JP2013198880A - 粒子の製造方法、トナー、現像剤、及び画像形成装置 - Google Patents

粒子の製造方法、トナー、現像剤、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 溶融樹脂と液化二酸化炭素とを混合して得られた溶融体をノズルより排出させた場合、排出された溶融体は急激に冷却される。これにより、溶融体は、粒子化する前の繊維状の状態や合着した状態で固化するため、繊維状の生成物等の発生により粒子の回収率が低下するという課題が生じる。
【解決手段】 本発明の粒子の製造方法によると、窒素を含む第2の圧縮性流体を供給しつつ溶融体を噴射する。第2の圧縮性流体に窒素を含むことで、溶融体を噴射させたときの圧力変化に伴う、ジュール・トムソン効果による温度の低下を緩和できる。これにより、噴射させた溶融体が粒子化する前の状態で固化することを抑制できるので、粒子の回収率が向上するという効果を奏する。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧縮性流体を用いた粒子の製造方法に関する。
従来、樹脂をその物性に基づいて加工することにより各種の粒子状の製品が製造されている。例えば、樹脂及び添加剤からなる組成物を溶融混練し、冷却、固化、粉砕し、分級することにより、粉体の一例としてのトナーを製造する方法が知られている(特許文献1参照)。ところが、この方法によりトナーを製造した場合、粉砕によって発生した微粉がトナーに混入し、帯電性、定着性、耐熱保存性等のトナーの基本特性が低下するという問題があった。
樹脂等を粉砕せずにトナーを製造する方法としては、着色樹脂溶液を乳化分散させる方法が知られている(特許文献2参照)。この方法によると、ポリエステル系樹脂、着色剤および非水溶性有機溶剤からなる着色樹脂溶液を水中に乳化分散させてO/W型エマルジョンを形成し、次いで有機溶剤を除去することにより着色樹脂粒子を形成し、これを凝集させてトナー粒子を得る。ところが、この方法によってトナーを製造する場合、有機溶剤を用いることから、環境への負荷が大きくなるという問題があった。
有機溶剤を用いずにトナーを製造する方法としては、液化二酸化炭素を用いた方法が提案されている(特許文献3参照)。この方法によると、ポリエステルの溶融樹脂と液化二酸化炭素とをスタティックミキサーで混合し、得られた混合物を、スタティックミキサー先端部に装着したノズルより大気圧、20℃の雰囲気下に排出し、減圧膨張させることによりトナーを製造する。
しかしながら、溶融樹脂と液化二酸化炭素とを混合して得られた混合物としての溶融体をノズルより排出させた場合、排出された溶融体は急激に冷却される。これにより、溶融体は、粒子化する前の繊維状の状態や合着した状態で固化するため、繊維状の生成物等の発生により粒子の回収率が低下するという課題が生じる。
請求項1に係る発明は、第1の圧縮性流体と圧可塑性材料とを接触させて、前記圧可塑性材料を溶融させる溶融工程と、前記圧可塑性材料を溶融させて得られた溶融体に窒素を含む第2の圧縮性流体を供給しつつ、前記溶融体を噴射して造粒する造粒工程と、を有することを特徴とする粒子の製造方法である。
以上説明したように、本発明の粒子の製造方法によると、窒素を含む第2の圧縮性流体を供給しつつ溶融体を噴射する。第2の圧縮性流体に窒素を含むことで、溶融体を噴射させたときの圧力変化に伴う、ジュール・トムソン効果による温度の低下を緩和できる。これにより、噴射させた溶融体が粒子化する前の状態で固化することを抑制できるので、粒子の回収率が向上するという効果を奏する。
圧可塑性材料のガラス転移温度(縦軸)と圧力(横軸)との関係を示す図である。 温度と圧力に対する物質の状態を示す一般的な相図である。 圧縮性流体の範囲を定義するための相図である。 粒子製造装置の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。 粒子製造装置の一例を示す模式図である。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態の粒子の製造方法では、第1の圧縮性流体と圧可塑性材料とを接触させて、圧可塑性材料を溶融させ、得られた溶融体に第2の圧縮性流体を供給しつつ、溶融体を噴射して造粒する。なお、本実施形態において、「溶融」とは、圧可塑性材料などの原材料が圧縮性流体と接触することで、膨潤しつつ可塑化、液状化した状態を意味する。また、本実施形態において、原材料とは、粒子を製造するもとになる材料であって、粒子の構成成分となる材料を意味する。
<<原材料>>
まず、本実施形態の製造方法で用いられる圧可塑性材料などの原材料について説明する。
<圧可塑性材料>
まず、図1を用いて圧可塑性材料について説明する。図1は、圧可塑性材料のガラス転移温度(縦軸)と圧力(横軸)との関係を示す図である。本実施形態において、圧可塑性材料とは、圧力を加えることによりガラス転移温度(Tg)が低下する性質を有する材料であり、より具体的には、熱を加えなくても圧力を加えることにより可塑化する材料を意味する。圧可塑性材料は、例えば、圧縮性流体と接触させることによって圧力が加えられると、圧可塑性材料の大気圧でのガラス転移温度より低い温度で可塑化する。
図1は、二酸化炭素の存在下、圧可塑性材料の一例としてのポリスチレンのガラス転移温度(縦軸)と圧力(横軸)との関係を示す。図1に示したように、ポリスチレンのガラス転移温度と圧力とは相関関係があり、その傾きは負である。ポリスチレンのように、加えられる圧力に対するガラス転移温度の変化の傾きが負となる材料は、圧可塑性材料と言うことができる。この傾きは、圧可塑性材料の種類、組成、分子量などによって異なる。この傾きは、例えば、ポリスチレンの場合−9℃/MPa、スチレン−アクリル樹脂の場合−9℃/MPa、非晶質性ポリエステル樹脂の場合−8℃/MPa、結晶性ポリエステルの場合−2℃/MPa、ポリオール樹脂の場合−8℃/MPa、ウレタン樹脂の場合−7℃/MPa、ポリアリレート樹脂の場合−11℃/MPa、ポリカーボネート樹脂の場合、−10℃/MPaであった。なお、この傾きは、SETARAM社製C−80高圧熱量計装置を使用して、圧力を変えてガラス転移温度を測定したときの測定結果に基づいて決定することができる。この場合、高圧測定セルにサンプルをセットし、セル内を二酸化炭素で置換した後、所定圧力に加圧してガラス転移温度を測定することができる。また、傾きは、圧力を大気圧(0.1MPa)から10MPaまで変化させたときのガラス転移温度の変化量に基づいて決定することができる。
圧力に対するガラス転移温度の変化の傾きは、−1℃/MPa以下であることが好ましく、−5℃/MPa以下であることがより好ましく、−10℃/MPa以下であることがさらに好ましいが、傾きの下限に制限はない。また、この傾きが−1℃/MPaより大きい場合には、熱を加えずに圧力を加えたときに可塑化が不充分となり、溶融体を低粘度化できないので、造粒が困難になる場合がある。また、圧可塑性材料としては、30MPa以下の条件化で粘度が500mPa・s以下であるものが好ましい。なお、この場合、圧可塑性材料に、常圧での融点以下の熱を加えて、30MPa以下の条件化で粘度が500mPa・s以下としても良い。
圧可塑性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ロジン、変性ロジン、テルベン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、変性ポリエステル、未変性ポリエステル、非晶質性ポリエステル、結晶性ポリエステル、などが挙げられる。
ポリオール樹脂としては、エポキシ骨格を有するポリエーテルポリオール樹脂が用いられ、(i)エポキシ樹脂、(ii)2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテル、(iii)エポキシ基と反応する活性水素を有する化合物を反応させ得られるポリオール樹脂等が好適に用いられる。ビニル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルメチルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、ブタジエン等の単量体の重合体、又は、これらの単量体の2種類以上からなる共重合体、或いはそれらの混合物などが挙げられる。
<その他の原材料>
本実施形態の製造方法では、上記の圧可塑性樹脂の他、製造される粒子の特性や加工性等に応じてその他の原材料を併用することができる。以下、本実施形態によって製造される粒子がトナーであることを想定して、着色剤、界面活性剤、分散剤、離型剤、帯電制御剤、結晶性ポリエステルなどの原材料について説明する。
(着色剤)
着色剤としては、特に制限はなく、公知の顔料及び染料の中から目的に応じて適宜選択することができる。これらの着色剤の添加量は、特に制限はなく、着色度に応じて適宜選択することができるが、圧可塑性材料100質量部に対し1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。
染料としては、例えば、C.I.SOLVENT YELLOW(6,9,17,31,35,100,102,103,105)、C.I.SOLVENT ORANGE(2,7,13,14,66)、C.I.SOLVENT RED(5,16,17,18,19,22,23,143.145,146,149,150,151,157,158)、C.I.SOLVENT VIOLET(31,32,33,37)、C.I.SOLVENT BLUE(22,63,78,83〜86,191,194,195,104)、C.I.SOLVENT GREEN(24,25)、C.I.SOLVENT BROWN(3,9)などが挙げられる。また、市販の染料としては、保土ケ谷化学社製の愛染SOT染料Yellow−1,3,4、Orange−1,2,3、Scarlet−1、Red−1,2,3、Brown−2、Blue−1,2、Violet−1、Green−1,2,3、Black−1,4,6,8;BASF社製のSudan染料Yellow−146,150、Orange−220、Red−290,380,460、Blue−670;三菱化成社製のダイアレジンYellow−3G,F,H2G,HG,HC,HL、Orange−HS,G、Red−GG,S,HS,A,K,H5B、Violet−D、Blue−J,G,N,K,P,H3G,4G、Green−C、Brown−A;オリエント化学工業社製のオイルカラーYEllow−3G,GG−S,#105、Orange−PS,PR,#201、Scarlet−#308,Red−5B,Brown−GR,#416、Green−BG、#502、Blue−BOS、IIN、Black−HBB,#803,EB,EX;住友化学工業社製のスミプラストブルーGP,OR、レッドFB,3B、イエローFL7G,GC;日本化薬社製のカヤロンポリエステルブラックEX−SF300、カヤセットRed−B、ブルーA−2R、等が挙げられる。
