JP5251571B2 - 光走査装置、および画像形成装置 - Google Patents
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このようなニーズを満足する方式としてはいくつかあるが、例えば、YMCKに対応した4つの感光体を並べて配置するタンデム方式などが挙げられる。
さらに、1つの感光体を複数のビームで走査するマルチビーム走査方式を用いることが高速化の観点からは好ましい。
しかしながら、上記タンデム方式では複雑な構成となるために光走査装置が大型化し易く、光走査装置の高さの低減が難しく問題となる。
また、偏光光分離手段を透過すべきP偏光の電界ベクトルが、偏光分離面の透過軸と平行にならない場合があり、この場合には、入射光の一部が偏光光分離手段で反射されてしまうという不都合があった。
また、偏向器に斜入射させることで、「波面のねじれ」や「走査線曲がり」が発生し、収差補正が難しいという問題もあった。
また本発明は、光偏向器の小型化や、マルチビームによる光偏向器である回転多面鏡の回転数低下による消費電力の低下など、環境を考慮した光走査装置、およびこれを用いた画像形成装置を提供することを第2の目的としている。
また、上記(1)に記載の構成によれば、副走査方向の発光点間隔を所望のビームピッチに高精度で調整できる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
〔第1の実施の形態〕
図1は本発明に係る光走査装置の第1の実施の形態における構成を示す概略上面図である。図1の紙面上において光軸と垂直な方向が主走査方向、紙面に垂直な方向が副走査方向である。
また、図2は本発明に係る光走査装置の第1の実施の形態における結像光学系の構成を示す概略斜視図である。
光源(1A,1B)としての半導体レーザ(以下、LDとも称する。)から放射された発散性の光束は、カップリングレンズ3Aを有する第1光学系3において、これ以後の光学系に適した所望の光束形態に変換される。第1光学系3により変換された所望の光束形態としては、平行光束であっても良く、弱い発散性あるいは弱い集束性の光束であっても良い。
また、各光源から放射された光束は、偏光方向調整手段としての1/2波長板2により偏光方向を主走査対応方向と副走査対応方向の互いに直交する方向に調整された状態で、偏向器であるポリゴンミラー4の単一の偏向反射面に入射する。
尚、本実施の形態においては、カップリングレンズ3A、アパーチャ3B及びシリンドリカルレンズ3Cをもって第1光学系3が構成されている。
複数の発光点を有する発光素子を用いた場合、各発光点からの走査線は、被走査面9上において所望の書込密度に対応した走査線ピッチとする必要がある。光走査装置の副走査方向の倍率から複数の発光点間のピッチは自ずと決まる。通常、発光点間隔は必要な発光点ピッチより広いため、発光点間ピッチが所望の状態(値)となるようにLDアレイをカップリングレンズの光軸方向を軸として回転調整を行い、固定する。また、光源間で必要なピッチも等しい。(図3a参照。)このため、複数の光源を同じ向きにθ回転させた場合は偏光方向も互いに平行に、逆向きにθ回転させた場合は偏光方向は互いに2θ異なる。いずれにせよ偏光方向の自由度は低い。(図3b参照。)
そこで、本発明では、各光源にそれぞれ偏光方向調整手段を設け、光源ごとに光束の偏光方向を調整可能とした。これにより、各光源からの光束をそれぞれ主走査対応方向と副走査対応方向とに調整した。このように各光源からの出射光束が互いに直交するように偏光方向調整手段により調整することで、「PBSを結像光学系に用いることによる薄型化」と、「LDアレイを用いることによる高速化」とを両立させることを可能とした。
図4は本発明に係る光走査装置の第1の実施の形態における偏光方向調整手段を説明するための概略図である。
本実施の形態では、偏光方向調整手段として1/2波長板2を用いている。1/2波長板2をカップリングレンズの光軸方向を軸として回転させることで任意の偏光方向に調整することが可能である。
1/2波長板2の回転により偏光方向が所望の方向となった状態で、UV接着等により固定される。
図5は偏光方向調整手段2を説明するための説明図である。
光源1と第1光学系3の間は発散光束となっているため、第1光学系の後に配置するよりも外径を小さくすることができ、より小型で低コストの走査光学系を提供することができる。また、反射光が光源に入射してしまうと光源の出力が不安定になってしまうが、発散光束中に配置することで偏光方向調整手段2による反射光が光源に戻り難くなるという効果も期待できる。
尚、偏光方向調整手段2としては1/2波長板だけではなく、磁気により偏光方向を変換するファラデー素子を用いることもできる。
図6には、本実施の形態に用いられるスキュー補正素子6としての液晶素子41の構成と入射する光束が示される。液晶素子41は、一対の透明基板4101a、4101bと、基板間に挟持されたネマティック液晶層4104と、液晶層の両側界面に設けられた配向膜4103a、4103bと、から構成される。
液晶素子は光束入射位置に応じて偏光方向を所定角回転(旋光)する。
このラビング方向の変化は、配向膜へのラビング処理時に、配向膜付透明基板をラビング布の回転方向に対して捻りながら接動させることで得ることができる。
このツイスト構造により、液晶を透過する入射光束は所定の旋光をうけ出射する。偏向角に対して設定すべきプレツイスト角方向、ツイスト方向は、偏向角による偏光回転をキャンセルする方向であればよい。
