JP2013199525A - 共重合ポリエステル樹脂及び樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子構造中に反応性基(x)を有し、融点が45〜100℃の範囲にある結晶性ポリエステル樹脂(A)、分子構造中に反応性基(y)を有し、ガラス転移温度が45〜100℃の範囲にある非晶性ポリエステル樹脂(B)、及び、分子構造中に前記反応性基(x)と反応し得る反応性基(x’)と、前記反応性基(y)と反応し得る反応性基(y’)とを有する化合物(C)を必須の成分として反応させて得られることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
【選択図】なし
Description
本発明で用いる結晶性ポリエステル樹脂(A)は、前述の通り結晶性を有するものであり、具体的には、樹脂骨格中の規則的配列構造に由来するラメラ結晶型や球晶型などの結晶構造を有するものである。このような結晶性ポリエステル樹脂は、示差走査熱量分析(DSC)において、結晶構造が熱により融解する際に発生する単独または複数の結晶融解熱に由来する吸熱ピークを有することを特徴とする。
測定装置 ;セイコーインスツル株式会社製 DSC−220C
試料:アルミ容器に試料を10mg程度入れ、蓋をする。
データ処理;EXSTAR6000 PCステーション
測定条件 ;1.20℃から150℃まで昇温(10℃/min)
2.150℃にて10分間保持
3.150℃から0℃まで降温(10℃/min)
4.0℃にて10分間保持
5.0℃から150℃まで昇温(10℃/min)
解析 ;5の測定結果において、吸熱ピークが最大となる温度を融点(Tm)とする。
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN HXL−H
+東ソー株式会社製 TSK−GEL G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSK−GEL G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSK−GEL G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSK−GEL G2000HXL
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製 A−500、F−2、F−20、F−80、F−288、A−2500、F−10、F−40、F−128、F−380)を用いて検量線を作成した。
試料 ;樹脂固形分換算で0.5質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
本発明で用いる非晶性ポリエステル樹脂(B)は、前述の通り非晶性を有するものであり、具体的には、低温環境下では分子運動性が低く流動性のないガラス状態であるが、温度が上がると分子運動性が大きくなり、剛性と粘度が低下して流動性を増したゴム状態となる性質を有するものである。このとき、ガラス状態からゴム状態に転移する温度をガラス転移温度(Tg)と言う。
測定装置 ;セイコーインスツル株式会社製 DSC−220C
試料:アルミ容器に試料を10mg程度入れ、蓋をする。
データ処理;EXSTAR6000 PCステーション
測定条件 ;1.20℃から150℃まで昇温(10℃/min)
2.150℃にて10分間保持
3.150℃から0℃まで降温(10℃/min)
4.0℃にて10分間保持
5.0℃から150℃まで昇温(10℃/min)
解析 ;5の測定結果において、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点をガラス転移温度(Tg)とする。
測定装置 ;セイコーインスツル株式会社製 DSC−220C
試料:アルミ容器に試料を10mg程度入れ、蓋をする。
データ処理;EXSTAR6000 PCステーション
測定条件 ;1.20℃から150℃まで昇温(10℃/min)
2.150℃にて10分間保持
3.150℃から0℃まで降温(10℃/min)
4.0℃にて10分間保持
5.0℃から150℃まで昇温(10℃/min)
解析 ;5.の測定結果において、そのチャートが吸熱ピークを有するときは吸熱ピークが最大となる温度を融点とし、ガラス転移に由来する階段状変化を有するときは低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点をガラス転移温度とする。
本発明の実施例では、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN HXL−H
+東ソー株式会社製 TSK−GEL G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSK−GEL G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSK−GEL G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSK−GEL G2000HXL
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製 A−500、F−2、F−20、F−80、F−288、A−2500、F−10、F−40、F−128、F−380)を用いて検量線を作成した。
試料 ;樹脂固形分換算で0.5質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
本発明の実施例では融点を以下の条件で測定した。
測定装置 ;セイコーインスツル株式会社製 DSC−220C
試料:アルミ容器に試料を10mg程度入れ、蓋をする。
データ処理;EXSTAR6000 PCステーション
測定条件 ;1.20℃から150℃まで昇温(10℃/min)
2.150℃にて10分間保持
3.150℃から0℃まで降温(10℃/min)
4.0℃にて10分間保持
5.0℃から150℃まで昇温(10℃/min)
解析 ;5.の測定結果において、吸熱ピークが最大となる温度を融点とした。
