JP2013197180A - 電子部品収納用セラミック基板およびそれを用いた電子部品実装パッケージ - Google Patents

電子部品収納用セラミック基板およびそれを用いた電子部品実装パッケージ Download PDF

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Abstract

【課題】 封止工程においても破損し難い電子部品収納用セラミック基板とそれを用いた電子部品実装パッケージを提供する。
【解決手段】 セラミック粒子の焼結体からなり、上面の中央部に電子部品10の搭載面1を有する基板底部3および基板底部5に一体的に形成され、基板底部3上で搭載面1を囲むように配置されている基板堤部5を備えてなり、基板底部3および基板堤部5を構成する焼結体はともに気孔率が3%以下であるとともに、基板底部3と基板堤部5とは気孔率が異なり、基板堤部5の気孔率が基板底部3に比べて高い。これにより封止工程においても破損し難い電子部品収納用セラミック基板Aとそれを適用した電子部品実装パッケージを得ることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子部品を収容するための凹部を有する電子部品収納用セラミック基板およびそれを用いた電子部品実装パッケージに関する。
気密封止を必要とする電子部品の例として、水晶振動子等の水晶応用製品やフラッシュメモリなどの半導体素子があげられる。これらの各製品はいずれも素子の表面に金属薄膜電極が形成されており、この金属薄膜電極を外気から保護するために、電子部品収納用セラミック基板などの筐体に搭載され気密封止されている。
図8は、従来の電子部品実装パッケージの一例を示す分解斜視図である。水晶応用製品等の電子部品100を搭載するための電子部品実装パッケージは、電子部品収納用セラミック基板101の上面に蓋体103が接合された構成となっている。電子部品収納用セラミック基板101はセラミック製の基板底部105とその上面に一体的に形成されたセラミック製の基板堤部106とを基本構造とし、その基板堤部106の表面にはメタライズ層107が形成されており、このメタライズ層107の上面にはさらに蓋体103が接合されている。この場合、蓋体103とメタライズ層107とは、ロウ材を介して、例えば、シーム溶接等の接合方法を用いて接合される(例えば、特許文献1を参照)。
近年、携帯電話やICカード等の電子装置が普及しているが、これらの電子装置は高性能化に加えて、ますます小型化や薄型化が要求されてきており、そのため、これらの電子装置に組み込まれる電子部品100やこれを搭載した電子部品実装パッケージについても一層の小型化や薄型化が求められている。
特開2010−135711号公報
電子部品実装パッケージの小型化や薄型化を図るためには、これを構成する電子部品収納用セラミック基板101の構成部材である基板底部105や基板堤部106の厚みや高さを小さくする必要があるが、これらの部材の厚みを薄くすると、それにつれて機械的強度が低下してくるため、シーム溶接等を用いた封止工程において、電子部品収納用セラミック基板101にクラック等の損傷が発生しやすくなるという問題がある。
従って、本発明は、封止工程においても破損し難い電子部品収納用セラミック基板とそれを適用した電子部品実装パッケージを提供することを目的とする。
本発明の電子部品収納用セラミック基板は、セラミック粒子の焼結体からなり、上面の中央部に電子部品の搭載面を有する板状の基板底部および該基板底部の周縁部に一体的に形成され、前記基板底部の側面で前記搭載面を囲むように配置されている基板堤部を備えてなり、前記基板底部および前記基板堤部を構成する焼結体はともに気孔率が3%以下であるとともに、前記基板底部と前記基板堤部とは気孔率が異なり、前記基板堤部の気孔率が前記基板底部に比べて高いことを特徴とする。
本発明の電子部品実装パッケージは、上記の電子部品収納用セラミック基板の前記搭載面に電子部品が実装され、前記基板堤部の上部に蓋体が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、封止工程においても破損し難い電子部品収納用セラミック基板とそれを用いた電子部品実装パッケージを得ることができる。
