以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
無線基地局装置は、自らの形成するセルおよび周辺セルについての情報、すなわち無線信号の周波数および周辺セルのID(identification)等を無線端末装置に通知する。無線端末装置は、無線基地局装置から通知された情報に基づいて、周辺セルの検出および測定を行なう。無線端末装置は、この測定結果に基づいて、周辺セルへの移動を開始する。ここで、無線端末装置の「移動」とは、ハンドオーバを意味することに加えて、セル再選択(Cell Reselection)を意味する。
ハンドオーバとは、ある無線基地局装置との通信接続が確立した状態(接続確立状態)にある無線端末装置の通信接続先が他の無線基地局装置へ切り替えられることを意味する。
セル再選択とは、アイドル状態の無線端末装置が今後通信を開始する、すなわち通話またはデータ通信を開始する際にどのセルを介して通信を行なうかを選択することを意味すし、たとえば3GPP TS 36.304に記載の内容が当てはまる。
ハンドオーバ動作は、無線端末装置の通信接続先の無線基地局装置主導で行なわれる。一方、セル再選択は、無線端末装置主導で行なわれ、通常、無線基地局装置が無線端末装置に対して特に指示を与えることなく実行される。
無線端末装置の「アイドル状態」とは、ある無線基地局装置を無線端末装置が通信相手として選択しており、かつ当該無線基地局装置と通信を行っていない状態である。また、「通信を行っていない状態」とは、当該無線基地局装置へ何らかの情報を送信する動作を行っていない状態である。
たとえば、無線端末装置が無線基地局装置と通信しているときには、無線端末装置の移動先は無線基地局装置またはコアネットワークにおける上位装置が決定する。また、たとえば、無線端末装置が無線基地局装置と通信していないときには、無線端末装置の移動先は無線端末装置が決定する。
また、無線端末装置がセルに在圏している、とは、無線端末装置が、当該セルを形成する無線基地局装置を通信先として選択し、かつ当該無線基地局装置と通信可能な状態または通信中である状態を意味する。
具体的には、たとえば、無線端末装置が新たなセルすなわち無線基地局装置へ移動したことを当該無線基地局装置の上位装置が登録した状態を意味する。
また、「在圏」は、無線端末装置の属するトラッキングエリアの更新を上位装置が登録した状態を含むものとする。
すなわち、無線端末装置は、新たなセルへ移動した場合、この移動によって自己の存在するトラッキングエリアすなわちページング処理の対象エリアが変わった場合には、トラッキングエリア更新処理を実行する。
フェムトセルおよびアクセスモードは、3GPP SPEC TS 22.220において以下のように説明されている。すなわち、フェムト基地局は、無線インタフェースを介して接続されている無線端末装置を、IPバックホール(backhaul)を用いて、移動通信事業者網に接続する顧客構内装置である。
また、フェムトセルのアクセスモードにおいて、クローズドアクセスモードのフェムト基地局は、関連するCSG(Closed Subscriber Group)メンバーにのみサービスを提供する。また、ハイブリッドモードのフェムト基地局は、関連するCSGメンバーおよびCSGノンメンバーにサービスを提供する。また、オープンアクセスモードのフェムト基地局は、通常の基地局として動作する。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいても、このような3GPPの定義を適用してもよい。
また、上記定義と合わせて、あるいは別個に、以下のような定義を適用することも可能である。
マクロ基地局およびピコ基地局は、事業者の管理下にあり、事業者と契約している無線基地局装置が通信可能な無線基地局装置である。また、マクロ基地局およびピコ基地局は、基本的に電源がオフになることはないと考えられる。
また、フェムト基地局は、主に個人または法人の建物内に設置され、ユーザの事情により移動するまたは電源がオフとなる可能性がある無線基地局装置である。
また、フェムト基地局は、オープン/ハイブリッド/クローズドのいずれかのアクセスモードで動作する。フェムト基地局は、クローズドアクセスモードで動作する場合には、登録済みのメンバー(端末)のみ接続可能となる。また、クローズドアクセスモードで動作する場合には、登録済みのメンバーにのみサービスを提供する。また、ハイブリッドモードで動作する場合には、登録済みのメンバー、および未登録のメンバーすなわちノンメンバーの両方にサービスを提供する。また、オープンアクセスモードで動作する場合には、マクロ基地局およびピコ基地局と同じ動作をする。
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、無線通信システム401は、たとえば3GPPで規格化されたLTE(Long Term Evolution)に従う移動体通信システムを含み、無線基地局装置101A,101B,101Cを備える。図1では、3つの無線基地局装置を代表的に示しているが、さらに多数の無線基地局装置が設けられてもよい。無線通信システム401は、さらに、コアネットワーク301に設けられたS−GW(Serving Gateway)161と、MME(Mobility Management Entity)162と、P−GW(Packet Data Network Gateway)163とを含む。
無線端末装置202は、無線基地局装置101A、無線基地局装置101Bまたは無線基地局装置101Cと、S−GW161と、P−GW163とを介してIP網302におけるサーバ等と通信コネクションを確立し、たとえばIP(Internet Protocol)パケットを含む通信データを送受信する。
より詳細には、無線基地局装置101A,101B,101Cは、無線信号を無線端末装置202と送受信することにより、無線端末装置202との通信を行なう。
S−GW161は、無線基地局装置101A,101B,101CとIP網302との間に接続されている。S−GW161は、無線基地局装置101A,101B,101C経由で無線端末装置202から受信した通信データをP−GW163経由でIP網302へ送信するとともに、IP網302におけるサーバ等からP−GW163経由で受信した通信データを無線基地局装置101A,101B,101C経由で無線端末装置202へ送信する。
MME162は、無線通信システム401における無線基地局装置101A,101B,101C、および無線端末装置202等を管理する。MME162は、無線基地局装置101A,101B,101Cとの間で制御メッセージを送受信する。
無線基地局装置101A,101B,101Cは、S−GW161およびP−GW163を介してIP網302との間で通信データを送受信する。
無線基地局装置101A,101B,101CおよびS−GW161は、論理的なインタフェースであるS1−Uインタフェースに従う通信データを互いに送受信することにより、S1−Uインタフェース経由で種々の情報を互いにやりとりする。
無線基地局装置101A,101B,101CおよびMME162は、点線で示すように、論理的なインタフェースであるS1−MMEインタフェースに従う通信データを互いに送受信することにより、S1−MMEインタフェース経由で種々の情報を互いにやりとりする。
MME162およびS−GW161は、論理的なインタフェースであるS11インタフェースに従う通信データを互いに送受信することにより、S11インタフェース経由で種々の情報を互いにやりとりする。
S−GW161およびP−GW163は、論理的なインタフェースであるS5インタフェースに従う通信データを互いに送受信することにより、S5インタフェース経由で種々の情報を互いにやりとりする。
また、無線通信システム401は、IP網302に接続された、Wi−Fiに従う認証を受けた無線通信装置すなわちアクセスポイント151を備える。図1では、1つのアクセスポイントを代表的に示しているが、さらに多数のアクセスポイントが設けられてもよい。
無線端末装置202は、アクセスポイント151を介してIP網302におけるサーバ等と通信コネクションを確立し、たとえばIPパケットを含む通信データを送受信することも可能である。
より詳細には、アクセスポイント151は、無線信号を無線端末装置202と送受信することにより、無線端末装置202との通信を行なう。
アクセスポイント151は、無線端末装置202から受信した通信データをIP網302へ送信するとともに、IP網302におけるサーバ等から受信した通信データを無線端末装置202へ送信する。
図2は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて移動動作が行なわれる状況の一例を示す図である。
図2を参照して、無線基地局装置101A,101B,101Cは、たとえばフェムト基地局、ピコ基地局またはマクロ基地局である。
無線基地局装置101Aは、セルCAを形成し、セルCA内に存在する無線端末装置202と無線信号を送受信することにより、当該無線端末装置202と通信することが可能である。無線基地局装置101Bは、セルCBを形成し、セルCB内に存在する無線端末装置202と無線信号を送受信することにより、当該無線端末装置202と通信することが可能である。無線基地局装置101Cは、セルCCを形成し、セルCC内に存在する無線端末装置202と無線信号を送受信することにより、当該無線端末装置202と通信することが可能である。
ここで、無線端末装置202からコアネットワーク301への方向を上り方向と称し、コアネットワーク301から無線端末装置202への方向を下り方向と称する。また、無線基地局装置101A,101B,101Cの各々を、無線基地局装置101とも称する。
[セル再選択動作の一例]
本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおける無線基地局装置、無線通信装置および無線端末装置は、以下の各シーケンスの各ステップを含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記録媒体に格納された状態で流通する。
以下、無線端末装置202の移動元の無線基地局装置をサービング基地局とも称し、移動先の無線基地局装置をターゲット基地局とも称する。また、以下では、無線基地局装置101Aがサービング基地局であり、無線基地局装置101Bがターゲット基地局である場合について説明する。
本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、セル再選択の実行判断に電力測定処理(Measurement)を利用する。この電力測定処理は、たとえば3GPPでは、レイヤ3スタックのRRC(Radio Resource Control)に対応する。
ここで、3GPP TS 36.133 4.2.2.1章では、セル再選択のためのサービングセルの測定周期について、以下のように記載されている。すなわち、無線端末装置202は、少なくともDRX(Discontinuous Reception)サイクルごとに、サービングセルのRSRP(Reference Signal Received Power)レベルを測定し、TS 36.304で定義されるS値(Cell Selection Criterion S)とRSRPレベルとを比較する。
無線端末装置202は、サービングセルの測定結果を、少なくとも2回の測定でフィルタリングする。このフィルタリングは、平均化であると考えられる。
フィルタリング対象となる上記測定の組のうち、少なくとも2回の測定は、少なくともDRXサイクルの1/2の間隔を空けて実行しなければならない。これは、測定間隔をDRXサイクルの1/2以上にしなければならないことを意味する、と考えられる。
ここで、3GPP TS 36.133 4.2.2.1章の表4.2.2.1−1では、DRXサイクル長[秒]とDRXサイクル数Nservとの対応関係が示されている。具体的には、DRXサイクル長が0.32秒、0.64秒、1.28秒および2.56秒のとき、DRXサイクル数Nservがそれぞれ4,4,2,2である。
無線端末装置202は、Nserv回の連続したDRXサイクルにおいて、サービングセルがS値を満たしていない場合には、自己の測定(Measurement)機能が何らかの規制により制限されていない限り、サービング基地局から指定されたすべての周辺セルの測定を開始する。すなわち、無線端末装置202は、一定期間経過すれば、S値が条件を満たしていなくても周辺セルの測定を開始する。
このような3GPP TS 36.133の記載から、サービングセルの測定周期として最短でも0.16秒(160ms)が必要となり、上記のようなS値の判定には少なくとも2回の測定が必要となる。このため、周辺セルの測定開始判断には、実質0.32秒(320ms)以上の間隔が必要になる。
また、S値が条件を満たしていない状態で周辺セルの測定を開始する場合、周辺セルの測定開始判断には0.32秒×4回=1.28秒の間隔が必要になる。
3GPP TS 36.133 4.2.2.1章では、RSRPについてのみ記載されているが、RSRQ(Reference Signal Receive Quality)についてもRRCに従って測定されることから、RSRPと同様であると考えられる。
図3は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおけるセル再選択動作のシーケンスの一例を示す図である。
ここでは、図2に示すように、無線端末装置202が、セルCA内に位置し、無線基地局装置101Aを通信相手として選択してから、セルCAおよびセルCBの重複領域へ移動した場合を想定する。
再び図3を参照して、まず、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aを新たに通信相手として選択することを決定すると、無線基地局装置101Aから送信される報知情報を受信し(ステップS1)、受信した報知情報の内容を保存する(ステップS2)。この報知情報に、周辺セル情報、およびセル再選択を行なうための情報が含まれる。
次に、無線端末装置202は、コアネットワーク301におけるMME162等に対して新たなセルCAへ移動したことを通知するため、端末登録処理であるアタッチ処理(Attach Procedure)を実行する(ステップS3)。
次に、無線端末装置202は、サービング基地局である無線基地局装置101Aから送信される無線信号の受信電力の測定を開始する。すなわち、無線端末装置202は、サービングセルの受信電力の測定を行なう。たとえば、無線端末装置202は、当該無線信号に含まれるパイロット信号を用いて受信電力を測定する。この測定周期は、たとえば0.16秒である(ステップS4)。
次に、無線端末装置202は、サービングセルの評価値であるS値を算出し、S値判定を行なう(ステップS5)。
無線端末装置202は、サービングセルのS値が所定条件を満たす場合には(ステップS5でYES)、報知情報の示す周波数において、報知情報の示す周辺基地局から送信される無線信号の受信電力の測定を開始する。ここで、周辺基地局は、サービング基地局以外の他の無線基地局装置101を示す。すなわち、無線端末装置202は、サービングセルに加えて、周辺セルの受信電力の測定を行なう。たとえば、無線端末装置202は、当該無線信号に含まれるパイロット信号を用いて受信電力を測定する(ステップS6)。
次に、無線端末装置202は、周辺セルの評価値であるS値を算出し、S値判定を行なう(ステップS7)。
無線端末装置202は、周辺セルのS値が所定条件を満たす場合には(ステップS7でYES)、サービングセルおよび周辺セルの測定結果を用いて、サービングセルおよび周辺セルをたとえば受信電力品質の良い順に順位付けする(ステップS8)。
次に、無線端末装置202は、順位付けの結果、最上位のセルがサービングセルでは無かった場合には(ステップS9でYES)、当該最上位セルへのセル再選択を行なう。すなわち、無線端末装置202は、最上位の周辺セルに対応する無線基地局装置、たとえば無線基地局装置101Bを新たに通信相手として選択することを決定する。そして、無線端末装置202は、無線基地局装置101Bからの報知情報を受信し(ステップS10)、受信した報知情報の内容を保存する(ステップS11)。
次に、無線端末装置202は、コアネットワークにおけるMME等に対して新たなセルCBへ移動したことを通知するため、端末登録処理であるアタッチ処理を実行する(ステップS12)。
[アタッチ処理の一例]
図4は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおけるアタッチ処理を示す図である。図4は、図3におけるステップS3またはステップS12の動作を詳細に示している。
図4を参照して、無線端末装置202は、ある無線基地局装置101を新たな通信相手として選択すべきであると判断すると、RRC(Radio Resource Control)コネクション要求(RRC Connection Request)を無線基地局装置101へ送信する(ステップS21)。
次に、無線基地局装置101は、無線端末装置202からRRCコネクション要求を受信して、RRCコネクション情報(RRC Connection Setup)を無線端末装置202へ送信する(ステップS22)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101からRRCコネクション情報を受信して、RRCコネクション完了通知(RRC Connection Setup Complete)を送信する(ステップS23)。