本発明の実施例では、ガラス転移温度(Tg)を以下の条件で測定した。
測定装置 ;セイコーインスツル株式会社製 DSC−220C
試料:アルミ容器に試料を10mg程度入れ、蓋をする。
データ処理;EXSTAR6000 PCステーション
測定条件 ;1.20℃から150℃まで昇温(10℃/min)
2.150℃にて10分間保持
3.150℃から0℃まで降温(10℃/min)
4.0℃にて10分間保持
5.0℃から150℃まで昇温(10℃/min)
解析 ;5.の測定結果において、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点をガラス転移温度とした。
結晶性ポリエステル樹脂(A−1)の製造
アジピン酸2443.70g、1,4−ブタンジオール1646.75、及び重合触媒としてテトライソプロピルチタネート2.05gをガラス製5リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し、220℃にて10時間反応させて、結晶性ポリエステル樹脂(A−1)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(A−1)は、常温固体で、酸価が10mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が1,600、重量平均分子量(Mw)が3,100、示差走査熱量分析(DSC)法による融点(Tm)が50℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂(A−2)の製造
アジピン酸2115.40g、1,6−ヘキサンジオール1894.20g、及び重合触媒としてテトライソプロピルチタネート2.00gをガラス製5リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し、220℃にて10時間反応させて、結晶性ポリエステル樹脂(A−2)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(A−2)は、常温固体で、酸価が9mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が1,700、重量平均分子量(Mw)が3,300、示差走査熱量分析(DSC)法による融点(Tm)が60℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂(A−3)の製造
アジピン酸2245.25g、1,6−ヘキサンジオール1555.75g、及び重合触媒としてテトライソプロピルチタネート1.90gをガラス製5リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し、220℃にて16時間反応させて、結晶性ポリエステル樹脂(A−3)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(A−3)は、常温固体で、酸価が10mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が7,500、重量平均分子量(Mw)が14,800、示差走査熱量分析(DSC)法による融点(Tm)が62℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂(A−4)の製造
テトラデカン二酸2280.25g、1,10−デカンジオール1533.30g、及び重合触媒としてテトライソプロピルチタネート1.91gをガラス製5リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し、220℃にて10時間反応させた後、10mmHgの減圧下で4時間反応させて、結晶性ポリエステル樹脂(A−4)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(A−4)は、常温固体で、酸価が10mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が12,400、重量平均分子量(Mw)が24,700、示差走査熱量分析(DSC)法による融点(Tm)が72℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂(A−5)の製造
テトラデカン二酸2268.00g、1,10−デカンジオール1503.95g、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔DIC(株)製「エピクロンN−660」1分子中の平均官能基数4個、数平均分子量(Mn)900〕30.45g、及び重合触媒としてテトライソプロピルチタネート1.90gをガラス製5リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し、220℃にて16時間反応させて、結晶性ポリエステル樹脂(A−5)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(A−5)は、常温固体で、酸価が10mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が6,800、重量平均分子量(Mw)が120,400、示差走査熱量分析(DSC)法による融点(Tm)が75℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂(A−6)の製造
オクタデカン二酸1947.05g、1,18−オクタデカンジオール1732.50g、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔DIC(株)製「エピクロンN−660」1分子中の平均官能基数4個、数平均分子量(Mn)900〕29.75gおよび重合触媒としてテトライソプロピルチタネート1.85gをガラス製5リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し、220℃にて16時間反応させて、結晶性ポリエステル樹脂(A−6)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(A−6)は、常温固体で、酸価が11mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が6,700、重量平均分子量(Mw)が119,600、示差走査熱量分析(DSC)法による融点(Tm)が90℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂(A−7)の製造
