]
図25は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、接続確立状態の無線端末装置がハンドオーバ動作のタイミング調整を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
無線端末装置202は、接続確立状態において、推定した自己の移動状態に基づいて、ハンドオーバ動作のタイミング調整を行うことが可能である。
図25に示す動作は、たとえば無線基地局装置101によって無線端末装置202にイベントA3が設定された状態において、当該無線端末装置202がイベントA3におけるレポートオン状態へ遷移したときに起動される。
図25を参照して、まず、無線端末装置202は、自己の移動状態が高速移動状態である場合(ステップS282でYES)、自己が保持するTTTにスケール因子であるsf-Highを乗ずる(ステップS284)。
一方、無線端末装置202は、自己の移動状態が高速移動状態でなく(ステップS282でNO)、中速移動状態である場合(ステップS286でYES)、自己が保持するTTTにスケール因子であるsf-Mediumを乗ずる(ステップS288)。
また、無線端末装置202は、自己の移動状態が中速移動状態でない場合(ステップS286でNO)、自己が保持するTTTに対して何もしない(ステップS290)。
以上の動作により、無線端末装置202は、TTTの調整によるハンドオーバ動作のタイミング調整を行う。
無線端末装置202は、レポートオン状態へ遷移した後、たとえば無線基地局装置101Bから送信される無線信号の受信電力がサービング基地局である無線基地局装置101Aから送信される無線信号の受信電力より大きい状態がTTTに相当する時間継続すると、測定した受信電力を示す測定結果通知をサービング基地局へ送信する。
また、無線端末装置202は、上記ステップS284において、自己が保持するTTTにスケール因子であるsf-Highを乗ずる。sf-Highは、たとえば0.25、0.50、0.75または1.00の値をとり、無線基地局装置101から予め通知されている。たとえば、0.25、0.50または0.75の値に設定されたsf-Highを乗じたTTTは、乗じる前のTTTより小さくなる。
また、無線端末装置202は、上記ステップS288において、自己が保持するTTTにスケール因子であるsf-Mediumを乗ずる。sf-Mediumは、たとえば0.25、0.50、0.75または1.00の値をとり、無線基地局装置101から予め通知されている。たとえば、0.25、0.50または0.75の値に設定されたsf-Mediumを乗じたTTTは、乗じる前のTTTより小さくなる。
従って、たとえば高速移動状態において0.25がTTTに乗じられ、また、中速移動状態において0.50がTTTに乗じられると、高速移動状態または中速移動状態におけるTTTは、通常移動状態におけるTTTと比べて小さくなる。このため、無線端末装置202は、高速移動状態または中速移動状態にある場合、通常移動状態にある場合と比べてより早いタイミングで測定結果通知をサービング基地局へ送信する。
サービング基地局は、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、ハンドオーバすべきか否かを判断するので、無線端末装置202は、推定した自己の移動状態に基づいてTTTを小さくすることにより、ハンドオーバ動作のタイミングを早めることが可能となる。
[検出した移動状態に応じたセル再選択動作のタイミング調整]
図26は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、アイドル状態の無線端末装置がセル再選択動作のタイミング調整を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
無線端末装置202は、アイドル状態において推定した自己の移動状態に基づいて、セル再選択動作のタイミング調整を行うことが可能である。
より詳細には、無線端末装置202は、サービング基地局から送信される無線信号の受信電力、および他の無線基地局装置101から送信される無線信号の受信電力を比較する際に、サービング基地局から送信される無線信号の受信電力に、無線基地局装置101から通知されたQhystを加える。
このQhystの値が正の値である場合、無線端末装置202は、サービング基地局から送信される無線信号の受信電力を実際より大きく判断するので、他の無線基地局装置101へのセル再選択が起こりにくくなる。
一方、Qhystの値が負の値である場合、無線端末装置202は、サービング基地局から送信される無線信号の受信電力を実際より小さく判断するので、他の無線基地局装置101へのセル再選択が起こりやすくなる。
無線端末装置202は、このQhystの値を変化させることにより、セル再選択動作のタイミングを調整することが可能である。
図26に示す動作は、たとえば無線端末装置202の移動状態が高速移動状態、中速移動状態、または通常移動状態のいずれかの状態へ遷移したときに起動される。
図26を参照して、まず、無線端末装置202は、自己の移動状態が高速移動状態である場合(ステップS322でYES)、パラメータq-HystSFに含まれるスケール因子であるsf-Highを、自己が保持するQhystに加算する(ステップS324)。
一方、無線端末装置202は、自己の移動状態が高速移動状態でなく(ステップS322でNO)、中速移動状態である場合(ステップS326でYES)、パラメータq-HystSFに含まれるスケール因子であるsf-Mediumを、自己が保持するQhystに加算する(ステップS328)。
また、無線端末装置202は、自己の移動状態が中速移動状態でない場合(ステップS326でNO)、自己が保持するQhystに対して何もしない(ステップS330)。
以上の動作により、無線端末装置202は、Qhystの調整によるセル再選択動作のタイミング調整を行う。
無線端末装置202は、上記ステップS324において、無線基地局装置101から通知されたQhystにスケール因子であるsf-Highを加算する。sf-Highは、たとえば−6dB、−4dB、−2dBまたは0dBの値をとり、無線基地局装置101から予め通知されている。たとえば、−6dB、−4dBまたは−2dBの値に設定されたsf-Highを加算したQhystは、加える前のQhystより小さくなる。
また、無線端末装置202は、上記ステップS328において、無線基地局装置101から通知されたQhystにスケール因子であるsf-Mediumを加算する。sf-Mediumは、たとえば−6dB、−4dB、−2dBまたは0dBの値をとり、無線基地局装置101から予め通知されている。たとえば、−6dB、−4dBまたは−2dBの値に設定されたsf-Mediumを加算したQhystは、加える前のQhystより小さくなる。
従って、たとえば高速移動状態において−6dBがQhystに加算され、また、中速移動状態において−4dBがQhystに加算されると、高速移動状態または中速移動状態におけるQhystは、通常移動状態におけるQhystと比べて小さくなる。このため、無線端末装置202は、高速移動状態または中速移動状態にある場合、通常移動状態にある場合と比べてより早いタイミングで他の無線基地局装置101へのセル再選択動作を開始することが可能となる。
[ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動状態を検出する際に発生する問題点]
図27は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、無線端末装置の移動経路に基づく移動動作の実行回数の比較を示す図である。
図27を参照して、無線基地局装置101A,101Bは、たとえばマクロ基地局であり、それぞれマクロセルMCA,MCBを形成する。また、無線基地局装置101D,101E,101Fは、たとえばピコ基地局であり、それぞれピコセルPCD,PCE,PCFを形成する。
ピコセルPCD,PCEは、マクロセルMCAに含まれており、また、ピコセルPCFは、マクロセルMCBに含まれる。
たとえば無線端末装置202Aが、地点Sから経路Pを経由して地点Eへ移動し、また、無線端末装置202Bが、地点Sから経路Qを経由して地点Eへ移動する場合を想定する。すなわち、無線端末装置202Bは、マクロセルおよびピコセルが混在するヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する。
なお、経路Pおよび経路Qの曲線の長さは等しいとし、無線端末装置202Aおよび無線端末装置202Bは、同じ速度で移動するとする。
無線端末装置202Aは、マクロ基地局である無線基地局装置101Aが形成するマクロセルMCAの圏内である地点Sを出発すると、地点Eに到着する前に、マクロセルMCBの圏内へ入る(ステップS352)。
次に、無線端末装置202Aは、たとえば領域AP1において1回目のハンドオーバ動作を行い、無線基地局装置101Aから無線基地局装置101Bへ接続先を変更する(ステップS354)。
次に、無線端末装置202Aは、ハンドオーバ動作の完了後、マクロセルMCAの圏内を脱し、地点Eへ到着する(ステップS356)。
すなわち、無線端末装置202Aは、地点Sを出発してから地点Eに到着するまでに、1回だけハンドオーバ動作を行う。
一方、無線端末装置202Bは、マクロ基地局である無線基地局装置101Aが形成するマクロセルMCAの圏内である地点Sを出発すると、まず、ピコ基地局である無線基地局装置101Dが形成するピコセルPCDの圏内へ進入する(ステップS358)。この際、たとえば領域AQ1においてハンドオーバ動作が実行され、無線端末装置202Bの接続先は、無線基地局装置101Aから無線基地局装置101Dへ変更される。
次に、無線端末装置202BがピコセルPCDの圏内を脱するまでに、たとえば領域AQ2において2回目のハンドオーバ動作が実行され、無線端末装置202Bの接続先は、無線基地局装置101Dから無線基地局装置101Aへ変更される(ステップS360)。
次に、無線端末装置202Bは、ピコ基地局である無線基地局装置101Eが形成するピコセルPCEの圏内へ進入する(ステップS362)。この際、たとえば領域AQ3において3回目のハンドオーバ動作が実行され、無線端末装置202Bの接続先は、無線基地局装置101Aから無線基地局装置101Eへ変更される。
次に、無線端末装置202BがピコセルPCEの圏内を脱するまでに、たとえば領域AQ4において4回目のハンドオーバ動作が実行され、無線端末装置202Bの接続先は、無線基地局装置101Eから無線基地局装置101Aへ変更される(ステップS364)。
次に、無線端末装置202Bは、マクロセルMCBの圏内へ進入する(ステップS366)。
次に、たとえば領域AQ5において5回目のハンドオーバ動作が実行され、無線端末装置202Bの接続先は、無線基地局装置101Aから無線基地局装置101Bへ変更される(ステップS368)。
次に、無線端末装置202Bは、5回目のハンドオーバ動作の完了後、マクロセルMCAの圏内を脱し、ピコ基地局である無線基地局装置101Fが形成するピコセルPCFの圏内へ進入する(ステップS370)。この際、たとえば領域AQ6において6回目のハンドオーバ動作が実行され、無線端末装置202Bの接続先は、無線基地局装置101Bから無線基地局装置101Fへ変更される。
次に、無線端末装置202BがピコセルPCFの圏内を脱するまでに、たとえば領域AQ7において7回目のハンドオーバ動作が実行され、無線端末装置202Bの接続先は、無線基地局装置101Fから無線基地局装置101Bへ変更される(ステップS372)。
次に、無線端末装置202Aは、7回目のハンドオーバ動作の完了後、マクロセルMCBの圏内に存在する地点Eへ到着する(ステップS374)。
ここで、経路Pおよび経路Qの曲線の長さは等しく、かつ無線端末装置202Aおよび無線端末装置202Bは、同じ速度で移動することを想定している。従って、無線端末装置202Aが地点Sから経路Pを経由して地点Eまで移動するために必要な時間、および無線端末装置202Bが地点Sから経路Qを経由して地点Eまで移動するために必要な時間は等しい。
無線端末装置202Aは、当該時間において1回だけハンドオーバ動作を行うのに対して、無線端末装置202Bは、当該時間において7回ハンドオーバ動作を行う。従って、無線端末装置202Aは、ハンドオーバ動作の実行回数が1回だけと少ないので、たとえば図23に示すステップS216において自己の移動状態を通常移動状態に設定する。
一方、無線端末装置202Bは、ハンドオーバ動作の実行回数が7回と多いので、図23に示すステップS206において、たとえばハンドオーバ動作の実行回数がt-Evaluationに相当する時間においてn-CellChangeHigh以上であると判断し、図23に示すステップS208において自己の移動状態を高速移動状態に設定する。
これにより、たとえば、無線端末装置202Aは、図25に示すステップS290においてTTTを変更しないが、無線端末装置202Bは、自己の移動状態が実際より速い移動状態であると誤って推定してしまい、図25に示すステップS284においてTTTに対してsf-Highを乗ずることによりTTTを短くする。このため、無線端末装置202Bのハンドオーバ動作のタイミングが早まり、無線端末装置202Bにおけるハンドオーバ動作のタイミングが適切でなくなってしまう。
この結果、無線端末装置202Bは、たとえば”Too Early HO”、”HO to Wrong Cell”および”Ping Pong HO”等の不適切なハンドオーバ動作を引き起こしやすくなってしまう。
なお、上記の例では、無線端末装置202が接続確立状態のまま移動するハンドオーバ動作について想定したが、無線端末装置202がアイドル状態のまま選択先のセルを変更しながら移動するセル再選択動作についても、ハンドオーバ動作をセル再選択動作に置き換えることにより、同様に議論できる。
この場合、アイドル状態において地点Sから経路Pを経由して地点Eへ到着した無線端末装置202Aは、セル再選択動作の実行回数が1回だけであるので、たとえば図24に示すステップS256において自己の移動状態を通常移動状態に設定する。
一方、アイドル状態において地点Sから経路Qを経由して地点Eへ到着した無線端末装置202Bは、セル再選択動作の実行回数が7回と多いので、図24に示すステップS246において、たとえばセル再選択動作の実行回数がt-Evaluationに相当する時間においてn-CellChangeHigh以上であると判断し、図24に示すステップS248において自己の移動状態を高速移動状態に設定する。
これにより、たとえば、無線端末装置202Aは、図26に示すステップS330においてQhystを変更しないが、無線端末装置202Bは、自己の移動状態が実際より速い移動状態であると誤って推定してしまい、図26に示すステップS324においてQhystに対して負の値を有するsf-Highを加算することによりQhystを小さくする。このため、無線端末装置202Bは、早すぎるタイミングでセル再選択動作を行うことにより、圏外状態になってしまう場合がある。
この場合、無線端末装置202Bは、セルに在圏するために、無線基地局装置101からの無線信号の周波数を検索する等の処理を実行し直す必要があり、無線端末装置202Bの消費電力の増大およびユーザの使用感の悪化等、種々の問題が生じる。
従って、無線端末装置202の移動状態を正しく推定できないと、不適切なハンドオーバ動作およびセル再選択動作、すなわち不適切な移動動作が発生しやすくなるので、無線端末装置202の移動状態を正しく推定することは重要である。
しかしながら、非特許文献1に記載の技術に従って無線端末装置202の移動状態の推定処理を行う場合、セルの形態およびセルのサイズを考慮せずに、所定時間当たりのハンドオーバ動作またはセルの再選択動作の実行回数のみに基づいて無線端末装置202の移動状態を推定する。
このため、無線端末装置202Aおよび無線端末装置202Bが同じ速度で移動しているにも関わらず、上記のように移動状態の推定結果が異なってしまうという問題が発生する。
本発明の実施の形態に係る無線端末装置202および無線基地局装置101では、以下の構成および動作によりヘテロジーニアスネットワークにおいても移動状態を正しく推定することにより、上記問題を解決する。
[無線端末装置の構成]
図28は、本発明の実施の形態に係る無線端末装置の構成を示す図である。
図28を参照して、無線端末装置202は、アンテナ81と、サーキュレータ82と、無線受信部83と、無線送信部84と、信号処理部85と、制御部88と、入出力部89とを備える。信号処理部85は、受信信号処理部86と、送信信号処理部87とを含む。信号処理部85、制御部88、および入出力部89は、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)等によって実現される。
サーキュレータ82は、アンテナ81において受信されたマクロ基地局、ピコ基地局またはフェムト基地局である無線基地局装置101からの無線信号を無線受信部83へ出力し、また、無線送信部84から受けた無線信号をアンテナ81へ出力する。
無線受信部83は、サーキュレータ82から受けた無線信号をベースバンド信号またはIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、この周波数変換した信号をデジタル信号に変換して受信信号処理部86へ出力する。
受信信号処理部86は、無線受信部83から受けたデジタル信号に対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式におけるFFT(Fast Fourier Transform)等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号の一部または全部を所定のフレームフォーマットに変換し、制御部88へ出力する。