本発明の電子部品実装パッケージの一実施形態を示す分解斜視図である。 (a)は、図1に示した電子部品実装パッケージを構成する電子部品収納用セラミック基板のX−X線断面模式図であり、(b)は(a)の電子部品収納用セラミック基板を部分的に拡大した断面模式図である。 本実施形態の他の電子部品収納用セラミック基板を示すものであり、基板底部の搭載面の位置における厚みが搭載面とは反対の基板堤部の上端の位置における厚みよりも厚くなっている構造を示す断面模式図である。 本実施形態の他の電子部品収納用セラミック基板を示すものであり、基板底部の搭載面と基板堤部の内壁との連続箇所がテーパー状で、内壁から搭載面にかけてなだらかに連なる曲面を有している構造を示す断面模式図である。 本実施形態の電子部品収納用セラミック基板の製造工程を示す模式図である。 本実施形態の他の電子部品収納用セラミック基板の製造工程を示すものであり、図3に示した構造の電子部品収納用セラミック基板の製造工程を示す模式図である。 本実施形態の他の電子部品収納用セラミック基板の製造工程を示すものであり、図4に示した構造の電子部品収納用セラミック基板の製造工程を示す模式図である。 従来の電子部品実装パッケージの一例を示す分解斜視図である。
図1は、本発明の電子部品実装パッケージの一実施形態を示す分解斜視図である。図2(a)は、図1に示した電子部品収納用セラミック基板のX−X線断面模式図であり、(b)は(a)の電子部品収納用セラミック基板を部分的に拡大した断面模式図である。
本実施形態の電子部品収納用セラミック基板Aは、上面の中央部に電子部品10を搭載するための搭載面1を有する基板底部3と、基板底部3の周縁部に一体的に形成され、基板底部3の側面4で搭載面1を囲むように配置されている基板堤部5とが一体的に形成されたものであり、また、この基板堤部5の上面には、蓋体7などの金属部材を接合するためのメタライズ層9が設けられている。
基板底部3および基板堤部5は、いずれもセラミック粒子の焼結体により形成されており、ともに微細な気孔11を有しており、その気孔率は3%以下である。また、基板底部3と基板堤部5とは気孔率が異なり、基板堤部5の気孔率が基板底部3に比べて高いことが特徴である。
本実施形態の電子部品収納用セラミック基板Aでは、基板堤部5が基板底部3の周縁部に一体的に形成され、基板底部3の側面4で搭載面1を囲むように配置されており、基板堤部5の方の気孔率が基板底部3側よりも高いために、基板堤部5の方が基板底部3側よりも変形しやすくなっている。
例えば、図8に示すような従来の電子部品実装パッケージを例にして、従来のパッケー
ジに発生する損傷の発生メカニズムを説明すると、従来の電子部品収納用セラミック基板101は基板底部3と基板堤部5がともに同じ気孔率を有する緻密な焼結体により形成されている。このような電子部品収納用セラミック基板101のメタライズ層107上にシーム溶接を用いて金属製の蓋体103を接合すると、電子部品収納用セラミック基板101を構成する基板底部105および基板堤部106に比べて蓋体103の熱膨張係数が大きいために、接合後に、蓋体103の方が基板底部105および基板堤部106よりも大きく収縮する。一方、基板底部105および基板堤部106は蓋体103に比べて収縮による変形が小さいために、基板堤部106は図8に示す矢印の方向(基板堤部106の中心部に向く方向)に変形するようになる。同時に、基板底部105も周縁部が上側に向けて反ってくる。その結果、基板底部105の中央部が下方側に向けて凸状に変形することから、基板底部105の中央部に図8に示すようなクラックCが発生しやくなる。
これに対し、本実施形態の電子部品収納用セラミック基板Aの場合には、メタライズ層9の上面に、例えば、シーム溶接を用いて金属製の蓋体7を接合した場合においても、基板堤部5の気孔率が高いために、基板底部3よりも変形しやすくなっている。このため蓋体7を接合した後においても蓋体7の収縮に伴う電子部品収納用セラミック基板Aの全体的な変形を抑制することが可能となり、クラックの発生しやすい箇所とされる基板底部3の変形を小さくすることができる。