次に、無線基地局装置101は、無線端末装置202からRRCコネクション完了通知を受信して、無線端末装置202から受信したアタッチ要求(Attach Request)をMME162へ送信する。このアタッチ要求は、たとえば、無線端末装置202からのRRCコネクション完了通知に含まれる。また、アタッチ要求は、無線端末装置202が、あるセルに新たに移動したいので、MME162に対して通信許可を要求するために送信される情報である(ステップS24)。
次に、MME162は、認証要求(Authentication Request)を無線基地局装置101へ送信する(ステップS25)。
次に、無線基地局装置101は、下り情報を無線端末装置202へ送信する。この下り情報に、たとえばMME162からの認証要求の情報が含まれる(ステップS26)。
次に、無線端末装置202は、上り情報を無線基地局装置101へ送信する。この上り情報に、たとえばMME162への認証応答の情報が含まれる(ステップS27)。
次に、無線基地局装置101は、MME162から受信した認証要求に対する認証応答をMME162へ送信する(ステップS28)。
次に、MME162は、NAS(Non-Access Stratum)層のセキュリティ処理として、セキュリティ情報(NAS Security Mode Command)を無線基地局装置101へ送信する(ステップS29)。
次に、無線基地局装置101は、下り情報を無線端末装置202へ送信する(ステップS30)。
次に、無線端末装置202は、上り情報を無線基地局装置101へ送信する(ステップS31)。
次に、無線基地局装置101は、MME162から受信したセキュリティ情報に対するセキュリティ完了通知(NAS Security Mode Complete)をMME162へ送信する(ステップS32)。
次に、MME162は、無線基地局装置101からセキュリティ完了通知を受信して、アタッチ受諾(Attach Accept)を無線基地局装置101へ送信する(ステップS33)。
次に、無線基地局装置101は、MME162からアタッチ受諾を受信して、セキュリティ情報(Security Mode Command)を無線端末装置202へ送信する(ステップS34)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101からセキュリティ情報を受信して、セキュリティ完了通知(Security Mode Complete)を無線基地局装置101へ送信する(ステップS35)。
次に、無線基地局装置101は、無線端末装置202へRRC(Radio Resource Control)コネクション再構成指示(RRC Connection Reconfiguration)を送信する(ステップS36)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101へRRCコネクション再構成完了通知(RRC Connection Reconfiguration Complete)を送信する(ステップS37)。
次に、無線基地局装置101は、無線端末装置202からRRCコネクション再構成完了通知を受信して、アタッチ完了通知(Attach Complete)を送信する(ステップS38)。
次に、MME162は、無線基地局装置101からアタッチ完了通知を受信して、端末情報解放指示(UE Context Release Command)を無線基地局装置101へ送信する(ステップS39)。
次に、無線基地局装置101は、MME162から端末情報解放指示を受信して、RRCコネクション解放要求(RRC Connection Release)を無線端末装置202へ送信する。これにより、無線端末装置202は、アイドル状態となる(ステップS40)。
次に、無線基地局装置101は、端末情報解放完了通知(UE Context Release Complete)をMME162へ送信する(ステップS41)。
[ハンドオーバ動作の一例]
図5は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおけるハンドオーバ動作のシーケンスの一例を示す図である。
ここでは、図2に示すように、無線端末装置202が、セルCA内に位置し、無線基地局装置101Aと通信中である状態から、セルCAおよびセルCBの重複領域へ移動した場合を想定する。
以下では、無線基地局装置101Aがサービング基地局であり、無線基地局装置101Bがターゲット基地局である場合について説明する。
再び図5を参照して、まず、無線基地局装置101Aは、自己と通信中の無線端末装置202の測定対象となる周波数と、当該周波数の無線信号を送信する他の無線基地局装置とを設定する(ステップS51)。
次に、無線基地局装置101Aは、設定した他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを無線端末装置202に測定させるための測定開始要求(Measurement Configuration)を無線端末装置202へ送信する。この測定開始要求には、周辺セル情報、すなわち測定対象となる無線基地局装置のセルIDが含まれる。また、この測定開始要求には、各無線基地局装置の送信周波数が含まれる(ステップS52)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置101Aから測定開始要求を受信して、電力測定処理(Measurement)を開始する、すなわち受信した測定開始要求の示す周波数において、測定開始要求の示す無線基地局装置から送信される無線信号の受信電力を測定する(ステップS53)。
次に、無線端末装置202は、この受信電力の測定結果を示す測定結果通知(Measurement Report)を無線基地局装置101Aへ送信する。たとえば、無線端末装置202は、受信電力の測定を定期的に行ない、無線基地局装置101Aとの通信状態が悪くなった場合、および無線基地局装置101A以外の他の無線基地局装置との通信状態が良くなった場合に、測定結果通知を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS54)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、セルIDごとの測定結果を示す測定情報を取得し、図示しない記憶部に保存する(ステップS55)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、当該無線端末装置202がハンドオーバすべきか否かを判断し、ハンドオーバすべきであると判断すると、周辺セル情報を参照してたとえば無線基地局装置101Bをハンドオーバ先として決定する(ステップS56)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線基地局装置101Bを示すハンドオーバ要求を上位装置へ送信する(ステップS57)。
次に、上位装置は、無線基地局装置101Aからハンドオーバ要求を受信して、無線基地局装置101Bへ当該ハンドオーバ要求を送信する(ステップS58)。
次に、無線基地局装置101Bは、上位装置からハンドオーバ要求を受信して、上位装置へ当該ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答を送信する(ステップS59)。
次に、上位装置は、無線基地局装置101Bからハンドオーバ応答を受信して、無線基地局装置101Aへハンドオーバ指示を送信する(ステップS60)。
次に、無線基地局装置101Aは、上位装置からハンドオーバ指示を受信して、無線端末装置202へRRC(Radio Resource Control)コネクション再構成指示(RRC Connection Reconfiguration)を送信する(ステップS61)。
次に、無線基地局装置101Aは、上位装置へ自己の通信状態等を示す状態通知を送信する(ステップS62)。
次に、上位装置は、無線基地局装置101Aから状態通知を受信して、無線基地局装置101Bへ無線端末装置202との通信内容等を示す状態通知を送信する(ステップS63)。
また、無線端末装置202および無線基地局装置101B間でRRCコネクションが確立されると、無線端末装置202は、無線基地局装置101BへRRCコネクション再構成完了通知(RRC Connection Reconfiguration Complete)を送信する(ステップS64)。
次に、無線基地局装置101Bは、無線端末装置202からRRCコネクション再構成完了通知を受信して、上位装置へハンドオーバ完了通知を送信する(ステップS65)。
次に、上位装置は、無線基地局装置101Bからハンドオーバ完了通知を受信して、端末情報解放指示を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS66)。
次に、無線基地局装置101Aは、上位装置から端末情報解放指示を受信して、無線端末装置202に関する情報を解放し、上位装置へ端末情報解放完了通知を送信する(ステップS67)。
[アクセスポイントを含むセルにおける通信動作]
図6は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が形成するセル内およびアクセスポイントが形成する通信エリア内を無線端末装置が移動する際の移動経路の一例を示す図である。
図6を参照して、無線基地局装置101Aは、セルCAを形成する。また、アクセスポイント151Bは、通信エリアABを形成する。通信エリアABは、セルCAに含まれる。
まず、無線端末装置202Aは、セルCA内かつ通信エリアAB外にある地点S1において、たとえば無線基地局装置101Aと接続確立状態にある。より詳細には、無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Aと無線信号の送受信することにより、無線基地局装置101Aを介して通信データを他の装置と送受信する。
この場合における通信データは、たとえば音声情報、画像情報および文字情報等のデータ情報および着信および発信等の呼制御に関する呼制御情報を含む。
次に、無線端末装置202Aは、地点S1から通信エリアABの境界上における地点M1へ、無線基地局装置101Aとの接続確立状態を維持しながら移動する(ステップS102)。
アクセスポイント151が形成する通信エリアとは、当該通信エリア内に位置する無線端末装置202および当該アクセスポイント151が無線信号による通信を行うことが可能な領域を意味する。
この場合における通信とは、当該無線端末装置202および当該アクセスポイント151間において、データ情報を送受信するデータ通信を意味する。従って、当該通信には、呼制御情報および通話データを送受信する通話通信は含まれない。
無線端末装置202が無線基地局装置101およびアクセスポイント151と同時に通信を行うことができる場合、当該無線端末装置202を、以下デュアルモード端末と称する。
また、無線端末装置202が無線基地局装置101およびアクセスポイント151と同時に通信を行うことができない、すなわちあるタイミングにおいて無線基地局装置101またはアクセスポイント151のいずれかのみとしか通信を行うことができない場合、当該無線端末装置202を、以下シングルモード端末と称する。
無線端末装置202Aは、たとえばアクセスポイント151との無線通信を行うためのWi−Fi接続機能を有している。Wi−Fi接続機能とは、アクセスポイント151からの無線信号の有無を監視し、当該無線信号を検出すると当該アクセスポイント151と接続する機能を意味する。
Wi−Fi接続機能が動作するか否かは、たとえば無線端末装置202を使用するユーザによる設定または当該無線端末装置202にインストールされたアプリケーションにより決定される。
すなわち、無線端末装置202がアクセスポイント151とデータ通信を行うか否かは、当該無線端末装置202により決定される。
たとえば無線端末装置202Aでは、Wi−Fi接続機能がオンに設定されている。
無線端末装置202Aは、アクセスポイント151からの無線信号の有無を監視しながら地点M1へ向けて移動し、地点M1へ到着するとアクセスポイント151Bからの無線信号を検出し、アクセスポイント151Bに対して通信接続を確立することを試みる。
そして、無線端末装置202Aは、アクセスポイント151Bとの通信接続が確立した接続確立状態となると、アクセスポイント151Bとデータ通信を開始する。
この結果、無線端末装置202Aは、アクセスポイント151Bと無線信号の送受信を行うことにより、アクセスポイント151Bを介して通信データを他の装置と送受信する。
また、無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Aとの接続確立状態を維持する。
なお、無線端末装置202が無線基地局装置101との接続確立状態を維持したままデータ通信先を当該無線基地局装置101からアクセスポイント151へ変更することを、以下「切替え」または「通信先変更」と称する。ハンドオーバ動作および切替え動作の相違点を以下に示す。
すなわち、ハンドオーバ動作は、無線端末装置202と接続確立状態にある無線基地局装置101により制御される。当該無線基地局装置101は、ハンドオーバ動作において、当該無線端末装置202の通信接続先を自己から他の無線基地局装置101へ変更する。
この結果、当該無線端末装置202は、当該他の無線基地局装置101と接続確立状態になる。
一方、切替え動作は、無線基地局装置101と接続確立状態にある無線端末装置202により制御される。
当該無線端末装置202は、切替え動作において、当該無線基地局装置101との接続確立状態を維持したまま、すなわちRRCコネクションを確立したままアクセスポイント151との通信接続を確立する。
より詳細には、当該無線端末装置202は、切替え動作において、呼制御通信先を変えずにデータ通信先を当該無線基地局装置101からアクセスポイント151へ変更する。
また、当該無線端末装置202がデータ通信先を当該アクセスポイント151へ切替えても、当該無線端末装置202および当該アクセスポイント151間で通話通信が可能となるわけではない。
従って、切替え動作はハンドオーバ動作と異なるものであり、アクセスポイント151は、無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないといえる。
また、切替え動作は無線端末装置202が主導する動作であるため、アクセスポイント151または無線基地局装置101が無線端末装置202に対して強制的に切替え動作を実行させることはできない。
次に、無線端末装置202Aは、地点M1から通信エリアAB内における地点E1へ移動する(ステップS104)。
この際、無線端末装置202Aは、アクセスポイント151Bと接続確立状態にあり、アクセスポイント151Bとデータ通信を行う。また、無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Aと接続確立状態であり、無線基地局装置101Aと通話通信を行う。
なお、無線端末装置202および無線基地局装置101間で送受信する無線信号の周波数と、無線端末装置202およびアクセスポイント151間で送受信する無線信号の周波数とは異なる場合が多い。
このため、無線端末装置202Aは、通信エリアABにおいてアクセスポイント151Bとデータ通信を行う際に、無線基地局装置101Aからの無線信号が干渉となることはない。
[アクセスポイントを含むセルにおいて発生する問題点]
図7は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が形成するセル内およびアクセスポイントが形成する通信エリア内を無線端末装置が移動する際の移動経路の他の一例を示す図である。
図7を参照して、無線基地局装置101Aは、たとえばマクロ基地局、ピコ基地局またはフェムト基地局であり、セルCAを形成する。また、アクセスポイント151A,151Bは、それぞれ通信エリアAA,ABを形成する。通信エリアAA,ABは、たとえばセルCAに含まれる。
まず、無線端末装置202Aは、たとえばセルCA内かつ通信エリアAA,AB外における地点S2において無線基地局装置101Aと接続確立状態にある。また、無線端末装置202Aは、アクセスポイント151との無線通信を行うWi−Fi接続機能を有しており、かつ当該Wi−Fi接続機能がオンに設定されているとする。
次に、無線端末装置202Aは、たとえば無線基地局装置101Aとの接続確立状態を維持しながら地点S2から通信エリアAAの境界上における地点M2へ移動を開始する(ステップS112)。
そして、無線端末装置202Aは、通信接続が可能なアクセスポイント151を見つけるためにアクセスポイント151からの無線信号の受信電力を測定しながら移動する。
次に、無線端末装置202Aは、地点M2へ到着するとアクセスポイント151Aからの無線信号の受信電力が所定レベル以上となったことを検出すると、アクセスポイント151Aに対して通信接続を確立することを試みる。
そして、無線端末装置202Aは、アクセスポイント151Aと接続確立状態となるとデータ通信先を無線基地局装置101Aからアクセスポイント151Aへ切替える。
次に、無線端末装置202Aは、地点M2から通信エリアAAの境界上における地点M3へ通信エリアAAの境界上を移動する(ステップS114)。
次に、無線端末装置202Aは、地点M3へ到着すると、通信エリアAA外かつセルCA内における地点E2へ移動を開始する(ステップS116)。
次に、無線端末装置202Aは、通信エリアAA外へ出るとアクセスポイント151Aからの無線信号の受信電力が所定レベル未満となるため、データ通信先をアクセスポイント151Aから無線基地局装置101Aへ戻す。
