以下、本発明の一実施形態を図1〜図28に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、増幅回路、アナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換器などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの画像情報を光走査装置2010に送る。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて色毎に変調された光束により対応する帯電された感光体ドラムの表面をそれぞれ走査する。これにより、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジ(図示省略)からのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出す。該記録紙は、所定のタイミングで転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出される。これにより、転写ベルト2040上のトナー画像が記録紙に転写される。トナー画像が転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。トナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
この光走査装置2010は、一例として図2及び図3に示されるように、2つの光源ユニット(LU1、LU2)、2つのシリンドリカルレンズ(22A、22B)、ポリゴンミラー14、2つの走査レンズ(15A、15B)、2つの偏光分離素子(16A、16B)、2つの反射ミラー(17A、17B)、4つの折り返しミラー(18a、18b、18c、18d)、及び不図示の走査制御装置などを有している。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向(回転軸方向)に沿った方向をY軸方向、ポリゴンミラー14の回転軸に沿った方向をZ軸方向として説明する。また、以下では、便宜上、各光学部材における主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源ユニットLU1は、一例として図4に示されるように、2つの光源(10a、10b)、2つのカップリングレンズ(11a、11b)、光合成素子13A及び1/4波長板12Aなどを有している。光源10a及び光源10bは、それぞれ回路基板に実装されている。
光源10aは、一例として図5に示されるように、1つの半導体レーザ101aを含んでいる。該半導体レーザ101aは、偏光方向がZ軸方向に平行な直線偏光が射出されるように設置角度が調整されている。なお、以下では、便宜上、偏光方向がZ軸方向に平行な直線偏光を「縦偏光」という。そして、半導体レーザ101aから射出された縦偏光を光束LBaと表記する。
光源10bは、一例として図6に示されるように、1つの半導体レーザ101bを含んでいる。該半導体レーザ101bは、偏光方向がZ軸に直交する直線偏光が射出されるように設置角度が調整されている。なお、以下では、便宜上、偏光方向がZ軸に直交する直線偏光を「横偏光」という。そして、半導体レーザ101bから射出された横偏光を光束LBbと表記する。
なお、半導体レーザ101aの設置角度を調整する代わりに、半導体レーザ101aと光合成素子13Aとの間に、半導体レーザ101aから射出された光の偏光方向を縦偏光の方向にするための1/2波長板等の光学素子を配置しても良い。同様に、半導体レーザ101bの設置角度を調整する代わりに、半導体レーザ101bと光合成素子13Aとの間に、半導体レーザ101bから射出された光の偏光方向を横偏光の方向にするための1/2波長板等の光学素子を配置しても良い。
図4に戻り、カップリングレンズ11aは、光源10aからの光束LBaの光路上に配置され、該光束LBaを略平行光とする。
カップリングレンズ11bは、光源10bからの光束LBbの光路上に配置され、該光束LBbを略平行光とする。
光合成素子13Aは、カップリングレンズ11aを介した光束LBa及びカップリングレンズ11bを介した光束LBbの光路上に配置されている。この光合成素子13Aは、縦偏光を反射し、横偏光を透過させる合成面を有している。そこで、光束LBaは該合成面で反射され、光束LBbは該合成面を透過する。すなわち、光合成素子13Aは、光束LBaと光束LBbを合成する。
