JP2013199539A - フィルムラミネート金属缶用接着剤 - Google Patents

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Ryotaro Hayashi
良太郎 林
Takahiro Hidaka
貴弘 日高
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Abstract

【課題】特に、ホワイトコートを兼ねたラミネート用接着剤において、色ムラ、黒ずみ等のない白度(白さ)及び密着性に優れた、溶剤含有量の少ない(ハイソリッド)フィルムラミネート金属缶用接着剤を提供すること。
【解決手段】(A)水酸基含有ポリエステル樹脂及び(B)重合性不飽和結合間の部分構造中、各重合性不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数が、5以下である構造を有し重合性不飽和基を2つ以上有する重合性不飽和モノマーを有し、かつ、ベンゼン環含有重合性不飽和モノマーの含有量が特定範囲であるモノマー成分を共重合することにより得られる、平均粒子径が10〜500nmである架橋樹脂粒子、(C)ポリイソシアネート化合物及び(D)ルチル型二酸化チタンを、特定範囲組成比率で含有することを特徴とするフィルムラミネート金属缶用接着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は接着剤に関し、更に詳しくは、金属缶にフィルムをラミネートするためのハイソリッド接着剤に関する。
従来、フィルムラミネート缶は、例えば、接着剤をポリエステル(PET)フィルムなどのプラスチックフィルムの接着面にロールコータにて塗布し、このものを鋼板などの金属板に貼り合わせた後、缶に成型加工する方法、又は直接成型加工された缶に貼り合わせる方法などによって製造されており、そこに用いられるフィルムラミネート用の接着剤としては、エポキシ樹脂系、ポリエステル樹脂系等の接着剤が知られている。
ポリエステルフィルムラミネート缶は、通常、ポリエステルフィルムに接着剤を塗付し、加熱などにより接着剤中の溶剤を揮散させ、かつ接着剤層を硬化させない程度に乾燥させた後、コイル状に巻き取った接着剤層を有するポリエステルフィルムを、成型缶又は金属板に貼り合わせて加熱硬化又は電子線硬化することによって得ることができる。
また、缶外面用などに使用されるポリエステルフィルムは、通常、多色印刷が施されたものが用いられるが、見栄えの点から印刷インキ層の下には一般に着色層が設けられており、通常、素材の上にホワイトコートを塗装し、その上にポリエステルフィルムがラミネートされる。
このような事情から、ラミネート用接着剤として着色顔料、なかでも二酸化チタンを含有させたものを使用すれば、ホワイトコートを兼ねることができ、缶の製造工程を一工程省略することが可能となる。
しかしながら、接着剤中の顔料濃度が高くなるほど、素材との密着性が低下して接着剤としての機能が低下することとなる。また、ラミネート時の圧力で接着剤層が引き伸ばされることにより、色ムラ、黒ずみが生じ、所望の白度(白さ)が得られないという問題も生ずることとなる。
近年、ラミネート用接着剤においても、環境負荷低減の観点から、溶剤量削減(ハイソリッド化)の要求が高まっている。
ハイソリッド型接着剤として、例えば、特許文献1には、数平均分子量が10,000以下であり、一分子当り1.4〜1.8個の水酸基を有するポリオール成分並びにイソシアネート硬化剤成分とからなり、該ポリオール成分と該イソシアネート硬化剤成分は、該ポリオール成分中の水酸基に対して該イソシアネート硬化剤中のイソシアネート基が0.8〜5.0当量の割合となるように配合された固形分が40質量%以上であることを特徴とするハイソリッド型接着剤組成物が開示されている。
しかしながら、ラミネート用接着剤において、二酸化チタンを含有させ、ホワイトコートを兼ねたラミネート用接着剤とした場合、特許文献1のような樹脂組成のものを適用すると、ハイソリッド化は満足させることができるものの、塗装フィルムの長期保存すると、接着剤の硬化反応が進行し、密着性が低下するという問題があった。
特開2005−298588号公報
本発明の目的は、特に、ホワイトコートを兼ねたラミネート用接着剤において、色ムラ、黒ずみ等のない白度(白さ)及び密着性に優れた、溶剤含有量の少ない(ハイソリッド)フィルムラミネート金属缶用接着剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、特定範囲の数平均分子量及び水酸基価を有する水酸基含有ポリエステル樹脂、重合性不飽和結合間の部分構造中、各重合性不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数が、5以下である構造を有し、重合性不飽和基を2つ以上有する重合性不飽和モノマーを含有し、かつ、ベンゼン環含有重合性不飽和モノマーの含有量が、特定範囲内であるモノマー成分を共重合することにより得られる特定範囲の平均粒子径を有する架橋樹脂粒子、ポリイソシアネート化合物及びルチル型二酸化チタンを含有することを特徴とする組成物によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A)数平均分子量が5000〜30000、水酸基価が1〜40mgKOH/gの範囲内である水酸基含有ポリエステル樹脂、
(B)モノマー成分の総量を基準にして、
重合性不飽和結合間の部分構造中、各重合性不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数が、5以下である構造を有し、重合性不飽和基を2つ以上有する重合性不飽和モノマー(b1)0.1〜50質量%、及びその他の重合性不飽和モノマー(b2)50〜99.9質量%であり、かつ、ベンゼン環含有重合性不飽和モノマーの含有量が、0〜50質量%の組成のモノマー成分を共重合することにより得られる 平均粒子径が10〜500nmである架橋樹脂粒子、
(C)ポリイソシアネート化合物及び(D)ルチル型二酸化チタンを含有するフィルムラミネート金属缶用接着剤であって、
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)及び架橋樹脂粒子(B)の固形分総量に対して、
架橋樹脂粒子(B)の量が、5〜50質量%の範囲内であり、
ルチル型二酸化チタン(D)の量が、100〜200質量%の範囲内であるフィルムラミネート金属缶用接着剤を提供するものである。
また、本発明は、上記接着剤を用いて金属缶の外面となる側にフィルムをラミネートしてなることを特徴とするフィルムラミネート金属缶を提供するものである。
