JP2013195469A - 反射防止フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】光学突起を保護するための保護柱を備えた反射防止フィルムにおいて、保護柱による回帰反射を防止する。
【解決手段】フィルム基板22の表面には光の反射を抑制するためのナノサイズの光学突起23と光学突起23の潰れを防ぐための保護柱24を設けている。保護柱24は、錐台形状となっている。この保護柱24の基端における直径をD、保護柱24の高さをH、保護柱24の中心軸を通る断面において保護柱24の側面が保護柱24の中心軸となす角度をθとするとき、
D>2H×tan(2θ)
の関係を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は反射防止フィルムに関する。本発明は、たとえばディスプレイ装置に用いて太陽光や室内証明、外乱光などの反射を防止し、画面の視認性を高めて画面がくっきりと見えるようにするための反射防止フィルムに関する。
(反射防止フィルムの働き)
携帯電話やモバイルコンピュータ、パソコンなど種々の機器は、精細な画像を表示することのできるディスプレイ装置を備えている。しかし、ディスプレイ装置は、太陽光や室内照明光などの外光が画面に入射すると、その一部が画面で反射することによって画像のコントラストが低下し、画面が白っぽくなるという不都合がある。
このように外光が反射する現象は、たとえば図1Aに示すようにして起きる。図1Aは、液晶表示パネル12の前面に、エアギャップ(空間)を介してカバーパネル13を重ねたディスプレイ装置11を表している。このディスプレイ装置11に外光が入射した場合、入射した外光のうち4%の光量がカバーパネル13の前面で反射し、また入射した外光のうち3.8%の光量がカバーパネル13の裏面で反射し、入射した外光のうち3.7%の光量が液晶表示パネル12の前面で反射する。その結果、このディスプレイ装置11に100%の光量の外光が入射した場合、合計すると入射した外光の11.5%の光量が正面側へ向けて反射される。よって、液晶表示パネル12で表示している画像に反射光(白色光)が重なって画像のコントラストが低下し、表示品質が低下することになる。
このような現象を防止するためには、反射防止フィルム(ARS)が用いられる。反射防止フィルムとしては、たとえば特許文献1や特許文献3に開示されたものがある。この反射防止フィルムは、透明なフィルム基板の表面に、フィルム基板と等しい屈折率を有する微細な光学突起を密集させて形成したものである。光学突起は、円錐形状や円錐台形状、四角錐形状などの形状を有している。
図1Bは、カバーパネル13の裏面に反射防止フィルム14を貼った場合を示す。この場合には、入射した外光のうち4%の光量がカバーパネル13の前面で反射し、また入射した外光のうち0.34%の光量がカバーパネル13の裏面で反射し、入射した外光のうち3.83%の光量が液晶表示パネル12の前面で反射する。この結果、反射防止フィルム14を貼ったカバーパネル13の裏面における反射が大幅に抑制され、合計では入射した外光の8.17%の光量しか正面側へ向けて反射されない。よって、1枚の反射防止フィルム14を貼ることにより、反射光量は、反射防止フィルム14を貼っていない場合の約2/3倍になる。
また、図1Cは、カバーパネル13の裏面と液晶表示パネル12の前面にそれぞれ反射防止フィルム14を貼った場合を示す。この場合には、入射した外光のうち4%の光量がカバーパネル13の前面で反射し、また入射した外光のうち0.34%の光量がカバーパネル13の裏面で反射し、入射した外光のうち0.33%の光量が液晶表示パネル12の前面で反射する。この結果、反射防止フィルム14を貼ったカバーパネル13の裏面と液晶表示パネル12の前面における反射が抑制され、合計では入射した外光の4.67%の光量しか正面側へ向けて反射されない。よって、2枚の反射防止フィルム14を貼ることにより、反射光量は、反射防止フィルム14を貼っていない場合の約1/3倍になる。