ここでは、一例として図7に示されるように、光合成素子13Aから射出される光束LBaと光束LBbとが少なくともZ軸方向に関して互いに所定距離だけ離間するように、各光源及び各カップリングレンズが配置されている。
1/4波長板12Aは、光合成素子13Aから射出された光束LBa及び光束LBbの光路上に配置され、各光束の偏光状態を直線偏光から円偏光に変換する。この1/4波長板12Aの主軸(進相軸)の方向は、光束の進行方向に直交する平面内で+Z方向に対して反時計回りに45°回転した方向に設定されている。この場合、縦偏光である光束LBaは右回りの円偏光に変換され、横偏光である光束LBbは左回りの円偏光に変換される(図8参照)。
1/4波長板12Aから射出される光束LBaと光束LBbが、光源ユニットLU1から射出される。
光源ユニットLU2は、一例として図9に示されるように、2つの光源(10c、10d)、2つのカップリングレンズ(11c、11d)、光合成素子13B及び1/4波長板12Bなどを有している。光源10c及び光源10dは、それぞれ回路基板に実装されている。
光源10cは、一例として図10に示されるように、1つの半導体レーザ101cを含んでいる。該半導体レーザ101cは、偏光方向がZ軸に直交する直線偏光(横偏光)が射出されるように設置角度が調整されている。なお、以下では、半導体レーザ101cから射出された横偏光を光束LBcと表記する。
光源10dは、一例として図11に示されるように、1つの半導体レーザ101dを含んでいる。該半導体レーザ101dは、偏光方向がZ軸方向に平行な直線偏光(縦偏光)が射出されるように設置角度が調整されている。なお、以下では、半導体レーザ101dから射出された縦偏光を光束LBdと表記する。
なお、半導体レーザ101cの設置角度を調整する代わりに、半導体レーザ101cと光合成素子13Bとの間に、半導体レーザ101cから射出された光の偏光方向を横偏光の方向にするための1/2波長板等の光学素子を配置しても良い。同様に、半導体レーザ101dの設置角度を調整する代わりに、半導体レーザ101dと光合成素子13Bとの間に、半導体レーザ101dから射出された光の偏光方向を縦偏光の方向にするための1/2波長板等の光学素子を配置しても良い。
図9に戻り、カップリングレンズ11cは、光源10cからの光束LBcの光路上に配置され、該光束LBcを略平行光とする。
カップリングレンズ11dは、光源10dからの光束LBdの光路上に配置され、該光束LBdを略平行光とする。
光合成素子13Bは、カップリングレンズ11cを介した光束LBc及びカップリングレンズ11dを介した光束LBdの光路上に配置されている。この光合成素子13Bは、縦偏光を反射し、横偏光を透過させる合成面を有している。そこで、光束LBcは該合成面を透過し、光束LBdは該合成面で反射される。すなわち、光合成素子13Bは、光束LBcと光束LBdを合成する。
ここでは、一例として図12に示されるように、光合成素子13Bから射出される光束LBcと光束LBdとが少なくともZ軸方向に関して互いに所定距離だけ離間するように、各光源及び各カップリングレンズが配置されている。
1/4波長板12Bは、光合成素子13Bから射出された光束LBc及び光束LBdの光路上に配置され、各光束の偏光状態を直線偏光から円偏光に変換する。この1/4波長板12Bの主軸(進相軸)の方向は、光束の進行方向に直交する平面内で+Z方向に対して反時計回りに45°回転した方向に設定されている。この場合、横偏光である光束LBcは左回りの円偏光に変換され、縦偏光である光束LBdは右回りの円偏光に変換される(図13参照)。
1/4波長板12Bから射出される光束LBcと光束LBdが、光源ユニットLU2から射出される。
図2に戻り、シリンドリカルレンズ22Aは、光源ユニットLU1から射出された光束LBa及び光束LBbを、ポリゴンミラー14の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。ここでは、光束LBaと光束LBbは少なくともZ軸方向に関して離間してシリンドリカルレンズ22Aに入射する。シリンドリカルレンズ22Aから射出された光束LBaの光路と光束LBbの光路は、Z軸方向に関して非平行である(図14参照)。
シリンドリカルレンズ22Bは、光源ユニットLU2から射出された光束LBc及び光束LBdを、ポリゴンミラー14の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。ここでは、光束LBcと光束LBdは少なくともZ軸方向に関して離間してシリンドリカルレンズ22Bに入射する。シリンドリカルレンズ22Bから射出された光束LBcの光路と光束LBdの光路は、Z軸方向に関して非平行である(図15参照)。
