JP2013195632A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー像を被記録材にシワを発生させることなく定着させ、そのトナー像から得られる出力画像の光沢度を所望の値に制御する。
【解決手段】高光沢化モードHMおよび低光沢化モードを有し、湿式電子写真方式によって被記録材10上に形成される出力画像の光沢度に応じて高光沢化モードHMまたは低光沢化モードに設定される定着装置20であって、トナー像をこのトナー像に接触することなく加熱する非接触加熱手段31と、トナー像を加熱および加圧する加熱加圧手段21,22とを備え、高光沢化モードHMでは、被記録材10は非接触加熱手段31および加熱加圧手段22の順で通紙され、低光沢化モードでは、被記録材10は加熱加圧手段21および非接触加熱手段31の順で通紙される。
【選択図】図2

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関し、特に、湿式電子写真方式によって被記録材上に形成されたトナー像をその被記録材上に定着させる定着装置、およびその定着装置を備える画像形成装置に関する。
湿式電子写真方式を採用する画像形成装置(以下、湿式画像形成装置ともいう)においては、トナー(トナー粒子)およびキャリア液を含む現像剤を用いてトナー像が形成される。トナー像を形成するとき、トナーはキャリア液中に位置するため、流動性が高い。湿式画像形成装置は、たとえば3μm以下の粒子径を有するトナーを使用することが可能であり、高画質の出力画像を得ることができる。
湿式電子写真方式によって形成されたトナー像を被記録材に定着させるためには、トナーを溶融させる所定の熱量をトナー像に供給する必要がある。しかしながら、トナー像中にはトナーおよびキャリア液が含まれるため、トナーの定着はキャリア液によって阻害される。湿式画像形成装置においては、トナー像中のキャリア液に起因する定着不良の発生を防止する必要がある。
特開2009−163065号公報(特許文献1)には、湿式電子写真方式によって被記録材上に形成されたトナー像をその被記録材上に定着させる定着装置に関する発明が開示されている。同公報(特許文献1)は、この定着装置によれば、トナーの定着の阻害要因となるキャリア液を事前に蒸発させて除去することにより、トナー定着手段における被印刷物に対するトナーの定着性が向上され、より高品質の印刷物を得ることができると述べている。
特開平05−035132号公報(特許文献2)には、定着装置と排紙受けとを接続する排紙通路に、加熱手段または空気吹き出し口(気流発生手段)などを設けた湿式画像形成装置に関する発明が開示されている。同公報(特許文献2)は、この湿式画像形成装置によれば、被記録材に染み込んだ現像剤の溶剤または水分を揮発させて確実に乾燥させることができると述べている。
近年では、画像が形成される被記録材の種類は多岐に渡る。上質紙は、その材質(紙繊維)に起因して、表面に微細な凹凸を有している。これに対してコート紙は、その表面にコート層が形成されているため、平滑な表面形状を有している。表面形状が異なるため、上質紙とコート紙とでは、光沢度が大きく異なる。
特開2011−043683号公報(特許文献3)には、表面の光沢度、平滑度、または厚み等が異なる各種のコート紙に画像を形成する画像形成装置に関する発明が開示されている。同公報(特許文献3)は、この画像形成装置によれば、表面の光沢度、平滑度、または厚み等が異なる各種の被記録材に画像を形成する場合において、被記録材の搬送を停止させることなく、適切な光沢度の画像を出力することができると述べている。
特開2005−284048号公報(特許文献4)には、被記録材上のトナー像にグロスを付与する定着装置に関する発明が開示されている。同公報(特許文献4)は、この定着装置を備えた画像形成装置によれば、定着工程後の被記録材上の画像表面形状を被記録材表面形状に倣わせるようにしたので、被記録材のグロスに応じて画像グロスを変化させ、画像の高グロス化を容易に実現することができると述べている。
特開2009−163065号公報 特開平05−035132号公報 特開2011−043683号公報 特開2005−284048号公報
光沢度の異なる被記録材にトナー像を形成した場合、トナー像が形成されている部分(画像部)の光沢度と、トナー像が形成されていない被記録材の地肌部分(非画像部)の光沢度と差が大きくなる場合がある。たとえば、光沢度の低い上質紙に対して光沢度の高いトナー像(出力画像)が形成されると、画像部は上質紙の表面から浮き上がったように視認され、観察者によっては違和感を抱いたり、文字画像を読みにくくなったりする。一方で、画像部と非画像部との間に意図的に大きな光沢度差を設けることによって、この光沢度差を、出力画像の付加価値を向上させるための手段として活用することもできる。
上述のとおり、近年では、画像が形成される被記録材の種類は多岐に渡る。画像形成装置に用いられる定着装置としては、光沢度に限られず、厚紙(たとえば坪量350g/m)から薄紙(たとえば坪量80g/m)まで、幅広い範囲で対応可能であることが求められる。一般的に、被記録材として薄紙が用いられる場合、定着装置における定着の際にシワが発生しやすくなる。したがって定着装置としては、被記録材に必要以上のストレスがかからないようにトナー像を定着させることが求められる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、湿式電子写真方式によって被記録材上に形成されたトナー像を被記録材にシワを発生させることなく定着させ、そのトナー像から得られる出力画像の光沢度を所望の値に制御することが可能な定着装置、およびその定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に基づく定着装置は、高光沢化モードおよび低光沢化モードを有し、湿式電子写真方式によって被記録材上に形成される出力画像の光沢度に応じて上記高光沢化モードまたは上記低光沢化モードに設定される定着装置であって、上記被記録材上に形成されたトナー像を上記トナー像に接触することなく加熱する非接触加熱手段と、上記被記録材上に形成された上記トナー像を加熱および加圧する加熱加圧手段と、を備え、上記定着装置が上記高光沢化モードに設定されている状態では、上記被記録材は上記非接触加熱手段および上記加熱加圧手段の順で通紙され、上記定着装置が上記低光沢化モードに設定されている状態では、上記被記録材は上記加熱加圧手段および上記非接触加熱手段の順で通紙される。
