JP2013199697A - 水電解装置及び水電解装置の動作方法。 - Google Patents

水電解装置及び水電解装置の動作方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】電解質膜を隔膜として用いる水電解装置において、運転停止に伴い発生する電解質膜の劣化を抑制する。
【解決手段】水電解装置は、水電解スタック4と、酸素系水供給部2、5と、水素系水供給部3、6と、電力供給部7とを具備している。水電解スタック4は、水電解セル40を備える。酸素系水供給部2、5は、水電解セル40の陽極に水を供給する。水素系水供給部3、6は、水電解セル40の陰極に水を供給する。電力供給部7は、水電解セル40に電力を供給する。水電解スタック4が水電解反応を停止するとき、水電解反応の停止後に、酸素系水供給部2、5は、陽極に水を供給し、水素系水供給部3、6は、陰極に水を供給し、電力供給部7は、電解発生電圧よりも低い停止電圧V1を水電解セル40に印加する。
【選択図】図3

Description

本発明は、水電解装置及び水電解装置の動作方法に関し、特に電解質膜を隔膜として用いる水電解装置及び水電解装置の動作方法に関する。
固体高分子膜のような電解質膜を隔膜として用いる水電解装置が知られている。図1は、典型的な水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。水電解装置101は、酸素気液分離部102と、水素気液分離部103と、水電解スタック104と、ポンプ105とを具備している。なお、水電解スタック104に電力を供給する機器については記載を省略している。酸素気液分離部102は、水供給装置(図示されず)から水電解用の水を供給され、また、生成された酸素と余剰水とを受け取る。そして、生成された酸素を水から分離する。分離された酸素は、外部へ送出される。水素気液分離部103は、生成された水素と余剰水とを受け取る。そして、生成された水素を水から分離する。分離された水素は、外部へ送出される。ポンプ105は、配管111を介して酸素気液分離部102の水を受け取り、水電解スタック104へ供給する。水電解スタック104は、複数の水電解セル(図示されず)を備えている。水電解セルは、隔膜としての電解質膜と、その一方の面に設けられた陽極(+極又はアノード)と、他方の面に設けられた陰極(−極又はカソード)とを備えている。水電解スタック104は、水電解セルの陽極と陰極との間に電圧を印加し、陽極側に供給された水を電気分解して、陽極側に酸素を生成し、陰極側に水素を生成する。陽極側の酸素と余剰水とは配管112を介して酸素気液分離部102へ送出される。陰極側の水素と隔膜を透過した余剰水とは配管117を介して水素気液分離部103へ送出される。このように酸素系の水は、酸素気液分離部102−配管111−水電解スタック104(水電解セルの陽極)−配管112−酸素気液分離部102の経路をポンプ105により循環する。なお、水素気液分離部103と水電解スタック104の水電解セルの陰極とは配管116で接続されていても良い。その場合、水素気液分離部103の水は、直接反応には寄与しないが、水電解スタック104へ供給される。水素系の水は、水素気液分離部103−配管116−水電解スタック104(水電解セルの陰極)−配管117−水素気液分離部103の経路を自然に循環する。
また、特許文献1(特開2005−330514号公報)に水電解装置及び方法が開示されている。この水電解装置は、浄化層と、仕切り板と、水電解スタックと、水供給管と、第1の送給管と、第2の送給管と、水素排出部と、酸素排出部とを具備してなる。浄化層は、容器本体内に設けられ、循環する循環水を浄化する。仕切り板は、容器本体の頂部から垂下し、容器本体内を第1の部屋と第2の部屋とに分離する。水電解スタックは、容器本体の外部に設けられ、循環水を電気分解して水素と酸素を発生する。水供給管は、水電解スタックに浄化した循環水を供給する。第1の送給管は、水電解スタックから循環水に同伴されてなる水素/水・二層流を容器本体の第1の部屋に送給する。第2の送給管は、水電解スタックから循環水に同伴されてなる酸素/水・二層流を容器本体の第2の部屋に送給する。水素排出部は、第1の部屋から水素を排出する。酸素排出部は、第2の部屋から酸素を排出する。水電解スタックに供給する循環水を浄化しつつ自然循環してなる。図2は、この特許文献1に記載の水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。ただし、この図では、容器本体の第2の部屋を酸素気液分離部102とし、第1の部屋を水素気液分離部103として別々に記載している。また、浄化層は記載を省略している。図1の水電解装置101と比較すると、この水電解装置101aは、配管116が設けられ、ポンプ105が設けられていない点で異なっている。すなわち、この水電解装置101aは、生成される酸素の圧力により酸素系の水が自然に循環するようにし、ポンプ105を不要にしている。同様に、生成される水素が発生する圧力により水素系の水が自然に循環するようにしている。特許文献2(特開2007−031739号公報)に記載の水電解装置も同様である。