また、無線端末装置202Aは、通信接続が可能なアクセスポイント151を見つけるためにアクセスポイント151からの無線信号の受信電力を測定しながらセルCA内を移動し、地点E2へ到着する。
無線端末装置202Aは、上記ステップS112およびS116において、通信接続が可能なアクセスポイント151を見つけるためにアクセスポイント151からの無線信号の受信電力を測定しながらセルCA内を移動する。
このため、無線端末装置202Aは、当該受信電力を測定するために消費電力が大きくなるという問題が発生する。
また、無線端末装置202Aが、アクセスポイント151からの無線信号の受信電力が所定レベル以上となるとデータ通信先を無線基地局装置101から当該アクセスポイント151へ切り替える仕様を有する場合、以下の問題が生ずる。
すなわち、無線端末装置202Aは、上記ステップS112において、地点M2に到着したタイミングでアクセスポイント151Aからの無線信号の受信電力が所定レベル以上であることを検出する。
そして、無線端末装置202Aは、たとえば当該受信電力が無線基地局装置101Aからの無線信号の受信電力より小さい場合すなわち受信環境が悪い場合でもデータ通信先を無線基地局装置101Aからアクセスポイント151Aへ切り替えてしまう。
また、無線端末装置202Aは、一度データ通信先をアクセスポイント151Aへ切り替えてしまうと、たとえばアクセスポイント151Aからの無線信号の受信電力が所定レベル未満となるまですなわち上記ステップS116まで、データ通信先をアクセスポイント151Aのまま維持する。
たとえば、無線端末装置202Aは、上記ステップS114において、無線基地局装置101Aとの距離が短くなることにより無線基地局装置101Aからの無線信号の受信電力がより大きくなる、すなわち無線基地局装置101Aからの無線信号の受信環境がよりよくなる場合でも、データ通信先をアクセスポイント151Aのまま維持する。
このため、無線端末装置202Aは、アクセスポイント151Aからの無線信号の受信環境が無線基地局装置101Aからの無線信号の受信環境より悪い場合でも、アクセスポイント151Aをデータ通信先として維持してしまう。
この場合、無線端末装置202Aが行うデータ通信の単位時間当たりの通信データ量、すなわちスループットが下がってしまうという問題が発生する。
一方、無線端末装置202B,202C,202D,202Eは、たとえばWi−Fi接続機能を有しており、かつ当該Wi−Fi接続機能がオフに設定されているとする。
無線端末装置202B,202Cは、たとえば通信エリアAA内に位置している。また、無線端末装置202D,202Eは、たとえば通信エリアAB内に位置している。
無線端末装置202B,202Cは,Wi−Fi接続機能がオフに設定されているので、通信エリアAA内に位置していても無線基地局装置101Aをデータ通信先としている。
また、無線端末装置202D,202Eは,Wi−Fi接続機能がオフに設定されているので、通信エリアAB内に位置していても無線基地局装置101Aをデータ通信先としている。
このため、無線基地局装置101Aは、自己と、無線端末装置202B,202C,202D,202Eとの間の通信トラヒックが増大しても、当該通信トラヒックをオフロードすることができないので、通信断および回線負荷の増加等、種々の問題が生じる。
そこで、本発明の実施の形態に係る無線端末装置202、無線基地局装置101およびアクセスポイント151では、以下の構成および動作により通信トラヒックのオフロードに関する制御を適切に行い、上記問題を解決する。
[アクセスポイントの構成]
図8は、本発明の実施の形態に係るアクセスポイントの構成を示す図である。
図8を参照して、アクセスポイント151は、アンテナ111と、サーキュレータ112と、無線受信部(無線通信部)113と、無線送信部(無線通信部)114と、信号処理部115と、制御部118とを備える。信号処理部115は、受信信号処理部116と、送信信号処理部117とを含む。信号処理部115および制御部118は、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)等によって実現される。
サーキュレータ112は、アンテナ111において受信された無線端末装置202からの無線信号を無線受信部113へ出力し、また、無線送信部114から受けた無線信号をアンテナ111へ出力する。
無線受信部113は、サーキュレータ112から受けた無線信号をベースバンド信号またはIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、この周波数変換した信号をデジタル信号に変換して受信信号処理部116へ出力する。
受信信号処理部116は、無線受信部113から受けたデジタル信号に対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式におけるFFT(Fast Fourier Transform)等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号の一部または全部を所定のフレームフォーマットに変換してIP網302側へ送信する。
送信信号処理部117は、IP網302側から受信した通信データを所定のフレームフォーマットに変換した通信データまたは自ら生成した通信データに対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式におけるIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号を無線送信部114へ出力する。
無線送信部114は、送信信号処理部117から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号に周波数変換してサーキュレータ112へ出力する。
制御部118は、アクセスポイント151における各ユニット、およびIP網302経由で他の無線基地局装置101との間で各種情報をやり取りする。
図9は、本発明の実施の形態に係るアクセスポイントにおける制御部の構成を示す図である。
図9を参照して、制御部118は、メッセージ受信部(ネットワーク通信部)31と、メッセージ応答制御部(通知部)32と、メッセージ送信部(ネットワーク通信部)33と、記憶部34と、通信量測定部(トラヒック情報取得部)35とを含む。
記憶部34は、たとえば自己のアクセスポイント151が無線端末装置202との無線通信に使用可能な無線通信方式および自己のアクセスポイント151のIDを保持する。無線通信方式およびIDは、アクセスポイント151の属性を示す装置情報である。
無線通信方式は、具体的には無線信号の周波数帯の種別、無線LAN規格の種別および無線LANの認証プログラムの種別等である。
無線信号の周波数帯の種別は、たとえば2.4−2.5GHzを使用する「2GHzバンド」および5.15−5.35GHzを使用する「5GHzバンド」である。
また、無線LAN規格の種別は、たとえば「IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.11a」、「IEEE802.11b」、「IEEE802.11g」、「IEEE802.11n」および「IEEE802.11ac」である。
また、無線LANの認証プログラムの種別は、たとえば「WPA(Wi-Fi Protected Access)」および「WPA2」である。
通信量測定部35は、たとえば信号処理部115において処理される所定時間あたりの送信信号および受信信号のデータ量の合計を測定する。そして、通信量測定部35は、当該合計に基づいて、自己のアクセスポイント151における無線通信の通信トラヒックについて判断を行う。
当該判断の結果は、たとえば「High」、「Medium」または「Low」である。通信量測定部35は、当該判断の結果を含むトラヒック情報をメッセージ応答制御部32へ出力する。
メッセージ受信部31は、たとえば送信先が無線端末装置202である通信データをIP網302におけるサーバ等の他の装置から受信すると、受信した通信データを無線送信部114経由で当該無線端末装置202へ送信する。
また、メッセージ受信部31は、IP網302経由で無線基地局装置101からメッセージを受信し、受信したメッセージをメッセージ応答制御部32へ出力する。
具体的には、メッセージ受信部31は、アクセスポイント状態通知要求(Wi-Fi AP(Access Point) Status Request)を示すメッセージを無線基地局装置101から受信する。
図10は、本発明の実施の形態に係るアクセスポイント状態通知要求を示すメッセージの一例を示す図である。
図10を参照して、アクセスポイント状態通知要求41は、無線基地局ID(eNodeB ID)、アクセスポイントID(Service Set ID)およびメッセージタイプ(Message Type)を項目として含み、各々に対応する値を含む。
無線基地局IDは、アクセスポイント状態通知要求41の送信元である無線基地局装置101のIDを示し、たとえば「111」である。
アクセスポイントIDは、アクセスポイント状態通知要求41の送信先であるアクセスポイント151のIDを示し、たとえば「AAA」である。
メッセージタイプは、アクセスポイント状態通知要求41のメッセージの種別を示し、たとえば「Wi-Fi AP Status Request」である。
メッセージ応答制御部32は、メッセージ受信部31からアクセスポイント状態通知要求41を受けて、受けたアクセスポイント状態通知要求41のメッセージタイプが「Wi-Fi AP Status Request」であることを確認すると、記憶部34および通信量測定部35から以下の情報を取得する。
すなわち、メッセージ応答制御部32は、記憶部34から装置情報を取得する。当該装置情報は、たとえばアクセスポイント151が無線端末装置202との無線通信に使用可能な無線信号の周波数帯の種別、無線LAN規格の種別および無線LANの認証プログラムの種別と、自己のアクセスポイント151のIDとである。
また、メッセージ応答制御部32は、たとえば自己のアクセスポイント151における無線通信の通信トラヒックの判断結果を示すトラヒック情報を通信量測定部35から取得する。
メッセージ応答制御部32は、記憶部34および通信量測定部35からそれぞれ取得した装置情報およびトラヒック情報に基づいて、アクセスポイント状態通知要求41の応答メッセージであるアクセスポイント状態応答(Wi-Fi AP Status Report)を作成する。
図11は、本発明の実施の形態に係るアクセスポイント状態応答を示すメッセージの一例を示す図である。
図11を参照して、アクセスポイント状態応答42は、無線基地局ID、アクセスポイントID、メッセージタイプ、周波数帯(RF-Parameters)、無線LAN規格(PhyLayer Parameters)、認証プログラム(Authentication)および通信負荷(Traffic Load)を項目として含み、各々に対応する値を含む。
具体的には、メッセージ応答制御部32は、たとえばアクセスポイント状態応答42の送信先である無線基地局装置101のIDである「111」を、無線基地局ID値としてアクセスポイント状態応答42に書込む。
また、メッセージ応答制御部32は、たとえばアクセスポイント状態応答42の送信元である自己のアクセスポイント151のIDである「AAA」を、アクセスポイントID値としてアクセスポイント状態応答42に書込む。
また、メッセージ応答制御部32は、たとえばアクセスポイント状態応答42のメッセージの種別を示す「Wi-Fi AP Status Report」を、メッセージタイプとしてアクセスポイント状態応答42に書込む。
また、メッセージ応答制御部32は、たとえば記憶部34から取得した使用可能な無線信号の周波数帯の種別が「2GHzバンド」である場合、周波数帯として「2000」をアクセスポイント状態応答42に書込む。
また、メッセージ応答制御部32は、たとえば記憶部34から取得した使用可能な無線LAN規格の種別が「IEEE802.11b」である場合、無線LAN規格として「802dot11b」をアクセスポイント状態応答42に書込む。
また、メッセージ応答制御部32は、たとえば記憶部34から取得した使用可能な無線LANの認証プログラムの種別が「WPA2」である場合、認証プログラムとして「WPA2」をアクセスポイント状態応答42に書込む。
また、メッセージ応答制御部32は、たとえば通信量測定部35から取得したトラヒック情報が「High」である場合、通信負荷として「High」をアクセスポイント状態応答42に書込む。
メッセージ応答制御部32は、上記のように作成したアクセスポイント状態応答42をメッセージ送信部33へ出力する。
メッセージ送信部33は、メッセージ応答制御部32からアクセスポイント状態応答42を受けると、たとえばIP網302経由で「111」のIDを有する無線基地局装置101へアクセスポイント状態応答42を送信する。
また、メッセージ送信部33は、たとえば送信先がIP網302におけるサーバ等の他の装置である通信データを無線受信部113経由で無線端末装置202から受信すると、受信した通信データをIP網302経由で当該他の装置へ送信する。
[無線基地局装置の構成]
図12は、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置の構成を示す図である。
図12を参照して、無線基地局装置101は、アンテナ91と、サーキュレータ92と、無線受信部(無線通信部)93と、無線送信部(無線通信部)94と、信号処理部95と、制御部98とを備える。信号処理部95は、受信信号処理部96と、送信信号処理部97とを含む。信号処理部95および制御部98は、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)等によって実現される。
サーキュレータ92は、アンテナ91において受信された無線端末装置202からの無線信号を無線受信部93へ出力し、また、無線送信部94から受けた無線信号をアンテナ91へ出力する。
無線受信部93は、サーキュレータ92から受けた無線信号をベースバンド信号またはIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、この周波数変換した信号をデジタル信号に変換して受信信号処理部96へ出力する。
受信信号処理部96は、無線受信部93から受けたデジタル信号に対してCDMA(Code Division Multiple Access)方式における逆拡散等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号の一部または全部を所定のフレームフォーマットに変換してコアネットワーク301側へ送信する。
送信信号処理部97は、コアネットワーク301側から受信した通信データを所定のフレームフォーマットに変換した通信データまたは自ら生成した通信データに対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式におけるIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号を無線送信部94へ出力する。
無線送信部94は、送信信号処理部97から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号に周波数変換してサーキュレータ92へ出力する。
制御部98は、無線基地局装置101における各ユニット、無線端末装置202およびコアネットワーク301との間で各種情報をやり取りする。
図13は、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置における制御部の構成を示す図である。
図13を参照して、制御部98は、ネットワーク通信部21と、タイマ22と、Wi−Fi対応情報収集部(端末能力情報取得部、装置情報取得部、トラヒック情報取得部、通信品質情報取得部および通信接続情報取得部)23と、切替え制御部(オフロード促進部、装置情報通知部および位置情報通知部)24と、切替え促進実行部(オフロード処理部)25と、端末通信部26と、切替え促進通知部(オフロード処理通知部)27と、を含む。
ネットワーク通信部21は、Wi−Fi対応情報収集部23から受けたメッセージをコアネットワーク301経由でアクセスポイント151へ送信する。また、ネットワーク通信部21は、アクセスポイント151からコアネットワーク301経由で受けたメッセージをWi−Fi対応情報収集部23へ出力する。
タイマ22は、計測時間を設定して始動させると、設定した計測時間が経過するまで継続して作動する。タイマ22の作動状態を確認することにより、タイマ22を始動してから計測時間が経過したかどうかを知ることができる。
端末通信部26は、Wi−Fi対応情報収集部23、切替え制御部24または切替え促進通知部27から受けたメッセージを送信信号処理部97経由で無線端末装置202へ送信する。また、端末通信部26は、無線端末装置202から受信信号処理部96経由で受けたメッセージをWi−Fi対応情報収集部23、切替え制御部24または切替え促進通知部27へ出力する。
切替え制御部24は、たとえば自己の無線基地局装置101の周辺に位置するアクセスポイント151に関する情報および自己の無線基地局装置101が形成するセルに在圏する無線端末装置202に関する情報をWi−Fi対応情報収集部23から取得する。
切替え制御部24は、たとえば所定時間毎に上記情報を取得してもよいし、また、必要に応じて上記情報を取得してもよい。
切替え制御部24は、上記情報に基づいて、自己の無線基地局装置101と接続確立状態にある無線端末装置202に対して、データ通信先を自己の代わりにアクセスポイント151へ切替える動作すなわち通信先変更動作を促す。
