JP6957869B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
このような表示装置に用いられる映像源は、映像を構成する複数の画素領域と、各画素領域間に設けられ、映像の表示に寄与しない非画素領域とが設けられている。このような映像源から出射された映像光をレンズにより拡大した場合、画素領域により構成される映像だけでなく、非画素領域が起因となる非映像領域も拡大されてしまうこととなり、映像だけでなく非映像領域も観察者に視認されてしまう場合があり、鮮明な映像の表示の妨げとなる場合があった。
前記映像光(V)を拡大して観察者側へ出射するレンズ(12)と、前記映像源(11)と前記レンズ(12)との間、又は、前記レンズ(12)の観察者側に配置される光学シート(20)と、を備え、前記光学シート(20)は、2層以上の光学層(21,22,23)が積層され、隣接する前記光学層(21,22,23)の間の界面に凸状又は凹状の単位形状(21a,23a)が複数形成されており、拡散角θにおける輝度をI(θ)とし、前記レンズ(12)と前記光学シート(20)との間の距離をKとし、前記レンズ(12)の有効半径をRとしたとき、前記光学シート(20)の平均拡散角θaveを、
本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面とは、シート状の部材において、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。
図1は、本実施形態の頭部装着型の表示装置1を説明する図である。図1は、表示装置1を鉛直方向上側から見た図である。
図2は、本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20の詳細を説明する図である。図2(a)は、光学シート20の水平面(XY面)に平行な断面における断面図であり、図2(b)は、図2(a)のb部断面図である。図2(c)は、図2(a)のc部詳細を示す図であり、図2(d)は、図2(b)のd部詳細を示す図である。
図3は、本実施形態の表示装置1によって表示された画像の例を示す図である。
図4は、比較例の表示装置5を説明する図である。図4(a)は、比較例の表示装置5の構成を説明する図であり、図1に対応する図である。図4(a)では、理解を容易にするために、表示装置5として、映像源51とレンズ52のみを示している。図4(b)は、比較例の表示装置5によって表示された画像の例を示す図である。
なお、図1において、表示装置1は、観察者の両眼E1,E2に対して映像を表示する例を挙げて説明するが、これに限定されるものでなく、例えば、観察者の片側の眼E1に対して配置され、その眼E1に対して映像を表示する形態としてもよい。
保持部31は、映像源11を保持する部材であり、その映像源11の表示面11a側の面に、観察者の眼E(E1,E2)及びレンズ12(12A,12B)に対応する位置に開口部311(311A,311B)を有している。本実施形態では、映像源11は、この保持部31(すなわち、表示装置1)に着脱可能に保持される。映像源11から出射した映像光Vは、この開口部311(311A,311B)を通ってレンズ12(12A,12B)へ入射する。
この保持部32と前述の保持部31とは、一体となってY方向に移動可能であり、Y方向において所望の位置で固定可能である。したがって、観察者の視力等に応じて、映像源11及び光学シート20とレンズ12との間の距離(レンズ12に対するY方向における位置)を調整可能(ピント調整可能)である。なお、これに限らず、保持部31及び保持部32は、Y方向の位置が固定された形態としてもよい。
保持部33は、保持部32及び光学シート20よりも観察者側(−Y側)に位置し、レンズ12(12A,12B)を保持する部材である。この保持部33は、光学シート20(20A,20B)に対応する位置に開口部331(331A,331B)を有し、その開口部331(331A,331B)内にレンズ12(12A,12B)が嵌めこまれ、保持されている。
映像源11は、その表示面11aが観察者側(−Y側)となるようにして、保持部31に保持されている。
なお、本実施形態では、この表示装置1は、映像源11を1つ備える例を示したが、これに限らず、例えば、後述するレンズ12A,12B及び観察者の眼E1,E2にそれぞれ対応する2台の映像源を備える形態としてもよい。
レンズ12の映像源側(背面側、+Y側)の表面には、反射抑制層12aが形成されている。この反射抑制層12aは、例えば、汎用の反射防止機能を有する材料(例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)、二酸化ケイ素(SiO2)、フッ素系光学用コーティング剤等)を所定の膜厚でコーティングする等により設けてもよいし、光の波長より小さなピッチで形成された微小な凹凸形状を有するモスアイ構造を光の入射側の面に有することにより反射抑制機能を奏する層をレンズ12の映像源側に一体に積層して設けてもよい。