本発明の金属缶用接着剤は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、架橋樹脂粒子(B)、ポリイソシアネート化合物(C)及びルチル型二酸化チタン(D)を含有するものであり、重合性不飽和結合間の部分構造中、各重合性不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数が、5以下である構造を有し、重合性不飽和基を2つ以上有する重合性不飽和モノマーを含有し、かつ、ベンゼン環含有重合性不飽和モノマーの含有量が、特定範囲内であるモノマー成分を共重合することにより得られる特定粒子径範囲の架橋樹脂粒子(B)を含有することを主な特徴とするものである。架橋樹脂粒子(B)は、重合性不飽和結合間の部分構造中、各重合性不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数が、5以下である構造を有し、重合性不飽和基を2つ以上有する重合性不飽和モノマーを共重合モノマー成分としていることから、耐溶剤膨潤性に優れている。この高い耐溶剤膨潤性により、溶剤膨潤による増粘が低減されることから、組成物の粘度を低下させることができ、ハイソリッド化を達成することができる。また、接着剤としての密着性にも優れている。
さらに、架橋樹脂粒子のモノマー組成が、ベンゼン環含有重合性不飽和モノマーの含有量が特定範囲内であること、また、二酸化チタンとして、高屈折率であるルチル型の二酸化チタンを含有するものであることにより、白度(白さ)の高い接着剤層を得ることができる。
本発明のフィルムラミネート金属缶用接着剤は、このような特徴を有するものであるので、ホワイトコートを兼ねたラミネート用接着剤において、色ムラ、黒ずみ等のない白度(白さ)及び密着性に優れた接着層を得ることができ、接着剤の溶剤含有量の削減を図ることができるという効果を奏することができる。
以下、本発明のフィルムラミネート金属缶用接着剤(以下、「本接着剤」ということがある。)について詳細に説明する。
本発明のフィルムラミネート金属缶用接着剤は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、架橋樹脂粒子(B)、ポリイソシアネート化合物(C)及びルチル型二酸化チタン(D)を含有することを特徴とするフィルムラミネート金属缶用接着剤である。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)
水酸基含有ポリエステル樹脂としては、通常の、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性アルキド樹脂、また、これらの樹脂の変性物、例えばウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂などを挙げることができる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)は、ハイソリッド化と加工性の観点から、数平均分子量5000〜30000であり、好ましくは8000〜20000、さらに好ましくは10000〜18000である。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)は、加工性の観点から、水酸基価1〜40mgKOH/gであり、好ましくは3〜30mgKOH/g、さらに好ましくは5〜20mgKOH/gである。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)は、加工性の観点から、ガラス転移温度(Tg)は、好ましくは10〜100℃、さらに好ましくは20〜40℃である。
本明細書において、樹脂の「数平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー(株)社製、「HLC8120GPC」)で測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。カラムは、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行ったものである。また、本明細書において、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差熱分析(DSC)によるものである。
上記オイルフリーポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物である。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、無水マレイン、イタコン酸、ダイマー酸等から選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。これらの多塩基酸は単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が好ましい。
多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。両成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことができ、例えば、前記多塩基酸成分と多価アルコール成分とを180〜250℃程度の温度で重縮合させることによって得ることができる。
また、前記多塩基酸成分と多価アルコール成分とから水酸基を有するポリエステル樹脂を得た後、このポリエステル樹脂の水酸基に、マレイン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸などの多塩基酸を反応させることによって樹脂中にカルボキシル基を導入したポリエステル樹脂であってもよい。
アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂肪酸をそれ自体既知の方法で反応せしめたものであって、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げることができる。アルキド樹脂の油長は30%以下、特に5〜20%程度のものが好ましい。
ウレタン変性ポリエステル樹脂としては、上記オイルフリーポリエステル樹脂、又は上記オイルフリーポリエステル樹脂の製造の際に用いられる酸成分及びアルコール成分を反応させて得られる低分子量のオイルフリーポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが挙げられる。また、ウレタン変性アルキド樹脂は、上記アルキド樹脂、又は上記アルキド樹脂製造の際に用いられる各成分を反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂を、ポリイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが包含される。ウレタン変性ポリエステル樹脂及びウレタン変性アルキド樹脂を製造する際に使用しうるポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどが挙げられる。上記のウレタン変性樹脂は、一般に、ウレタン変性樹脂を形成するポリイソシアネート化合物の量がウレタン変性樹脂に対して30重量%以下の量となる変性度合のものを好適に使用することができる。