よって、ディスプレイ装置に反射防止フィルムを貼っておけば、外光の反射を少なくでき、画像のコントラストを高めて画像を鮮やかに表示させることができる。なお、上記記載では、反射防止フィルムを貼っていない面での反射率を4%とし、反射防止フィルムを貼っている面での反射率を0.35%としたが、これらは典型的な値を用いたものであって、反射率の値は反射防止フィルムの種類やカバーパネルの材質などによって若干異なりうる。
(反射防止フィルムの弱点)
携帯電話やモバイルコンピュータ等に用いられるディスプレイ装置は、汚れや皮脂などが付着しやすい。そのため、ディスプレイ装置の表面は、汚れや皮脂などを拭い取るために、柔らかい布やクリーナーなどでたびたび擦られる。表面の汚れや皮脂などを拭うときにはカバーパネルが指で押されるので、図1Bや図1Cのように反射防止フィルムを貼っていると、反射防止フィルムの微細な光学突起が対向面に押圧されて潰れやすくなる。また、表面にタッチパネルを備えたディスプレイ装置では、指やタッチペンでタッチパネルを押圧するので、反射防止フィルムを貼っているとやはり反射防止フィルムの光学突起が対向面に押圧されて潰れやすい。こうして光学突起が潰れてしまうと、反射防止フィルムの反射防止機能が低下したり、損なわれたりする。
(反射防止フィルムの保護柱)
そのため、特許文献2に開示された反射防止フィルムでは、表面にナノオーダーの光学突起を密集して形成された反射防止フィルムに、光学突起の高さよりも高いミクロンオーダーの保護柱を散在させている。そして、保護柱によって光学突起を保護し、ディスプレイ装置の表面が押えられても光学突起が潰れにくくしている。
特許文献2には、円錐、四角錐、三角錐などの錐形の保護柱と、四角柱、円柱、楕円柱などの柱形の保護柱とが記載されている。しかし、錐形の保護柱の場合には、保護柱が対向面に押圧された場合には先端が潰れやすい。そのため、保護柱は、先端面を平坦面として荷重に耐えられるようにする必要がある。しかも、荷重に耐えられるようにするためには、保護柱の先端面はできるだけ面積の大きいことが好ましい。しかし、保護柱に反射防止構造は設けることはできないので、保護柱の先端面の面積を大きくすると、反射防止フィルの光学性能が悪化する。また、保護柱の側面に傾斜を施すと、保護柱の基端面の面積が大きくなり、反射防止フィルムの反射防止構造のない領域の面積がそれだけ大きくなる。一方、均一な断面を有する柱形の保護柱の場合には、反射防止フィルムを成形する際の離型性が悪くて保護柱が成形型から剥がれにくくなり、保護柱を高くすることが困難になる。そのため、当業者の間では、成形性に影響を与えない限度で、なるべく保護柱の側面を垂直に近づけるて保護柱の無駄な面積を小さくしたいと考えられており、一般的には、側面が傾斜していて、かつ、円柱に近い円錐台形状の保護柱が用いられている。
ところが、反射防止フィルムの保護柱を円錐台形(側面が中心軸となす角度は約20°)にすると、図2Aに示すように光学突起16や保護柱15を設けた面(表面)に外光が入射する場合(以下、表面入射という。)に比べて、図2Cに示すように光学突起16や保護柱15を設けた面と反対面(裏面)に外光が入射する場合(以下、裏面入射という。)の反射防止効果が悪くなる。図2Bは外光を表面入射させた場合の反射防止フィルム表面の顕微鏡写真であり、図2Dは外光を裏面入射させた場合の反射防止フィルム裏面の顕微鏡写真である。これらの顕微鏡写真から分かるように、裏面入射の場合には、表面入射の場合と比較して各保護柱の箇所がかなり明るく光っている。特に、保護柱の側面が強く光るので、環状に光っている。数値で表すと、裏面入射の場合には、表面入射の場合と比較して反射防止フィルムの反射率が0.49%大きくなる。
この理由は、つぎの通りである。図3に示すように、円錐台状の保護柱15に光L1が裏面入射すると、入射した光L1は保護柱15の側面や先端面で複数回全反射することによって回帰反射する。その結果、裏面入射の場合には、反射防止フィルム14の反射率が高くなる。
このように保護柱を設けた従来の反射防止フィルムでは、裏面入射させる場合と表面入射させる場合とで光学特性が大きく異なる。そのため、たとえば液晶表示パネルの前面に貼って用いる場合(表面入射させる場合)と、カバーパネルの裏面に貼って用いる場合(裏面入射させる場合)とで反射率が大きく異なり、ディスプレイ装置の設計上あるいは用途上不都合であり、使用しにくかった。
