JP2013199637A - ポリエステル樹脂組成物からなるシート又はフィルム - Google Patents
ポリエステル樹脂組成物からなるシート又はフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013199637A JP2013199637A JP2013031250A JP2013031250A JP2013199637A JP 2013199637 A JP2013199637 A JP 2013199637A JP 2013031250 A JP2013031250 A JP 2013031250A JP 2013031250 A JP2013031250 A JP 2013031250A JP 2013199637 A JP2013199637 A JP 2013199637A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- group
- polyester resin
- film
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
【解決手段】ポリエステル樹脂及び下記式(I)で示されるポリエステル系可塑剤を含有してなるポリエステル樹脂組成物からなるシート又はフィルム。
R1O−CO−R2−CO−〔(OR3)mO−CO−R2−CO−〕nOR1 (I)
(式中、R1は炭素数が1〜4のアルキル基、R2は炭素数が2〜4のアルキレン基、R3は炭素数が2〜6のアルキレン基であり、mは1〜6の数、nは1〜12の数を示し、但し、全てのR2は同一でも異なっていてもよく、全てのR3は同一でも異なっていてもよい)
【選択図】なし
Description
〔1〕 ポリエステル樹脂及び下記式(I)で示されるポリエステル系可塑剤を含有してなるポリエステル樹脂組成物からなるシート又はフィルム。
R1O−CO−R2−CO−〔(OR3)mO−CO−R2−CO−〕nOR1 (I)
(式中、R1は炭素数が1〜4のアルキル基、R2は炭素数が2〜4のアルキレン基、R3は炭素数が2〜6のアルキレン基であり、mは1〜6の数、nは1〜12の数を示し、但し、全てのR2は同一でも異なっていてもよく、全てのR3は同一でも異なっていてもよい)
〔2〕 前記〔1〕記載のシート又はフィルムの製造方法であって、下記工程(1)〜(2)によって相対結晶化度80%以上に結晶化させたシート又はフィルムを得ることを特徴とする、シート又はフィルムの製造方法。
工程(1):ポリエステル樹脂と式(I)で表されるポリエステル系可塑剤を含有するポリエステル樹脂組成物を押出成形法によりダイから押出して得られたシート又はフィルムを、該ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)未満に冷却して相対結晶化度80%未満のシート又はフィルムを得る工程
工程(2):工程(1)で得られたシート又はフィルムを、ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)以上、ポリエステル樹脂組成物の融点(Tm)未満の温度に加熱して相対結晶化度80%以上の結晶化シート又はフィルムを得る工程
[ポリエステル樹脂]
ポリエステル樹脂としては、当該分野において公知のものであれば特に限定はないが、生分解性を有していることが好ましく、生分解性ポリエステル樹脂が好ましい。具体的には、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸樹脂、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリ(2−オキセタノン)等の脂肪族ポリエステル樹脂;ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート等の脂肪族芳香族コポリエステル樹脂;デンプン、セルロース、キチン、キトサン、グルテン、ゼラチン、ゼイン、大豆タンパク、コラーゲン、ケラチン等の天然高分子と上記の脂肪族ポリエステル樹脂あるいは脂肪族芳香族コポリエステル樹脂との混合物等が挙げられる。これらのなかでも、加工性、経済性、入手性、及び物性に優れることから、ポリブチレンサクシネート及びポリ乳酸樹脂が好ましく、ポリ乳酸樹脂がより好ましい。なお、本明細書において「生分解性」とは、自然界において微生物によって低分子化合物に分解され得る性質のことであり、具体的には、JIS K6953(ISO14855)「制御された好気的コンポスト条件の好気的かつ究極的な生分解度及び崩壊度試験」に基づいた生分解性のことを意味する。
本発明におけるポリエステル系可塑剤としては、下記式(I):
R1O−CO−R2−CO−〔(OR3)mO−CO−R2−CO−〕nOR1 (I)
(式中、R1は炭素数が1〜4のアルキル基、R2は炭素数が2〜4のアルキレン基、R3は炭素数が2〜6のアルキレン基であり、mは1〜6の数、nは1〜12の数を示し、但し、全てのR2は同一でも異なっていてもよく、全てのR3は同一でも異なっていてもよい)
で表される化合物が挙げられる。なお、本明細書において、式(I)における〔(OR3)mO−CO−R2−CO−〕を、式(I)における繰り返し単位とも言う。
炭素数が1〜4のアルキル基を有する一価アルコールとしては、前記R1を含むアルコールであり、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1,1−ジメチル−1−エタノールが挙げられる。なかでも、ポリエステル樹脂との相溶性を向上させ可塑化効果を発現させる観点の他、エステル交換反応の効率を上げる観点から、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールが好ましく、メタノール、エタノールがより好ましく、メタノールがさらにより好ましい。
炭素数が2〜4のアルキレン基を有するジカルボン酸としては、前記R2を含むジカルボン酸であり、具体的には、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、及びそれらの誘導体(例えば、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、コハク酸ジメチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル)が挙げられる。なかでも、ポリエステル樹脂との相溶性を向上させ可塑化効果を発現させる観点から、コハク酸、グルタル酸、及びそれらの誘導体(例えば、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、コハク酸ジメチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジメチル)が好ましく、コハク酸及びその誘導体(例えば、コハク酸無水物、コハク酸ジメチル)がより好ましく、可塑化効果を発現させる観点及び経済性の観点から、コハク酸、アジピン酸及びそれらの誘導体(例えば、コハク酸無水物、コハク酸ジメチル、コハク酸ジブチル、アジピン酸ジメチル)が好ましく、コハク酸及びその誘導体(例えば、コハク酸無水物、コハク酸ジメチル、コハク酸ジブチル)がより好ましい。
炭素数が2〜6のアルキレン基を有する二価アルコールとしては、前記R3を含む二価アルコールであり、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールが挙げられる。なかでも、ポリエステル樹脂との相溶性を向上させ可塑化効果を発現させる観点から、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、テトラエチレングリコール、1,4−ブタンジオールが好ましく、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールがより好ましく、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールがさらに好ましい。
(1)一価アルコールがメタノール、エタノール、1−プロパノール、及び1−ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、(2)ジカルボン酸がコハク酸、グルタル酸、及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、(3)二価アルコールがジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、テトラエチレングリコール、及び1,4−ブタンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、ことが好ましく、
(1)一価アルコールがメタノール及びエタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、(2)ジカルボン酸がコハク酸、グルタル酸、及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、(3)二価アルコールがジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、及び1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、ことがより好ましく、