なお、以下では、光束が偏向反射面に入射する際に、ポリゴンミラーの回転軸に直交する面に対して傾斜した方向から入射することを「斜入射」といい、ポリゴンミラーの回転軸に直交する面に平行な方向から入射することを「水平入射」という。そして、斜入射の際の、入射角を「斜入射角」という。すなわち、本実施形態では、各光束は、偏向反射面に斜入射される。
ところで、各光源とポリゴンミラー14との間に配置された光学系は「偏向器前光学系」と呼ばれている。
ポリゴンミラー14は、一例として4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー14は、Z軸方向に平行な軸まわりに等速回転し、各シリンドリカルレンズからの光束をそれぞれ等角速度的に偏向する。偏向反射面で偏向された光束の進行方向とX軸方向とのなす角(鋭角側)は「偏向角」と呼ばれている。
光束LBaと光束LBbは、少なくともZ軸方向に関して互いに離間して同一の偏向反射面に入射し、いずれもポリゴンミラー14の−X側に偏向される。光束LBcと光束LBdは、少なくともZ軸方向に関して互いに離間して同一の偏向反射面に入射し、いずれもポリゴンミラー14の+X側に偏向される。
ポリゴンミラー14に入射した各光束は、ポリゴンミラー14の回転に伴ってポリゴンミラー14から射出される方向は変化するが、偏向反射面でのp偏光とs偏光の反射率差、及び偏向反射面での反射の際のp偏光とs偏光との間の位相シフトが無視できる場合、各光束の偏光方向は、射出方向によらず、入射光に対して反転した向きとなる。
そこで、ポリゴンミラー14で偏向された光束LBaは、図16(A)〜図16(C)に示されるように左回りの円偏光となり、光束LBbは、図17(A)〜図17(C)に示されるように右回りの円偏光となる。
また、ポリゴンミラー14で偏向された光束LBcは、図18(A)〜図18(C)に示されるように右回りの円偏光となり、光束LBdは、図19(A)〜図19(C)に示されるように左回りの円偏光となる。
ポリゴンミラー14での光束LBaと光束LBbの射出位置は、副走査対応方向(ここでは、Z軸方向と同じ)に関して、互いに異なっている。また、ポリゴンミラー14で偏向された光束LBaと光束LBbの進行方向は互いに非平行である。
図2に戻り、走査レンズ15Aは、ポリゴンミラー14の−X側であって、ポリゴンミラー14で偏向された光束LBa及び光束LBbの光路上に配置されている。
偏光分離素子16Aは、走査レンズ15Aを介した光束の光路上に配置されている。偏光分離素子16Aは、入射光をその円偏光の回転方向に応じて透過させあるいは反射する。ここでは、偏光分離素子16Aは、左回りの円偏光を透過させ、右回りの円偏光を反射するように設定されている。
ここでは、光束LBaと光束LBbは、少なくともZ軸方向に関して互いに離間するとともに、互いの主光線が非平行な状態で偏光分離素子16Aに入射する(図20参照)。
そこで、偏光分離素子16Aに対して、光束LBaの大部分(「光束LBa1」とする)は透過するが、一部(「光束LBa2」とする)は反射される。また、偏光分離素子16Aに対して、光束LBbの大部分(「光束LBb1」という)は反射されるが、一部(「光束LBb2」という)は透過する。
偏光分離素子16Aを透過した光束(光束LBa1)は、折り返しミラー18aと射出窓19aを介して感光体ドラム2030aの表面に照射される。
一方、偏光分離素子16Aで−Z方向に反射された光束(光束LBb1)は、反射ミラー17Aで+X方向に反射された後、折り返しミラー18bと射出窓19bを介して感光体ドラム2030bの表面に照射される。
ところで、光束LBaの光路と光束LBbの光路とが互いに離間しており、感光体ドラムに近づくにつれ、ビーム径が絞られてくるため、光束LBa1と光束LBb2、及び光束LBb1と光束LBa2とは、空間的に互いに離間するようになる。特に、ポリゴンミラー14上の副走査対応方向の像が、走査レンズ15Aにより、感光体ドラム上に拡大像として結像される場合には、光束LBa1と光束LBb2との離間距離、及び光束LBb1と光束LBa2との離間距離は、更に増加する。
そして、射出窓19aの大きさ及び位置は、光束LBa1は透過できるが、光束LBb2は透過できないように設定されている。また、射出窓19bの大きさ及び位置は、光束LBb1は透過できるが、光束LBa2は透過できないように設定されている。そこで、LBa2及びLBb2は、光学ハウジング2300の底面で遮光される。
図2に戻り、走査レンズ15Bは、ポリゴンミラー14の+X側であって、ポリゴンミラー14で偏向された光束LBc及び光束LBdの光路上に配置されている。