関連する技術として、特開2010−236089号公報(対応する米国出願:US2010/230295(A1))に、水電解装置の運転停止方法が開示されている。この水電解装置の運転停止方法は、電解質膜の両側に給電体が設けられ、前記給電体間に電解電圧を印加することにより、水を電気分解してアノード側電解室に酸素を発生させるとともに、カソード側電解室に常圧よりも高圧な水素を発生させる。この水電解装置の運転停止方法では、前記カソード側電解室から前記水素の供給が停止された後、電圧を印加する工程と、前記電圧を印加した状態で、少なくとも前記カソード側電解室の減圧を行う工程とを有する。
特開2005−330514号公報 特開2007−031739号公報 特開2010−236089号公報
水電解装置で発生する劣化の一つとして、電解質膜の劣化がある。特に、水電解装置の運転中(水の電気分解中)ではなく、運転停止に伴い発生する劣化がある。電解質膜の劣化は、水電解装置の性能の低下に直結するため、運転停止に伴い発生する劣化を抑制する技術が望まれる。
従って、本発明の目的は、電解質膜を隔膜として用いる水電解装置において、運転停止に伴い発生する電解質膜の劣化を抑制する水電解装置及び水電解装置の動作方法を提供することにある。
この発明のこれらの目的とそれ以外の目的と利益とは以下の説明と添付図面とによって容易に確認することができる。
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
従って、上記課題を解決するために、本発明の水電解装置は、水電解スタック(4)と、酸素系水供給部(2、5)と、水素系水供給部(3、6)と、電力供給部(7)とを具備している。水電解スタック(4)は、水電解セル(40)を備える。酸素系水供給部(2、5)は、水電解セル(40)の陽極に水を供給する。水素系水供給部(3、6)は、水電解セル(40)の陰極に水を供給する。電力供給部(7)は、水電解セル(40)に電力を供給する。水電解スタック(4)が水電解反応を停止するとき、水電解反応の停止後に、酸素系水供給部(2、5)は、陽極に水を供給し、水素系水供給部(3、6)は、陰極に水を供給し、電力供給部(7)は、電解発生電圧(1.5V)よりも低い停止電圧(V1)を水電解セル(40)に印加する。
上記の水電解装置において、停止電圧(V1)は、水電解反応の場合と同じ向きにもその逆向きにも水電解セル(40)に電流を流さないか、又は、水電解反応の場合と同じ向きに水電解セル(40)に水電解反応が起きない大きさの電流を流すことが可能な大きさを有することが好ましい。
上記の水電解装置において、水電解スタック(4)が水電解反応を停止するとき、電力供給部(7)が水電解セル(40)に停止電圧(V1)を印加する時間は、酸素系水供給部(2、5)及び水素系水供給部(3、6)が陽極及び陰極に水を供給する時間よりも長いことが好ましい。
上記の水電解装置において、水電解スタック(4)が水電解反応を停止するとき、酸素系水供給部(2、5)及び水素系水供給部(3、6)は、所定の時間だけ陽極及び陰極に水を供給することが好ましい。
上記の水電解装置において、水電解スタック(4)が水電解反応を停止するとき、酸素系水供給部(2、5)及び水素系水供給部(3、6)が陽極及び陰極に水を供給する流量は時間と共に減少することが好ましい。
上記の水電解装置において、水電解スタック(4)が水電解反応を停止するとき、電力供給部(7)が水電解セル(40)に印加する停止電圧(V1)は時間と共に減少することが好ましい。
上記の水電解装置において、電力供給部(7)は、太陽電池システム及び風力発電システムのうちの少なくとも一方を含むことが好ましい。
本発明の水電解セル(40)を備える水電解装置の動作方法は、前記水電解セル(40)が水電解反応を停止するとき、水電解反応の停止後に陽極に水を供給するステップと、水電解反応の停止後に陰極に水を供給するステップと、水電解反応の停止後に電解発生電圧(1.5V)よりも低い停止電圧(V1)を前記水電解セル(40)に印加するステップとを具備している。
上記の水電解装置の動作方法において、停止電圧(V1)は、水電解反応の場合と同じ向きにもその逆向きにも水電解セル(40)に電流を流さないか、又は、水電解反応の場合と同じ向きに水電解セル(40)に水電解反応が起きない大きさの電流を流すことが可能な大きさを有することが好ましい。
上記の水電解装置の動作方法において、水電解セル(40)に電圧を印加する時間は、陽極及び陰極に水を供給する時間よりも長いことが好ましい。
上記の水電解装置の動作方法において、陽極及び陰極に水を供給する流量は時間と共に減少することが好ましい。
上記の水電解装置の動作方法において、水電解セル(40)に印加する停止電圧(V1)は時間と共に減少することが好ましい。
本発明により、電解質膜を隔膜として用いる水電解装置において、運転停止に伴い発生する電解質膜の劣化を抑制することができる。