(界面活性剤)
本実施形態の製造方法により製造される粒子がトナーである場合、原材料に界面活性剤を含むことが好ましい。この界面活性剤としては、圧縮性流体に対する親和性を有する部分とトナーに対する親和性を有する部分とを同一分子内に有している限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。第1の圧縮性流体が二酸化炭素の場合、界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤;カルボニル基、短い炭化水素基、プロピレンオキサイド基等の嵩高い官能基を有する化合物等の親二酸化炭素基を有する化合物が好ましい。これらの中でも、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、カルボニル基含有化合物、ポリエチレングリコール(PEG)基含有化合物は、好ましい。これらの界面活性剤は、オリゴマーやポリマーであっても良い。
フッ素系界面活性剤としては、炭素数が1〜30のパーフルオロアルキル基を有する化合物が好適に用いられる。これらの中でも、高分子のフッ素系界面活性剤は、界面活性能と、トナーにした場合の帯電性能、耐久性能の点から好適である。ここで、フッ素系界面活性剤の構造単位の一例を(1−1)式、および(1−2)式に示す。
Figure 2013198880
Figure 2013198880
(1−1)式および(1−2)式のRは、水素原子、又は炭素数が1〜4の低級アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基など)を示す。(1−1)式のRは、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、ブチレン基、2−ヒドロキシブチレン基など)を示す。(1−1)式および(1−2)式のRfは、炭素数が1〜30であるパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル基を示す。これらのなかでも、Rが水素原子もしくはメチル基であり、Rがメチレン基もしくはエチレン基であり、Rfが炭素数7〜10のパーフルオロアルキル基であるフッ素系界面活性剤が好ましい。なお、(1−1)式および(1−2)式の各構造単位が複数個結合することによって、オリゴマーまたはポリマーが形成される。この場合、トナーとの親和性を考慮して、ホモポリマー、ブロック共重合体、ランダム共重合体などが形成されていてもよい。オリゴマーまたはポリマーの各末端は、特に限定されないが、水素原子となっている。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する化合物であれば、特に制限はなく、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。これらの中でも、構造式(2)で示されるポリジメチルシロキサン(PDMS)基を含有する化合物が好適である。なお、トナーとの親和性も考慮して、これらは、ホモポリマー、ブロック共重合体、ランダム共重合体などの化合物であってもよい。
Figure 2013198880
(2)式のR1’’は、水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、nは繰り返し数を示し、R2’’は、水素原子、水酸基、炭素数が1〜10のアルキル基を示す。
カルボニル基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族系ポリエステル、ポリアクリレート、アクリル酸樹脂などが挙げられる。PEG基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、PEG基含有ポリアクリレート、ポリエチレングリコール樹脂などが挙げられる。
これらの界面活性剤は、Rf基含有ビニルモノマー、PDMS基含有ビニルモノマー、PEG基含有ビニルモノマー等のビニルモノマーを重合したり、あるいは、これらのビニルモノマーと他のビニルモノマーとを共重合体したりすることにより得られる。ビニルモノマーとしては、スチレンモノマーやアクリレートモノマー、メタクリレートモノマーなどが挙げられる。これらのビニルモノマーに関しては多数市販されており、目的に応じて適宜使用することができる。また、界面活性剤として、Rf基やPDMS基、PEG基がオリゴマーもしくはポリマーの主鎖となり、側鎖にCOOH基やOH基、アミノ基、ピロリドン骨格などが導入されたものなどを用いることもできる。
フッ素基含有界面活性剤は、HCFC225などのフッ素系溶媒中でフッ素系ビニルモノマーを重合することによって合成される。また、環境負荷を低減するために、HCFC225の代わりに、超臨界二酸化炭素を溶媒としてフッ素系ビニルモノマーを重合することもできる。なお、パーフルオロアルキル基を有する化合物に類似する構造の原料が多数市販されており(例えば、アヅマックス社カタログ参照)、それらを使用しても、各種界面活性剤を得ることができる。製造方法については、より詳細には、フッ素樹脂ハンドブック(里川孝臣編集 日刊工業新聞社発行)のP.730〜P.732にかけて記載がされている方法が用いられる。
また、シリコーン系界面活性剤は、その原料となるビニル重合性モノマーを重合することで得ることができる。この場合、超臨界流体(特に超臨界二酸化炭素が好適)を溶媒として用いても良い。また、ポリジメチルシロキサンに類似する構造の化合物が多数市販されており(例えば、アヅマックス社カタログ参照)、それらを使用してシリコーン系界面活性剤を得ることもできる。特に、ケイ素含有化合物(商品名:MONASIL−PCA、クローダ社製)は、良好な造粒性を示す。
界面活性剤のトナーの原材料における含有量は、0.01質量%〜30質量%が好ましく、0.1質量%〜20質量%がより好ましい。
(分散剤)
分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機微粒子、無機微粒子などを挙げることができる。これらの中でも、アクリル変性された無機微粒子、シリコーン変性された無機微粒子、フッ素変性された無機微粒子、含フッ素系有機微粒子、シリコーン系有機微粒子等が好ましく、アクリル変性された無機微粒子がより好ましい。これらの分散剤は、圧縮性流体に溶融するものが好ましい。
有機微粒子としては、例えば、超臨界流体中で不溶なアクリル系微粒子のシリコーン変性体、フッ素変性体を挙げることができる。無機微粒子としては、例えば、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛等の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化チタン、ベントナイト、アルミナ等の無機酸化物が挙げられる。これらの中でも、シリカが好ましい。
アクリル変性された無機微粒子としては、例えば、無機微粒子表面に存在する残OH基を、フッ素原子を含有するシランカップリング剤などで、改質したものを挙げることができる。次の反応式は、3−(Trimethoxysil)propyl methacrylateを用いてシリカの表面を改質する場合の例を示す。
Figure 2013198880
Figure 2013198880
この方法で得られるアクリル変性されたシリカは、シリカ側で超臨界二酸化炭素への親和性が高く、アクリレート側でトナーに対する親和性が高くなる。なお、目的が同じであれば、この反応式による方法を用いずに他の方法によって表面改質を行っても良い。次に、フッ素原子を含有するシランカップリング剤の具体例を以下に示す。
(4−1)CF(CHSiCl
(4−2)CF(CFSiCl
(4−3)CF(CF(CHSiCl
(4−4)CF(CF(CHSiCl
(4−5)CF(CFCHCHSi(OCH
(4−6)CF(CF(CHSi(CH)Cl
(4−7)CF(CHSi(OCH
(4−8)CF(CHSi(CH)(OCH
(4−9)CF(CF(CHSi(OCH
(4−10)CF(CFCONH(CHSi(OC
(4−11)CF(CFCOO(CHSi(OCH
(4−12)CF(CF(CHSi(OCH
(4−13)CF(CF(CHSi(CH)(OCH
(4−14)CF(CFSONH(CHSi(OC
(4−15)CF(CF(CHSi(OCH
これらの分散剤のトナーの原材料における含有量は、0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.2質量%〜20質量%がより好ましい。また、分散剤は、単独で使用するのが好ましいが、トナー粒径の制御やトナー帯電性能を考えて他の界面活性剤を併用してもよい。
(離型剤)
離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類等が好適に挙げられる。ワックス類としては、例えば、低分子量ポリオレフィンワックス、合成炭化水素系ワックス、天然ワックス類、石油ワックス類、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、これらの各種変性ワックスなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
低分子量ポリオレフィンワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等が挙げられる。合成炭化水素系ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックス等が挙げられる。天然ワックス類としては、例えば、蜜ろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等が挙げられる。石油ワックス類としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。高級脂肪酸及びその金属塩としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸及びステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。
これらの離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃以上160℃以下が好ましく、50℃以上120℃以下がより好ましく、60℃以上90℃以下が特に好ましい。この融点が、40℃未満であると、耐熱保存性が低下する場合があり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある他、定着機への紙の巻き付きなどが発生することがある。なお、コールドオフセットとは、熱ローラ定着方式において、トナーと用紙との界面付近が充分溶けないことにより、トナー画像の一部が静電吸着によって取り去られることであり、低温オフセットとも言う。