偏光分離素子16Bは、走査レンズ15Bを介した光束の光路上に配置されている。偏光分離素子16Bは、入射光をその円偏光の回転方向に応じて透過させあるいは反射する。ここでは、偏光分離素子16Bは、左回りの円偏光を透過させ、右回りの円偏光を反射するように設定されている。
ここでは、光束LBcと光束LBdは、少なくともZ軸方向に関して互いに離間するとともに、互いの主光線が非平行な状態で偏光分離素子16Bに入射する(図21参照)。
そこで、偏光分離素子16Bに対して、光束LBcの大部分(「光束LBc1」とする)は反射されるが、一部(「光束LBc2」とする)は透過する。また、偏光分離素子16Bに対して、光束LBdの大部分(「光束LBd1」という)は透過するが、一部(「光束LBd2」という)は反射される。
偏光分離素子16Bで−Z方向に反射された光束(光束LBc1)は、反射ミラー17Bで−X方向に反射された後、折り返しミラー18cと射出窓19cを介して感光体ドラム2030cの表面に照射される。
一方、偏光分離素子16Bを透過した光束(光束LBd1)は、折り返しミラー18dと射出窓19dを介して感光体ドラム2030dの表面に照射される。
ところで、光束LBcの光路と光束LBdの光路とが互いに離間しており、感光体ドラムに近づくにつれ、ビーム径が絞られてくるため、光束LBc1と光束LBd2、及び光束LBd1と光束LBc2とは、空間的に互いに離間するようになる。特に、ポリゴンミラー14上の副走査対応方向の像が、走査レンズ15Bにより、感光体ドラム上に拡大像として結像される場合には、光束LBc1と光束LBd2との離間距離、及び光束LBd1と光束LBc2との離間距離は、更に増加する。
そして、射出窓19cの大きさ及び位置は、光束LBc1は透過できるが、光束LBd2は透過できないように設定されている。また、射出窓19dの大きさ及び位置は、光束LBd1は透過できるが、光束LBc2は透過できないように設定されている。そこで、LBc2及びLBd2は、光学ハウジング2300の底面で遮光される。
各感光体ドラム表面の光スポットは、ポリゴンミラー14の回転に伴って感光体ドラムの長手方向に移動する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が「副走査方向」である。
走査制御装置は、ブラック画像情報に応じて光源10aを駆動し、シアン画像情報に応じて光源10bを駆動し、マゼンタ画像情報に応じて光源10cを駆動し、イエロー画像情報に応じて光源10dを駆動する。
そこで、感光体ドラム2030aの表面を走査する光束LBa1、感光体ドラム2030bの表面を走査する光束LBb1、感光体ドラム2030cの表面を走査する光束LBc1、感光体ドラム2030dの表面を走査する光束LBdは、それぞれ書き込み用の光束である。各書き込み用の光束は、信号光とも呼ばれている。
一方、光学ハウジング2300の底面で遮光された光束LBa2、光束LBb2、光束LBc2、及び光束LBd2は、いずれもゴースト光である。本実施形態では、各ゴースト光は、いずれも感光体ドラムに照射されない。
なお、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる走査領域は「有効走査領域」、「画像形成領域」、あるいは「有効画像領域」などと呼ばれている。また、ポリゴンミラー14と感光体ドラムとの間に配置されている光学系は、「走査光学系」と呼ばれている。
ここでは、走査レンズ15A、走査レンズ15B、偏光分離素子16A及び偏光分離素子16Bは、2つの画像形成ステーションで共用されている。また、各折り返しミラーは、各画像形成ステーションでの光路長が互いに等しくなるように設けられている。
次に、各偏光分離素子の構成について説明する。各偏光分離素子は、一例として図22に示されるように、一対の透明基板(2101a、2101b)、及び該透明基板間に挟持されたコレステリック液晶層2104などを有するいわゆる液晶素子である。
コレステリック液晶層2104では、透明基板の表面に直交する方向(ここでは、X軸方向)に向かって棒状の液晶分子が幾重にも重なる層状の構造を有している。そして、該層内では、液晶分子の配列が一定の方向に揃っている平面(YZ面に平行な平面)が、その配列方向を少しずつ捩りながら積み重なった螺旋構造を有している。この捩れの軸は螺旋軸(ヘリカル軸)と呼ばれ、捩れのピッチは螺旋ピッチ(ヘリカルピッチ)と呼ばれている(図23参照)。ここでは、螺旋軸は透明基板の表面に直交し、いわゆるプレーナ状態を呈している。