エポキシ変性ポリエステル樹脂としては、上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル基とエポキシ基含有樹脂との反応生成物や、ポリエステル樹脂中の水酸基とエポキシ樹脂中の水酸基とをポリイソシアネート化合物を介して結合した生成物などの、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂との付加、縮合、グラフトなどの反応による反応生成物を挙げることができる。かかるエポキシ変性ポリエステル樹脂における変性の度合は、一般に、エポキシ樹脂の量がエポキシ変性ポリエステル樹脂に対して、0.1〜30重量%となる量であることが好適である。 アクリル変性ポリエステル樹脂としては、上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル基又は水酸基にこれらの基と反応性を有する基、例えばカルボキシル基、水酸基又はエポキシ基を含有するアクリル樹脂との反応生成物や、ポリエステル樹脂に(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステル等を重合開始剤を使用してグラフト重合してなる反応生成物等を挙げることができる。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」のことである。かかるアクリル変性ポリエステル樹脂における変性の度合は、一般に、アクリル樹脂の量がアクリル変性ポリエステル樹脂に対して、0.1〜50重量%となる量であることが好適である。
以上に述べたポリエステル樹脂のうち、加工性、耐レトルト性等の観点から、オイルフリーポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂が、好適である。
架橋樹脂粒子(B)
架橋樹脂粒子(B)は、重合性不飽和結合間の部分構造中、各重合性不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数が、5以下である構造を有し、重合性不飽和基を2つ以上有する重合性不飽和モノマー(b1)及びその他の重合性不飽和モノマー(b2)の組成のモノマー成分を共重合することにより得られる架橋樹脂粒子である。
架橋樹脂粒子(B)は、架橋モノマー成分として、重合性不飽和結合間の部分構造中、各重合性不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数が、5以下である構造を有し、重合性不飽和基を2つ以上有する重合性不飽和モノマー(b1)を共重合モノマー成分として有することを主たる特徴とするものである。
重合性不飽和結合間の部分構造中、各重合性不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数が、5以下である構造を有し、重合性不飽和基を2つ以上有する重合性不飽和モノマー(b1)を架橋モノマー成分として使用することにより、例えば、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートのような、分子構造的に2つの重合性不飽和結合間が、ヘキシレン基のような比較的長鎖のアルキレン基部分も含有する構造であることにより、重合性不飽和結合間が離れている構造を有する、重合性不飽和基を2つ以上有する重合性不飽和モノマーを架橋モノマー成分として使用する場合に比べ、より密な架橋構造が得られることができるため、耐溶剤膨潤性に優れる架橋樹脂粒子が得られるのではないかと考えている。
重合性不飽和モノマー(b1)
重合性不飽和モノマー(b1)は、重合性不飽和結合間の部分構造中、各重合性不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数が、5以下である構造を有し、重合性不飽和基を2つ以上有する重合性不飽和モノマーである。
上記原子数は、耐溶剤膨潤性に優れ、より密な架橋構造が得られる架橋樹脂粒子が得られる観点から、さらに好ましくは、4以下、さらに特に好ましくは、3以下である。
上記における不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数を計算するにあたっては、不飽和結合部に関与している原子は、この原子数には含まれない。
重合性不飽和モノマー(b1)としては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
重合性不飽和モノマー(b1)としては、特に、アリル基及び(メタ)アクリロイル基を重合性不飽和基として有する重合性不飽和モノマー(b1−1)を好適に使用することができる。
重合性不飽和モノマー(b1−1)としては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
重合性不飽和モノマー(b1)における、重合性不飽和結合間の部分構造中、各重合性不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数の具体的計算方法を、例えば、アリルメタクリレートを例にして示すと、アリルメタクリレートは下記式(1)で示される構造式で表わされる化合物である。
Figure 2013199539
上記構造式において、分子中の両端の2つの重合性不飽和結合間の部分構造中、不飽和結合部を結合する最短の原子鎖において、不飽和結合部に関与している原子(この場合はC=C結合に関与する炭素原子)は、含まれないので、この場合の最短の原子鎖とは、「−C−O−C−」で表わされる部分のことであり、この原子鎖を構成する原子の数は3つであるから、アリルメタクリレートは、重合性不飽和結合間の部分構造中、各重合性不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数は3ということになる。
アリル基及び(メタ)アクリロイル基を有する重合性不飽和モノマー(b1−1)を架橋モノマー成分として使用することにより、たとえば、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートのような単一種の重合性不飽和基を2種以上有する重合性不飽和モノマーを架橋モノマー成分として使用する場合に比べ、単一種の重合性不飽和基であると、一時に架橋反応が進行するのに対し、たとえば、アリル基と(メタ)アクリロイル基を併有する重合性不飽和モノマーを使用すると、アリル基と(メタ)アクリロイル基の反応性が異なる(アリル基の方が反応が遅い)ため、架橋反応が擬似2段階的に進行することから、単一種の重合性不飽和基を2つ以上有する重合性不飽和モノマーを架橋モノマーとして使用した場合に比べ、より密な架橋構造を得ることができるため、耐溶剤膨潤性に優れる架橋樹脂粒子が得られるのではないかと考えている。
重合性不飽和モノマー(b1)の使用割合は、架橋密度、耐溶剤膨潤性等の観点から、重合性不飽和モノマー(b1)及びその他の重合性不飽和モノマー(b2)の総量を基準にして、0.1〜50質量%であり、好ましくは1〜50質量%であり、さらに好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは10〜25質量%の範囲内である。
上記重合性不飽和モノマー(b1)の使用割合が、50質量%を越えるとゲル化等が起こることにより、架橋樹脂粒子(B)を合成できない場合がある。
その他の重合性不飽和モノマー(b2)
その他の重合性不飽和モノマー(b2)は、重合性不飽和モノマー(b1)以外の重合性不飽和モノマーである。