好ましくは、上記加熱加圧手段は、第1加熱加圧手段および第2加熱加圧手段を含み、上記第1加熱加圧手段、上記非接触加熱手段、および、上記第2加熱加圧手段は、上記被記録材がこの順で通紙されるように配置され、上記定着装置が上記低光沢化モードに設定されている状態では、上記第1加熱加圧手段は上記被記録材上の上記トナー像を加圧し、上記第2加熱加圧手段は上記被記録材上の上記トナー像を加圧しない。
好ましくは、上記非接触加熱手段は、第1非接触加熱手段および第2非接触加熱手段を含み、上記第1非接触加熱手段、上記加熱加圧手段、および、上記第2非接触加熱手段は、上記被記録材がこの順で通紙されるように配置され、上記定着装置が上記低光沢化モードに設定されている状態では、上記第1非接触加熱手段の上記トナー像に対する加熱温度は、上記第2非接触加熱手段の上記トナー像に対する加熱温度に比べて低い値に設定される。
好ましくは、上記非接触加熱手段および上記加熱加圧手段は、上記被記録材の通紙経路に対する配列順序が入れ替え可能に構成される。
好ましくは、上記被記録材の通紙経路は、それぞれ固定配置された上記非接触加熱手段および上記加熱加圧手段に対して切り替え可能に構成される。
本発明に基づく画像形成装置は、式電子写真方式を使用して被記録材上に画像を形成する画像形成装置であって、本発明に基づく上記の定着装置を備える。
本発明によれば、湿式電子写真方式によって被記録材上に形成されたトナー像を被記録材にシワを発生させることなく定着させ、そのトナー像から得られる出力画像の光沢度を所望の値に制御することが可能な定着装置、およびその定着装置を備える画像形成装置を得ることができる。
実施の形態1における画像形成装置を模式的に示す図である。 実施の形態1における定着装置(高光沢化モード)を模式的に示す図である。 実施の形態1における定着装置(高光沢化モード)の変形例を模式的に示す図である。 実施の形態1における定着装置(低光沢化モード)を模式的に示す図である。 実施の形態1の定着装置(高光沢化モード)において、被記録材にトナー像が転写された直後の被記録材等の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態1の定着装置(高光沢化モード)において、第1加熱加圧手段および非接触加熱手段を通紙し終えた際の被記録材等の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態1の定着装置(高光沢化モード)において、第2加熱加圧手段を通過し終えた際の被記録材等の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態1の定着装置(低光沢化モード)において、被記録材にトナー像が転写された直後の被記録材等の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態1の定着装置(低光沢化モード)において、第1加熱加圧手段および非接触加熱手段を通紙し終えた際の被記録材等の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態1の定着装置(低光沢化モード)において、第2加熱加圧手段を通紙し終えた際の被記録材等の状態を模式的に示す断面図である。 実施の形態2における定着装置を模式的に示す図である。 実施の形態3における定着装置を模式的に示す図である。 実施の形態4における定着装置(高光沢化モード)を模式的に示す図である。 実施の形態4における定着装置(低光沢化モード)を模式的に示す図である。 実施の形態5における定着装置(高光沢化モード)を模式的に示す図である。 実施の形態5における定着装置(低光沢化モード)を模式的に示す図である。 実施の形態1に関する実験例の結果を示す図である。 実施の形態1に関する実験例のその他の結果を示す図である。
本発明に基づいた各実施の形態および各実施例について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態および各実施例の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。各実施の形態および各実施例の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態1]
(画像形成装置100)
図1は、本実施の形態における画像形成装置100を模式的に示す図である。画像形成装置100は、湿式電子写真方式を使用して被記録材10上に画像を形成する。画像形成装置100は、像担持体11(感光体)、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、転写ローラー15、クリーナー16、および、定着装置20を備える。詳細は後述されるが、定着装置20は、高光沢化モードHM(図2参照)および低光沢化モード(図3参照)を有する。
像担持体11、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、転写ローラー15、および、クリーナー16は、像担持体11の周囲において、像担持体11の回転方向(矢印AR11参照)に沿って順に配置される。
像担持体11は、矢印AR11方向に回転する。像担持体11の表面は、帯電装置12によって一様に帯電される。露光装置13は、レーザー発振器などを有している。露光装置13から像担持体11の表面に向かって、所定の画像信号に基づくレーザーが照射される。像担持体11の表面は、図中の符号Eで示す位置において露光される。像担持体11の表面には、所定の画像信号に基づく静電潜像が形成される。
現像装置14は、トナーおよびキャリア液を含む現像剤を用いて、この静電潜像をトナー像として現像(顕像化)する。像担持体11と矢印AR15方向に回転する転写ローラー15との間には、転写部が形成される。被記録材10は、この転写部を通過するように矢印AR10方向に搬送される。
被記録材10がこの転写部を通過する際、転写バイアスの印加によって、像担持体11上のトナー像は、被記録材10の表面に転写される。この際、トナー像中のトナーだけでなく、トナー像中のキャリア液も被記録材10上に転移する。転写されずに像担持体11上に残留したトナー像は、クリーナー16によって像担持体11の表面から除去される。