この場合、コレステリック液晶層2104は、光が入射されると、螺旋ピッチに対応した波長で、かつ螺旋方向と同方向の円偏光を選択的に反射する。なお、螺旋方向及び初期的な螺旋ピッチは、液晶に添加される光学活性体であるキラル化合物の種類及び濃度により調整することが可能である。
また、光走査装置2010の中では、ポリゴンミラー14で偏向された光束が偏光分離素子に入射されるので、コレステリック液晶層2104に対する光束の入射角は入射位置によって異なっている。そこで、偏光分離素子が光束の入射位置に関係なく良好な偏光分離特性を有するためには、螺旋ピッチを光束の入射位置に応じて異ならせるのが好ましい(図24参照)。具体的には、光束がX軸方向に平行な方向から入射される位置での最適な螺旋ピッチをp、各入射位置でのコレステリック液晶に対する光束の入射角をθとすると、各入射位置での螺旋ピッチはp・cosθが最適である。
コレステリック液晶層の螺旋ピッチは、温度及び印加電圧で変化する性質があるので、あらかじめ光束の入射位置毎に、螺旋ピッチがp・cosθとなるように電圧を印加するか加温し、その状態で熱硬化あるいは紫外線硬化などの手法で液晶を硬化させれば、螺旋ピッチを光束の入射位置に応じて異ならせることができる。
ここでは、偏光分離素子16Aは、右回りの円偏光である光束LBbを反射し(図25参照)、左回りの円偏光である光束LBaを透過させる(図26参照)ように、コレステリック液晶層2104における螺旋の回転方向を右回りとしている。
同様に、偏光分離素子16Bは、右回りの円偏光である光束LBcを反射し(図27参照)、左回りの円偏光である光束LBdを透過させる(図28参照)ように、コレステリック液晶層2104における螺旋の回転方向を右回りとしている。
ところで、偏光分離素子を有する従来の光走査装置では、偏光方向が回転軸に平行な直線偏光(縦偏光)と偏光方向が回転軸に直交する直線偏光(横偏光)をポリゴンミラーに入射させ、該ポリゴンミラーで偏向された縦偏光と横偏光を偏光分離素子で分離していた。このとき、縦偏光及び横偏光がポリゴンミラーの偏向反射面に斜入射されると、該偏向反射面における縦偏光及び横偏光の入射面は、偏向反射面の回転角に応じて(すなわち偏向角に応じて)水平方向から傾斜する。そして、偏向反射面で反射された光束は、偏光方向が入射面に平行なp偏光成分と偏光方向が入射面に直交するs偏光成分とが混在することとなる。このときのp偏光成分とs偏光成分の強度比は偏向反射面の回転角に依存する。また、偏向反射面で反射される際に、p偏光成分は位相変化がなく、s偏光成分は180°の位相変化を受ける。そこで、縦偏光及び横偏光がポリゴンミラーに入射されても、縦偏光及び横偏光として反射されず、偏向反射面の回転角に応じた偏光方向の回転が発生する。これは、偏光分離素子における偏光分離不良につながる。なお、反射光の偏光方向を回転させないためには、斜入射角を極力小さくすることが考えられるが、光学部材のレイアウト上の制約などによって必ずしも斜入射角を小さく抑えることができなかった。
一方、本実施形態では、互いに回転方向が異なる2つの円偏光をポリゴンミラーに斜入射させている。この場合、ポリゴンミラーで偏向された後も2つの円偏光は、互いに回転方向が異なっている。そこで、偏光分離素子での偏光分離不良を従来よりも小さくすることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置2010によると、2つの光源ユニット(LU1、LU2)、2つのシリンドリカルレンズ(22A、22B)、ポリゴンミラー14、走査光学系、及び走査制御装置などを有している。
各光源ユニットは、2つの光源、2つのカップリングレンズ、光合成素子及び1/4波長板を有し、右回りの円偏光と左回りの円偏光を少なくともZ軸方向に離間させて射出する。
光源ユニットから射出された右回りの円偏光及び左回りの円偏光は、シリンドリカルレンズを介してポリゴンミラー14の同一の偏向反射面にそれぞれ斜入射され、左回りの円偏光及び右回りの円偏光として偏向される。
走査光学系は、2つの走査レンズ(15A、15B)、2つの偏光分離素子(16A、16B)、2つの反射ミラー(17A、17B)、及び4つの折り返しミラー(18a、18b、18c、18d)を有している。各偏光分離素子は、左回りの円偏光を透過させ、右回りの円偏光を反射する。
この場合は、各偏光分離素子での偏光分離の際にゴースト光が発生するのを抑制することができる。また、光走査装置の低コスト化及び小型化(薄型化)を図ることができる。
そして、カラープリンタ2000は、光走査装置2010を備えているため、結果として、画像品質を低下させることなく、低コスト化及び小型化を図ることができる。