送信信号処理部87は、制御部88から受けた通信データを所定のフレームフォーマットに変換した通信データ、または自ら生成した通信データに対してCDMA(Code Division Multiple Access)方式における拡散処理等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号を無線送信部84へ出力する。
無線送信部84は、送信信号処理部87から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号に周波数変換してサーキュレータ82へ出力する。
制御部88は、受信信号処理部86から受けたフレームフォーマットに格納されたデジタル信号を、たとえば音声データおよび映像データに変換し、必要であるならアナログ信号に変換したのち、スピーカ、マイク、ディスプレイおよびキー入力装置により構成される入出力部89へ出力する。
また、制御部88は、たとえば音声データおよびキー入力装置において受け付けた無線端末装置202を制御するための制御信号等を入出力部89から受ける。そして、制御部88は、必要に応じて受けた音声データおよび制御信号の一部を処理し、処理した音声データおよび制御信号を他の無線端末装置202へ送信するために所定のフレームフォーマットに変換する。
また、制御部88は、無線端末装置202における各ユニットとの間で各種情報をやり取りする。
図29は、本発明の実施の形態に係る無線端末装置における制御部の構成を示す図である。
図29を参照して、制御部88は、設定部11と、移動状態推定部12と、カウント部13と、タイマ14と、基地局種別判定部15と、受信電力測定部(受信電力報告部)16と、通知部(受信電力報告部)17とを含む。
タイマ14は、計測時間を設定して始動させると、設定した計測時間が経過するまで継続して作動する。タイマ14の作動状態を確認することにより、当該タイマ14を始動してから計測時間が経過したかどうかを知ることができる。
カウント部13は、自己の無線端末装置202の移動動作の実行回数をカウントする。具体的には、カウント部13は、たとえば自己の無線端末装置202が接続確立状態にある場合、通信接続先の無線基地局装置101からRRCコネクション再構成指示を受信する回数を、カウント基準に従ってカウントする。カウント基準の詳細については後述する。
また、カウント部13は、たとえば自己の無線端末装置202がアイドル状態にある場合、端末登録処理であるアタッチ処理を実行する回数を、カウント基準に従ってカウントする。
カウント部13は、たとえば無線基地局装置101からカウント基準を取得する。具体的には、カウント基準は、たとえば無線基地局装置101により送信される報知情報または移動制御情報(MobilityControlInfo)を含むRRCコネクション再構成指示に含められる。ここで、移動制御情報を含むRRCコネクション再構成指示は、ハンドオーバコマンドとも称される。
カウント部13は、無線基地局装置101から受信した当該報知情報または当該ハンドオーバコマンドからカウント基準を取得する。また、カウント基準は、たとえば無線端末装置202により予め保持されていてもよい。
また、カウント部13は、実行された自己の無線端末装置202の移動動作が所定条件を満たす場合には、上記所定条件を満たす移動動作をカウントの対象から除外する。
たとえば、カウント部13は、無線基地局装置101から取得した情報に基づいて、上記所定条件を満たすか否かを判断する。
具体的には、カウント部13は、たとえば報知情報を無線基地局装置101から受信し、受信した報知情報に基づいて、移動元または移動先の無線基地局装置がピコ基地局またはフェムト基地局等の小型基地局であるかどうかを判断する。
より詳細には、カウント部13は、受信した報知情報に含まれかつ小型基地局の情報が記載されている情報、たとえばスモールセルリスト、周辺セル情報、またはSIB9(SystemInformationBlockType9)に基づいて、移動元または移動先の無線基地局装置が小型基地局であるかどうかを判断する。
また、カウント部13は、受信した報知情報を送信した無線基地局装置101が小型基地局であるかどうかを示す1ビットのフラグが当該報知情報において含まれる場合、上記フラグを確認することにより当該無線基地局装置101が小型基地局であるかどうかを判断してもよい。
カウント部13は、移動動作完了後の、移動元または移動先の無線基地局装置101が小型基地局である場合、上記所定条件を満たすと判断する。
また、たとえば、カウント部13は、自己の無線端末装置202の無線基地局装置101への移動動作が行われてから他の無線基地局装置101への移動動作が行われるまでの滞在時間が所定のしきい値未満の場合に、上記所定条件を満たすと判断し、上記移動動作をカウントの対象から除外する。
具体的には、カウント部13は、移動動作の完了後、上記所定のしきい値に相当する計測時間をタイマにセットする。そして、カウント部13は、次の移動動作が発生するとタイマ14が満了したか否かを確認する。
カウント部13は、タイマ14が満了していない場合、すなわちタイマ14を始動させてから上記所定のしきい値に相当する時間が経過していない場合、滞在時間が上記所定のしきい値に相当する値未満であると判断し、上記移動動作をカウントの対象から除外する。
また、たとえば、カウント部13は、自己の無線端末装置202の他の無線基地局装置101から小型基地局への移動動作が行われた場合に、上記所定条件を満たすと判断し、上記移動動作をカウントの対象から除外する。
また、たとえば、カウント部13は、自己の無線端末装置202の小型基地局から他の無線基地局装置101への移動動作が行われた場合に、上記所定条件を満たすと判断し、上記移動動作をカウントの対象から除外する。
また、たとえば、カウント部13は、自己の無線端末装置202のマクロ基地局から他の無線基地局装置101、または他の無線基地局装置101からマクロ基地局への移動動作が行われた場合に、上記所定条件を満たさないと判断し、上記移動動作をカウントの対象とする。
基地局種別判定部15は、移動動作における移動元または移動先の無線基地局装置101から送信される無線信号の送信電力に基づいて、上記移動動作における移動元または移動先の無線基地局装置101の種別を判定する。
具体的には、基地局種別判定部15は、報知情報に含まれるRRC情報(Radio Resource Control Information Elements)におけるPDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)-Configの参照信号電力(referenceSignalPower)を取得する。
たとえば、マクロ基地局が形成するマクロセルの大きさは半径数百メートルから数十キロメートルであり、ピコ基地局またはフェムト基地局等の小型基地局が形成するセルの大きさは10〜200mである。これは、マクロ基地局が送信する無線信号の送信電力、および小型基地局が送信する無線信号の送信電力の大きさが大きく異なるためである。
従って、基地局種別判定部15は、取得した参照信号電力に基づいて、無線基地局装置101の種別を判定することができる。基地局種別判定部15は、判定した無線基地局装置101の種別をカウント部13へ通知する。具体的な種別は、たとえば小型基地局およびマクロ基地局である。
そして、カウント部13は、たとえば基地局種別判定部15の判定結果に基づいて、上記所定条件を満たすか否かを判断する。
具体的には、カウント部13は、移動動作の完了後において、基地局種別判定部15から移動元または移動先の無線基地局装置101の種別を取得する。そして、カウント部13は、取得した種別がたとえば小型基地局である場合、上記所定条件を満たすと判断し、上記移動動作をカウントの対象から除外する。
移動状態推定部12は、カウント部13によってカウントされた移動動作の実行回数に基づいて、自己の無線端末装置202の移動状態を推定する。
具体的には、移動状態推定部12は、たとえばハンドオーバ動作において受信したRRCコネクション再構成指示に含まれる移動状態パラメータのt-Evaluationをタイマ14の計測時間に設定し、当該タイマ14を始動させる。この際、移動状態推定部12は、カウント部13により計測される移動動作の実行回数をゼロにリセットする。
そして、移動状態推定部12は、タイマ14を始動させてからタイマ14が満了するまで、カウント部13により計測される移動動作の実行回数を監視する。
移動状態推定部12は、上記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置202の移動状態をたとえば高速移動状態、中速移動状態または通常移動状態のいずれかに設定する。
また、移動状態推定部12は、設定した自己の無線端末装置202の移動状態を、通知部17経由で無線基地局装置101へ送信する。
設定部11は、移動状態推定部12によって推定された移動状態に基づいて、自己の無線端末装置202の移動動作の実行判断に関わる自己の無線端末装置202の設定、すなわち当該実行判断に影響する自己の無線端末装置202の設定を行う。
具体的には、設定部11は、自己の無線端末装置202がアイドル状態にある場合、以下の処理を行う。すなわち、設定部11は、自己の無線端末装置202の移動状態に応じて、たとえば他の無線基地局装置101へのセル再選択動作の実行判断に影響を与えるQhystに加算するスケール因子を変更する。
また、設定部11は、たとえば自己の無線端末装置202が接続確立状態にある場合、移動状態推定部12によって推定された移動状態に基づいて、自己の無線端末装置202のハンドオーバ動作の実行判断に関わる自己の無線端末装置202の動作に関する設定、すなわち当該実行判断に影響する自己の無線端末装置202の動作に関する設定を行う。
すなわち、設定部11は、自己の無線端末装置202の移動状態に応じて、たとえばハンドオーバ動作のタイミングに影響を与えるTTTに乗ずるスケール因子を変更する。
そして、設定部11は、たとえば自己の無線端末装置202が保持するTTTに対して変更したスケール因子を乗ずることによりTTTの値を設定し、設定したTTTを受信電力測定部16へ出力する。
受信電力測定部16は、たとえば自己の無線端末装置202と接続確立状態にある無線基地局装置101であるサービング基地局から測定開始要求を受信すると、受信した測定開始要求に含まれる周辺セル情報を参照する。
次に、受信電力測定部16は、周辺セル情報に基づいて、サービング基地局を含む測定対象となる無線基地局装置101の送信周波数を特定し、当該測定対象となる無線基地局装置101から送信される、当該送信周波数の無線信号の受信電力を測定する。
そして、受信電力測定部16は、たとえば自己の無線端末装置202において、イベントA3がサービング基地局により設定されている場合、以下の処理を行う。
すなわち、受信電力測定部16は、サービング基地局以外の他の無線基地局装置101により送信される無線信号の受信電力が、サービング基地局により送信される無線信号の受信電力より大きくなると、自己の無線端末装置202をレポートオン状態へ遷移させる。
この際、受信電力測定部16は、設定部11から受けたTTTをタイマ14の計測時間に設定し、当該タイマ14を始動させる。そして、受信電力測定部16は、上記他の無線基地局装置101およびサービング基地局により送信される無線信号の受信電力を監視する。
たとえば、受信電力測定部16は、サービング基地局により送信される無線信号の受信電力において、オフセットOST1およびヒステリシスHSを設定してもよい。また、受信電力測定部16は、上記他の無線基地局装置101により送信される無線信号の受信電力において、オフセットOST2を設定してもよい。
受信電力測定部16は、たとえば上記他の無線基地局装置101により送信される無線信号の受信電力が、サービング基地局により送信される無線信号の受信電力より大きい状態が、タイマ14を始動させてからタイマ14が満了するまで継続すると、以下の処理を行う。
すなわち、受信電力測定部16は、上記測定対象となる無線基地局装置101から送信される無線信号の受信電力を示す測定結果通知すなわちメジャメントレポートを通知部17へ出力する。
通知部17は、受信電力測定部16からメジャメントレポートを受けると、受けたメジャメントレポートを送信信号処理部87経由でサービング基地局へ送信する。この際、通知部17は、当該メジャメントレポートに、移動状態推定部12から受けた自己の無線端末装置202の移動状態を含めてもよい。
メジャメントレポートは、サービング基地局において、メジャメントレポートを送信してきた無線端末装置202のハンドオーバを行うべきか否かについての判断に用いられる。
[無線基地局装置の構成]
図30は、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置の構成を示す図である。
図30を参照して、無線基地局装置(通信制御装置)101は、アンテナ91と、サーキュレータ92と、無線受信部93と、無線送信部94と、信号処理部95と、制御部98とを備える。信号処理部95は、受信信号処理部96と、送信信号処理部97とを含む。信号処理部95および制御部98は、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)等によって実現される。
サーキュレータ92は、アンテナ91において受信された無線端末装置202からの無線信号を無線受信部93へ出力し、また、無線送信部94から受けた無線信号をアンテナ91へ出力する。
無線受信部93は、サーキュレータ92から受けた無線信号をベースバンド信号またはIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、この周波数変換した信号をデジタル信号に変換して受信信号処理部96へ出力する。
受信信号処理部96は、無線受信部93から受けたデジタル信号に対してCDMA(Code Division Multiple Access)方式における逆拡散等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号の一部または全部を所定のフレームフォーマットに変換してコアネットワーク301側へ送信する。
送信信号処理部97は、コアネットワーク301側から受信した通信データを所定のフレームフォーマットに変換した通信データまたは自ら生成した通信データに対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式におけるIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号を無線送信部94へ出力する。
無線送信部94は、送信信号処理部97から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号に周波数変換してサーキュレータ92へ出力する。
制御部98は、無線基地局装置101における各ユニット、他の無線基地局装置101、およびコアネットワーク301との間で各種情報をやり取りする。
図31は、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置における制御部の構成を示す図である。
図31を参照して、制御部98は、基地局検出部(カウント基準作成部)21と、カウント方法リスト作成部(カウント基準作成部)22と、カウント方法リスト通知部(カウント基準通知部)23とを含む。
図32は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、カウント方法リストの一例を示す図である。
図33は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、カウント方法リストの他の一例を示す図である。
基地局検出部21は、たとえば休止状態にある周辺基地局が始動することにより、X2インタフェースを介した当該周辺基地局との通信接続の確立を検出すると、当該周辺基地局のIDをカウント方法リスト作成部22へ出力する。
カウント方法リスト作成部22は、検出された無線基地局装置101のIDを基地局検出部21から受けると、受けたIDに基づいて、カウント基準を示すカウント方法リストを更新する。カウント基準は、具体的にはカウント方法リストに含まれる「カウント対象」または「重み付け係数」である。
図32を参照して、図32の(A)に示すカウント方法リスト41は、たとえば、無線基地局装置101の「ID」と、「カウント対象」との対応関係を示す。
「カウント対象」は、IDにより示される無線基地局装置101への移動動作を、移動動作の実行回数のカウント対象とすべきか否かについての基準を示す。
たとえば、図32の(A)に示す「ID」が1、3、10および25の無線基地局装置101は、対応する「カウント対象」が真であるので、当該無線基地局装置101への移動動作は、移動動作の実行回数のカウント対象とすべき移動動作であることを示す。
また、たとえば、図32の(A)に示す「ID」が32および79の無線基地局装置101は、対応する「カウント対象」が偽であるので、当該無線基地局装置101への移動動作は、移動動作の実行回数のカウント対象とすべきでない移動動作であることを示す。
すなわち、「カウント対象」が示す真および偽は、移動動作の実行回数のカウント対象とすべきか否かについてのカウント基準を示す。
図33を参照して、図33の(A)に示すカウント方法リスト42は、たとえば、無線基地局装置101の「ID」と、「重み付け係数」との対応関係を示す。
「重み付け係数」は、具体的には、無線基地局装置101毎に、当該無線基地局装置101の種別に応じて付与される係数を示す。たとえば、無線端末装置202が無線基地局装置101への移動動作を行う場合に、当該無線端末装置202が当該移動動作の実行回数をカウントする際のカウント値に対して当該係数を乗ずることにより、当該移動動作を重み付けする。
たとえば、図33の(A)に示すように「ID」が1、3、10および25の無線基地局装置101は、対応する「重み付け係数」が全て1.0であるので、当該無線基地局装置101への移動動作が実行されると、当該移動動作の実行回数としてカウントすべきカウント値は1となる。