図1は、典型的な水電解装置の構成を示すブロック図である。 図2は、特許文献1の水電解装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の第1の実施に係る水電解装置の構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る水電解装置の動作方法を示すフローチャートである。 図5は、本発明の実施の形態に係る水電解装置の動作方法における水電解スタックに供給される電圧及び水の時間変化を示すタイミングチャートである。 図6Aは、運転停止動作中に水電解セル中に発生する現象を示す模式断面図である。 図6Bは、運転停止動作中に水電解セル中に発生する現象を示す模式断面図である。 図6Cは、運転停止動作中に水電解セル中に発生する現象を示す模式断面図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の変形例の構成を模式的に示すブロック図である。 図8は、本発明の第2の実施に係る水電解装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態に係る水電解装置及び水電解装置の動作方法に関して、添付図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の構成について説明する。図3は、本発明の第1の実施に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。水電解装置1は、酸素気液分離部2と、水素気液分離部3と、水電解スタック4と、ポンプ5と、ポンプ6と、電力供給部7と、制御部8とを具備している。
酸素気液分離部2は、水供給装置(図示されず)から水電解用の水を供給され、貯蔵する。その水は、水電解スタック4の各水電解セル(後述)の陽極(+極又はアノード)側に供給される。酸素気液分離部2は、水電解スタック4の各水電解セルで生成された酸素と余剰水とを受け取る。そして、生成された酸素を水から分離する。分離された酸素は、外部へ送出される。
ポンプ5は、酸素気液分離部2と水電解スタック4とを接続する配管11の途中に設けられている。配管11を介して、酸素気液分離部2の水を受け取り、水電解スタック4の陽極側へ供給する。後述されるように、ポンプ5は、酸素系(水電解スタック4の陽極)の水を強制的に循環させる。ポンプ5は、水電解スタック4の運転動作中だけでなく、停止動作中にも水を強制的に循環させる。
水素気液分離部3は、水供給装置(図示されず)から循環用の水を供給され、貯蔵する。その水は、水電解反応に直接的には寄与しないが、水電解スタック4の各水電解セル(後述)の陰極(−極又はカソード)側に供給される。水素気液分離部3は、水電解スタック4の各水電解セルで生成された水素と供給された循環用の水と隔膜を透過した余剰水とを受け取る。そして、生成された水素を水から分離する。分離された水素は、外部へ送出される。増加した余剰水は酸素気液分離部2に戻すか、もしくは排水する(これらの配管類は図示されず)。
ポンプ6は、水素気液分離部3と水電解スタック4とを接続する配管16の途中に設けられている。配管16を介して、水素気液分離部3の水を受け取り、水電解スタック4の陰極側へ供給する。後述されるように、ポンプ6は、水素系(水電解スタック4の陰極)の水を強制的に循環させる。ポンプ6は、水電解スタック4の運転動作中だけでなく、停止動作中にも水を強制的に循環させる。
水電解スタック4は、例えば直列接続された、複数の水電解セルを備えている。水電解セルは、隔膜としての電解質膜(例示:固体高分子電解質膜)と、その一方の面に設けられた陽極(+極又はアノード)と、他方の面に設けられた陰極(−極又はカソード)とを備えている。電解質膜は、固体高分子電解質膜であり、パーフルオロスルホン酸膜のようなフッ素系電解質膜に例示される。陽極及び陰極は、その電解質膜に適した公知の材料を用いることができる。水電解スタック4は、各水電解セルの陽極と陰極との間に電圧を印加する。それにより、各水電解セルにおいて、陽極側に供給された水が電気分解されて、陽極側に酸素が生成され、陰極側に水素が生成される。各水電解セルの陽極側の酸素と未反応の水(余剰水)とは、水電解スタック4と酸素気液分離部2とを接続する配管12を介して、酸素気液分離部2へ送出される。各水電解セルの陰極側の水素と隔膜を透過した水及び供給された水(余剰水)とは、水電解スタック4と水素気液分離部3とを接続する配管17を介して水素気液分離部3へ送出される。
以上のように、酸素系の水は、酸素気液分離部2−配管11−水電解スタック4(の各水電解セルの陽極)−配管12−酸素気液分離部2の循環経路をポンプ5により循環する。また、水素系の水は、水素気液分離部3−配管16−水電解スタック4(の各水電解セルの陰極)−配管17−水素気液分離部3の循環経路をポンプ6により循環する。各循環経路には適宜、流量や圧力を調整する弁を設けても良い。両循環経路は、電解質膜への影響を考慮して、概ね同圧になるように制御されることが好ましい。
電力供給部7は、通常の運転動作のときに、水電解スタック4の各水電解セルの陽極と陰極との間に印加される水電解用の電圧を、水電解スタック4へ供給する。また、電力供給部7は、運転を停止する停止動作のときに、各水電解セルの陽極と陰極との間に印加される停止動作用の電圧を、水電解スタック4へ供給する。また、電力供給部7は、水電解スタック4の電圧及び電流(及び各水電解セルの電圧及び電流)を計測可能である。