その他の重合性不飽和モノマー(b2)として、基体樹脂等との相溶性及び外観(白度)の観点から、特に、アルキル基の炭素数が4〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(b2−1)を好適に使用することができる。
アルキル基の炭素数が4〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(b2−1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数4〜24のアルキル基を有する1価アルコールのモノエステル化物をあげることができる。
具体的には、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート)、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらは、それぞれ単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレ
ートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。ま
た、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、「(メタ
)アクリルアミド」は、「アクリルアミド又はメタクリルアミド」を意味する。
上記アルキル基の炭素数が4〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(b2−1)としては、基体樹脂等との相溶性等の観点から、特に、アルキル基の炭素数が6〜18であるアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、アルキル基の炭素数が6〜12であるアルキル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
なかでも、n−ヘキシル(メタ)クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレートが好ましい。
前記アルキル基の炭素数が4〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(b2−1)を使用する場合、その使用割合は、重合性不飽和モノマー(b1)及びその他の重合性不飽和モノマー(b2)の総量を基準として、好ましくは10〜80質量%であり、さらに好ましくは15〜75質量%、さらに好ましくは15〜70質量%の範囲内である。
上記アルキル基の炭素数が4〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(b2−1)以外のその他の重合性不飽和モノマー(b2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜3のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香環含有重合性不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物、該(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコ−ル、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート等の重合性不飽和モノマー(b1)以外の重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン化合物との付加物等の含窒素重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアナト基含有重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー等を挙げることができる。
これらのその他の重合性不飽和モノマー(b2)はそれぞれ単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
また、架橋樹脂粒子(B)のモノマー組成において、ベンゼン環含有重合性不飽和モノマーの含有量は、モノマーの総量を基準として、0〜50質量%、好ましくは0〜30質量%、さらに好ましくは0〜20質量%の範囲内である。
架橋樹脂粒子(B)のモノマー組成において、ベンゼン環含有重合性不飽和モノマーの含有量を、上記範囲内とすることにより、白度(白さ)に優れた接着剤層を得ることができる。
ベンゼン環含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に重合性不飽和基とベンゼン環を有する化合物である。
ベンゼン環含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレン;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、p−tert−ブチル安息香酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのエステル化物、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
架橋樹脂粒子(B)は、例えば、重合性不飽和モノマー(b1)及びその他の重合性不飽和モノマー(b2)を含有するモノマー混合物を乳化重合することにより得ることができる。
架橋樹脂粒子(B)のエマルションを調製する乳化重合は、シード重合法、ミニエマルション重合法等の従来公知の方法により行うことができ、例えば、乳化剤の存在下で、重合開始剤を使用してモノマー混合物を乳化重合することにより行うことができる。
上記乳化剤としては、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤が好適であり、該アニオン性乳化剤としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸などのナトリウム塩やアンモニウム塩が挙げられ、また、ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
また、1分子中にアニオン性基とポリオキシエチレン基やポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基含有アニオン性乳化剤や、1分子中に該アニオン性基と重合性不飽和基とを有する反応性アニオン性乳化剤を使用してもよい。
上記乳化剤の使用量は、使用される全モノマーの合計量を基準にして、0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%が更に好ましい。