トナー像が被記録材10上に転写された後、被記録材10は、定着装置20に向かって矢印AR10方向にさらに搬送される。詳細は後述されるが、被記録材10上に転写されたトナー像は、定着装置20によって被記録材10上に定着される。その後、被記録材10は画像形成装置100の外部に排紙される。
画像形成装置100においては像担持体11として感光体が用いられ、トナー像は像担持体11から被記録材10に転写される。画像形成装置100には、中間転写体(図示せず)がさらに設けられていてもよい。この場合、トナー像は、像担持体11からこの中間転写体に転写された後、中間転写体から被記録材10に転写される。
(定着装置20)
図2は、本実施の形態における定着装置20を模式的に示す図である。上述のとおり、定着装置20は、高光沢化モードHM(図2参照)および低光沢化モード(図3参照)を有する。定着装置20は、湿式電子写真方式によって被記録材10上に形成される出力画像の光沢度に応じて、高光沢化モードHMまたは低光沢化モードLMに設定される。定着装置20は、高光沢化モードHMまたは低光沢化モードLMに設定された状態で、被記録材10上のトナー像TTを被記録材10に定着させる。
本実施の形態における定着装置20は、加熱加圧手段21(第1加熱加圧手段)、非接触加熱手段31、および、加熱加圧手段22(第2加熱加圧手段)を備える。加熱加圧手段21、非接触加熱手段31、および、加熱加圧手段22は、矢印AR10方向に沿って搬送される被記録材10がこの順でこれらに通紙されるように並んで配置されている。
加熱加圧手段21は、定着ローラー21Aおよび加圧ローラー21Bを含む。定着ローラー21Aおよび加圧ローラー21Bの間に、圧接ニップ部が形成される。被記録材10の通紙経路10Rは、この圧接ニップ部を通過するように設けられている。被記録材10がこの圧接ニップ部を通過する際、被記録材10上のトナー像TTは加圧および加熱される。
加熱加圧手段21としては、定着ローラー21Aおよび加圧ローラー21Bから構成される場合に限られない。定着ローラー21Aおよび加圧ローラー21Bの一方または双方は、複数のローラーによって張架されたベルト部材から構成されていてもよい。
加熱加圧手段22は、定着ローラー22Aおよび加圧ローラー22Bを含む。定着ローラー22Aおよび加圧ローラー22Bの間にも、圧接ニップ部が形成される。被記録材10の通紙経路10Rは、この圧接ニップ部を通過するように設けられている。被記録材10がこの圧接ニップ部を通過する際、被記録材10上のトナー像TTは加圧および加熱される。
加熱加圧手段22としても、定着ローラー22Aおよび加圧ローラー22Bから構成される場合に限られない。定着ローラー22Aおよび加圧ローラー22Bの一方または双方は、複数のローラーによって張架されたベルト部材から構成されていてもよい。
非接触加熱手段31は、加熱加圧手段21および加熱加圧手段22の間に位置する。非接触加熱手段31は、遠赤外線ヒーター31Aおよび遠赤外線ヒーター31Bを含む。遠赤外線ヒーター31Aおよび遠赤外線ヒーター31Bは、被記録材10の通紙経路10Rを挟んで間隔をあけて互いに対向するように設けられる。
遠赤外線ヒーター31Aは、被記録材10のトナー像TTが形成されている面(記録面)側に位置する。遠赤外線ヒーター31Bは、被記録材10のトナー像TTが形成されていない面(非記録面)側に位置する。遠赤外線ヒーター31A,31Bは、被記録材10上に形成されたトナー像TTをこのトナー像TTに接触することなく加熱することができる。
非接触加熱手段31としては、遠赤外線ヒーター31A,31Bから構成される場合に限られず、近赤外線ヒーターから構成されていてもよいし、熱風を送出する装置から構成されていてもよい。非接触加熱手段31としては、遠赤外線ヒーター31Aまたは遠赤外線ヒーター31Bのいずれか一方のみを有していてもよい。非接触加熱手段31として遠赤外線ヒーター31Aのみが用いられる場合、次述する搬送ベルト31Vが、被記録材10の非記録面側から被記録材10を加熱可能に構成されているとよい。
加熱加圧手段21および加熱加圧手段22の間に、搬送ベルト31Vが設けられる。被記録材10は、非接触加熱手段31に通紙される際、搬送ベルト31Vによって搬送される。搬送ベルト31Vの代わりに、搬送ガイドおよび搬送ローラー等を備える他の搬送手段が用いられてもよい。非接触加熱手段31として遠赤外線ヒーター31Aおよび遠赤外線ヒーター31Bを用い、被記録材10の両面から加熱を行う場合、被記録材10の非記録面側からの加熱を効率的に行うことができるように、搬送ベルト31Vなどの搬送手段は、メッシュ状の部材、ワイヤー、または、開口の大きい金属板などから構成されているとよい。
一方、被記録材10の非記録面側からの加熱を搬送ベルト31V等の搬送手段を介して行う場合、すなわち加熱された搬送手段によって被記録材10を接触加熱する場合には、搬送手段による均一な加熱を可能にするため、開口が無いか若しくは開口が小さい搬送手段を用いて、被記録材10との接触面積を大きくすることが好ましい。
上述のとおり、定着装置20は、高光沢化モードHM(図2参照)および低光沢化モード(図3参照)を有する。定着装置20は、湿式電子写真方式によって被記録材10上に形成される出力画像の光沢度に応じて、高光沢化モードHMまたは低光沢化モードLMに設定される。定着装置20は、高光沢化モードHMまたは低光沢化モードLMに設定された状態で、被記録材10上のトナー像TTを被記録材10に定着させる。以下、高光沢化モードHMおよび低光沢化モードLMについて順に説明する。
(高光沢化モードHM)
定着装置20が高光沢化モードHMに設定されている状態では、被記録材10上のトナー像TTが被記録材10に定着される際、トナー像TTの光沢度の値が増加する(詳細な作用は、図5〜図7を参照して後述する)。
具体的には、定着装置20が高光沢化モードHMに設定されている状態では、被記録材10は、加熱加圧手段21、非接触加熱手段31、および、加熱加圧手段22の順でこれらに通紙される。被記録材10がこれらに通紙される際、加熱加圧手段21は、被記録材10上のトナー像TTに対して加圧する。非接触加熱手段31は、被記録材10上のトナー像TTに接触することなくこのトナー像TTを加熱する。加熱加圧手段22は、被記録材10上のトナー像TTに対して加圧する。