尚、以上説明した本実施の形態においては、第1走査レンズ5、スキュー補正素子6、偏光ビームスプリッタ7及び第2走査レンズ8が結像光学系を構成する。
図9は本発明に係る光走査装置の第2の実施の形態における合成用PBSの構成を説明するための説明図である。
上記第1の実施の形態と異なる点は、複数の光源からの光束を合成PBS10によりビーム合成している点である。
光源から放射された複数の光束は、偏光方向調整手段により光源ごとに定められた方向に偏光方向を調整され、光源間で偏光方向が互いに直交した状態で合成用PBS10に入射する。偏光方向は直交しているため、合成用PBSは二つの光源からの光束をともに偏向器に向けて通過させてビーム合成し、ほぼ等しい入射角で同一の偏光反射面に入射する。上記第1の実施の形態のように光束間で角度を有して入射する光学系と比較して、複数の光源からの入射光がほぼ等しいため結像光学系の走査レンズの光学性能を向上させることが比較的容易に達成できる。
図10は、本発明に係る光走査装置の第3の実施の形態における第1光学系の一部である光学素子の構成を説明するための説明図である。
上記第1の実施の形態と異なる点は、第1光学系3の一部である光学素子が偏光方向調整手段を兼ねている点である。
第1光学系3の入射面にSWS(サブ波長構造)を形成し、波長板のように偏光方向を調整可能としている。
第1光学系3の光学素子は、光軸方向および主走査対応方向・副走査対応方向に調整可能であり、これにより「所望の光束形態」に調整されるが、さらに光軸周りの回転調整により前記「所望の偏光方向」に調整される。本実施の形態により、光源ごとにそれぞれ主走査対応方向・副走査対応方向に偏光方向を調整することで、光走査装置の薄型化と高速化の両立が可能である。
図11に本発明の光走査装置をタンデム光学系に適用した実施の形態を示す。
この光走査装置2010は、不図示の2つの光源ユニット、不図示の2つのシリンドリカルレンズ、ポリゴンミラー4、第1走査レンズ(51、52)、2つの偏光分離デバイス(161、162)、2つの反射ミラー(171、172)、複数の折り返しミラー(18a、18b1、18b2、18c1、18c2、18d)、4つの第2走査レンズ(8a、8b、8c、8d)及び不図示の走査制御装置を有している。偏光分離デバイス(161)は、液晶素子(411)および偏光ビームスプリッタ(71)よりなり、偏光分離デバイス(162)は、液晶素子(412)および偏光ビームスプリッタ(72)よりなる。
図12は、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態であるカラープリンタにおける構成を示す概略断面図である。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電チャージャ(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については前述したとおりである。
以上の一連の動作を繰り返すことで連続して画像形成が可能となる。
Claims (7)
- 一対の光源からなる発光ユニットを1以上含む複数の光源と、
該複数の光源毎に設けられ、当該光源から出射される光束を所望の光束形態に変換する第1光学系と、
前記複数の光源から出射され前記第1光学系により所望の光束形態に変換された光束を、前記発光ユニット毎に同一の偏向反射面で同時に偏向する偏向器と、
当該偏向された光束を前記複数の光源毎に対応した被走査面上に結像させる結像光学系と、
前記発光ユニットから出射される一対の光束が互いに直交した状態で前記偏向器が有する偏向反射面に入射するように調整する偏光方向調整手段と、を備え、
前記複数の光源は、複数の発光点を夫々具備し、
前記結像光学系は、当該偏向された光ビームを分光するための偏光ビームスプリッタ(PBS)を有し、
前記光源は、当該光源が具備する複数の発光点において、前記偏向器の回転軸に平行な方向の間隔が、所望の状態となるように調整されていることを特徴とする光走査装置。 - 前記偏光方向調整手段は、前記一対の光束の中、一方の偏光方向を前記偏向器の回転軸に平行な方向に、他方の偏光方向を前記偏向器の回転軸に垂直かつ当該光束の主光線に平行な軸に垂直な方向に、それぞれ調整することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
- 前記偏光方向調整手段は、1/2波長板と、該1/2波長板を前記第1光学系の光軸方向を軸として回転調整する機構とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
- 前記発光ユニットと前記偏向器との間に合成偏光ビームスプリッタが配設され、当該発光ユニットから出射される一対の光束は、ほぼ等しい入射角で前記偏向器に入射することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 前記偏光方向調整手段は、前記光源と前記第1光学系との間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 前記偏光方向調整手段は、前記第1光学系の一部であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 感光体を走査する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光走査装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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