特開2002−122702号公報 特開2004−70164号公報 特許第4539759号公報
本発明は、上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、保護柱を備えた反射防止フィルムにおいて、保護柱による回帰反射を防止することにある。
本発明に係る反射防止フィルムは、フィルム基板と、前記フィルム基板の表面に形成された複数の微細な光学突起からなる反射防止構造と、前記フィルム基板の表面に形成された、前記光学突起よりも高さの大きな複数の凸部とを備えた反射防止フィルムにおいて、前記凸部は、基端部側から先端部側へ向かうに従って前記フィルム基板の表面と平行な断面の断面積が次第に小さくなっており、前記凸部の基端における直径をD、前記凸部の高さをH、前記凸部の中心軸を通る断面において前記凸部の側面が前記凸部の中心軸となす角度をθとするとき、
D > 2H×tan(2θ) …(条件1)
の関係を有することを特徴とする。
本発明の反射防止フィルムは、上記条件1を満たしているので、凸部に裏面入射した光は元の方向へ向けて回帰反射せず、フィルム基盤内に導かれる。そのため、反射防止フィルムを裏面入射の形態で使用する場合でも凸部が光りにくくなり、反射防止フィルムの効果がより良好となる。その結果、光を反射防止フィルムに裏面入射させて用いる場合と表面入射させて用いる場合とで反射率の差が小さくなる。なお、必ずしもすべての凸部が条件1を満たしていることまでは要求されない。少なくとも一部の凸部が条件1を満たしているだけであっても、裏面入射の際の反射光を低減する効果がある。
本発明に係る反射防止フィルムのある実施態様は、前記凸部の屈折率をnとするとき、複数の前記凸部のうち少なくとも一つの凸部が、
θ > 0.5×arcsin(1/n) …(条件2)
の関係を満たしている。条件2は従来例において回帰反射を満たしていた場合であるので、このような条件2を満たす場合に本発明を適用することにより裏面入射時の反射光を低減させることができる。
本発明に係る反射防止フィルムの別な実施態様は、液晶パネルと重ねて用いる場合において、前記凸部の配列方向を前記液晶パネルの配列方向に対して傾けて用いることを特徴とする。かかる実施態様によれば、反射防止フィルムにおける凸部の配列ピッチと液晶パネルの画素ピッチとがほぼ等しい場合でもモアレ縞が発生しにくくなる。
本発明に係る反射防止フィルムのさらに別な実施態様は、前記凸部の高さHが、2μm以上であることを特徴とする。かかる実施態様によれば、反射防止フィルムに対向する部材、たとえば液晶パネルの表面などとの間に干渉縞が生じるのを防ぐことができる。
本発明に係る反射防止フィルムのさらに別な実施態様は、前記凸部の単位面積あたりの密度が1%以上であることを特徴とする。反射防止構造を保護するための凸部は、一定の荷重量に耐えて反射防止フィルムを支えることができなければならない。そのためには、反射防止フィルムの面積に対して少なくとも1%程度の面積は占めている必要がある。また、凸部の密度が小さくなると凸部間の領域が撓んで対向部材に接触する恐れがあるので、凸部どうしの間隔をあまり広げすぎないようにする必要があり、そのためにも保護柱は1%以上の密度が要求される。
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
図1Aは、反射防止フィルムを設けていないディスプレイ装置の概略断面図である。図1Bは、1枚の反射防止フィルムを用いたディスプレイ装置の概略断面図である。図1Cは、2枚の反射防止フィルムを用いたディスプレイ装置の概略断面図である。 図2Aは、反射防止フィルムに表面入射する光を示す図である。図2Bは、光が表面入射している反射防止フィルムの表面側の様子を示す顕微鏡写真である。図2Cは、反射防止フィルムに裏面入射する光を示す図である。図2Dは、光が裏面入射している反射防止フィルムの裏面側の様子を示す顕微鏡写真である。 図3は、従来の反射防止フィルムにおいて、保護柱により回帰反射を生じる様子を示す模式図である。 図4は、本発明に係る反射防止フィルムの一部を拡大して示す斜視図である。 