被記録材10が加熱加圧手段21に通紙される際、被記録材10上のトナー像TTに含まれるキャリア液(図示せず)の一部は、加熱加圧手段21によって加熱されて揮発する。被記録材10が非接触加熱手段31に通紙される際、被記録材10上のトナー像TTに含まれるキャリア液(図示せず)の多くは、非接触加熱手段31によって加熱されて揮発する。被記録材10が加熱加圧手段21および非接触加熱手段31に通紙された後、被記録材10上のトナー像TTに含まれるキャリア液(図示せず)の量は低減されている。
被記録材10上のトナー像TTは、キャリア液の量が低減された状態で、加熱加圧手段22に通紙される。被記録材10が加熱加圧手段22に通紙される際、加熱加圧手段22は被記録材10上のトナー像TTに対して加圧する。トナー像TTが加圧および加熱されることによって、トナー像TTは被記録材10上に定着される。
図3を参照して、定着装置20は、図2に示す高光沢化モードHMの代わりに、高光沢化モードHMaを有していてもよい。高光沢化モードHMaにおいては、被記録材10が加熱加圧手段21に通紙される際、定着ローラー21Aは被記録材10から離間するように配置される。当該構成によれば、被記録材10として薄紙が用いられた場合に、紙シワの発生が一層抑制されることとなる。
(低光沢化モードLM)
図4を参照して、定着装置20が低光沢化モードLMに設定されている状態では、被記録材10上のトナー像TTが被記録材10に定着される際、トナー像TTの光沢度の値が低下する(詳細な作用は、図8〜図10を参照して後述する)。
具体的には、定着装置20が低光沢化モードLMに設定されている状態では、加熱加圧手段22の定着ローラー22Aおよび加圧ローラー22Bは、互いに離間するように配置される。被記録材10は、加熱加圧手段21および非接触加熱手段31の順でこれらに通紙される。
被記録材10がこれらに通紙される際、加熱加圧手段21は、被記録材10上のトナー像TTに対して加圧する。非接触加熱手段31は、被記録材10上のトナー像TTに接触することなくこのトナー像TTを加熱する。被記録材10は、加熱加圧手段22においては加熱および加圧されることなく、加熱加圧手段22をそのまま通過する。
被記録材10上に形成されたトナー像TTは、そのトナー像TTに含まれるキャリア液(図示せず)の多くが揮発する前に、加熱加圧手段21によって加熱および加圧される。トナー像TTは、キャリア液の多くを含んだ状態で、非接触加熱手段31に到達する。被記録材10上に形成されたトナー像TTは、非接触加熱手段31によって加熱のみがなされて、その加熱の作用によって被記録材10に定着される。
(光沢度の制御について)
(高光沢化モードHM)
図3、および図5〜図7を参照して、まず、高光沢化モードにおいてトナー像TTの光沢度が増加する作用について説明する。説明上の便宜のため、ここでは上述の高光沢化モードHMa(図3参照)に基づき説明するが、下記の説明は、高光沢化モードHM(図2参照)にもほぼあてはまる。図5は、被記録材10にトナー像TTが転写された直後の被記録材10等の状態を模式的に示す断面図である。図6は、加熱加圧手段21および非接触加熱手段31を通紙し終えた際の被記録材10等の状態を模式的に示す断面図である。図7は、加熱加圧手段22を通紙し終えた際の被記録材10等の状態を模式的に示す断面図である。
図3および図5を参照して、上述のとおり、像担持体11(図1参照)と転写ローラー15(図1参照)との間の転写部においては、トナーTN(トナー粒子)とともに、キャリア液も被記録材10上に転移する。トナー像TTが被記録材10上に転写された後、このキャリア液のうち、一部のキャリア液CR1はトナー像TT中に残留し、他の一部のキャリア液CR2は被記録材10の内部に浸透する。
高光沢化モードにおいては、被記録材10上のトナー像TT中のキャリア液CR1は、定着ローラー21Aおよび加圧ローラー21Bが離間するように配置された加熱加圧手段21と、非接触加熱手段31とにそれぞれ通紙される。キャリア液CR1は、この通紙の際に加熱されて揮発する。開放系(開放状態)における加熱の作用によって、トナー像TTの表面を通してキャリア液CR1は揮発し、トナー像TTに含まれるキャリア液CR1の量が低減される(図6に示す状態が得られる)。
この状態で、被記録材10は加熱加圧手段22に到達する。被記録材10上のトナー像(トナーTN)は、トナー像中のキャリア液の量が低減され、かつトナー像の温度が上昇した状態で、加熱加圧手段22によって加熱および加圧される。被記録材10上のトナー像(トナーTN)は、溶融が促進されることとなる。溶融したトナーTNは、加熱加圧手段22の加圧によって、合一が促進される。トナーTN(トナー粒子)同士が一体化して、トナー像としてはフィルム状を呈する(図7に示す状態が得られる)。トナー像の表面は、加圧によって平滑化されており、被記録材10上に形成された出力画像としては、高い光沢度を有することとなる。
(低光沢化モードLM)
図4、および図8〜図10を参照して、次に、低光沢化モードにおいてトナー像TTの光沢度が低下する作用について説明する。ここでは、上述の低光沢化モードLM(図4参照)に基づき説明する。図8は、被記録材10にトナー像TTが転写された直後の被記録材10等の状態を模式的に示す断面図である。図9は、加熱加圧手段21および非接触加熱手段31を通紙し終えた際の被記録材10等の状態を模式的に示す断面図である。図10は、加熱加圧手段22を通紙し終えた際の被記録材10等の状態を模式的に示す断面図である。
図4および図8を参照して、上述の高光沢化モードHMaの場合(図5参照)と同様に、像担持体11(図1参照)と転写ローラー15(図1参照)との間の転写部においては、トナーTN(トナー粒子)とともに、キャリア液も被記録材10上に転移する。トナー像TTが被記録材10上に転写された後、このキャリア液のうち、一部のキャリア液CR1はトナー像TT中に残留し、他の一部のキャリア液CR2は被記録材10の内部に浸透する。
低光沢化モードLMにおいては、被記録材10上のトナー像TT中に多量のキャリア液CR1が含まれた状態で、被記録材10は加熱加圧手段21に通紙される。被記録材10上のトナー像TT(トナーTN)が加熱加圧手段21によって加熱および加圧される際、トナー像TT中に含まれている多量のキャリア液CR1は、トナーTNの合一を阻害する。被記録材10上のトナー像TT中のトナーTNは、各々の粒子形状が残存したままとなり、フィルム状を呈することはない(図9に示す状態が得られる)。