また、たとえば、図33の(A)に示すように「ID」が32および79の無線基地局装置101は、対応する「重み付け係数」が全て0.5であるので、当該無線基地局装置101への移動動作が実行されると、当該移動動作の実行回数としてカウントすべきカウント値は0.5となる。
すなわち、「重み付け係数」が示す値は、移動動作の実行回数としてカウントすべきカウント値のカウント基準を示す。
再び図31を参照して、たとえば、カウント方法リスト作成部22は、検出された無線基地局装置101のIDを基地局検出部21から受けると、当該IDに基づいて、当該無線基地局装置101の種別を特定する。
そして、カウント方法リスト作成部22は、たとえば特定した種別がマクロ基地局である場合、カウント対象として「真」を当該IDと共にカウント方法リスト41へ追加し、また、特定した種別が小型基地局である場合、カウント対象として「偽」を当該IDと共にカウント方法リスト41へ追加する。
また、カウント方法リスト作成部22は、たとえば特定した種別がマクロ基地局である場合、重み付け係数として「1.0」を当該IDと共にカウント方法リスト42へ追加し、また、特定した種別が小型基地局である場合、重み付け係数として「0.5」を当該IDと共にカウント方法リスト41へ追加してもよい。
カウント方法リスト作成部22は、カウント対象または重み付け係数を追加することにより更新したカウント方法リスト41または42を、カウント方法リスト通知部23へ出力する。
なお、カウント方法リスト作成部22は、更新すべきカウント方法リスト41または42を保持していない場合、カウント方法リストを新たに作成してもよい。また、カウント方法リスト作成部22は、たとえば他の無線基地局装置101からカウント方法リスト41または42を取得できる場合、取得したカウント方法リスト41または42をカウント方法リスト通知部23へ出力してもよい。
また、カウント方法リスト作成部22は、たとえば図32の(B)に示すような、無線基地局装置101の種別と、当該無線基地局装置101のカウント対象との対応関係を示すカウント方法リスト43を作成してもよい。
また、カウント方法リスト作成部22は、たとえば図33の(B)に示すような、無線基地局装置101の種別と、当該無線基地局装置101の重み付け係数との対応関係を示すカウント方法リスト44を作成してもよい。
そして、カウント方法リスト作成部22は、作成したカウント方法リスト43または44を、カウント方法リスト通知部23へ出力する。
カウント方法リスト通知部23は、カウント方法リスト作成部22からカウント方法リスト41、42、43または44を受けると、受けたカウント方法リスト41、42、43または44の一部または全部を、他の無線基地局装置101または無線端末装置202へ送信する。
より詳細には、カウント方法リスト通知部23は、たとえば自己の無線基地局装置101がマクロ基地局または後述する管理基地局である場合、自己の無線基地局装置101が形成するセル内に位置する小型基地局、および自己の無線基地局装置101が形成するセルに隣接するセルを形成する無線基地局装置101へ、カウント方法リスト41、42、43または44を送信する。
また、カウント方法リスト通知部23は、たとえば自己の無線基地局装置101が送信する報知情報にカウント方法リスト41、42、43または44を含めることにより、自己の無線基地局装置101が形成するセルに在圏する無線端末装置202へカウント方法リスト41、42、43または44を送信信号処理部97経由で送信する。
また、カウント方法リスト通知部23は、カウント方法リスト41または42に含まれる情報を、たとえば周辺セル情報に含める。具体的には、カウント方法リスト通知部23は、カウント方法リスト41または42において、周辺セル情報に含まれるセルIDに対応するカウント対象または重み付け係数の値を特定する。
次に、カウント方法リスト通知部23は、特定したカウント対象または重み付け係数の値を、当該セルIDに対応付けて当該周辺セル情報に含める。
そして、カウント方法リスト通知部23は、たとえば自己の無線基地局装置101が送信する報知情報に当該周辺セル情報を含めることにより、自己の無線基地局装置101が形成するセルに在圏する無線端末装置202へ、カウント方法リスト41または42に含まれる情報を送信信号処理部97経由で送信する。
また、カウント方法リスト通知部23は、自己の無線基地局装置101が当該無線基地局装置101と接続確立状態にある無線端末装置202をハンドオーバさせる際に、以下の処理を行う。
すなわち、カウント方法リスト通知部23は、カウント方法リスト41または42を参照することにより、当該無線端末装置202のハンドオーバ先となる無線基地局装置101のIDに対応するカウント対象または重み付け係数の値を特定する。
そして、カウント方法リスト通知部23は、たとえば当該無線端末装置202へ送信信号処理部97経由で送信するハンドオーバコマンドであるRRCコネクション再構成指示に、特定したカウント対象または重み付け係数の値を含める。
当該無線端末装置202は、当該RRCコネクション再構成指示を受信すると、受信したRRCコネクション再構成指示に含まれるカウント対象または重み付け係数の値に基づいて、当該移動動作の実行回数をカウントすることができる。
また、カウント方法リスト通知部23は、たとえば図32の(C)に示す、無線基地局装置101のIDおよび当該無線基地局装置101の種別の対応関係を、自己の無線基地局装置101が送信する報知情報に含めて無線端末装置202へ送信してもよい。
無線端末装置202は、無線基地局装置101から受信した、図32の(B)に示すカウント方法リスト43および図32の(C)に示すIDと種別との対応関係を参照することにより、カウント対象に基づいて、移動動作の実行回数をカウントすることが可能となる。
また、無線端末装置202は、1または複数の無線基地局装置101から受信した、図33の(B)に示すカウント方法リスト44および図32の(C)に示すIDと種別との対応関係を参照することにより、重み付け係数に基づいて、移動動作の実行回数をカウントすることが可能となる。
[カウント方法リストの更新処理およびカウント基準の通知処理]
図34は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、無線端末装置の移動経路の一例を示す図である。
図34を参照して、無線基地局装置101A,101Bは、たとえばマクロ基地局であり、それぞれマクロセルMCA,MCBを形成する。また、無線基地局装置101D,101Eは、たとえばピコ基地局である。
ここでは、無線基地局装置101Dは、活性状態にあり、無線信号を送信することによりピコセルPCDを形成する。ピコセルPCDは、マクロセルMCAに含まれる。
一方、無線基地局装置101Eは、休止状態にあり、無線信号を送信しない。また、無線基地局装置101Eが、たとえば活性状態に遷移した場合には、ピコセルPCEを形成する。ピコセルPCEは、マクロセルMCAに含まれ、かつピコセルPCDとは重ならない。
ピコセルPCDの隣接セルは、マクロセルMCAのみとなる。このため、無線基地局装置101Dが得ることが可能な、不適切なハンドオーバについての情報は、ピコセルPCDおよびマクロセルMCAに関連した不適切なハンドオーバに関する情報のみである。
同様に、ピコセルPCEの隣接セルは、マクロセルMCAのみとなる。このため、無線基地局装置101Eが得ることが可能な、不適切なハンドオーバについての情報は、ピコセルPCEおよびマクロセルMCAに関連した不適切なハンドオーバに関する情報のみである。
一方、マクロセルMCAの隣接セルは、ピコセルPCD、ピコセルPCEおよびマクロセルMCBである。このため、無線基地局装置101Aが得ることが可能な、不適切なハンドオーバについての情報は、ピコセルPCDおよびマクロセルMCAに関連した不適切なハンドオーバ、ピコセルPCEおよびマクロセルMCAに関連した不適切なハンドオーバ、およびマクロセルMCBおよびマクロセルMCAに関連した不適切なハンドオーバに関する情報である。
従って、マクロ基地局である無線基地局装置101Aが、少なくとも自己が形成するセル内に位置する小型基地局について管理することが好ましい。この場合における管理とは、無線基地局装置101毎にカウント基準を設定し、設定したカウント基準を含めたカウント方法リストを当該小型基地局へ通知することを意味する。
以下、他の無線基地局装置101を管理する無線基地局装置101を管理基地局と称する。また、当該無線基地局装置101によって管理される当該他の無線基地局装置101を被管理基地局と称する。
また、無線基地局装置101は、以下の基準を用いて、自己が管理基地局または被管理基地局であるべきかについて判断してもよい。すなわち、無線基地局装置101は、自己が形成するセルにおける無線基地局装置101の設置数の密度に基づいて、自己が管理基地局または被管理基地局のどちらであるかについて判断する。
具体的には、無線基地局装置101は、自己の送信電力に基づいて、自己が形成するセルの大きさを見積もり、また、周辺基地局の数に基づいて、当該セルに含まれる無線基地局装置101の数を見積もる。
これにより、無線基地局装置101は、自己が形成するセルにおける無線基地局装置101の設置数の密度を見積もることができる。
無線基地局装置101は、たとえば自己が形成するセルにおける無線基地局装置101の設置数の密度が所定のしきい値より大きい場合、管理基地局として動作すべきと判断する。また、無線基地局装置101は、たとえば自己が形成するセルにおける無線基地局装置101の設置数の密度が所定のしきい値より小さい場合、被管理基地局として動作すべきと判断する。
たとえば、図34に示す無線通信システムにおいては、無線基地局装置101Aが管理基地局となり、無線基地局装置101Dおよび無線基地局装置101Eが無線基地局装置101Aの被管理基地局となる。また、無線基地局装置101Bは、無線基地局装置101Aの周辺基地局の一つである。
図35は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける、カウント方法リストの更新処理および無線端末装置へのカウント基準の通知処理のシーケンスの一例を示す図である。
ここでは、図34に示すように、無線端末装置202Aが、たとえばピコセルPCD内における地点Sにおいて、無線基地局装置101Dと接続確立状態にある状況を想定する。
以下、図34および図35を適宜参照しながら、無線端末装置202A、無線基地局装置101A、無線基地局装置101D、無線基地局装置101E、および無線基地局装置101Bの動作を説明する。
まず、無線基地局装置101Eは、たとえば休止状態から活性状態へ遷移し、無線信号の送信を開始する(ステップS752)。無線基地局装置101Eは、無線信号を送信することにより、図34に示すようにピコセルPCEを形成する。
次に、無線基地局装置101Eは、たとえば自己が形成するピコセルPCEに隣接するマクロセルMCAを形成する無線基地局装置101Aと、X2インタフェースを介した通信接続を確立する(ステップS754)。
次に、管理基地局である無線基地局装置101Aは、X2インタフェースを介した無線基地局装置101Eとの通信接続の確立を検出すると、以下の処理を行う。すなわち、無線基地局装置101Aは、休止状態であった被管理基地局である無線基地局装置101Eが活性状態へ遷移したことを認識し、たとえば無線基地局装置101EのIDおよび当該IDに対応するカウント基準をカウント方法リストに追加することにより、当該カウント方法リストを更新する(ステップS756)。管理基地局によるカウント方法リストの更新処理の詳細については後述する。
次に、無線基地局装置101Aは、更新したカウント方法リストを被管理基地局である無線基地局装置101Eへ送信する(ステップS758)。
また、無線基地局装置101Aは、更新したカウント方法リストを被管理基地局である無線基地局装置101Dへ送信する(ステップS760)。
また、無線基地局装置101Aは、更新したカウント方法リストを無線基地局装置101Bへ送信する(ステップS762)。
次に、無線基地局装置101Dは、無線基地局装置101Aから受けたカウント方法リストに基づいて、自己が形成するピコセルPCD内に在圏する無線端末装置202Aへカウント基準を送信する(ステップS764)。非管理基地局によるカウント基準の送信処理の詳細については後述する。
次に、無線端末装置202Aは、自己と接続確立状態の無線基地局装置101Dからカウント基準を受信した後、ピコセルPCD内に位置する地点SからマクロセルMCA内に位置する地点Mへ向けて移動を開始する(ステップS766)。
次に、たとえば領域AD1においてハンドオーバ動作が実行され、無線端末装置202Aの接続先は、無線基地局装置101Dから無線基地局装置101Aへ変更される(ステップS768)。
次に、無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Dから受信したカウント基準に基づいて、移動動作の実行回数をカウントする(ステップS770)。
次に、無線端末装置202Aは、マクロセルMCA内に位置する地点Mへ到着すると、ピコセルPCE内に位置する地点Eへ向けて移動を開始する(ステップS772)。また、無線端末装置202Aは、マクロセルMCA内において、カウント基準を無線基地局装置101Aから受信してもよい。
次に、たとえば領域AE1においてハンドオーバ動作が実行され、無線端末装置202Aの接続先は、無線基地局装置101Aから無線基地局装置101Eへ変更される(ステップS774)。
次に、無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Dまたは無線基地局装置101Aから受信したカウント基準に基づいて、移動動作の実行回数をカウントする(ステップS776)。
次に、無線端末装置202Aは、ピコセルPCE内に位置する地点Eへ到着する。以上の動作により、カウント方法リストの更新処理および無線端末装置へのカウント基準の通知処理が完了する。
図36は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置がカウント方法リストの更新処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
以下は、図35に示す、カウント方法リストの更新処理を行う管理基地局である無線基地局装置101Aの詳細な動作であり、図35におけるステップS754からS762までの動作に対応する。
図36を参照して、まず、無線基地局装置101Aは、たとえば無線基地局装置101が休止状態から活性状態へ遷移することにより発生する、当該無線基地局装置101とのX2インタフェースを介した通信接続の確立を監視する(ステップS802)。
次に、無線基地局装置101Aは、当該無線基地局装置101とのX2インタフェースを介した通信接続の確立を検出すると(ステップS802でYES)、当該無線基地局装置101が小型基地局であるか否かを判断する(ステップS804)。
次に、無線基地局装置101Aは、当該無線基地局装置101が小型基地局でないと判断すると(ステップS804でNO)、たとえば図33の(A)に示すように、当該無線基地局装置101のIDおよび当該IDに対応するカウント基準を示す重み付け係数である1.0を、カウント方法リスト42に追加する(ステップS806)。
一方、無線基地局装置101Aは、当該無線基地局装置101が小型基地局であると判断すると(ステップS804でYES)、たとえば図33の(A)に示すように、当該無線基地局装置101のIDおよび当該IDに対応するカウント基準を示す重み付け係数である0.5を、カウント方法リスト42に追加する(ステップS808)。
次に、無線基地局装置101Aは、たとえば周辺セル情報を参照することにより、被管理基地局を含む自己の周辺に位置する周辺基地局へ、当該カウント方法リストを送信する(ステップS810)。
なお、無線基地局装置101Aは、上記ステップS806において、当該無線基地局装置101のIDに対応する重み付け係数でなく、たとえば図32の(A)に示すように、当該IDに対応するカウント対象を示す「真」を、カウント方法リスト41に追加してもよい。
また、無線基地局装置101Aは、上記ステップS808において、当該無線基地局装置101のIDに対応する重み付け係数でなく、たとえば図32の(A)に示すように、当該IDに対応するカウント対象を示す「偽」を、カウント方法リスト41に追加してもよい。
また、管理基地局である無線基地局装置101Aは、たとえば他の無線基地局装置101が活性状態から休止状態へ遷移する際に、当該他の無線基地局装置101に関する情報をカウント方法リストから削除することにより、カウント方法リストの更新処理を行ってもよい。以下に、当該処理の詳細を示す。
図37は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置がカウント方法リストの更新処理を行う際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
図37を参照して、まず、無線基地局装置101Aは、たとえば無線基地局装置101が活性状態から休止状態へ遷移することによる、当該無線基地局装置101とのX2インタフェースを介した通信接続の切断を監視する(ステップS832)。
次に、無線基地局装置101Aは、当該無線基地局装置101とのX2インタフェースを介した通信接続の切断を検出すると(ステップS832でYES)、当該無線基地局装置101のIDを特定する(ステップS834)。
次に、無線基地局装置101Aは、たとえば図33の(A)に示すカウント方法リスト42を参照し、たとえば当該IDに対応する項目を特定し、特定した項目をカウント方法リスト42から削除する(ステップS836)。
次に、無線基地局装置101Aは、たとえば周辺セル情報を参照することにより、被管理基地局を含む自己の周辺に位置する周辺基地局へ、当該カウント方法リストを送信する(ステップS838)。
なお、無線基地局装置101Aは、上記ステップS836において、カウント方法リスト42における当該無線基地局装置101のIDに対応する項目でなく、たとえば図32の(A)に示すカウント方法リスト41における当該IDに対応する項目を、カウント方法リスト41から削除してもよい。