これらの離型剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、圧可塑性材料100質量部に対し1質量部以上20質量部以下が好ましく、3質量部以上15質量部以下がより好ましい。離型剤の添加量が1質量部未満である場合には離型剤の効果が十分に得られない場合があり、20質量部より多い場合には、耐熱保存性が低下する場合がある。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色のものを用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましい。このような帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。これらの中でも、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。金属塩に用いられる金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、ストロンチウム、ホウ素、ケイ素、ニッケル、鉄、クロム、ジルコニウム、などが挙げられる。
帯電制御剤の市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415、サリチル酸金属錯体のTN−105(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体のLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、などが挙げられる。
これらの帯電制御剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、圧可塑性材料100質量部に対し0.5質量部以上5質量部以下が好ましく、1質量部以上3質量部以下がより好ましい。添加量が、0.5質量部未満であると、トナーの帯電特性の悪化が見られることがあり、5質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
(結晶性ポリエステル)
結晶性ポリエステルとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性に優れるという点で、分子量分布がシャープであり、且つ、低分子量のものが好ましい。このような結晶性ポリエステルとしては、o−ジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量Mの分布で、横軸をlog(M)、縦軸を質量%で表した分子量分布図のピーク位置が3.5〜4.0の範囲にあり、ピークの半値幅が1.5以下であり、重量平均分子量(Mw)で1,000以上30,000以下、数平均分子量(Mn)で500以上6,000以下、Mw/Mnが2以上8以下であるものがより好ましい。
結晶性ポリエステルの融点及びF1/2温度としては、耐熱保存性が悪化しない範囲で低いことが好ましく、DSC吸熱ピーク温度が50℃以上150℃以下であることがより好ましい。ここで、F1/2温度は、高架式フローテスターCFT−500(島津製作所製)を用い、ダイス径1mm、加圧10kg/cm、昇温速度3℃/minの条件下で1cmの試料を溶融流出させた時の流出開始点から流出終了点までの1/2に相当する温度により測定される。融点及びF1/2温度が50℃未満であると、耐熱保存性が悪化し、現像装置内部の温度でブロッキングが発生しやすくなり、150℃を超えると、定着下限温度が高くなるため低温定着性が得られなくなる。
結晶性ポリエステルの酸価は、紙と樹脂との親和性及び低温定着性の点で、5mgKOH/g以上であることが好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。また、結晶性ポリエステルの酸価は、ホットオフセット性の点で、45mgKOH/g以下であることが好ましい。結晶性ポリエステルの水酸基価は、低温定着性及び帯電特性の点で、0mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることがより好ましい。
結晶性ポリエステルの添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、圧可塑性材料100質量部に対し、0質量部以上900質量部以下が好ましく、0.5質量部以上500質量部以下がより好ましく、1質量部以上100質量部以下が特に好ましい。添加量が、1質量部未満であると、低温定着性が発揮できないことがあり、900質量部を超えると、ホットオフセット性が低下することがある。
(その他の成分)
圧可塑性材料とともに用いても良いその他成分としては、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等が挙げられる。流動性向上剤とは、トナーに対して表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味する。流動性向上剤としては、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが例示される。
クリーニング性向上剤とは、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナー組成物に添加されるものを意味する。このようなクリーニング性向上剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが例示される。ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm以上1μm以下のものが好適である。
<<圧縮性流体>>
次に、図2及び図3を用いて本実施形態の製造方法で用いられる圧縮性流体について説明する。図2は、温度と圧力に対する物質の状態を示す相図である。図3は、圧縮性流体の範囲を定義するための相図である。圧縮性流体は、物質移動や熱移動が早く、粘度が低いなどの性質を有すると共に、温度、圧力を変化させことによって、その密度、誘電率、溶解度パラメータ、自由体積などが連続的に大きく変化する性質を有する。圧縮性流体は、有機溶媒と比べて極めて界面張力が小さいため、微少な起伏(表面)であっても追随し、圧縮性流体で濡らすことができる。また、圧縮性流体は、常圧に戻すことにより、トナーなどの製造物からの分離も容易であり、回収再利用ができる。これにより、本実施形態の製造方法では、水や有機溶媒などを用いた場合と比較して、製造時の環境への負荷を低減することができる。
本実施形態における「圧縮性流体」とは、物質が、図2で表される相図の中で、図3に示す(1)、(2)、(3)の何れかの領域に存在するときの状態を意味する。このような領域においては、物質はその密度が非常に高い状態となり、常温常圧時とは異なる挙動を示すことが知られている。なお、物質が(1)の領域に存在する場合には超臨界流体となる。超臨界流体とは、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮しない流体のことである。また、物質が(2)の領域に存在する場合には液体となるが、本実施形態においては、常温(25℃)、常圧(1気圧)において気体状態である物質を圧縮して得られた液化ガスを表す。また、物質が(3)の領域に存在する場合には気体状態であるが、本実施形態においては、圧力が臨界圧力(Pc)の1/2(1/2Pc)以上の高圧ガスを表す。
本実施形態において、圧縮性流体として用いることができる物質としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化二窒素、窒素、空気、酸素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、メタン、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、エチレン、アンモニア、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソブタン、クロロトリフロロメタンなどが挙げられる。これらの圧縮性流体は、2種類以上の物質を混合して用いてもよい。
本実施形態の製造方法において、第1の圧縮性流体としては、圧可塑性材料を溶融させることができるものであれば特に限定されないが、容易に超臨界状態をつくり出せると共に、不燃性で安全性が高く、トナーを製造する場合には疎水性表面のトナーが得られるため、二酸化炭素が好適に用いられる。
本実施形態の製造方法において、第2の圧縮性流体としては、最高逆転温度が800K以下の物質であって、窒素を含む圧縮性流体が好適に用いられる。ここで、窒素を含むとは窒素分子を含むことを意味し、空気も窒素を含むと言える。窒素は、最高逆転温度が620Kであって、二酸化炭素(最高逆転温度1500K)などの物質と比較して最高逆転温度が低い。これにより、窒素の圧力を低下させたときのジュール・トムソン効果に基づく温度の低下は、二酸化炭素などの圧力を低下させた場合と比較して小さくなる。これに対し、二酸化炭素のように、第2の圧縮性流体の最高逆転温度が高すぎると、溶融体を噴射させたときにジュール・トムソン効果による冷却が過剰になり、溶融体が粒子化する前に固化することで、繊維状、あるいは合着した生成物が混入する場合がある。また、冷却が過剰になると、溶融体を噴射するノズルなどの内部で溶融体が固化してしまい、長時間にわたって粒度分布の狭い小粒径の粒子を製造することができなくなる。
また、本実施形態において、圧縮性流体を、エントレーナー(助溶剤)とともに用いることもできる。エントレーナーとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等の有機溶媒が挙げられる。
また、本実施形態の製造方法により製造される粒子がトナーである場合、圧縮性流体に加え、他の流体を併用することもできる。他の流体としては、トナー組成物の溶解度をコントロールしやすいものが好ましい。具体的には、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン等が挙げられる。
<<粒子製造装置>>
続いて、図4を用いて本実施形態で用いられる粒子製造装置について説明する。図4は、粒子製造装置の一例を示す模式図である。粒子製造装置1は、超高圧管(30a,30b,30c,30d,30e,30f)によって接続されて第1の経路を構成するボンベ11、ポンプ12a、バルブ13a、高圧セル14、ポンプ12b、バルブ13bを有する。また、粒子製造装置1は、超高圧管(30g,30h,30i)によって接続されて第2の経路を構成するボンベ21、ポンプ22、及び、バルブ23と、超高圧管30i内を加熱するためのヒータ26とを有する。更に、粒子製造装置1は、第1の経路の配管30fおよび第2の経路の配管30iのそれぞれの末端にその端部が接続する混合装置31と、混合装置31の他端に接続するノズル32とを有する。