この状態で、被記録材10は非接触加熱手段31に到達する。被記録材10上のトナー像TT中のトナーTNは、非接触加熱手段31の加熱によって再溶融する。トナーTNが再溶融した際、トナーTNは、自身の表面張力の作用を受ける。加熱加圧手段21の加熱および加圧により、トナーTNに残留していたひずみ履歴も発現(表面化)する。これらの作用によって、トナーTNは、元々自身の中に残存していた粒子形状に戻ろうとする。
その結果、非接触加熱手段31に通紙された後の被記録材10上のトナー像TTの表面形状は、非接触加熱手段31に通紙される前の状態に比べて凹凸が大きくなり、被記録材10上に形成された出力画像としては、低い光沢度を有することとなる(図10に示す状態が得られる)。低光沢化モードLMにおいては、加熱加圧手段21に通紙された後に、被記録材10上のトナー像TTが再溶融するため、被記録材10に対するトナーの接着性(定着強度)を向上させることもできる。
(画像形成装置100の効果)
以上説明したように、画像形成装置100の定着装置20は、高光沢化モードHMおよび低光沢化モードLMを有している。出力画像の光沢度(出力画像の所望の光沢度)に応じて、定着装置20は、高光沢化モードHMまたは低光沢化モードLMに設定される。したがって、定着装置20を備える画像形成装置100は、出力画像の光沢度を所望の値に制御することが可能となる。また、画像形成装置100の定着装置20(図2参照)においては、加熱加圧手段22の動作のみによって高光沢化モードHMおよび低光沢化モードLMが変更されるため、これらのモード切替えを迅速かつ容易に実行することができる。なお、高光沢化モードHMおよび低光沢化モードLMとしては、各々が1つのモード形態に限定される必要はない。これらの各々のモードを規定する各種の設定条件は、出力画像の光沢度をより細かく制御可能なように、細かく調整されるとよい。換言すると、高光沢化モードHMは、加熱温度または圧接力などを定めるパラメータの組み合わせを複数有していてもよいし、低光沢化モードLMも、加熱温度または圧接力などを定めるパラメータの組み合わせを複数有しているとよい。
[実施の形態2]
図11を参照して、本実施の形態における定着装置20Aについて説明する。定着装置20Aも、高光沢化モードおよび低光沢化モードを有する。湿式電子写真方式によって被記録材10上に形成される出力画像の光沢度に応じて、定着装置20Aは高光沢化モードまたは低光沢化モードに設定される。定着装置20Aは、高光沢化モードまたは低光沢化モードに設定された状態で、被記録材10上のトナー像TTを被記録材10に定着させる。
定着装置20Aは、非接触加熱手段31(第1非接触加熱手段)、加熱加圧手段21、および、非接触加熱手段32(第2非接触加熱手段)を備える。非接触加熱手段31、加熱加圧手段21、および、非接触加熱手段32は、矢印AR10方向に沿って搬送される被記録材10がこの順でこれらに通紙されるように並んで配置されている。
非接触加熱手段31および加熱加圧手段21は、上述の実施の形態1のそれらと同様に構成される。非接触加熱手段32は、遠赤外線ヒーター32Aおよび遠赤外線ヒーター32Bを含む。遠赤外線ヒーター32Aおよび遠赤外線ヒーター32Bは、被記録材10の通紙経路10Rを挟んで間隔をあけて互いに対向するように設けられる。
遠赤外線ヒーター32Aは、被記録材10のトナー像TTが形成されている面(記録面)側に位置する。遠赤外線ヒーター32Bは、被記録材10のトナー像TTが形成されていない面(非記録面)側に位置する。遠赤外線ヒーター32A,32Bは、被記録材10上に形成されたトナー像TTをこのトナー像TTに接触することなく加熱することができる。
非接触加熱手段32としては、遠赤外線ヒーター32A,32Bから構成される場合に限られず、近赤外線ヒーターから構成されていてもよいし、熱風を送出する装置から構成されていてもよい。非接触加熱手段32としては、遠赤外線ヒーター32Aまたは遠赤外線ヒーター32Bのいずれか一方のみを有していてもよい。非接触加熱手段32として遠赤外線ヒーター32Aのみが用いられる場合、次述する搬送ベルト32Vが、被記録材10の非記録面側から被記録材10を加熱可能に構成されているとよい。
被記録材10は、非接触加熱手段32に通紙される際、搬送ベルト32Vによって搬送される。搬送ベルト32Vの代わりに、搬送ガイドおよび搬送ローラー等を備える他の搬送手段が用いられてもよい。非接触加熱手段32として遠赤外線ヒーター32Aおよび遠赤外線ヒーター32Bを用い、被記録材10の両面から加熱を行う場合、被記録材10の非記録面側からの加熱を効率的に行うことができるように、搬送ベルト32Vなどの搬送手段は、メッシュ状の部材、ワイヤー、または、開口の大きい金属板などから構成されているとよい。
一方、被記録材10の非記録面側からの加熱を搬送ベルト32V等の搬送手段を介して行う場合、すなわち加熱された搬送手段によって被記録材10を接触加熱する場合には、搬送手段による均一な加熱を可能にするため、開口が無いか若しくは開口が小さい搬送手段を用いて、被記録材10との接触面積を大きくすることが好ましい。
(高光沢化モード)
定着装置20Aが高光沢化モードに設定されている状態では、被記録材10上のトナー像TTが被記録材10に定着される際、トナー像TTの光沢度の値が増加する。
具体的には、定着装置20Aが高光沢化モードに設定されている状態では、被記録材10は、非接触加熱手段31、加熱加圧手段21、および非接触加熱手段32の順でこれらに通紙される。被記録材10が非接触加熱手段32に通紙される際、非接触加熱手段32のトナー像TTに対する加熱温度は、非接触加熱手段31のトナー像TTに対する加熱温度に比べて小さく設定される。この際、遠赤外線ヒーター32A,32Bの出力がゼロに設定されてもよいし、遠赤外線ヒーター32A,32Bの出力を低減するように設定されてもよいし、遠赤外線ヒーター32A,32Bの出力がシャッター等で遮られるように構成されてもよい。
被記録材10上のトナー像TT中に含まれるキャリア液は、非接触加熱手段31からの加熱によって揮発し、その量は低減されている。被記録材10は、この状態で加熱加圧手段21に通紙される。トナー像TT中のキャリア液量が低減された状態でトナー像TTが加熱および加圧され、トナー像TTは定着装置20上に定着される。
図5〜図7を参照して上述したように、被記録材10上のトナー像TT(トナー)は、溶融が促進されることとなる。溶融したトナーは、加熱加圧手段21の加圧によって、合一が促進される。トナー(トナー粒子)同士が一体化して、トナー像TTとしてはフィルム状を呈することとなる(図7に示す状態が得られる)。トナー像の表面は、加圧によって平滑化されており、被記録材10上に形成された出力画像としては、高い光沢度を有することとなる。