前記重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキシド、ステアロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4、4’−アゾビス(4−シアノブタン酸)、ジメチルアゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。これらの重合開始剤は、一種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、上記重合開始剤に、必要に応じて、糖、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、鉄錯体等の還元剤を併用して、レドックス開始剤としてもよい。
上記重合開始剤の使用量は、一般に、使用される全モノマーの合計質量を基準にして、0.1〜5質量%程度が好ましく、0.2〜3質量%程度がより好ましい。該重合開始剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、その種類及び量などに応じて適宜選択することができる。例えば、予めモノマー混合物又は水性媒体に含ませてもよく、或いは重合時に一括して添加してもよく又は滴下してもよい。
また、前記モノマー混合物は、得られる架橋樹脂粒子(B)の分子量を調整する目的で、連鎖移動剤を含んでいてもよい。該連鎖移動剤としては、メルカプト基を有する化合物が包含され、具体的には例えば、ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2−メチル−5−tert−ブチルチオフェノール、メルカプトエタノール、チオグリセロール、メルカプト酢酸(チオグリコール酸)、メルカプトプロピオネート、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。該連鎖移動剤を使用する場合、その使用量は、一般に、使用される全モノマーの合計量を基準にして、0.05〜10質量%、特に0.1〜5質量%の範囲内が好適である。
さらに、前記モノマー混合物には、必要に応じて、ヘキサデカン等の長鎖飽和炭化水素系溶剤、ヘキサデカノール等の長鎖アルコール系溶剤等の有機溶剤等を配合してもよい。
架橋樹脂粒子(B)の形状は、特に限定されず、例えば、球状や楕円状、多角形状、無定形状等のいずれであってもよい。
架橋樹脂粒子(B)の平均粒子径は、白度の観点から、10〜500nmであり、好ましくは20〜200nm、さらに好ましくは20〜100nmの範囲内である。
なお、本発明において、樹脂粒子の平均粒子径は、サブミクロン粒子アナライザーN4(商品名、ベックマン・コールター株式会社製、粒度分布測定装置)にて、試料を脱イオン水にて測定に適した濃度に希釈して、常温(20℃)にて測定を行った。
また、架橋樹脂粒子(B)の屈折率は、白度の観点から、好ましくは1.4〜1.6であり、さらに好ましくは1.4〜1.5の範囲内である。
本明細書において、架橋樹脂粒子(B)の屈折率(R)は、下記式により算出される値である。
R=W+W+・・・W
[式中、W、W、・・・Wは各モノマーの質量分率であり、R、R・・・Rは各モノマーのホモポリマーの屈折率である。]
なお、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度は、POLYMER HANDBOOK Fourth Edition,J.Brandrup,E.h.Immergut,E.A.Grulke編(1999年)による値であり、該文献に記載されていないモノマーのガラス転移温度は、該モノマーのホモポリマーを重量平均分子量が5万程度になるようにして合成し、その屈折率を測定したときの値を使用する。
架橋樹脂粒子(B)の水酸基価及び酸価は耐レトルト性の観点から、実質的に0mgKOH/gであることが好ましい。
架橋樹脂粒子(B)のガラス転移温度は、素材密着性、耐レトルト性、耐ブロッキング性等の観点から、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは40〜100℃の範囲内である。
本明細書において、架橋樹脂粒子(B)のガラス転移温度(Tg(絶対温度))は、下記式により算出される値である。
1/Tg=W/T+W/T+・・・W/T
[式中、W、W、・・・Wは各モノマーの質量分率であり、T、T・・・Tは各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(絶対温度)である。]
なお、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度は、POLYMER HANDBOOK Fourth Edition,J.Brandrup,E.h.Immergut,E.A.Grulke編(1999年)による値であり、該文献に記載されていないモノマーのガラス転移温度は、該モノマーのホモポリマーを重量平均分子量が5万程度になるようにして合成し、そのガラス転移温度を示差走査型熱分析により測定したときの値を使用する。
本発明のフィルムラミネート金属缶用接着剤において、架橋樹脂粒子(B)の量は、ハイソリッド化及び素材密着性の観点から、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)及び架橋樹脂粒子(B)の固形分総量に対して5〜50質量%であり、好ましくは5〜35質量%、さらに好ましくは5〜25質量%の範囲内である。
ポリイソシアネート化合物(C)
ポリイソシアネート化合物は、主として上記水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の硬化剤として使用するものである。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等の3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物の如き有機ポリイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した各有機ポリイソシアネート化合物同志が反応することにより得られるビュレット体、イソシアヌレート体、アロファネート体、ウレトジオン2量体等の多量体等を挙げることができる。
上記多量体は、通常、多量体及び未反応の単量体各成分の混合物である場合が多いが、ポリイソシアネート化合物の多量体を使用する場合、イソシアヌレート体等の3量体以上の多量体成分の他、ポリイソシアネート化合物中に、ウレトジオン2量体を、10〜80質量%、特に30〜80質量%の含有量で有するポリイソシアネート化合物を、加工部密着性等の観点から好適に使用することができる。
上記多量体のポリイソシアネートとしては、なかでもヘキサメチレンジイソシアネートを特に好適に使用することができる。
ポリイソシアネート化合物(C)の量は、塗装フィルム長期保存後の素材密着性の観点から、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)及び架橋樹脂粒子(B)が有する水酸基の総量に対するイソシアネート基の比率(NCO/OH比)が、0.5〜10、特に0.5〜5、さらに特に、0.8〜3の範囲内となる量であることが好ましい。
また、ポリイソシアネート化合物の硬化性を向上させるため硬化触媒を使用することもできる。硬化触媒としては、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、2−エチルヘキサン酸鉛等の有機金属触媒等を好適に使用することができる。