図5は、1個の保護柱の中心軸を通る断面を示す概略図である。 図6は、保護柱の直径と保護柱による回帰反射の強さとの関係を示す図である。 図7は、湾曲した断面形状を有する保護柱の場合を説明する図である。 図8A、図8B及び図8Cは、反射防止シートの用い方を説明する概略図である。 図9Aは、液晶パネルに対向する反射防止フィルムが撓んだ様子を示す図である。図9Bは、高さが2μm以上の保護柱を有する反射フィルムの場合を示す図である。 図10Aは、保護柱のない反射防止フィルムに生じた干渉縞(ニュートンリング)を示す図である。図10Bは、高さが3μmの保護柱を有する反射防止フィルムを示す図である。 図11は、反射防止フィルムと画像表示パネルの配置を説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々設計変更することができる。
(反射防止フィルムの構造)
図4は、本発明に係る反射防止フィルム21の一部を拡大して示す斜視図である。図5は、その凸部すなわち保護柱24の中心軸を通る断面を示す断面図である。反射防止フィルム21は、透明なフィルム基板22の平滑な表面に、フィルム基板22と等しい屈折率を有する透明な光学突起23を密集させて多数形成したものである。また、フィルム基板22の表面には、フィルム基板22と等しい又はほぼ等しい屈折率を有する円錐台状の透明な保護柱24(密着防止用の凸部)が一定ピッチで配列されている。
フィルム基板22は、屈折率の高い透明樹脂、たとえばポリカーボネイト樹脂やアクリル樹脂などによって板状に成形されている。フィルム基板22は、硬質の樹脂基板でもよく、厚みの薄い柔軟なフィルム基板であってもよく、特に厚みは問わない。
光学突起23はナノサイズの微小突起であって、円錐状や円錐台状、四角錐状などの形状を有している。また、光学突起23の形状は、回転楕円面の一部となっていてもよい。
保護柱24は、底面の面積よりも先端面の面積が小さな円錐台状をしており、光学突起23よりも大きな高さを有している。保護柱24は、側面24aと先端面24bを有しており、先端面24bはフィルム基板22の表面と平行となっている。この反射防止フィルム21に垂直に光L2が裏面入射した場合には、図5に実線矢印で示すように、側面24aに当たった光L2は側面24aで全反射し、さらに先端面24bに入射して先端面24b全反射した後、側面24aに再入射することなくフィルム基板22内に入り、フィルム基板22内を横方向へ導光していく。したがって、反射防止フィルム21に光が裏面入射しても保護柱24で光が回帰反射して元の方向へ戻らないので、保護柱24が光って見えにくくなる。この結果、表面入射の場合と裏面入射の場合とで、同じような反射光をカットする効果が得られる。
つぎに、裏面入射した光が図5のような挙動を示すための条件を明らかにする。もっとも回帰反射しやすい光は、保護柱24の端(図5のa点)に入射した光であるから、この光が回帰反射できなくなれば、側面24aで反射した光はいずれも回帰反射しなくなる。保護柱24の屈折率をn、保護柱24の中心軸を通る断面において側面24aが中心軸となす角度をθとすれば、保護柱24の端のa点に入射した光L3が、側面24aで全反射される条件は、
0° < θ < arccos(1/n) …(条件3)
となる。a点で全反射した光L3は、先端面24bに入射するが、この光L3が先端面24bで全反射する条件は、
θ > 0.5×arcsin(1/n) …(条件4)
となる。また、b点が側面24a上になく先端面24bにあるための条件は、保護柱24の基端面の直径をD、保護柱24の高さをHとすれば、
H×tan(2θ) < D−H×tan(θ) …(条件5)
となる。さらに、裏面入射した光L3が回帰反射しないためには、先端面24bで全反射した光が側面24aの端のc点よりも左側を通過さればよい。そのためには、
D > 2H×tan(2θ) …(条件6)
を満たせばよい。