なお、上記実施形態において、前記偏光分離素子16Aに代えて、一例として図29及び図30に示されるように、1/4波長板161Aと偏光ビームスプリッタ162Aを用いても良い。この場合は、安価な偏光ビームスプリッタを用いることができるため、更に低コスト化を図ることができる。
1/4波長板161Aは、走査レンズ15Aを介した光束の光路上に配置され、光束LBaを縦偏光に変換し、光束LBbを横偏光に変換する。ここでは、1/4波長板161Aは、一対の透明基板に挟まれている。
偏光ビームスプリッタ162Aは、1/4波長板161Aを介した光束の光路上に配置され、縦偏光を透過させ横偏光を反射する偏光分離面を有している。そこで、偏光ビームスプリッタ162Aは、光束LBaを透過させ、光束LBbを反射する。ここでは、偏光分離面は、透明基板の一側の面に設けられている。なお、透明基板の他側の面には、反射防止膜が設けられている。
上記偏光分離面は、誘電体多層膜やワイヤグリッド等で構成できる。なお、偏光分離面では、偏向角の絶対値の増加に伴い、入射面がZ軸方向に対して傾斜するようになる(図31参照)ため、1/4波長板161Aから射出される直線偏光も単純な縦偏光や横偏光ではなく、偏向角に応じて縦偏光や横偏光に対して傾斜させることが好ましい。
すなわち、1/4波長板161Aにおける主軸の方位を、後段の偏光ビームスプリッタ162Aで最も偏光分離しやすい角度とするのが好ましい。一例として図32に示されるように、1/4波長板161Aは、有効走査範囲内において、偏向角が0°の光束が入射する位置であるY軸方向に関する中央部で、円偏光が単純な縦偏光あるいは横偏光に変換されるように、主軸がY軸方向に対して45°傾斜し、光束の入射位置が+Y方向の端部に近づくにつれて、主軸の傾斜角が連続的あるいは段階的に45°よりも小さくなり、光束の入射位置が−Y方向の端部に近づくにつれて、主軸の傾斜角が連続的あるいは段階的に45°よりも大きくなるように設定するのが好ましい。
1/4波長板の主軸のY軸方向に対する傾斜角が45°の位置では、1/4波長板から射出される光束は水平もしくは垂直方向の直線偏光になる。また、1/4波長板の主軸のY軸方向に対する傾斜が45°と異なる位置では、1/4波長板から射出される光束は偏光方向が変化した直線偏光になる。
上記のように主軸の傾斜角を異ならせることは、例えば、1/4波長板161Aの材料としてネマティック液晶を用い、その液晶分子の配向方向が連続的に変化するように、配向膜に配向制御特性を付与する際のラビング条件や光配向法での光配向条件を設定することで可能である。
ここで、主軸の方位(傾斜角)を特定する方法を以下に記す。
(1)図32に示される直交座標系で1/4波長板をセットする。
(2)1/4波長板の−X側に光源を配置する。
(3)該光源と1/4波長板との間に、Z軸方向に透過軸を有する偏光子をセットする。
(4)1/4波長板の+X側に、光パワーメータ等の光検出器を配置する。
(5)1/4波長板と該光検出器の間に、Y軸方向に透過軸を有する検光子を配置する。
(6)光源からの光が略垂直に入射するように、偏光子、1/4波長板、及び検光子を調整する。
(7)1/4波長板をX軸周りに回転させ、光検出器で検出される光強度が最も低くなる回転角を求める。この回転角が、主軸の方位(傾斜角)である。
同様に、上記実施形態において、前記偏光分離素子16Bに代えて、一例として図33及び図34に示されるように、1/4波長板161Bと偏光ビームスプリッタ162Bを用いても良い。
また、上記実施形態において、各光源ユニットから射出される2つの光束の光路は、Z軸方向からみたときに、離れていても良い。
次に、光走査装置の変形例について説明する。なお、以下においては、上記実施形態との相違点を中心に説明するとともに、前述した実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用い、その説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
この変形例の光走査装置2010Bは、一例として図35に示されるように、偏向器前光学系が光束分割素子30を有する点に特徴を有している。
光走査装置2010Bは、2つの光源ユニット(LU3、LU4)、光束分割素子30、2つのシリンドリカルレンズ(22A、22B)、2つの入射ミラー(M1、M2)、ポリゴンミラー14、走査光学系、及び不図示の走査制御装置を有している。
光源ユニットLU3は、一例として図36に示されるように、光源10A、カップリングレンズ11A、及び1/4波長板12Aを有している。光源10Aは、縦偏光を射出する。以下では、便宜上、光源10Aから射出された光束を「光束LB1」と表記する。1/4波長板12Aは、光束LB1を右回りの円偏光に変換する。