この場合、さらに本実施形態の電子部品収納用セラミック基板Aは、図2(a)(b)に示すように、気孔率の高い基板堤部5が基板底部3の周縁部の上面に形成されているのではなく、基板底部3の周縁部の側面4に一体的に形成されているため、変形しやすい部分が基板底部3の搭載面1の下側にも及んでいる。このため基板堤部5が基板底部3の周縁部の上面に形成されている場合に比べて、電子部品収納用セラミック基板Aに占める変形しやすい部分の割合が大きくなることから、蓋体7の収縮に伴う基板堤部5の蓋体7付近の上部側における変形量をより小さくすることができる。こうして電子部品収納用セラミック基板Aに蓋体を接合する封止工程においても破損を防止することが可能となる。
基板底部3および基板堤部5の焼結体の気孔率がいずれも3%以下であっても、基板底部3と基板堤部5とがともに同等の気孔率を示すものである場合には、基板堤部5の変形が基板底部3まで及ぶようになるために、基板底部3にクラックが発生しやすくなる。
また、基板底部3および基板堤部5の焼結体の気孔率がいずれも3%よりも高い場合には、焼結体の機械的強度が低下するとともに、吸水率が高くなるために、基板底部3および基板堤部5がともに割れやすくなってしまう。
このため本実施形態の電子部品収納用セラミック基板Aでは、蓋体7を接合する時のクラックの発生確率をより小さくすることができるという点で、基板堤部5の気孔率は1.8〜3.0%、特に、2.1〜2.4%であるのがよく、一方、基板底部3の気孔率は1.5〜2.8%、特に、1.7〜1.9%であることが望ましい。
この場合、基板堤部5と基板底部3との間で気孔率が異なるとは、気孔率の差が0.2%以上である場合をいう。
ここで、焼結体の気孔率は、断面研磨した試料の電子顕微鏡写真を用いて、まず、写真上に認められる気孔の総面積を画像解析により求め、次に、その気孔の総面積を写真の面積で除して求める。この場合、気孔は最大径が0.1μm以上であるものを選択することとし、それ以下の気孔は除くようにする。
基板底部3および基板堤部5の焼結体を構成するセラミック粒子の平均アスペクト比お
よび平均粒径は同等であるのがよい。セラミック粒子の平均アスペクト比が同等であるとは平均アスペクト比が0.1以下である場合をいい、また、平均粒径が同等であるとは、セラミック粒子の平均粒径が0.1μm以下である場合をいう。
なお、セラミック粒子の平均アスペクト比および平均粒径は得られた電子部品収納用セラミック基板を断面研磨し、走査型電子顕微鏡観察して得られた写真を画像解析して求める。
具体的には、走査型電子顕微鏡により撮影した写真上で、セラミック粒子が10〜30個程度入る円を描き、この円内に存在する各セラミック粒子7について、それぞれ長辺および短辺の長さを測定し、長辺/短辺の比から各セラミック粒子のアスペクト比を求め、次いで、これらの平均値から平均アスペクト比を求める。
セラミック粒子の平均粒径は、同じ領域の各セラミック粒子の輪郭から面積をそれぞれ求め、円の面積から直径を算出し、このようにして求めた直径の平均値を求めて、これを平均粒径とする。
本実施形態の電子部品収納用セラミック基板Aは、基板底部3の面積が0.5〜3mm、基板底部3の平均厚みが0.05〜1mmであり、基板堤部5の平均厚みtが0.05〜0.15mmと、基板底部3および基板堤部5の厚みが薄く、その上面に形成されるメタライズ層7の幅が狭いような小型の電子部品収納用セラミック基板に適している。
ここで、基板堤部5が基板底部3に一体的に形成されるというのは、基板堤部5と基板底部3とが同時焼成されて焼結されたものという意味である。
また、この電子部品収納用セラミック基板Aは、基板底部3と基板堤部5とが同じ材質であるのがよい。基板底部3と基板堤部5とが同じ材質であると、同時焼成される際に、基板底部3と基板堤部5との焼結速度が近いことから電子部品収納用セラミック基板の反りや変形を低減することができるからである。この場合、同じ材質というのは、基板底部3および基板堤部5に含まれる主成分のセラミック成分が同じであるという意味である。この場合主成分とは、基板底部3および基板堤部5に含まれるセラミック成分の含有量が80質量%以上である場合をいう。
なお、基板底部3および基板堤部5は、高い熱伝導性を有し、かつ高強度であるという点でアルミナを主成分とし、これにSiおよびMgなどの添加剤を含有するものが望ましい。