(1)一価アルコールがメタノールであり、(2)ジカルボン酸がコハク酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、(3)二価アルコールがジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、及び1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、ことがさらに好ましい。
態様1:(2)ジカルボン酸と(1)一価アルコールのエステル化反応を行ってジカルボン酸エステルを合成する工程(工程1)と、得られたジカルボン酸エステルと(3)二価アルコールをエステル化反応させる工程(工程2)を含む方法
態様2:(1)一価アルコール、(2)ジカルボン酸、及び(3)二価アルコールを一括反応させる工程を含む方法
1)ジカルボン酸の中に一価アルコールの蒸気を吹き込んでエステル化反応を行うと共に、生成する水と未反応の一価アルコールを共に除く方法、
2)過剰の一価アルコールを用いてエステル化反応を行うと共に、生成する水と一価アルコールを共沸させて除く方法、
3)エステル化反応を行うと共に、水又は、水、一価アルコール等と共沸をする溶剤(例えばトルエン)を加えて水とアルコールを除く方法
等が挙げられる。
SP値=(ΔE/V)1/2 (cal1/2cm−3/2)
で定義される量を意味し、例えば、後述の実施例に記載のように、原崎勇次著、”コーティングの基礎科学”、p48、槙書店(1988)に記載されているFedorsの方法を用いて算出することができる。
結晶核剤としては、無機系結晶核剤、有機系結晶核剤が挙げられる。無機系結晶核剤としては、天然又は合成珪酸塩化合物、酸化チタン、硫酸バリウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸ソーダ等の金属塩やカオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、マイカ等が挙げられる。有機系結晶核剤としては、カルボン酸アミドやフェニルホスホン酸の金属塩が挙げられ、透明性向上の観点から、カルボン酸アミドが好ましい。カルボン酸アミドとしては、エチレンビス脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドが挙げられる。エチレンビス脂肪酸アミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミドやエチレンビスオレイン酸アミドが例示され、アルキレンビス脂肪酸アミドとしては、プロピレンビス脂肪酸アミド、ブチレンビス脂肪酸アミドが例示される。また、アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドとしては、炭素数1〜6のアルキレン基を有するアルキレンビスヒドロキシステアリン酸アミドが好ましく、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミドがより好ましい。
加水分解抑制剤としては、ポリカルボジイミド化合物やモノカルボジイミド化合物等のカルボジイミド化合物が挙げられ、ポリエステル樹脂組成物の耐久性、耐衝撃性を向上させる観点からポリカルボジイミド化合物が好ましく、ポリエステル樹脂組成物の耐久性、成形性(流動性)を向上させる観点から、モノカルボジイミド化合物が好ましい。また、ポリエステル樹脂組成物からなる成形体の耐久性、耐衝撃性、成形性をより向上させる観点から、モノカルボジイミドとポリカルボジイミドを併用することが好ましい。
工程(1) ポリエステル樹脂と式(I)で表される化合物を含有するポリエステル樹脂組成物を押出成形法によりダイから押出してシート又はフィルムを調製後、ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)未満に冷却して相対結晶化度80%未満のシート又はフィルムを得る工程
工程(2) 工程(1)で得られたシート又はフィルムを、ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)以上、ポリエステル樹脂組成物の融点(Tm)未満の温度に加熱して相対結晶化度80%以上の結晶化シート又は結晶化フィルムを得る工程
<1>
ポリエステル樹脂及び下記式(I)で示されるポリエステル系可塑剤を含有してなるポリエステル樹脂組成物からなるシート又はフィルム。
R1O−CO−R2−CO−〔(OR3)mO−CO−R2−CO−〕nOR1 (I)
(式中、R1は炭素数が1〜4のアルキル基、R2は炭素数が2〜4のアルキレン基、R3は炭素数が2〜6のアルキレン基であり、mは1〜6の数、nは1〜12の数を示し、但し、全てのR2は同一でも異なっていてもよく、全てのR3は同一でも異なっていてもよい)
ポリエステル樹脂がポリ乳酸樹脂を含む、<1>記載のシート又はフィルム。
<3>
ポリエステル樹脂における、ポリ乳酸樹脂の含有量は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは実質的に100重量%である、<2>記載のシート又はフィルム。
<4>
ポリエステル樹脂の含有量は、ポリエステル樹脂組成物中、50重量%以上が好ましく、60重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましい、<1>〜<3>いずれか記載のシート又はフィルム。
<5>
式(I)におけるR1は、炭素数が1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基を示し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、及びiso−ブチル基からなる群より選ばれ、メチル基及びエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい、<1>〜<4>いずれか記載のシート又はフィルム。
<6>
式(I)におけるR2は、炭素数が2〜4のアルキレン基を示し、エチレン基、1,3−プロピレン基、及び1,4−ブチレン基からなる群より選ばれる1種以上であり、エチレン基、1,3−プロピレン基あるいはエチレン基、1,4−ブチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい、<1>〜<5>いずれか記載のシート又はフィルム。
<7>
式(I)におけるR3は、炭素数が2〜6、好ましくは2〜3のアルキレン基を示し、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、1,2−ペンチレン基、1,4−ペンチレン基、1,5−ペンチレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、1,2−ヘキシレン基、1,5−ヘキシレン基、1,6−ヘキシレン基、2,5−ヘキシレン基、及び3−メチル−1,5−ペンチレン基からなる群より選ばれる1種以上であり、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基が好ましい、<1>〜<6>いずれか記載のシート又はフィルム。
<8>
式(I)におけるmは1〜6の数であり、1〜4の数が好ましく、1〜3の数がより好ましく、1〜2の数がさらに好ましい、<1>〜<7>いずれか記載のシート又はフィルム。
<9>
式(I)におけるnは好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.5以上、さらに好ましくは1.8以上、さらに好ましくは2以上であり、好ましくは12以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下、さらに好ましくは7以下、さらに好ましくは6以下である、<1>〜<8>いずれか記載のシート又はフィルム。
<10>
式(I)で表される化合物が、R1がメチル基、R2がエチレン基、R3がエチレン基であって、mが2、nが1.6のエステル、R1がメチル基、R2がエチレン基、R3がエチレン基であって、mが2、nが2.1のエステル、R1がメチル基、R2がエチレン基、R3がエチレン基であって、mが2、nが4.3のエステル、R1がメチル基、R2がエチレン基、R3が1,3−プロピレン基であって、mが1、nが4.4のエステル、R1がメチル基、R2がエチレン基、R3が1,2−プロピレン基であって、mが1、nが3.6のエステル、R1がエチル基、R2が1,4−ブチレン基、R3が1,3−プロピレン基であって、mが1、nが2のエステル、R1がブチル基、R2がエチレン基、R3がエチレン基であって、mが2、nが1.9のエステル、R1がブチル基、R2が1,3−プロピレン基、R3がエチレン基であって、mが3、nが1.5のエステル、R1がメチル基、R2が1,4−ブチレン基、R3が1,3−プロピレン基であって、mが1、nが4.4のエステル、R1がメチル基、R2がエチレン基、R3が1,4−ブチレン基であって、mが1、nが4.4のエステル、R1がメチル基、R2がエチレン基、R3が1,6−ヘキシレン基であって、mが1、nが3のエステル、R1がメチル基、R2がエチレン基、R3が1,2−プロピレン基であって、mが1、nが6.5のエステル、R1がメチル基、R2がエチレン基、R3が2−メチル−1,3−プロピレン基であって、mが1、nが3のエステルが好ましく、R1が全てメチル基、R2がエチレン基又は1,4−ブチレン基、R3がエチレン基、1,3−プロピレン基、又は1,2−プロピレン基であって、mが1〜3の数、nが1〜8の数である化合物がより好ましく、R1が全てメチル基、R2がエチレン基又は1,4−ブチレン基、R3がエチレン基、1,3−プロピレン基、又は1,2−プロピレン基であって、mが1〜2の数、nが1.8〜7の数である化合物がさらに好ましい、<1>〜<9>いずれか記載のシート又はフィルム。