具体的には、切替え制御部24は、たとえば自己の無線基地局装置101の周辺に位置するアクセスポイント151のIDを保持しており、当該IDをWi−Fi対応情報収集部23へ出力する。
Wi−Fi対応情報収集部23は、切替え制御部24からアクセスポイント151のIDを受けると、受けたIDに対応するアクセスポイント151についての装置情報およびトラヒック情報等を取得する。
具体的には、Wi−Fi対応情報収集部23は、当該IDに基づいて、たとえば図10に示すアクセスポイント状態通知要求41を作成する。
Wi−Fi対応情報収集部23は、作成したアクセスポイント状態通知要求41をたとえばネットワーク通信部21経由でアクセスポイント151へ送信する。
そして、Wi−Fi対応情報収集部23は、送信したアクセスポイント状態通知要求41の応答であるたとえば図11に示すアクセスポイント状態応答42をアクセスポイント151からネットワーク通信部21経由で受けると、以下の処理を行う。
すなわち、Wi−Fi対応情報収集部23は、アクセスポイント状態応答42に基づいて、たとえばアクセスポイントID、周波数帯、無線LAN規格および認証プログラム等の装置情報を切替え制御部24へ出力する。
また、Wi−Fi対応情報収集部23は、アクセスポイント状態応答42に基づいて、たとえば通信負荷すなわち通信トラフィック等のトラヒック情報を切替え制御部24へ出力する。
また、Wi−Fi対応情報収集部23は、自己の無線基地局装置101が形成するセルに在圏する無線端末装置202から、当該無線端末装置202がアクセスポイント151との無線通信が可能であるか否かを示す端末能力情報を端末通信部26経由で取得する。
端末能力情報は、たとえばアクセスポイント151との無線通信の可否、当該無線通信において使用可能な周波数、当該無線通信において使用可能な無線LAN規格の種別および当該無線通信において使用可能な無線LANの認証プログラムの種別を含む。
具体的には、Wi−Fi対応情報収集部23は、たとえばアイドル状態の無線端末装置202が自己の無線基地局装置101に対してアタッチ処理を行ってきた際に、当該無線端末装置202に対して端末能力情報を要求するためのメッセージである端末能力照会(UE Capability Enquiry)を作成する。
図14は、本発明の実施の形態に係る端末能力照会のメッセージの一例を示す図である。
図15は、本発明の実施の形態に係る端末能力照会に含まれる無線通信方式の種別の一例を示す図である。
図14を参照して、端末能力照会は、たとえば3GPP(Third Generation Partnership Project) TS 36.331 V10.4.0に基づいて作成してもよい。
Wi−Fi対応情報収集部23は、たとえば端末能力照会に含まれる端末能力通知要求(UE-Capability Request)において、問い合わせたい無線通信方式の種別(RAT(Radio Access Technology)-Type)を指定する。
図15を参照して、無線通信方式の種別は、具体的には、eutra(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)、utra(Universal Terrestrial Radio Access)、およびgeran−cs(GSM(登録商標)/EDGE Radio Access Network)等である。
Wi−Fi対応情報収集部23は、たとえば当該無線端末装置202が有するアクセスポイント151との通信能力を問い合わせる際には、無線通信方式の種別として列挙された中から少なくとも「wifi」を選択する。
そして、Wi−Fi対応情報収集部23は、選択した無線通信方式の種別である「wifi」を端末能力通知要求に含めた端末能力照会を作成し、作成した端末能力照会を端末通信部26経由で当該無線端末装置202へ送信する。
Wi−Fi対応情報収集部23は、当該端末能力照会の応答としてたとえば端末能力情報(UE-Capability Information)を当該無線端末装置202から受信する。
図16は、本発明の実施の形態に係る端末能力情報の一例を示す図である。
図17は、本発明の実施の形態に係る端末無線通信方式格納部リストの一例を示す図である。
図18は、本発明の実施の形態に係る端末無線通信方式格納部に含まれる無線通信方式の一例を示す図である。
図16を参照して、端末能力情報は、たとえば3GPP(Third Generation Partnership Project) TS 36.331 V10.4.0に基づいて作成してもよい。
Wi−Fi対応情報収集部23は、当該無線端末装置202から端末能力情報を受信すると、受信した端末能力情報を切替え制御部24へ出力する。
また、Wi−Fi対応情報収集部23は、たとえば他の無線基地局装置101が無線端末装置202の自己の無線基地局装置101へのハンドオーバを要求してきた際、当該無線端末装置202の端末能力情報を当該他の無線基地局装置101からネットワーク通信部21経由で取得する。
そして、Wi−Fi対応情報収集部23は、取得した端末能力情報を切替え制御部24へ出力する。
また、Wi−Fi対応情報収集部23は、たとえば自己の無線基地局装置101が無線端末装置202の他の無線基地局装置101へのハンドオーバ要求を行う際、当該無線端末装置202の端末能力情報を当該他の無線基地局装置101へネットワーク通信部21経由で送信する。
切替え制御部24は、Wi−Fi対応情報収集部23から端末能力情報を受けると、以下の手順で端末能力情報に含まれる情報を取得する。
すなわち、切替え制御部24は、端末能力情報における端末無線通信方式格納部リスト(UE-CapabilityRAT-ContainerList)を参照する。
図17を参照して、切替え制御部24は、参照した端末無線通信方式格納部リストに基づいて、当該端末無線通信方式格納部リストに含まれる端末無線通信方式格納部(UE-CapabilityRAT-Container)を取得する。
そして、切替え制御部24は、端末無線通信方式格納部における無線通信方式の種別および当該無線通信方式の種別に対応するオクテット列(OCTET STRING)を参照する。
具体的には、切替え制御部24は、たとえば当該無線通信方式の種別が「wifi」である場合、以下の情報に関するオクテット列を参照する。
すなわち、図18を参照して、切替え制御部24は、使用周波数パラメータ(RF-Parameters)、物理層パラメータ(PhyLayerParameters)および認証パラメータ(Authentication-Parameters)を参照する。
使用周波数パラメータは、たとえば識別名がband2000Supportedおよびband5000Supportedのオクテット列である。
band2000Supportedおよびband5000Supportedは、無線端末装置202がアクセスポイント151と無線通信を行う際に、それぞれ「2GHzバンド」および「5GHzバンド」の周波数が使用可能であるか否かを示す真偽型の値を保持する。
真偽型の値は、具体的には、真を示す0x00以外の値および偽を示す値である0x00である。
物理層パラメータは、たとえば識別名が802dot11aSupported、802dot11bSupported、802dot11gSupported、802dot11nSupportedおよび802dot11acSupportedのオクテット列である。
802dot11aSupported、802dot11bSupported、802dot11gSupported、802dot11nSupportedおよび802dot11acSupportedは、無線端末装置202がアクセスポイント151と無線通信を行う際に、それぞれ「IEEE802.11a」、「IEEE802.11b」、「IEEE802.11g」、「IEEE802.11n」および「IEEE802.11ac」の無線LAN規格の種別が使用可能であるか否かを示す真偽型の値を保持する。
認証パラメータは、たとえば識別名がWpaSupportedおよびWpa2Supportedのオクテット列である。
WpaSupportedおよびWpa2Supportedは、無線端末装置202がアクセスポイント151と無線通信を行う際に、それぞれ「WPA」および「WPA2」の無線LANの認証プログラムの種別が使用可能であるか否かを示す真偽型の値を保持する。
切替え制御部24は、たとえば参照した使用周波数パラメータ、物理層パラメータおよび認証パラメータにおけるオクテット列が全て偽を示す値である0x00である場合、自己の無線基地局装置101に対してアタッチ処理を行ってきた無線端末装置202がアクセスポイント151と無線通信を行う能力を有しないと判断する。
また、切替え制御部24は、たとえば0x00以外の値すなわち真を示す値が当該オクテット列において含まれる場合、アクセスポイント151と無線通信を行う能力を有すると判断する。
より詳細には、切替え制御部24は、当該無線端末装置202が当該真に対応するパラメータに基づいた能力を有すると判断する。
再び図13を参照して、切替え制御部24は、Wi−Fi対応情報収集部23から受けた装置情報および端末能力情報に基づいて、アクセスポイント情報(Wi-Fi AP Information)を作成する。
図19は、本発明の実施の形態に係るアクセスポイント情報を示すメッセージの一例を示す図である。
図19を参照して、アクセスポイント情報43は、アクセスポイントID、周波数帯、無線LAN規格、認証プログラム、(緯度,経度)およびエリアサイズを項目として含む。
具体的には、たとえばIDが「AAA」のアクセスポイント151の周波数帯が「2000」であり、無線LAN規格が「802dot11b」であり、認証プログラムが「WPA」であり、(緯度、経度)が「X1,Y1」であり、エリアサイズが「Large」である。
また、たとえばIDが「BBB」のアクセスポイント151の周波数帯が「2000」であり、無線LAN規格が「802dot11n」であり、認証プログラムが「WPA2」であり、(緯度、経度)が「X2,Y2」であり、エリアサイズが「Medium」である。
また、たとえばIDが「CCC」のアクセスポイント151の周波数帯が「5000」であり、無線LAN規格が「802dot11a」であり、認証プログラムが「WPA2」であり、(緯度、経度)が「X3,Y3」であり、エリアサイズが「Small」である。
ここで、周波数帯は、無線端末装置202およびアクセスポイント151間の無線通信に用いる無線信号の周波数を示し、たとえば「2000」は「2GHzバンド」を示し、また「5000」は「5GHzバンド」を示す。
また、無線LAN規格は、無線端末装置202およびアクセスポイント151間の無線通信に用いる無線LAN規格の種別を示し、たとえば「802dot11b」は「IEEE802.11b」を示し、「802dot11n」は「IEEE802.11n」を示し、また「802dot11a」は「IEEE802.11a」を示す。
また、認証プログラムにおける「WPA」および「WPA2」は、無線端末装置202およびアクセスポイント151間の無線通信に用いる無線LANの認証プログラムの種別を示す。
また、(緯度,経度)は、緯度および経度で表したアクセスポイント151の位置を示す。
また、エリアサイズは、アクセスポイント151が形成する通信エリアのサイズを示し、たとえばサイズが大きい順に「Large」、「Medium」および「Small」である。
具体的には、切替え制御部24は、たとえばアクセスポイントIDが「AAA」、「BBB」および「CCC」であるアクセスポイント151に対応する周波数帯、無線LAN規格および認証プログラムすなわち装置情報をWi−Fi対応情報収集部23から受ける。
切替え制御部24は、Wi−Fi対応情報収集部23から受けたアクセスポイントID、周波数帯、無線LAN規格および認証プログラムに、エリア位置情報である(緯度,経度)およびエリアサイズを含めた情報を装置情報としてアクセスポイント情報43に書込む。
切替え制御部24は、たとえば作成したアクセスポイント情報43を報知情報における周辺セル情報に含め、当該報知情報を端末通信部26経由で無線端末装置202へ送信することにより、当該無線端末装置202に対して通信先変更動作を促す。
また、切替え制御部24は、たとえばアクセスポイント151と無線通信を行う能力を有する無線端末装置202へアクセスポイント情報43を個別に送信することにより、当該無線端末装置202に対して通信先変更動作を促す。
この際、切替え制御部24は、たとえば無線端末装置202が有するアクセスポイント151と無線通信を行う能力またはトラヒック情報に基づいて、アクセスポイント情報43に含まれる情報を限定する。
具体的には、切替え制御部24は、たとえば無線端末装置202が能力を有する使用周波数パラメータ、物理層パラメータおよび認証パラメータに基づいて、当該無線端末装置202が無線通信を行うことが可能なアクセスポイント151をアクセスポイント情報43から選択する。
また、切替え制御部24は、トラヒック情報に基づいて、通信負荷すなわち通信トラフィックが所定条件を満たす場合に、アクセスポイント151をアクセスポイント情報43から選択する。
当該所定条件は、たとえば通信負荷が「Medium」または「Low」であることである。
そして、切替え制御部24は、選択したアクセスポイント151に関する情報に限定したアクセスポイント情報43を無線端末装置202へ送信する。
また、切替え制御部24は、無線端末装置202へアクセスポイント情報43を端末通信部26経由で送信する際、以下の処理を行ってもよい。
すなわち、切替え制御部24は、無線端末装置202がアクセスポイント151を検出しやすいように、当該無線端末装置202におけるDRX(Discontinuous Reception)または異周波測定期間(Measurement Gap)等を設定してもよい。
具体的には、切替え制御部24は、当該無線端末装置202が自己の無線基地局装置101からの通信制御情報を含むPDCCH(Physical Downlink Control Channel)のモニタを間欠的に停止するDRX(Discontinuous Reception)動作において、モニタをオフするオフ期間が長くなるように設定する。
また、切替え制御部24は、当該無線端末装置202が使用している無線信号の周波数と異なる周波数を測定する異周波測定動作において、当該異周波測定動作を行う異周波測定期間の長さが長くなるように設定する。
再び図13を参照して、Wi−Fi対応情報収集部23は、アクセスポイント情報43の応答としてたとえば状態通知(Wi-Fi Status Report)を無線端末装置202から端末通信部26経由で受信する。
状態通知は、たとえば無線端末装置202が無線基地局装置101へ送信する測定結果通知に含まれる場合もあるし、また無線端末装置202から無線基地局装置101へ単独で送信される場合もある。
図20は、本発明の実施の形態に係る状態通知を示すメッセージの一例を示す図である。
図20を参照して、状態通知44は、通信品質情報および通信接続情報を含む。より詳細には、状態通知44は、検出済みのアクセスポイントID、通信品質および通信接続状態を項目として含む。
具体的には、たとえばIDが「AAA」のアクセスポイント151の通信品質が「High」であり、通信接続状態が「接続済」である。
また、たとえばIDが「BBB」のアクセスポイント151の通信品質が「Medium」であり、通信接続状態が「未接続」である。
また、たとえばIDが「CCC」のアクセスポイント151の通信品質が「Low」であり、通信接続状態が「未接続」である。
また、通信品質は、無線端末装置202および検出済みのアクセスポイント151間の通信の品質を示す通信品質情報であり、たとえば品質がよい順に「High」、「Medium」および「Low」である。
また、通信接続状態は、無線端末装置202および検出済みのアクセスポイント151間の通信接続状態を示す通信接続情報であり、たとえば当該通信接続が確立している場合「接続済」であり、また当該通信接続が確立していない場合「未接続」である。
また、検出済みのアクセスポイントIDは、検出したアクセスポイント151の中で、当該無線端末装置202が接続可能と判断したアクセスポイント151のIDに限定してもよい。
通信品質は、たとえば検出したアクセスポイント151から送信される無線信号の無線端末装置202における受信電力またはSINR(Signal to Interference-plus-Noise Ratio)に基づいて決定される。
あるいは、通信品質は、たとえば無線端末装置202が、検出したアクセスポイント151と実際に通信を行うことにより取得したスループットまたはパケットロス率に基づいて決定される。
通信接続状態は、無線端末装置202および検出したアクセスポイント151間において通信接続が確立されているか否かを示す。
Wi−Fi対応情報収集部23は、当該無線端末装置202から取得した状態通知44を切替え制御部24へ出力する。
再び図13を参照して、切替え制御部24は、たとえばWi−Fi対応情報収集部23から状態通知44を受けると、受けた状態通知44に基づいて、アクセスポイント情報43に含まれる情報を限定する。
具体的には、切替え制御部24は、たとえば通信品質情報の示す通信品質が所定条件を満たすアクセスポイント151をアクセスポイント情報43から選択する。
当該所定条件は、たとえば通信品質が「High」または「Medium」であることである。
そして、切替え制御部24は、選択したアクセスポイント151に関する情報に限定したアクセスポイント情報43を無線端末装置202へ送信することにより、当該無線端末装置202に対して通信先変更動作を促す。