セバシン酸2494.10g、1,6−ヘキサンジオール1438.50g、及び重合触媒としてテトライソプロピルチタネート1.97gをガラス製5リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し、220℃にて16時間反応させて、結晶性ポリエステル樹脂(A−7)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(A−7)は、常温固体で、酸価が10mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が6,700、重量平均分子量(Mw)が15,100、示差走査熱量分析(DSC)法による融点(Tm)が62℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂(A−8)の製造
テレフタル酸2079.00g、1,8−オクタンジオール1860.60g、及び重合触媒としてテトライソプロピルチタネート1.97gをガラス製5リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し、240℃にて12時間反応させて、結晶性ポリエステル樹脂(A−8)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂(A−8)は、常温固体で、酸価が10mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が3,700、重量平均分子量(Mw)が8,100で、示差走査熱量分析(DSC)法による融点(Tm)が169℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂(B−1)の製造
エチレングリコール515.20g、ネオペンチルグリコール865.90g、テレフタル酸2627.45g、アジピン酸28.35g、安息香酸28.35g、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔DIC(株)製「エピクロンN−660」1分子中の平均官能基数4個、数平均分子量(Mn)900〕4.20gおよび重合触媒としてテトライソプロピルチタネート2.03gをガラス製5リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し、245℃にて12時間反応させて、非晶性ポリエステル樹脂(B−1)を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂(B−1)は、常温固体で、酸価が10mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が2,900、重量平均分子量(Mw)が6,000、示差走査熱量分析(DSC)法によるガラス転移点(Tg)が50℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂(B−2)の製造
エチレングリコール513.10g、ネオペンチルグリコール862.40g、テレフタル酸2660.00g、パラターシャリブチル安息香酸28.35g、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔DIC(株)製「エピクロンN−660」1分子中の平均官能基数4個、数平均分子量(Mn)900〕4.20gおよび重合触媒としてテトライソプロピルチタネート2.03gをガラス製5リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し、245℃にて12時間反応させて、非晶性ポリエステル樹脂(B−2)を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂(B−2)は、常温固体で、酸価が10mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が3,000、重量平均分子量(Mw)が6,400、示差走査熱量分析(DSC)法によるガラス転移点(Tg)が60℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂(B−3)の製造
エチレングリコール487.55g、ネオペンチルグリコール819.00g、テレフタル酸2532.60g、安息香酸203.35g、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔DIC(株)製「エピクロンN−660」1分子中の平均官能基数4個、数平均分子量(Mn)900〕24.50gおよび重合触媒としてテトライソプロピルチタネート2.03gをガラス製5リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し、245℃にて14時間反応させて、非晶性ポリエステル樹脂(B−3)を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂(B−3)は、常温固体で、酸価が11mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が3,300、重量平均分子量(Mw)が14,500、示差走査熱量分析(DSC)法によるガラス転移点(Tg)が60℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂(B−4)の製造