<11>
式(I)で表される化合物が、下記(1)〜(3)の原料を用いて得られるものが好ましい、<1>〜<10>いずれか記載のシート又はフィルム。
(1)炭素数が1〜4のアルキル基を有する一価アルコール
(2)炭素数が2〜4のアルキレン基を有するジカルボン酸
(3)炭素数が2〜6のアルキレン基を有する二価アルコール
<12>
(1)炭素数が1〜4のアルキル基を有する一価アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、及び1,1−ジメチル−1−エタノールからなる群より選ばれる1種以上であり、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノールが好ましく、メタノール、エタノールがより好ましく、メタノールがさらにより好ましい、<11>記載のシート又はフィルム。
<13>
(2)炭素数が2〜4のアルキレン基を有するジカルボン酸が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、及びそれらの誘導体(例えば、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、コハク酸ジメチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル)からなる群より選ばれる1種以上であり、コハク酸、グルタル酸、及びそれらの誘導体(例えば、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、コハク酸ジメチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジメチル)が好ましく、コハク酸及びその誘導体(例えば、コハク酸無水物、コハク酸ジメチル)がより好ましく、あるいは、コハク酸、アジピン酸及びそれらの誘導体(例えば、コハク酸無水物、コハク酸ジメチル、コハク酸ジブチル、アジピン酸ジメチル)が好ましく、コハク酸及びその誘導体(例えば、コハク酸無水物、コハク酸ジメチル、コハク酸ジブチル)がより好ましい、<11>又は<12>記載のシート又はフィルム。
<14>
(3)炭素数が2〜6のアルキレン基を有する二価アルコールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールからなる群より選ばれる1種以上であり、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、テトラエチレングリコール、1,4−ブタンジオールが好ましく、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールがより好ましく、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールがさらに好ましい、<11>〜<13>いずれか記載のシート又はフィルム。
<15>
(1)一価アルコールがメタノール、エタノール、1−プロパノール、及び1−ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、(2)ジカルボン酸がコハク酸、グルタル酸、及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、(3)二価アルコールがジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、テトラエチレングリコール、及び1,4−ブタンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、ことが好ましく、
(1)一価アルコールがメタノール及びエタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、(2)ジカルボン酸がコハク酸、グルタル酸、及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、(3)二価アルコールがジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、及び1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、ことがより好ましく、
(1)一価アルコールがメタノールであり、(2)ジカルボン酸がコハク酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、(3)二価アルコールがジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、及び1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、ことがさらに好ましい、<11>記載のシート又はフィルム。
<16>
式(I)で表される化合物が、以下の態様1又は態様2の方法により得られる、<11>〜<15>いずれか記載のシート又はフィルム。
態様1:(2)ジカルボン酸と(1)一価アルコールのエステル化反応を行ってジカルボン酸エステルを合成する工程(工程1)と、得られたジカルボン酸エステルと(3)二価アルコールをエステル化反応させる工程(工程2)を含む方法
態様2:(1)一価アルコール、(2)ジカルボン酸、及び(3)二価アルコールを一括反応させる工程を含む方法
<17>
式(I)で表される化合物は、酸価が好ましくは1.00mgKOH/g以下、より好ましくは0.90mgKOH/g以下であり、好ましくは0.05mgKOH/g以上、より好ましくは0.1mgKOH/g以上である、<1>〜<16>いずれか記載のシート又はフィルム。
<18>
式(I)で表される化合物は、水酸基価が好ましくは10.0mgKOH/g以下、より好ましくは8.0mgKOH/g以下、さらに好ましくは5.0mgKOH/g以下であり、好ましくは0.1mgKOH/g以上、より好ましくは0.2mgKOH/g以上である、<1>〜<17>いずれか記載のシート又はフィルム。
<19>
式(I)で表される化合物のケン化価は、500mgKOH/g以上が好ましく、600mgKOH/g以上がより好ましく、800mgKOH/g以下が好ましく、750mgKOH/g以下がより好ましい、<1>〜<18>いずれか記載のシート又はフィルム。
<20>
式(I)で表される化合物の数平均分子量は、好ましくは500以上、より好ましくは600以上、さらに好ましくは700以上であり、好ましくは1500以下、より好ましくは1400以下、さらに好ましくは1300以下、さらに好ましくは1200以下である、<1>〜<19>いずれか記載のシート又はフィルム。
<21>
式(I)で表される化合物は、酸価が1.00mgKOH/g以下、水酸基価が10.0mgKOH/g以下、数平均分子量が500〜1500であることが好ましく、酸価が0.90mgKOH/g以下、水酸基価が8.0mgKOH/g以下、数平均分子量が500〜1400であることがより好ましく、酸価が0.90mgKOH/g以下、水酸基価が8.0mgKOH/g以下、数平均分子量が600〜1200であることがさらに好ましい、<1>〜<20>いずれか記載のシート又はフィルム。
<22>
式(I)で表される化合物は末端アルキルエステル化率が、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である、<1>〜<21>いずれか記載のシート又はフィルム。
<23>
式(I)で表される化合物のエーテル基価は、好ましくは1mmol/g以上であり、好ましくは8mmol/g以下、より好ましくは6mmol/g以下、さらに好ましくは5mmol/g以下である、<1>〜<22>いずれか記載のシート又はフィルム。
<24>
式(I)で表される化合物は、SP(Solubility Parameter、溶解性パラメータ)値が、好ましくは10.0以上、より好ましくは10.1以上、さらに好ましくは10.2以上であり、好ましくは12.0以下、より好ましくは11.5以下、さらに好ましくは11.2以下である、<1>〜<23>いずれか記載のシート又はフィルム。
<25>
式(I)で表される化合物の含有量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、より好ましくは5重量部以上であり、好ましくは50重量部以下、より好ましくは30重量部以下である、<1>〜<24>いずれか記載のシート又はフィルム。
<26>
ポリエステル樹脂組成物が、さらに、結晶核剤を含有する、<1>〜<25>いずれか記載のシート又はフィルム。
<27>
結晶核剤は、無機系結晶核剤、有機系結晶核剤が好ましく、有機系結晶核剤がより好ましく、カルボン酸アミド及びフェニルホスホン酸の金属塩がさらに好ましく、カルボン酸アミドがさらに好ましく、エチレンビス脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、アルキレンビスヒドロキシ脂肪酸アミドがさらに好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基を有するアルキレンビスヒドロキシステアリン酸アミドがさらに好ましく、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミドがさらに好ましい、<26>記載のシート又はフィルム。
<28>