ここで、水電解用の電圧(V0)は、各水電解セルで水電解反応が起きる電圧すなわち理論電解電圧(約1.23V)以上であって、更に各種過電圧をも補った電圧(例示:約1.5V)以上である。この理論電解電圧に各種過電圧を補った電圧(例示:約1.5V)は、水電解が発生する最低の電圧であるから電解発生電圧ということができる。一方、停止動作用の電圧(V1)は、後述されるように、各水電解セルで電解反応が起きない電圧であるので、明らかに水電解用の電圧(V0)>停止動作用の電圧(V1)である。
停止動作用の電圧(V1)は、更に、後述されるように、陰極に捕捉された不純物イオンが陰極から電解質膜内部へ拡散しないように、捕捉し続けることが可能な電圧である。更に、好ましくは水電解セルの両極に残存する水素や酸素による燃料電池反応を抑制可能な電圧、より好ましくは燃料電池反応を停止可能な電圧である。燃料電池反応の理論電圧は、理論電解電圧と等しいが電池反応側にも各種過電圧があることから、このような電圧としては、約1.23Vまでも上昇させる必要はないが、少なくとも停止動作の初期段階では、約1.1V以上である。
制御部8は、ポンプ5、ポンプ6及び電力供給部7の運転動作や停止動作などを制御する情報処理装置であり、コンピュータに例示される。コンピュータのCPUは、例えば記憶媒体からインターフェースを介してHDDに読み込まれた、本実施の形態に係る水電解装置の動作方法のコンピュータプログラムをRAMに展開する。そして、展開されたコンピュータプログラムを実行し、必要に応じて記憶装置や入出力装置やポンプ5やポンプ6や電力供給部7のようなハードウエアを制御して、当該コンピュータプログラムの情報処理を実現する。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の動作方法について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の動作方法を示すフローチャートである。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の動作方法における水電解スタックに供給される電圧及び水の時間変化を示すタイミングチャートである。(a)は水電解スタックの各水電解セルに供給される電圧の時間変化を示し、縦軸は電圧Vであり横軸は時間tである。(b)は水電解スタックの各水電解セルの陽極及び陰極に供給される水の時間変化を示し、縦軸は水の流量Qであり横軸は時間tである。ここでは、一例として、陽極及び陰極に同じ流量で水が供給されているとしている。
図5における時刻t0までの間、水電解装置1は、通常の運転動作をしている。
ポンプ5は、制御部8の制御により、所定の流量で、酸素気液分離部2の水を水電解スタック4へ供給している。それにより、水電解スタック4の各水電解セルの陽極に水(流量Q0:図5の(b))が供給されている。この流量Q0は、水電解反応により酸素と水素とに分解される水の量よりも多くする。それにより、陽極において未反応の水(余剰水)が残り、酸素気液分離部2へ戻る。すなわち、ポンプ5は、制御部8の制御により、酸素気液分離部2の水を酸素系の循環経路に強制的に循環させている、ということができる。
また、ポンプ6は、制御部8の制御により、所定の流量で、水素気液分離部3の水を水電解スタック4へ供給している。それにより、水電解スタック4の各水電解セルの陰極にも水(流量Q0:図5の(b))が供給されている。それにより、陰極において電解質膜を透過した水及び供給された水(余剰水)が、水素気液分離部3へ戻る。すなわち、ポンプ6は、制御部8の制御により、水素気液分離部3の水を水素系の循環経路に強制的に循環させている、ということができる。
電力供給部7は、制御部8の制御により、水電解用の所定の電圧を、水電解スタック4に供給している。水電解スタック4は、供給された電圧を各水電解セルの陽極と陰極との間に印加し(電圧V0:図5の(a))、陽極側に供給された水を電気分解する。それにより、各水電解セルの陽極側に酸素(ガス)が生成し、陰極側に水素(ガス)が生成される。各水電解セルの陽極側の酸素は、未反応の水(余剰水)の循環に伴って、配管12を介して、酸素気液分離部2へ送出される。各水電解セルの陰極側の水素は、電解質膜を透過した水及び供給された水(余剰水)の循環に伴って、配管17を介して水素気液分離部3へ送出される。
このように、本実施の形態では、ポンプ5及びポンプ6を用いて、それぞれ水電解セルの陽極及び陰極に強制的に水(流量Q0)を循環させている。それにより、両極で生成した酸素や水素(ガス)を素早く水電解セルの両極表面から剥離させることができる。その結果、生成した酸素や水素が両極での反応を阻害することがなくなる。すなわち、両極での反応を促進させることができる。この場合、酸素側に供給される水の流量は、水の電気分解反応で必要とされる水の量よりも多いことが必要であることは言うまでも無いが、水素側、酸素側ともに供給水量は、体積として水電解スタックで発生するガス体積の倍以上であることが好ましい。