また、反射抑制層12aは、さらに、レンズ12の観察者側(−Y側)の面に設けてもよい。この位置にさらに反射抑制層12aを設けることにより、レンズ12から映像光が出射する際に、レンズ12と空気との界面で反射し、レンズ12内で迷光となることを抑制でき、映像のコントラスト等を向上できる。
本実施形態では、観察者の両眼E1,E2に対応して、それぞれ、レンズ12A,12B及び光学シート20A,20Bが設けられている。しかし、これに限らず、例えば、レンズ12A,12Bの領域をカバーできる程度に大きい1枚の光学シート20を、レンズ12よりも映像源側(背面側、−Y側)に配置する形態としてもよい。
映像源51及び映像源11に用いられる有機EL等のディスプレイは、その表示部に映像を形成する画素領域G1が複数配列されており、また、各画素領域G1間には映像の形成に寄与しない非画素領域G2が設けられている。そのため、比較例の表示装置5では、映像源51から出射する映像光Vにより表示される映像は、レンズ52を介して拡大された場合に、図4(b)に示すように、画素領域G1による映像F1だけでなく、非画素領域G2が起因となる非映像領域F2も拡大されてしまう。そして、非映像領域F2も明瞭に観察者に視認され、鮮明な映像表示の妨げとなってしまう場合があった。
第1光学層21は、光学シート20の厚み方向(Y方向)において、第2光学層22及び第3光学層23よりも映像源側(+Y側)に位置し、光透過性を有する層である。第1光学層21の映像源側の面は、略平坦に形成されている。第1光学層21の観察者側(−Y側)の面には、図2(a)に示すように、凸状の単位形状21aが複数形成されている。単位形状21aは、観察者側(−Y側)に凸となっている。
この単位形状21aは、第1光学層21の観察者側の面に沿うようにして、上下方向(Z方向)に延在し、延在方向に直交する左右方向(X方向)に複数配列されている。また、単位形状21aは、左右方向及び厚み方向に平行な面(XY面)における断面形状が略円弧状に形成されたレンチキュラーレンズ形状である。ここで、略円弧状とは、真円の円弧だけでなく、楕円や長円等の一部を含む曲線状の形状を含むものをいう。
この単位形状23aは、第3光学層23の映像源側の面に沿うようにして、左右方向(X方向)に延在し、延在方向に直交する鉛直方向(Z方向)に複数配列されており、鉛直方向及び厚み方向に平行な面(YZ面)における断面形状が略円弧状に形成されたレンチキュラーレンズ形状である。
また、光学シート20の厚み方向(シート面の法線方向、Y方向)から見て、単位形状21aの配列方向(X方向)と単位形状23aの配列方向(Z方向)とは、交差(直交)している。
光学シート20は、映像源11からの映像光Vを拡散し、これをレンズ12により拡大して観察するので、レンズ12により実際に観察される範囲において拡散される光の成分が重要である。
光学シート20を通過した光の輝度と拡散角との関係が、例えば、図5のようになったとしても、このうち、レンズ12を通して観察者に届く成分を、図中の−φから+φの範囲の成分であるとする。そうすると、この範囲に拡散される光の成分を光学シート20の拡散度合いの指標として用いれば、光学シート20として適切な拡散作用を評価できる。また、映像源11の画素領域が配列されている画素配列ピッチが変ると、必要な拡散作用の程度も変化するので、この画素配列ピッチも重要なパラメータとなる。さらに、レンズ12と光学シート20との間の距離が変化すれば、映像光Vを光学シート20が拡散させる効果も変化する。
そこで、拡散角θにおける輝度をI(θ)とし、レンズ12と光学シート20との間の距離をKとし、レンズ12の有効半径をRとしたとき、図5における−φから+φの範囲の成分に関して光学シート20の平均拡散角θaveを、
光学シート20は、複数の層を重ねて構成されており、レンズ12についても、複数のレンズを用いることも可能である。よって、レンズ12と光学シート20との間の距離をKについては、単位形状21aと単位形状23aとの間の中央の位置から、レンズ12の中央(単一のレンズであれば主点)までの距離をKとする。
また、映像源11は、例えば、有機ELディスプレイである場合には、図6に例示するように、観察者側から、透明基板11b、透明電極11c、有機正孔輸送層11d、有機発光層(表示層)11e、有機電子輸送層11f、金属電極11gのように、複数の層が積層されている。上述した距離Lは、これらの層のうち、表示層11eからの距離を用いるとよい。表示層11eの位置において、非画素領域G2が形成されているからである。また、光学シート20は、複数の層を重ねて構成されている。よって、上述の距離Lの基準とする位置は、単位形状21aと単位形状23aとの間の中央の位置とするとよい。