図1および図2(a)(b)では、基板堤部5の表面に形成されたメタライズ層7の上面にロウ材を介して蓋体7を接合する構造を基にして説明したが、このような構成に限らず、メタライズ層9と蓋体7との層間に金属製の枠体を設けたものでも同様の効果が得られることは言うまでもない。
図3は、本実施形態の他の電子部品収納用セラミック基板を示すものであり、基板底部3の搭載面1の位置における厚みtが搭載面1とは反対の基板堤部5の上端2の位置における厚みtよりも厚くなっている構造を示す断面模式図である。
本実施形態の電子部品収納用セラミック基板では、基板堤部5は、基板底部3の搭載面1の位置における厚みtが搭載面1とは反対の基板堤部5の上端2の位置における厚みtよりも厚くなっていることが望ましい。
基板堤部5が上記のような構造であると、基板堤部5が基板底部3の搭載面1上で厚くなった分だけ、電子部品収納用セラミック基板Aに占める基板堤部5の部分の割合をさらに大きくすることが可能となり、蓋体7の収縮に伴う基板堤部5の蓋体7付近の上部側における変形量をより小さくすることができる。
図4は、本実施形態の他の電子部品収納用セラミック基板を示すものであり、基板底部3の搭載面1と基板堤部5の内壁6との連続箇所がテーパー状で、内壁6から搭載面1にかけてなだらかに連なる曲面8を有している構造を示す断面模式図である。
この場合には、基板底部3の搭載面1と基板堤部5の内壁6との連続箇所がテーパー状で、内壁6から搭載面1にかけてなだらかに連なる曲面8を有している構造であるために、蓋体7を接合する際に基板堤部5に加わった応力に対する効力を高めることができ、その結果、基板底部3の搭載面1と基板堤部5の内壁6との交点付近が起点となるクラックの発生をも抑制することができる。
本実施形態の電子部品実装パッケージは、上述した電子部品収納用セラミック基板Aの搭載面1に水晶振動子等の電子部品9が実装され、基板堤部5の上部に蓋体13が設けられていることを特徴とするものである。この電子部品実装パッケージは、基板底部3および基板堤部5が緻密な焼結体によって形成されているとともに、基板堤部5が基板底部3の周縁部の側面4を囲むように配置されており、基板底部3と基板堤部5との間で、基板堤部5の気孔率を基板底部3側よりも高くしていることから、封止工程においても破損し難い電子部品収納用セラミック基板により構成される電子部品実装パッケージとなる。
なお、本実施形態の電子部品収納用セラミック基板Aには、必要に応じて、その表面や内部に、電子部品10や外部電源と接続するための導体層を設けてもよい。
次に、本実施形態の電子部品収納用セラミック基板および電子部品実装パッケージの製造方法について説明する。図5は、本実施形態の電子部品収納用セラミック基板の製造工程を示す模式図である。
まず、図5(a)に示すように、基板底部3および基板堤部5を形成するためのシート状成形体21を作製する。その組成は、例えば、Al粉末を主成分とし、これにSiO粉末およびMgO粉末を所定量添加した混合粉末を用いる。
次に、この混合粉末に対して、有機バインダーを溶媒とともに添加してスラリーや混練物を調製した後、これをプレス法、ドクターブレード法、圧延法、射出法などの成形方法を用いてシート状成形体21を形成する。
なお、電子部品収納用セラミック基板を製造する場合、必要に応じて、シート状成形体21の表面や内部に、電子部品や外部電源と接続するための導体層となる導体パターンを形成してもよい。
次に、図5(b)に示すように、一方の面に凸部23を有する金型を用意し、この金型を用いて、作製したシート状成形体をプレス成形し、凸部23に対応する部分が凹部となる成形体25を形成する。
このプレス成形の工程において、シート状成形体21は、金型の凸部23によって加圧された部分と、凸部23の周囲の部分とでは、加圧後の成形体25の密度が異なってくる。
すなわち、図5(c)に示すように、金型の凸部23の周囲の部分で加圧された領域27は、凸部23の部分で加圧された領域29に比較してシート状成形体21の厚みの変化が小さいことから、領域27は領域29に比較して成形体25における生密度が低くなる。つまり、領域29は領域27よりも生密度が高くなっている。図5(c)からわかるように、本実施形態の電子部品収納用セラミック基板Aを作製する方法によれば、密度の低い領域27は密度の高い領域29の周縁部の側面31に接着するように一体化されている。