加熱加圧手段21での加熱および加圧によってトナー像TTは十分フィルム化(高光沢化)されているために、非接触加熱手段32による加熱をさらに行ってトナー像TTを再溶融したとしても、トナー粒子に起因してトナー像の表面形状が変化することはない。被記録材10の表面形状に沿ったトナー像TTの表面形状が得られることとなる。すなわち、高光沢紙では高光沢度を有するトナー像が得られ、低光沢紙では低光沢度を有するトナー像が得られることとなる。
(低光沢化モード)
定着装置20Aが低光沢化モードに設定されている状態では、被記録材10上のトナー像TTが被記録材10に定着される際、トナー像TTの光沢度の値が低下する。
具体的には、定着装置20Aが低光沢化モードに設定されている状態では、被記録材10は、非接触加熱手段31、加熱加圧手段21、および非接触加熱手段32の順でこれらに通紙される。被記録材10が非接触加熱手段31に通紙される際、非接触加熱手段31のトナー像TTに対する加熱温度は、非接触加熱手段32のトナー像TTに対する加熱温度に比べて小さく設定される。この際、遠赤外線ヒーター31A,31Bの出力がゼロに設定されてもよいし、遠赤外線ヒーター31A,31Bの出力を低減するように設定されてもよいし、遠赤外線ヒーター31A,31Bの出力がシャッター等で遮られるように構成されてもよい。
被記録材10上に形成されたトナー像TTは、そのトナー像TTに含まれるキャリア液(図示せず)の多くが揮発する前に、加熱加圧手段21によって加熱および加圧される。トナー像TTは、多くのキャリア液を含んだ状態で、非接触加熱手段32に到達する。被記録材10上に形成されたトナー像TTは、非接触加熱手段32によって加熱のみがなされて、被記録材10に定着される。
図8〜図10を参照して上述したように、非接触加熱手段32に通紙された後の被記録材10上のトナー像TTの表面形状は、非接触加熱手段32に通紙される前の状態に比べて凹凸が大きくなり、被記録材10上に形成された出力画像としては、低い光沢度を有することとなる(図10に示す状態が得られる)。
したがって、本実施の形態における定着装置20Aを備えた画像形成装置によっても、出力画像の光沢度を所望の値に制御することが可能となる。また、定着装置20Aにおいては、非接触加熱手段31,32の出力制御のみによって高光沢化モードHMおよび低光沢化モードLMが変更されるため、これらのモード切替えを迅速かつ容易に実行することができる。加熱加圧手段21が1台であるため、部品点数も削減されている。
[実施の形態3]
図12を参照して、本実施の形態における定着装置20Bについて説明する。定着装置20Bも、高光沢化モードおよび低光沢化モードを有する。湿式電子写真方式によって被記録材10上に形成される出力画像の光沢度に応じて、定着装置20Bは高光沢化モードまたは低光沢化モードに設定される。定着装置20Bは、高光沢化モードまたは低光沢化モードに設定された状態で、被記録材10上のトナー像TTを被記録材10に定着させる。
定着装置20Bは、上述の実施の形態2における定着装置20Aの遠赤外線ヒーター31B,32B(図11参照)の代わりに、熱風発生手段33などを非接触加熱手段として備えている。熱風発生手段33の遠赤外線ヒーター31Bが配置される側には、風路形成部材33Aが設けられる。熱風発生手段33の遠赤外線ヒーター32Bが配置される側には、風路形成部材33Bが設けられる。風路形成部材33Aおよび風路形成部材33Bの間には、風路切替手段35が設けられる。
定着装置20Bが高光沢化モードに設定される場合、熱風発生手段33から非接触加熱手段31側に熱風が供給されるように、風路切替手段35を用いて熱風の供給経路が切り替えられる。定着装置20Bが低光沢化モードに設定される場合、熱風発生手段33から非接触加熱手段32側に熱風が供給されるように、風路切替手段35を用いて熱風の供給経路が切り替えられる。熱風発生手段33からの熱風の供給経路が風路切替手段35によって切り替えられることによって、上述の実施の形態2と同様の作用および効果を得ることが可能となる。
定着装置20Bにおいては、風路切替手段35の動作のみによって高光沢化モードおよび低光沢化モードが変更されるため、これらのモード切替えを迅速かつ容易に実行することができる。なお、熱風発生手段33からの熱風の供給流路は、非接触加熱手段31,32のできるだけ近傍に設けられるとよい。熱風の温度低下を抑制可能となる。
[実施の形態4]
図13および図14を参照して、本実施の形態における定着装置20Cについて説明する。定着装置20Cも、高光沢化モードHMおよび低光沢化モードLMを有する。湿式電子写真方式によって被記録材10上に形成される出力画像の光沢度に応じて、定着装置20Cは高光沢化モードHMまたは低光沢化モードLMに設定される。定着装置20Cは、高光沢化モードHMまたは低光沢化モードLMに設定された状態で、被記録材10上のトナー像TTを被記録材10に定着させる。
具体的には、本実施の形態における定着装置20Cは、加熱加圧手段21および非接触加熱手段31から構成される。加熱加圧手段21および非接触加熱手段31の各々は、独立して着脱(入替)が可能なように構成されている。被記録材10の通紙経路10Rに対する加熱加圧手段21および非接触加熱手段31の配列順序は、被記録材10上に形成される出力画像の所望の光沢度に応じて、図示しない駆動装置または手動によって入れ替えられるとよい。
図13に示すように、定着装置20Cが高光沢化モードHMに設定される場合、非接触加熱手段31が上流側に配置され、加熱加圧手段21は下流側に配置される。図14に示すように、定着装置20Cが低光沢化モードLMに設定される場合、加熱加圧手段21が上流側に配置され、非接触加熱手段31は下流側に配置される。当該構成によっても、上述の各実施の形態と同様の作用および効果を得ることが可能となる。また、定着装置20Cが加熱加圧手段21および非接触加熱手段31のみから構成されることによって、製造費用の削減ないし画像形成装置としての大型化を抑制することが可能となる。
[実施の形態5]
図15および図16を参照して、本実施の形態における定着装置20Dについて説明する。定着装置20Dも、高光沢化モードHMおよび低光沢化モードLMを有する。湿式電子写真方式によって被記録材10上に形成される出力画像の光沢度に応じて、定着装置20Dは高光沢化モードHMまたは低光沢化モードLMに設定される。定着装置20Dは、高光沢化モードHMまたは低光沢化モードLMに設定された状態で、被記録材10上のトナー像TTを被記録材10に定着させる。