結晶核剤の含有量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上であり、好ましくは1.0重量部以下、より好ましくは0.5重量部以下である、<26>又は<27>記載のシート又はフィルム。
<29>
ポリエステル樹脂組成物が、さらに、加水分解抑制剤を含有する、<1>〜<28>いずれか記載のシート又はフィルム。
<30>
加水分解抑制剤は、ポリカルボジイミド化合物及びモノカルボジイミド化合物が好ましい、<29>記載のシート又はフィルム。
<31>
加水分解抑制剤の含有量は、ポリエステル樹脂100重量部に対して、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.10重量部以上であり、好ましくは3重量部以下、より好ましくは2重量部以下である、<29>又は<30>記載のシート又はフィルム。
<32>
ポリエステル樹脂組成物が、ポリエステル樹脂及び式(I)で表される化合物、さらに必要により各種添加剤を含有する原料を溶融混練して調製されてなる、<1>〜<31>いずれか記載のシート又はフィルム。
<33>
溶融混練温度は、好ましくは170℃以上、より好ましくは175℃以上、さらに好ましくは180℃以上であり、好ましくは240℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは210℃以下である、<32>記載のシート又はフィルム。
<34>
得られた溶融混練物のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは30℃以上、より好ましくは35℃以上であり、好ましくは60℃以下、より好ましくは55℃以下である、<32>又は<33>記載のシート又はフィルム。
<35>
得られた溶融混練物の冷結晶化温度(Tc)は、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上であり、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは90℃以下である、<32>〜<34>いずれか記載のシート又はフィルム。
<36>
得られた溶融混練物の融点(Tm)は、好ましくは130℃以上、より好ましくは140℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、好ましくは210℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下である、<32>〜<35>いずれか記載のシート又はフィルム。
<37>
ポリエステル樹脂組成物がシート及びフィルムから選ばれる一次加工品に成形されてなる、<1>〜<36>いずれか記載のシート又はフィルム。
<38>
一次加工品は、ポリエステル樹脂組成物を押出成形又はプレス成形することによって調製されてなる、<37>記載のシート又はフィルム。
<39>
一次加工品が、ポリエステル樹脂組成物を押出機に充填後、Tダイから押出し、冷却ロールに接触させてポリエステル樹脂組成物のTg未満に冷却することで、非晶状態又は半結晶状態にされてなる、<37>又は<38>記載のシート又はフィルム。
<40>
押出機の温度は、好ましくは170℃以上、より好ましくは175℃以上、さらに好ましくは180℃以上であり、好ましくは240℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは210℃以下である、<39>記載のシート又はフィルム。
<41>
冷却ロールの温度は、40℃未満が好ましく、30℃以下がより好ましく、20℃以下がさらに好ましい、<39>又は<40>記載のシート又はフィルム。
<42>
一次加工品が、シート形状を有する枠でポリエステル樹脂組成物を囲みプレス成形してなる、<37>又は<38>記載のシート又はフィルム。
<43>
プレス成形の温度と圧力としては、好ましくは170〜240℃の温度、5〜30MPaの圧力の条件下、より好ましくは175〜220℃の温度、10〜25MPaの圧力の条件下、さらに好ましくは180〜210℃の温度、10〜20MPaの圧力の条件下である、<42>記載のシート又はフィルム。
<44>
さらに、好ましくは0〜40℃の温度、5〜30MPaの圧力の条件下、より好ましくは10〜30℃の温度、10〜25MPaの圧力の条件下、さらに好ましくは10〜20℃の温度、10〜20MPaの圧力の条件下でプレスして、非晶状態又は半結晶状態にされてなる、<43>記載のシート又はフィルム。
<45>
非晶状態又は半結晶状態のシート状の一次加工品の厚さは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.15mm以上であり、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1.4mm以下、さらに好ましくは1.2mm以下である、<39>又は<44>記載のシート又はフィルム。
<46>
非晶状態又は半結晶状態のフィルム状の一次加工品の厚さは、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.02mm以上、さらに好ましくは0.03mm以上であり、好ましくは0.1mm未満以下、より好ましくは0.09mm以下、さらに好ましくは0.08mm以下である、<39>又は<44>記載のシート又はフィルム。
<47>
一次加工品をさらに加工処理することにより二次加工品に成形されてなる、<37>〜<46>いずれか記載のシート又はフィルム。
<48>
一次加工品をそのまま、ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)以上、融点(Tm)未満の温度に加熱することで結晶性の高い二次加工品に成形されてなる、<47>記載のシート又はフィルム。
<49>
加熱温度が、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、好ましくは120℃以下、より好ましくは110℃以下である、<48>記載のシート又はフィルム。
<50>
相対結晶化度が好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の結晶化シート又は結晶化フィルムである、<48>又は<49>記載のシート又はフィルム。
<51>
以下の工程(1)及び(2)を含む、相対結晶化度が80%以上の結晶化シート又は結晶化フィルムの製造方法。
工程(1) ポリエステル樹脂と式(I)で表される化合物を含有するポリエステル樹脂組成物を押出成形法によりダイから押出してシート又はフィルムを調製後、ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)未満に冷却して相対結晶化度80%未満のシート又はフィルムを得る工程
工程(2) 工程(1)で得られたシート又はフィルムを、ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)以上、ポリエステル樹脂組成物の融点(Tm)未満の温度に加熱して相対結晶化度80%以上の結晶化シート又は結晶化フィルムを得る工程
<52>
工程(1)が、ポリエステル樹脂と式(I)で表される化合物を含有するポリエステル樹脂組成物を、好ましくは170℃以上、より好ましくは175℃以上、さらに好ましくは180℃以上であり、好ましくは240℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは210℃以下で溶融混練した後、好ましくは170℃以上、より好ましくは175℃以上、さらに好ましくは180℃以上であり、好ましくは240℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは210℃以下に加熱した押出機にてダイから押出し、次いで、好ましくは40℃未満、より好ましくは30℃以下、さらに好ましくは20℃以下に設定した冷却ロールに、好ましくは0.1〜50秒、より好ましくは0.5〜10秒、さらに好ましくは0.8〜5秒接触させて冷却する、<51>記載の製造方法。
<53>
工程(2)が、工程(1)で得られたシート又はフィルムをそのまま、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上であり、好ましくは120℃以下、より好ましくは110℃以下で、好ましくは5〜60秒、より好ましくは7〜45秒、さらに好ましくは10〜30秒維持する、<51>又は<52>記載の製造方法。
<54>
日用品、化粧品、家電製品などのクリアケースや紙箱の透明窓等の包装容器やクリアホルダーやIDカードケース等の文具類に好適な、<1>〜<50>いずれか記載のシート又はフィルム。
<55>
(1)日用品、化粧品、及び家電製品から選ばれる製品のためのクリアケース、ならびに紙箱の透明窓、からなる群より選ばれる包装容器、又は(2)クリアホルダー及びIDカードケースから選ばれる文具類を製造するための、<1>〜<50>、<54>いずれか記載のシート又はフィルムの使用。
重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、下記の測定条件で測定する。
<測定条件>
カラム:GMHHR−H+GMHHR−H
カラム温度:40℃
検出器:RI
溶離液:クロロホルム
流速:1.0mL/min
サンプル濃度:1mg/mL
注入量:0.1mL
換算標準:ポリスチレン