また、切替え制御部24は、たとえば無線端末装置202がアクセスポイント151との通信接続を既に確立していることを状態通知44における通信接続情報が示す場合には、当該無線端末装置202へアクセスポイント情報43を送信しない。
また、切替え制御部24は、たとえば当該通信接続情報に基づいて、オフロード処理すなわち切替え促進処理を行うべきか否かについて判断する。
具体的には、切替え制御部24は、たとえば当該通信接続情報において、無線端末装置202がアクセスポイント151と通信接続を確立済みである場合、切替え促進処理を行うべきでないと判断する。
一方、切替え制御部24は、たとえば状態通知44において、無線端末装置202がアクセスポイント151と通信接続を確立していない場合、切替え促進処理を行うべきと判断する。
切替え制御部24は、切替え促進処理を行うべきと判断する場合、当該判断の結果を切替え促進通知部27へ出力する。
切替え促進通知部27は、切替え制御部24から当該判断の結果を受けると、切替え促進処理を行う旨を含む通信先変更要求(Wi-Fi Switch Request)を端末通信部26経由で当該無線端末装置202へ送信する。
図21は、本発明の実施の形態に係る通信先変更要求を示すメッセージの一例を示す図である。
図21を参照して、通信先変更要求45は、リソース割当制限待機時間(ResourceLimitationTime)、送信電力制限待機時間(PowerReductionTime)および送信電力オフ待機時間(PowerOffTime)を項目として含み、各々に対応する値を含む。
リソース割当制限待機時間、送信電力制限待機時間および送信電力オフ待機時間は、切替え促進処理が実行されるまでの待機時間である。
切替え促進処理は、無線基地局装置101による無線リソースの割り当ての削減、送信電力の削減および接続の拒否等である。切替え促進処理については後述する。
切替え促進通知部27は、通信先変更要求45を当該無線端末装置202へ送信する際に、通信先変更要求45を含めた切替え促進処理開始命令を切替え促進実行部25へ出力する。
また、切替え促進通知部27は、通信先変更要求45に対する応答である通信先変更応答(Wi-Fi Switch Response)を当該無線端末装置202から受信したタイミングで、切替え促進処理開始命令を切替え促進実行部25へ出力するか否かについて判断してもよい。
図22は、本発明の実施の形態に係る通信先変更応答を示すメッセージの一例を示す図である。
図22を参照して、通信先変更応答46は、Wi−Fi切替え(Wi-Fi Switch)を項目として含み、各々に対応する値を含む。
Wi−Fi切替えは、たとえば無線端末装置202が通信先をアクセスポイント151へ変更したか否かを示す。
あるいは、Wi−Fi切替えは、当該無線端末装置202が通信先の変更を望むか否かを示してもよい。
再び図13を参照して、切替え促進通知部27は、たとえば当該無線端末装置202から受けた通信先変更応答46におけるWi−Fi切替えの値がACKを示す場合、切替え促進処理開始命令を切替え促進実行部25へ出力すべきと判断し、切替え促進処理開始命令を切替え促進実行部25へ出力する。
また、切替え促進通知部27は、たとえば通信先変更応答46におけるWi−Fi切替えの値がNACKを示す場合、切替え促進処理開始命令を切替え促進実行部25へ出力すべきでないと判断し、切替え促進処理開始命令を切替え促進実行部25へ出力しない。
切替え促進実行部25は、切替え促進通知部27から切替え促進処理開始命令を受けると、通信先変更要求45に含まれる待機時間をタイマ22にセットし、タイマ22を開始させる。
そして、切替え促進実行部25は、タイマ22の動作が満了すると、通信先変更要求45が示す切替え促進処理を、通信先変更動作が行われる可能性を高めるために実行する。
より詳細には、切替え促進実行部25は、たとえば当該無線端末装置202との無線信号を送信または受信する際に用いるリソースの割り当て量を小さくする。
具体的には、切替え促進実行部25は、たとえば当該無線端末装置202との無線信号の送信または受信する際に用いる無線リソースの割り当て量を半分に削減する。
無線リソースは、たとえば当該無線信号の送受信に用いる搬送波であるサブキャリアの周波数領域および当該サブキャリアの送受信を行う時間である。
切替え促進実行部25は、タイマ22を開始させてからリソース割当制限待機時間後に、無線リソースの割り当ての削減を実行する。
また、切替え促進実行部25は、たとえば当該無線端末装置202へ送信する無線信号の電力を小さくする。
具体的には、切替え促進実行部25は、たとえば当該無線端末装置202へ送信するサブキャリアの送信電力を半分に削減する。
切替え促進実行部25は、タイマ22を開始させてから送信電力制限待機時間後に、送信電力の削減を実行する。
また、切替え促進実行部25は、たとえば当該無線端末装置202と送信または受信する通信データの種類を制限する。
具体的には、切替え促進実行部25は、たとえば当該無線端末装置202との通信接続を拒否する。より詳細には、切替え促進実行部25は、データ情報を送信または受信するためのサブキャリアの送信電力をたとえばゼロにすることにより、当該無線端末装置202と送信または受信する通信データの種類を通話通信に関する情報に制限する。
切替え促進実行部25は、タイマ22を開始させてから送信電力オフ待機時間後に、接続の拒否を実行する。
[無線端末装置の構成]
図23は、本発明の実施の形態に係る無線端末装置の構成を示す図である。
図23を参照して、無線端末装置202は、アンテナ81と、サーキュレータ82と、無線受信部(通信部)83と、無線送信部(通信部)84と、信号処理部85と、制御部88と、入出力部89とを備える。信号処理部85は、受信信号処理部86と、送信信号処理部87とを含む。信号処理部85、制御部88、および入出力部89は、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)等によって実現される。
サーキュレータ82は、アンテナ81において受信されたマクロ基地局、ピコ基地局またはフェムト基地局である無線基地局装置101およびアクセスポイント151からの無線信号を無線受信部83へ出力し、また、無線送信部84から受けた無線信号をアンテナ81へ出力する。
無線受信部83は、サーキュレータ82から受けた無線信号をベースバンド信号またはIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、この周波数変換した信号をデジタル信号に変換して受信信号処理部86へ出力する。
受信信号処理部86は、無線受信部83から受けたデジタル信号に対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式におけるFFT(Fast Fourier Transform)等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号の一部または全部を所定のフレームフォーマットに変換し、制御部88へ出力する。
送信信号処理部87は、制御部88から受けた通信データを所定のフレームフォーマットに変換した通信データ、または自ら生成した通信データに対してCDMA(Code Division Multiple Access)方式における拡散処理等の信号処理、またはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式におけるIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号を無線送信部84へ出力する。
無線送信部84は、送信信号処理部87から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号に周波数変換してサーキュレータ82へ出力する。
制御部88は、受信信号処理部86から受けたフレームフォーマットに格納されたデジタル信号を、たとえば音声データおよび映像データに変換し、必要であるならアナログ信号に変換したのち、スピーカ、マイク、ディスプレイおよびキー入力装置により構成される入出力部89へ出力する。
制御部88は、たとえば音声データおよびキー入力装置において受け付けた無線端末装置202を制御するための制御信号等を入出力部89から受ける。そして、制御部88は、必要に応じて受けた音声データおよび制御信号の一部を処理し、処理した音声データおよび制御信号を他の無線端末装置202へ送信するために所定のフレームフォーマットに変換する。
また、制御部88は、無線端末装置202における各ユニットとの間で各種情報をやり取りする。
図24は、本発明の実施の形態に係る無線端末装置における制御部の構成を示す図である。
図24を参照して、制御部88は、通信制御部(通知部および通信先変更処理部)11と、LTE通信部12と、Wi−Fi通信部13と、能力情報処理部(端末能力情報作成部)14と、アクセスポイント情報処理部(位置情報処理部および通信先変更許可部)15と、Wi−Fi通信状態測定部(通信品質情報取得部)16と、位置検出部(端末位置取得部)17とを含む。
位置検出部17は、たとえばGPS(Global Positioning System)により自己の無線端末装置202の位置を所定時間毎または要求に応じて検出し、検出した位置情報である端末位置情報すなわち緯度および経度をアクセスポイント情報処理部15へ出力する。
LTE通信部12は、通信制御部11から受けたメッセージを送信信号処理部87経由で無線基地局装置101へ送信する。また、LTE通信部12は、受信信号処理部86経由で無線基地局装置101から受けたメッセージを通信制御部11へ出力する。
Wi−Fi通信部13は、通信制御部11から受けたメッセージを送信信号処理部87経由でアクセスポイント151へ送信する。また、Wi−Fi通信部13は、受信信号処理部86経由でアクセスポイント151から受けたメッセージを通信制御部11へ出力する。
通信制御部11は、たとえば自己の無線端末装置202が無線基地局装置101に対してアタッチ処理を行う際に、当該無線基地局装置101から図14に示す端末能力照会をLTE通信部12経由で受信すると、受信した端末能力照会を能力情報処理部14へ出力する。
能力情報処理部14は、端末能力照会を通信制御部11から受けると、受けた端末能力照会に基づいて、自己の無線端末装置202がアクセスポイント151との無線通信を行うことが可能であるか否かを示すたとえば図16に示す端末能力情報を作成する。
具体的には、能力情報処理部14は、たとえば図15に示す当該端末能力照会における無線通信方式の種別において「wifi」が含まれる場合、自己の無線端末装置202が有する以下に示す能力情報を、当該端末能力情報における端末無線通信方式格納部リストに含める。
すなわち、当該能力情報は、たとえばアクセスポイント151との無線通信の可否、当該無線通信において使用可能な周波数、当該無線通信において使用可能な無線LAN規格の種別および当該無線通信において使用可能な無線LANの認証プログラムの種別である。
そして、能力情報処理部14は、作成した端末能力情報を通信制御部11へ出力する。
通信制御部11は、能力情報処理部14から端末能力情報を受けると、受けた端末能力情報をLTE通信部12経由で当該無線基地局装置101へ送信する。
再び図24を参照して、通信制御部11は、たとえば自己の無線端末装置202が他の装置との間で通信データを送受信するための通信データの中継装置を、無線基地局装置101からアクセスポイント151へ変更する通信先変更動作を、以下の場合に開始する。
すなわち、通信制御部11は、アクセスポイント情報処理部15から通信先変更動作開始命令を受けた場合に、自己の無線端末装置202におけるWi−Fi接続機能をオンに設定することにより、当該通信先変更動作を開始する。
また、通信制御部11は、アクセスポイント情報処理部15から通信先変更動作停止命令を受けた場合に、自己の無線端末装置202におけるWi−Fi接続機能をオフに設定することにより、当該通信先変更動作を停止する。
具体的には、通信制御部11は、無線基地局装置101から所定情報たとえば図19に示すアクセスポイント情報43をLTE通信部12経由で受信すると、受信したアクセスポイント情報43をアクセスポイント情報処理部15へ出力する。
アクセスポイント情報処理部15は、通信制御部11からアクセスポイント情報43を受けると、通信先変更動作開始命令を通信制御部11へ出力する。また、アクセスポイント情報処理部15は、受けたアクセスポイント情報43に基づいて、アクセスポイント151に関するアクセスポイントID、周波数帯、無線LAN規格および認証プログラムをWi−Fi通信状態測定部16へ出力する。
Wi−Fi通信状態測定部16は、アクセスポイント情報処理部15からアクセスポイントID、周波数帯、無線LAN規格および認証プログラムを受けると、以下の処理を行う。
すなわち、Wi−Fi通信状態測定部16は、受けた周波数帯、無線LAN規格および認証プログラムに基づいて、受けたアクセスポイントIDに対応するアクセスポイント151に対してWi−Fi通信部13経由で通信接続を確立する行うことを試みる。
Wi−Fi通信状態測定部16は、通信接続が確立した場合、たとえば当該アクセスポイント151から送信される無線信号の受信電力またはSINRを測定する。
また、Wi−Fi通信状態測定部16は、通信接続が確立した場合、たとえば当該アクセスポイント151と実際に通信を行うことにより、当該通信におけるスループットまたはパケットロス率を測定する。
Wi−Fi通信状態測定部16は、測定した受信電力、SINR、スループットまたはパケットロス率に基づいて、当該アクセスポイント151との通信品質をたとえばHigh、MediumまたはLowにより分類する。
この際、Wi−Fi通信状態測定部16は、たとえば確立したアクセスポイント151との通信接続をそのまま保持してもよい。
そして、Wi−Fi通信状態測定部16は、通信品質および通信接続を確立したアクセスポイント151のIDをアクセスポイント情報処理部15へ出力する。
アクセスポイント情報処理部15は、Wi−Fi通信状態測定部16から受けた通信品質および通信接続を確立したアクセスポイント151のIDに基づいて、たとえば図20に示す状態通知44を作成する。
そして、アクセスポイント情報処理部15は、作成した状態通知44を通信制御部11へ出力する。
ここで、無線端末装置202は、たとえばシングルモード端末である場合、DRX動作におけるモニタをオフするオフ期間または異周波測定動作を行う異周波測定期間にアクセスポイント151との無線信号の送受信を行い、また上記期間以外に無線基地局装置101との無線信号の送受信を行う。
無線端末装置202は、当該オフ期間または当該異周波測定期間の長さが長くなるように無線基地局装置101により設定される場合がある。
当該無線基地局装置101によりオフ期間または異周波測定期間が長く設定された場合、シングルモード端末は、アクセスポイント151と無線信号を送受信する期間すなわち通信接続の確立を試みる期間が長くなる。
これにより、シングルモード端末によるアクセスポイント151の検出を補助することができる。
通信制御部11は、アクセスポイント情報処理部15から状態通知44を受けると、受けた状態通知44をLTE通信部12経由で無線基地局装置101へ送信する。
また、通信制御部11は、状態通知44を測定結果通知に含めてLTE通信部12経由で無線基地局装置101へ送信してもよい。
なお、アクセスポイント情報処理部15は、自己の無線端末装置202がいずれのアクセスポイント151とも通信接続を確立することができなかった場合、たとえば以下の処理を行ってもよい。
すなわち、アクセスポイント情報処理部15は、通信先変更動作停止命令を通信制御部11へ出力する。
通信制御部11は、アクセスポイント情報処理部15から通信先変更動作停止命令を受けて、自己の無線端末装置202におけるWi−Fi接続機能をオフに設定する。
そして、アクセスポイント情報処理部15は、たとえば所定時間毎に位置検出部17から受けた位置情報に基づいて、自己の無線端末装置202がアクセスポイント151により形成される通信エリア内に進入したか否かについて判断する。
具体的には、アクセスポイント情報処理部15は、位置検出部17から受けた位置情報である緯度および経度と、アクセスポイント情報43に含まれる(緯度,経度)とに基づいて、自己の無線端末装置202からアクセスポイント情報43に含まれるアクセスポイント151までの距離を算出する。
そして、アクセスポイント情報処理部15は、アクセスポイント情報43に含まれるアクセスポイント151のエリアサイズおよび当該アクセスポイント151までの距離に基づいて、自己の無線端末装置202が当該アクセスポイント151により形成される通信エリア内に位置するか否かについて判断する。
アクセスポイント情報処理部15は、自己の無線端末装置202がアクセスポイント151により形成される通信エリア内に位置する場合、当該アクセスポイント151との通信接続が可能であると判断し、たとえば通信先変更動作開始命令を通信制御部11へ出力する。
通信制御部11は、アクセスポイント情報処理部15から通信先変更動作開始命令を受けて、自己の無線端末装置202におけるWi−Fi接続機能をオンに設定する。
これにより、無線端末装置202は、アクセスポイント151からの無線信号の受信電力が通信可能なレベルでない場合においても当該アクセスポイント151からの無線信号を測定してしまうことにより生ずる、消費電力の増大を抑制することができる。
また、通信制御部11は、たとえばLTE通信部12経由で無線基地局装置101から図21に示す通信先変更要求45を受信すると、以下の処理を行う。
