JP7295704B2 - 電解装置の運転方法及び電解装置 - Google Patents
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Description
〈1〉相互に隔膜で区画された、陽極を有する陽極室と陰極を有する陰極室とをそれぞれ複数備える電解装置の運転方法であって、
前記陽極室および前記陰極室中の電解液の電気分解が行われる通電工程と、
前記陽極室および前記陰極室中の電解液の電気分解が停止している停止工程と、を有し、
前記停止工程において、全ての前記陰極室内の水素中の酸素濃度が1.0モル%以下であることを特徴とする、電解装置の運転方法。
〈2〉更に、前記停止工程において前記陰極の少なくとも一部が水素ガスに接触した状態になるようにするとともに、当該停止工程における前記陰極室中の水素ガスの量H(mol)が、下記式
M(mol)≦H(mol)
M(mol)=逆電流量I(C/Sec)×停止工程時間T(Sec)/(2×ファラデー定数F(C/mol))
を満たすように制御する制御工程を有する、上記〈1〉の電解装置の運転方法。
〈3〉相互に隔膜で区画された、1つの陽極室と1つの陰極室とを1つの電解セルとするとき、更に、前記停止工程において前記陰極の少なくとも一部が水素ガスに接触した状態になるようにすることで、下記式
電解セルの電圧(V)≧0.20V
を満たすように制御する制御工程を有する、上記〈1〉の電解装置の運転方法。
〈4〉前記電解槽がN個の前記電解セルを有し、
前記制御工程において、下記式
電解槽の電圧(V)≧0.20V×N
を満たすように制御する、上記〈3〉の電解装置の運転方法。
〈5〉前記制御工程における制御は、前記陰極室の外部から水素ガスを供給することを含む、上記〈2〉~〈4〉のいずれかの電解装置の運転方法。
〈6〉前記停止工程において、前記陰極室及び/又は前記陽極室の前記電解液の液面が前記隔膜の非被覆上端よりも鉛直方向上方に位置する、上記〈2〉~〈5〉のいずれかの電解装置の運転方法。
〈7〉前記制御工程における前記制御は、前記陰極室内の前記電解液の量を、前記制御工程前の前記陰極室内の前記電解液の量よりも減少させることを含む、上記〈2〉~〈6〉のいずれかの電解装置の運転方法。
〈8〉前記陰極の保有電荷量が、前記陽極の保有電荷量に対して0.1倍以下である上記〈1〉~〈7〉のいずれかの電解装置の運転方法。
〈9〉相互に隔膜で区画された、陽極を有する陽極室と陰極を有する陰極室とをそれぞれ複数備える電解装置の運転方法であって、
前記陽極室および前記陰極室中の電解液の電気分解が行われる通電工程と、
前記陽極室および前記陰極室中の電解液の電気分解が停止している停止工程と、を有し、
前記停止工程において、全ての前記陽極室内の酸素中の水素濃度が1.0モル%以下であることを特徴とする、電解装置の運転方法。
〈10〉前記電解装置の電解槽が複極式であって、1つの前記陽極室と1つの前記陰極室とを1つの電解セルとするとき、当該電解槽が30以上の電解セルを有する、上記〈1〉~〈9〉のいずれかの電解装置の運転方法。
〈11〉前記電解装置は、前記陰極室への前記電解液の供給経路及び、前記陰極室からの前記電解液の排出経路を備え、
前記停止工程において、前記供給経路及び/又は前記排出経路を、前記陰極室に対して絶縁する、上記〈1〉~〈10〉のいずれかの電解装置の運転方法。
〈12〉前記停止工程において、前記電解装置の、電解槽と電解電源とを含む電気回路を、遮断する、上記〈1〉~〈11〉のいずれかの電解装置の運転方法。
〈13〉前記電解装置が、前記陽極と、前記陰極と、前記陽極および前記陰極を隔離する隔壁と、前記隔壁を縁取る外枠とを有するエレメントを複数備え、
複数の前記エレメントは、相互に絶縁された状態で前記隔膜を挟んで重ね合わせられている、上記〈1〉~〈12〉のいずれかの電解装置の運転方法。
〈14〉前記電解液がアルカリ水溶液である、上記〈1〉~〈13〉のいずれかの電解装置の運転方法。
〈15〉前記停止工程において前記陽極室および/または前記陰極室が閉鎖系である、上記〈1〉~〈14〉のいずれかの電解装置の運転方法。
〈16〉相互に隔膜で区画された、陽極を有する陽極室と陰極を有する陰極室とを備え、
更に、前記陰極室中の水素ガスの量を制御可能な第1の混合防止部を備えることを特徴とする、電解装置。
本実施形態の電解装置70は、例えば、図1に示すように、電解槽50と、電解液を循環させるための送液ポンプ71と、電解液と水素及び/又は酸素とを分離する気液分離タンク72と、電解により消費した水を補給するための水補給器73とを有する。また、より具体的には、本実施形態の電解装置70は、相互に隔膜4で区画された、陽極2aを有する陽極室5aと陰極2cを有する陰極室5cとを備える。
また、本実施形態の電解装置70は、陰極室5c中の水素ガスの量を制御可能な第1の混合防止部を備える。
本実施形態の電解装置70によれば、電解装置において局部的に、特に直列にスタックした複数の電解セルのうち中央側の電解セルでの酸素中水素濃度または水素中酸素濃度が高くなることを抑制することが可能な電解装置70を提供することができる。
本実施形態の電解装置70における電解槽50は、特に限定されることなく、単極式としても複極式としてもよいが、図1等に示すように、工業的に、複極式の電解槽が好ましい。
複極式電解槽50は、電源の電流を小さくできるという特徴を持ち、電解により化合物や所定の物質等を短時間で大量に製造することができる。電源設備は出力が同じであれば、定電流、高電圧の方が安価でコンパクトになるため、工業的には単極式よりも複極式の方が好ましい。
一例の電解装置70の複極式電解槽50に用いられる複極式エレメント60は、図2に示すように、陽極2aと陰極2cとを隔離する隔壁1を備え、隔壁1を縁取る外枠3を備えている。より具体的には、隔壁1は導電性を有し、外枠3は隔壁1の外縁に沿って隔壁1を取り囲むように設けられている。
図2に示す一例では、複極式電解槽50は、一端からファストヘッド51g、絶縁板51i、陽極ターミナルエレメント51aが順番に並べられ、更に、陽極側ガスケット部分7、隔膜4、陰極側ガスケット部分7、複極式エレメント60が、この順番で並べて配置される。このとき、複極式エレメント60は陽極ターミナルエレメント51a側に陰極2cを向けるよう配置する。陽極側ガスケット部分7から複極式エレメント60までは、設計生産量に必要な数だけ繰り返し配置される。陽極側ガスケット部分7から複極式エレメント60までを必要数だけ繰り返し配置した後、再度、陽極側ガスケット部分7、隔膜4、陰極側ガスケット部分7を並べて配置し、最後に陰極ターミナルエレメント51c、絶縁板51i、ルーズヘッド51gをこの順番で配置される。複極式電解槽50は、全体をタイロッド方式51r(図2参照)や油圧シリンダー方式等の締め付け機構により締め付けることによりー体化され、複極式電解槽50となる。