なお、本実施形態では、光学シート20が3層構造であり、屈折率界面が2つ有り、単位形状が2種類配置されているので、距離K及び距離Lの基準位置を上述したように、単位形状21aと単位形状23aとの間の中央の位置とした。しかし、この基準の位置は、単位形状の構成によって変更して適用すべきである。例えば、光学シートが2層構造であって、屈折率界面が1つであって単位形状が1種類のみの場合には、単位形状の高さの平均高さとなる位置とするとよい。また、屈折率界面がさらに多くなる場合にも、屈折率か界面の位置の平均位置とするとよい。
なお、表示装置1に用いられる映像源11の画素領域G1の画素配列ピッチPは、400〜500ppi(pixel per inch)である。本実施形態では、映像源11の画素領域G1の画素配列ピッチPは、d=0.0508mm(500ppi)である。
図7は、光学シート20の見え方とθave×L/Pとの関係を示す図である。
図7の表では、各光学シート20をθave×L/Pの大きさ順に並べて示している。この図7を見れば明らかなように、非映像領域F2が観察者に視認されてしまうことを抑制する程度とθave×L/Pとの間には、よい相関関係がある。
そして、20≦θave×L/P≦40の範囲であれば、画素が独立して見えずに、かつ、映像がぼけ過ぎずない、良好な画像を観察することができるといえる。
また、より厳しい条件、すなわち、23≦θave×L/P≦35の範囲であれば、最適な画像を観察することが可能である。
また、第2光学層22は、光透過性の高いウレタンアクリレート樹脂や、エポキシアクリレート樹脂等の紫外線硬化型樹脂等から形成されており、本実施形態では、第1光学層21及び第3光学層23の屈折率よりも低い屈折率となっている。
また同様に、単位形状23aのYZ断面における断面形状が円弧状に形成されている場合、図2(d)に示すように、第3光学層23に形成される単位形状23aの鉛直方向(Z方向)における配列ピッチをP2とし、単位形状23aのYZ断面における円弧状の断面形状の曲率半径をR2としたときに、単位形状23aは、0.05≦P2/R2≦1.0の範囲で形成されるのが望ましい。
なお、本実施形態の光学シート20は、単位形状21aと単位形状23aとは、その断面形状が同じ形状であり、P1=P2、R1=R2となるように形成されている。
この反射抑制層24は、レンズ12の映像源側に設けられた反射抑制層12aと同様に、例えば、汎用の反射防止機能を有する材料(例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)、二酸化ケイ素(SiO2)、フッ素系光学用コーティング剤等)を所定の膜厚でコーティングする等により設けてもよい。また、映像源11が表示装置に固定され、着脱不可能である場合等には、光の波長より小さなピッチで形成された微小な凹凸形状を有するモスアイ構造を光の入射側の面に有することにより反射抑制機能を奏する層を光学シート20の映像源側に一体に積層して設けてもよい。
また、反射抑制層24を光学シート20の映像源側に設けることにより、光学シート20に入射する光が光学シート20の映像源側の面で反射して映像源11側へ向かい、映像源11の表示面11aで再度反射する等により迷光となることを抑制し、映像のコントラスト向上を図ることができる。
また、光学シート20の映像源側(+Y側)の面に、ハードコート機能や、防汚機能等を有する層を設けてもよい。このような層を設けることにより、映像源11が筐体30に着脱可能である場合に、映像源11を筐体30から外したときに、光学シート20が傷ついたり、汚れが付着したりして、映像の視認の妨げになることを抑制できる。
また、特に、モスアイ構造を有する反射抑制層に関しては、高い反射抑制効果を有しているが、破損しやすいために観察者の指等が触れない位置に設けることが重要となる。本実施形態の表示装置1では、レンズ12よりも映像源側(+Y側)に光学シート20が位置するので、そのような反射抑制層を光学シート20の観察者側やレンズ12の映像源側等に設けることができ、より高い反射抑制効果が得られ、映像のコントラストや明るさの向上を図ることができる。
図1に示すように、映像源11から出射した映像光Vは、光学シート20(20A,20B)の映像源側(+Y側)の面に入射する。そして、光学シート20に入射した映像光Vは、第1光学層21を透過して、第1光学層21及び第2光学層22との界面の単位形状21aによって、左右方向(X方向)に微少に拡散して第2光学層22内を透過する。
第2光学層22を透過した映像光Vは、第2光学層22及び第3光学層23との界面に形成された単位形状23aによって、鉛直方向(Z方向)に微少に拡散し、第3光学層23を透過して光学シート20の観察者側(−Y側)の面から出射する。
光学シート20を透過した映像光Vは、レンズ12(12A,12B)へ入射する。そして、レンズ12により、映像光Vが拡大され、観察者側(−Y側)へ出射する。