図38は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が無線端末装置へカウント基準を通知する際の動作手順を定めたフローチャートである。
以下は、図35に示す被管理基地局である無線基地局装置101Dが、無線端末装置202Aへカウント基準を通知する際の詳細な動作であり、図35におけるステップS760およびS764の動作に対応する。
図38を参照して、まず、無線基地局装置101Dは、たとえば管理基地局である無線基地局装置101Aからカウント方法リスト41、42、43または44を受信し、受信したカウント方法リスト41、42、43または44を保持する(ステップS852)。
次に、無線基地局装置101Dは、たとえば保持しているカウント方法リスト41、42、43または44を含めた報知情報を送信することにより、自己が形成するセルに在圏する無線端末装置202へ当該カウント方法リスト41、42、43または44を送信する(ステップS854)。
以上の動作により、無線端末装置202は、無線基地局装置101からカウント基準を取得することができる。
無線基地局装置101Dは、上記ステップS854において、カウント方法リスト41、42、43または44を含めた報知情報を送信する。報知情報は、ブロードキャストで送信されるので、無線基地局装置101Dが形成するセルに在圏する全ての無線端末装置202は、当該カウント方法リストを受信することができる。
これにより、無線基地局装置101Dは、自己が形成するセルに在圏する無線端末装置202の台数が多い場合、カウント方法リスト41、42、43または44に含まれるカウント基準を、当該無線端末装置202に対して効率よく通知することができる。
なお、被管理基地局である無線基地局装置101Dでなく、たとえば管理基地局である無線基地局装置101Aが、カウント方法リスト41、42、43または44を含む報知情報を無線端末装置202へ送信してもよい。
図39は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が無線端末装置へカウント基準を通知する際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
以下は、図35に示す被管理基地局である無線基地局装置101Dが、無線端末装置202Aへカウント基準を通知する際の詳細な動作であり、図35におけるステップS760およびS764の動作に対応する。
図39を参照して、まず、無線基地局装置101Dは、たとえば管理基地局である無線基地局装置101Aからカウント方法リスト41、42、43または44を受信し、受信したカウント方法リスト41、42、43または44を保持する(ステップS872)。
次に、無線基地局装置101Dは、周辺セル情報を参照し、当該周辺セル情報に含まれるセルIDを取得する(ステップS874)。
次に、無線基地局装置101Dは、保持しているカウント方法リスト41、42、43または44を参照し、取得したセルIDに対応するカウント基準を特定する(ステップS876)。
次に、無線基地局装置101Dは、特定したカウント基準を、当該セルIDに対応付けて当該周辺セル情報に含める(ステップS878)。
次に、無線基地局装置101Dは、たとえば当該周辺セル情報を含めた報知情報を送信することにより、自己が形成するセルに在圏する無線端末装置202へ当該周辺セル情報を送信する(ステップS880)。
以上の動作により、無線端末装置202は、無線基地局装置101からカウント基準を取得することができる。
無線基地局装置101Dは、上記ステップS880において、カウント基準を含む周辺セル情報を含めた報知情報を送信する。報知情報は、ブロードキャストで送信されるので、無線基地局装置101Dが形成するセルに在圏する全ての無線端末装置202は、当該周辺セル情報を受信することができる。
これにより、無線基地局装置101Dは、自己が形成するセルに在圏する無線端末装置202の台数が多い場合、周辺セル情報に含まれるカウント基準を、当該無線端末装置202に対して効率よく通知することができる。
なお、被管理基地局である無線基地局装置101Dでなく、たとえば管理基地局である無線基地局装置101Aが、カウント基準を含む周辺セル情報を報知情報に含めることにより、無線端末装置202へカウント基準を送信してもよい。
図40は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が無線端末装置へカウント基準を通知する際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
以下は、図35に示す無線基地局装置101Dが、無線端末装置202Aへカウント基準を通知する際の詳細な動作であり、図35におけるステップS760およびS768の動作に対応する。
図40を参照して、まず、無線基地局装置101Dは、たとえば管理基地局である無線基地局装置101Aからカウント方法リスト41、42、43または44を受信し、受信したカウント方法リスト41、42、43または44を保持する(ステップS902)。
次に、無線基地局装置101Dは、自己と接続確立状態にある無線端末装置202が測定した受信電力の測定結果を示す測定結果通知を、当該無線端末装置202から受信する(ステップS904)。
次に、無線基地局装置101Dは、無線端末装置202Aから受信した測定結果通知に基づいて、当該無線端末装置202Aのハンドオーバを行なうべきか否かを判断する(ステップS906)。
次に、無線基地局装置101Dは、無線端末装置202Aのハンドオーバを行なうべきでないと判断すると(ステップS906でNO)、無線端末装置202から引き続き測定結果通知を受信する(ステップS904)。
一方、無線基地局装置101Dは、無線端末装置202Aのハンドオーバを行なうべきであると判断すると(ステップS906でYES)、周辺セル情報を参照してたとえば無線基地局装置101Aをハンドオーバ先として決定し、以下の処理を行う。
すなわち、無線基地局装置101Dは、保持しているカウント方法リスト41、42、43または44を参照し、ハンドオーバ先の無線基地局装置101AのIDに対応するカウント基準を特定する(ステップS908)。
次に、無線基地局装置101Dは、無線基地局装置101Aを示すハンドオーバ要求を、基地局間インタフェースであるX2インタフェース経由で無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS910)。
次に、無線基地局装置101Dは、当該ハンドオーバ要求の応答であるハンドオーバ応答を、無線基地局装置101Aから受信するまで待機する(ステップS912でNO)。
次に、無線基地局装置101Dは、無線基地局装置101Aからハンドオーバ応答を受信すると(ステップS912でYES)、特定したカウント基準を含めたハンドオーバコマンドであるRRCコネクション再構成指示を、無線端末装置202Aへ送信する(ステップS914)。
以上の動作により、無線端末装置202は、無線基地局装置101からカウント基準を取得することができる。
無線基地局装置101Dがカウント方法リスト41、42、43または44、または周辺セル情報等を含む報知情報を送信する場合、送信する報知情報の情報量が大きくなってしまう。このため、無線基地局装置101Dにおける報知情報の送信処理、および無線基地局装置101Dが形成するセルに在圏する無線端末装置202における報知情報の受信処理の負担が重くなってしまうので、当該セルに在圏する無線端末装置202の台数が少ない場合において好ましくない。
一方、無線基地局装置101Dは、上記ステップS914において、カウント基準を含むハンドオーバコマンドを、ハンドオーバの対象となる無線端末装置202へ送信する。
これにより、無線基地局装置101Dは、自己が形成するセルに在圏する無線端末装置202の台数が少ない場合、すなわちハンドオーバ動作の発生回数が少ない場合に、無線端末装置202に対してカウント基準を効率よく通知することができる。
[移動動作の完了後に行う移動状態の更新動作]
図41は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置がセル再選択動作の完了後に行う移動状態の更新動作の一例を示すシーケンス図である。
図2に示すように、無線端末装置202が、セルCA内に位置し、無線基地局装置101Aを通信相手として選択してから、セルCAおよびセルCBの重複領域へ移動した場合を想定する。
図41に示すように、まず、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aを新たに通信相手として選択することを決定すると、無線基地局装置101Aから送信される報知情報を受信し(ステップS401)、受信した報知情報の内容を保存する(ステップS402)。この報知情報に、周辺セル情報、およびセル再選択を行なうための情報が含まれる。
以降の動作(ステップS403〜S412)は、図3に示すシーケンス図における動作(ステップS3〜S12)と同様であるため、ここでは詳細な説明は繰り返さない。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aまたは無線基地局装置101Bから受信した報知情報に含まれるSIB(System Information Block)に基づいて、以下に示す動作手順に従って自己の移動状態を更新する(ステップS413)。
以上の動作により、無線端末装置202は、セル再選択動作の完了後に移動状態を更新する。
また、無線端末装置202は、ハンドオーバ動作の完了後においても、同様に移動状態の更新動作を行う。
図42は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置がハンドオーバ動作の完了後に行う移動状態の更新動作の一例を示すシーケンス図である。
図2を参照して、無線端末装置202が、セルCA内に位置し、無線基地局装置101Aと通信中である状態から、セルCAおよびセルCBの重複領域へ移動した場合を想定する。また、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aから報知情報を取得している。
再び図42を参照して、まず、無線基地局装置101Aは、自己と通信中の無線端末装置202の測定対象となる周波数と、当該周波数の無線信号を送信する他の無線基地局装置とを設定する(ステップS431)。
次に、無線基地局装置101Aは、設定した他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを無線端末装置202に測定させるための測定開始要求を無線端末装置202へ送信する。この測定開始要求には、周辺セル情報、すなわち測定対象となる無線基地局装置のセルIDが含まれる。また、この測定開始要求には、各無線基地局装置の送信周波数が含まれる(ステップS432)。
以降の動作(ステップS433〜S447)は、図4に示すシーケンス図における動作(ステップS33〜S47)と同様であるため、ここでは詳細な説明は繰り返さない。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Bから報知情報を取得する(ステップS448)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aまたは無線基地局装置101Bから受信した報知情報に含まれるSIBに基づいて、以下に示す動作手順に従って自己の移動状態を更新する(ステップS449)。
以上の動作により、無線端末装置202は、ハンドオーバ動作の完了後に移動状態を更新する。
無線端末装置202は、図41に示すステップS413および図42に示すステップS449において移動状態の更新動作を行う。すなわち、無線端末装置202は、移動動作の完了後において、移動状態の更新動作を行う。
[推定した移動状態に基づく無線端末装置の設定動作]
図43は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動状態の検出処理および当該移動状態に応じた設定処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図43を参照して、無線端末装置202は、たとえばハンドオーバ動作またはセル再選択動作等の移動動作が完了した状態にあり、当該移動動作後の通信接続先の無線基地局装置101であるサービング基地局により、イベントA3が設定されている場合を想定する(ステップS472)。
次に、無線端末装置202は、カウント基準に従って、当該移動動作の実行回数を示すカウント値CNTをカウントする(ステップS474)。
次に、無線端末装置202は、カウント値CNTに基づいて、自己の移動状態を推定する(ステップS476)。
次に、無線端末装置202は、たとえば自己が保持するTTTに対して、推定した自己の移動状態に応じたスケール因子を乗ずることにより、TTTの値を調整する(ステップS478)。
次に、無線端末装置202は、周辺セル情報に基づいて、サービング基地局を含む無線基地局装置101から送信される無線信号の受信電力を測定する(ステップS480)。
次に、無線端末装置202は、サービング基地局以外の他の無線基地局装置101により送信される無線信号の受信電力T1がサービング基地局により送信される無線信号の受信電力S1より大きくなると(ステップS482でYES)、以下の処理を行う。
すなわち、無線端末装置202は、レポートオン状態へ遷移し、計測時間をTTTに設定したタイマを始動させる(ステップS484)。
一方、無線端末装置202は、受信電力T1が受信電力S1より小さい場合(ステップS482でNO)、無線基地局装置101から送信される無線信号の受信電力を継続して測定する(ステップS480)。
次に、無線端末装置202は、受信電力T1が受信電力S1より大きい状態(ステップS486でYES)が、TTTに相当する時間経過するまで(ステップS488でNO)受信電力を監視し、TTTに相当する時間経過すると(ステップS488でYES)、以下の処理を行う。
すなわち、無線端末装置202は、無線基地局装置101から送信される無線信号の受信電力を示す測定結果通知であるメジャメントレポートをサービング基地局へ送信する(ステップS490)。
一方、無線端末装置202は、受信電力T1が受信電力S1より大きい状態がTTTに相当する時間継続しない場合(ステップS486でNO)、レポートオフ状態へ遷移し、無線基地局装置101から送信される無線信号の受信電力を継続して測定する(ステップS480)。
以上の動作により、無線端末装置202は、移動動作の完了後に推定した自己の移動状態に基づいて、TTTの設定を行う。
無線端末装置202は、上記ステップS474において、無線基地局装置101から取得したカウント基準を用いてもよいし、自己が保持する所定のカウント基準を用いてもよい。また、上記ステップS474における、移動動作の実行回数のカウント処理の詳細については後述する。
また、無線端末装置202は、上記ステップS476において、たとえばt-Evaluationに相当する時間における移動動作の実行回数を評価し、評価した結果に応じて自己の移動状態を通常移動状態、中速移動状態または高速移動状態に設定する。
また、無線端末装置202は、上記ステップS478において、TTTの値の設定を行ったが、設定した自己の移動状態に応じて、たとえばアイドル状態におけるセル再選択動作を行う際において、判断基準となる受信電力に影響を与えるQhystに加算する定数の変更処理を行ってもよい。
これにより、無線端末装置202は、自己の移動状態に応じて、セル再選択動作の起こりやすさの調整を行うことができる。
なお、無線端末装置202は、上記ステップS478において、自己の移動状態に応じて以下のような設定の変更を行うことにより、接続確立状態におけるハンドオーバ動作のタイミング、またはアイドル状態におけるセル再選択の起こりやすさの調整を行ってもよい。
すなわち、無線端末装置202に設定される、たとえばTTT、ヒステリシスHS、オフセットOST、ギャップMGおよびフィルタリング係数αといったパラメータについて、各設定値の変更、各パラメータに乗ずる係数の変更、または各パラメータの組み合わせの変更等が行われてもよい。また、無線端末装置202に設定されるイベントの変更が行われてもよい。上記変更は、無線基地局装置101により行われてもよいし、当該無線端末装置202により行われてもよい。
また、無線端末装置202は、上記ステップS476において、自己の移動状態を段階的に示す値により推定したが、自己の移動速度自体を推定してもよい。たとえば、移動している無線端末装置202が無線基地局装置101により送信される無線信号を受信する際に発生するドップラー効果による周波数のシフト、またはGPS(Global Positioning System)と地図情報との組み合わせ等を用いることにより、無線端末装置202の移動速度を推定することができる。
また、無線端末装置202は、上記ステップS490において、サービング基地局へ送信する測定結果通知であるメジャメントレポートに、自己が推定した移動状態を含めてもよい。
これにより、サービング基地局は、当該無線端末装置202から受信した移動状態に基づいて、後述する電力変化量を取得することができる。
[推定した移動状態の無線基地局装置への通知動作]
図44は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動状態の検出処理および当該移動状態の無線基地局装置への通知処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図44を参照して、無線端末装置202が、たとえばハンドオーバ動作またはセル再選択動作等の移動動作が完了した状態にある場合を想定する(ステップS492)。
ステップS494〜S496の動作は、図43に示すフローチャートにおける動作(ステップS474〜S476)と同様であるため、ここでは詳細な説明は繰り返さない。
次に、無線端末装置202は、推定した自己の移動状態を、無線基地局装置101へ通知する(ステップS498)。