複極式電解槽50を構成する配置は、陽極2a側からでも陰極2c側からでも任意に選択でき、上述の順序に限定されるものではない。
一例では、隔壁1の端縁にある外枠3の下方に、陽極室5aに電解液を入れる陽極入口ヘッダー10Oaiと、陰極室5cに電解液を入れる陰極入口ヘッダー10Ociとを備えており、また、同様に、隔壁1の端縁にある外枠3の側方に、陽極室5aから電極液を出す陽極出口ヘッダー10Oaoと、陰極室5cから電解液を出す陰極出口ヘッダー10Ocoとを備えている。
また、一例では、陽極室5a及び陰極室5cにおいて、入口ヘッダーと出口ヘッダーとが、電極室5の中央部を挟んで向かい合うように設けられている。
図4に、本実施形態の外部ヘッダー型の電解装置の電解槽の一例について平面図で示す。
一例では、外枠3のうちの下方に、陽極入口ヘッダー10Oaiに連通する陽極用配液管20Oaiと、陰極入口ヘッダー10Ociに連通する陰極用配液管20Ociとを備えており、また、同様に、外枠3のうちの側方に、陽極出口ヘッダー10Oaoに連通する陽極用集液管20Oaoと、陰極出口ヘッダー10Ocoに連通する陰極用集液管20Ocoとを備えている。
また、通常、陽極用配液管20Oai、陰極用配液管20Oci、陽極用集液管20Oao、陰極用集液管20Ocoは、各電極室5に1つずつ設けられるが、本実施形態では、これに限定されず、複数の電極室5で兼用されてもよい。
対数が減ると、リーク電流によるガス純度の影響は緩和される一方で、対数が増加すると、電解液を各電解セル65に均一に分配することが困難になる。下限未満の場合や上限超の場合には、電力供給を停止した際に生じる自己放電を低減して、電気制御システムの安定化を可能にする効果、及び、高効率での電力の貯蔵、具体的には、ポンプ動力の低減やリーク電流の低減を実現することを可能にする効果の並立が困難になる。
また、複極式エレメント60の数(対数)が増え過ぎると、電解槽50の製作が困難になるおそれがあり、製作精度が悪い複極式エレメント60を多数スタックした場合には、シール面圧が不均一になりやすく、電解液の漏れやガス漏洩が生じやすい。
なお、複数のエレメント60が相互に絶縁された状態になるとは、具体的には、エレメント60の外枠3間で絶縁された状態となることが好ましく、例えば、エレメント60間に配置するガスケット7の絶縁性を高める等により行うことができる。また、ここでの絶縁とは、エレメント60間で、絶縁抵抗が1MΩ以上であることが好ましい。
また、以下では、本発明の効果を高めるための好適形態についても詳述する。
本実施形態における隔壁1の形状は、所定の厚みを有する板状の形状としてよいが、特に限定されない。
本実施形態のアルカリ水電解による水素製造において、エネルギー消費量の削減、具体的には電解電圧の低減は、大きな課題である。この電解電圧は電極2に大きく依存するため、両電極2の性能は重要である。
本実施形態における外枠3の形状は、隔壁1を縁取ることができる限り特に限定されないが、隔壁1の平面に対して垂直な方向に沿う内面を隔壁1の外延に亘って備える形状としてよい。
外枠3の形状としては、特に限定されることなく、隔壁1の平面視形状に合わせて適宜定められてよい。
本実施形態の電解装置70の複極式電解槽50において用いられる隔膜4としては、イオンを導通しつつ、発生する水素ガスと酸素ガスを隔離するために、イオン透過性の隔膜4が使用される。このイオン透過性の隔膜4は、イオン交換能を有するイオン交換膜と、電解液を浸透することができる多孔膜が使用できる。このイオン透過性の隔膜4は、ガス透過性が低く、イオン伝導率が高く、電子電導度が小さく、強度が強いものが好ましい。
多孔膜は、複数の微細な貫通孔を有し、隔膜4を電解液が透過できる構造を有する。電解液が多孔膜中に浸透することにより、イオン伝導を発現するため、孔径や気孔率、親水性といった多孔構造の制御が非常に重要となる。一方、電解液だけでなく、発生ガスを通過させないこと、すなわちガスの遮断性を有することが求められる。この観点でも多孔構造の制御が重要となる。
高分子多孔膜の製法例としては、相転換法(ミクロ相分離法)、抽出法、延伸法、湿式ゲル延伸法等が挙げられる。
高分子材料としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリビニリデンフロライド、ポリカーボネート、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロスルホン酸、パーフルオロカルボン酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等が挙げられる。これらの中でも、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリテトラフルオロエチレン、であることが好ましく、ポリスルホンであることがより好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多孔膜の平均孔径が大きいほど、単位面積あたりの多孔膜透過量は大きくなり、特に、電解においては多孔膜のイオン透過性が良好となり、電圧損失を低減しやすくなる傾向にある。また、多孔膜の平均孔径が大きいほど、アルカリ水との接触表面積が小さくなるので、ポリマーの劣化が抑制される傾向にある。
一方、多孔膜の平均孔径が小さいほど、多孔膜の分離精度が高くなり、電解においては多孔膜のガス遮断性が良好となる傾向にある。さらに、後述する粒径の小さな親水性無機粒子を多孔膜に担持した場合、欠落せずしっかりと保持することができる。これにより、親水性無機粒子が持つ高い保持能力を付与でき、長期に亘ってその効果を維持することができる。