光学純度は、「ポリオレフィン等合成樹脂製食品容器包装等に関する自主基準 第3版改訂版 2004年6月追補 第3部 衛生試験法 P12−13」記載のD体含有量の測定方法に従って、下記の測定条件で測定する。具体的には、精秤したポリ乳酸に水酸化ナトリウム/メタノールを加え、65℃に設定した水浴振とう器にセットして、樹脂分が均一溶液になるまで加水分解を行い、さらに加水分解が完了したアルカリ溶液に希塩酸を加え中和し、その分解溶液を純水にて定容した後、一定容量をメスフラスコに分液して高速液体クロマトグラフィー(HPLC)移動相溶液により希釈し、pHが3〜7の範囲になるように調整してメスフラスコに定容、メンブランフィルター(0.45μm)によりろ過し、この調整溶液をHPLCにてD−乳酸、L−乳酸を定量することによってポリ乳酸の光学純度を求める。
<HPLC測定条件>
カラム :光学分割カラム
スミキラルOA6100(46mmφ×150mm、5μm)、住化分析センター社製
プレカラム:光学分割カラム
スミキラルQA6100(4mmφ×10mm、5μm)、住化分析センター社製
カラム温度:25℃
移動相 :2.5%メタノール含有1.5mM硫酸銅水溶液
移動相流量:1.0mL/分
検出器 :紫外線検出器(UV254nm)
注入量 :20μL
ポリ乳酸樹脂の融点は、JIS−K7121に基づく示差走査熱量測定(DSC、パーキンエルマー社製、ダイアモンドDSC)の昇温法による結晶融解吸熱ピーク温度より求められる。融点の測定は、昇温速度10℃/分で20℃から250℃まで昇温して行う。
酸価:滴定溶媒としてトルエン/エタノール=2/1(体積比)を用いる他は、JIS K 0070の試験法に従って分析を行う。
水酸基価:アセチル化試薬として無水酢酸/ピリジン=1/4(体積比)を用い、添加量を3mLとする他は、JIS K 0070の試験法に従って分析を行う。
ケン化価:水浴の温度を95℃に、加熱時間を1時間にする他は、JIS K 0070の試験法に従って分析を行う。
分子量:本明細書においてポリエステル系可塑剤の分子量とは数平均分子量を意味し、酸価、水酸基価、及びケン化価から次式により算出する。
平均分子量 M=(M1+M2−M3×2)×n+M1−(M3−17.01)×2+(M3−17.01)×p+(M2−17.01)×q+1.01×(2−p−q)
q=水酸基価×M÷56110
2−p−q=酸価×M÷56110
平均重合度 n=ケン化価×M÷(2×56110)−1
末端アルキルエステル化率:分子末端のアルキルエステル化率(末端アルキルエステル化率)は以下の式より算出することができ、分子末端のアルキルエステル化率は数値が大きいほうが、遊離のカルボキシル基や水酸基が少なく、分子末端が十分にアルキルエステル化されていることを示す。
末端アルキルエステル化率(%)=(p÷2)×100
ただし、M1:ニ塩基酸エステルの分子量
M2:二価アルコールの分子量
M3:一価アルコールの分子量
p:一分子中の末端アルキルエステル基の数
q:一分子中の末端水酸基の数
エーテル基価:以下の式より、エステル化合物、可塑剤1g中のエーテル基のミリモル(mmol)数であるエーテル基価を算出する。
エーテル基価(mmol/g)=(m−1)×n×1000÷M
ただし、m:オキシアルキレン基の平均の繰り返し数(m−1は二価アルコール一分子中のエーテル基の数を表す)
本明細書において、ポリエステル系可塑剤のSP(Solubility Parameter、溶解性パラメータ)値は、凝集エネルギーをΔE、分子容をVとするとき、下記の式で定義される量を意味するものとする。
SP値=(ΔE/V)1/2 (cal1/2cm−3/2)
本発明では、原崎勇次著,”コーティングの基礎科学”,p48,槙書店(1988)に記載されているFedorsの方法を用いて算出する。
JIS K 7121に従い、前記非晶状態のシートの一部を切り取り7.5mg精秤し、アルミパンに封入後、DSC装置(パーキンエルマー社製ダイアモンドDSC)を用い、25℃から200℃まで15℃/minで昇温させ、ガラス転移温度(℃)及び冷結晶化温度(℃)を測定する。
4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、滴下漏斗、蒸留管、窒素吹き込み管付き)にジエチレングリコール363g(3.42モル)及び触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液6.6g(ナトリウムメトキシド0.034モル)を入れ、常圧、120℃で0.5時間攪拌しながらメタノールを留去した。その後、コハク酸ジメチル(和光純薬工業社製)1000g(6.84モル)を3時間かけて滴下し、常圧、120℃で、反応により生じるメタノールを留去した。次に、75℃に冷却し、圧力を1.5時間かけて常圧から6.7kPaまで徐々に下げてメタノールを留去した後、常圧にもどし、さらに、触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液5.8g(ナトリウムメトキシド0.030モル)を添加して、100℃で、圧力を2時間かけて常圧から2.9kPaまで徐々に下げてメタノールを留出させた。その後、80℃に冷却してキョーワード600S(協和化学工業社製)18gを添加し、圧力4.0kPa、80℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行った。ろ液を圧力0.3kPaで、温度を1時間かけて70℃から190℃に上げて残存コハク酸ジメチルを留去し、常温黄色の液体を得た。なお、触媒の使用量は、ジカルボン酸エステル100モルに対して0.94モルであった。
4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、滴下漏斗、蒸留管、窒素吹き込み管付き)にジエチレングリコール581g(5.47モル)及び触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液9.1g(ナトリウムメトキシド0.047モル)を入れ、常圧、120℃で0.5時間攪拌しながらメタノールを留去した。その後、コハク酸ジメチル(和光純薬工業社製)1200g(8.21モル)を2時間かけて滴下し、常圧、120℃で、反応により生じるメタノールを留去した。次に、75℃に冷却し、圧力を1.5時間かけて常圧から6.7kPaまで徐々に下げてメタノールを留去した後、常圧にもどし、さらに、触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液9.8g(ナトリウムメトキシド0.051モル)を添加して、100℃で、圧力を2時間かけて常圧から2.9kPaまで徐々に下げてメタノールを留出させた。その後、80℃に冷却してキョーワード600S(協和化学工業社製)28gを添加し、圧力4.0kPa、80℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行った。ろ液を圧力0.3kPaで、温度を2.5時間かけて70℃から170℃に上げて残存コハク酸ジメチルを留去し、常温黄色の液体を得た。なお、触媒の使用量は、ジカルボン酸エステル100モルに対して1.2モルであった。
4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、滴下漏斗、蒸留管、窒素吹き込み管付き)に1,3−プロパンジオール521g(6.84モル)及び触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液5.9g(ナトリウムメトキシド0.031モル)を入れ、常圧、120℃で0.5時間攪拌しながらメタノールを留去した。その後、コハク酸ジメチル(和光純薬工業社製)1500g(10.26モル)を1時間かけて滴下し、常圧、120℃で、反応により生じるメタノールを留去した。次に、60℃に冷却し、28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液5.6g(ナトリウムメトキシド0.029モル)を入れ、2時間かけて120℃に昇温した後、圧力を1時間かけて常圧から3.7kPaまで徐々に下げてメタノールを留去した。その後、80℃に冷却してキョーワード600S(協和化学工業社製)18gを添加し、圧力4.0kPa、80℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行った。ろ液を圧力0.1kPaで、温度を2.5時間かけて85℃から194℃に上げて残存コハク酸ジメチルを留去し、常温黄色の液体を得た。なお、触媒の使用量は、ジカルボン酸エステル100モルに対して0.58モルであった。
4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、滴下漏斗、蒸留管、窒素吹き込み管付き)に1,2−プロパンジオール764g(10.0モル)及び触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液14.0g(ナトリウムメトキシド0.073モル)を入れ、常圧、120℃で0.5時間攪拌しながらメタノールを留去した。その後、コハク酸ジメチル(和光純薬工業社製)2200g(15.05モル)を2.5時間かけて滴下し、常圧、120℃で、反応により生じるメタノールを留去した。次に、75℃に冷却し、圧力を0.5時間かけて常圧から6.7kPaまで徐々に下げてメタノールを留去した後、常圧にもどし、さらに、触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液6.4g(ナトリウムメトキシド0.033モル)を添加して、110℃で、圧力を1時間かけて常圧から5.3kPaまで徐々に下げてメタノールを留出させた。75℃に冷却して常圧にもどした後、再び、触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液8.4g(ナトリウムメトキシド0.044モル)を添加して、110℃で、圧力を2時間かけて常圧から1.6kPaまで徐々に下げてメタノールを留出させた。その後、80℃に冷却してキョーワード600S(協和化学工業社製)47gを添加し、圧力4.0kPa、80℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行った。ろ液を圧力0.4kPaで、温度を1時間かけて115℃から200℃に上げて、残存コハク酸ジメチルを留去し、常温黄色の液体を得た。なお、触媒の使用量は、ジカルボン酸エステル100モルに対して1.82モルであった。