上記のような通常の運転動作の後、ユーザ操作やタイマの出力信号等に応答して、時刻t0において、水電解装置1は、運転を停止する停止動作を行う。そのために、まず水電解反応を停止させる。すなわち、電力供給部7は、制御部8の制御により、水電解スタック4に供給する電圧を、水電解用の電圧から停止動作用の電圧に低下させる(ステップS01)。その結果、各水電解セルに供給される電圧は、水電解用の電圧(電圧V0:図5の(a))から、停止動作用の電圧(電圧V1:図5の(a))に低下する。それにより、各水電解セルは、水の電気分解を停止する。この場合、電力供給部7は、制御部8の制御により、停止動作用の電圧を水電解スタック4に供給している、ということができる。また、水電解反応は停止するので、反応に伴い電解質膜中を流れる電流はほぼゼロとなるが、電圧の印加により電解質膜中のイオンの泳動(水電解反応の場合と同じ向き)が続いている間は微量の電流が流れている。t0では水電解スタック4への水の供給は停止せず、規定時間内は供給し続ける。本実施の形態では、一例として水の流量は変更しない(流量Q0:図5の(b))。
このとき、電力供給部7は、電圧の供給を全く停止するのではなく、あくまでも水電解反応に必要な電圧の供給を停止するが、電圧(水電解反応が起きない電圧)の供給は途切れることなく継続しているという点に注意されたい。また、同様に、酸素系及び水素系の水についても、その供給は途切れることなく継続しているという点に注意されたい。このような動作を行う理由は、電解質膜の劣化を防止するためである。以下、その劣化発生のメカニズム、及び、その劣化の防止方法について説明する。
図6A〜図6Cは、運転停止動作中に水電解セル中に発生する現象を示す模式断面図である。
図6Aは、水電解装置1において、通常の運転動作の場合を示している。すなわち、水電解セル40の陽極42と陰極43との間に電圧(電圧V0)が印加され、電解質膜41に電解電流が流れている場合(図5における時刻t0より前)を示している。このとき、陽極42側には水電解用の水(流量Q0)が供給されている。また、陰極43側にも水(流量Q0)が供給されている。陽極42では酸素(ガス)が生成され、陰極43では水素(ガス)が生成されている。この場合、電解質膜41に浸入してしまった不純物イオン(M+:金属イオンなど)は、プロトン(H+)と同様に、電界によって陰極43の側へ泳動し、陰極43に捕捉されると考えられる。
図6Bは、水電解装置1において、運転の停止動作の場合を示している。ここでは、仮に、図6Aの状態から電圧の印加を全く停止し(電圧を0にし)、水の供給も全く停止した(流量を0にした)場合を示している。この状態は、従来の水電解装置における運転の停止動作の場合と同じである。電圧の印加の停止と同時に、電解電流が止まる。その結果、陽極42での酸素の生成及び陰極43での水素の生成が止まる。それ以降、水電解セル40の表面に存在する水素(ガス)と酸素(ガス)の効果で燃料電池反応が始まる。その結果、電解質膜41内のイオンの泳動する向きが、電気分解のときの反対向きに変わる。すなわち、陰極43に捕捉されていた不純物イオンは電解質膜41内へ解き放たれ、反対向き(陽極42へ向かう向き)に泳動し始める。更に、水素及び酸素が無くなり(燃料電池反応が終わり)、電界も印加されないと不純物イオンは更に自由に拡散を開始する。これら不純物イオンの電解質膜41内部への泳動や拡散は、電解質膜41を劣化させる原因となると考えられる。このように、電解質膜41の劣化発生のメカニズムとして、運転の停止のときに発生する燃料電池反応による不純物イオンの泳動、及び、その後の不純物イオンの自由拡散が重要であることを発見した。
従って、本実施の形態の水電解装置1では、運転の停止動作の場合、上記のステップS01のような方法を行っている。図6Cは、水電解装置1における、本実施の形態に係る運転の停止動作の場合(ステップS01など)を示している。この場合、時刻t0以降において、電力供給部7は、制御部8の制御により、水電解セル40の両極間に印加されていた電圧を、水電解用の電圧(電圧V0:図5の(a))から低下させて、各水電解セル40で停止動作用の電圧(電圧V1:図5の(a))、すなわち水電解反応が起きない電圧にする。すなわち、両極間の電圧を0にせず、両極間に同じ向きの電圧V1を印加し続ける。それにより、水電解反応の停止後に、燃料電池反応を発生させないことができる。その結果、燃料電池反応に伴う逆方向の不純物イオンの泳動を抑制することができる。加えて、陰極43に捕捉された不純物イオンを捕捉されたままに維持することができる。それにより、陰極43に捕捉された不純物イオンが電解質膜41内部へ自由拡散することを防止することができる。
更に、時刻t0以降において、ポンプ5及びポンプ6は、制御部8の制御により、水電解セル40の両極間に供給されていた水を、水電解のときの流量(流量Q0:図5の(b))から変更せず、両極表面に酸素や水素が無くなるまで継続的に行う。すなわち、両極において、水を強制的に循環することによって、両極に残存する酸素及び水素を除去する。それにより、水素と酸素による逆反応である燃料電池反応を防止して(又は早期に停止させて)、プロトンの逆流を防止する(又は早期に停止させる)ことができる。これにより、逆流に伴う不純物イオンの逆流(泳動)を防止することができる。その結果、電解質膜41や水電解セル40の劣化を防止することが可能となる。
以上のような理由から、本実施の形態では、運転を停止する停止動作での時刻t0以降において、各水電解セル40に対して、電圧の供給を継続的、連続的に行いつつその値を水電解用の電圧V0から停止動作用の電圧V1へ低下させる(図5の(a))。それと共に、各水電解セル40に対して、酸素系及び水素系の水の供給を継続的、連続的に行っている(図5の(b))。