多孔膜の平均孔径とは、完全性試験機(ザルトリウス・ステディム・ジャパン社製、「Sartocheck Junior BP-Plus」)を使用して以下の方法で測定した平均透水孔径をいう。まず、多孔膜を芯材も含めて所定の大きさに切り出して、これをサンプルとする。このサンプルを任意の耐圧容器にセットして、容器内を純水で満たす。次に、耐圧容器を所定温度に設定した恒温槽内で保持し、耐圧容器内部が所定温度になってから測定を開始する。測定が始まると、サンプルの上面側が窒素で加圧されていき、サンプルの下面側から純水が透過してくる際の圧力及び透過流量の数値を記録する。平均透水孔径は、圧力が10kPaから30kPaの間の圧力と透水流量との勾配を使い、以下のハーゲンポアズイユの式から求めることができる。
平均透水孔径(m)={32ηLμ0/(εP)}0.5
ここで、ηは水の粘度(Pa・s)、Lは多孔膜の厚み(m)、μ0は見かけの流速であり、μ0(m/s)=流量(m3/s)/流路面積(m2)である。また、εは空隙率、Pは圧力(Pa)である。
ガス遮断性や低電圧損失等を高いレベルで両立させるといった観点から、多孔膜の気孔率の下限は30%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましく、40%以上であることが更に好ましい。また、気孔率の上限は70%以下であることが好ましく、65%以下であることがより好ましく、55%以下であることが更に好ましい。多孔膜の気孔率が上記上限値以下であれば、膜内をイオンが透過しやすく、膜の電圧損失を抑制できる。
気孔率P(%)=ρ/(1+ρ)×100
ここで、ρ=(W3-W1)/(W3-W2)であり、W1は多孔膜の乾燥質量(g)、W2は多孔膜の水中質量(g)、W3は多孔膜の飽水質量(g)である。
多孔膜の厚みが、上記下限値以上であると、突刺し等で破れにくく、電極間がショートしにくい。また、ガス遮断性が良好となる。また、上記上限値以下であると、電圧損失が増大しにくい。また、多孔膜の厚みのばらつきによる影響が少なくなる。
また、隔膜の厚みが、100μm以上であると、突刺し等で破れにくく、電極間がショートしにくい。また、ガス遮断性が良好となる。600μm以下であると、電圧損失が増大しにくい。また、多孔膜の厚みのばらつきによる影響が少なくなる。
多孔膜の厚みが、250μm以上であれば、一層優れたガス遮断性が得られ、また、衝撃に対する多孔膜の強度が一層向上する。この観点より、多孔膜の厚みの下限は、300μm以上であることがより好ましく、350μm以上であることが更に好ましく400μm以上でることがより一層好ましい。一方で、多孔膜の厚みが、700μm以下であれば、運転時に孔内に含まれる電解液の抵抗によりイオンの透過性を阻害されにくく、一層優れたイオン透過性を維持すことができる。かかる観点から、多孔膜の厚みの上限は、600μm以下であることがより好ましく、550μm以下であることが更に好ましく、500μm以下であることがより一層好ましい。
多孔膜は、高いイオン透過性及び高いガス遮断性を発現するために親水性無機粒子を含有していることが好ましい。親水性無機粒子は多孔膜の表面に付着していても良いし、一部が多孔膜を構成する高分子材料に埋没していても良い。また親水性無機粒子が多孔膜の空隙部に内包されると、多孔膜から脱離しにくくなり、多孔膜の性能を長時間維持できる。
隔膜4として多孔膜を用いる場合、多孔膜は多孔性支持体と共に用いてよい。好ましくは、多孔膜が多孔性支持体を内在した構造であり、より好ましくは、多孔性支持体の両面に多孔膜を積層した構造である。また、多孔性支持体の両面に対称に多孔膜を積層した構造であってもよい。
イオン交換膜としては、カチオンを選択的に透過させるカチオン交換膜とアニオンを選択的に透過させるアニオン交換膜があり、いずれの交換膜でも使用することができる。
イオン交換膜の材質としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、含フッ素系樹脂やポリスチレン・ジビニルベンゼン共重合体の変性樹脂が好適に使用できる。特に耐熱性及び耐薬品性等に優れる点で、含フッ素系イオン交換膜が好ましい。
この当量質量EWは、イオン交換膜を塩置換し、その溶液をアルカリ又は酸溶液で逆滴定することにより測定することができる。当量質量EWは、原料であるモノマーの共重合比、モノマー種の選定等により調整することができる。
イオン交換膜の当量質量EWは、親水性、膜の耐水性の観点から300以上であることが好ましく、親水性、イオン交換能の観点から1300以下であることが好ましい。
ゼロギャップ型セルにおける複極式エレメント60では、極間距離を小さくする手段として、電極2と隔壁1との間に弾性体であるバネを配置し、このバネで電極2を支持する形態をとることが好ましい。例えば、第1の例では、隔壁1に導電性の材料で製作されたバネを取り付け、このバネに電極2を取り付けてよい。また、第2の例では、隔壁1に取り付けた電極リブにバネを取り付け、そのバネに電極2を取り付けてよい。なお、このような弾性体を用いた形態を採用する場合には、電極2が隔膜4に接する圧力が不均一にならないように、バネの強度、バネの数、形状等必要に応じて適宜調節する必要がある。
本実施形態における複極式電解槽50では、図3に示すとおり、隔壁1と外枠3と隔膜4とにより、電解液が通過する電極室5が画成されている。
本実施形態の電解装置70の複極式電解槽50では、隔壁1に整流板6(陽極整流板6a、陰極整流板6c)が取り付けられ、整流板6が電極2と物理的に接続されていることが好ましい。かかる構成によれば、整流板6が電極2の支持体となり、ゼロギャップ構造Zを維持しやすい。
ここで、整流板6に、電極2が設けられていてもよく、整流板6に、集電体2r、導電性弾性体2e、電極2がこの順に設けられていてもよい。
前述の一例の電解装置70の複極式電解槽50では、陰極室5cにおいて、整流板6-集電体2r-導電性弾性体2e-電極2の順に重ね合わせられた構造が採用され、陽極室5aにおいて、整流板6-電極2の順に重ね合わせられた構造が採用されている。
整流板6の高さは、隔壁1から各フランジ部までの距離、ガスケット7の厚さ、電極2(陽極2a、陰極2c)の厚さ、陽極2aと陰極2cとの間の距離等に応じて、適宜に定められてよい。
また、整流板6の厚みは、コストや製作性、強度等も考慮して、0.5mm~5mmとしてよく、1mm~2mmのものが用いやすいが、特に限定されない。
本実施形態の電解装置70の複極式電解槽50では、隔壁1を縁取る外枠3同士の間に隔膜4を有するガスケット7が挟持されることが好ましい。