以上の動作により、無線端末装置202は、移動動作の完了後に推定した自己の移動状態を、無線基地局装置101へ通知する。
無線端末装置202は、上記ステップS494において、無線基地局装置101から取得したカウント基準を用いてもよいし、自己が保持する所定のカウント基準を用いてもよい。また、上記ステップS494における、移動動作の実行回数のカウント処理の詳細については後述する。
無線端末装置202は、上記ステップS498において、たとえば自己と接続確立状態のサービング基地局へ送信する測定結果通知に、推定した自己の移動状態を含めることにより、当該移動状態をサービング基地局へ通知する。
サービング基地局は、当該無線端末装置202から移動状態を受信することにより、当該無線端末装置202の移動速度を推定する。これにより、サービング基地局は、当該移動速度に基づいて、自己の無線基地局装置の形成するセルに在圏する無線端末装置202における無線信号の受信電力の、無線端末装置202の位置変化に対する変化度合い(以下、電力変化量とも称する。)を取得することができる。
サービング基地局は、無線端末装置202の電力変化量が大きい場合には、ハンドオーバ動作のタイミングが早まるように制御し、無線端末装置202の電力変化量が小さい場合には、ハンドオーバ動作のタイミングが遅くなるように制御する。
これにより、サービング基地局は、ハンドオーバ動作のタイミングを適正化することができるので、不適切なハンドオーバ動作の発生を抑制することができる。
[移動動作の実行回数のカウント処理]
無線端末装置202が、ヘテロジーニアスネットワークにおける自己の移動状態を適切に判断するためには、セルの形態およびセルのサイズを考慮した上で、所定時間当たりの移動動作の実行回数をカウントする必要がある。
このため、無線端末装置202は、カウント基準に従って、移動動作の実行回数をカウントする。無線端末装置202が行う上記カウント処理について、以下に説明する。
[無線基地局装置から取得する情報に基づく場合]
図45は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順を定めたフローチャートである。
以下は、図43に示すステップS474および図44に示すステップS494に示す、カウント基準に従って移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置202の詳細な動作である。当該無線端末装置202は、たとえば図32の(B)に示すカウント方法リスト43に基づいて、移動動作の実行回数をカウントする状況を想定する。
図45を参照して、無線端末装置202は、ハンドオーバ動作またはセル再選択動作等の移動動作が完了した後において、移動元の無線基地局装置101、または移動先の無線基地局装置101から報知情報を取得する(ステップS514)。
次に、無線端末装置202は、たとえば当該報知情報に基づいて、移動元の無線基地局装置101が小型基地局であると判断する場合(ステップS516でYES)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とせず、移動動作の実行回数を示すカウント値CNTをインクリメントしない(ステップS518)。
一方、無線端末装置202は、当該報知情報に基づいて、移動元の無線基地局装置101が小型基地局でないと判断した場合(ステップS516でNO)、以下の処理を行う。
すなわち、無線端末装置202は、当該報知情報に基づいて、移動先の無線基地局装置101が小型基地局であると判断する場合(ステップS520でYES)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とせず、カウント値CNTをインクリメントしない(ステップS518)。
一方、無線端末装置202は、当該報知情報に基づいて、移動先の無線基地局装置101が小型基地局でないと判断した場合(ステップS520でNO)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とし、カウント値CNTをインクリメントする(ステップS522)。
以上の動作により、無線端末装置202は、報知情報およびカウント基準に基づいて、当該移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とするかどうかを判断する。
なお、無線端末装置202は、上記ステップS514において、移動動作の完了後に取得した報知情報に基づいて、移動元または移動先の無線基地局装置が小型基地局であるかどうかの判断を行ったが、上記移動動作前に既に取得していた情報を用いて上記判断を行ってもよい。
また、無線端末装置202は、たとえば図33の(B)に示すカウント方法リスト44におけるカウント基準である重み付け係数に基づいて、実行回数をカウントしてもよい。この場合、当該無線端末装置202は、上記ステップS522において、カウント値CNTに1.0を加算し、また、上記ステップS518において、カウント値CNTに0.5を加算する。
これにより、当該無線端末装置202は、基地局の種別に応じて重み付けされた値をカウントすることができるので、自己の移動動作の実行回数を適切にカウントすることができる。
また、無線端末装置202は、上記ステップS516およびS520において、以下の情報により、移動元または移動先の無線基地局装置が小型基地局であるかどうかを判断してもよい。
すなわち、無線端末装置202は、たとえば小型基地局のセルIDが記載されているスモールセルリストを報知情報から取得する。
これにより、無線端末装置202は、取得したスモールセルリストに基づいて、移動元または移動先の無線基地局装置が小型基地局であるかどうかを判断することができる。
また、無線端末装置202は、たとえば小型基地局のセルIDが記載されている周辺セル情報を報知情報から取得する。
これにより、無線端末装置202は、取得した周辺セル情報に基づいて、移動元または移動先の無線基地局装置が小型基地局であるかどうかを判断することができる。
しかしながら、スモールセルリストまたは周辺セル情報に含めるべき小型基地局のセルIDは数十個に及ぶので、小型基地局のセルIDを含むスモールセルリストまたは周辺セル情報の情報量が大きくなってしまう。
このため、小型基地局のセルIDを含むスモールセルリストまたは周辺セル情報を報知情報に含めると、報知情報の送信処理および受信処理の負担が重くなるので好ましくない。このため、無線基地局装置101が送信する報知情報において、たとえば当該無線基地局装置101が小型基地局であるかどうかを示す1ビットのフラグを含めてもよい。
このように、無線端末装置202は、サービング基地局から取得した報知情報の上記1ビットのフラグを参照することにより、サービング基地局が小型基地局であるかどうかを判断することができる。
また、無線端末装置202は、ターゲット基地局が小型基地局であるか否かについては、移動動作後のサービング基地局から取得した報知情報の上記1ビットのフラグを参照することにより、上記ターゲット基地局が小型基地局であるかどうかを判断することができる。
これにより、無線通信システムにおいて、報知情報を送受信する際の処理負担の増加を抑えることができる。
また、無線端末装置202は、SIB1(SystemInformationBlockType1)における、スケジューリング情報を参照し、小型基地局名であるhnb-Name(home eNB Name)を含むSIB9(SystemInformationBlockType9)を報知情報から取得できる場合、以下の処理を行ってもよい。
すなわち、無線端末装置202は、SIB9から取得したhnb-Nameと、移動元または移動先の無線基地局装置101の名前とを照合することにより、移動元または移動先の無線基地局装置101が小型基地局であるかどうかを判断することができる。
また、上記ステップS516またはS520において、無線端末装置202は、移動動作の完了後において、移動元または移動先の無線基地局装置101が小型基地局であると判断する場合(ステップS516でYESまたはステップS520でYES)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象から除外する(ステップS518)。
これにより、無線端末装置202は、自己の移動状態が実際より速い移動状態であると誤って推定してしまうことを防ぐことができる。
[セルに在圏する滞在時間に基づく場合]
また、無線端末装置202は、移動動作の完了後において、移動動作後に在圏するセルにおける滞在時間およびカウント基準に基づいて、当該移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とするかどうかを判断してもよい。
図46は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
以下は、図43に示すステップS474および図44に示すステップS494に示す、カウント基準に従って移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置202の詳細な動作である。当該無線端末装置202は、たとえば図32の(B)に示すカウント方法リスト43に基づいて、移動動作の実行回数をカウントする状況を想定する。
図46を参照して、まず、無線端末装置202は、たとえばハンドオーバ動作またはセル再選択動作等の移動動作が完了した際に、計測時間を所定のしきい値に設定してタイマを始動し、ハンドオーバ動作またはセル再選択動作等の移動動作の発生まで待機する(ステップS552でNO)。
次に、無線端末装置202は、移動動作が発生した場合(ステップS552でYES)、タイマが満了しているかどうかを確認する(ステップS554)。
次に、無線端末装置202は、タイマが満了していない場合、すなわちタイマを始動してから所定のしきい値に相当する時間が経過していない場合(ステップS554でNO)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とせず、カウント値CNTをインクリメントしない(ステップS556)。
一方、無線端末装置202は、タイマが満了している場合、すなわちタイマを始動してから所定のしきい値に相当する時間が経過した場合(ステップS554でYES)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とし、カウント値CNTをインクリメントする(ステップS558)。
次に、無線端末装置202は、計測時間を所定のしきい値に設定してタイマをリセットする(ステップS560)。
以上の動作により、無線端末装置202は、移動動作の完了後に在圏するセルにおける滞在時間およびカウント基準に基づいて、当該移動動作をカウントの対象とするか否かについて判断する。
なお、無線端末装置202は、たとえば図33の(B)に示すカウント方法リスト44におけるカウント基準である重み付け係数に基づいて、実行回数をカウントしてもよい。この際、当該無線端末装置202は、上記ステップS558において、カウント値CNTに1.0を加算し、また、上記ステップS556において、カウント値CNTに0.5を加算する。
これにより、当該無線端末装置202は、基地局の種別に応じて重み付けされた値をカウントすることができるので、自己の移動動作の実行回数を適切にカウントすることができる。
また、無線端末装置202は、移動動作が発生した際に(ステップS552でYES)、上記ステップS554においてタイマが満了しているか否かに基づいて、当該移動動作より前に在圏したセルの滞在時間が、所定のしきい値に相当する時間より長いか短いかについて判断する。
また、小型基地局が形成するセルの大きさは、マクロ基地局が形成するセルの大きさより小さいので、たとえば無線端末装置202が当該セルを横断するために必要な時間は、マクロ基地局が形成する大きなセルを横断するために必要な時間と比べて短くなる。
これにより、無線端末装置202は、上記ステップS552において移動動作が発生した際にタイマが満了していない場合(ステップS554でNO)、当該移動動作より前に在圏したセルが小型基地局により形成されたセルである可能性が高いと判断する。
また、無線端末装置202は、移動元の無線基地局装置101が小型基地局である可能性が高いと判断した場合、上記ステップS556において当該移動動作をカウントの対象としないので、自己の移動状態が実際より速い移動状態であると誤って推定してしまうことを防ぐことができる。
[移動先の無線基地局装置の種別に基づく場合]
また、無線端末装置202は、移動動作の完了後において、移動動作後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101の種別およびカウント基準に基づいて、当該移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とするかどうかを判断してもよい。
図47は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
以下は、図43に示すステップS474および図44に示すステップS494に示す、カウント基準に従って移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置202の詳細な動作である。当該無線端末装置202は、たとえば図32の(B)に示すカウント方法リスト43に基づいて、移動動作の実行回数をカウントする状況を想定する。
図47を参照して、無線端末装置202は、ハンドオーバ動作またはセル再選択動作等の移動動作が完了した後において、移動動作後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101が小型基地局である場合(ステップS594でYES)、以下の処理を行う。すなわち、無線端末装置202は、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とせず、移動動作の実行回数を示すカウント値CNTをインクリメントしない(ステップS596)。
一方、無線端末装置202は、移動動作後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101が小型基地局でない場合(ステップS594でNO)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とし、カウント値CNTをインクリメントする(ステップS598)。
以上の動作により、無線端末装置202は、移動動作の完了後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101の種別およびカウント基準に基づいて、上記移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とするかどうかを判断する。
上記ステップS594において、無線端末装置202は、移動動作の完了後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101が小型基地局であると判断する場合(ステップS594でYES)、カウント基準に従って上記移動動作をカウントの対象から除外する(ステップS596)。
これにより、無線端末装置202は、小型基地局が形成するセルへの移動動作をカウントの対象としないことにより、自己の移動状態が実際より速い移動状態であると誤って推定してしまうことを防ぐことができる。
なお、移動先の無線基地局装置101の種別は、移動元または移動先の無線基地局装置101から取得してもよいし、上記無線基地局装置101以外の他の無線基地局装置から取得してもよい。また、無線端末装置202が、予め移動先の無線基地局装置101の種別を保持しておいてもよい。
また、無線端末装置202は、たとえば図33の(B)に示すカウント方法リスト44におけるカウント基準である重み付け係数に基づいて、実行回数をカウントしてもよい。この際、当該無線端末装置202は、上記ステップS598において、カウント値CNTに1.0を加算し、また、上記ステップS596において、カウント値CNTに0.5を加算する。
これにより、当該無線端末装置202は、基地局の種別に応じて重み付けされた値をカウントすることができるので、自己の移動動作の実行回数を適切にカウントすることができる。
[移動元の無線基地局装置の種別に基づく場合]
また、無線端末装置202は、移動動作の完了後において、移動動作前に在圏したセルを形成する無線基地局装置101の種別およびカウント基準に基づいて、当該移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とするかどうかを判断してもよい。
図48は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
以下は、図43に示すステップS474および図44に示すステップS494に示す、カウント基準に従って移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置202の詳細な動作である。当該無線端末装置202は、たとえば図32の(B)に示すカウント方法リスト43に基づいて、移動動作の実行回数をカウントする状況を想定する。
図48を参照して、無線端末装置202は、ハンドオーバ動作またはセル再選択動作等の移動動作が完了した後において、移動動作前に在圏したセルを形成する無線基地局装置101が小型基地局である場合(ステップS634でYES)、以下の処理を行う。すなわち、無線端末装置202は、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とせず、移動動作の実行回数を示すカウント値CNTをインクリメントしない(ステップS636)。
一方、無線端末装置202は、移動動作前に在圏したセルを形成する無線基地局装置101が小型基地局でない場合(ステップS634でNO)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とし、カウント値CNTをインクリメントする(ステップS638)。