上記のように裏面入射時に回帰反射を起こさないためには、上記条件2−条件6を満たせばよい。ここで、側面24aの中心軸となす角度θが45°に近づくと、保護柱24の直径Dを非常に大きくしなければならないので、実際上はθは45度に比べて小さくなければならない。そのため、一般的な屈折率nの値であれば、当然に条件3は満たされる。また、条件6が満たされていれば、条件5も満たされる。よって、条件4と条件6を満たせばよいことが分かる。しかし、すべての保護柱24が条件5を満たさないのであれば、光は先端面24bを透過してしまって回帰反射しないのであるから、もともと問題がない。したがって、少なくとも一部の保護柱24が条件5を満たしている場合に、本願発明の有用性がある。結局は、条件6を満たしていれば回帰反射によって保護柱24が光るのを防ぐことができることが分かる。
なお、すべての保護柱24が条件6を満たしていることが好ましいが、必ずしてもすべての保護柱24が条件6を満たすことまで要求されない。少なくとも一部の保護柱24が条件6を満たしていれば、その限度で効果が得られる。
反射防止フィルム21の成形時において、保護柱24の成形型からの外しやすさや欠けの生じにくさなどを考慮すれば、側面24aの角度θは30°以上40°以下が望ましく、特に30°以上35°以下が望ましい。よって、条件6を満たす保護柱24の例としては、たとえば高さHを3μm程度、直径Dを20μm程度とすればよい。
図6は、直径Dの異なる保護柱に光を裏面入射させたときの、それぞれの顕微鏡写真である。横軸方向は保護柱の直径を小さいものから大きなものへと並べたものであり、縦軸は反射光の小さなものから大きなものへと並べている。この測定の条件では、保護柱の高さHを3μmとし、側面24aの角度θを30°とした。この数値例では、条件6から求めた直径Dの最小値は約10μmである。左から2つの直径Dが3μmと5μmのものが従来例であり、直径が10μmのものが境界にある。また、直径Dが21μm、41μm、61μmの右3つが本発明の実施例である。直径Dが3μm、5μmのものでは、回帰反射してかなり光っている。直径が10μmのものでは、面精度などの関係で回帰反射光が残っている。直径が21μmのものでは、ほぼ回帰反射光は分からなくなっている。
(断面が湾曲した保護柱への拡張)
保護柱24の断面が湾曲している場合の条件6の適用について説明する。図7はこのような保護柱の一例として楕円形断面の保護柱24を表している。まず、保護柱24の底面から測った頂点Pの高さをHとするとき、その高さHの1/2の高さにおける保護柱24の表面の点N1、N2を考える。すなわち、頂点Pを通り底面に平行な水平面Tの、底面から測った高さをHとし、底面からH/2の高さにおける保護柱24の表面上の点をN1、N2とする。ついで、保護柱24の中心軸を通る断面において点N1、N2において保護柱表面に接する接線S1、S2を求め、当該接線S1、S2と底面との交点をB1、B2、接線S1、S2と水平面Tとの交点をC1、C2とする。このようにして各断面において定義された接線S1、S2と水平面Tからなる台形状B1-N1-C1-P-C2-N2-B2によって定義される錐台形状が、条件6を適用するための形状となる。つまり、このような形状の保護柱24について条件6を適用する場合には、B1-B2間の距離を直径Dとし、接線S1、S2が中心軸となす角度をθとすればよい。
(ディスプレイ装置の構成)
図8A−8Cは、本発明に係る反射防止フィルム21を貼ったディスプレイ装置のいくつかの形態を表している。図8Aに示すディスプレイ装置31は、液晶表示パネル(LCD)や有機EL(OLED)などの画像表示パネル32の前面に、エアギャップ(空間)を介してカバーパネル33を重ねたものであり、カバーパネル33の裏面と画像表示パネル32の前面に反射防止フィルム21を貼っている。また、図8Bに示すディスプレイ装置34は、カバーパネル33の前面及び裏面と画像表示パネル32の前面に反射防止フィルム21を貼っている。図8Bのようにカバーパネル33の前面にも反射防止フィルム21を貼れば反射防止の効果は高くなるが、カバーパネル33の前面の反射防止フィルム21が使用者によって触れられるので、損傷したり汚れたりするおそれがある。図8Cに示すディスプレイ装置35は、カバーパネル33の裏面と画像表示パネル32の前面のうち一方にだけ反射防止フィルム21を貼っている。図8Cのように形態では、反射防止の効果は高くなるが、コストが下がるので、用途によっては有効である。なお、画像表示パネル32はモノクロ表示用のものであってもよく、カラー表示用のものであってもよい。カバーパネル33は、透明樹脂からなる均一な厚みの保護シートである。