ガスケット7は、複極式エレメント60と隔膜4の間、複極式エレメント60間を電解液と発生ガスに対してシールするために使用され、電解液や発生ガスの電解槽外への漏れや両極室間におけるガス混合を防ぐことができる。
ゴム材料や樹脂材料としては、具体的には、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム(SR)、エチレン-プロピレンゴム(EPT)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FR)、イソブチレン-イソプレンゴム(IIR)、ウレタンゴム(UR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)等のゴム材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)等のフッ素樹脂材料や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアセタール等の樹脂材料を用いることができる。これらの中でも、弾性率や耐アルカリ性の観点でエチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FR)が特に好適である。
このような補強材は公知の金属材料、樹脂材料及び炭素材料等が使用でき、具体的には、ニッケル、ステンレス等の金属、ナイロン、ポリプロピレン、PVDF、PTFE、PPS等の樹脂、カーボン粒子や炭素繊維等の炭素材料が挙げられる。
この場合、ガスケット7がスリット部を備える場合、スリット部のサイズはスリットの内寸が膜のサイズより縦横で0.5mm~5mm大きくなるようにするのがよい。
また、ガスケット7がスリット部を備える場合、スリット部の開口幅としては、膜の厚みの0.5倍~1.0倍としてよい。
なお、引張応力は、JIS K6251に準拠して、測定することができる。例えば、島津製作所社製のオートグラフAGを用いてよい。
電解装置70の複極式電解槽50は、電解セル65毎に、陰極室5c、陽極室5aを有する。電解槽50で、電気分解反応を連続的に行うためには、各電解セル65の陰極室5cと陽極室5aとに電気分解によって消費される原料を十分に含んだ電解液を供給し続ける必要がある。
内部ヘッダー型とは、複極式電解槽50とヘッダー10(電解液を配液又は集液する管)とが一体化されている形式をいう。
外部ヘッダー10O型とは、複極式電解槽50とヘッダー10(電解液を配液又は集液する管)とが独立している形式をいう。
外部ヘッダー10O型の例では、隔壁1の端縁にある外枠3のうちの下方に位置する部分に設けられたヘッダー10用貫通孔に、管腔状部材が設置され、管腔状部材が、陽極入口ヘッダー10Oai及び陰極入口ヘッダー10Ociに接続されており、また、同様に、隔壁1の端縁にある外枠3のうちの上方に位置する部分に設けられたヘッダー10用貫通孔に、管腔状部材(例えば、ホースやチューブ等)が設置され、かかる管腔状部材が、陽極出口ヘッダー10Oao及び陰極出口ヘッダー10Ocoに接続されている。
本実施形態に使用することができる電解装置70の電解槽50は、電解槽50の各電極室5a、5c内の液面を測定することができる液面計を有することが好ましい。当該液面計により、各電極室5a、5c内の液面を監視し(電極室5a、5c内での液面の高さを監視し)、各電極室5a、5c内の隔膜4の表面が電解液に対して浸漬状態であるか、または浸漬していない非浸漬状態であるかを把握することができる。
液面計としては、特に限定されないが例えば、直視式、接触式、差圧式の液面計を用いることができる。
本実施形態において、陰極室5c中の水素ガスの量を制御可能な第1の混合防止部を有することが好ましい。第1の混合防止部を有することにより、停止工程における陰極室5c中の水素ガスの量を制御することができ、それにより、停止工程中に陰極2cに逆電流が生じても、陰極2cに接触する当該水素が酸化し、陰極2cにおいて電位が所定の酸素発生電位に達しないようにすることができる。その結果として、電解装置70において局部的に、特に直列にスタックした複数の電解セル65について中央側の電解セル65での水素中酸素濃度が高くなることを抑制することができる。
また、注入した水素ガスにより陰極室5cに水素ガス層が形成されるようにするため、第1の混合防止部は、陰極室5cよりも流通方向の下流側(例えば、陰極電解液出口5co、陰極室陰極用集液管20Oco、陰極出口ヘッダー(陰極出口側ホース)10Oco、気液分離タンク72の排出側等)に閉止弁を有することもできる。
なお、流通方向とは、電解装置70の通電工程等において、電解装置70内を電解液が流れる方向である。
また、注入した水素ガスにより陰極室5cに水素ガス層が形成されるようにするため、第1の混合防止部は、陰極室5cへの水素ガスを注入する水素注入口よりも流通方向の下流側(例えば、陰極室陰極用集液管20Oco、陰極出口ヘッダー(陰極出口側ホース)10Oco、気液分離タンク72の排出側等)に閉止弁を有することもできる。
下流側閉止部は、陰極室5cよりも流通方向下流側である、陰極電解液出口5co、又は陰極室5cからの電解液の排出経路(具体的には、陰極用集液管20Oco、陰極出口ヘッダー(陰極出口側ホース)10Oco等)を閉止することが可能な例えば閉止弁を挙げることができる。これにより、電解装置70を用いた運転において、通電工程から停止工程に移行する際に、陰極室5cよりも流通方向下流側を閉止するとともに、陰極室5c内の電解液の量を、制御工程前の陰極室5c内の電解液の量よりも減少させ、それにより、停止工程での陰極室5c中の水素ガスの量を制御することができる。
また、電解液調節部としては、陰極室5cよりも流通方向上流側の供給経路に設けた閉止弁とすることができる。
本実施形態において、供給経路及び/又は排出経路を、陽極室5aおよび陰極室5cに対して絶縁することが可能な第2の混合防止部を有することが好ましい。停止工程において、第2の混合防止部によって供給経路及び/又は排出経路を、陽極室5aおよび陰極室5cに対して絶縁することにより、停止工程において、通電工程中に供給経路や排出経路に蓄積された電荷による陽極2aおよび陰極2cへの影響を抑えることができるので、陽極2aおよび陰極2cに生じる逆電流の全体量を低減することができる。その結果として、より効果的に、陽極2aおよび陰極2cにおいて電位が所定の水素発生電位および酸素発生電位に達しないようにすることができる。