以上の動作により、無線端末装置202は、移動元の無線基地局装置101の種別およびカウント基準に基づいて、上記移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とするかどうかを判断する。
上記ステップS634において、無線端末装置202は、移動動作の完了後において、移動元の無線基地局装置101が小型基地局である場合(ステップS634でYES)、上記移動動作をカウントの対象としない(ステップS636)。
これにより、無線端末装置202は、小型基地局が形成するセルからの移動動作をカウントの対象としないことにより、自己の移動状態が実際より速い移動状態であると誤って推定してしまうことを防ぐことができる。
なお、移動元の無線基地局装置101の種別は、移動元または移動先の無線基地局装置101から取得してもよいし、上記無線基地局装置101以外の他の無線基地局装置から取得してもよい。また、無線端末装置202が、予め移動元の無線基地局装置101の種別を保持しておいてもよい。
また、無線端末装置202は、たとえば図33の(B)に示すカウント方法リスト44におけるカウント基準である重み付け係数に基づいて、実行回数をカウントしてもよい。この際、当該無線端末装置202は、上記ステップS638において、カウント値CNTに1.0を加算し、また、上記ステップS636において、カウント値CNTに0.5を加算する。
これにより、当該無線端末装置202は、基地局の種別に応じて重み付けされた値をカウントすることができるので、自己の移動動作の実行回数を適切にカウントすることができる。
[マクロ基地局に関連した移動動作に基づく場合]
また、無線端末装置202は、移動動作の完了後において、移動動作前または移動動作後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101がマクロ基地局であるかどうかと、カウント基準とに基づいて、当該移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とするかどうかを判断してもよい。
図49は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
以下は、図43に示すステップS474および図44に示すステップS494に示す、カウント基準に従って移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置202の詳細な動作である。当該無線端末装置202は、たとえば図32の(B)に示すカウント方法リスト43に基づいて、移動動作の実行回数をカウントする状況を想定する。
図49を参照して、無線端末装置202は、ハンドオーバ動作またはセル再選択動作等の移動動作が完了した後において、移動動作前に在圏したセルを形成する無線基地局装置101がマクロ基地局である場合(ステップS674でYES)、以下の処理を行う。すなわち、無線端末装置202は、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とし、移動動作の実行回数を示すカウント値CNTをインクリメントする(ステップS676)。
一方、無線端末装置202は、移動動作前に在圏したセルを形成する無線基地局装置101がマクロ基地局でない場合(ステップS674でNO)、以下の処理を行う。
すなわち、無線端末装置202は、移動動作後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101がマクロ基地局である場合(ステップS678でYES)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とし、カウント値CNTをインクリメントする(ステップS676)。
一方、無線端末装置202は、移動動作後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101がマクロ基地局でない場合(ステップS678でNO)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とせず、カウント値CNTをインクリメントしない(ステップS680)。
以上の動作により、無線端末装置202は、移動動作前または移動動作後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101がマクロ基地局であるかどうかと、カウント基準とに基づいて、当該移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とするかどうかを判断する。
無線端末装置202は、上記ステップS680において、マクロ基地局が形成するセルからの移動動作、またはマクロ基地局が形成するセルへの移動動作以外の移動動作を、カウントの対象としない。
具体的には、無線端末装置202は、たとえば小型基地局が形成するセルから他の小型基地局が形成するセルへの移動動作を、カウントの対象としない。
これにより、無線端末装置202は、自己の移動状態が実際より速い移動状態であると誤って推定してしまうことを防ぐことができる。
なお、移動元または移動先の無線基地局装置101の種別は、移動元または移動先の無線基地局装置101から取得してもよいし、上記無線基地局装置101以外の他の無線基地局装置から取得してもよい。また、無線端末装置202が、予め移動元または移動先の無線基地局装置101の種別を保持していてもよい。
また、無線端末装置202は、たとえば図33の(B)に示すカウント方法リスト44におけるカウント基準である重み付け係数に基づいて、実行回数をカウントしてもよい。この際、当該無線端末装置202は、上記ステップS676において、カウント値CNTに1.0を加算し、また、上記ステップS680において、カウント値CNTに0.5を加算する。
これにより、当該無線端末装置202は、基地局の種別に応じて重み付けされた値をカウントすることができるので、自己の移動動作の実行回数を適切にカウントすることができる。
[無線基地局装置の送信電力に基づく場合]
また、無線端末装置202は、移動動作の完了後において、移動動作前または移動動作後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101が送信する無線信号の送信電力およびカウント基準に基づいて、当該移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とするかどうかを判断してもよい。
図50は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
以下は、図43に示すステップS474および図44に示すステップS494に示す、カウント基準に従って移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置202の詳細な動作である。当該無線端末装置202は、たとえば図32の(B)に示すカウント方法リスト43に基づいて、移動動作の実行回数をカウントする状況を想定する。
図50を参照して、無線端末装置202は、ハンドオーバ動作またはセル再選択動作等の移動動作が完了した後において、移動元の無線基地局装置101、または移動先の無線基地局装置101から報知情報を取得する(ステップS714)。
次に、無線端末装置202は、たとえば当該報知情報に基づいて、移動元の無線基地局装置101が送信する無線信号の送信電力を取得する。次に、無線端末装置202は、上記送信電力に基づいて、移動元の無線基地局装置101の種別を特定する(ステップS716)。
次に、無線端末装置202は、特定した移動元の無線基地局装置101の種別が小型基地局であると判断する場合(ステップS718でYES)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とせず、移動動作の実行回数を示すカウント値CNTをインクリメントしない(ステップS720)。
一方、無線端末装置202は、特定した移動元の無線基地局装置101の種別が小型基地局でないと判断した場合(ステップS718でNO)、以下の処理を行う。
すなわち、無線端末装置202は、たとえば当該報知情報に基づいて、移動先の無線基地局装置101が送信する無線信号の送信電力を取得する。次に、無線端末装置202は、上記送信電力に基づいて、移動先の無線基地局装置101の種別を特定する(ステップS722)。
次に、無線端末装置202は、特定した移動先の無線基地局装置101の種別が小型基地局であると判断する場合(ステップS724でYES)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とせず、カウント値CNTをインクリメントしない(ステップS720)。
一方、無線端末装置202は、特定した移動先の無線基地局装置101の種別が小型基地局でないと判断した場合(ステップS724でNO)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象とし、カウント値CNTをインクリメントする(ステップS726)。
以上の動作により、無線端末装置202は、移動動作の完了後において、移動動作前または移動動作後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101が送信する無線信号の送信電力およびカウント基準に基づいて、当該移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とするかどうかを判断する。
上記ステップS716において、無線端末装置202は、たとえば報知情報に基づいて、移動元の無線基地局装置101が送信する無線信号の送信電力を取得する。
これにより、無線端末装置202は、取得した無線信号の送信電力に基づいて、移動元の無線基地局装置101が小型基地局であるかどうかを判断することができる。
また、上記ステップS722において、無線端末装置202は、たとえば報知情報に基づいて、移動先の無線基地局装置101が送信する無線信号の送信電力を取得する。
これにより、無線端末装置202は、取得した無線信号の送信電力に基づいて、移動先の無線基地局装置101が小型基地局であるかどうかを判断することができる。
また、上記ステップS718またはS724において、無線端末装置202は、移動動作の完了後において、特定した移動元または移動先の無線基地局装置101が小型基地局であると判断する場合(ステップS718でYESまたはステップS724でYES)、カウント基準に従って当該移動動作をカウントの対象としない(ステップS720)。
これにより、無線端末装置202は、自己の移動状態が実際より速い移動状態であると誤って推定してしまうことを防ぐことができる。
なお、無線端末装置202は、上記ステップS714において、移動動作の完了後に取得した報知情報に基づいて、移動元または移動先の無線基地局装置が小型基地局であるかどうかの判断を行ったが、上記移動動作前に既に取得していた情報を用いて上記判断を行ってもよい。
また、無線端末装置202は、たとえば図33の(B)に示すカウント方法リスト44におけるカウント基準である重み付け係数に基づいて、実行回数をカウントしてもよい。この際、当該無線端末装置202は、上記ステップS726において、カウント値CNTに1.0を加算し、また、上記ステップS720において、カウント値CNTに0.5を加算する。
これにより、当該無線端末装置202は、基地局の種別に応じて重み付けされた値をカウントすることができるので、自己の移動動作の実行回数を適切にカウントすることができる。
また、無線端末装置202は、たとえば無線基地局装置101が送信する無線信号の送信電力、測定した上記無線信号の受信電力、および上記無線基地局装置101が形成するセルにおける滞在時間に基づいて、当該セルへの移動動作および当該セルからの移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とするかどうかを判断してもよい。
具体的には、無線端末装置202は、上記滞在時間の間、上記送信電力に対する上記受信電力の比である電力比を監視し、監視した電力比に基づいて、自己が当該セルの中央近くを通過したかどうかについて判断する。
無線端末装置202は、たとえば上記滞在時間が短く、かつセルの中央近くを通過する場合、自己が上記セルを高速で移動したと考え、上記セルへの移動動作および上記セルからの移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とすべきと判断する。
また、無線端末装置202は、たとえば上記滞在時間が短く、かつ上記セルの中央近くを通過しない場合、自己が上記セルの端部を低速で移動したと考え、上記セルへの移動動作および上記セルからの移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とすべきでないと判断する。
これにより、無線端末装置202は、無線基地局装置101が送信する無線信号の送信電力、上記無線信号の受信電力、および上記無線基地局装置101が形成するセルにおける滞在時間に基づいて、当該セルへの移動動作および当該セルからの移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とすべきかどうかを適切に判断することができる。
また、無線端末装置202は、ある移動動作から次の移動動作までの滞在時間と、移動元または移動先の無線基地局装置101の種別と、移動元または移動先の無線基地局装置101から送信される無線信号の送信電力との一部、または全部の組み合わせに基づいて、移動動作をカウントの対象とするか否かについての判断を行ってもよい。
[カウント方法リストにおけるカウント対象に基づく場合]
また、無線端末装置202は、移動動作の完了後において、移動動作後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101の、カウント方法リスト41における「カウント対象」に基づいて、移動動作の実行回数に、当該移動動作をカウントするかどうかを判断してもよい。
図51は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
以下は、図43に示すステップS474および図44に示すステップS494に示す、カウント基準に従って移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置202の詳細な動作である。当該無線端末装置202は、たとえば図32の(A)に示すカウント方法リスト41に基づいて、実行回数をカウントする状況を想定する。
図51を参照して、無線端末装置202は、ハンドオーバ動作またはセル再選択動作等の移動動作が完了した後において、カウント方法リスト41を参照し、移動動作後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101のIDに対応するカウント対象を取得する(ステップS924)。
次に、無線端末装置202は、当該カウント対象が「真」である場合(ステップS926でYES)、当該移動動作をカウントの対象とし、移動動作の実行回数を示すカウント値CNTをインクリメントする(ステップS930)。
一方、無線端末装置202は、当該カウント対象が「偽」である場合(ステップS926でNO)、当該移動動作をカウントの対象とせず、カウント値CNTをインクリメントしない(ステップS928)。
無線端末装置202は、上記ステップS926において、無線基地局装置101から取得したカウント方法リスト41における「カウント対象」に基づいて、当該移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とするか否かについて判断する。
これにより、無線端末装置202は、無線基地局装置101が指定したカウント基準であるカウント対象に基づいて、移動動作の実行回数をカウントすることができる。
また、無線端末装置202は、たとえば広範なエリアに設置された複数の小型基地局を管理する管理基地局により作成されたカウント基準に基づいて、移動動作の実行回数をカウントすることにより、自己の移動状態を適切に推定することができる。
なお、無線端末装置202は、カウント基準を、報知情報に含まれるカウント方法リスト41から取得してもよいし、報知情報に含まれる周辺セル情報から取得してもよいし、ハンドオーバコマンドから取得してもよい。
[カウント方法リストにおける重み付け係数に基づく場合]
また、無線端末装置202は、移動動作の完了後において、移動動作後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101の、カウント方法リスト42における「重み付け係数」に基づいて、当該移動動作の実行回数をカウントしてもよい。
図52は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線端末装置が移動動作の実行回数をカウントする際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。
以下は、図43に示すステップS474および図44に示すステップS494に示す、カウント基準に従って移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置202の詳細な動作である。当該無線端末装置202は、たとえば図33の(A)に示すカウント方法リスト42に基づいて、実行回数をカウントする状況を想定する。
図52を参照して、無線端末装置202は、ハンドオーバ動作またはセル再選択動作等の移動動作が完了した後において、カウント方法リスト42を参照し、移動動作後に在圏するセルを形成する無線基地局装置101のIDに対応する重み付け係数を取得する(ステップS944)。
次に、無線端末装置202は、移動動作の実行回数を示すカウント値CNTに、当該重み付け係数を加算する(ステップS946)。
上記ステップS946において、無線端末装置202は、無線基地局装置101から取得したカウント方法リストにおける「重み付け係数」を、移動動作の実行回数に加算する。