4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、滴下漏斗、蒸留管、窒素吹き込み管付き)に1,2−プロパンジオール955g(12.6モル)及び触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液15.4g(ナトリウムメトキシド0.080モル)を入れ、常圧、120℃で0.5時間攪拌しながらメタノールを留去した。その後、コハク酸ジメチル(和光純薬工業社製)2567g(17.56モル)を2時間かけて滴下し、常圧、120℃で、反応により生じるメタノールを留去した。次に、75℃に冷却し、圧力を0.5時間かけて常圧から6.7kPaまで徐々に下げてメタノールを留去した後、常圧にもどし、さらに、触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液8.1g(ナトリウムメトキシド0.042モル)を添加して、110℃で、圧力を1時間かけて常圧から5.3kPaまで徐々に下げてメタノールを留出させた。75℃に冷却して常圧にもどした後、再び、触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液10.8g(ナトリウムメトキシド0.056モル)を添加して、110℃で、圧力を4時間かけて常圧から1.6kPaまで徐々に下げてメタノールを留出させた。その後、80℃に冷却してキョーワード600S(協和化学工業社製)47gを添加し、圧力4.0kPa、80℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行った。ろ液を圧力0.8kPaで、温度を3時間かけて102℃から200℃に上げて、残存コハク酸ジメチルを留去し、常温黄色の液体を得た。なお、触媒の使用量は、ジカルボン酸エステル100モルに対して1.71モルであった。
4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、蒸留管、窒素吹き込み管付き)にジエチレングリコール369g(3.47モル)及び触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液5.6g(ナトリウムメトキシド0.029モル)を入れ、圧力3.6kPa、84℃で0.5時間攪拌しながらメタノールを留去した。その後、圧力2.7kPa、79℃で製造例10と同様にして得られたコハク酸ジブチル1600g(6.95モル)を2.5時間かけて滴下し、反応により生じる1−ブタノールを留去した。次に、常圧にもどした後、28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液2.1g(ナトリウムメトキシド0.011モル)を添加し、1.5時間かけて85℃、2.1kPaの状態から146℃、1.1kPaの状態まで、徐々に昇温、減圧して、反応により生じる1−ブタノールを留出させた。その後、80℃に冷却してキョーワード600S(協和化学工業社製)11gを添加し、圧力4.0kPa、80℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行い、常温黄色の液体を得た。なお、触媒の使用量は、ジカルボン酸エステル100モルに対して0.58モルであった。
4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、滴下漏斗、蒸留管、窒素吹き込み管付き)にジエチレングリコール999g(9.41モル)及び触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液23.6g(ナトリウムメトキシド0.122モル)を入れ、常圧(101.3kPa)、120℃で0.5時間攪拌しながらメタノールを留去した。その後、コハク酸ジメチル(和光純薬工業社製)4125g(28.2モル)を3時間かけて滴下し、常圧、120℃で、反応により生じるメタノールを留去した。次に、75℃に冷却し、圧力を2時間かけて常圧から6.7kPaまで徐々に下げてメタノールを留去した後、常圧にもどし、さらに、触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液4.4g(ナトリウムメトキシド0.023モル)を添加して、100℃で、圧力を2時間かけて常圧から2.9kPaまで徐々に下げてメタノールを留出させた。その後、80℃に冷却してキョーワード600S(協和化学工業社製)41gを添加し、圧力4.0kPa、80℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行った。ろ液を圧力0.3kPaで、温度を4時間かけて70℃から190℃に上げ、残存コハク酸ジメチルを留去し、常温黄色の液体を得た。なお、触媒の使用量は、ジカルボン酸エステル100モルに対して0.51モルであった。
4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、滴下漏斗、蒸留管、窒素吹き込み管付き)にネオペンチルグリコール263.5g(2.53モル)、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)1500g(4.05モル)、及び触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液5.6g(ナトリウムメトキシド0.029モル)を入れ、圧力3.7kPa、120℃で1.5時間反応させながら、反応により生じる2−エチルヘキサノールを留去させた。次に、75℃に冷却後、常圧にもどし、さらに、触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液3.0g(ナトリウムメトキシド0.016モル)を添加し、圧力0.4kPaで、温度を1時間かけて92℃から160℃に上げて、2−エチルヘキサノールを留出させた。その後、80℃に冷却してキョーワード600S(協和化学工業社製)19gを添加し、圧力4.0kPa、80℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行った。ろ液を圧力0.3kPaで、温度を2時間かけて166℃から214℃に上げて残存アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)504gを留去し、常温黄色の液体を得た。なお、触媒の使用量は、ジカルボン酸エステル100モルに対して1.11モルであった。
4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、ディーンスタルク装置、窒素吹き込み管付き)に2−エチルヘキサノール(関東化学社製)2515g(19.3モル)、コハク酸(和光純薬工業社製)877g(7.43モル)、及びパラトルエンスルホン酸一水和物(和光純薬工業社製)14.1g(0.0742モル)を入れ、圧力16kPa、80℃の状態から圧力12kPa、90℃の状態まで、7時間かけて反応を行い、水を留出させた。その後、キョーワード500SH(協和化学工業社製)32gを添加し、圧力4.0kPa、80℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行った。ろ液を4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、蒸留管、窒素吹き込み管付き)に仕込み、圧力0.7kPa、95℃の状態から圧力0.5kPa、185℃の状態にして残存2−エチルヘキサノールを留去した後、再び、キョーワード500SHを16g添加し、圧力4.0kPa、80℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行って、コハク酸ビス(2−エチルヘキシル)を得た。次に、4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、滴下漏斗、蒸留管、窒素吹き込み管付き)に、このコハク酸ビス(2−エチルヘキシル)467g(1.36モル)、ジエチレングリコール250g(2.36モル)、及び触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液2.2g(ナトリウムメトキシド0.011モル)を入れ、110℃で、圧力を45分間かけて2.7kPaから0.9kPaに徐々に下げて、反応により生じる2−エチルヘキサノールを留去した。80℃まで冷却した後、再び、コハク酸ビス(2−エチルヘキシル)1953g(5.70モル)、28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液5.0g(ナトリウムメトキシド0.026モル)を添加し、5.5時間かけて110℃、0.8kPaの状態から158℃、0.4kPaの状態まで、昇温しながら圧力を徐々に下げて、反応により生じる2−エチルヘキサノールを留去した。その後、80℃に冷却してキョーワード600S(協和化学工業社製)10.5gを添加し、圧力4.0kPa、80℃で1時間拌した後、減圧ろ過を行った。ろ液を4.5時間かけて178℃、0.3kPaの状態から220℃、0.1kPaの状態まで、昇温しながら圧力を徐々に下げて、残存コハク酸ビス(2−エチルヘキシル)を留去し、常温黄色の液体を得た。なお、触媒の使用量は、ジカルボン酸エステル100モルに対して0.53モルであった。