なお、第2の混合防止部としては、供給経路及び/又は排出経路(具体的には、陰極用配液管20Oci、陰極入口ヘッダー(陰極入口側ホース)10Oci、陰極用集液管20Oco、陰極出口ヘッダー(陰極出口側ホース)10Oco等)に樹脂製のバルブを設けることが挙げられる。
また、第2の混合防止部としては、供給経路が陰極室5cに対して鉛直方向上方に位置すること、排出経路が陰極室5cに対して鉛直方向上方に位置すること、も挙げることができ、このようにすることにより、停止工程において、例えば、送液ポンプ71を停止した際、電解液が自重で流れ落ち、それにより供給経路及び/又は排出経路に絶縁性のガス層を形成させることができる。
本実施形態の電解装置70において、電解槽と電解電源(整流器)74とを含む電気回路が形成されているところ、当該電気回路を遮断すること可能な第3の混合防止部を有することが好ましい。停止工程において第3の混合防止部によって電気回路を遮断することにより、陽極2aおよび陰極2cに生じる逆電流を低減することができ、より効果的に、陽極2aおよび陰極2cにおいて電位が所定の水素発生電位および酸素発生電位に達しないようにすることができる。
なお、第3の混合防止部としては、電気回路の遮断器、断路器、開閉器、逆向きの電流を阻害するダイオードが挙げられる。
本実施形態の電解装置70において、陰極2cの少なくとも一部が、隔膜4の非被覆上端4tよりも鉛直方向D1上方に存在することが好ましい。これにより、停止工程において、図5、図6に示すように、陰極2cの少なくとも一部が水素ガスに接触(露出)しつつ、陰極室5c及び/又は陽極室5aの電解液の喫水線L(液面の位置)を隔膜4の非被覆上端4tよりも鉛直方向D1上方に位置させることができ、隔膜4の表面を液体に浸漬した状態にすることができる。したがって、陰極2cの少なくとも一部を水素ガスに接触(露出)するので、陰極2cにおいて電位が所定の酸素発生電位に達しないようにすることができる。また、隔膜4の表面が気体中に露出する場合には、それぞれの電極室中の気体がわずかに隔膜4を透過してそれぞれの電極室5に拡散することがあるが、図5、図6に示すように、隔膜4の表面が電解液に浸漬した状態となるので、陽極室5aの酸素が陰極室5cに漏れ出ることを抑えることができ、それ故に、陰極室5cに存在する水素中への酸素の混合と酸素濃度が高まることを防ぐことができる。
なお、上記の「隔膜の非被覆上端」とは、隔膜4の鉛直方向D1の上端であるか、或いは、隔膜自体のうちの鉛直方向D1の上端側の部分が、例えば、図5(a)に示すように、隔膜4を電解槽50の外枠3の間に固定する際に用いるガスケット等で隔膜4の表面の一部が覆われている場合や、図6に示すように、ガスケット7とともに後述するように被覆材41で隔膜4の表面の一部が覆われている場合には、「隔膜の非被覆上端」とは、隔膜4のうちのガスケット7や被覆材41等で覆われていない部分についての鉛直方向D1の上端を指す。
なお、本実施形態の電解装置70としては、陰極2cが、陰極本体部2c1から離間した陰極補助部2c2を有するものではなく、陰極2cが陰極本体部2c1のみからなり、陰極本体部2c1の鉛直方向D1の上端を、図5(a)の陰極補助部2c2の鉛直方向D1の上端の位置まで伸長させたものを用いることもできる。しかし、図5(a)のように陰極2cが陰極補助部2c2を有することにより、有しないものと比較して、メンテナンス時に陰極2cの交換をより行いやすくすることができる。また、陰極補助部2c2を用いることで陰極2c全体としての大きさを小さくすることができたり、或いは、例えば陰極補助部2c2は通電工程時の電解性能を陰極本体部2c2よりも低くする(例えば触媒量を減少させる等)ことができるので、陰極2cのコストを低減することができる。
また、陰極補助部2c2は、陰極本体部2c1に用い得る材料で形成することができ、また、陰極本体部2c1と同じ材料とすることもできるが、逆電流が生じた際に水素と接触して酸化させることができれば特に限定されない。また、陰極補助部2c2は、図5(b)の陰極室5cの模式的な平面図に示すように、鉛直方向D1の長さ、及び、鉛直方向D1に直交する方向の長さが、陰極本体部2c1の水平方向の長さ、及び、鉛直方向D1に直交する方向の長さよりも小さくなっている。具体的な寸法は、陰極補助部2c2が陰極本体部2c1とともに陰極室5cに収まる大きさよりも小さければ特に限定されず、陰極補助部2c2の鉛直方向D1の長さは、90mm以下が好ましい。
また、陰極本体部2c1と陰極補助部2c2と接続する導線部2c3は、陰極2cの基材に用い得る材料で形成することができ、また陰極本体部2c1と同じ材料とすることもできる。
なお、図5(a)の例では、図6の例で用いるような隔膜4の表面を覆う被覆材41を用いていないが、当該被覆材41を用いることもできる。
また、被覆材41は、図6では隔膜4の両方の表面に設けているが、隔膜4のうち被覆材41で覆われている部分が気体中に存在した場合に、隔膜4で区画されるそれぞれの電極室5内の気体が透過するのを防止することができれば、隔膜4の片方の表面だけに設けてもよい。
本実施形態において用いられる送液ポンプ71としては、特に限定されず、適宜定められてよい。
本実施形態において用いられる気液分離タンク72は、電解液と水素ガスとを分離する水素分離タンク72hと、電解液と酸素ガスとを分離する酸素分離タンク72oとを含む。
水素分離タンク72hは陰極室5cに接続され、酸素分離タンク72oは陽極室5aに接続されて用いられる。
循環停止時の電解槽中の液面の低下を防ぐ目的で、気液分離タンク72内の電解液面を電解槽上面よりも高いことが好ましいが、これに限定されるものではない。
電解セル65と気液分離タンク72との間に遮断弁を付けることが好ましいが、これに限定されるものではない。
また、タンク高さも同様に、高さが低い場合は、上記変動の影響を受けやすいため、高くすることが好ましい。
本実施形態において用いられる水補給器73としては、特に限定されず、適宜定められてよい。
水としては、一般上水を使用してもよいが、長期間に亘る運転を考慮した場合、イオン交換水、RO水、超純水等を使用することが好ましい。
本実施形態の電解装置70は、電解槽50、気液分離タンク72、水補給器73以外にも、整流器74、酸素濃度計75、水素濃度計76、流量計77、圧力計78、熱交換器、圧力制御弁80を備えてよい。