第1の経路上に設置された、ボンベ11は第1の圧縮性流体を貯蔵し供給するための耐圧容器である。なお、ボンベ11は、高圧セル14に供給される過程で、あるいは、高圧セル14内で加熱または加圧されて圧縮性流体となる気体(ガス)、または、固体を貯蔵しても良い。この場合、ボンベ11に貯蔵される気体または固体は、加熱または加圧されることにより、高圧セル14内で図3の相図における(1)、(2)、または(3)の状態となる。ポンプ12aは、ボンベ11に貯蔵された圧縮性流体を第1の経路上の高圧セル14の方向に送り出す装置である。バルブ13aは、ポンプ12aと高圧セル14との間の経路を開閉して圧縮性流体の流量を調整したり遮断したりするための装置である。
高圧セル14は、温度調節器を有し、バルブ13aを介して供給された圧縮性流体と、予め高圧セル14内に充填された圧可塑性材料とを所定の温度下で接触させて、圧可塑性材料を溶融させるための装置である。高圧セル14には背圧弁14aが取り付けられており、これを開閉することにより高圧セル14内の圧力を調整することができる。また、高圧セル14には攪拌装置が取り付けられており、これにより圧縮性流体と圧可塑性材料とを攪拌して混合することもできる。
ポンプ12bは、高圧セル14内の溶融体を混合装置31側に送り出す装置である。バルブ13bは、ポンプ12bと混合装置31との間の経路を開閉して圧可塑性材料が溶融して得られた溶融体の流量を調整したり遮断したりするための装置である。本実施形態において、粒子製造装置1は、高圧セル14内の溶融体を直接噴射せず、超高圧管(30d,30e,30f)内を通過させた後にノズル32から噴射する。これにより高圧セル14で混合された圧縮性流体が圧可塑性材料中に十分に拡散するために、加工性が向上する。
粒子製造装置1のボンベ21は窒素を含む第2の圧縮性流体を貯蔵し供給するための耐圧容器である。なお、ボンベ21は、混合装置31に供給される過程で、加熱または加圧されて圧縮性流体となる気体(ガス)、または、固体を貯蔵しても良い。この場合、ボンベ21に貯蔵される気体または固体は、加熱または加圧されることにより、混合装置31内で図3の相図における(1)、(2)、または(3)の状態となる。
ポンプ22は、ボンベ21に貯蔵された第2の圧縮性流体を混合装置31側に送り出す装置である。バルブ23は、ポンプ22と混合装置31との間の経路を開閉して第2の圧縮性流体の流量を調整したり遮断したりするための装置である。
ヒータ26は超高圧管30i内を通過する圧縮性流体を加熱する装置である。尚、ヒータ26で加熱された圧縮性流体は、ジュール・トムソン効果によりヒータ26の出口で冷却されることになることから、充分に加熱されて図3の相図における(1)の超臨界流体の状態となっていることが好ましい。
粒子製造装置1の混合装置31は、第1の経路から供給された溶融体と第2の経路から供給された第2の圧縮性流体とを混合する装置である。また、混合装置31は、他端でノズル32と接続している。本実施形態において、混合装置31は、圧縮性流体と圧可塑性材料を均質混合するために、乱流混合する機構を有している。このような混合装置31の具体的例としては、公知のT字型継手、スワール流れを積極的に利用したスワールミキサー、そして混合部で2液が衝突する中心衝突型混合器などが挙げられる。
なお、特許文献3に記載されているような静止型混合器を用いて、例えば、溶融樹脂と圧縮性流体のような粘性の異なる流体を混合する場合、両流体を均質混合することは困難である場合が多い。静止型混合器は、ミキシングエレメント(エレメント)を管状ハウジング内に有している。このエレメントは、可動部を有さず、複数のバッフル板が管軸を中心として軸方向に沿って配列されている。この静止型混合器を用いる場合、流体は、管状ハウジング内を移動する過程で、管内に装置されたエレメントによって、分割・転換・反転作用を受け混合される。また、別タイプの静止型混合器としては、多角形の小室で構成されたハニカム状の板からなるエレメントを多数重合配列させたものが知られている。この様な静止型混合器において、流体は、管内内部の小室を管内中心部から外側へ、外側から中心部へと順次移動することにより分散・反転・渦流作用を受けて混合される。
しかしながら、これらの静止型混合器に樹脂のような高粘性流体と圧縮性流体のような低粘性流体を通過させると、低粘性流体がエレメントによる混合作用を受けずに、管内エレメントと管ハウジングとの隙間を通り抜けてしまい、均質に混合できない。混合不良の対処法として、エレメント構造の複雑化や混合器の長尺化などの方法が考えられるが、これらの対処法は、低粘性流体の通り抜け現象の有効な防止策ではなく、混合時の圧力損失の増大、装置の大型化、洗浄労力の増大などの問題を生じさせる。
ノズル32は、溶融体を噴射する装置である。ノズル32は、一端で混合装置31と接続する。これにより、第2の圧縮性流体を供給しつつ、溶融体をノズル32から圧力差によって大気中に噴射することができる。この場合、溶融体に第2の圧縮性流体を供給することで、ノズル32内の圧力損失を防ぐことができるので、ジュール・トムソン効果に基づく温度の低下が抑制され加工性が向上する。これにより、原材料に添加するワックス成分の量が少なく、圧可塑性材料の分子量が高くても、粒子を製造することが可能となる。
ノズル32の種類としては、特に限定されないが、直射ノズルが好適に用いられる。ノズル32の径としては、噴射時の圧力を一定に維持できれば、特に制限はないが、大きすぎると噴射時の圧力が下がりすぎることで溶融体粘度が上昇し、微粒子を得ること困難になる場合がある。また、ノズル32内の圧力を維持するためにポンプ22等の大型化が必要となる場合がある。一方、ノズル径が小さすぎる場合は、溶融体がノズル32で詰まり易くなり、狙いとする微粒子を得ることが困難になる場合がある。よって、ノズル径には上限がなく、下限として、5μm以上であることが好ましく、より好ましくは、20μm以上であり、50μm以上であれば特に好ましい。
<<粒子製造の各工程>>
続いて、図4の粒子製造装置1を用いて粒子の一例としてのトナーを製造するときの各工程について説明する。本実施形態の粒子の製造方法は、第1の圧縮性流体と圧可塑性材料とを接触させて、圧可塑性材料を溶融させる溶融工程と、圧可塑性材料を溶融させて得られた溶融体に窒素を含む第2の圧縮性流体を供給しつつ、溶融体を噴射して造粒する造粒工程とを有する。
<溶融工程>
まず、本実施形態の粒子の製造方法における溶融工程について説明する。上記のとおり、本実施形態において、「溶融」とは、圧可塑性材料などの原材料が圧縮性流体と接触することで、膨潤しつつ可塑化、液状化した状態を意味する。従来、超臨界流体中の物質を減圧工程を経て析出させる方法は、急速膨張法として知られている。急速膨張法のなかでもRESS(Rapid Expansion of Supercritical Solutions)法として知られる方法で用いられる吐出対象は、圧縮性流体中に溶質となる材料を溶解させたもので、圧縮性流体と溶質となる材料とは均一状態で相溶している。これに対し、本実施形態では急速膨張法のうちPGSS法(Particles from Gas Saturated Solutions)が用いられる。PGSS法における吐出対象である溶融体は、上記のとおり、圧縮性流体を圧可塑性材料内に接触、湿潤させることで、圧可塑性材料の粘度を低下させて得られるものなので、圧縮性流体と溶融体との間には界面が存在する状態となる。つまり、RESS法における吐出対象は、圧縮性流体−固体平衡状態の相であるのに対し、PGSS法では、いわば気体−液体平衡状態の相ということになり、同じ急速膨張法であっても吐出対象の膨張前の相状態は異なる。
溶融工程では、先ず、圧可塑性材料や、着色剤等の原材料を高圧セル14内に充填する。この場合、原材料が複数の成分を含むときには、原材料を充填する前に、これらの成分を予めミキサー等で混合し、ロールミル等で溶融混練させておいても良い。次に、高圧セル14を密閉し、高圧セル14の攪拌装置によって原材料を攪拌する。続いて、ポンプ12aを作動させてボンベ11に貯蔵された第1の圧縮性流体を加圧し、バルブ13aを開放することで、高圧セル14内に第1の圧縮性流体を供給する。なお、本実施形態では、ボンベ11として炭酸ガス(二酸化炭素)ボンベを用いる。高圧セル14内の温度は、供給された二酸化炭素が圧縮性流体となる温度に温度調節器によって調整されている。なお、高圧セル14内の温度の上限は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、大気圧下での圧可塑性材料の熱分解温度以下であることが好ましく、融点温度以下がより好ましい。本実施形態において、熱分解温度とは、熱分析装置(TGA:Thermo Gravimetry Analyzer)の測定において試料の熱分解に伴う重量減少の開始温度を意味する。高圧セル14内の温度が熱分解温度を超えると、圧可塑性材料が酸化したり、分子鎖が切断されたりすることで劣化して耐久性が低下したり、生成物としてのトナーの色調、透明性、定着特性、耐熱保存性、および帯電性能が低下する。また、加熱処理によるエネルギーの消費が大きくなる。
高圧セル14内の圧力はポンプ12a、背圧弁14aを調整することにより所定の圧力に調整される。本実施形態の粒子の製造方法の溶融工程において、高圧セル14内の圧可塑性材料等の原材料に付与される圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1MPa以上が好ましく、10MPa以上200MPa以下がより好ましく、31MPa以上100MPa以下が特に好ましい。高圧セル14内の圧力が、1MPaより小さいと、圧可塑性材料を造粒できる程の可塑化効果が得られないことがある。高圧セル14内の圧力は、いくら高くても問題はないが、高圧になるほど装置が重厚になり設備コストは高くなる。
高圧セル14内では、圧縮性流体と、圧可塑性材料を含む原材料と、が接触することで、圧可塑性材料は溶融する。この場合、圧可塑性材料が溶融して得られた溶融体の粘度が一定になるまで攪拌装置によって溶融体は攪拌される。溶融体の粘度は、ノズル32によって噴射することのできる粘度であれば特に限定されないが、低ければ低いほどノズル径を小さくしても噴射することが可能となり、微粒子化が容易である。このため、溶融体の粘度は、500mPa・s以下であることが好ましく、300mPa・s以下であることがより好ましく、100mPa・s以下であることがさらに好ましく、高画質を実現するトナーを得るためには20mPa・s以下であることが好ましい。溶融体の粘度が500mPa・sより大きい場合には、粒子化が困難になったり、粗大粒子、繊維状物、発泡、合着などが発生したりする可能性がある。なお、本実施形態では、圧可塑性材料を用いているため、圧縮性流体の圧力によって圧可塑性材料の低粘度化が促進されるので、圧可塑性材料と圧縮性流体が均質に混合して、低粘度の溶融体が得られる。