なお、時刻t0以降において、供給する電圧V1は、(1)水電解反応の場合と同じ向きにもその逆向きにも電解質膜41に電流が全く流れないような値(向き)、又は、(2)水電解反応の場合と同じ向きに電解質膜41に電流(少なくとも水電解反応が起きない量)が流れるような値(向き)であることが好ましい。それは以下の理由による。
上記(1)の場合、電圧V1と、そのときの両極にある酸素及び水素による燃料電池反応の電圧とが釣り合っていると考えられる。従って、燃料電池反応が抑制されるとともに、陰極に捕捉された不純物イオンが陰極から電解質膜内部へ拡散しないように、捕捉し続けることが可能な電圧が印加されていると判断することができる。上記(2)の場合、水電解反応と同じ向きの電流が流れているので、燃料電池反応が抑制されるとともに、陰極に捕捉された不純物イオンが陰極から電解質膜内部へ拡散しないように、捕捉し続けることが可能な電圧が印加されていると判断することができる。
これらの状態で、水の強制循環により、両極にある酸素及び水素が除去されれば、燃料電池反応の電圧が最終的にゼロになる。その後は、電圧V1は、陰極に捕捉された不純物イオンが陰極から電解質膜内部へ拡散しないように、捕捉し続けることのみに使用される。すなわち、電解質膜41の劣化を抑えることができる。このときのV1は初期のV1より低くすることが可能である。
逆に言えば、このように電流が全く流れていないか、又は、陽極から陰極に向かって電流が流れていることが確認できれば、電圧V1としては十分な値であるということができる。すなわち、電流の値(向き)により、電圧V1の適否を確認することができる。電流が流れている場合(上記(2)の場合)については、電流の値は、水電解反応のときと同じ向きに流れていれば、極めて小さい値であっても良い。例えば、実験的に又はシミュレーション的には、電流の閾値(所定の値)は、水電解セル40において、0.001mA/cmに例示される。この電流量以上の電流が流れていれば、電圧V1としては十分である。電流の測定は、電力供給部7で行うことができる。
再び、図4及び図5を参照して、その後、ポンプ5やポンプ6により積極的に行われる水の循環により、時刻t1において、両極に残存する酸素及び水素がほぼすべて除去される。この酸素及び水素をほぼすべて除去するのにかかる時間Δt(=t1−t0)は、ポンプ5及びポンプ6による水の強制循環により、極めて短くすることができる。この時間Δtは、実験やシミュレーションなどにより決定される。この段階で、水素と酸素による逆反応である燃料電池反応が起こらなくなる。すなわち、プロトンの逆流及びそれに伴う不純物イオンの逆流(泳動)は生じない。したがって、電力供給部7は、制御部8の制御により、その燃料電池反応に相当する電圧分だけ、印加する電圧を低下させる(電圧V2:図5の(a))(ステップS02)。例えば、約1.1V未満である。それにより、電力供給部7での消費電力を節約することができる。この電圧V2は、水電解スタック4の停止中、継続的に連続的に印加することが好ましい。それにより、陰極側の不純物イオンの電解質膜41中への拡散を防止することができ、停止中に起こる電解質膜41の劣化を防止することができる。
更に、時刻t1において、両極において、残存する酸素及び水素が除去されているので、両極において水を流す必要が無くなる。したがって、ポンプ5及びポンプ6は、制御部8の制御により、停止する。(流量Q1=0ゼロ:図5の(b))(ステップS03)。それにより、ポンプ5及びポンプ6での消費電力は無くなる。
なお、水電解セル40への電圧の印加は、水素及び酸素が多量に両極の表面近傍にあると考えられるときには、高い電圧が必要であるが、時間の経過(水素及び酸素の減少)と共に印加電圧を低下させてよい(図5の(a)の一点鎖線)。それにより、電力供給部7の電力の節約になる。このように電圧を変える場合にも、既述のように、流れる電流の値から、電圧の値の適否を判断することができる。すなわち、陽極から陰極に向かって、所定の量より電流が流れていることが確認できれば、電圧V1は十分な値であるということができる。所定の電流量は、0.001mA/cmに例示される。なお、水電解セル40への電圧の印加は停止しない方が好ましいが、電解質膜41が十分安定な状態(例示:電解質膜41の温度が十分な低温)になり、不純物イオンの内部拡散が抑制された状態になって、劣化が許容範囲以下になるような場合には、水電解セル40への電圧の印加は停止しても良い。
また、水電解セル40への水の供給(強制循環)は、水素及び酸素が多量に両極の表面近傍にあると考えられるときには、ある程度の流量が必要であるが、時間の経過(水素及び酸素の減少)とともに流量を低下させてよい(図5の(b)の一点鎖線)。それにより、ポンプ5及びポンプ6の電力の節約になる。更に、水電解セル40への水の供給は、水素及び酸素が両極の表面近傍にほとんどなくなった場合には、ポンプ5及びポンプ6を停止して、ゼロにしても良い。それにより、ポンプ5及びポンプ6の電力の更なる節約になる。したがって、水電解セル40への水の供給(強制循環)を行う期間は、多くの場合、水電解セル40への電圧の印加の期間よりも短くなる。浮遊している水素ガスや酸素ガスが排出されてしまえばよいからである。電極近傍の局在する水素や酸素は取り切れないので、電位で抑え続けることになる。