上述したように、光学シート20の第1光学層21及び第3光学層23に設けられた各単位形状21a、単位形状23aは、互いに同じ形状に形成されているため、まず、この凸状の単位形状に対応する凹形状が設けられた金型を使用して、単位形状が形成されたシート状部材を押出成形法や、射出成形法等により形成する。
それから、単位形状が形成されたシート状部材を、所定の寸法に裁断して、第1光学層21及び第3光学層23を得る。
このように、単位形状21a及び単位形状23aが同形状に形成されている場合、1枚のシート状部材から第1光学層21及び第3光学層23を同時に切り出すことができ、光学シート20の製造効率を向上させることができる。
これにより、第1光学層21、第2光学層22、第3光学層23が順次積層された状態となる。さらに、第1光学層21の表面(第2光学層22側とは反対側の面)に、反射抑制層24を設けることにより、光学シート20が完成する。
また、本実施形態の表示装置1は、光学シート20の映像源側(入光側、+Y側)の面に反射抑制層24を備え、レンズ12の映像源側の面に反射抑制層12aを備えているので、迷光を抑制し、映像の明るさやコントラストを向上できる。
以下に、本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20の他の形態について説明する。
また、一方の単位形状の延在方向が、他方の単位形状の延在方向と直交以外の角度で交差するようにしてもよい。このような形態としても、非画素領域G2に起因する非映像領域F2を目立たせなくする効果をさらに高めることができる。
図8(a)は、他の形態の光学シート20の斜視図である。図8(b)は、図8(a)のb−b断面図である。図8(c)は、図8(a)のc−c断面図である。図9(a)は、図8(b)のa部詳細を示す図であり、図9(b)は、図8(c)のb部詳細を示す図である。
図8,図9に示す他の形態の光学シート20を含め以下に示す光学シート20の他の形態に関して、上述の実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して、適宜重複する説明を省略する。また、図8及び図9を含め以下に示す光学シート20の他の形態を示す図面について、理解を容易にするために、反射抑制層24を備えない形態を示しているが、適宜、第1光学層21の映像源側(背面側、+Y側)に前述のような反射抑制層24を設けてもよい。
図8及び図9に示すx方向、y方向、z方向は互いに直交し、y方向は、Y方向と平行である。また、x方向は、X方向に対して45°をなし、z方向は、Z方向に対して45°をなしている。
単位形状21aの延在方向(x方向)と単位形状23aの延在方向(z方向)とは、交差(直交)しており、単位形状21aの配列方向(z方向)と単位形状23aの配列方向(x方向)とは、交差(直交)している。
ここで、略三角形状とは、二等辺三角形や、正三角形等を含む三角形状だけでなく、三角形状の頂部が曲面や平面に面取りされた形状や、三角形状の斜面が微小に湾曲された形状等も含むものをいう。
図9(a)に示すように、単位形状21aのz方向における配列ピッチをP1とし、単位形状21aの頂角をθ1とし、図9(b)に示すように、単位形状23aのx方向における配列ピッチをP2とし、単位形状23aの頂角をθ2とする。配列ピッチP1,P2、頂角θ1,θ2は、例えば、P1=P2=0.2mm、θ1=θ2=175°である。
そのため、上述のように、各単位形状の延在する方向を左右方向に対して傾斜させることによって、本実施形態の表示装置1は、単位形状が起因となるラインを観察者に対して視認され難くすることができ、表示される映像をより鮮明に観察者に視認させることができる。
また、図8及び図9に示す光学シート20は、20≦θave×L/P≦40を満たすことが必要であり、より望ましくは、23≦θave×L/P≦35を満たすとよい。
図8及び図9に示す光学シート20の輝度と拡散角との関係は、図10(a)に示すように、略三角形状に形成された単位形状の斜面に対応して2つのピークを有した波形や、図10(b)に示すように、ピークの幅が広い波形となる。これらの場合、図5の場合と同様に図10中に示した−φから+φの範囲において拡散される光が観察者に届く成分となる。
なお、この図8及び図9に示す他の形態の光学シート20においては、製造をより容易にするとともに、非映像領域F2を目立たなくするのに十分な程度に光を屈折させる観点から、屈折率差Δn1,Δn2は、0.05であることがより望ましい。
例えば、図11(a)に示すように、同断面における三角形状の頂部が曲面S1により形成される形態としてもよいし、図11(b)に示すように、三角形状の頂部が平坦面S2により形成される形態としてもよい。
また、図11(c)に示すように、同断面における三角形状の斜面が平坦な面ではなく微少に湾曲した曲面S3、S4により形成されるようにしてもよい。