エチレングリコール473.20g、ネオペンチルグリコール795.20g、テレフタル酸2399.25g、安息香酸324.10g、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔DIC(株)製「エピクロンN−660」1分子中の平均官能基数4個、数平均分子量(Mn)900〕60.90gおよび重合触媒としてテトライソプロピルチタネート2.03gをガラス製5リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し、245℃にて18時間反応させて、非晶性ポリエステル樹脂(B−4)を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂(B−4)は、常温固体で、酸価が11mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が2,400、重量平均分子量(Mw)が128,800、示差走査熱量分析(DSC)法によるガラス転移点(Tg)が70℃であった。
共重合ポリエステル樹脂(1)の製造
前記製造例1で得た結晶性ポリエステル樹脂(A−1)750gと、前記製造例9で得た非晶性ポリエステル樹脂(B−1)750gとをガラス製3リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し130℃にて1時間攪拌した。次いで、ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピクロン850〔DIC(株)製「エピクロン850」1分子中の平均官能基数2個、数平均分子量(Mn)380〕30.32g、及びトリフェニルホスフィン3.00gを投入して3時間反応させ、共重合ポリエステル樹脂(1)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂(1)は、酸価が6mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が9,200、示差走査熱量分析(DSC)法による融点(Tm)が49℃であった。
共重合ポリエステル樹脂(2)〜(21)の製造
結晶性ポリエステル樹脂(A)と非晶性ポリエステル樹脂(B)の種類及び使用量を、表1〜3に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして共重合ポリエステル樹脂(2)〜(21)を得た。
電子写真トナー(1)の製造
得られた共重合ポリエステル樹脂(1)89質量部、マゼンタ顔料(クラリアントジャパン製「パーマネントルビンF6B」)7質量部、負帯電制御剤(オリエント化学工業社製「E−84」)2質量部、カルナバワックス(加藤洋行輸入品「精製カルナバワックス1号粉末」)2部をヘンシェルミキサーで混合した後、更に2軸混練機で混合し、電子写真トナー用樹脂組成物(1)を得た。この組成物を粉砕及び分級して、体積平均粒径8.1μmのトナー原体(1)を得、次いで、該トナー原体(1)100重量部と、疎水性シリカ(日本アエロジル製「シリカRY−200」)2質量部とを、ヘンシェルミキサーで混合した後、篩かけをして、電子写真トナー(1)を得た。
得られた電子写真トナー(1)について、以下の各種評価試験を行った。結果を表1に示す。
前記電子写真トナー(1)97質量部と、シリコンコートフェライトキャリア(パウダーテック社製)3質量部とを混合して現像剤を調整し、二成分現像方式複写機にて画出した未定着印刷紙を、90mm/secのスピードで複写機(リコー社製「イマジオDA−250」)のオイルレス型ヒートロールに通してベタ印刷を行った。ヒートロールの設定温度を120℃から140℃まで5℃刻みで変化させ、それぞれの温度について印刷した。次いで、ベタ印刷部分に堅牢度試験を行い、堅牢度試験前後の画像濃度をマクベス濃度計(グレタグマクベス社製「RD−918」)で測定して、試験前の値に対する試験後の濃度値の比率が80%以上となる温度を定着開始温度とした。この温度が低いほど低温定着性の良好な電子写真用トナーである。低温定着性の評価基準は下記の通りとした。尚、堅牢度試験は学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社社製「AB−301」)を用い、荷重200g、擦り操作5ストロークの条件で行った。
◎;定着開始温度が125℃未満の場合
○;定着開始温度が125℃以上、130℃未満の場合
△;定着開始温度が130℃以上、140℃未満の場合
×;定着開始温度が140℃以上の場合
前記電子写真トナー(1)97質量部と、シリコンコートフェライトキャリア(パウダーテック社製)3質量部とを混合して現像剤を調整し、二成分現像方式複写機にて画出した未定着印刷紙を、90mm/secのスピードで複写機(リコー社製「イマジオDA−250」)のオイルレス型ヒートロールに通してベタ印刷を行った。ヒートロールの設定温度を150℃から210℃まで5℃刻みで変化させ、それぞれの温度について印刷し、ベタ印刷部分が再び同じ用紙にオフセットしたことが目視で確認できる最低の温度をオフセット開始温度とした。この温度が高いほど耐オフセット性が良好であることを示す。
◎;オフセット開始温度が210℃以上の場合
○;オフセット開始温度が180℃以上、210℃未満の場合
△;オフセット開始温度が160℃以上、180℃未満の場合
×;オフセット開始温度が160℃未満の場合
前記電子写真トナー(1)97質量部と、シリコンコートフェライトキャリア(パウダーテック社製)3質量部とを混合して調整した現像剤を100mlのポリ容器にいれ、ターブラシェイカーミキサーを用いて混合した。混合時間を1分間、10分間、30分間、60分間としたサンプルをそれぞれ用意し、現像剤の帯電量を帯電量測定機器(トレックジャパン社製「210HSー2Aブローオフ帯電量測定機」)を用いて測定した。4つのサンプルの帯電量の平均値を計算し、電子写真トナー(1)の帯電性を以下の基準で評価した。
◎:帯電量の平均値が−45μC/g以上
○:帯電量の平均値が−40μC/g以上、−45μC/g未満
△:帯電量の平均値が−35μC/g以上、−40μC/g未満
×:帯電量の平均値が−30μC/g以上、−35μC/g未満
××:帯電量の平均値が−30μC/g未満