これにより、無線端末装置202は、無線基地局装置101が指定したカウント基準である重み付け係数に基づいて、移動動作の実行回数をカウントすることができる。
また、無線端末装置202は、たとえば複数のマクロ基地局を含むような広域の無線基地局装置101を管理する管理基地局により作成されたカウント基準に基づいて、移動動作の実行回数をカウントすることにより、自己の移動状態を適切に推定することができる。
なお、無線端末装置202は、カウント基準を、報知情報に含まれるカウント方法リスト42から取得してもよいし、報知情報に含まれる周辺セル情報から取得してもよいし、ハンドオーバコマンドから取得してもよい。
ところで、非特許文献1に記載されるような不適切な移動動作が行なわれると、通信システムにおいて、通信断および通信トラフィックの増大等、種々の問題が生じる。
これに対して、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、カウント部13は、自己の無線端末装置202の移動動作の実行回数をカウントする。移動状態推定部12は、カウント部13によってカウントされた実行回数に基づいて、自己の無線端末装置202の移動状態を推定する。そして、カウント部13は、無線基地局装置101から取得したカウント基準に従ってカウントを行う。
このような構成により、無線端末装置202と比べて広範囲の通信環境を把握する無線基地局装置101から取得したカウント基準に従ってカウントを行うことができるので、無線端末装置202は、自己の移動状態を適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置202は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置202は、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミングを適切に調整することができる。これにより、不適切な移動動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、カウント部13は、実行された自己の無線端末装置202の移動動作をカウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いてカウントを行う。
このような構成により、移動動作の種別に応じて重み付けした値を用いてカウントすることができるので、移動動作の実行回数を適切にカウントすることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、カウント部13は、自己の無線端末装置202の移動動作の実行回数をカウントする。移動状態推定部12は、カウント部13によってカウントされた実行回数に基づいて、自己の無線端末装置202の移動状態を推定する。そして、カウント部13は、実行された自己の無線端末装置202の移動動作を所定のカウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いてカウントを行う。
このような構成により、移動動作の種別に応じて重み付けした値を用いてカウントすることができるので、自己の移動状態を適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置202は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置202は、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミングを適切に調整することができる。これにより、不適切な移動動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、カウント部13は、実行された自己の無線端末装置202の移動動作が、カウント基準に従う所定条件を満たす場合には、所定条件を満たす移動動作をカウントの対象から除外する。
このような構成により、カウント基準に従って上記カウントの対象として適切な移動動作を選択することができるので、移動動作の実行回数を適切にカウントすることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、自己の無線端末装置202のハンドオーバ動作におけるハンドオーバ元の無線基地局装置101から受信したハンドオーバコマンドに含まれるカウント基準を取得する。
このような構成により、移動動作の実行回数をカウントするために必要な情報を、無線端末装置202の移動動作を管理する無線基地局装置101から取得することができる。
また、ハンドオーバ元の無線基地局装置101においては、当該無線基地局装置101が形成するセルに在圏する無線端末装置202の台数が特に少ない場合、報知情報によりカウント基準を繰り返して送信するよりも、無線端末装置202に対してカウント基準を効率よく通知することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、設定部11は、移動状態推定部12によって推定された移動状態に基づいて、自己の無線端末装置202の移動動作の実行判断に関わる自己の無線端末装置202の設定を行う。
このような構成により、自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミング等のパラメータの設定を適切に行うことができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、通知部17は、移動状態推定部12によって推定された移動状態を、無線基地局装置101へ通知する。
このような構成により、当該無線基地局装置101において、無線端末装置202により通知された移動状態を用いることにより、適切なタイミングで当該無線端末装置202のハンドオーバ動作が行われるので、当該無線端末装置202における不適切なハンドオーバ動作の発生を抑制することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、設定部11は、上記移動状態に基づいて、自己の無線端末装置202のハンドオーバ動作の実行判断に関わる自己の無線端末装置202の動作に関する設定を行う。
このような構成により、ハンドオーバ動作の実行判断に関わる動作を行うタイミングを調整することができる。無線端末装置202の移動状態に基づいて上記タイミングの調整を適切に行うことにより、ハンドオーバ動作のタイミングが適正化され、不適切なハンドオーバ動作の発生を抑制することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、カウント部13は、無線基地局装置101から取得した情報に基づいて、上記所定条件を満たすか否かを判断する。
このような構成により、たとえば無線基地局装置101における無線信号の送信電力の設定変更により通信システムの構成が変更される場合においても、当該変更を無線端末装置202において速やかに反映させることができるので、通信システムの変更に対する柔軟性を高めることができる。
また、周辺の無線基地局装置101の情報を予め取得することにより、移動動作の開始に先立って当該移動動作をカウントの対象とするか否かを判断することができる。これにより、無線端末装置202は、当該移動動作を自己の移動状態の推定に速やかに反映させることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、基地局種別判定部15は、移動動作における移動元または移動先の無線基地局装置101から送信される無線信号の送信電力に基づいて、上記移動動作における移動元または移動先の無線基地局装置101の種別を判定する。そして、カウント部13は、基地局種別判定部15の判定結果に基づいて、上記移動動作をカウントの対象とするか否かを判断する。
このような構成により、無線基地局装置101が送信する無線信号の送信電力に基づいて、当該無線基地局装置101の種別を適切に判別し、上記カウントの対象として適切な移動動作を選択することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、カウント部13は、自己の無線端末装置202の無線基地局装置101への移動動作が行われてから他の無線基地局装置101への移動動作が行われるまでの滞在時間が所定のしきい値未満の場合に、上記移動動作をカウントの対象から除外する。
このように、移動動作の完了後に在圏するセルにおける滞在時間を選択基準にする構成により、上記カウントの対象として適切な移動動作を選択し、自己の移動状態を適切に推定することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、カウント部13は、自己の無線端末装置202の他の無線基地局装置101から小型基地局への移動動作が行われた場合に、上記移動動作をカウントの対象から除外する。
このように、他の無線基地局装置101から小型基地局への移動動作をカウントの対象から除外する構成により、上記カウントの対象として適切な移動動作を選択し、自己の移動状態を適切に推定することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、カウント部13は、自己の無線端末装置202の小型基地局から他の無線基地局装置101への移動動作が行われた場合に、上記移動動作をカウントの対象から除外する。
このように、小型基地局から他の無線基地局装置101への移動動作をカウントの対象から除外する構成により、上記カウントの対象として適切な移動動作を選択し、自己の移動状態を適切に推定することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、カウント部13は、自己の無線端末装置202のマクロ基地局から他の無線基地局装置101への移動動作または他の無線基地局装置101からマクロ基地局への移動動作が行われた場合に、上記移動動作をカウントの対象とする。
このように、サイズが大きいマクロセルを移動元または移動先とする移動動作をカウント対象とする構成により、上記カウントの対象として適切な移動動作を選択し、自己の移動状態を適切に推定することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、カウント部13は、自己の無線端末装置202のハンドオーバ動作の実行回数をカウントする。移動状態推定部12は、カウント部13によってカウントされた実行回数に基づいて、自己の無線端末装置202の移動状態を推定する。設定部11は、移動状態推定部12によって推定された移動状態に基づいて、TTTの値を設定する。受信電力測定部16は、無線基地局装置101から送信される無線信号の受信電力を測定し、測定結果がTTTで示される時間継続して所定条件を満たす場合に、測定結果を示すメジャメントレポートを通信接続先の無線基地局装置101へ、通知部17経由で送信する。そして、カウント部13は、無線基地局装置101から取得したカウント基準に従ってカウントを行う。
このような構成により、無線端末装置202と比べて広範囲の通信環境を把握する無線基地局装置101から取得したカウント基準に従ってカウントを行うことができるので、無線端末装置202は、自己の移動状態を適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置202は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置202は、3GPPで規定された無線端末装置202によるハンドオーバ動作のタイミング調整の機能を実現するために、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、TTTの調整を適切に行うことにより、ハンドオーバ動作のタイミングを適切に調整することが可能となる。
これにより、不適切なハンドオーバ動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、カウント部13は、自己の無線端末装置202のハンドオーバ動作の実行回数をカウントする。移動状態推定部12は、カウント部13によってカウントされた実行回数に基づいて、自己の無線端末装置202の移動状態を推定する。設定部11は、移動状態推定部12によって推定された移動状態に基づいて、TTTの値を設定する。受信電力測定部16は、無線基地局装置101から送信される無線信号の受信電力を測定し、測定結果がTTTで示される時間継続して所定条件を満たす場合に、測定結果を示すメジャメントレポートを通信接続先の無線基地局装置101へ、通知部17経由で送信する。そして、カウント部13は、実行された自己の無線端末装置202のハンドオーバ動作を所定のカウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いてカウントを行う。
このような構成により、移動動作の種別に応じて重み付けした値を用いてカウントすることができるので、自己の移動状態を適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置202は、ヘテロジーニアスネットワークにおいて移動する場合においても、自己の移動状態を適切に推定することができる。
そして、無線端末装置202は、3GPPで規定された無線端末装置202によるハンドオーバ動作のタイミング調整の機能を実現するために、適切に推定した自己の移動状態に基づいて、TTTの調整を適切に行うことにより、ハンドオーバ動作のタイミングを適切に調整することが可能となる。
これにより、不適切なハンドオーバ動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、カウント方法リスト作成部22は、移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置101と通信可能であり、かつカウント基準に従って移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置202について、カウント基準を作成する。そして、カウント方法リスト通知部23は、カウント方法リスト作成部22によって作成されたカウント基準を、他の無線基地局装置101または無線端末装置202に通知する。
このように、たとえば無線端末装置202または他の無線基地局装置101へ当該カウント基準を通知することにより、当該カウント基準に基づいて、通信システムにおける無線端末装置202の移動状態を、無線端末装置202において適切に推定することができる。
これにより、無線端末装置202は、自己の移動状態に基づいて、たとえば移動動作のタイミングを適切に調整することができるので、不適切な移動動作の発生が抑制され、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、たとえば、ある無線基地局装置101が、不適切な移動動作を含む複数の移動動作を管理する場合、不適切な移動動作の発生状況を考慮した上で、適切なカウント基準を作成することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、カウント方法リスト作成部22は、各無線基地局装置101を重み付けする。そして、カウント方法リスト通知部23は、カウント方法リスト作成部22による重み付け結果をカウント基準として通知する。
このような構成により、無線基地局装置101毎に、移動動作のカウント基準を細かく重み付けすることができるので、通信システムにおける無線端末装置202の移動状態を、当該カウント基準に基づいて適切に推定することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、カウント方法リスト通知部23は、カウント方法リスト作成部22による重み付け結果を各無線基地局装置101に通知する。
このような構成により、たとえばある無線基地局装置101が、自己により形成されるセル内に位置する他の無線基地局装置101を管理する場合、当該無線基地局装置101は、当該他の無線基地局装置101の設置数の密度に応じた重み付け結果を、当該他の無線基地局装置101へ送信することができる。
これにより、当該無線基地局装置101は、当該重み付け結果に基づいて、無線端末装置202に対して移動状態を適切に推定させることができるので、広範なエリアにわたって無線端末装置202の移動動作を最適化することができる。
なお、本発明の実施の形態に係る無線通信システムでは、無線基地局装置101が通信制御装置として動作する。すなわち、無線基地局装置101が、カウント基準を含むカウント方法リスト41,42,43,44を作成し、作成したカウント方法リスト41,42,43,44を他の無線基地局装置101または無線端末装置202へ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。通信制御装置は、1または複数の無線基地局装置101を管理するための管理装置であってもよい。具体的には、MME162またはコアネットワーク301と通信接続するOAM(Operation, Administration, and Maintenance)サーバ等、無線基地局装置101を管理するための管理装置が、カウント基準を含むカウント方法リスト41,42,43,44を作成し、作成したカウント方法リスト41,42,43,44を他の無線基地局装置101へ送信する構成であってもよい。
この場合、管理装置において、基地局検出部は、たとえば休止状態にある周辺基地局が始動することにより、X2インタフェースを介した当該周辺基地局との通信接続の確立を検出すると、当該周辺基地局のIDをカウント方法リスト作成部へ出力する。
カウント方法リスト作成部は、検出された無線基地局装置101のIDを基地局検出部から受けると、受けたIDに基づいて、たとえばカウント基準を示すカウント方法リスト41または42を更新する。そして、カウント方法リスト作成部は、たとえば更新したカウント方法リスト41または42を、カウント方法リスト通知部へ出力する。