4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、滴下漏斗、蒸留管、窒素吹き込み管付き)に1,3−プロパンジオール763.6g(10.04モル)及び触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液17.5g(ナトリウムメトキシド0.091モル)を入れ、常圧、120℃で0.5時間攪拌しながらメタノールを留去した。その後、アジピン酸ジメチル(和光純薬工業社製)2622g(15.05モル)を1時間かけて滴下し、常圧、120℃で、反応により生じるメタノールを留去した。次に、70℃に冷却し、28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液6.2g(ナトリウムメトキシド0.032モル)を入れ、圧力5.2kPa、100℃で1時間かけてメタノールを留去した。再び、70℃に冷却し、28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液5.2g(ナトリウムメトキシド0.027モル)を入れ、圧力1.6kPa、100℃で1時間かけてメタノールを留去した。その後、80℃に冷却してキョーワード600S(協和化学工業社製)67gを添加し、圧力4.0kPa、80℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行った。ろ液を圧力0.4kPaで、温度を1時間かけて135℃から200℃に上げて残存アジピン酸ジメチルを留去し、常温黄色の液体を得た。なお、触媒の使用量は、ジカルボン酸エステル100モルに対して1.0モルであった。
4ツ口フラスコ(攪拌機、温度計、滴下漏斗、蒸留管、窒素吹き込み管付き)に1,4−ブタンジオール308g(3.42モル)、及び触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液6.6g(ナトリウムメトキシド0.034モル)を入れ、常圧、120℃で0.5時間攪拌しながらメタノールを留去した。その後、コハク酸ジメチル(和光純薬工業社製)750g(5.13モル)を1時間かけて滴下し、常圧、120℃で、反応により生じるメタノールを留去した。次に、75℃に冷却し、圧力を1時間かけて常圧から6.7kPaまで徐々に下げてメタノールを留去した後、常圧にもどし、さらに、触媒として28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液1.7g(ナトリウムメトキシド0.009モル)を添加して、100℃で、圧力を1時間かけて常圧から2.9kPaまで徐々に下げてメタノールを留出させた。70℃に冷却後、再び28重量%ナトリウムメトキシド含有メタノール溶液1.7g(ナトリウムメトキシド0.009モル)を添加して、100℃で、圧力を1時間かけて常圧から2.9kPaまで徐々に下げてメタノールを留出させた。その後、キョーワード600S(協和化学工業社製)23gを添加し、圧力4.0kPa、90℃で1時間攪拌した後、減圧ろ過を行った。ろ液を圧力0.4kPaで、温度を1時間かけて85℃から180℃に上げて残存コハク酸ジメチルを留去し、常温黄色の固体を得た。なお、触媒の使用量は、ジカルボン酸エステル100モルに対して1.0モルであった。
ポリエステル樹脂組成物として、表3、4に示す組成物原料を、2軸押出機(池貝鉄工社製、PCM−45)にて、回転数100r/min、溶融混練温度190℃で溶融混練し、ストランドカットを行い、ポリ乳酸樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットは、70℃減圧下で1日乾燥し、水分量を500ppm以下とした。
<ポリエステル樹脂>
NW4032D:ポリ乳酸樹脂、ネイチャーワークスLLC社製、ポリ−L−乳酸、NatureWorks 4032D、光学純度98.5%、融点160℃、重量平均分子量141000、残存モノマー1200ppm
PET:ポリエチレンテレフタレート、TSUNAMI GS2、イーストマンケミカル社製、ガラス転移温度81℃
<可塑剤>
製造例1〜11:表1〜2に記載のポリエステル系可塑剤
DAIFATTY−101:アジピン酸と、ジエチレングリコールモノメチルエーテル/ベンジルアルコール=1/1混合ジエステル、大八化学工業社製、
チラバゾールVR−01:ポリグリセリンとオレイン酸とのエステル、太陽化学社製
<結晶核剤>
スリパックスH:エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、日本化成社製
<加水分解抑制剤>
カルボジライトLA−1:ポリカルボジイミド、日清紡ケミカル社製
成形後のシートについて7.5mg精秤し、アルミパンに封入後、DSC装置(パーキンエルマー社製ダイアモンドDSC)を用い、1stRUNとして、昇温速度20℃/分で20℃から200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、降温速度−20℃/分で200℃から20℃まで降温し、20℃で1分間保持した後、さらに2ndRUNとして、昇温速度20℃/分で20℃から200℃まで昇温した。1stRUNに観測されるポリ乳酸樹脂の冷結晶化エンタルピーの絶対値ΔHcc、2ndRUNに観測される結晶融解エンタルピーΔHmを求め、得られた値から、下記式により相対結晶化度(%)を求めた。
相対結晶化度(%)={(ΔHm−ΔHcc)/ΔHm}×100
成形後のシートについて、JIS−K7105規定の積分球式光線透過率測定装置(ヘイズメーター)を用い、ヘイズ値を測定した。数字の小さい方が透明性が良好であることを示す。
成形後のシートについて7.0〜8.0mg精秤し、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製の熱分析装置EXTRA TG・DTA 7200を用い、空気気流(200mL/分)下、昇温速度40℃/分で40℃から210℃まで昇温し、210℃で30分間保持したときの重量減少率(%)を測定し、耐熱性の尺度とした。重量減少率(%)は小さい方が耐熱性に優れていることを示す。
成形後のシート(縦100mm×横100mm)について、70℃の恒温室に1週間放置し、その表面における可塑剤のブリードの有無を肉眼で観察し、目視及び手触り感によりブリード性を以下の3段階で評価した。
3:ブリードが認められない
2:わずかにブリードが認められる
1:明らかにブリードが認められる
押出成形機からの発煙性の有無を観察し、その程度によって3段階で評価した。数字が小さい方が、発煙が少なく、作業性が良好で、可塑剤量の損失も少ないことを示す。
3:発煙が認められない
2:わずかに発煙が認められる
1:明らかに発煙が認められる
Claims (11)
- ポリエステル樹脂及び下記式(I)で示されるポリエステル系可塑剤を含有してなるポリエステル樹脂組成物からなるシート又はフィルム。
R1O−CO−R2−CO−〔(OR3)mO−CO−R2−CO−〕nOR1 (I)
(式中、R1は炭素数が1〜4のアルキル基、R2は炭素数が2〜4のアルキレン基、R3は炭素数が2〜6のアルキレン基であり、mは1〜6の数、nは1〜12の数を示し、但し、全てのR2は同一でも異なっていてもよく、全てのR3は同一でも異なっていてもよい) - ポリエステル系可塑剤の酸価が1.00mgKOH/g以下、水酸基価が10.0mgKOH/g以下、数平均分子量が500〜1500である、請求項1記載のシート又はフィルム。
- ポリエステル系可塑剤のFedoros法による溶解度パラメータが10.0〜12.0である、請求項1又は2記載のシート又はフィルム。
- ポリエステル系可塑剤が下記(1)〜(3)を用いて得られる、請求項1〜3いずれか記載のシート又はフィルム。
(1)炭素数が1〜4のアルキル基を有する一価アルコール
(2)炭素数が2〜4のアルキレン基を有するジカルボン酸
(3)炭素数が2〜6のアルキレン基を有する二価アルコール - ポリエステル樹脂がポリ乳酸樹脂である請求項1〜4いずれか記載のシート又はフィルム。
- 請求項1〜5いずれか記載のシート又はフィルムの製造方法であって、下記工程(1)〜(2)によって相対結晶化度80%以上に結晶化させたシート又はフィルムを得ることを特徴とする、シート又はフィルムの製造方法。
工程(1):ポリエステル樹脂と式(I)で表されるポリエステル系可塑剤を含有するポリエステル樹脂組成物を押出成形法によりダイから押出して得られたシート又はフィルムを、該ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)未満に冷却して相対結晶化度80%未満のシート又はフィルムを得る工程