なお、本発明のフィルムラミネート金属缶用接着剤において、ブロック化ポリイソシアネート化合物を使用することもできる。
ブロック化ポリイソシアネート化合物は、上記ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロック化剤によってブロック化したものである。上記ブロック化剤としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール系;ε−カプロラクタム;δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムなどラクタム系;メタノール、エタノール、n−,i−又はt−ブチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコールなどのアルコール系;ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系などのブロック化剤を好適に使用することができる。上記ポリイソシアネート化合物と上記ブロック化剤とを混合することによって容易に上記ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロックすることができる。
本発明のフィルムラミネート金属缶用接着剤は、ポットライフの観点から、2液型とすることが好ましい。なお、経済性及び取り扱いやすさの観点から、ブロック化ポリイソシアネート化合物を使用して1液型とすることもできる。
ルチル型二酸化チタン(D)
ルチル型二酸化チタンは、本発明のフィルムラミネート金属缶用接着剤に白色の色を付け、ホワイトコートとしての機能を付与するための白色顔料である。
二酸化チタンは、結晶構造により、ルチル型、アナターゼ型及びブルッカイト型の3種類があるが、本発明のフィルムラミネート金属缶用接着剤においては、白度等の観点から、ルチル型二酸化チタンを好適に使用することができる。
また、ルチル型二酸化チタン(D)の屈折率は、白度の観点から、好ましくは2.0〜2.7であり、さらに好ましくは2.4〜2.7の範囲内である。ルチル型二酸化チタンの屈折率は、JIS K 0062に記載のアッベ屈折率計で測定した値である。
ルチル型二酸化チタン(D)の平均粒子径は、白度の観点から、200〜400nm、特に250〜350nmの範囲内であることが好ましい。
ルチル型二酸化チタン(D)の量は、白度の観点から、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)及び架橋樹脂粒子(B)の固形分総量に対して、100〜200質量%の範囲内であり、好ましくは100〜180質量%、さらに好ましくは130〜150質量%の範囲内である。
本発明の接着剤において、必要に応じて架橋樹脂粒子(B)以外の架橋樹脂粒子も使用することができる。
架橋樹脂粒子(B)以外の架橋樹脂粒子としては、例えば、架橋ポリウレタン樹脂粒子、架橋メラミン樹脂粒子、架橋ベンゾグアナミン樹脂粒子、架橋フェノール樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子等を挙げることができる。
架橋シリコーン樹脂粒子とは、一般的にシリコーンゴム、シリコーンレジンと呼称されるものであり、通常、常温で固体状である。
架橋ポリウレタン樹脂粒子は、水性媒体中に安定に分散されたウレタン系ポリマーの個々の粒子内が架橋された状態の樹脂粒子である。
架橋メラミン樹脂粒子、架橋ベンゾグアナミン樹脂粒子及び架橋フェノール樹脂粒子は、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂及びフェノール樹脂を懸濁下に硬化させることにより得ることができる。
架橋シリコーン樹脂粒子は、架橋シロキサン系樹脂を粒子状としたものである。シロキサン系の樹脂は、クロロシランの加水分解及び縮合によって製造することができる。
具体的には、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等のクロロシラン類を加水分解及び縮合することにより、架橋シロキサン系樹脂を得ることができる。
さらに、これらの架橋シロキサン系樹脂を過酸化ベンゾイル、過酸化−2、4−ジクロルベンゾイル、過酸化−p−クロルベンゾイル、過酸化ジキュミル、過酸化ジ−t−ブチル、2、5−ジメチル−2、5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の過酸化物により架橋させたり、ポリシロキサン化合物の末端にシラノール基を導入し、アルコキシシラン類と縮合架橋させたりすることによっても得ることができる。これらのうち、珪素原子1個あたりに有機基が2〜3個結合した架橋シロキサン系樹脂を好適に使用することができる。
架橋シロキサン系樹脂を粒子状とするには、例えば、架橋シロキサン系樹脂を機械的に微粉砕する方法や、特定の線状オルガノシロキサンブロックを含有する硬化性重合体または硬化性重合体組成物を噴霧状態で硬化させて球状粒子を得る方法(特開昭59−68333号公報に記載の方法)や、特定のアルキルトリアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物を、アンモニアまたはアミン類の水溶液中で、加水分解・縮合させて球状粒子とする方法(特開昭60−13813号公報に記載の方法)等により行なうことができる。
架橋樹脂粒子の形状は、特に限定されず、例えば、球状や楕円状、多角形状、無定形状等のいずれであってもよい。
架橋樹脂粒子の平均粒子径は、白度の観点から、好ましくは10〜500nmであり、さらに好ましくは20〜200nm、さらに特に好ましくは20〜100nmの範囲内である。
また、架橋樹脂粒子の屈折率は、白度の観点から、好ましくは1.4〜1.6であり、さらに好ましくは1.4〜1.5の範囲内である。
架橋樹脂粒子のガラス転移温度は、素材密着性、耐レトルト性の観点から、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは40〜100℃の範囲内である。
本発明の接着剤は、さらに必要に応じて着色顔料、添加剤(ブロッキング防止剤、潤滑性付与剤、消泡剤等)、有機溶剤等を添加することができる。
上記ブロッキング防止剤としては、体質顔料(例えば、シリカ微粉末、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー等)、(B)成分以外の有機微粒子(ナイロン微粒子、ポリオレフィン微粒子、アクリル樹脂微粒子、シリコーンゴム微粒子、ウレタン樹脂微粒子、フェノール樹脂微粒子、ポリ四弗化エチレン微粒子等)等を挙げることができる。
上記潤滑性付与剤は、接着剤表面に潤滑性を付与するために添加されるものであり、接着剤を塗布した積層フィルムをコイル状に円滑に巻き取るため、また、このコイルを解くときの接着剤層表面の傷付きを防止するため等の目的で添加されるものである。