前記電子写真トナー(1)97質量部と、シリコンコートフェライトキャリア(パウダーテック社製)3質量部とを混合して調整した現像剤を100mlのポリ容器にいれ、ターブラシェイカーミキサーを用いて混合した。混合時間を1分間、10分間、30分間、60分間としたサンプルをそれぞれ用意し、現像剤の帯電量を帯電量測定機器(トレックジャパン社製「210HSー2Aブローオフ帯電量測定機」)を用いて測定した。4つのサンプルのうち、帯電量が最大であったものと、最小であったものとの帯電量の差を計算し、電子写真トナー(1)の帯電安定性を以下の基準で評価した。
◎:最大帯電量と最小帯電量の差が−3μC/g未満
○:最大帯電量と最小帯電量の差が−3μC/g以上、−6μC/g未満
△:最大帯電量と最小帯電量の差が−6μC/g以上、−9μC/g未満
×:最大帯電量と最小帯電量の差が−9μC/g以上、−12μC/g未満
前記電子写真トナー(1)97質量部と、シリコンコートフェライトキャリア(パウダーテック社製)3質量部とを混合して現像剤を調整し、二成分現像方式複写機にて画出しした未定着印刷紙を、90mm/secのスピードで複写機(リコー社製「イマジオDA−250」)のオイルレス型ヒートロールに通してベタ印刷を行った。ヒートロールの設定温度は160℃とした。得られたベタ印刷面の光沢を、グロスメーター(日本電色工業社製)を用いて投受光角60°の条件で測定し、下記基準に従って評価した。
◎:数値が9以上
○:数値が7以上、9未満
△:数値が5以上、7未満
×:数値が3以上、5未満
前記電子写真トナー(1)97質量部と、シリコンコートフェライトキャリア(パウダーテック社製)3質量部とを混合して現像剤を調整し、二成分現像方式複写機にて、現像剤の付着量が0.8mg/cm2となる条件で画出しした未定着印刷紙を、90mm/secのスピードで複写機(リコー社製「イマジオDA−250」)のオイルレス型ヒートロールに通してベタ印刷を行った。ヒートロールの設定温度は160℃とした。得られたベタ印刷面の彩度(C*)を、カラーメーター(日本電色工業製「Spectro Color Meter SE2000」)にて測定し、下記標準に従って評価した。
◎:彩度(C*)が68以上
○:彩度(C*)が65〜68
△:彩度(C*)が62〜65
×:彩度(C*)が62以下
共重合ポリエステル樹脂(1)に替えて、共重合ポリエステル樹脂(2)〜(21)を用いた以外は、応用例1と同様にして電子写真トナー(2)〜(21)を得、実施例22と同様の評価を行った。評価結果を表1〜3に示す。
共重合ポリエステル樹脂(1’)の製造
前記製造例7で得た結晶性ポリエステル樹脂(A−7)900gと、前記製造例8で得た結晶性ポリエステル樹脂(A−8)600gとをガラス製3リットルの四つ口フラスコに入れ、常圧窒素気流下にて徐々に昇温し130℃にて1時間攪拌した。次いで、ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピクロン850〔DIC(株)製「エピクロン850」1分子中の平均官能基数2個、数平均分子量(Mn)380〕30.32g、及びトリフェニルホスフィン3.00gを投入して3時間反応させ、共重合ポリエステル樹脂(1’)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂(1)は、酸価が5mgKOH/g、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が25,600、示差走査熱量分析(DSC)法による融点(Tm)が64℃であった。
電子写真トナー(1’)の製造及び評価
共重合ポリエステル樹脂(1)に替えて、共重合ポリエステル樹脂(1’)を用いた以外は、実施例22と同様にして電子写真トナー(1’)を得、実施例22と同様の評価を行った。評価結果を表3に示す。
Claims (8)
- 分子構造中に反応性基(x)を有し、融点が45〜100℃の範囲にある結晶性ポリエステル樹脂(A)、分子構造中に反応性基(y)を有し、ガラス転移温度が45〜100℃の範囲にある非晶性ポリエステル樹脂(B)、及び、分子構造中に前記反応性基(x)と反応し得る反応性基(x’)と、前記反応性基(y)と反応し得る反応性基(y’)とを有する化合物(C)を必須の成分として反応させて得られることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂(A)が、炭素原子数が6〜18の範囲である脂肪族二塩基酸と、炭素原子数が4〜18の範囲である直鎖のアルキレンジオールとを必須の成分として反応させて得られるものである請求項1記載の共重合ポリエステル樹脂。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂(A)が、炭素原子数が6〜18の範囲である脂肪族二塩基酸と、炭素原子数が4〜18の範囲である直鎖のアルキレンジオールと、多官能エポキシ化合物(a3)とを必須の成分として反応させて得られるものである請求項2記載の共重合ポリエステル樹脂。
- 前記非晶性ポリエステル樹脂(B)が、芳香族ジカルボン酸、芳香族モノカルボン酸(b4)、ジオール(b2)及び多官能エポキシ化合物(b3)を必須の成分として反応させて得られるものである請求項1記載の共重合ポリエステル樹脂。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂(A)が有する反応性基(x)、及び前記非晶性ポリエステル樹脂(B)が有する反応性基(y)が共にカルボキシル基であり、前記化合物(C)が有する反応性基(x’)、及び反応性基(y’)が共にエポキシ基である請求項1記載の共重合ポリエステル樹脂。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂(A)と、前記非晶性ポリエステル樹脂(B)とを、これらの質量比[(A)/(B)]が30/70〜70/30の範囲となる割合で用いる請求項1記載の共重合ポリエステル樹脂。
- 前記化合物(C)を、前記結晶性ポリエステル樹脂(A)と、前記非晶性ポリエステル樹脂(B)との合計100質量部に対し、0.1〜5.0質量部の範囲となる割合で用いる請求項1記載の共重合ポリエステル樹脂。
- 請求項1〜7記載の共重合ポリエステル樹脂と、着色剤とを含有する樹脂組成物。
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