次に、この成形体25を所定の温度条件で焼成することにより電子部品収納用セラミック基板を得ることができる。
こうして得られた電子部品収納用セラミック基板は、成形体25における領域27(低密度)と領域29(領域27よりも高密度)のそれぞれの生密度に依存して焼成後において焼結状態が異なってくる。
生密度が低くなっている領域27は、成形体25の状態で、領域29よりもセラミック粉末の接し方が弱いために、焼成過程においてもセラミック粉末の成分の拡散が領域29のセラミック粉末に比べて遅く、このため、この領域27のセラミック粉末は領域29のセラミック粉末よりも粒成長が遅くなる。
一方、生密度の高い領域29は、成形体25の状態で領域27の部分に比較してセラミック粉末が強固に接していることから、焼成過程においてセラミック粉末の成分が拡散しやすく、このためセラミック粉末は粒成長しやすくなる。
その結果、成形体25を気孔率が3%以下になるように焼結させても、成形体25の密度の低い方の領域27はセラミック粉末の粒成長の度合いが小さいために、焼結体の気孔率が高くなり、一方、成形体25の密度の高い方の領域29はセラミック粉末の粒成長の度合いが大きいために、焼結体の気孔率を低くすることができる。
こうして、基板堤部5が基板底部3の周縁部に一体的に形成され、基板底部3の側面4で搭載面1を囲むように配置され、基板底部3および基板堤部5を構成する焼結体がともに気孔率が3%以下であり、基板堤部5の気孔率が基板底部3に比べて高い電子部品収納用セラミック基板を得ることができる。
図6は、本実施形態の他の電子部品収納用セラミック基板の製造工程を示すものであり、図3に示した構造の電子部品収納用セラミック基板の製造工程を示す模式図であり、また、図7は、本実施形態の他の電子部品収納用セラミック基板の製造工程を示すものであり、図4に示した構造の電子部品収納用セラミック基板の製造工程を示す模式図である。
図3および図4にそれぞれ示した構造の電子部品収納用セラミック基板は、それぞれ図6(b)および図7(b)に示す形状の金型を用いることにより得ることができる。
Al粉末93質量%に対して、SiO粉末を5質量%、MgO粉末を2質量%の割合で混合した後、さらに、有機バインダーとしてアクリル系バインダーを19質量%、ワックスとしてパラフィンワックスを3質量%、有機溶媒としてトルエンを混合してスラリーを調製した後、ドクターブレード法にて平均厚みが400μmのシート状成形体を作製した。
次に、得られたシート状成形体に対し、それぞれ表1に示した構造の金型を用いて、8
0℃の温度で加熱プレスを行い、切断して、図5(c)、図6(c)および図7(c)にそれぞれ示すような構造の成形体を形成した。次に、この成形体の基板堤部となる部分の上面にタングステンと銅との混合粉末を主成分とする導体ペーストを用いて所定の形状のメタライズ層を形成し、次いで、還元雰囲気中、表1に示す温度にて1時間の焼成を行った。焼成された基板のメタライズ層にはニッケル、金めっきを順に施した。
得られた電子部品収納用セラミック基板は、平面の面積が2mm×2mm、基板底部の厚みが0.1mm、基板堤部の平均厚みが0.15mm、基板堤部の搭載面からの高さが0.2mmであった。
作製した基板のうち、図3に示す構造の電子部品収納用セラミック基板の基板底部の搭載面の位置における厚みtは0.16mmであり、搭載面とは反対の基板堤部の上端の位置における厚みtは0.13mmであり、tとtとの差が0.3mmであった(試料No.7)。試料No.1〜6の試料のtとtとの差はいずれも0.1mm以下であった。
また、図7(b)の金型を用いた作製した基板は、基板底部の搭載面と基板堤部の内壁との連続箇所がテーパー状で、内壁から搭載面にかけてなだらかに連なる曲面を有していた(試料No.8)。
比較例(試料No.1)として、シート状成形体の全体を、上記した凸部を有する金型を用いた成形時の凸部の領域が受ける圧力と同じ圧力で加圧した後、切削加工を施して、基板堤部と基板底部とが一体化された成形体を作製し、次いで、同じ焼成条件にて焼成したものを作製した。焼成温度を1340℃として、基板底部および基板堤部の焼結体の気孔率が3.5%であった試料は焼結体の機械的強度が低下したため、蓋体を接合する際に基板底部および基板堤部の両方にクラックが発生した。