以上のようにして、本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の動作が実施される。
上述のように、酸素気液分離部2とポンプ5とは、水電解セル40の陽極に水を供給する酸素系水供給部と見ることができる。また、水素気液分離部3とポンプ6とは、水電解セル40の陰極に水を供給する水素系水供給部と見ることができる。また、上記実施の形態では、酸素系水供給部、水素系水供給部、及び、電力供給部7は、通常の運転動作用と停止動作用とで同じである。しかし、本発明はその例に限定されるものではなく、電力及び水の供給の継続性・連続性を保つことができれば、停止動作用に別途有していても良い。
次に、本実施の形態に係る水電解装置の変形例について説明する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る水電解装置の変形例の構成を模式的に示すブロック図である。この水電解装置1の電力供給部7は、電力制御部30と、二次電池31及びDC/DCコンバータ32と、商用電源33及びAC/DCコンバータ34と、太陽電池35及びDC/DCコンバータ36とを備えている。生成した水素及び酸素は、例えば、燃料電池38に使用される。
DC/DCコンバータ32は、電力制御部30の制御に基づいて、二次電池31からのバッテリー電力をDC/DC変換して電力制御部30へ供給する。AC/DCコンバータ34は、電力制御部30の制御に基づいて、商用電源33からの商用電力をAC/DC変換して電力制御部30へ供給する。DC/DCコンバータ36は、電力制御部30の制御に基づいて、太陽電池35からの太陽電池電力をDC/DC変換して電力制御部30へ供給する。電力制御部30は、制御部8の制御により、DC/DCコンバータ32、AC/DCコンバータ34及びDC/DCコンバータ36を制御する。そして、商用電源、二次電池及び太陽電池のいずれかを、水電解装置1用の電源として選択して、その電力を水電解スタック4へ供給する。
例えば、水電解スタック4用の電源として通常は太陽電池35を使用し、太陽電池35が日照不足や夜間等で供給できない場合に、二次電池31や商用電源33を電源として用いて停止動作を行えば、水電解セルの劣化を防止し健全性を保つことができる。特に、水電解スタック4の停止中、電圧V1を継続的に印加し続ける場合には、商用電源33に加えて二次電池31のようなバックアップがあることにより、安定的に電圧印加ができ、継続的に電解質膜の劣化を抑制することができる。
上記水電解装置1の電力供給部7は、太陽電池システム(太陽電池35及びDC/DCコンバータ36)を用いているが、他の電源システム、例えば風力発電システムのような自家発電システムを備えていても良い。
本発明により、電解質膜を隔膜として用いる水電解装置において、運転停止に伴い発生する電解質膜の劣化を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る水電解装置の構成について説明する。図8は、本発明の第2の実施に係る水電解装置の構成を模式的に示すブロック図である。水電解装置1aは、酸素気液分離部2と、水素気液分離部3と、水電解スタック4と、ポンプ5と、ポンプ6と、電力供給部7と、制御部8と、弁21〜23と、弁26〜28とを具備している。
本実施の形態の水電解装置1aは、特許文献1(特開2005−330514号公報)及び特許文献2(特開2007−031739号公報)に記載の水電解装置のように、通常の運転動作において、水電解スタック4に供給する酸素系及び水素系の水が、生成される酸素及び水素の圧力により、自然に循環するようにしている、という点で第1の実施の形態の水電解装置1と相違する。以下、主に、第1の実施の形態と相違する点について説明する。
本実施の形態では、例えば特許文献1(特開2005−330514号公報)の図1に記載のように、水電解装置1aが容器本体及び浄化槽(図示されず)を備え、酸素気液分離部2及び水素気液分離部3がそれぞれ容器本体の第2の部屋及び第1の部屋として一体に設けられていてもよい。
酸素気液分離部2と水電解スタック4とを接続している配管11は、途中で部分的に分岐配管13と分岐配管14とに分岐している。分岐配管13の途中にはポンプ5が設けられている。更にポンプ5の前後には弁21及び弁22が設けられている。一方、分岐配管14の途中には弁23が設けられている。弁21〜23も、制御部8に制御されている。同様に、水素気液分離部3と水電解スタック4とを接続している配管16は、途中で部分的に分岐配管18と分岐配管19とに分岐している。分岐配管18の途中にはポンプ6が設けられている。更にポンプ6の前後には弁26及び弁27が設けられている。一方、分岐配管19の途中には弁28が設けられている。弁26〜28も制御部8に制御されている。
水電解装置1aは、通常の運転動作では、制御部8の制御に基づいて、弁21〜22及び弁26〜27を閉止し、弁23及び弁28を開放し、水電解スタック4に供給する酸素系及び水素系の水が、生成される酸素及び水素の圧力により、自然に循環するようにする(特許文献1や特許文献2と同様である)。一方、運転の停止動作では、制御部8の制御に基づいて、弁23及び弁28を閉止し、弁21〜22及び弁26〜27を開放し、ポンプ5及びポンプ6を起動して、第1の実施の形態における図4及び図5の時刻t0以降の動作を実行する(上記第1の実施の形態と同様である)。