本実施形態の電解装置の運転方法は、上述した本実施形態の電解装置70を用いて、実施することができる。具体的には、本実施形態の電解装置の運転方法は、相互に隔膜4で区画された、陽極2aを有する陽極室5aと陰極2cを有する陰極室5cとを備える電解装置70を用いた電解装置70の運転方法であって、陽極室5aおよび陰極室5c中の電解液の電気分解が行われる通電工程と、陽極室5aおよび陰極室5c中の電解液の電気分解が停止している停止工程と、を有する。
本実施形態において、通電工程は、陽極室5aおよび陰極室5c中の電解液の電気分解が行われる工程である。具体的には、図1に示すような電解装置70において、電解槽50の陽極室5a及び陰極室5cに電解液を送液ポンプ71を用いて送液しつつ、整流器74より正通電して陽極室5a及び陰極室5c中の電解液を電気分解する。また、電気分解より発生した酸素を含む電解液、水素を含む電解液を、それぞれ陽極室5aおよび陰極室5cから気液分離タンク72へ送液し、それぞれ気液分離する。さらに、気液分離タンク72で気液分離した電解液は水補給器73にて水が補給されつつ、送液ポンプ71に戻る。このように通電工程において電解液が循環しながら電気分解されることにより、効率よく電気分解を行うことができる。
アルカリ塩の濃度としては、20質量%~50質量%が好ましく、25質量%~40質量%がより好ましい。
本実施形態では、イオン導電率、動粘度、冷温化での凍結の観点から、25質量%~40質量%のKOH水溶液が特に好ましい。
上記温度範囲とすれば、高い電解効率を維持しながら、ガスケット7、隔膜4等の電解装置70の部材が熱により劣化することを効果的に抑制することができる。
電解液の温度は、85℃~125℃であることがさらに好ましく、90℃~115℃であることが特に好ましい。
特に、変動電源を使用する場合には、電流密度の上限を上記範囲にすることが好ましい。
なお、本実施形態の通電工程においては、上記の好ましい電流密度で電気分解を行うことが製造上好ましいが、当該好ましい電流密度を下回るような電流が流れる場合も通電工程に含まれる。
本実施形態において、停止工程は、陽極室5aおよび陰極室5c中の電解液の電気分解が停止している工程である。具体的には、上記通電工程では、陽極室5aにおいて電解液の電気分解により酸素が発生し、陰極室5cでは電解液の電気分解により水素が発生するが、当該停止工程では、このような電気分解が停止する。ただし、停止工程では、通電量が、電解装置70に流すことが許容される最大の正通電量(kA/m2)の1%以下となる通電量であれば正通電していてもよい。なお、最大の正通電量は使用される電解装置70において運転条件として許容される最大の正通電量を意味する。
また、本実施形態の停止工程において、送液ポンプ71を停止させてもよくまたは動かした状態にしてもよいが、好ましくは送液ポンプ71を停止することが好ましい。
なお、停止工程において、全ての陰極室5c内の水素中の酸素濃度が0.1モル%以下であることがより好ましい。また、陰極室5c内の水素中酸素濃度は、各陰極室5cの水素ガスを例えば外枠3等の陰極室5cに設けた測定口よりサンプリングして、濃度測定器にて測定することができ、また、各陰極室5cの水素中酸素濃度が上記濃度範囲になるものとする。
M(mol)≦H(mol)
M(mol)=逆電流量I(C/Sec)×停止工程時間T(Sec)/(2×ファラデー定数F(C/mol))
を満たすように制御する制御工程を有する。または、電解装置70の運転方法は、(B)停止工程において陰極2cの少なくとも一部が水素ガスに接触した状態になるようにすることで、下記式
電解セル65の電圧(V)≧0.20V
を満たすように制御する制御工程を有する。
第1の態様によれば、停止工程において陰極2cの少なくとも一部が水素ガスに接触した状態になるので、停止工程中に陰極2c(及び陽極2a)に逆電流が生じても、陰極2cに接触する水素が酸化し、陰極2cにおいて電位が所定の酸素発生電位に達しないようにすることができる。さらに、第1の態様では、制御工程において、陰極室5cに存在する水素ガスの量Hが上記の所定の範囲となるように制御されたり、電解セル65の電圧(V)が、電解セル65の電圧(V)≧0.20Vを満たすように、制御されるので、陰極2cに保有された電荷に対応する逆電流が生じても、電位が所定の酸素発生電位に達しないようにすることができる。その結果として、停止工程において、全ての陰極室5c内の水素中の酸素濃度を所定の範囲にしやすくすることができる。
(1)陰極2cに逆電流が流れた際の電位φ(V)と逆電流の時間積分値Q(C)の相関fを取得する。これは陰極2cを一部切り出したサンプルで実施してもよい。
(2)電解装置70を運転し、1000A/m2~6000A/m2の電流密度において正通電(通電工程)を1時間行う。
(3)電解装置70の正通電(通電工程)を停止し、停止工程とする。
(4)制御工程を行う対象となる電解セル65の陰極室5cを窒素パージ(当該陰極室5cの容量の5倍量を供給)して当該陰極室5c内の水素を速やかに置換する。
(5)停止工程において、制御工程を行う対象となる電解セル65のうち最も電圧降下の速い電解セル65のセル電圧(V)を取得する。外部ヘッダー型電解槽の場合は、電解槽中央の電解セル65を対象としてもよい。
(6)電解停止後(停止工程開始)から10分が経過した時点での電解セル電圧Vc(V)を測定し、当該電解セル電圧Vcから、上記相関fを用いて逆電流によって消費された電荷量Q(C)を求める。電解セル電圧Vcは陽極電位φaと陰極電位φcの差とする。
(7)逆電流量Iを下記式
逆電流量I=電解停止後10分間に消費された電荷量Q(C)/10分
により得る。
逆電流量Iは、対象の電解セル65において最大となる逆電流量となることから、陰極室5cに水素量Mが供給されることで、制御工程中の陰極2cの電位は水素の酸化電位に保持され、ひいては陰極室5cにおける酸素の発生を抑制することができる。
また、上記停止工程時間T(Sec)は、停止工程が開始されてから停止工程が終わるまでの時間を意味する。
また、本実施形態において、「電解装置中の陰極の保有電荷量(C)」とは、通電工程における電解液の電気分解を停止したとき(通電工程の終了時)に、当該保有電荷量(C)に基づき水素ガスの量を制御する陰極室5cの陰極2cが保有する電荷量である。具体的には、陰極2cの保有電荷量(C)は、陰極2cに正通電を流して十分に還元した後、正通電を停止し、逆電流を流しながら陰極2cの電位を測定して、陰極2cの電位が陽極2aの電位と等しくなるまでの逆電流の時間積算値を陰極2cが保有する保有電荷量とする。