光源ユニットLU4は、一例として図37に示されるように、光源10B、カップリングレンズ11B、及び1/4波長板12Bを有している。光源10Bは、縦偏光を射出する。以下では、便宜上、光源10Bから射出された光束を「光束LB2」と表記する。1/4波長板12Bは、光束LB2を右回りの円偏光に変換する。
ここでは、光束分割素子30に入射する光束LB1と光束LB2とが少なくともZ軸方向に関して互いに所定距離だけ離間するように、各光源及び各カップリングレンズが配置されている(図38参照)。
図35に戻り、光束分割素子30は、無偏光ハーフミラーであって、光束LB1を反射光(光束LB1aという)と透過光(光束LB1bという)とに、光束LB2を反射光(光束LB2aという)と透過光(光束LB2bという)とに、それぞれ分割する。ここでは、光束LB1b及び光束LB2bは、いずれも右回りの円偏光であるが、光束LB1a及び光束LB2aは、いずれも左回りの円偏光に変換される。
シリンドリカルレンズ22Aは、光束分割素子30から射出された光束LB1a及び光束LB2bを、入射ミラーM1を介してポリゴンミラー14の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ22Bは、光束分割素子30から射出された光束LB1b及び光束LB2aを、入射ミラーM2を介してポリゴンミラー14の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
ポリゴンミラー14で偏向された光束LB1b及び光束LB2bは、いずれも左回りの円偏光となる。また、ポリゴンミラー14で偏向された光束LB1a及び光束LB2aは、いずれも右回りの円偏光となる。
走査光学系では、一例として図39に示されるように、前記偏光分離素子16Aに代えて、偏光分離素子16Cが用いられている。この偏光分離素子16Cでは、コレステリック液晶層における螺旋の回転方向を左回りとし、右回りの円偏光を透過させ、左回りの円偏光を反射するようにしている。
ポリゴンミラー14で偏向された光束LB1a及び光束LB2bは、走査レンズ15Aを通過し、偏光分離素子16Cに入射する。光束LB1aの大部分は偏光分離素子16Cを透過し、折り返しミラー18aと射出窓19aを介して感光体ドラム2030aの表面に照射される。一方、光束LB2bの大部分は偏光分離素子16Cで−Z方向に反射され、反射ミラー17Aと折り返しミラー18bと射出窓19bを介して感光体ドラム2030bの表面に照射される。
ポリゴンミラー14で偏向された光束LB1b及び光束LB2aは、走査レンズ15Bを通過し、偏光分離素子16Bに入射する。光束LB2aの大部分は偏光分離素子16Bで−Z方向に反射され、反射ミラー17Bと折り返しミラー18cと射出窓19cを介して感光体ドラム2030cの表面に照射される。一方、光束LB1bの大部分は偏光分離素子16Bを透過し、折り返しミラー18dと射出窓19dを介して感光体ドラム2030dの表面に照射される。
すなわち、光束LB1aは、上記実施形態の光束LBaに対応し、光束LB2bは上記実施形態の光束LBbに対応する。また、光束LB2aは上記実施形態の光束LBcに対応し、光束LB1bは上記実施形態の光束LBdに対応する。そこで、以下では、光束LB1aを光束LBaともいい、光束LB2bを光束LBbともいう。また、光束LB2aを光束LBcともいい、光束LB1bを光束LBdともいう。
ここでは、ポリゴンミラー14における偏向反射面の数が4面であり、入射ミラーM1を介した光束と入射ミラーM2を介した光束は、互いに異なる偏向反射面に入射する。そして、ポリゴンミラー14に入射する入射ミラーM1を介した光束と入射ミラーM2を介した光束とのなす角が、平面視において、略90°となるように設定されている。
そこで、光束LBaと光束LBd、及び光束LBbと光束LBcが、それぞれ対応する感光体ドラムにおける有効走査領域を同時に走査することはない。
例えば、図40に示されるように、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBaが、感光体ドラム2030aにおける書き込み開始位置に向かう時、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBdは、感光体ドラム2030dにおける書き込み終了位置よりも+Y側の位置に向かう。