カウント方法リスト通知部は、カウント方法リスト作成部からたとえばカウント方法リスト41または42を受けると、受けたカウント方法リスト41または42の一部または全部を他の無線基地局装置101へ送信する。
このような構成により、無線通信システム401において、各無線基地局装置101がカバーする領域が変わってしまう場合においても、柔軟に対応することができる。
具体的には、たとえば、無線通信システム401において、無線基地局装置101が新たに追加された場合、各無線基地局装置101が送信する無線信号の送信電力が変更されることにより当該各無線基地局装置101が形成するセルの大きさが変更された場合、または当該セル内において建物が新たに建設された場合において、各無線基地局装置101がカバーする領域が変わってしまう。
このため、たとえば、あるマクロ基地局が形成するマクロセル内に位置していた小型基地局が、他のマクロ基地局が形成するマクロセル内に位置するようになったりすることにより、無線基地局装置101が形成するセルの隣接セルが変わってしまったりする。
このような場合、ある管理基地局が管理する被管理基地局が、他の管理基地局により管理されるようになったりするため、管理基地局は、適切なカウント方法リストを作成できなかったりしてしまうという問題が発生する。
管理装置が、複数のマクロ基地局を含むような広域の無線基地局装置101を管理することにより、各無線基地局装置101のカバーエリアが変更された場合においても柔軟に対応することができるので、カウント方法リストを適切に作成することができる。
なお、本発明の実施の形態に係る無線端末装置202は、移動動作の完了後に移動状態の更新処理を行ったが、これに限定するものではない。たとえば、無線端末装置202は、各無線基地局装置101の報知情報を保存しておき、所定回数移動動作が完了した後に、上記移動動作を移動動作の実行回数のカウント対象とするかどうかを保存した各報知情報に基づいて判断した後、移動状態の更新処理を行ってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置202は、在圏するセルにおける滞在時間を当該無線端末装置202が計測したが、これに限定するものではない。たとえば、無線基地局装置101が、自己が形成するセルに在圏する無線端末装置202の滞在時間を計測してもよい。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置202は、移動動作を行う際に、接続確立状態のハンドオーバ回数とアイドル状態のセル再選択回数を独立にカウントする必要はない。たとえば、無線端末装置202は、接続確立状態およびアイドル状態を交互に繰り返しながら移動動作を行う際には、ハンドオーバ回数およびセル再選択回数を合わせた値に基づいて自己の移動状態を推定してもよい。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 設定部
12 移動状態推定部
13 カウント部
14 タイマ
15 基地局種別判定部
16 受信電力測定部(受信電力報告部)
17 通知部(受信電力報告部)
21 基地局検出部(カウント基準作成部)
22 カウント方法リスト作成部(カウント基準作成部)
23 カウント方法リスト通知部(カウント基準通知部)
81 アンテナ
82 サーキュレータ
83 無線受信部
84 無線送信部
85 信号処理部
86 受信信号処理部
87 送信信号処理部
88 制御部
89 入出力部
91 アンテナ
92 サーキュレータ
93 無線受信部
94 無線送信部
95 信号処理部
96 受信信号処理部
97 送信信号処理部
98 制御部
101 無線基地局装置(通信制御装置)
161 S-GW
162 MME
163 P−GW
202 無線端末装置
301 コアネットワーク
302 IP網

Claims (29)

  1. 移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置であって、
    自己の無線端末装置の前記移動動作の実行回数をカウントするためのカウント部と、
    前記カウント部によってカウントされた前記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するための移動状態推定部とを備え、
    前記カウント部は、前記無線基地局装置から取得したカウント基準に従って前記カウントを行う、無線端末装置。
  2. 前記カウント部は、実行された自己の無線端末装置の前記移動動作を前記カウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いて前記カウントを行う、請求項1に記載の無線端末装置。
  3. 移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置であって、
    自己の無線端末装置の前記移動動作の実行回数をカウントするためのカウント部と、
    前記カウント部によってカウントされた前記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するための移動状態推定部とを備え、
    前記カウント部は、実行された自己の無線端末装置の前記移動動作を所定のカウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いて前記カウントを行う、無線端末装置。
  4. 前記カウント部は、実行された自己の無線端末装置の前記移動動作が、前記カウント基準に従う所定条件を満たす場合には、前記所定条件を満たす前記移動動作を前記カウントの対象から除外する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線端末装置。
  5. 前記カウント部は、自己の無線端末装置のハンドオーバ動作におけるハンドオーバ元の無線基地局装置から受信したハンドオーバコマンドに含まれるカウント基準を取得する、請求項1または請求項2に記載の無線端末装置。
  6. 前記無線端末装置は、さらに、
    前記移動状態推定部によって推定された前記移動状態に基づいて、自己の無線端末装置の前記移動動作の実行判断に関わる自己の無線端末装置の設定を行うための設定部を備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の無線端末装置。
  7. 前記無線端末装置は、さらに、
    前記移動状態推定部によって推定された前記移動状態を、前記無線基地局装置へ通知するための通知部を備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無線端末装置。
  8. 前記設定部は、前記移動状態に基づいて、自己の無線端末装置のハンドオーバ動作の実行判断に関わる自己の無線端末装置の動作に関する設定を行う、請求項6に記載の無線端末装置。
  9. 前記カウント部は、前記無線基地局装置から取得した情報に基づいて、前記所定条件を満たすか否かを判断する、請求項4に記載の無線端末装置。
  10. 前記無線端末装置は、さらに、
    移動動作における移動元または移動先の無線基地局装置から送信される無線信号の送信電力に基づいて、前記移動動作における移動元または移動先の無線基地局装置の種別を判定するための基地局種別判定部を備え、
    前記カウント部は、前記基地局種別判定部の判定結果に基づいて、前記移動動作を前記カウントの対象とするか否かを判断する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の無線端末装置。
  11. 前記カウント部は、自己の無線端末装置の無線基地局装置への移動動作が行われてから他の無線基地局装置への移動動作が行われるまでの滞在時間が所定のしきい値未満の場合に、前記移動動作を前記カウントの対象から除外する、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の無線端末装置。
  12. 前記カウント部は、自己の無線端末装置の他の無線基地局装置から小型基地局への移動動作が行われた場合に、前記移動動作を前記カウントの対象から除外する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の無線端末装置。
  13. 前記カウント部は、自己の無線端末装置の小型基地局から他の無線基地局装置への移動動作が行われた場合に、前記移動動作を前記カウントの対象から除外する、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の無線端末装置。
  14. 前記カウント部は、自己の無線端末装置のマクロ基地局から他の無線基地局装置への移動動作または他の無線基地局装置からマクロ基地局への移動動作が行われた場合に、前記移動動作を前記カウントの対象とする、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の無線端末装置。
  15. ハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置であって、
    自己の無線端末装置の前記ハンドオーバ動作の実行回数をカウントするためのカウント部と、
    前記カウント部によってカウントされた前記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するための移動状態推定部と、
    前記移動状態推定部によって推定された前記移動状態に基づいて、TTT(Time to Trigger)の値を設定するための設定部と、
    前記無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定し、測定結果が前記TTTで示される時間継続して所定条件を満たす場合に、前記測定結果を示すメジャメントレポートを通信接続先の無線基地局装置へ送信するための受信電力報告部とを備え、
    前記カウント部は、前記無線基地局装置から取得したカウント基準に従って前記カウントを行う、無線端末装置。
  16. ハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置であって、
    自己の無線端末装置の前記ハンドオーバ動作の実行回数をカウントするためのカウント部と、
    前記カウント部によってカウントされた前記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するための移動状態推定部と、
    前記移動状態推定部によって推定された前記移動状態に基づいて、TTTの値を設定するための設定部と、
    前記無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定し、測定結果が前記TTTで示される時間継続して所定条件を満たす場合に、前記測定結果を示すメジャメントレポートを通信接続先の無線基地局装置へ送信するための受信電力報告部とを備え、
    前記カウント部は、実行された自己の無線端末装置の前記ハンドオーバ動作を所定のカウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いて前記カウントを行う、無線端末装置。
  17. 移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能であり、かつカウント基準に従って前記移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置について、前記カウント基準を作成するためのカウント基準作成部と、
    前記カウント基準作成部によって作成された前記カウント基準を他の装置に通知するためのカウント基準通知部とを備える、通信制御装置。
  18. 前記カウント基準作成部は、各前記無線基地局装置を重み付けし、
    前記カウント基準通知部は、前記カウント基準作成部による重み付け結果を前記カウント基準として通知する、請求項17に記載の通信制御装置。
  19. 前記カウント基準通知部は、前記カウント基準作成部による重み付け結果を前記各無線基地局装置に通知する、請求項18に記載の通信制御装置。
  20. 請求項17に記載の通信制御装置を備える無線基地局装置。
  21. 前記無線基地局装置を管理し、請求項17に記載の通信制御装置を備える管理装置。
  22. 移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置における通信制御方法であって、
    自己の無線端末装置の前記移動動作の実行回数をカウントするステップと、
    カウントした前記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するステップとを含み、
    前記カウントするステップにおいては、前記無線基地局装置から取得したカウント基準に従って前記カウントを行う、通信制御方法。
  23. 移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置における通信制御方法であって、
    自己の無線端末装置の前記移動動作の実行回数をカウントするステップと、
    カウントした前記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するステップとを含み、
    前記カウントするステップにおいては、実行された自己の無線端末装置の前記移動動作を所定のカウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いて前記カウントを行う、通信制御方法。
  24. ハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置における通信制御方法であって、
    自己の無線端末装置の前記ハンドオーバ動作の実行回数をカウントするステップと、
    カウントした前記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するステップと、
    推定した前記移動状態に基づいて、TTTの値を設定するステップと、
    前記無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定し、測定結果が前記TTTで示される時間継続して所定条件を満たす場合に、前記測定結果を示すメジャメントレポートを通信接続先の無線基地局装置へ送信するステップとを含み、
    前記カウントするステップにおいては、前記無線基地局装置から取得したカウント基準に従って前記カウントを行う、通信制御方法。
  25. ハンドオーバ動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置における通信制御方法であって、
    自己の無線端末装置の前記ハンドオーバ動作の実行回数をカウントするステップと、
    カウントした前記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するステップと、
    推定した前記移動状態に基づいて、TTTの値を設定するステップと、
    前記無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定し、測定結果が前記TTTで示される時間継続して所定条件を満たす場合に、前記測定結果を示すメジャメントレポートを通信接続先の無線基地局装置へ送信するステップとを含み、
    前記カウントするステップにおいては、実行された自己の無線端末装置の前記ハンドオーバ動作を所定のカウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いて前記カウントを行う、通信制御方法。
  26. 通信制御装置における通信制御方法であって、
    移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能であり、かつカウント基準に従って前記移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置について、前記カウント基準を作成するステップと、
    作成した前記カウント基準を他の装置に通知するステップとを含む、通信制御方法。
  27. 移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置において用いられる通信制御プログラムであって、コンピュータに、
    自己の無線端末装置の前記移動動作の実行回数をカウントするステップと、
    カウントした前記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するステップとを実行させるためのプログラムであり、
    前記カウントするステップにおいては、前記無線基地局装置から取得したカウント基準に従って前記カウントを行う、通信制御プログラム。
  28. 移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能な無線端末装置において用いられる通信制御プログラムであって、コンピュータに、
    自己の無線端末装置の前記移動動作の実行回数をカウントするステップと、
    カウントした前記実行回数に基づいて、自己の無線端末装置の移動状態を推定するステップとを実行させるためのプログラムであり、
    前記カウントするステップにおいては、実行された自己の無線端末装置の前記移動動作を所定のカウント基準に従って重み付けし、重み付けした値を用いて前記カウントを行う、通信制御プログラム。
  29. 通信制御装置において用いられる通信制御プログラムであって、コンピュータに、
    移動動作を行なうことにより複数の無線基地局装置と通信可能であり、かつカウント基準に従って前記移動動作の実行回数をカウントする無線端末装置について、前記カウント基準を作成するステップと、
    作成した前記カウント基準を他の装置に通知するステップとを実行させるための、通信制御プログラム。
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