さらに、水素ガスの量H(mol)は、制御工程の制御によって陰極室5c内に存在することとなる全ての水素ガスと、制御工程の制御の開始時点で陰極室5c内に存在する水素ガスとの合計量(mol)である。
制御工程の制御の開始時点で陰極室5c内に存在する水素ガスの量(mol)は、下記の状態方程式
水素ガス量H(mol)=陰極室の気相容積(m3)×陰極室の圧力(Pa(絶対圧力))÷気体定数R(J/Kmol)÷陰極室の温度(K)
により算出することができる。その際、必要に応じて、液面計、温度計、圧力計等用いてもよい。
また、制御工程の制御によって陰極室5c内に存在することとなる全ての水素ガスの量は、陰極室5cに供給した水素ガスを流量計などに基づき、測定することができる。その際、必要に応じて、液面計、温度計、圧力計等用いてもよい。
なお、より確実に陰極2cに水素ガスを接触させる観点から、制御工程では、停止工程において陰極2cの少なくとも一部が水素ガスに露出した状態になるようにすることが好ましい。
M(mol)≦H(mol)
を満たすことで、陰極2cにおいて電位が所定の酸素発生電位に達しないようにすることができるので、陰極室5cの水素中酸素濃度を所定の範囲にする観点からは上限値は特に限定されないが、水素ガスの使用量を適切にする観点から水素ガスの量H(mol)は、下記式
M(mol)≦H(mol)≦10×M(mol)
を満たすことが好ましい。
電解槽の電圧(V)≧0.20V×N
を満たすように制御することが好ましい。これにより、電解槽50中の全体の陰極室5cの水素中酸素濃度を所定の範囲にすることができる。
電解セルの電圧(V)≧1.20V
を満たすように制御することが好ましい。また、制御工程では、下記式
電解槽の電圧(V)≧1.20V×N
を満たすように制御することがより好ましい。
停止工程中では、陰極2cに逆電流が生じることがあり、逆電流が生じると陰極2cの電位が変化し、陰極2c自体が酸化するような電圧域に入る恐れがある。しかし、当該範囲にすることにより、陰極2c自体が酸化することを防止することができ、陰極2cの劣化を抑制することができる。
すなわち、(i)陰極室5cよりも流通方向の上流側より水素ガスを陰極室5cへ供給する方法が挙げられる。具体的には例えば、陰極室5c、陰極電解液入口5ci、陰極室5cの上流側の配管(具体的には、陰極用配液管20Oci、陰極入口ヘッダー(陰極入口側ホース)10Oci等))に設けた水素注入口を介して水素ガスを注入して、陰極室5cに水素ガスを供給する。或いは、(ii)陰極室5cよりも流通方向の下流側より水素ガスを陰極室5cへ供給する。具体的には例えば、陰極電解液出口5co、陰極室5cの下流側の配管(陰極室陰極用集液管20Oco、陰極出口ヘッダー(陰極出口側ホース)10Oco、気液分離タンク72の排出側等)に設けた水素注入口を介して水素ガスを注入して、陰極室5cに水素ガスを供給したり、または、陰極室5cよりも流通方向の下流側の配管等の内側に水素ガス層が形成されていれば、陰極室5cの水素ガス層と配管内の水素ガス層が連通するようにして、陰極室5cに水素ガスを供給する。
上記(i)の方法によれば、積極的に水素ガスを供給することで制御工程の例えば時間などを管理しやすくすることができる。
なお、流通方向とは、電解装置70の通電工程等において、電解装置70内を電解液が流れる方向を指すものとする。また、上記(i)の方法と(ii)の方法とを組み合わせることもできる。
なお、上記(i)、(ii)の方法において、上記(iii)のような方法により、制御工程中に陰極室5c内の電解液の量を減少させて液面Lを調整したり、または、例えばポンプを用いて、陰極室5c内の電解液の量を増加させることもできる。
なお、上記(iv)の方法においても、上記(iii)の方法のように、陰極室5c内の電解液の量を、制御工程前の陰極室5c内の電解液の量よりも減少させることができる。
上記(iv)の方法によれば、陰極2cにより多くの水素ガスを接触させることができる。
また、本実施形態において、陰極2cの少なくとも一部を陰極室5c内に形成された水素ガス層(水素溜まり)に露出させて、陰極2cと水素ガスと接触させる場合において、制御工程時に、電解液の量(電解液の液面L)を調整等することができる。
さらに、陰極室5cの電解液の液面Lが低下しすぎないようにするため、陰極室5cよりも電解液の流通方向上流側の配管等に弁を設けることもでき、また、各配管等の内側の水素ガス層の形成は、当該配管内の電解液を抜き取ったり、陰極室5cや気液分離タンク72に流し込むことで、行うこともできる。
なお、上記の「隔膜の非被覆上端」とは、隔膜4の鉛直方向D1の上端であるか、或いは、隔膜自体のうちの鉛直方向D1の上端側の部分が、例えば、図5(a)に示すように、隔膜4を電解槽の外枠3の間に固定する際に用いるガスケット等で隔膜4の表面の一部が覆われている場合や、図6に示すように、ガスケット7とともに後述するように被覆材41で隔膜4の表面の一部が覆われている場合には、「隔膜の非被覆上端」とは、隔膜4のうちのガスケット7や被覆材41等で覆われていない部分についての鉛直方向D1の上端4tを指す。
当該陰極2cの保有電荷量は、上述の方法により測定することができ、また、陽極2aの保有電荷量は陰極2cの保有電荷量と同様に測定することができる。
また、本実施形態の第1の態様および第2の態様において、陰極2cの保有電荷量を、陽極2aの保有電荷量に対して0.1倍以下にする方法としては、陽極2aや陰極2cの材料等を適宜選択することにより行うことができる。
なお、停止工程において、全ての陽極室5a内の酸素中の水素濃度が0.1モル%以下であることがより好ましい。また、陽極室5a内の酸素中水素濃度は、各陽極室5aの酸素ガスを例えば外枠3等の陽極室5aに設けた測定口よりサンプリングして、濃度測定器にて測定することができ、また、各陽極室5aの酸素中水素濃度が上記濃度範囲になるものとする。
停止工程において上記のように絶縁することにより、陽極2a、陰極2cに生じる逆電流の全体量を低減することができる。
なお、当該絶縁は、停止工程の開始時から終了時まで行うことが好ましい。
停止工程において上記のように遮断することにより、停止工程において、陽極2aおよび陰極2cに生じる逆電流を低減することができる。具体的には、電気回路の遮断器、断路器、開閉器、逆向きの電流を阻害するダイオードを用いて遮断することができる。