潤滑性付与剤としては、例えば、脂肪酸エステルワックス;ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックス;ラノリン、蜜蝋等の動物系ワックス;カルナウバワックス、水蝋等の植物系ワックス;マイクロクリスタリンワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス等のワックス類を挙げることができる。
更に本発明のフィルムラミネート金属缶用接着剤は、必要に応じて、重合性不飽和二重結合を有するオリゴマー類を添加して、電子線硬化性を付与することができる。
上記重合性不飽和二重結合を有するオリゴマー類としては、市販品として例えば、アロニックスM−305(東亜合成社製)、アロニックスM−450(東亜合成社製)、EICA(第一工業製薬社製)、ライトアクリレートTMP−6EO−3A(共栄社製)等を挙げることができる。
本発明のフィルムラミネート金属缶用接着剤は、塗布粘度においても高固形分(ハイソリッド)とすることができることを特徴とするものである。
例えば、フィルムラミネート金属缶用接着剤は、ザーンカップNo.3で、通常14〜24秒、好ましくは15〜20秒にして塗布することができる。
本発明のフィルムラミネート金属缶用接着剤は、ザーンカップNo.3で15〜20秒の粘度(測定温度は20℃)で、45質量%以上、好ましくは48質量%以上の固形分濃度とすることができる。
フィルムラミネート金属缶の製造
本発明の接着剤は、通常、まずフィルム上に塗布される。フィルムとしては、ポリエステルフィルムを好適に使用することができる。接着剤の塗布は、ロールコータ方式、ダイコータ方式、グラビア方式、グラビアオフセット方式、スプレー塗装方式等の通常の塗装手段により行なうことができる。また、乾燥は通常、塗布液中の溶剤を揮散させる程度で行なわれ、フィルムをコイル状に巻き取ってもブロッキングを起こさないように通常、50〜180℃程度の温度で行なわれる。接着剤の塗布量は、乾燥皮膜重量として、色ムラ、隠蔽性等の点から、好ましくは20〜200mg/dm、さらに好ましくは50〜160mg/dmの範囲内である。
上記ポリエステルフィルムとしては、エステル反復単位の75〜100%がエチレンテレフタレート単位からなるものが好適である。エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位の酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸等を挙げることができる。ポリエステルフィルムは、インキや接着剤との付着性を向上させるために、その表面にコロナ放電処理等の表面処理が施されたものであってもよく、表面処理が施されたものが好ましい。ポリエステルフィルムの膜厚は、特に限定されるものではないが、通常、5〜30μm程度の膜厚のものを好適に使用することができる。
また、フィルムはインキ層を有していてもよい。該インキ層は、フィルム上に、例えばグラビア印刷法等によりインキを印刷し、必要に応じて、加熱、活性エネルギー線照射等によって溶剤の除去や硬化を行うことによって形成することができる。
ラミネート用フィルムの製造は、上記フィルム上(フィルムがインキ層を有する場合は、通常、インキ層面上)に、接着剤を塗布、乾燥して表面粘着性のない接着剤層を形成することによって得ることができる。この乾燥された接着剤層を有するフィルムは通常、コイル状に巻き取られる。
上記で得られたラミネート用フィルムのコイルを解いて金属板に貼合せることにより、フィルムラミネート金属板を得ることができる。
上記の貼合せに使用される金属板としては、例えば、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、鉄−亜鉛合金メッキ鋼板、亜鉛−アルミニウム合金メッキ鋼板、ニッケル−亜鉛合金メッキ鋼板、ニッケル−錫合金メッキ鋼板、ブリキ、クロムメッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ターンメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、ステンレススチール、ティンフリースチール、アルミニウム板、銅板、チタン板等の金属板素材;これらの金属板素材に化成処理、例えば、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化膜処理等を行った化成処理金属板を挙げることができる。また、本発明において、「金属板」としては、上記金属板素材、化成処理金属板又はプライマー塗装金属板等の平板状の金属板が、例えば缶胴等に成型加工された加工金属板も包含される。
前記接着剤層を有するラミネート用フィルムを上記金属板表面に貼合せる条件は、ラミネート用フィルムが劣化せず、フィルムと金属板とが十分に接着され、良好な外観のフィルムラミネート金属板が得られる限り特に限定されるものではない。
貼合せ条件の一例として、例えば、加熱ロールを用いる方法や金属板を予熱する方法などにより熱圧着時の金属板の温度を約120〜200℃とし、短時間(通常2秒間以下)で、金属板とラミネート用フィルムとを熱圧着してラミネートする方法を挙げることができる。平板状の金属板を用いる場合には、平板状の金属板の片面又は両面にラミネート用フィルムを加熱ラミネートすることができる。
上記フィルムラミネート金属板を切断し、成形加工することにより、フィルムラミネート金属缶を得ることができる。また、前記ラミネート用フィルムを成形された缶に直接ラミネートすることによってもフィルムラミネート金属缶を得ることができる。
フィルムラミネート金属缶は、例えば、飲料缶、食缶、雑缶、5ガロン缶等として、使用することができる。
以下、製造例、実施例及び比較例をあげて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は、これらにより限定されるものではない。各例において、「部」及び「%」は、特記しない限り、質量基準による。また、塗膜の膜厚は硬化塗膜に基づくものである。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)
下記表1に示す数平均分子量(Mn)、水酸基価(単位;mgKOH/g)(OHV)及びガラス転移温度(単位(℃))(Tg)を有するポリエステル樹脂A1〜A5を用いた。なお、ポリエステル樹脂A4及びA5は比較例用のポリエステル樹脂である。
Figure 2013199539
なお、ポリエステル樹脂A1はバイロンV600、ポリエステル樹脂A2はバイロンGK870、ポリエステル樹脂A3はバイロンGK810、ポリエステル樹脂A4はバイロンUR1400、ポリエステル樹脂A5はバイロンV220である(いずれも商品名、東洋紡社製)。
架橋樹脂粒子(B)
下記表2に示すモノマー組成の架橋樹脂粒子B1〜B11を用いた。1,6−ヘキサンジオールジアクリレートは、重合性不飽和結合間の部分構造中、各不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数は10である。アリルメタクリレートの該原子数は、前記不飽和モノマー(b1)で説示したが、3である。また、ジビニルベンゼンの該原子数は、2〜4である。なお、架橋樹脂粒子B10〜B11は、比較例用の架橋樹脂粒子である。
併せて各樹脂粒子の平均粒子径(nm)、屈折率及びガラス転移温度(℃)(前記架橋樹脂粒子(B)で説示した計算方法で算出された絶対温度の値を摂氏温度に変換)を表2に示す。