<造粒工程>
続いて、本実施形態の粒子の製造方法における造粒工程について説明する。まず、ポンプ22を作動させて、バルブ23を開放することにより、ボンベ21に貯蔵された第2の圧縮性流体を混合装置31に供給する。本実施形態では、ボンベ21として窒素ボンベを用いている。供給される第2の圧縮性流体の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1MPa以上が好ましく、10MPa以上200MPa以下がより好ましく、31MPa以上100MPa以下が特に好ましい。第2圧縮性流体に付与される圧力が1MPaより小さいと、圧可塑性材料を造粒できる程の可塑化効果が得られないことがある。圧力はいくら高くても問題はないが、高圧になるほど装置が重厚になり設備コストは高くなる。供給される第2の圧縮性流体は、超高圧管30i内でヒータ26によって加熱される。ヒータ26の設定温度としては、供給された窒素が圧縮性流体となる温度であれば特に制限されない。
次に、ポンプ12bを作動させて、バルブ13bを開放することにより、高圧セル14内の圧可塑性材料の溶融体を混合装置31に供給する。このとき、高圧セル14内の温度及び圧力が一定に維持されるよう、ポンプ12a、背圧弁14a、温度調節器等が制御される。この場合、高圧セル14内の圧力は、特に限定されないが、第2の経路から供給される圧縮性流体の圧力と等圧とすることができる。高圧セル14から供給された溶融体と、ボンベ21から供給された第2の圧縮性流体とは、混合装置31で均質に混合される。これにより、溶融体に第2の圧縮性流体を供給しつつ、ノズル32から溶融体を圧力差によって大気圧下に噴射することができる。
この場合、第2の圧縮性流体の供給により噴射される溶融体の固形分濃度が下がるので、溶融体の更なる低粘度化を達成できる。その結果、噴射される溶融体の温度が一定に制御されるだけでなく、噴射速度(出口線速)も高くなり、出口線速向上による溶融体への剪断力も大きくなる。また、第2の圧縮性流体として窒素を用いることにより、ノズル32近傍での圧力変化に伴う、ジュール・トムソン効果による温度の低下も緩和されるので、ノズル32の詰まりが発生しにくくなる。ノズル32から噴射された溶融体は、粒子となった後、固化する。この場合、溶融体の低粘度化、低固形分濃度化の相乗効果によって、合着のない均一な微粒子を長時間に渡って得ることができる。また、製造される粒子の形状も均一に安定化される効果が得られる。
<<<粒子>>>
本実施形態では、トナーを製造する例について説明したが、製造される粒子はこれ制限されず、目的に応じて適宜選択され、例えば、日用品、医薬品、化粧品等の粒子であっても良い。本実施形態の製造方法で製造される粒子の形状、大きさ、材質などについて製造物の目的などに応じて適宜選択されは特に制限はない。本実施形態の製造方法によると、圧縮性流体を用いることにより、有機溶媒を用いずに粒子の製造が可能である。これにより、実質的に有機溶媒を含まない粒子が得られる。なお、粒子が有機溶媒を実質的に含有しないとは、以下の測定方法により測定される粒子中の有機溶媒の含有量が検出限界以下であることを言う。
(残留溶媒の測定方法)
粒子の残留溶媒量は、以下の測定方法により測定される。測定対象となる粒子1質量部に2−プロパノール2質量部を加え、超音波で30分間分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日以上保存し、粒子中の溶媒を抽出する。上澄み液をガスクロマトグラフィ(GC−14A,SHIMADZU)で分析し、粒子中の溶媒および残留モノマーを定量することにより溶媒濃度を測定する。かかる分析時の測定条件は、以下の通りである。
装置 :島津GC−14A
カラム :CBP20−M 50−0.25
検出器 :FID
注入量 :1〜5μl
キャリアガス :He 2.5kg/cm2
水素流量 :0.6kg/cm2
空気流量 :0.5kg/cm2
チャートスピード:5mm/min
感度 :Range101×Atten20
カラム温度 :40℃
Injection Temp :150℃
<<トナー>>
本実施形態の製造方法によって製造されるトナーは、その形状、大きさ等の特性について、特に制限はないが、以下のような、画像濃度、平均円形度、質量平均粒径、質量平均粒径と個数平均粒径との比(質量平均粒径/個数平均粒径)等を有していることが好ましい。
トナーの画像濃度は、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定した濃度値が、1.90以上が好ましく、2.00以上がより好ましく、2.10以上が特に好ましい。画像濃度が、1.90未満であると画像濃度が低く、高画質が得られないことがある。ここで、画像濃度は、例えば、imagio Neo 450(株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>、株式会社リコー製)に現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成し、得られたベタ画像における任意の6箇所の画像濃度を、上記分光計を用いて測定し、その平均値を算出することにより、測定することができる。
トナーの平均円形度は、トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.900以上0.980以下が好ましく、0.950以上0.975以下がより好ましい。また、平均円形度が0.94未満の粒子は、15質量%以下であることが好ましい。平均円形度が0.900未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがある。また、平均円形度が0.980を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルト等でクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
ここで、平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)、例えば東亜医用電子社(株)製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて測定することができる。この場合、フィルターに通して微細なごみを取り除き、その結果として10−3cmの水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上、159.21μm未満)の粒子数が20個以下に調整された水を用意する。次に、この粒子を含む水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬株式会社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器(SMT社製、UH−50)で20kHz,50W/10cm3の条件で1分間分散処理を行い、更に、合計5分間の分散処理を行う。分散処理によって得られる測定試料の粒子濃度が4,000個/10−3cm以上8,000個/10−3cm以下(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上、159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
平均円形度の測定は、試料分散液をフラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させることにより行われる。ここでフローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射される。その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径が円相当径として算出される。
これにより約1分間で、1,200個以上の粒子の円相当径が測定され、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)が算出される。結果(頻度%及び累積%)は、0.06μm以上400μm以下の範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上、159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
トナーの質量平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上10μm以下が好ましく、3μm以上8μm以下がより好ましい。質量平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがある。また、質量平均粒径が10μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
トナーにおける質量平均粒径と個数平均粒径との比(質量平均粒径/個数平均粒径)としては、1.00以上1.25以下が好ましく、1.00以上1.10以下がより好ましい。質量平均粒径と個数平均粒径との比(質量平均粒径/個数平均粒径)が、1.25を超えると、二成分現像剤では、現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがある。また、質量平均粒径と個数平均粒径との比(質量平均粒径/個数平均粒径)が、1.25を超えると、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーが薄層化し、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、また、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
質量平均粒径、及び、質量平均粒径と個数平均粒子径との比(質量平均粒径/個数平均粒径)は、例えば、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」などを用いて測定することができる。
<<現像剤>>
続いて本実施形態に係る現像剤について説明する。本実施形態に係る現像剤は、上記の製造方法で製造されたトナーを有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。現像剤の具体例としては、上記の製造方法で製造されたトナーを有する一成分系の現像剤や、上記の製造方法で製造されたトナーと磁性キャリアとを有する二成分系の現像剤であっても良い。上記のトナーとしては、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックなどの有色トナー、及びクリアトナーが挙げられる。
(磁性キャリア)
磁性キャリアとしては、磁性材料を含有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。磁性キャリアの具体例としては、ヘマタイト、鉄粉、マグネタイト、フェライト等が挙げられる。磁性キャリアの含有量は、トナー100質量部に対し、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
<<画像形成装置>>
続いて、図5を用いて、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。画像形成装置200は、上記の製造方法で製造されたトナーを用いて静電潜像を可視像に現像し、この可視像を記録媒体の一例としての用紙に転写し、定着させることにより画像を形成する。なお、本実施形態では、画像形成装置200が電子写真方式のプリンターである例について説明するが、これに限定されず、複写機、ファクシミリなどであっても良い。
図5に示されているように、画像形成装置200は、給紙部210と、搬送部220と、作像部230と、転写部240と、定着部250とを備えている。
給紙部210は、図5に示されるように、給紙される用紙が積載された給紙カセット211と、給紙カセット211に積載された用紙を一枚ずつ給紙する給紙ローラ212とを備えている。
搬送部220は、給紙ローラ212によって給紙された用紙を転写部240の方向へ搬送するローラ221と、ローラ221によって搬送された用紙の先端部を挟み込んで待機し、用紙を所定のタイミングで転写部240に送り出す一対のタイミングローラ222と、定着部250でトナーを定着させた用紙を排紙トレイ224に排紙する排紙ローラ223とを備えている。
作像部230は、所定の間隔をおいて、図5の左方から右方に向かって順に、イエローのトナー(トナーY)を有した現像剤を用いて画像を形成する画像形成ユニットYと、シアンのトナー(トナーC)を有した現像剤を用いる画像形成ユニットCと、マゼンタのトナー(トナーM)を有した現像剤を用いる画像形成ユニットMと、ブラックのトナー(トナーK)を有した現像剤を用いる画像形成ユニットKと、露光器233とを備えている。なお、上記の各トナー(Y,C,M,K)は、それぞれ上記の製造方法によって得られたトナーである。
図5において4つの画像形成ユニットは、それぞれに用いられる現像剤が異なるのみで、機械的な構成は実質的に同様である。それぞれの画像形成ユニットは、図5において時計回りに回転可能に設けられ、静電潜像及びトナー像を担持する感光ドラム(231Y,231C,231M,231K)と、感光ドラム(231Y,231C,231M,231K)の表面を一様に帯電させる各帯電器(232Y,232C,232M,232K)と、各色のトナー(Y,C,M,K)を供給する各トナーカートリッジ(237Y,237C,237M,237K)と、露光器233で感光ドラム(231Y,231C,231M,231K)の表面に形成された静電潜像をトナーカートリッジ(237Y,237C,237M,237K)から供給されたトナーを用いてトナー像に現像する各現像装置(234Y,234C,234M,234K)と、転写媒体にトナー像が一次転写された後の感光ドラム(231Y,231C,231M,231K)の表面を除電する各除電器(235Y,235C,235M,235K)と、除電器(235Y,235C,235M,235K)で除電された各感光ドラム(231Y,231C,231M,231K)の表面に残った転写残トナーを除去する各清掃器(236Y,236C,236M,236K)とを備えている。
露光器233は、画像情報に基づいて光源233aから発せられたレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー(233bY,233bC,233bM,233bK)によって反射させて感光ドラム(231Y,231C,231M,231K)に照射する装置である。これにより画像情報に基づいた静電潜像が感光ドラム231に形成される。
転写部240は、駆動ローラ241及び従動ローラ242と、これらのローラに掛け渡され駆動ローラ241の駆動に伴い図5において反時計回りに回転可能な転写媒体としての中間転写ベルト243と、中間転写ベルト243を挟んで、感光ドラム231に対向して設けられた一次転写ローラ(244Y,244C,244M,244K)と、トナー像の用紙への転写位置において中間転写ベルト243を挟んで二次対向ローラ245に対向して設けられた二次転写ローラ246とを備えている。
転写部240では、一次転写ローラ244に一次転写バイアスがかけられることで、感光ドラム231の表面に形成された各トナー像が中間転写ベルト243上に転写(一次転写)される。また、二次転写ローラ246に二次転写バイアスがかけられることで、二次転写ローラ246と二次対向ローラ245とに挟み込まれた搬送中の用紙に、中間転写ベルト243上のトナー像が転写(二次転写)される。
定着部250は、ヒータが内部に設けられ、用紙をトナーの定着下限温度よりも高い温度に加熱する加熱ローラ251と、加熱ローラ251に回転可能に押し当てて加圧することにより接触面(ニップ部)を形成する加圧ローラ252とを備えている。なお、本実施形態において、定着下限温度とは、トナーが定着する下限の温度を意味する。
本実施形態に係る画像形成装置では、シャープな粒度分布を有し、帯電性、環境性、経時安定性などのトナー特性が良好である本実施形態の製造方法で製造されたトナーを用いるので、高画質な画像を形成することができる。
〔第2の実施形態〕
続いて、本発明の第2の実施形態について、説明する。なお、以下の説明では、第1の実施形態と異なる点について説明し、第1の実施形態と共通する点については説明を省略する。
<<粒子製造装置>>
まず、図6を用いて本実施形態で用いられる粒子製造装置について説明する。図6は、粒子製造装置の一例を示す模式図である。図6では、図4の粒子製造装置1と共通する手段、機構、装置等については、同じ符号を用いて示されている。
粒子製造装置2は、超高圧管(30a,30b,30c,30d,30e,30f,30j,30k)によって図6に示したように接続されるボンベ11、ポンプ12a、バルブ13a、セル24、ポンプ12b、バルブ13b、バルブ13c、混合装置17、及び、ヒータ16を有する点で第1の実施形態の粒子製造装置1と異なる。
ボンベ11は第1の圧縮性流体を貯蔵し供給するための耐圧容器である。なお、ボンベ11は、セル24に供給される過程で、あるいは、セル24内で加熱または加圧されて圧縮性流体となる気体(ガス)、または、固体を貯蔵しても良い。この場合、ボンベ11に貯蔵される気体または固体は、加熱または加圧されることにより、セル24内で図3の相図における(1)、(2)、または(3)の状態となる。ポンプ12aは、ボンベ11に貯蔵された圧縮性流体を混合装置17の方向に送り出す装置である。バルブ13aは、ポンプ12aと混合装置17との間の経路を開閉して圧縮性流体の流量を調整したり遮断したりするための装置である。ヒータ16は、超高圧管30c内を通過する圧縮性流体を加熱する。
セル24は、温度調節器を有し、予めセル24内に充填された圧可塑性材料を所定の温度下で接触させて、圧可塑性材料を加熱するための装置である。セル24には攪拌装置が取り付けられており、これにより圧縮性流体と圧可塑性材料とを攪拌して均一に加熱することもできる。
ポンプ12bは、セル24内の圧可塑性材料を混合装置17側に送り出す装置である。バルブ13bは、ポンプ12bと混合装置17との間の経路を開閉して圧可塑性材料が溶融して得られた溶融体の流量を調整したり遮断したりするための装置である。
混合装置17は、高圧セルから供給された圧可塑性材料とボンベ11から供給された第1の圧縮性流体とを混合する装置である。混合装置17の具体的例としては、公知のT字型継手、スワール流れを積極的に利用したスワールミキサー、そして混合部で2液が衝突する中心衝突型混合器などが挙げられる。バルブ13cは、混合装置17と混合装置31との間の経路を開閉して溶融体の流量を調整したり遮断したりするための装置である。
<<粒子製造の各工程>>
続いて、図6の粒子製造装置2を用いて粒子の一例としてのトナーを製造するときの各工程について説明する。第2の実施形態に係る粒子の製造方法では、予め加熱した圧可塑性材料と、第1の圧縮性流体とを接触させ、得られた溶融体に窒素を含む第2の圧縮性流体を供給しつつ、溶融体を噴射して造粒する。
<溶融工程>
まず、本実施形態の粒子の製造方法における溶融工程について説明する。溶融工程では、先ず、圧可塑性材料や、着色剤等の原材料をセル24内に充填する。この場合、原材料が複数の成分を含むときには、原材料を充填する前に、これらの成分を予めミキサー等で混合し、ロールミル等で溶融混練させておいても良い。次に、セル24を密閉し、セル24の攪拌装置によって原材料を攪拌するとともに、加熱する。このときのセル24内の温度は、圧可塑性材料が可塑化する温度であれば特に制限はない。これにより圧可塑性材料は、可塑化する。
続いて、ポンプ12aを作動させてボンベ11に貯蔵された第1の圧縮性流体としての二酸化炭素を加圧し、バルブ13aを開放することで、混合装置17に第1の圧縮性流体を供給する。なお、本実施形態では、ボンベ11として炭酸ガス(二酸化炭素)ボンベを用いる。ポンプ12aによって圧縮性流体に付与される圧力としては、ポンプ22によって付与される第2の圧縮性流体に付与される圧力と同程度とすることができる。供給される第1の圧縮性流体は、超高圧管30c内でヒータ16によって加熱される。ヒータ16の設定温度としては、供給された二酸化炭素が圧縮性流体となる温度であれば特に制限されない。
続いてポンプ12bを作動させ、バルブ13bを開放する。これにより、セル24から供給された圧可塑性材料と、ボンベ11から供給された第1の圧縮性流体とは、混合装置17で連続的に接触して、均質に混合される。これにより、圧可塑性材料が溶融する。圧可塑性材料が溶融して得られた溶融体の粘度は、ノズル32によって噴射することのできる粘度であれば特に限定されないが、低ければ低いほど噴射時の微粒子化が容易であることから、20mPa・s以下であることが好ましい。溶融体の粘度が20mPa・sより大きい場合には、粒子化が困難になったり、粗大粒子、繊維状物、発泡、合着などが発生したりする可能性がある。また、生成物がトナーである場合には必要とされる4〜8μmサイズの均一な微粒子を作製することが困難になる場合がある。
<造粒工程>
続いて、本実施形態の粒子の製造方法における造粒工程について説明する。まず、ポンプ22を作動させて、バルブ23を開放することにより、ボンベ21に貯蔵された第2の圧縮性流体を混合装置31に供給する。本実施形態では、ボンベ21として窒素ボンベを用いている。供給される第2の圧縮性流体の圧力としては、特に制限はなく、第1の実施形態の場合と同程度とすることができる。供給される第2の圧縮性流体は、超高圧管30i内でヒータ26によって加熱される。ヒータ26の設定温度としては、供給された窒素が圧縮性流体となる温度であれば特に制限されない。
次に、バルブ13cを開放することにより、混合装置17で圧可塑性材料を溶融させて得られた溶融体を、混合装置31に供給する。これにより、セル24から供給された溶融体と、ボンベ21から供給された第2の圧縮性流体とは、混合装置31で均質に混合される。混合装置31で混合された溶融体は、ノズル32から圧力差によって大気圧下に連続的に噴射される。このようにして、第2の圧縮性流体を供給しつつ、溶融体をノズル32から噴射することができる。ノズル32から噴射された溶融体は、粒子となった後、固化する。第2の実施形態の粒子の製造方法によると高圧セルを用いずに粒子を製造することができるので、装置を軽量化することができるという効果を奏する。
<<実施形態の補足>>
上記各実施形態では、粒子の製造方法に用いられる製造装置が図4又は図6に示される粒子製造装置(1,2)である場合について説明したが、これに限るものではない。粒子製造装置(1,2)に変えて、PGSS法で用いられる一般的な噴射装置に、第2の経路の各手段及び混合手段31等を設けた装置を使用することもできる。
上記実施形態では、圧可塑性材料と圧縮性流体とを含む溶融体を大気中に噴射する場合について説明したが、これに限るものではない。この場合、溶融体を大気よりも圧力が高くノズル32内よりも圧力が低い環境に溶融体を噴射することができる。この場合、噴射速度(出口線速)をコントロールすることで、粒径や粒径分布の制御性を高めることができる。また、この場合、ノズル32から噴射された溶融体のジュール・トムソン効果による冷却を緩和できるので、ヒータ26の加熱を抑えることができ、省エネ、低コスト化などの効果が得られる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施
例に制限されるものではない。なお、実施例中、部はすべて質量部を表す。
−ポリエステル樹脂1(圧可塑性樹脂)の合成−
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧、230℃で8時間反応させた。さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応させた後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応させて[ポリエステル樹脂1]を得た。得られたポリエステル樹脂1は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25、圧力とガラス転移温度との関係を示すグラフにおける傾きが−10℃/MPaであった。なお、ガラス転移温度及び傾きの測定には、SETARAM社製C−80高圧熱量計装置を使用した。測定は高圧測定セルにサンプルをセットし、セル内を二酸化炭素で置換した後、所定圧力に加圧した。昇温速度は0.5℃/分とし、200℃まで昇温してガラス転移温度を測定した。
−ポリエステル樹脂2(圧可塑性樹脂)の合成−
窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに1,4−ブタンジオール25モル、フマル酸23.75モル、無水トリメリット酸1.65モル、ハイドロキノン5.3gを入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させた。さらに8.3KPaにて1時間反応させ[結晶性ポリエステル樹脂2]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂2]は、融点119℃、Mn710、Mw2100、酸価24、水酸基価28であった。上記と同様の方法で測定した[ポリエステル樹脂3]の圧力に対するガラス転移温度の変化の傾きは−5℃/MPaであった。
−ポリ乳酸樹脂−
東洋紡社製ポリ乳酸系樹脂バイロエコール(登録商標)BE−400を使用した。上記と同様の方法で測定した[ポリ乳酸樹脂]の圧力に対するガラス転移温度の変化の傾きは−20℃/MPaであった。
−ポリエステル樹脂3(圧可塑性樹脂)の合成−
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物343部、イソフタル酸166部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧、230℃で8時間反応させた。さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応させた後、110℃まで冷却し、トルエン中にてイソホロンジイソシアネート17部を入れて110℃で5時間反応させ、次いで脱溶媒させて[ウレタン変性ポリエステル樹脂3−1]を得た。得られた[ウレタン変性ポリエステル樹脂3−1]は、重量平均分子量72000、イソシアネート含量0.7%であった。
一方、上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物570部、テレフタル酸217部を常圧、230℃で6時間反応させて変性されていない[ポリエステル樹脂3−2]を得た。得られた[ポリエステル樹脂3−2]は、数平均分子量2400、水酸基価51、酸化5であった。得られた[ウレタン変性ポリエステル樹脂3−1]を200部と[ポリエステル樹脂3−2]を800部とを酢酸エチル2000部に溶解・混合して樹脂溶液を得た後、一部を減圧乾燥し、樹脂分を単離させて[ポリエステル樹脂3]を得た。上記と同様の方法で測定した[ポリエステル樹脂3]の圧力に対するガラス転移温度の変化の傾きは−3℃/MPaであった。
−実施例1−
実施例1では図4の粒子製造装置1を用いて樹脂粒子を製造した。実施例1においては、ボンベ11として炭酸ガス(二酸化炭素)ボンベを用いた。また、ボンベ21として窒素ボンベを用いた。
[ポリエステル樹脂1]を図4で示される粒子製造装置1の高圧セル14に投入し、第1の圧縮性流体として二酸化炭素を160℃、2MPaになるように導入し、1時間攪拌を行った。このときの得られた溶融体の粘度は、450mPa・sであった。尚、溶融体の粘度の測定には、ケンブリッジ・ビスコシティー社製粘度測定装置(VISCOlab PVT)を使用した。測定は測定部にサンプルをセットし、温度、圧力を制御し、粘度が一定になったところをその温度、圧力における粘度とした。次にバルブ23を開き、ポンプ22とヒータ26とを作動させて、2MPa、160℃を維持するように、第2の圧縮性流体としての超臨界窒素をノズル32より噴射した。この状態でバルブ13bを開き、ポンプ12bを作動させ、溶融体に第2の圧縮性流体を供給しつつ、溶融体を噴射した。このとき、ポンプ12aと背圧弁14aを調整することにより高圧セル14内は、温度160℃、圧力2MPaを一定に維持するようにした。噴射した溶融体は、粒子化した後、固化して、[樹脂粒子1]が得られた。噴射開始直後に得られた[樹脂粒子1]の粒子は、体積平均粒径(Dv)65.3μm、個数平均粒径(Dn)8.9μm、Dv/Dn7.33であり、噴射開始1時間後に得られた[樹脂粒子1]の粒子は、体積平均粒径(Dv)68.5μm、個数平均粒径(Dn)8.8μm、Dv/Dn7.78であった。また、投入した原材料の質量に対する回収した[樹脂粒子1]の質量である粒子回収率は80%であった。なお、体積平均粒径、及び、体積平均粒径と個数平均粒子径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」を用いて測定した。
−実施例2〜4−
処理温度、処理圧力、ノズル径を表1で示される値に変更する以外は、実施例1と同様に操作して[樹脂粒子2〜4]を得た。実施例1と同様に測定した溶融体の粘度、体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、Dv/Dn、および、回収率を表1および表2に示す。
−実施例5−
[ポリエステル樹脂1]を[ポリエステル樹脂2]に変更し、処理温度、処理圧力、ノズル径を表1で示される値に変更する以外は、実施例1と同様に操作して[樹脂粒子5]を得た。実施例1と同様に測定した溶融体の粘度、体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、Dv/Dn、および、回収率を表1および表2に示す。
−実施例6−
実施例6では図6の粒子製造装置2を用いてトナーを製造した。実施例6においては、ボンベ11として炭酸ガス(二酸化炭素)ボンベを用いた。また、ボンベ21として窒素ボンベを用いた。
(原材料)
ポリエステル樹脂1 95部
着色剤(銅フタロシアニンブルー) 5部
パラフィンワックス(融点79℃) 5部
上記トナーの原材料をミキサーで混合後、2本ロールミルで溶融混練して、混練物を圧延冷却した。この混練物を図6で示される粒子製造装置2のセル24に投入し、150℃に加熱して可塑化させた。ポンプ12aを作動させて、バルブ13aを開放して、第1の圧縮性流体として二酸化炭素を150℃、40MPaになるように導入した。また、ポンプ12bを作動させて、バルブ13bを開放して、可塑化させた混練物と第1の圧縮性流体とを連続的に接触させて混合装置17で混合した。次にバルブ23を開き、ポンプ22とヒータ26とを使用し、40MPa、150℃を維持するように、第2の圧縮性流体としての超臨界窒素をノズル32より噴射した。この状態でバルブ13cを開き、混練物と第1の圧縮性流体とが接触して得られた溶融体に第2の圧縮性流体を供給しつつ、溶融体をノズル32から連続的に噴射した。このとき、ポンプ12a、ポンプ12bを調整することにより混合装置17を通過する溶融体が温度150℃、圧力40MPaを一定に維持するようにした。噴射した溶融体は、粒子化した後、固化して、[トナー6]が得られた。実施例1と同様に測定した溶融体の粘度、個数平均粒径(Dn)、Dv/Dn、および、回収率を表1および表2に示す。
−実施例7−
処理温度、処理圧力を表1で示される値に変更する以外は、実施例6と同様に操作して[トナー7]を得た。実施例1と同様に測定した溶融体の粘度、体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、Dv/Dn、および、回収率を表1および表2に示す。
−実施例8−
トナー原材料の[ポリエステル樹脂1]を[ポリ乳酸樹脂]に変更し、処理温度、処理圧力を表1で示される値に変更する以外は、実施例6と同様に操作して[トナー8]を得た。実施例1と同様に測定した溶融体の粘度、体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、Dv/Dn、および、回収率を表1および表2に示す。
−実施例9−
ボンベ21を窒素ボンベから空気ボンベに変更した以外は、実施例7と同様に操作して、[トナー9]を得た。実施例1と同様にして測定した[トナー9]の溶融体粘度、体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、Dv/Dn、および、回収率を表1および表2に示す。
−比較例1−
(トナー原材料)