また、図41に示されるように、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBaが、感光体ドラム2030aにおける有効走査領域の中央(像高0)位置に向かう時、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBdは、+Y方向に向かう。
そして、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBaが、感光体ドラム2030aにおける有効走査領域の中央(像高0)位置を越えると、光束LBdを反射するポリゴンミラー14の偏向反射面が切り替わり、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBdの向かう方向は、+Y方向から−Y方向に切り替わる。
そして、図42に示されるように、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBaが、感光体ドラム2030aにおける有効走査領域の書き込み終了位置に向かう時、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBdは、感光体ドラム2030dにおける書き込み開始位置よりも−Y側の位置に向かう。
このように、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBaが、感光体ドラム2030aにおける有効走査領域を走査している時には、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBdは、感光体ドラム2030dにおける有効走査領域内には向かわない。
逆に、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBdが、感光体ドラム2030dにおける有効走査領域を走査している時には、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBaは、感光体ドラム2030aにおける有効走査領域内には向かわない。
同様に、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBbが、感光体ドラム2030bにおける有効走査領域を走査している時には、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBcは、感光体ドラム2030cにおける有効走査領域内には向かわない。
また、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBcが、感光体ドラム2030cにおける有効走査領域を走査している時には、ポリゴンミラー14の偏向反射面で反射された光束LBbは、感光体ドラム2030bにおける有効走査領域内には向かわない。
そこで、光束LBaが感光体ドラム2030aにおける有効走査領域を走査するタイミングでは、光束LB1は、ブラックの画像情報に応じて変調され、光束LBdが感光体ドラム2030dにおける有効走査領域を走査するタイミングでは、光束LB1は、イエローの画像情報に応じて変調される。
同様に、光束LBbが感光体ドラム2030bにおける有効走査領域を走査するタイミングでは、光束LB2は、シアンの画像情報に応じて変調され、光束LBcが感光体ドラム2030cにおける有効走査領域を走査するタイミングでは、光束LB2は、マゼンタの画像情報に応じて変調される。
この場合は、上記実施形態と同様な効果を得るとともに、光走査装置の更なる低コスト化を図ることができる。
ところで、仮に、縦偏光及び横偏光が、XY面に対して傾斜した方向から光束分割素子30に入射されると、透過光の偏光方向は変化しないが、反射光の偏光方向は入射方向の傾斜角に応じて回転する。そこで、透過光の偏光方向と反射光の偏光方向との間の関係は、直交関係ではなくなってしまう。この場合は、各偏光分離素子での偏光分離の際にゴースト光が発生する。一方、円偏光が光束分割素子30に入射されると、このような不都合は発生しない。
なお、ポリゴンミラー14に入射する入射ミラーM1を介した光束と入射ミラーM2を介した光束とのなす角は、平面視において、90°から少しずれていても良い。
また、上記実施形態では、トナー像が感光体ドラムから転写ベルトを介して記録紙に転写される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、トナー像が記録紙に直接転写されても良い。
また、上記実施形態では、光走査装置がプリンタに用いられる場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。