具体的には、本実施の形態の定着装置20Dにおいては、被記録材10の通紙経路が、各々固定配置された加熱加圧手段21および非接触加熱手段31に対して切り替え可能に構成される。定着装置20Dにおいては、通紙経路形成部材50および複数のローラーガイド51によって、被記録材10の通紙経路が形成されている。被記録材10の通紙経路は、通紙経路切替手段52によって、通紙経路10R1(図15参照)と、通紙経路10R2(図16参照)とにそれぞれ切り替えられる。ローラーガイド51としては、被記録材10上のトナー像TTを乱さないように、被記録材10の端部を案内したり、被記録材10の裏面(非記録面)を案内したりするように設けられるとよい。
図15に示すように、定着装置20Dが高光沢化モードHMに設定される場合、通紙経路切替手段52の経路切替によって、非接触加熱手段31が上流側に配置され、加熱加圧手段21は下流側に配置される。図16に示すように、定着装置20Dが低光沢化モードLMに設定される場合、通紙経路切替手段52の経路切替によって、加熱加圧手段21が上流側に配置され、非接触加熱手段31は下流側に配置される。当該構成によっても、上述の各実施の形態と同様の作用および効果を得ることが可能となる。また、定着装置20Dにおいては、最低限の要素のみで構成することによって、製造費用の削減ないし画像形成装置としての大型化を抑制することが可能となる。また、モード切替えに要する労力も低減することが可能である。
[両面印刷時について]
上記の各実施の形態において、被記録材10に対して両面印刷が行われる際の動作について説明する。被記録材10の両面(表裏面)に対して高光沢度を有する出力画像をそれぞれ形成する場合は、定着装置を用いた定着の際、定着装置がその両面ともに高光沢化モードでトナー像を定着することで、両面ともに高光沢度を有する画像が形成される。
被記録材10の一方の面に対して高光沢度を有する出力画像を形成し、他方の面に対して低光沢度を有する出力画像を形成する場合は、定着装置を用いた定着の際、一方の面に対しては定着装置が高光沢化モードでトナー像を定着させ、他方の面に対しては定着装置が低光沢化モードでトナー像を定着させるとよい。
被記録材10の両面(表裏面)に対して低光沢度を有する出力画像をそれぞれ形成する場合は、定着装置を用いた定着の際、定着装置がその両面ともに低光沢化モードでトナー像を定着することで、両面ともに低光沢度を有する画像が形成される。この場合、トナー像を二面目の定着させる際には、既にトナー像が定着されている一面目に対しても、加熱および加圧の影響が及ぶ。一面目に既に定着しているトナー像(出力画像)が、この影響によって再溶融してしまうことを極力避けるために、加圧ローラーの温度設定を低くするとよい。二面目の印刷時に、一面目に既に定着しているトナー像(出力画像)が高光沢化してしまうことを抑制することが可能となる。
[実験例]
図17および図18を参照して、実施の形態1(図1参照)に関して行なった実験例およびその結果について説明する。本実験例は、後述する実施例1,2および比較例1〜4を含む。実施例1,2および比較例1〜4においては、実施の形態1における画像形成装置100を使用した。
実施例1においては、定着装置を高光沢化モードに設定するため、被記録材10が非接触加熱手段に通紙された後、加熱加圧手段に通紙されて、トナー像が被記録材10に定着されるように構成した。実施例2においては、定着装置を低光沢化モードに設定するため、被記録材10が加熱加圧手段に通紙された後、非接触加熱手段に通紙されて、トナー像が被記録材10に定着されるように構成した。
比較例1においては、被記録材10が非接触加熱手段に通紙された後、さらに他の非接触加熱手段に通紙されて、トナー像が被記録材10に定着されるように構成した。比較例2においては、被記録材10が加熱加圧手段に通紙された後、さらに他の加熱加圧手段に通紙されて、トナー像が被記録材10に定着されるように構成した。比較例3においては、被記録材10が非接触加熱手段に通紙されて、トナー像が被記録材10に定着されるように構成した。比較例4においては、被記録材10が加熱加圧手段に通紙されて、トナー像が被記録材10に定着されるように構成した。
被記録材10としては、上質紙およびコート紙の2つを準備した。上質紙としては、三菱製紙株式会社製の金菱(登録商標)を用いた。この上質紙の坪量は、64.0g/mである。コート紙としては、王子製紙株式会社のOKトップコート(登録商標)+を用いた。このコート紙の坪量は、79.1g/mである。
実施例1,2および比較例1〜4における定着条件の下で、上質紙およびコート紙のそれぞれに対して、トナー濃度TCが30%の現像剤を用いて画像を形成した。実験結果としては、出力画像の光沢度(図17参照)、出力画像の定着強度(図18参照)、および、紙しわの発生有無(図18参照)を測定ないし評価した。なお、被記録材10が転写部から定着装置までに到達するのに要する時間を計測したところ、約0.8秒であった。被記録材10が非接触加熱手段を通過するのに要する時間を計測したところ、約1.0秒であった。
光沢度の評価方法としては、画像形成前の各被記録材10の光沢度および定着後のトナー像(出力画像面)の光沢度を、光沢計(日本電色工業社製VG2000)を用いて測定した。この際、入射角および受光角の値は、ともに75°に設定した。
定着強度の評価方法としては、定着後のトナー像にテープ(住友スリーエム株式会社製のメンディングテープ)を貼り付け、そのテープを再び剥離した後のトナー像の被記録材10からのはがれ具合を評価した。トナーの剥離量が少なく実用上に問題ないと評価可能なレベルをG評価とし、それ以外をN評価とした。
紙しわの発生有無の測定方法としては、5枚の各用紙に対してトナー像をそれぞれ定着させ、定着後のトナー像を目視にて評価した。用紙種を問わず、紙しわの発生回数が0回の場合はG評価とし、紙しわの発生回数が1回以上の場合はN評価とした。
図17は、画像が形成される前の各用紙のみの光沢度と、上記の実施例1,2および比較例1〜4における定着条件の下で画像を各用紙に定着させた後の出力画像の光沢度とを示す図である。図18は、上記の実施例1,2および比較例1〜4における定着条件の下で画像を各用紙に定着させた後の、定着強度と紙しわの発生有無とを示す図である。