工程(2):工程(1)で得られたシート又はフィルムを、ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)以上、ポリエステル樹脂組成物の融点(Tm)未満の温度に加熱して相対結晶化度80%以上の結晶化シート又はフィルムを得る工程 - さらに、有機系結晶核剤を含んでなる、請求項1〜5いずれか記載のシート又はフィルム。
- 有機系結晶核剤がカルボン酸アミドである請求項7記載のシート又はフィルム。
- カルボン酸アミドが炭素数1〜6のアルキレン基を有するアルキレンビスヒドロキシステアリン酸アミドである請求項8記載のシート又はフィルム。
- 式(I)におけるR2がエチレン基である、請求項1〜5、7〜9いずれか記載のシート又はフィルム。
- 式(I)におけるnが2以上である、請求項1〜5、7〜10いずれか記載のシート又はフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013031250A JP5302474B1 (ja) | 2012-02-22 | 2013-02-20 | ポリエステル樹脂組成物からなるシート又はフィルム |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012036593 | 2012-02-22 | ||
JP2012036593 | 2012-02-22 | ||
JP2013031250A JP5302474B1 (ja) | 2012-02-22 | 2013-02-20 | ポリエステル樹脂組成物からなるシート又はフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP5302474B1 JP5302474B1 (ja) | 2013-10-02 |
JP2013199637A true JP2013199637A (ja) | 2013-10-03 |
Family
ID=49520107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013031250A Active JP5302474B1 (ja) | 2012-02-22 | 2013-02-20 | ポリエステル樹脂組成物からなるシート又はフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5302474B1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018199744A (ja) * | 2017-05-25 | 2018-12-20 | 出光ユニテック株式会社 | 樹脂組成物、フィルム、積層体、包装体、および包装体の製造方法 |
WO2019198303A1 (ja) * | 2018-04-12 | 2019-10-17 | ソニー株式会社 | 樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法、並びに樹脂成形体の製造方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07118513A (ja) * | 1993-10-22 | 1995-05-09 | Dainippon Ink & Chem Inc | 乳酸系ポリマー組成物 |
JPH1036651A (ja) * | 1996-05-24 | 1998-02-10 | Dainippon Ink & Chem Inc | 乳酸系ポリエステル組成物及びその成形物 |
JP2005023091A (ja) * | 2002-05-14 | 2005-01-27 | Daihachi Chemical Industry Co Ltd | 生分解性樹脂組成物 |
JP2007314751A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-12-06 | Kawasaki Kasei Chem Ltd | 樹脂用の柔軟性付与剤及び当該柔軟性付与剤を含有する生分解性樹脂組成物 |
JP2009062410A (ja) * | 2007-09-04 | 2009-03-26 | Sekisui Seikei Ltd | ポリ乳酸樹脂シートの製造方法及びそれに使用する製造装置 |
WO2012023589A1 (ja) * | 2010-08-19 | 2012-02-23 | 花王株式会社 | 樹脂組成物 |
-
2013
- 2013-02-20 JP JP2013031250A patent/JP5302474B1/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07118513A (ja) * | 1993-10-22 | 1995-05-09 | Dainippon Ink & Chem Inc | 乳酸系ポリマー組成物 |
JPH1036651A (ja) * | 1996-05-24 | 1998-02-10 | Dainippon Ink & Chem Inc | 乳酸系ポリエステル組成物及びその成形物 |
JP2005023091A (ja) * | 2002-05-14 | 2005-01-27 | Daihachi Chemical Industry Co Ltd | 生分解性樹脂組成物 |
JP2007314751A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-12-06 | Kawasaki Kasei Chem Ltd | 樹脂用の柔軟性付与剤及び当該柔軟性付与剤を含有する生分解性樹脂組成物 |
JP2009062410A (ja) * | 2007-09-04 | 2009-03-26 | Sekisui Seikei Ltd | ポリ乳酸樹脂シートの製造方法及びそれに使用する製造装置 |
WO2012023589A1 (ja) * | 2010-08-19 | 2012-02-23 | 花王株式会社 | 樹脂組成物 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018199744A (ja) * | 2017-05-25 | 2018-12-20 | 出光ユニテック株式会社 | 樹脂組成物、フィルム、積層体、包装体、および包装体の製造方法 |
WO2019198303A1 (ja) * | 2018-04-12 | 2019-10-17 | ソニー株式会社 | 樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法、並びに樹脂成形体の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5302474B1 (ja) | 2013-10-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2013125359A1 (ja) | ポリエステル樹脂組成物からなる成形体 | |
JP5794731B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
US7652085B2 (en) | Biodegradable resin composition | |
JP2006176747A (ja) | 生分解性樹脂組成物 | |
WO2006077623A1 (ja) | 生分解性ポリエステル系樹脂組成物 | |
EP3415565A1 (en) | Biodegradable polyester resin composition and molded body formed from said resin composition | |
JP6352094B2 (ja) | ポリ乳酸樹脂組成物 | |
JP5302476B1 (ja) | ポリエステル樹脂組成物からなる熱成形品 | |
JP5302474B1 (ja) | ポリエステル樹脂組成物からなるシート又はフィルム | |
JP2013047314A (ja) | ポリ乳酸樹脂組成物 | |
JP2015165016A (ja) | 熱成形用ポリ乳酸樹脂シート | |
JP6430803B2 (ja) | 熱成形用シート | |
JP5302475B1 (ja) | ポリエステル樹脂組成物からなる延伸フィルム | |
JP2014105306A (ja) | 生分解性樹脂成形品の製造方法 | |
JP6443988B2 (ja) | ポリ乳酸樹脂組成物から成るシート又はフィルム | |
JP2007262422A (ja) | 生分解性樹脂組成物 | |
JP5188680B2 (ja) | 生分解性樹脂用可塑剤 | |
JP4800348B2 (ja) | 生分解性樹脂成形品の製造法。 | |
JP2010150384A (ja) | ポリ乳酸樹脂組成物 | |
JP2017019957A (ja) | ポリ乳酸樹脂組成物 | |
JP2016183222A (ja) | ポリ乳酸樹脂組成物 | |
JP2018062573A (ja) | ポリ乳酸樹脂組成物 | |
JP2016113539A (ja) | ポリ乳酸樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130620 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5302474 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |