JP2013198442A - 移送デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】
簡便な構造を有し、円滑かつ確実に、シート状細胞培養物などのシート状移植片を回収および移送し、さらには移植することのできる、移送デバイスを提供する。
【解決手段】
本発明の移送デバイス1は、シート状移植片100を移送するための移送デバイス1であって、柱状または錘状をなす支持体2と、支持体2の側面から突出する、複数の突刺部3と、を有し、複数の突刺部3のうちの少なくとも一部によって前記シート状移植片100が突刺されることにより、前記シート状移植片100を保持することができるように構成されている。
【選択図】図10

Description

本発明は、移送デバイスに関する。
近年、損傷した組織等の修復のために、種々の細胞を移植する試みが行われている。例えば、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患により損傷した心筋組織の修復のために、胎児心筋細胞、骨格筋芽細胞、ES細胞等の利用が試みられている。
このような試みの一環として、スキャフォールドを利用して形成した細胞構造物や、細胞をシート状に形成したシート状細胞培養物が開発されてきた(例えば、特許文献1参照)。
シート状細胞培養物の治療への応用については、火傷などによる皮膚損傷に対する培養表皮シートの利用、角膜損傷に対する角膜上皮シート状細胞培養物の利用、食道ガン内視鏡的切除に対する口腔粘膜シート状細胞培養物の利用などの検討が進められている。
このようなシート状細胞培養物を、目的とする患部(移植部位)に移植するには、例えば、シート状細胞培養物の端部を移植デバイス等で把持し、シート状細胞培養物を包装容器から取り出し、患部まで移送し、その患部に移植(貼付)するといった一連の操作が必要となるが、シート状細胞培養物は、絶対的な物理的強度が低く、皺、破れ、破損などが生じ易いことから、この一連の操作には高度な技術が要求され、かつ細心の注意を払う必要がある。
このようなシート状細胞培養物の移植を容易とするために、移植片を保持するための少なくとも2つの開口部を有する保持部と、開口部に流体圧を供給する少なくとも1つの流体圧供給源と、開口部への流体圧を開口部および/または開口部群毎に調整する調整部とを有する器具が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この器具においては、開口部において、陰圧および陽圧を生じさせることにより、移植片の脱着を行う。
しかしながら、より簡便な構造を有し、より円滑かつ確実に、シート状細胞培養物などのシート状移植片を回収および移送し、さらには移植することのできる、移送デバイスが求められている。
特表2007−528755号公報 特開2012−29909号公報
したがって、本発明の目的は、簡便な構造を有し、円滑かつ確実に、シート状細胞培養物などのシート状移植片を回収および移送し、さらには移植することのできる、移送デバイスを提供することにある。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究を重ねる中で、柱状または錘状をなす支持体とこの側面から突出する複数の突刺部とを有する簡便な構造の移送デバイスによって、円滑かつ確実に、シート状細胞培養物などのシート状移植片を回収および移送し、さらには移植することができることを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1) シート状移植片を移送するための移送デバイスであって、
柱状または錘状をなす支持体と該支持体の側面から突出する複数の突刺部とを有し、
該複数の突刺部のうちの少なくとも一部によって前記シート状移植片が突刺されることにより、前記シート状移植片を保持することができるように構成されている、前記移送デバイス。
(2) 支持体が、複数の突刺部に対応する複数の貫通孔を有し、突刺部が、該貫通孔を介して支持体に収納可能である、(1)に記載の移送デバイス。
(3) 支持体が、その内部に液体を保持するための液体保持部材を有し、該液体保持部材が保持する液体が支持体の側面から支持体外に放出可能である、(1)または(2)に記載の移送デバイス。
(4) 突刺部の支持体への収納と、液体保持部材が保持する液体の支持体側面から支持体外への放出とが連動する、(3)に記載の移送デバイス。
(5) 液体が、シート状移植片の目的部位への接着を補助するものである、(3)または(4)に記載の移送デバイス。
(6) シート状移植片が、シート状細胞培養物である、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の移送デバイス。
本発明によれば、シート状移植片を突刺部により係止して保持することにより、例えばピンセット等によって把持する場合のように特定の箇所に強い力が加わり難く、その結果、シート状移植片の不本意な破損が防止される。また、移送デバイスは、その支持体にシート状移植片を巻きつけるようにして回収することが可能であるので、皺や折れなどの発生が防止されている。以上より、本発明の移送デバイスを用いた場合、円滑かつ確実に、シート状細胞培養物などのシート状移植片を回収および移送し、さらには移植することができる。また、本発明の移送デバイスは、簡便な構造を有している。
特に、移送デバイスの突刺部の収納が可能となることにより、支持体からのシート状移植片の脱離が容易なものとなる。さらに、支持体内に液体保持部材を収容することにより、必要時に液体を支持体から放出することができ、例えば、移植時において接着剤等を患部に塗布する必要がある際に、便利である。さらに、液体を支持体から放出することにより、支持体からのシート状移植片の脱離が促進される。
図1は、本発明の好適な実施態様の移送デバイスを示す概略図である。 図2は、図1に示す移送デバイスの縦断面図(a)および、その案内部付近の拡大図(b)である。 図3は、図2に示す移送デバイスのx−x’断面図である。 図4は、図2に示す移送デバイスの、突刺部収納時におけるx−x’断面図である。 図5は、本発明の他の変形態様の移送デバイスを示す概略図である。 図6は、本発明の他の変形態様の移送デバイスを示す概略図である。 図7は、本発明の他の変形態様の移送デバイスを示す概略図である。 図8は、本発明の他の変形態様の移送デバイスを示す概略図である。 図9は、本発明の他の変形態様の移送デバイスを示す概略図である。 図10は、図1に示す移送デバイスを用いたシート状移植片の移植方法を示す概略図である。
以下、本発明の好適な実施態様を、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1は、本発明の好適な実施態様の移送デバイスを示す概略図、図2は、図1に示す移送デバイスの縦断面図(a)および、その案内部付近の拡大図(b)、図3は、図1、図2に示す移送デバイスのx−x’断面図、図4は、図1、図2に示す移送デバイスの、突刺部収納時におけるx−x’断面図である。
なお、説明の便宜上、支持体2の軸方向を言及する際において、持手部4側を「基端側」、他方の側(封止部材23側)を先端側という。
図1および図2に示すように、本発明の移送デバイス1は、支持体2と、支持体2の側面から突出する、複数の突刺部3とを有している。また、本実施態様の移送デバイス1は、さらに、持手部4と、突刺部3の位置を操作する操作部5と、支持体2の内部空間21内に設けられた液体保持部材6とを有している。
支持体2は、その全体形状が略円柱状をなし、円筒部22と、円筒部22の先端および基端を封止する封止部材23、24とを有するケーシングであり、円筒部22と封止部材23、24とが、それらの内壁により内部空間21を形成している。
円筒部22は、円筒形状をなし、その外表面が平坦なものとなっているが、後述する複数の突刺部3が突出する部位に対応して、複数の貫通孔221設けられている。
さらに、図2(b)、図3、図4に示すように、円筒部22の貫通孔221が設けられた部位の内部空間21側(内壁側)には、案内部222が設けられている。案内部222は、貫通孔221を延長して形成され、突刺部3の太さに対応した、突刺部3を案内するための溝を有している。案内部222は、突刺部3の突出、収納時に突刺部3を案内するとともに、突出時における突刺部3の円筒部22の外表面に対する角度を調節する。
封止部23、24は、それぞれ、円筒部22の先端および基端を封止する略円板状の部材である。封止部23、24は、円筒部22から取り外し可能に構成され、一方で取り付け時においては、円筒部22に対し回転不可能に固定されている。封止部23または封止部24を取り外すことにより、例えば、内筒部22内の洗浄を行うことができる。
また、封止部23、24は、それぞれ、それらの少なくとも一部が網状をなしており、これにより、液体が封止部23、24を通過できるものとなり、後述する液体保持部材6への液体の補充が容易となる。
また、先端側の封止部材23の内壁側には、固定部材231が固定されている。固定部材231は、凹部を有する略円盤形状をなし、当該凹部において、後述する持手部4を支持体2に対し回転不可能に固定するとともに、操作部5を支持体2に対し回転可能に固定している。
突刺部3は、針状の部材であり、支持体2の側面、すなわち、円筒部22の貫通孔221から突出している。
また、突刺部3は、支持体2の側面から複数突出するように、複数設けられている。突刺部3は、これら複数の突刺部3によってシート状移植片100を支持することが可能なように配列されている。本実施態様においては、図1に示すように、支持体2の軸方向と平行して5つの突刺部3が等間隔に列をなし、かつ当該列が、支持体2の側面の周方向に沿って、等間隔に4列設けられている。
移送デバイス1は、このような複数の突刺部3のうち少なくとも一部によってその先端においてシート状移植片100を突刺して係止することにより、シート状移植片100を保持する。特に、複数の突刺部3をシート状移植片100に接触させた状態で、支持体2の側面に沿って移送デバイス1を回転させることにより、シート状移植片100は、より容易に突刺部3に係止され、移送デバイス1に保持される。
また、後述するように突刺部3は、それぞれ、その基端が操作部5に固定されており、操作部5によって操作されることにより、移動することができ、支持体2の側面(円筒部22)の貫通孔221からの突出および該貫通孔221を介した支持体2への収納が可能に構成されている。このように支持体2へ突刺部3が収納されると、係止されていたシート状移植片100は、係止が解除され、支持体2から脱離する。
また、突刺部3は、その基端から先端にかけて可撓性を有するとともに、適度な弾性を有している。これにより、突刺部3は案内部222に沿って移動することが可能となり、支持体2への収納および支持体2からの突出が容易となるとともに、シート状移植片100回収時における移送デバイス1の操作性が向上する。
本実施態様においては、突刺部3の基端付近と比較して、先端付近は、その直径が小さくなることにより、弾性が高くなるよう構成されている。これにより、基端付近においては弾性が比較的低いため、操作部5による操作が突刺部3の動作により確実に反映されやすくなるとともに、先端付近の弾性が比較的高いため、突刺部3の微細な操作性が向上し、突刺部3による不本意なシート状移植片100の損傷を防止することができる。
具体的には、特に限定されないが、突刺部3は、例えば、その基端付近の直径が、0.1〜3mmであり、その先端付近の直径が、0.1〜1mmであり、全体の平均直径が、0.1〜2mmである。
また、突刺部3は、シート状移植片100の回収、移送が容易となるよう、円筒部22の側面に対し、0〜100°、好ましくは、15〜90°の角度で突出している。
このような突刺部3を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、Ni−Ti合金、ステンレス鋼などの各種金属または合金、あるいは、各種樹脂材料を、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
持手部4は、使用者が移送デバイス1を持ち運ぶ、あるいは操作する際に持ち手として用いる部材である。また、持手部4は、支持体2に回転不可能に固定されており、操作部5を操作する場合において、操作部5に対する支持体2の相対的な位置関係を制御するために用いられる。
持手部4は、持手41と、連結部42とを有している。
本実施態様においては、持手41は、略円柱形状をなしている。また、持手41は、連結部42を介して、支持体2の固定部材231に固定されている。
連結部42は、持手部4と支持体2との間に設けられ、これらを連結する。連結部42は、長尺の略円柱形状をなしている。連結部42の一方の端部は、持手部42を固定するとともに、他方の端部は、固定部材231を介して支持体2に固定されている。
操作部5は、支持体2に対して回転可能に設けられ、回転により突刺部3の支持体2からの突出または収納を制御する回転体51と、回転体51を操作するハンドル52と、固定部材53、54とを有している。
回転体51は、略円筒形状をなしており、封止部材24を貫通するとともに、その内部を連結部42が貫通するように、配置されている。また、回転体51は、その先端が、内部空間21を通り、支持体2の先端付近にある封止部材23に固定された固定部材231に、回転可能に固定されている。また、支持体2および操作部5の中心軸は、同一の線上を通過するように、構成されている。以上の構成により、回転体51は、その中心軸を回転軸として、支持体2に対して、回転可能に構成される。
また、回転体51は、支持体2の内部空間21内において、複数の突刺部3の基端をその側面にそれぞれ固定している。
ハンドル52は、回転部51の持手部4側の端部付近に固定して設けられ、略円筒形状をなしている。
ハンドル52は、持手部4に対して、回転体51の中心軸を回転軸として回転することにより、回転体51を支持体2に対して回転させることができる。
また、ハンドル52は、連結部42と回転体51との位置関係を固定するためのロック機構を有している(図示せず)。これにより、必要に応じて、ロック機構を作動させて、不本意な支持体2に対する回転体51の回転を防止することができる。
固定部材53、54は、それぞれ、略円盤状の板をなし、それらの中心部付近には貫通孔が設けられている。固定部材53、54は、封止部材24を支持体2の内部空間21側からおよび外部側から挟み込むように設けられており、貫通する回転体51の位置がこれらの固定部材53、54によって、固定されている。一方で、固定部材53、54は、封止部材24に対しては固定されておらず、この結果、固定部材53、54は、回転体51とともに、回転体51の中心軸を回転軸として、支持体2に対して回転可能に構成されている。
また、内部空間21側に設けられた固定部材53は、液体保持手段6の基端を固定している。
以上、支持体2、持手部4、操作部5は、それぞれの部材においては回転不可能に構成されている。そして、支持体2は、持手部4に対し回転不可能であるのに対し、操作部5に対しては回転可能である。このような構成により、使用者は、持手部4を固定して持ちつつ、突刺部3を坦持する操作部5を支持体2に対して回転させることにより、あるいは、操作部5を固定して持ちつつ、持手部4を回転させ、支持体2を操作部5に対して回転させることにより、突刺部3の支持体2に対する出入り、すなわち突出および収納が可能となる。
具体的には、図3、4に示すように、支持体2に対し、操作部5の回転体51がA方向に回転することにより(図3)、突刺部3は、案内部222に沿って湾曲しつつ収納される(図4)。一方で、回転体61がB方向に回転することにより(図4)、突刺部3が移動し、案内部222に沿って突刺部3が伸びて、この結果、突刺部3は、貫通孔221より突出する(図3)。
すなわち、操作部5が支持体2に対して回転することにより、突刺部3の対応する貫通孔221との位置関係が変化し、この結果、突刺部3の支持体2に対する出入りが可能となる。
液体保持手段6は、軸方向に貫通孔を有する略円柱形状をなし、内部空間21内において、回転体51の外周上に配置されている。また、液体保持手段6は、突刺部3の可動範囲に対応して、スリットが設けられている(図示せず)。
また、液体保持手段6は、可撓性を有するスポンジ状の材料で構成されており、液体を保持することができる。
このような材料としては、特に限定されないが、ウレタン、ポリエチレン、ポリオレフィンなどが挙げられ、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、このような液体としては、特に限定されないが、ゼラチンゲル、フィブリンゲルなどのシート状移植片の目的部位への接着を補助する接着剤、水、生理食塩水、リン酸平衡塩液、ハンクス平衡塩液などの洗浄液、リンゲル液などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、本願発明は、シート状移植片100の移植に適しているため、液体として上記接着剤が好適に用いられる。
また、液体保持手段6は、その一端が固定部材231に固定され、他端が固定部材53に固定されている。これにより、固定部材231に固定された一端は、常に支持体2に対して回転が不可能であるのに対し、他端は、操作部5とともに支持体2に対し、支持体2の中心軸を回転軸として回転可能に構成されている。この結果、液体保持手段6は、操作部5の回転体51の回転とともに捻じれが生じ、保持する液体を放出する。放出された液体は、貫通孔221を通過して支持体2の外部へ放出される。
また、液体保持手段6は、回転体51が回転し、複数の突刺部3が支持体2に収納される際に、保持する液体を支持体2の側面から支持体2外に放出するように構成されている。すなわち、突刺部3の支持体2への収納と、液体保持部材6が保持する液体の支持体2側面から支持体2外への放出とが連動する。このような構成は、例えば、突刺部3を収納することによりシート状移植片100を移送デバイス1から脱離させる際に、なんらかの薬品を供給することが必要な場合に有利である。例えば、シート状移植片100としてのシート状細胞培養物を目的部位に配置する際に、接着剤としてのフィブリンゲルなどを目的部位に適用する場合がこれに相当する。また、このようにシート状移植片100を移送デバイス1から脱離させる際に、液体が支持体2から放出されることにより、シート状移植片100の脱離がより確実なものとなる。
以上説明した移送デバイス1の各構成部材については、上記において具体的に言及していない限り、公知の材料を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。このような材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス、チタン、チタン合金などの各種金属および合金やポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの樹脂材料などが挙げられる。
また、以上説明した移送デバイス1の各構成部材の大きさは、シート状移植片100の大きさや厚さ、移送時における周辺環境の状態(例えば、移送距離、操作空間の大小、障害物の有無など)、移送デバイス1の操作性などを考慮して、適宜決定される。
また、本実施態様の変形態様としては、図5〜図9に示すものが挙げられる。
図5〜図9は、本発明の他の変形態様の移送デバイスを示す概略図である。
具体的には、図5〜図9に示すように、移送デバイス1A〜1Dは、支持体2とは異なる柱状または錘状をなす支持体2A〜2Dを有している。
図5に示すように、移送デバイス1Aの支持体2Aは、先端側が縮径した円柱状をなしている。また、図6に示すように、移送デバイス1Bの支持体2Bは、先端を頂点とした円錐状をなしている。移送デバイス1A、1Bは、支持体2A、2Bに対し持手部4の動きが小さく反映されるため、例えば、シート状移植片100の移送先の目的部位が狭い場合において細かい作業が可能になる点で有利である。
また、図7に示すように、移送デバイス1Cの支持体2Cは、先端側が拡径した円柱状をなしている。移送デバイス1Cは、支持体2Cに対し持手部4の動きが大きく反映されるため、例えば、シート状移植片100の移送先の目的部位が広い場合において、作業者の動きを削減でき、作業者の負担を減らすことができる。
また、図8に示すように、移送デバイス1Dの支持体2Dは、八角柱状をなしている。
なお、支持体2に変えて、支持体を他の形状、例えば、六角柱などの多角柱、楕円柱、八角錘などの多角錘または楕円錘あるいは、これらの一端が縮径した形状などとすることも可能である。
また、図9に示すように、移送デバイス1Eは、支持体2の側面の突刺部3の存在しない部位において、複数の張付防止部材7を有している。張付防止部材7は、支持体2の周方向において凸部を形成するように設けられた環形状をなす。また、同変形態様においては、4つの張付防止部材が軸方向に沿って、それぞれが他の張付防止部材に対して突刺部をまたいで、配置されている。これにより、支持体2へのシート状移植片100の張り付きがより確実に防止される。なお、張付防止部材7は、支持体2から取り外し可能に構成されている。
いずれの変形態様についても、他の構成要素としては、移送デバイス1と同様とすることができる。なお、支持体が錘状をなす場合、例えば、移送デバイス1Bの場合、先端側の封止部材が省略され、錘の先端付近の内壁に固定部材が設置される。
次に、上述した移送デバイス1を用いたシート状移植片の移植方法の一例について説明する。図10は、図1に示す移送デバイスを用いたシート状移植片の移植方法を示す概略図である。
本実施態様のシート状移植片100の移植方法は、シート状移植片100を移送デバイス1で回収する第1のステップと、移送デバイス1とともにシート状移植片100を患部(移植部位)付近に移送する第2のステップと、シート状移植片100を患部に配置(送達)する第3のステップとを有している。
以下、詳述する。
まず、第1のステップに先立ち、移送デバイス1の準備を行う。準備としては、操作部5によって操作することにより、移送デバイス1の突刺部3を突出させた状態とする。また、必要に応じて、移送デバイス1の液体保持部材6に液体を補充する。
液体保持部材6への液体の補充は、いかなる方法によって行うものであってもよいが、例えば、液体保持部材6を液体に浸漬するように、支持体2を液体に接触、浸漬する方法や、封止部材23、24を取り外して液体を液体保持部材6に注入する方法や、封止部材23、24の隙間や、補充口(図示せず)液体を液体保持部材6に注入する方法が挙げられる。
次に、第1のステップでは、シート状移植片100を移送デバイス1で回収する(図10(a))。
シート状移植片100としては、シート状をなす移植片であれば、特に限定されず、例えば、シート状細胞培養物、培養表皮、培養真皮、培養角膜などが挙げられる。上述した中でもシート状細胞培養物は、一般に、物理的な力に対して脆弱であるため取り扱いの際に破損しないよう留意が必要であり、また、折れや皺などが発生しやすい結果、移送、回収が困難なものであるが、移送デバイス1を用いることにより、折れ、皺および破損を防止しつつ容易に回収、移送を行うことが可能となる。
ここで、本発明において、「シート状細胞培養物」は、細胞が互いに連結してシート状になったものをいい、典型的には1の細胞層からなるものであるが、2以上の細胞層から構成されるものも含む。細胞同士は、直接および/または介在物質を介して、互いに連結していてもよい。介在物質としては、細胞同士を少なくとも物理的(機械的)に連結し得る物質であれば特に限定されないが、例えば、細胞外マトリックスなどが挙げられる。介在物質は、好ましくは細胞由来のもの、特に、細胞培養物を構成する細胞に由来するものである。細胞は少なくとも物理的(機械的)に連結されるが、さらに機能的、例えば、化学的、電気的に連結されてもよい。すなわち、シート状細胞培養物は、好ましくは生体に由来しないスキャフォルド(支持構造)を含まない。
また、シート状細胞培養物は、上記の構造を形成し得る任意の細胞から構成される。かかる細胞の例としては、限定されずに、筋芽細胞(例えば、骨格筋芽細胞)、心筋細胞、線維芽細胞、間葉系幹細胞、滑膜細胞、胚性幹細胞、上皮細胞、内皮細胞などが挙げられる。細胞は、細胞培養物による治療が可能な任意の生物に由来し得る。かかる生物には、限定されずに、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジなどが含まれる。
シート状細胞培養物は、任意の既知の手法、例えば特許文献1、2等に記載された方法によって製造することができる。
移送デバイス1によるシート状移植片100の回収は、少なくとも1以上の突刺部3をシート状移植片100に当接させた(突刺した)状態で支持体2を回転させ、シート状移植片100を突刺部3において係止して保持することにより行う。好ましくは、突刺部3をシート状移植片100の縁部周辺に当接させた状態から、支持体2をシート状移植片100の中央付近へ向けて回転させて、回収を行う。このように、支持体2を回転させることにより、突刺部3に係止されたシート状移植片100は、これを坦持する基板上から徐々に剥離して支持体2に巻きつくことができ、シート状移植片100の不本意な破損や皺、折れの発生が抑制される。
次に、第2のステップでは、移送デバイス1とともにシート状移植片100を患部200付近(本実施態様では心臓において心筋が壊死している箇所)に移送する(図10(b))。シート状移植片100は、突刺部3に係止され、支持体2に巻きついているため、移送時における移送デバイス1からの不本意な脱落が防止されている。
次に、第3のステップでは、シート状移植片100を患部200上に配置する(送達する)(図10(c))。シート状移植片100の配置(送達)は、患部200付近で、支持体2からシート状移植片100を脱離させることにより行う。
支持体2からのシート状移植片100の脱離は、いかなる方法で行うものであってもよいが、例えば、突刺部3を支持体2に収納することにより行う方法、シート状移植片100の縁部付近が患部200上となる位置で支持体2を回転させてシート状移植片100を脱離させる方法などが挙げられる。
特に、突刺部3を支持体2に収納することにより行う方法が好ましい。この方法においては、突刺部3を収納することにより、シート状移植片100が支持体2から脱離するとともに、患部200と突刺部3とが接触することが防止される。
この場合、突刺部3の収納は、例えば、持手部4により支持体2を固定した状態で操作部5(回転体51)を回転させることにより行うこともできるし、また、操作部5(回転体51)を固定した状態で持手部4により支持体2を回転させることにより行うこともできる。
また、突刺部3を支持体2に収納することによりシート状移植片100の脱離を行う場合、突刺部3の収納に伴い、液体保持部材6がねじれることにより、液体保持部材6に液体が含まれる場合には、液体が支持体2を通過して放出される。そして、放出された液体がシート状移植片100および患部200に付着する。これにより、その液体の種類に応じて、液体による所期の効果、例えば、接着、洗浄、湿潤などの効果が発揮される。特に、液体がフィブリンゲルなどの接着剤の場合、シート状移植片100の患部200への送達と同時に接着剤の患部200への適用が可能となるため、移植の手術がより簡便なものとなる。さらに、液体を支持体2から放出することにより、支持体2からのシート状移植片100の脱離が促進される。
次に、移送デバイス1を用いた、シート状移植片100の移送方法について説明する。