図17中に示す用紙のみの結果と比較例3の結果との対比から、比較例3における1回の非接触加熱のみの構成では、上質紙の場合は出力画像と上質紙との光沢度の差は小さいが、コート紙の場合は出力画像とコート紙との光沢度の差は大きく乖離している。図18中に示す比較例3の結果から、比較例3における1回の非接触加熱のみの構成では、上質紙の場合であってもコート紙の場合であっても十分な定着強度が得られず、紙しわも発生しやすくなることがわかる。
これに対して比較例1のように、2回の非接触加熱の構成にした場合、上質紙の場合は出力画像と上質紙との光沢度の差は小さいが、コート紙の場合は出力画像と上質紙との光沢度の差は大きく乖離している(図17参照)。比較例1のように、2回の非接触加熱の構成にしたとしても、十分な定着強度が得られないことがわかる(図18参照)。
図17中に示す用紙のみの結果と比較例4の結果との対比から、比較例4における1回の加熱加圧のみの構成では、上質紙の場合であってもコート紙の場合であっても、出力画像と用紙との光沢度の差は大きく乖離している。図18中に示す比較例4の結果から、比較例4における1回の加熱加圧のみの構成では、上質紙の場合であってもコート紙の場合であっても十分な定着強度が得られないことがわかる。
これに対して比較例2のように、2回の加熱加圧の構成にした場合、出力画像とコート紙との光沢度差は小さくなり(図17参照)、上質紙の場合であってもコート紙の場合であっても所定の定着強度が得られることがわかる(図18参照)。しかしながら、比較例2のように2回の加熱加圧の構成にした場合、出力画像と上質紙との光沢度差は大きくなり(図17参照)、上質紙の場合であってもコート紙の場合であっても紙しわが発生しやすくなることがわかる(図18参照)。
実施例1(高光沢化モード)のように、非接触加熱の後に加熱加圧が行われる場合、紙しわが発生することなく、コート紙と出力画像との光沢度の差は10未満に抑えられており、所定の定着強度が得られていることがわかる。
実施例2(低光沢化モード)のように、加熱加圧の後に非接触加熱が行われる場合、紙しわが発生することなく、上質紙と出力画像との光沢度の差は10未満に抑えられており、所定の定着強度が得られていることがわかる。
また、実施例1の結果から、上質紙に対して高光沢化モードを適用することによって、上質紙と出力画像との間に30以上の光沢度の差を確保することが可能であることがわかる。実施例2の結果から、コート紙に対して低光沢化モードを適用することで、コート紙と出力画像との間に、40以上の光沢度の差を確保することが可能であることがわかる。
以上、本発明に基づいた各実施の形態および実験例について説明したが、今回開示された各実施の形態および実験例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 被記録材、10R,10R1,10R2 通紙経路、11 像担持体、12 帯電装置、13 露光装置、14 現像装置、15 転写ローラー、16 クリーナー、20,20A,20B,20C,20D 定着装置、21 加熱加圧手段(第1加熱加圧手段)、21A,22A 定着ローラー、21B,22B 加圧ローラー、22 加熱加圧手段(第2加熱加圧手段)、31 非接触加熱手段(第1非接触加熱手段)、31A,31B,32A,32B 赤外線ヒーター、31V,32V 搬送ベルト、32 非接触加熱手段(第2非接触加熱手段)、33 熱風発生手段、33A,33B 風路形成部材、35 風路切替手段、50 通紙経路形成部材、51 ローラーガイド、52 通紙経路切替手段、100 画像形成装置、CR1,CR2 キャリア液、HM,HMa 高光沢化モード、LM 低光沢化モード。

Claims (6)

  1. 高光沢化モードおよび低光沢化モードを有し、湿式電子写真方式によって被記録材上に形成される出力画像の光沢度に応じて前記高光沢化モードまたは前記低光沢化モードに設定される定着装置であって、
    前記被記録材上に形成されたトナー像を前記トナー像に接触することなく加熱する非接触加熱手段と、
    前記被記録材上に形成された前記トナー像を加熱および加圧する加熱加圧手段と、を備え、
    前記定着装置が前記高光沢化モードに設定されている状態では、前記被記録材は前記非接触加熱手段および前記加熱加圧手段の順で通紙され、
    前記定着装置が前記低光沢化モードに設定されている状態では、前記被記録材は前記加熱加圧手段および前記非接触加熱手段の順で通紙される、
    定着装置。
  2. 前記加熱加圧手段は、第1加熱加圧手段および第2加熱加圧手段を含み、
    前記第1加熱加圧手段、前記非接触加熱手段、および、前記第2加熱加圧手段は、前記被記録材がこの順で通紙されるように配置され、
    前記定着装置が前記低光沢化モードに設定されている状態では、前記第1加熱加圧手段は前記被記録材上の前記トナー像を加圧し、前記第2加熱加圧手段は前記被記録材上の前記トナー像を加圧しない、
    請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記非接触加熱手段は、第1非接触加熱手段および第2非接触加熱手段を含み、
    前記第1非接触加熱手段、前記加熱加圧手段、および、前記第2非接触加熱手段は、前記被記録材がこの順で通紙されるように配置され、
    前記定着装置が前記低光沢化モードに設定されている状態では、前記第1非接触加熱手段の前記トナー像に対する加熱温度は、前記第2非接触加熱手段の前記トナー像に対する加熱温度に比べて低い値に設定される、
    る請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記非接触加熱手段および前記加熱加圧手段は、前記被記録材の通紙経路に対する配列順序が入れ替え可能に構成される、
    請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記被記録材の通紙経路は、それぞれ固定配置された前記非接触加熱手段および前記加熱加圧手段に対して切り替え可能に構成される、
    請求項1に記載の定着装置。
  6. 湿式電子写真方式を使用して被記録材上に画像を形成する画像形成装置であって、
    請求項1から5のいずれかに記載の定着装置を備える、
    画像形成装置。
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