その他については、第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。加えて、通常の運転動作では、水を自然に循環させているので、ポンプなどの消費電力を低減することができる。
本発明は上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施の形態の技術は、矛盾の発生しない限り、他の実施の形態に適用可能である。
1、1a、101、101a 水電解装置
2、102 酸素気液分離部
3、103 水素気液分離部
4、104 水電解スタック
5、105 ポンプ
6 ポンプ
7 電力供給部
8 制御部
11、12、111、112 配管
13、14 分岐配管
16、17、116、117 配管
18、19 分岐配管
21、22、23 弁
26、27、28 弁
30 電力制御部
31 二次電池
32 DC/DCコンバータ
33 商用電源
34 AC/DCコンバータ
35 太陽電池
36 DC/DCコンバータ
38 燃料電池

Claims (12)

  1. 水電解セルを備える水電解スタックと、
    前記水電解セルの陽極に水を供給する酸素系水供給部と、
    前記水電解セルの陰極に水を供給する水素系水供給部と、
    前記水電解セルに電力を供給する電力供給部と
    を具備し、
    前記水電解スタックが水電解反応を停止するとき、前記水電解反応の停止後に、
    前記酸素系水供給部は、前記陽極に水を供給し、
    前記水素系水供給部は、前記陰極に水を供給し、
    前記電力供給部は、電解発生電圧より低い停止電圧を前記水電解セルに印加する
    水電解装置。
  2. 請求項1に記載の水電解装置において、
    前記停止電圧は、前記水電解反応の場合と同じ向きにもその逆向きにも前記水電解セルに電流を流さないか、又は、前記水電解反応の場合と同じ向きに前記水電解セルに水電解反応が起きない大きさの電流を流すことが可能な大きさを有する
    水電解装置。
  3. 請求項1又は2に記載の水電解装置において、
    前記水電解スタックが前記水電解反応を停止するとき、
    前記電力供給部が前記水電解セルに前記停止電圧を印加する時間は、前記酸素系水供給部及び前記水素系水供給部が前記陽極及び前記陰極に水を供給する時間よりも長い
    水電解装置。
  4. 請求項3に記載の水電解装置において、
    前記水電解スタックが前記水電解反応を停止するとき、
    前記酸素系水供給部及び前記水素系水供給部は、所定の時間だけ前記陽極及び前記陰極に水を供給する
    水電解装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水電解装置において、
    前記水電解スタックが前記水電解反応を停止するとき、
    前記酸素系水供給部及び前記水素系水供給部が前記陽極及び前記陰極に水を供給する流量は時間と共に減少する
    水電解装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水電解装置において、
    前記水電解スタックが前記水電解反応を停止するとき、
    前記電力供給部が前記水電解セルに印加する前記停止電圧は時間と共に減少する
    水電解装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の水電解装置において、
    前記電力供給部は、太陽電池システム及び風力発電システムのうちの少なくとも一方を含む
    水電解装置。
  8. 水電解セルを備える水電解装置の動作方法であって、
    前記水電解セルが水電解反応を停止するとき、
    前記水電解反応の停止後に、前記陽極に水を供給するステップと、
    前記水電解反応の停止後に、前記陰極に水を供給するステップと、
    前記水電解反応の停止後に、電解発生電圧よりも低い停止電圧を前記水電解セルに印加するステップと
    を具備する
    水電解装置の動作方法。
  9. 請求項8に記載の水電解装置の動作方法において、
    前記停止電圧は、前記水電解反応の場合と同じ向きにもその逆向きにも前記水電解セルに電流を流さないか、又は、前記水電解反応の場合と同じ向きに前記水電解セルに水電解反応が起きない大きさの電流を流すことが可能な大きさを有する
    水電解装置の動作方法。
  10. 請求項8又は9に記載の水電解装置の動作方法において、
    前記水電解セルに電圧を印加する時間は、前記陽極及び前記陰極に水を供給する時間よりも長い
    水電解装置の動作方法。
  11. 請求項8乃至10のいずれか一項に記載の水電解装置の動作方法において、
    前記陽極及び前記陰極に水を供給する流量は時間と共に減少する
    水電解装置の動作方法。
  12. 請求項8乃至11のいずれか一項に記載の水電解装置の動作方法において、
    前記水電解セルに印加する前記停止電圧は時間と共に減少する
    水電解装置の動作方法。
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