すなわち、通信制御部11は、既にアクセスポイント151との通信接続を確立している場合、「ACK」をWi−Fi切替えの値として図22に示す通信先変更応答46に書込み、通信先変更応答46をLTE通信部12経由で当該無線基地局装置101へ送信する。
また、通信制御部11は、アクセスポイント151との通信接続を確立できていない場合、アクセスポイント151に対してWi−Fi通信部13経由で通信接続を確立することを試みる。
通信制御部11は、アクセスポイント151との通信接続を確立した場合、通信先を変更してもよいと判断し、通信先変更応答46におけるWi−Fi切替えの値をACKに設定する。
一方、通信制御部11は、アクセスポイント151との通信接続を確立できなかった場合、通信先を変更できないと判断し、「NACK」をWi−Fi切替えの値として通信先変更応答46に書込む。
そして、通信制御部11は、通信先変更応答46をLTE通信部12経由で当該無線基地局装置101へ送信する。
[アクセスポイントの状態に関する情報を取得する動作]
図25は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置によるアクセスポイントに関する情報を取得する動作の一例を示すシーケンス図である。
図25を参照して、アクセスポイント151Aは、無線基地局装置101Aが形成するセル内に位置するアクセスポイント151の内の一台であり、かつ無線基地局装置101AとIP網302を介して接続されているものとする。
まず、無線基地局装置101Aは、たとえば図10に示すアクセスポイント状態通知要求41を自己の周辺に位置する1または複数のアクセスポイント151へ送信する。そして、アクセスポイント151Aは、無線基地局装置101Aからアクセスポイント状態通知要求41を受信すると、たとえば図11に示すアクセスポイント状態応答42を作成する(ステップS202)。
次に、アクセスポイント151Aは、作成したアクセスポイント状態応答42を無線基地局装置101Aへ送信する。そして、無線基地局装置101Aは、アクセスポイント151Aからアクセスポイント状態応答42を受信することにより装置情報およびトラヒック情報を取得する(ステップS204)。
無線基地局装置101Aは、上記ステップS204において、トラヒック情報をアクセスポイント151Aから取得する。
これにより、無線基地局装置101Aは、自己と接続確立状態にある無線端末装置202に対して促す通信先変更動作の対象としてアクセスポイント151Aが適切であるか否かを、当該トラヒック情報に基づいて判断することができる。
たとえば、無線基地局装置101Aは、アクセスポイント151Aから受信したトラヒック情報が所定条件を満たさない場合たとえばトラヒック情報が「High」である場合、アクセスポイント151Aが通信先変更動作の対象として適切でないと判断する。
また、無線基地局装置101Aは、アクセスポイント151Aから受信したトラヒック情報がたとえば当該所定条件を満たす場合、アクセスポイント151Aが通信先変更動作の対象として適切であると判断する。
これにより、無線基地局装置101Aは、一部のアクセスポイント151に通信トラヒックが集中してしまうことを抑制することができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
なお、無線基地局装置101Aは、たとえば自己の通信トラヒックが、通信トラヒックの分散が必要となる所定のしきい値以上になった場合に上記処理を行ってもよいし、また、所定時間毎に上記処理を行ってもよい。
[無線端末装置の能力に関する情報を取得する動作]
図26は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置による無線端末装置の能力に関する情報を取得する動作の一例を示すシーケンス図である。
図26を参照して、まず、アイドル状態の無線端末装置202Aが、無線基地局装置101Aにより形成されるセルへ進入し、無線基地局装置101Aに対してアタッチ処理を行う状況を想定する。
無線基地局装置101Aは、まず、アイドル状態の無線端末装置202Aが自己に対してアタッチ処理を行ってきた際に、たとえば図14に示す端末能力照会を無線端末装置202Aへ送信する(ステップS252)。
次に、無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Aから端末能力照会を受信すると、自己がアクセスポイント151との無線通信が可能であるか否かを示すたとえば図16に示す端末能力情報を作成する。そして、無線端末装置202Aは、作成した端末能力情報を無線基地局装置101Aへ送信する。無線基地局装置101Aは、無線端末装置202Aから端末能力情報を受信する(ステップS254)。
無線基地局装置101Aは、上記ステップS254において、端末能力情報を無線端末装置202Aから取得する。
これにより、無線基地局装置101Aは、当該端末能力情報に基づいて、無線端末装置202Aが通信先変更動作を促すべき対象であるか否かを判断することができる。
たとえば、無線基地局装置101Aは、当該端末能力情報に基づいて、無線端末装置202がアクセスポイント151と無線通信を行う能力がないことを把握すると、当該無線端末装置202が通信先変更動作を促すべき対象でないと判断する。
[無線基地局装置が無線端末装置に対して通信先変更動作を促す動作]
図27は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が無線端末装置に通信先変更動作を促す動作の一例を示すシーケンス図である。
図27を参照して、無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Aが形成するセルに在圏する無線端末装置202の内の一台であり、かつ無線基地局装置101Aと接続確立状態にあるものとする。
また、無線基地局装置101Aは、アクセスポイント151の装置情報、位置情報およびトラヒック情報と、無線端末装置202Aの端末能力情報とを保持する状況を想定する。
まず、無線基地局装置101Aは、たとえば当該装置情報および当該位置情報に基づいて、たとえば図19に示すアクセスポイント情報43を作成する。そして、無線基地局装置101Aは、たとえばアクセスポイント情報43を含めた報知情報を自己が形成するセルに在圏する無線端末装置202へ送信する(ステップS302)。
次に、無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Aからアクセスポイント情報43を含む報知情報を受信すると、Wi−Fi接続機能をオンに設定し、アクセスポイント151の探索を開始する。そして、無線端末装置202Aは、アクセスポイント情報43に含まれる装置情報に基づいて、自己およびアクセスポイント151間の無線通信の通信品質を測定する(ステップS304)。
この際、無線端末装置202Aは、アクセスポイント151との通信接続を確立する場合がある。また、無線端末装置202Aは、いずれのアクセスポイント151とも通信接続を確立することができなかった場合、たとえばWi−Fi接続機能をオフに設定する。
そして、無線端末装置202Aは、当該通信品質およびアクセスポイント151との通信接続状態を含む図20に示す状態通知44を作成する。
次に、無線端末装置202Aは、作成した状態通知44をたとえば測定結果通知に含めて無線基地局装置101Aへ送信する。そして、無線基地局装置101Aは、状態通知44を含む測定結果通知を無線端末装置202Aから受信する(ステップS306)。
次に、無線基地局装置101Aは、状態通知44に基づいて、たとえばアクセスポイント情報43に含まれる装置情報を限定する(ステップS308)。
次に、無線基地局装置101Aは、たとえば状態通知44に含まれる通信接続情報において無線端末装置202Aが未接続であることを示す場合、アクセスポイント情報43を無線端末装置202Aへ送信する。一方、無線基地局装置101Aは、たとえば状態通知44に含まれる通信接続情報において無線端末装置202Aが接続済であることを示す場合、アクセスポイント情報43を無線端末装置202Aへ送信しなくてもよい(ステップS310)。
次に、無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Aからアクセスポイント情報43を受信すると、Wi−Fi接続機能をオンに設定し、アクセスポイント151の探索を開始する。無線端末装置202Aは、アクセスポイント情報43に含まれる装置情報に基づいて、自己およびアクセスポイント151間の無線通信の通信品質を測定する(ステップS312)。
この際、無線端末装置202Aは、アクセスポイント151との通信接続を確立する場合がある。そして、無線端末装置202Aは、当該通信品質およびアクセスポイント151との通信接続状態を含む状態通知44を作成する。
次に、無線端末装置202Aは、作成した状態通知44を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS314)。
無線基地局装置101Aは、上記ステップS302において、アクセスポイント情報43を報知情報に含めて無線端末装置202へ送信する。
この際、無線基地局装置101Aは、自己が形成するセルに在圏する無線端末装置202へアクセスポイント情報43を送信するので、たとえば当該セル内に位置する全てのアクセスポイント151の情報をアクセスポイント情報43に含める。
これにより、無線端末装置202は、自己の位置と、アクセスポイント151の位置および当該アクセスポイント151が形成する通信エリアの大きさとに基づいて、通信接続が可能なアクセスポイント151の存在を把握することができる。
無線端末装置202Aは、上記ステップS304において、たとえばWi−Fi接続機能をオンに設定し、アクセスポイント151の探索を開始する。
無線端末装置202Aは、通信接続が可能なアクセスポイント151の存在を把握できた場合、当該アクセスポイント151との通信接続を速やかに確立することができる。
これにより、無線端末装置202Aおよび無線基地局装置101A間の通信トラヒックを無線端末装置202Aおよび当該アクセスポイント151間へ退避させることができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
一方、無線端末装置202Aが、通信接続が可能なアクセスポイント151の存在を把握することができなかった場合、または通信接続が可能なアクセスポイント151の存在を把握できても当該アクセスポイント151との通信接続を確立できなかった場合、Wi−Fi接続機能をオフに設定することにより消費電力の増大を抑制することができる。
また、無線端末装置202は、自己の位置、アクセスポイント151の位置および通信エリアの大きさを把握しているので、自己の位置が変わっても、接続すべきアクセスポイント151を適切に選択することができる。
無線基地局装置101Aは、上記ステップS308において、たとえばアクセスポイント情報43に含まれる装置情報を限定する。
具体的には、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202Aへ送信するアクセスポイント情報43に含める情報を、たとえばトラヒック情報に基づいて、通信負荷が小さいアクセスポイント151の情報に限定する。
これにより、無線端末装置202Aは、通信負荷が大きいアクセスポイント151と通信接続を確立してしまうことを防ぐことができる。
一方、通信負荷が大きいアクセスポイント151においては、通信トラヒックがさらに集中することによる通信断またはスループットの低下等が発生してしまうことを防ぐことができる。
また、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202Aへ送信するアクセスポイント情報43に含める情報を、たとえば無線端末装置202Aの端末能力情報に基づいて、無線端末装置202Aと無線通信を行うことが可能なアクセスポイント151の情報に限定する。
これにより、無線端末装置202Aは、自己と無線通信を行うことが可能なアクセスポイント151の情報を効率よく取得することができる。
また、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202Aへ送信するアクセスポイント情報43に含める情報を、たとえば状態通知44に含まれる通信品質情報に基づいて、無線端末装置202Aと品質のよい無線通信を行うことが可能なアクセスポイント151の情報に限定する。
これにより、無線端末装置202Aは、品質のよい通信を行うことが可能なアクセスポイント151の情報を取得することができる。
なお、無線基地局装置101Aは、たとえば自己の通信トラヒックが、通信トラヒックの分散が必要となるしきい値以上と大きくなった場合に上記処理を行ってもよいし、また、所定時間毎に上記処理を行ってもよい。
[切替え促進処理の実行動作]
図28は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が切替え促進処理を実行する際の動作の一例を示すシーケンス図である。
図28を参照して、まず、無線基地局装置101Aは、たとえば図21に示す通信先変更要求45を無線端末装置202Aへ送信する(ステップS352)。
次に、無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Aから通信先変更要求45を受信すると、アクセスポイント151に対して通信接続を確立することを試みる(ステップS354)。
次に、無線端末装置202Aは、たとえば図22に示す通信先変更応答46を作成し、作成した通信先変更応答46を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS356)。
次に、無線基地局装置101Aは、通信先変更応答46を無線端末装置202Aから受信すると、たとえば受信した通信先変更応答46におけるWi−Fi切替えの値がACKを示す場合、通信先変更要求45に含まれる待機時間をタイマ22にセットし、タイマ22を開始させる(ステップS358)。
次に、無線基地局装置101Aは、タイマ22の動作が満了すると、通信先変更要求45が示す切替え促進処理を実行する(ステップS360)。
一方、無線基地局装置101Aは、たとえば受信した通信先変更応答46におけるWi−Fi切替えの値がNACKを示す場合、切替え促進処理を実行しない。
無線基地局装置101Aは、上記ステップS360において、たとえば通信先変更応答46におけるWi−Fi切替えの値がACKを示す場合、Wi−FI切替え促進処理としてたとえば無線端末装置202Aに割当てるリソースの削減を実行する。
これにより、無線端末装置202Aおよび無線基地局装置101A間のデータ通信のスループットが下がるので、無線端末装置202Aがデータ通信先をより通信環境のよいアクセスポイント151へ変更する可能性を高めることができる。
また無線基地局装置101Aは、切替え促進処理としてたとえば無線端末装置202Aへ送信する無線信号の送信電力の削減を実行する。
これにより、無線端末装置202Aにおける無線基地局装置101Aにより送信される無線信号の受信状況が悪化するので、無線端末装置202Aがデータ通信先をより通信環境のよいアクセスポイント151へ変更する可能性を高めることができる。
また無線基地局装置101Aは、切替え促進処理としてたとえば無線端末装置202Aとの通信接続を拒否する。
これにより、無線端末装置202Aは無線基地局装置101Aとデータ通信を継続することができなくなるので、無線端末装置202Aがデータ通信先をより通信環境のよいアクセスポイント151へ変更する可能性を高めることができる。
また、切替え促進処理を実行することによりたとえば無線端末装置202Aがデータ通信先をより通信環境のよいアクセスポイント151へ変更すると、無線端末装置202Aおよび無線基地局装置101A間の通信トラヒックを無線端末装置202Aおよびアクセスポイント151間へ退避させることができる。
これにより、無線基地局装置101Aにおける通信トラヒックの集中を抑制することができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、無線基地局装置101Aは、たとえば通信先変更応答46が否定を意味するNACKを示す場合、切替え促進処理を実行しない。
これにより、無線端末装置202Aにおける通信接続が切断されてしまうことを防ぐことができるので、無線端末装置202Aを利用するユーザの使用感の低下を抑制することができる。
なお、無線基地局装置101Aは、たとえば自己の通信トラヒックが、通信トラヒックの分散が必要となるしきい値より大きくなった場合に上記処理を行ってもよいし、また、所定時間毎に上記処理を行ってもよい。
また、無線基地局装置101Aは、上記ステップS358においてタイマ22を開始させたが、通信先変更要求45を無線端末装置202Aへ送信するタイミング(ステップS352)においてタイマ22を開始させてもよい。
また、無線基地局装置101Aは、タイマ22を用いる構成に限らず、たとえば通信先変更要求45を無線端末装置202Aへ送信するタイミング(ステップS352)又は通信先変更応答46を無線端末装置202Aから受信するタイミング(ステップS356)において、通信先変更要求45が示す切替え促進処理を実行してもよい。
[通信先変更動作を促す動作および切替え促進動作に至るまでの一連の動作]
図29は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、アクセスポイントおよび無線端末装置の情報に基づく通信先変更動作を促す動作および切替え促進動作の一例を示すシーケンス図である。