複数のエレメント60が相互に絶縁された状態にする方法とは、具体的には、エレメント60の外枠3間で絶縁された状態とすることが好ましく、具体的には、例えば、エレメント60間に配置するガスケット7の絶縁性を高める等により行うことができる。また、ここでの絶縁とは、エレメント60間で、絶縁抵抗が1MΩ以上であることが好ましい。または、当該ガスケット7の表面を絶縁性の樹脂シート(例えばポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂等)で覆うことにより行うことができる。
2 電極
2a 陽極
2c 陰極
2c1 陰極本体部
2c2 陰極補助部
2c3 導線部
3 外枠
4 隔膜
41 被覆材
4t 隔膜の非被覆上端
5 電極室
5a 陽極室
5c 陰極室
5i 電解液入口
5o 電解液出口
5ai 陽極電解液入口
5ao 陽極電解液出口
5ci 陰極電解液入口
5co 陰極電解液出口
6 整流板
7 ガスケット
10 ヘッダー
10O 外部ヘッダー
10Oai 陽極入口ヘッダー(陽極入口側ホース)
10Oao 陽極出口ヘッダー(陽極出口側ホース)
10Oci 陰極入口ヘッダー(陰極入口側ホース)
10Oco 陰極出口ヘッダー(陰極出口側ホース)
20 導管
20Oai 陽極用配液管
20Oao 陽極用集液管
20Oci 陰極用配液管
20Oco 陰極用集液管
50 複極式電解槽
51g ファストヘッド、ルーズヘッド
51a 陽極ターミナルエレメント
51c 陰極ターミナルエレメント
51r タイロッド
51i 絶縁板
60 複極式エレメント
65 電解セル
70 電解装置
71 送液ポンプ
72 気液分離タンク
72h 水素分離タンク
72o 酸素分離タンク
73 水補給器
74 整流器
75 酸素濃度計
76 水素濃度計
77 流量計
78 圧力計
80 圧力制御弁
D1 隔壁に沿う所与の方向(鉛直方向)
L 喫水線
Z ゼロギャップ構造
Claims (16)
- 相互に隔膜で区画された、陽極を有する陽極室と陰極を有する陰極室とをそれぞれ複数備える電解装置の運転方法であって、
前記陽極室および前記陰極室中の電解液の電気分解が行われる通電工程と、
前記陽極室および前記陰極室中の電解液の電気分解が停止している停止工程と、を有し、
前記停止工程において、全ての前記陰極室内の水素中の酸素濃度が1.0モル%以下であることを特徴とする、電解装置の運転方法。 - 更に、前記停止工程において前記陰極の少なくとも一部が水素ガスに接触した状態になるようにするとともに、当該停止工程における前記陰極室中の水素ガスの量H(mol)が、下記式
M(mol)≦H(mol)
M(mol)=逆電流量I(C/Sec)×停止工程時間T(Sec)/(2×ファラデー定数F(C/mol))
を満たすように制御する制御工程を有する、請求項1に記載の電解装置の運転方法。 - 相互に隔膜で区画された、1つの陽極室と1つの陰極室とを1つの電解セルとするとき、更に、前記停止工程において前記陰極の少なくとも一部が水素ガスに接触した状態になるようにすることで、下記式
電解セルの電圧(V)≧0.20V
を満たすように制御する制御工程を有する、請求項1に記載の電解装置の運転方法。 - 前記電解装置が電解槽を有し、前記電解槽がN個の前記電解セルを有し、
前記制御工程において、下記式
電解槽の電圧(V)≧0.20V×N
を満たすように制御する、請求項3に記載の電解装置の運転方法。 - 前記制御工程における制御は、前記陰極室の外部から水素ガスを供給することを含む、請求項2~4のいずれかに記載の電解装置の運転方法。
- 前記停止工程において、前記陰極室及び/又は前記陽極室の前記電解液の液面が前記隔膜の非被覆上端よりも鉛直方向上方に位置する、請求項2~5のいずれかに記載の電解装置の運転方法。
- 前記制御工程における前記制御は、前記陰極室内の前記電解液の量を、前記制御工程前の前記陰極室内の前記電解液の量よりも減少させることを含む、請求項2~6のいずれかに記載の電解装置の運転方法。
- 前記陰極の保有電荷量が、前記陽極の保有電荷量に対して0.1倍以下である、請求項1~7のいずれかに記載の電解装置の運転方法。
- 相互に隔膜で区画された、陽極を有する陽極室と陰極を有する陰極室とをそれぞれ複数備える電解装置の運転方法であって、
前記陽極室および前記陰極室中の電解液の電気分解が行われる通電工程と、
前記陽極室および前記陰極室中の電解液の電気分解が停止している停止工程と、を有し、
前記停止工程において、全ての前記陽極室内の酸素中の水素濃度が1.0モル%以下であることを特徴とする、電解装置の運転方法。 - 前記電解装置の電解槽が複極式であって、1つの前記陽極室と1つの前記陰極室とを1つの電解セルとするとき、当該電解槽が30以上の電解セルを有する、請求項1~9のいずれかに記載の電解装置の運転方法。
- 前記電解装置は、前記陰極室への前記電解液の供給経路及び、前記陰極室からの前記電解液の排出経路を備え、
前記停止工程において、前記供給経路及び/又は前記排出経路を、前記陰極室に対して絶縁する、請求項1~10のいずれかに記載の電解装置の運転方法。 - 前記停止工程において、前記電解装置の、電解槽と電解電源とを含む電気回路を、遮断する、請求項1~11のいずれかに記載の電解装置の運転方法。
- 前記電解装置が、前記陽極と、前記陰極と、前記陽極および前記陰極を隔離する隔壁と、前記隔壁を縁取る外枠とを有するエレメントを複数備え、
複数の前記エレメントは、相互に絶縁された状態で前記隔膜を挟んで重ね合わせられている、請求項1~12のいずれかに記載の電解装置の運転方法。 - 前記電解液がアルカリ水溶液である、請求項1~13のいずれかに記載の電解装置の運転方法。
- 前記停止工程において前記陽極室および/または前記陰極室が閉鎖系である、請求項1~14のいずれかに記載の電解装置の運転方法。
- 請求項1に記載された電解装置の運転方法で運転する電解装置であって、
相互に隔膜で区画された、陽極を有する陽極室と陰極を有する陰極室とをそれぞれ複数備え、
更に、前記陰極室中の水素ガスの量を制御可能な第1の混合防止部を備え、
前記第1の混合防止部は、前記停止工程における全ての前記陰極室内の水素中の酸素濃度が1.0モル%以下であるように制御することを特徴とする、電解装置。
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