次に、得られた電子部品収納用セラミック基板を加工して基板底部および基板堤部を切り出して気孔率を測定した。
焼結体の気孔率は、断面研磨した試料の電子顕微鏡写真を用いて、まず、写真上に認められる気孔の総面積を画像解析により求め、次に、その気孔の総面積を写真の面積で除して求めた。この場合、気孔は最大径が0.1μm以上であるものを選択し、それ以下の気孔は除くようにした。この評価は1個の試料について基板底部および基板堤部についてそれぞれ3箇所測定し、平均値を求めた。
封止時の破壊確率は、作製した電子部品収納用セラミック基板にコバール製の蓋体を銀ロウを用いてシーム溶接により接合し、接合後の試料の基板底部を実体顕微鏡を用いて観察することによって求めた。試料数は100個とした。
表1から明らかなように、電子部品収納用セラミック基板の基板底部および基板堤部の気孔率がいずれも3%以下であり、基板底部と基板堤部との間での気孔率の差が0.2%以上を示す試料No.2〜8では、封止時の基板底部の破壊確率が5%以下であった。
基板底部の搭載面の位置における厚みtと搭載面とは反対の基板堤部の上端の位置に
おける厚みtとの差を0.3mmとした試料(試料No.7)では、封止時の基板底部の破壊確率が1%であった。
基板底部の搭載面と基板堤部の内壁との連続箇所がテーパー状で、内壁から搭載面にかけてなだらかに連なる曲面を設けた試料No.8では、封止時における基板底部の破壊は見られなかった。
これに対し、電子部品収納用セラミック基板の基板底部および基板堤部の気孔率が1.6%以下であり、基板底部と基板堤部との間での気孔率の差が0.1%の試料No.1では、封止時の基板底部の破壊確率が45%であった。
A、101・・・電子部品収納用セラミック基板
1・・・・・・・搭載面
2・・・・・・・上端
3、105・・・基板底部
4・・・・・・・基板底部の側面
5、106・・・基板堤部
6・・・・・・・基板堤部の内壁
7、103・・・蓋体
8・・・・・・・基板底部の搭載面から基板堤部の内壁にかけての曲面
9・・・・・・・メタライズ層
10・・・・・・電子部品
11・・・・・・気孔
21・・・・・・シート状成形体
23・・・・・・凸部
25・・・・・・成形体
27・・・・・・金型の凸部の周囲の部分で加圧された領域
29・・・・・・金型の凸部の部分で加圧された領域
31・・・・・・基板底部の側面4に対応した成形体の側面
C・・・・・・・クラック
・・・・・・基板堤部の上端の位置における厚み
・・・・・・基板堤部の、基板底部の搭載面の位置における厚み

Claims (4)

  1. セラミック粒子の焼結体からなり、上面の中央部に電子部品の搭載面を有する板状の基板底部および該基板底部の周縁部に一体的に形成され、前記基板底部の側面で前記搭載面を囲むように配置されている基板堤部を備えてなり、前記基板底部および前記基板堤部を構成する焼結体はともに気孔率が3%以下であるとともに、前記基板底部と前記基板堤部とは気孔率が異なり、前記基板堤部の気孔率が前記基板底部に比べて高いことを特徴とする電子部品収納用セラミック基板。
  2. 前記基板堤部は、前記基板底部の前記搭載面の位置における厚みtが前記搭載面とは反対の基板堤部の上端の位置における厚みtよりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の電子部品収納用セラミック基板。
  3. 前記基板底部の前記搭載面と前記基板堤部の内壁との連続箇所はテーパー状で、前記内壁から前記搭載面にかけてなだらかに連なる曲面を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品収納用セラミック基板。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれかに記載の電子部品収納用セラミック基板の前記搭載面に電子部品が実装され、前記基板堤部の上部に蓋体が設けられていることを特徴とする電子部品実装パッケージ。
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