図29を参照して、アクセスポイント151Aは、無線基地局装置101Aが形成するセル内に位置するアクセスポイント151の内の一台であり、かつ当該無線基地局装置101AとIP網302を介して接続されているものとする。
まず、無線基地局装置101Aは、たとえば図10に示すアクセスポイント状態通知要求41を自己の周辺に位置する1または複数のアクセスポイント151へ送信する。そして、アクセスポイント151Aは、無線基地局装置101Aからアクセスポイント状態通知要求41を受信すると、たとえば図11に示すアクセスポイント状態応答42を作成する(ステップS402)。
次に、アクセスポイント151Aは、作成したアクセスポイント状態応答42を無線基地局装置101Aへ送信する。そして、無線基地局装置101Aは、アクセスポイント151Aからアクセスポイント状態応答42を受信することにより装置情報およびトラヒック情報を取得する(ステップS404)。
次に、無線端末装置202Aは、アイドル状態のまま無線基地局装置101Aにより形成されるセルへ進入する(ステップS406)。
次に、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202Aが自己に対してアタッチ処理を行ってきた際に、たとえば図14に示す端末能力照会を無線端末装置202Aへ送信する(ステップS408)。
次に、無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Aから端末能力照会を受信すると、自己がアクセスポイント151との無線通信が可能であるか否かを示すたとえば図16に示す端末能力情報を作成する。そして、無線端末装置202Aは、作成した端末能力情報を無線基地局装置101Aへ送信する。無線基地局装置101Aは、無線端末装置202Aから端末能力情報を受信する(ステップS410)。
次に、無線端末装置202Aは、たとえば当該無線基地局装置101Aと通信接続を確立する(ステップS412)。
次に、無線基地局装置101Aは、たとえばアクセスポイント151から取得した装置情報および自己が保持する位置情報に基づいて、たとえば図19に示すアクセスポイント情報43を作成する。そして、無線基地局装置101Aは、たとえばアクセスポイント情報43を含めた報知情報を自己が形成するセルに在圏する無線端末装置202へ送信する(ステップS414)。
次に、たとえば無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Aからアクセスポイント情報43を含む報知情報を受信すると、Wi−Fi接続機能をオンに設定し、アクセスポイント151の探索を開始する。そして、無線端末装置202Aは、アクセスポイント情報43に含まれる装置情報に基づいて、自己およびアクセスポイント151間の無線通信の通信品質を測定する(ステップS416)。
この際、無線端末装置202Aは、アクセスポイント151との通信接続を確立する場合がある。また、無線端末装置202Aは、いずれのアクセスポイント151とも通信接続を確立することができなかった場合、たとえばWi−Fi接続機能をオフに設定する。
そして、無線端末装置202Aは、当該通信品質およびアクセスポイント151との通信接続状態を含む図20に示す状態通知44を作成する。
次に、無線端末装置202Aは、作成した状態通知44をたとえば測定結果通知に含めて無線基地局装置101Aへ送信する。そして、無線基地局装置101Aは、状態通知44を含む測定結果通知を無線端末装置202Aから受信する(ステップS418)。
次に、無線基地局装置101Aは、状態通知44に基づいて、たとえばアクセスポイント情報43に含まれる装置情報を限定する(ステップS420)。
次に、無線基地局装置101Aは、たとえば状態通知44に含まれる通信接続情報において無線端末装置202Aが未接続であることを示す場合、アクセスポイント情報43を無線端末装置202Aへ送信する。一方、無線基地局装置101Aは、たとえば状態通知44に含まれる通信接続情報において無線端末装置202Aが接続済であることを示す場合、アクセスポイント情報43を無線端末装置202Aへ送信しなくてもよい(ステップS422)。
次に、無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Aからアクセスポイント情報43を受信すると、Wi−Fi接続機能をオンに設定し、アクセスポイント151の探索を開始する。無線端末装置202Aは、アクセスポイント情報43に含まれる装置情報に基づいて、自己およびアクセスポイント151間の無線通信の通信品質を測定する(ステップS424)。
この際、無線端末装置202Aは、アクセスポイント151との通信接続を確立する場合がある。そして、無線端末装置202Aは、当該通信品質およびアクセスポイント151との通信接続状態を含む状態通知44を作成する。
次に、無線端末装置202Aは、作成した状態通知44を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS426)。
次に、無線基地局装置101Aは、たとえば無線端末装置202Aから受信した状態通知44に含まれる通信接続情報において、無線端末装置202Aが未接続であることを示す場合、図21に示す通信先変更要求45を無線端末装置202Aへ送信する(ステップS428)。
次に、無線端末装置202Aは、無線基地局装置101Aから通信先変更要求45を受信すると、アクセスポイント151に対して通信接続を確立することを試みる(ステップS430)。
次に、無線端末装置202Aは、たとえば図22に示す通信先変更応答46を作成し、作成した通信先変更応答46を無線基地局装置101Aへ送信する(ステップS432)。
次に、無線基地局装置101Aは、通信先変更応答46を無線端末装置202Aから受信すると、たとえば受信した通信先変更応答46におけるWi−Fi切替えの値がACKを示す場合、通信先変更要求45に含まれる待機時間をタイマ22にセットし、タイマ22を開始させる(ステップS434)。
次に、無線基地局装置101Aは、タイマ22の動作が満了すると、通信先変更要求45が示す切替え促進処理を実行する(ステップS436)。
一方、無線基地局装置101Aは、たとえば受信した通信先変更応答46におけるWi−Fi切替えの値がNACKを示す場合、切替え促進処理を実行しない。
無線基地局装置101Aは、上記ステップS428において、たとえば状態通知44に含まれる通信接続情報において、無線端末装置202Aが未接続であることを示す場合、通信先変更要求45を無線端末装置202Aへ送信する。
一方、無線基地局装置101Aは、無線端末装置202Aが通信接続可能なアクセスポイント151を検出していない場合、または無線端末装置202Aがアクセスポイント151と通信接続を既に確立している場合、通信先変更要求45を無線端末装置202Aへ送信しなくてもよい。
すなわち、無線基地局装置101は、無線端末装置202におけるアクセスポイント151との通信接続状態に基づいて、通信先変更要求45を送信すべきか否かについて判断することができる。
これにより、たとえば、無線基地局装置101は、通信接続可能なアクセスポイント151を検出していない無線端末装置202に対して切替え促進処理を実行することに起因する当該無線端末装置202における通信環境の悪化の発生、を抑制することができる。
また、無線基地局装置101は、アクセスポイント151との通信接続を既に確立している無線端末装置202に対しては、通信先変更要求45を送信し、かつ待機時間を与える動作を行うことなく切替え促進処理を速やかに実行することができる。
ところで、無線端末装置202がアクセスポイント151と通信接続するか否かは当該無線端末装置202主導で行われる。このため、無線基地局装置101および無線端末装置202間における通信トラヒックが増大しても、当該通信トラヒックを効率的に分散することができない。この結果、通信システムにおける通信断および回線負荷の増加等、種々の問題が生じる。
これに対して、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、無線受信部93および無線送信部94は、無線端末装置202と無線信号を送受信する。そして、切替え制御部24は、無線受信部93および無線送信部94と無線信号を送受信することにより自己の無線基地局装置101を介して他の装置との間で通信データを送受信している無線端末装置202に対して、自己の無線基地局装置101の代わりに、自己の無線基地局装置101とは異なる無線通信方式に従うアクセスポイント151と無線信号を送受信することによりアクセスポイント151を介して他の装置との間で通信データを送受信する通信先変更動作を促す。
このような構成により、無線端末装置202における通信先変更動作が促されるので、無線端末装置202および無線基地局装置101間における通信トラヒックを、当該無線端末装置202およびアクセスポイント151間へ退避させ、通信システムにおける通信トラヒックの分散を図ることができる。
これにより、当該無線端末装置202および無線基地局装置101間において通信トラヒックの集中が発生してしまう確率を下げることができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、無線端末装置202においてアクセスポイント151を常に探索する必要がなくなることにより、通信システムにおける周波数の利用効率の改善、および無線端末装置202における消費電力の削減を行うことができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、切替え促進実行部25は、切替え制御部24が通信先変更動作を促しても無線端末装置202が通信先変更動作を行なわなかった場合に、通信先変更動作が行なわれる可能性を高めるための切替え促進処理を行う。
このような構成により、通信先変更動作を行なわなかった無線端末装置202に対して通信先変更動作を実効的に働きかけることができるので、通信トラヒックの分散をより確実に行うことができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、切替え促進実行部25は、切替え促進処理として、無線端末装置202が無線受信部93および無線送信部94と無線信号を送信または受信する際に用いる無線リソースの割り当て量を小さくする。
このように、無線端末装置202に対する無線リソースの割り当て量を減少させることにより、通信トラヒックを増加させるための通信先変更動作を無線端末装置202において行うことが必要な状況を作り出すことができる。
また、無線基地局装置101は、自己および無線端末装置202間の通信トラヒックを主導的に減少させることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、切替え促進実行部25は、切替え促進処理として、無線送信部94が無線端末装置202へ送信する無線信号の電力を小さくする。
このように、無線基地局装置101からの無線信号の無線端末装置202における受信電力を小さくすることにより、通信トラヒックを増やすための通信先変更動作を無線端末装置202において行うことが必要な状況を作り出すことができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、切替え促進実行部25は、切替え促進処理として、無線端末装置202が自己の無線基地局装置101と送信または受信する通信データの種類を制限する。
このように、無線端末装置202および無線基地局装置101間において送受信される通信データの種類を制限することにより、通信トラヒックを増やすための通信先変更動作を無線端末装置202において行うことが必要な状況を作り出すことができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、切替え促進通知部27は、切替え促進処理を行う旨を無線端末装置202に通知する。そして、切替え促進実行部25は、切替え促進通知部27によって切替え促進処理を行う旨が通知された後に切替え促進処理を実行する。
このような構成により、切替え促進処理が行われることを無線端末装置202において把握することができるので、当該無線端末装置202は当該切替え促進処理に先んじて通信先変更動作を開始することができる。
また、たとえば無線基地局装置101が所定時間経過後に切替え促進処理を行う旨を無線端末装置202に対して通知する場合には、当該切替え促進処理が実行されるまでの猶予時間を無線端末装置202に対して与えることができるので、当該無線端末装置202おける通信先変更動作を安定して完了させることができる。
これにより、切替え促進処理の実行による通信環境の悪化が当該無線端末装置202において発生してしまうことを抑制することができるので、当該無線端末装置202を利用するユーザの使用感が損なわれてしまうことを防ぐことができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、Wi−Fi対応情報収集部23は、自己の無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151と無線端末装置202とが通信可能であるか否かを示す端末能力情報を取得する。そして、切替え制御部24は、無線端末装置202がアクセスポイント151と通信可能であることを端末能力情報が示す場合に、無線端末装置202に対して通信先変更動作を促す。
このような構成により、アクセスポイント151と無線通信を行う能力を有しない無線端末装置202に対して、通信先変更動作を促してしまうことを防ぐことができる。
また、無線端末装置202がアクセスポイント151と無線通信を行う能力を有する場合において、無線基地局装置101は、当該無線端末装置202に対して通信先を適切に指定することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、Wi−Fi対応情報収集部23は、自己の無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151の通信トラヒックを示すトラヒック情報を取得する。そして、切替え制御部24は、トラヒック情報の示す通信トラヒックが所定条件を満たす場合に、無線端末装置202に対して通信先変更動作を促す。
このような構成により、アクセスポイント151における通信トラヒックに応じて、無線端末装置202に対して通信先変更動作を促すことができるので、通信システムにおける通信トラヒックを適切に分散させることができる。
これにより、たとえば無線端末装置202が通信トラヒックの大きいアクセスポイント151へ通信先を変更してしまうことを防ぐことができるので、当該無線端末装置202におけるスループットの減少を抑制することができる。
また、当該アクセスポイント151において通信トラヒックが集中してしまうことを防ぐことができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、切替え制御部24は、自己の無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151の属性を示す装置情報を無線端末装置202に通知する。
このような構成により、無線端末装置202は、自己の周辺に位置するアクセスポイント151の装置情報を取得することができるので、通信先として適切なアクセスポイント151を選択することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、切替え制御部24は、自己の無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151が形成する通信エリアであって、アクセスポイント151と無線端末装置202とが通信可能な通信エリアの位置およびサイズを示す位置情報を含めた装置情報を無線端末装置202に通知する。
このような構成により、無線端末装置202は、アクセスポイント151の位置およびエリアサイズを把握することができるので、アクセスポイント151と通信接続を適切に行うことが可能か否かについて速やかに判断することができる。
これにより、たとえば無線端末装置202がアクセスポイント151と通信接続を行うことができない場合、当該無線端末装置202によるアクセスポイント151からの無線信号の受信電力の測定を停止させることができるので、当該無線端末装置202における消費電力の増大を抑制することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、Wi−Fi対応情報収集部23は、自己の無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151と無線端末装置202との間の通信品質を示す通信品質情報を取得する。そして、切替え制御部24は、通信品質情報の示す通信品質が所定条件を満たす場合に、無線端末装置202に対して通信先変更動作を促す。
このような構成により、たとえば無線端末装置202における通信品質がよい場合に当該無線端末装置202に対して通信先変更動作を促すことができる。
これにより、当該無線端末装置202は、無線基地局装置101により通信先変更動作を促された場合、品質のよい通信を行うことが可能なアクセスポイント151に通信先を速やかに変更することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、Wi−Fi対応情報収集部23は、自己の無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151と無線端末装置202との通信接続状態を示す通信接続情報を取得する。