本実施形態のシート状移植片100の移送方法は、シート状移植片100を移送デバイス1で回収するステップと、移送デバイス1とともにシート状移植片100を目的部位付近に移送するステップと、シート状移植片100を目的部位に配置するステップとを有している。
すなわち、本実施態様のシート状移植片100の移送方法は、患部のみならず所望の目的部位にシート状移植片100を移送、配置すること以外は、上述したシート状移植片100の移植方法と同様である。言い換えると、本実施形態のシート状移植片の移送方法は、患部にシート状移植片100を移送、配置するものであってもよいし、患部以外の所望の目的部位にシート状移植片100を移送、配置するものであってもよい。
以上、本発明によれば、シート状移植片を突刺部により係止して保持することにより、例えばピンセット等によって把持する場合のように特定の箇所に強い力が加わり難く、その結果、シート状移植片の不本意な破損が防止される。また、移送デバイスは、その支持体にシート状移植片を巻きつけるようにして回収することが可能であるので、皺や折れなどの発生が防止されている。以上より、本発明の移送デバイスを用いた場合、円滑かつ確実に、シート状細胞培養物などのシート状移植片を回収および移送し、さらには移植することができる。また、本発明の移送デバイスは、簡便な構造を有している。
特に、本実施態様の移送デバイス1は、突刺部3の収納が可能となっており、支持体2からのシート状移植片100の脱離が容易なものとなっている。さらに、支持体2内に液体保持部材6を収容することにより、必要時に液体を支持体2から放出することができ、例えば、移植時において接着剤等を患部200に塗布する必要がある際に、便利である。さらに、液体を支持体2から放出することにより、支持体2からのシート状移植片100の脱離が促進される。
以上、本発明を図示の実施態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明においては、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成を付加することもできる。
例えば、上述した実施態様においては、操作部は、ハンドルと回転体とを有するものとして説明したが、本発明は、これに限定されず、他の構成により突刺部の突出および収納が可能となるものであってもよい。また、例えば、これらの構成を電動の駆動手段などにより電気的に作動させるものであってもよい。
また、例えば、上述した実施態様においては、液体保持部材はスポンジ状の材料で構成されているとして説明したが、本発明は、これに限定されず、例えば、液体保持部材は、液体を保持するための一定の容積を有する容器であってもよい。この場合、例えば、容器内にピストンなどの容積圧縮手段により、液体を放出することができる。
また、例えば、上述した突刺部の数、配列、長さについては、その対象となるシート状移植片の大きさ等を考慮して、適宜変更することができる。
1、1A、1B、1C、1D、1E 移送デバイス
2、2A、2B、2C、2D 支持体
21 内部空間
22 円筒部
221 貫通孔
222 案内部
23、24 封止部材
231 固定部材
3 突刺部
4 持手部
41 持手
42 連結部
5 操作部
51 回転体
52 ハンドル
53、54 固定部材
6 液体保持部材
7 張付防止部材
100 シート状移植片
200 患部

Claims (6)

  1. シート状移植片を移送するための移送デバイスであって、
    柱状または錘状をなす支持体と該支持体の側面から突出する複数の突刺部とを有し、
    該複数の突刺部のうちの少なくとも一部によって前記シート状移植片が突刺されることにより、前記シート状移植片を保持することができるように構成されている、前記移送デバイス。
  2. 支持体が、複数の突刺部に対応する複数の貫通孔を有し、突刺部が、該貫通孔を介して支持体に収納可能である、請求項1に記載の移送デバイス。
  3. 支持体が、その内部に液体を保持するための液体保持部材を有し、該液体保持部材が保持する液体が支持体の側面から支持体外に放出可能である、請求項1または2に記載の移送デバイス。
  4. 突刺部の支持体への収納と、液体保持部材が保持する液体の支持体側面から支持体外への放出とが連動する、請求項3に記載の移送デバイス。
  5. 液体が、シート状移植片の目的部位への接着を補助するものである、請求項3または4に記載の移送デバイス。
  6. シート状移植片が、シート状細胞培養物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の移送デバイス。
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