また、計算に使用した各モノマーの屈折率及びガラス転移温度(℃)の値も併せて表2に示した。
Figure 2013199539
接着剤の製造
実施例1〜17、比較例1〜8
後記表3及び表4に示す組成にて各接着剤No.1〜25を製造した。接着剤の製造に際しては、白色顔料である二酸化チタンの分散を行った。なお、接着剤No.18〜25は比較例用の接着剤である。
試験結果を併せて表3及び表4に示す。なお表3及び表4において、溶剤であるトルエン及びメチルエチルケトン以外の各成分の量は固形分質量である。
表中のTIPAQUE CR−95は、商品名、ルチル型二酸化チタン、テイカ社製であり、TITANIUM DIOXIDE BA−01−01は、商品名、アナターゼ型二酸化チタン(重慶新華化工社製)である。また、スミジュールN3300は、商品名であり、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート3量体(住化バイエルウレタン社製、固形分100%)である。また、デスモジュールN3400は、商品名であり、ヘキサメチレンジイソシアネートの多量体(多量体の成分比は、ウレトジオン2量体が37質量%、イソシアヌレート3量体(微量のウレトジオン3量体も含む)が28質量%、4量体以上が、35質量%である 住化バイエルウレタン社製、固形分100%)である。
また、接着剤の粘度につき、以下の方法で試験及び評価を行なった。
粘度:各接着剤の粘度をザーンカップNo.3(測定温度20℃)にて評価した。
◎:固形分48%で16秒以下である
○:固形分45%で16秒以下である
△:固形分40%で16秒未満である
×:固形分40%で16秒以上である
試験用ラミネート板の作成
上記実施例及び比較例で得た各接着剤を、厚さ10.5μm、幅200mmのPETフィルムに乾燥塗膜重量が90mg/dmとなるように塗装し、溶剤を蒸発乾燥してラミネート用フィルムを得た。得られた各ラミネート用フィルムを25℃で72時間以上養生した後、塗膜層面を190℃に予熱したティンフリースチール板と重ね、190℃の熱ロールを用いて圧力30kg/cm、速度50m/分にて熱圧着して各PETラミネート金属板を得た。
得られた各PETラミネート金属板について下記試験項目につき、下記試験方法にて試験を行ない評価した。試験結果を併せて後記表3及び表4に示す。
外観(白度):PETラミネート金属板のPETフィルム面側の外観(白度)を色差計にてL*値を測定して評価した。
◎:L値が81.5以上
○:L値が80.5以上で、81.5未満
△:L値が79.5以上で、80.5未満
×:L値が79.5未満
塗料貯蔵後の外観(白度):20℃で1週間貯蔵した各接着剤について、同様の方法でPETラミネート金属板を作成し、外観(白度)を色差計にてL*値を測定して評価した。
◎:L値が81.5以上
○:L値が80.5以上で、81.5未満
△:L値が79.5以上で、80.5未満
×:L値が79.5未満
素材密着性(焼付前):PETラミネート金属板のPETフィルムのピール強度を引っ張り試験機で測定し、下記基準により評価した。
◎:ピール強度が150g/3cm巾以上である。
○:ピール強度が100g/3cm巾以上で、かつ、150g/3cm巾未満である。
△:ピール強度が50g/3cm巾以上で、かつ、100g/3cm巾未満である。
×:ピール強度が50g/3cm巾未満である。
長期貯蔵後素材密着性(焼付前):25℃で168時間以上養生(エージング)した接着剤塗装PETフィルムをラミネートした各PETラミネート金属板のPETフィルムのピール強度を引っ張り試験機で測定し、下記基準により評価した。
◎:ピール強度が150g/3cm巾以上である
○:ピール強度が100g/3cm巾以上で、かつ、150g/3cm巾未満である
△:ピール強度が50g/3cm巾以上で、かつ、100g/3cm巾未満である
×:ピール強度が50g/3cm巾未満である
試験用ラミネート板(焼付板)の作成
上記の各PETラミネート金属板について、さらに190℃で60秒間焼付を行ない、塗膜層(接着剤層)を硬化させたPETラミネート焼付金属板を得た。
加工部密着性(レトルト後):PETラミネート焼付金属板を裏側からエリクセン試験機を用いてハット加工を行った試験片について、125℃で30分間レトルト処理し、PETフィルムの接着状態を下記基準により評価した。
◎:12mm高さでPETフィルムが剥離しない
○:9mm高さでPETフィルムが剥離しない
△:6mm高さでPETフィルムが剥離しない
×:6mm高さでPETフィルムが剥離する
加工部密着性・高加工(レトルト後):PETラミネート焼付金属板を裏側からエリクセン試験機を用いて、15mm高さでハット加工を行った試験片について、125℃で30分間レトルト処理し、PETフィルムの接着状態を下記基準により評価した。
◎:PETフィルムが剥離しない
○:PETフィルムが1/2未満剥離する
△:PETフィルムが1/2以上剥離する
×:PETフィルムが全周で剥離する
Figure 2013199539
Figure 2013199539

Claims (4)

  1. (A)数平均分子量が5000〜30000、水酸基価が1〜40mgKOH/gの範囲内である水酸基含有ポリエステル樹脂、
    (B)モノマー成分の総量を基準にして、
    重合性不飽和結合間の部分構造中、各重合性不飽和結合部を結合する最短の原子鎖中の原子数が、5以下である構造を有し、重合性不飽和基を2つ以上有する重合性不飽和モノマー(b1)0.1〜50質量%、及びその他の重合性不飽和モノマー(b2)50〜99.9質量%であり、かつ、ベンゼン環含有重合性不飽和モノマーの含有量が、0〜50質量%の組成のモノマー成分を共重合することにより得られる平均粒子径が10〜500nmである架橋樹脂粒子、
    (C)ポリイソシアネート化合物及び(D)ルチル型二酸化チタンを含有するフィルムラミネート金属缶用接着剤であって、
    水酸基含有ポリエステル樹脂(A)及び架橋樹脂粒子(B)の固形分総量に対して、
    架橋樹脂粒子(B)の量が、5〜50質量%の範囲内であり、
    ルチル型二酸化チタン(D)の量が、100〜200質量%の範囲内であるフィルムラミネート金属缶用接着剤。
  2. (B)架橋樹脂粒子を構成するモノマー成分が、アリル基及び(メタ)アクリロイル基を併有する重合性不飽和モノマー(b1−1)を含有する、請求項1に記載のフィルムラミネート金属缶用接着剤。
  3. (B)架橋樹脂粒子を構成するモノマー成分が、アルキル基の炭素数が4〜24であるアルキル(メタ)アクリレート(b2−1)を含有する、請求項1又は2に記載のフィルムラミネート金属缶用接着剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤を用いて金属缶の外面となる側にフィルムをラミネートしてなることを特徴とするフィルムラミネート金属缶。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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