上記のように反射防止フィルム21を画像表示パネル32と組み合わせて用いる場合には、反射防止フィルム21における保護柱24の配列ピッチと、画像表示パネル32の画素ピッチとがほぼ同じになることがある。保護柱24の配列ピッチと画素ピッチがほぼ同じになると、ディスプレイ装置の画面にモアレ縞が発生することがある。
このようにしてモアレ縞が発生する場合には、図9に示すように、反射防止フィルム21のピッチが同じ方向を画像表示パネル32に対して約90°回転させ、さらに、保護柱24の配列方向を画素の配列方向に対して少し傾けて用いるようにすればよい。なお、図9の画像表示パネル32では、赤色画素、緑色画素及び青色画素が一組で1つの画素を構成している。
また、画像表示パネル32にカバーパネル33が対向しているとき、カバーパネル33に反射防止フィルムが貼られていない場合には、カバーパネル33が押されてカバーパネル33と画像表示パネル32の隙間が60μmくらいになると干渉縞(ニュートンリング)が発生する。図10Aは、カバーパネル33を指先で押さえて干渉縞が生じたものである。これに対し、カバーパネル33の内面に反射防止フィルム21を貼っている場合には、隙間が2μm程度にならなければ干渉縞は発生しない。
従って、図9Bのように高さが2μm以上の保護柱24、好ましくは3μm程度の高さの保護柱24を設けておけば、干渉縞の発生を防止することができる。図10Bは、高さが3μmの保護柱24を有する反射防止フィルム21をカバーパネル33の裏面に貼ったものである。図10Bも、図10Aと同様に指で押さえたときの写真であるが、干渉縞は発生していない。よって、干渉縞を防止するためには、高さが2μm以上、好ましくは3μm程度の高さの保護柱24を反射防止フィルム21に設けることが有効である。また、保護柱24を設ける場合には、単位面積あたりで1%以上の密度で保護柱24を設けるのが有効である。保護柱24の密度が小さいと、保護柱24と保護柱24の中間領域が画像表示パネル32に密着するおそれがあるためである。
21 反射防止フィルム
22 フィルム基板
23 光学突起
24 保護柱
24a 側面
24b 先端面
31、34、35 ディスプレイ装置
32 画像表示パネル
33 カバーパネル

Claims (5)

  1. フィルム基板と、前記フィルム基板の表面に形成された複数の微細な光学突起からなる反射防止構造と、前記フィルム基板の表面に形成された、前記光学突起よりも高さの大きな複数の凸部とを備えた反射防止フィルムにおいて、
    前記凸部は、基端部側から先端部側へ向かうに従って前記フィルム基板の表面と平行な断面の断面積が次第に小さくなっており、
    前記凸部の基端における直径をD、前記凸部の高さをH、前記凸部の中心軸を通る断面において前記凸部の側面が前記凸部の中心軸となす角度をθとするとき、
    D > 2H×tan(2θ)
    の関係を有することを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 前記凸部の屈折率をnとするとき、複数の前記凸部のうち少なくとも一つの凸部が、
    θ > 0.5×arcsin(1/n)
    の関係を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 液晶パネルと重ねて用いる場合において、前記凸部の配列方向を前記液晶パネルの配列方向に対して傾けて用いることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記凸部の高さHが、2μm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止フィルム。
  5. 前記凸部の単位面積あたりの密度が1%以上であることを特徴とする、請求項4に記載の密着防止フィルム。
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