このように、無線端末装置202に対して通信先変更動作を促すか否かを判断する構成により、無線基地局装置101は、たとえばアクセスポイント151との通信接続が確立している無線端末装置202に対して無駄に通信先変更動作を促してしまうことを防ぐことができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、無線受信部93および無線送信部94は、無線端末装置202と無線信号を送受信する。そして、Wi−Fi対応情報収集部23は、自己の無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151と無線端末装置202とが通信可能であるか否かを示す端末能力情報を、無線受信部93および無線送信部94を介して無線端末装置202から取得する。
このような構成により、アクセスポイント151と無線通信を行う能力を有しない無線端末装置202に対して、通信先変更動作を促してしまうことを防ぐことができる。
また、無線端末装置202がアクセスポイント151と無線通信を行う能力を有する場合において、無線基地局装置101は、当該無線端末装置202に対して通信先を適切に指定することができる。
そして、通信先を適切に指定することにより、無線端末装置202において通信先変更動作が行われると、当該無線端末装置202および無線基地局装置101間において通信トラヒックの集中が発生してしまう確率を下げることができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、無線受信部93および無線送信部94は、無線端末装置202と無線信号を送受信する。そして、切替え制御部24は、自己の無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151の属性を示す装置情報を、無線受信部93および無線送信部94を介して無線端末装置202に通知する。
このような構成により、無線端末装置202は、自己の周辺に位置するアクセスポイント151の装置情報を取得することができるので、通信先として適切なアクセスポイント151を選択することができる。
そして、アクセスポイント151を適切に選択することにより、無線端末装置202において通信先変更動作が行われると、当該無線端末装置202および無線基地局装置101間において通信トラヒックの集中が発生してしまう確率を下げることができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、無線端末装置202は、アクセスポイント151の位置およびエリアサイズを把握することができるので、アクセスポイント151と通信接続を行うことができるか否かについて把握することができる。
これにより、無線端末装置202は、アクセスポイント151と通信接続を行うことができない場合、アクセスポイント151からの無線信号の受信電力の測定を停止することができるので、消費電力の増大を抑制することができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、無線受信部93および無線送信部94は、無線端末装置202と無線信号を送受信する。そして、切替え促進実行部25は、無線受信部93および無線送信部94と無線信号を送受信することにより自己の無線基地局装置101を介して他の装置との間で通信データを送受信している無線端末装置202に対して、自己の無線基地局装置101の代わりに、自己の無線基地局装置101とは異なる無線通信方式に従うアクセスポイント151と無線信号を送受信することによりアクセスポイント151を介して他の装置との間で通信データを送受信する通信先変更動作が行なわれる可能性を高めるための切替え促進処理を行う。
このような構成により、通信先変更動作を行なわなかった無線端末装置202に対して通信先変更動作を実効的に働きかけることができるので、通信トラヒックの分散をより確実に行うことができる。
そして、通信トラヒックの分散をより確実に行うことにより無線端末装置202において通信先変更動作が行われると、当該無線端末装置202および無線基地局装置101間において通信トラヒックの集中が発生してしまう確率を下げることができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、無線受信部93および無線送信部94は、無線端末装置202と無線信号を送受信する。ネットワーク通信部21は、自己の無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151と、信号を送受信する。そして、Wi−Fi対応情報収集部23は、アクセスポイント151の通信トラヒックを示すトラヒック情報をネットワーク通信部21を介して取得する。
このような構成により、アクセスポイント151における通信トラヒックが大きいか否かについて把握することができる。
そして、アクセスポイント151における通信トラヒックが大きいことを把握することにより、無線端末装置202に対して適切に通信先変更動作を促すことができるので、当該アクセスポイント151における通信トラヒックを適切に分散することができる。
これにより、アクセスポイント151における通信トラヒックの集中を防ぐことができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、無線端末装置202が通信トラヒックの大きいアクセスポイント151へ通信先を変更してしまうことを防ぐことができるので、当該無線端末装置202におけるスループットの減少を抑制することができる。
また、無線端末装置202においてアクセスポイント151を常に探索する必要がなくなることにより、通信システムにおける周波数の利用効率の改善、および無線端末装置202における消費電力の削減を行うことができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置では、無線受信部93および無線送信部94は、無線端末装置202と無線信号を送受信する。ネットワーク通信部21は、自己の無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151と、信号を送受信する。そして、Wi−Fi対応情報収集部23は、アクセスポイント151の属性を示す装置情報をネットワーク通信部21を介して取得する。
このような構成により、無線基地局装置101は、アクセスポイント151の属性を適切に把握することができる。
そして、アクセスポイント151の属性を適切に把握することにより、無線基地局装置101は、無線端末装置202に対して通信先を適切に指定することができる。
これにより、無線端末装置202において通信先変更動作が行われると、当該無線端末装置202および無線基地局装置101間において通信トラヒックの集中が発生してしまう確率を下げることができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、無線受信部83および無線送信部84は、無線基地局装置101と無線信号を送受信する。また、無線受信部83および無線送信部84は、無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151と、無線信号を送受信する。そして、通信制御部11は、自己の無線端末装置202とアクセスポイント151とが無線受信部83および無線送信部84を介して通信可能であるか否かを示す端末能力情報を、無線受信部83および無線送信部84を介して無線基地局装置101へ通知する。
このような構成により、無線基地局装置101は、自己が形成するセルに在圏する無線端末装置202が有するアクセスポイント151との無線通信の能力を適切に把握することができる。
そして、当該能力を把握することにより、無線基地局装置101は、当該無線端末装置202に対して通信先を適切に指定することができる。
これにより、無線端末装置202において通信先変更動作が適切に行われると、当該無線端末装置202および無線基地局装置101間において通信トラヒックの集中が発生してしまう確率を下げることができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、無線受信部83および無線送信部84は、無線基地局装置101と無線信号を送受信する。また、無線受信部83および無線送信部84は、無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151と、無線信号を送受信する。Wi−Fi通信状態測定部16は、自己の無線端末装置202とアクセスポイント151との間の通信品質を示す通信品質情報を取得する。そして、通信制御部11は、通信品質情報を、無線受信部83および無線送信部84を介して無線基地局装置101へ通知する。
このような構成により、無線基地局装置101は、自己が形成するセルに在圏する無線端末装置202におけるアクセスポイント151との無線通信の通信品質を適切に把握することができる。
そして、当該通信品質を適切に把握することにより、無線基地局装置101は、当該無線端末装置202に対して品質よく通信を行うことが可能な通信先を適切に指定することができる。
これにより、無線端末装置202において通信先変更動作が適切に行われると、当該無線端末装置202および無線基地局装置101間において通信トラヒックの集中が発生してしまう確率を下げることができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、無線受信部83および無線送信部84は、無線基地局装置101と無線信号を送受信する。通信制御部11は、自己の無線端末装置202が他の装置との間で通信データを送受信するための通信データの中継装置を、無線基地局装置101から、無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151へ変更する通信先変更動作を行う。そして、アクセスポイント情報処理部15は、無線受信部83および無線送信部84を介して無線基地局装置101から所定情報を取得した場合に、通信制御部11による通信先変更動作を実行可能とする。
このような構成により、無線端末装置202は、通信先変更動作を実行すべきタイミングを取得し、通信先変更動作が成功する可能性を高めることができる。
これにより、無線端末装置202において通信先変更動作が適切に行われると、当該無線端末装置202および無線基地局装置101間において通信トラヒックの集中が発生してしまう確率を下げることができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、無線端末装置202は、通信先変更動作が成功する可能性が低い場合に、当該通信先変更動作を次の実行すべきタイミングまで停止することができるので、当該無線端末装置202における消費電力の低減を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、無線受信部83および無線送信部84は、無線基地局装置101と無線信号を送受信する。アクセスポイント情報処理部15は、無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していないアクセスポイント151が形成するエリアであって、アクセスポイント151と無線端末装置202とが通信可能なエリアの位置を示すエリア位置情報を無線基地局装置101から取得する。位置検出部17は、自己の無線端末装置202の位置を示す端末位置情報を取得する。通信制御部11は、自己の無線端末装置202が他の装置との間で通信データを送受信するための通信データの中継装置を、無線基地局装置101からアクセスポイント151へ変更する通信先変更動作を行う。そして、アクセスポイント情報処理部15は、端末位置情報の示す自己の無線端末装置202の位置がエリア位置情報の示すエリアに含まれるか否かを判断し、自己の無線端末装置202の位置が当該エリアに含まれる場合に、通信制御部11による通信先変更動作を実行可能とする。
このような構成により、無線端末装置202は、通信先変更動作を実行すべきタイミングを取得し、通信先変更動作が成功する可能性を高めることができる。
これにより、無線端末装置202において通信先変更動作が適切に行われると、当該無線端末装置202および無線基地局装置101間において通信トラヒックの集中が発生してしまう確率を下げることができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、無線端末装置202は、通信先変更動作が成功する可能性が低い場合に、当該通信先変更動作を次の実行すべきタイミングまで停止することができるので、当該無線端末装置202における消費電力の低減を図ることができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線通信装置では、無線受信部113は、無線端末装置202から無線信号を受信する。無線送信部114は、無線端末装置202へ無線信号を送信する。メッセージ送信部33は、無線受信部113を介して受信した通信データを他の装置へ送信し、かつメッセージ受信部31は、無線送信部114を介して無線端末装置202へ送信するための通信データを他の装置から受信する。通信量測定部35は、自己のアクセスポイント151と無線端末装置202との間の通信トラヒックを示すトラヒック情報を取得する。そして、メッセージ応答制御部32は、トラヒック情報を、無線端末装置202と無線信号を送受信する無線基地局装置101へメッセージ送信部33を介して通知する。
このような構成により、無線基地局装置101は、アクセスポイント151における通信トラヒックを適切に把握することができる。
そして、通信トラヒックを適切に把握することにより、無線基地局装置101は、無線端末装置202に対して通信先変更動作を適切に促すことができるので、当該アクセスポイント151における通信トラヒックを適切に分散することができる。
これにより、アクセスポイント151における通信トラヒックの集中を防ぐことができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
また、無線端末装置202においてアクセスポイント151を常に探索する必要がなくなることにより、通信システムにおける周波数の利用効率の改善、および無線端末装置202における消費電力の削減を行うことができる。
また、本発明の実施の形態に係る無線通信装置では、無線受信部113は、無線端末装置202から無線信号を受信する。無線送信部114は、無線端末装置202へ無線信号を送信する。メッセージ送信部33は、無線受信部113を介して受信した通信データを他の装置へ送信し、かつメッセージ受信部31は、無線送信部114を介して無線端末装置202へ送信するための通信データを他の装置から受信する。そして、メッセージ応答制御部32は、自己のアクセスポイント151の属性を示す装置情報を、メッセージ送信部33を介して無線基地局装置101へ通知する。
このような構成により、無線基地局装置101は、アクセスポイント151の属性を適切に把握することができる。
そして、アクセスポイント151の属性を把握することにより、無線基地局装置101は、無線端末装置202に対して通信先を適切に指定することができる。
これにより、無線端末装置202において通信先変更動作が行われると、当該無線端末装置202および無線基地局装置101間において通信トラヒックの集中が発生してしまう確率を下げることができるので、通信システムにおける通信の安定化を図ることができる。
なお、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置101は、自己の周辺に位置する1または複数のアクセスポイント151へアクセスポイント状態通知要求を送信することにより、当該アクセスポイント151の状態に関する情報の取得を行ったが、これに限定するものではない。たとえば管理サーバが、広範囲に位置する1または複数のアクセスポイント151の状態に関する情報を管理し、無線基地局装置101が当該管理サーバからアクセスポイント151の状態に関する情報をまとめて取得するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態に係るアクセスポイント151は、Wi−Fiに従う認証を受けた無線LAN装置であるとしたがこれに限定するものではない。無線LAN装置に限らず、無線基地局装置101との間で無線端末装置202のハンドオーバ動作を実行する機能を有していない無線通信装置であればよい。
また、本発明の実施の形態に係る無線通信システム401は、3GPPで規格化されたLTEに従う移動体通信システムを含むとしたがこれに限定するものではない。無線通信システム401は、3GPP以外の規格に従う移動体通信システムを含んでもよい。
また、本発明の実施の形態に係る無線端末装置202は、位置検出部17により自己の位置を取得したがこれに限定するものではない。たとえば無線基地局装置101またはMME162等の上位装置が無線端末装置202の位置を検出し、検出した位置を含む位置情報を当該無線端末装置202へ通知する。そして、無線端末装置202は、無線基地局装置101または上位装置から受信した位置情報により、自己の位置を取得してもよい。
また、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置101は、無線端末装置202に対してアクセスポイント151への通信先変更動作を促したが、これに限定するものではない。アクセスポイント151に限らず、他の通信方式に従う無線通信装置への通信先変更動作を促してもよい。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。