ポリエステル樹脂3 50g
着色剤(銅フタロシアニンブルー) 2.5部
トリメチロールプロパントリベネネート(融点58度) 12.5部
攪拌装置及び測温装置を有し、構内圧力30MPa、構内温度290℃まで設定可能な樹脂溶解槽500mlを150℃まで昇温後、上記トナー原材料を投入して溶融させた。次いで内径5mm30エレメントのスタティックミキサー中に溶融樹脂と液化二酸化炭素10gを、昇圧ポンプを使用して注入した。このとき、スタティックミキサー内圧力を8MPaに設定した。スタティックミキサー先端部に装着した穴径50μmのノズルより二酸化炭素と樹脂の混合物を大気圧下に噴射する操作を行ったが、トナー溶融物の可塑化が不充分であり造粒することができなかった。
−比較例2−
処理圧力、ノズル径を表1で示される値に変更する以外は、実施例6と同様に操作したが、トナー溶融物の可塑化が不十分であり造粒することができなかった。
−比較例3−
ボンベ21を窒素ボンベから二酸化炭素ボンベに変更した以外は、実施例7と同様に操作して、[比較トナー3]を得た。実施例1と同様にして測定した[比較トナー3]の溶融体粘度、体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、Dv/Dn、および、回収率を表1および表2に示す。
Figure 2013198880
Figure 2013198880
このようにして得られた100質量部の各[トナー6〜9,比較トナー3]に疎水性シリカ0.7質量部と、疎水化酸化チタン0.3質量部を添加し、ヘンシェルミキサーにて周速8m/sの条件にて5分間混合した。混合後の粉体を目開き100μmのメッシュに通過させ、粗大粉を取り除いた。次に、この外添剤処理を施したトナー5質量%とシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95質量%とを容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、2成分系の[現像剤6〜9,比較現像剤3]を調製した。尚、[現像剤6〜9,比較現像剤3]に使用されているトナーは、上記の[トナー6〜9,比較トナー3]に順次、対応している。尚、[比較トナー1,2]については2成分系の現像剤を調整しなかった。
また、100質量部の各[トナー6〜9,比較トナー3]に疎水性シリカ0.7質量部と、疎水化酸化チタン0.3質量部を添加し、ヘンシェルミキサーにて周速8m/sの条件にて5分間混合し、1成分系の[現像剤16〜19,比較現像剤13]を調製した。尚、[現像剤16〜19,比較現像剤13]に使用されているトナーは、上記の[トナー6〜9,比較トナー3]に順次、対応している。尚、[比較トナー1,2]については1成分系の現像剤を調整しなかった。
得られた各現像剤について、画像形成装置(2成分現像剤の評価には、株式会社リコー製、IPSio Color 8100を使用、1成分現像剤の評価には、株式会社リコー製、imagio Neo C200を使用)に装填し、画像を出力して、以下のようにして評価した。結果を表3に示す。
<画像濃度>
普通紙の転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200)に低付着量となる0.3±0.1mg/cm2の付着量におけるベタ画像出力後、画像濃度を濃度計X−Rite(X−Rite社製)により測定し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:画像濃度1.4以上
○:1.35以上1.4未満
△:1.3以上1.35未満
×:1.3未満を×とした。
<トナー飛散>
温度40℃、湿度90%RHの環境下、画像形成装置(株式会社リコー製、IPSiO Color8100)をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用いて、各トナーを用いて画像面積率5%チャート連続100000枚出力耐久試験を実施後の複写機内のトナー汚染状態を目視にて、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:トナー汚れがまったく観察されず良好な状態である。
○:わずかに汚れが観察される程度であり問題とならない。
△:少し汚れが観察される程度である。
×:許容範囲外で非常に汚れがあり問題となる。
<転写性>
画像面積率20%チャートを感光体から紙に転写後、クリーニングの直前における感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:ブランクとの差が0.005未満である。
○:ブランクとの差が0.005〜0.010である。
△:ブランクとの差が0.011〜0.02である。
×:ブランクとの差が0.02を超える。
<帯電安定性>
各トナーを用いて、画像面積率12%の文字画像パターンを用いて、連続10万枚出力耐久試験を実施し、そのときの帯電量の変化を評価した。スリーブ上から現像剤を少量採取し、ブローオフ法により帯電量変化を求め、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○:帯電量の変化が5μc/g未満である。
△:帯電量の変化が5μc/g以上10μc/g以下である。
×:帯電量の変化が10μc/gを超える。
<フィルミング性>
画像面積率100%、75%、及び50%の帯チャートを1000枚出力後の現像ローラ、及び感光体上のフィルミングを観察し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:まったくフィルミングが発生していない。
○:うっすらとフィルミングの発生を確認できる。
△:スジ状にフィルミングが発生している。
×:全面にフィルミングが発生している。
<クリーニング性>
画像面積率95%チャートを1000枚出力後の清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:ブランクとの差が0.005未満である。
○:ブランクとの差が0.005〜0.010である。
△:ブランクとの差が0.011〜0.02である。
×:ブランクとの差が0.02を超える。
<総合評価>
各評価項目の評価結果の◎を1点、○を0点、△を−1点、×を−2点とし、合計点により総合評価を行った。
◎:合計点が4〜5点
○:合計点が0〜3点
△:合計点が−3〜−1点
×:合計点が−4点以下
Figure 2013198880
1 粒子製造装置
2 粒子製造装置
11,22 ボンベ
12a,12b,22 ポンプ
13a,13b,23 バルブ
14 高圧セル
16,26 ヒータ
24 セル
17,31 混合装置
32 ノズル
200 画像形成装置
210 給紙部
211 給紙カセット
212 給紙ローラ
220 搬送部
221 ローラ
222 タイミングローラ
223 排紙ローラ
224 排紙トレイ
230 作像部
231 感光ドラム(静電潜像担持体の一例)
232 帯電器
233 露光器(静電潜像形成手段の一例)
234 現像装置(現像手段の一例)
235 除電器
236 清掃器
237 トナーカートリッジ
240 転写部(転写手段の一例)
241 駆動ローラ
242 従動ローラ
243 中間転写ベルト
244 一次転写ローラ
245 二次対向ローラ
246 二次転写ローラ
250 定着部(定着手段の一例)
251 加熱ローラ
252 加圧ローラ
T トナー
特許第2677685号公報 特開平10−20552号公報 特許第4113452号公報

Claims (14)

  1. 第1の圧縮性流体と圧可塑性材料とを接触させて、前記圧可塑性材料を溶融させる溶融工程と、
    前記圧可塑性材料を溶融させて得られた溶融体に窒素を含む第2の圧縮性流体を供給しつつ、前記溶融体を噴射して造粒する造粒工程と、
    を有することを特徴とする粒子の製造方法。
  2. 前記溶融工程で、予め加熱して可塑化した前記圧可塑性材料と前記第1の圧縮性流体とを接触させることを特徴とする請求項1に記載の粒子の製造方法。
  3. 前記溶融体の粘度は、500mPa・s以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒子の製造方法。
  4. 前記溶融体の粘度は、20mPa・s以下であることを特徴とする請求項3に記載の粒子の製造方法。
  5. 前記圧可塑性材料に加えられる圧力に対する前記圧可塑性材料のガラス転移温度の変化の傾きは、−5℃/MPa以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の粒子の製造方法。
  6. 前記圧可塑性材料に加えられる前記圧力に対する前記圧可塑性材料の前記ガラス転移温度の変化の傾きは、−10℃/MPa以下であることを特徴とする請求項5に記載の粒子の製造方法。
  7. 前記溶融工程で、静止型混合器を用いずに前記第1の圧縮性流体と前記圧可塑性材料とを連続的に接触させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の粒子の製造方法。
  8. 前記溶融工程で、前記第1の圧縮性流体と前記圧可塑性材料とを連続的に接触させ
    前記造粒工程で、前記溶融体を噴射して連続的に造粒することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の粒子の製造方法。
  9. 前記圧可塑性材料は、ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の粒子の製造方法。
  10. 前記第1の圧縮性流体は、二酸化炭素を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の粒子の製造方法。
  11. 前記圧可塑性材料は、トナーの原材料であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の粒子の製造方法。
  12. 請求項11に記載の粒子の製造方法により製造され、有機溶媒を実質的に含有しないことを特徴とするトナー。
  13. 請求項12に記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
  14. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像形成手段によって形成された前記静電潜像を、請求項12に記載のトナーを用いて、可視像に現像する現像手段と、
    前記現像手段によって現像された前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記転写手段によって転写された転写像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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