各単位形状を上述のような形態とした光学シートは、図2に示す光学シートと同様の効果を奏することができる。
前述の図8及び図9では、単位形状21a,23aは、その断面形状が略三角形状(プリズム形状)であり、単位形状21aが、左右方向(X方向)に対して45°傾斜したx方向に延在し、鉛直方向(Z方向)に対して45°傾斜したz方向に複数配列され、単位形状23aが、鉛直方向(Z方向)に対して45°傾斜したz方向に延在し、左右方向(X方向)に対して45°傾斜したx方向に複数配列される光学シートを示したが、これに限定されるものでない。
この図12に示す光学シート20において、第1光学層21と第2光学層22との屈折率差Δn1、第2光学層22と第3光学層23との屈折率差Δn2は、前述の実施形態と同じ範囲であることが好ましい。
光学シート20をこのような形態としても、20≦θave×L/P≦40を満たす、又は、23≦θave×L/P≦35を満たすことにより、上述の実施形態と同様に、映像源11から出射した映像光を微少に拡散させ、図3に示すように、その拡散された映像光によって、非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が観察者に視認されてしまうことを抑制することができる。
光学シート20は、図13に示すように、第1光学層21及び第2光学層22の2層から構成される形態とし、第1光学層21の観察者側(−Y側)の面に略四角錐形状の単位形状21aが、鉛直方向及び左右方向に複数隙間なく配列されるようにしてもよい。ここで、略四角錐形状とは、完全な四角錐の形状だけでなく、四角錐の頂部が曲面や平面に面取りされた形状や、四角錐の各三角形状の斜面が微小に湾曲された形状等も含むものをいう。なお、図13に示す略四角錐形状の単位形状21aは、鉛直方向(Z方向)及び左右方向(X方向)に対して傾斜(例えば、45°傾斜)した方向に配列される形態としてもよい。
図14に示す光学シート20は、第1光学層21及び第2光学層22の界面に凸状の単位形状21aが複数形成され、第2光学層22及び第3光学層23の界面に凸状の単位形状23aが複数形成されている。
また、第3光学層23の映像源側(+Y側)の面は、図14(b)に示すように、単位形状23aと平坦部23bとが交互に複数形成されている。この単位形状23a及び平坦部23bは、第3光学層23の映像源側の面に沿うようにして、左右方向(X方向)に延在し、鉛直方向(Z方向)に複数配列されている。
第3光学層23に設けられた単位形状23a及び平坦部23bは、その延在方向(X方向)が、上述の第1光学層21に設けられた単位形状21a及び平坦部21bの延在方向(Z方向)と交差(直交)している。
図14に示す光学シート20では、単位形状21aは、円弧状に形成されており、その曲率半径がR1であり、左右方向(X方向)における幅寸法がW1である。単位形状21a(平坦部21b)の左右方向における配列ピッチはP1である。
さらに、第1光学層21及び第3光学層23に設けられた各単位形状及び各平坦部は、それぞれ同等の寸法に形成されており、例えば、W1=W2=0.1mm、P1=P2=0.24mm、R1=R2=0.5mmである。
仮に、配列ピッチP1,P2が0.1mm未満である場合、単位形状の配置間隔が細かくなりすぎてしまい、回折光の影響が大きくなり、映像が不鮮明になるので望ましくない。また、単位形状の製造も困難となる。
また、仮に、P1、P2が0.5mmよりも大きい場合、単位形状21a,23aの配置間隔が粗くなりすぎてしまい、観察者に非映像領域F2が視認されやすくなるため望ましくない。
また、図14に示す光学シート20において、第1光学層21と第2光学層22との屈折率差Δn1、第2光学層22と第3光学層23との屈折率差Δn2は、前述の実施形態と同じ範囲であることが好ましい。
また、図14に示す光学シート20は、20≦θave×L/P≦40を満たすことが必要であり、より望ましくは、23≦θave×L/P≦35を満たすとよい。
これにより、表示装置1は、観察者に鮮明な映像を表示するとともに、映像光の微少な拡散によって、映像源11の非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が目立ってしまうことを抑制することができる。特に、平坦部21b、平坦部23bを透過した光は、ほとんど拡散されないため、このような形態とすることにより、観察者に届く映像光をより鮮明に表示することができる。
図14に示す他の形態の光学シート20において、単位形状21aは、例えば、図15に示すように、第1光学層21の観察者側(−Y側)の面から凸となり、XY断面における断面形状が三角形状に形成され、単位形状23aが、第3光学層23の映像源側(+Y側)の面から凸となり、YZ断面における断面形状が三角形状である形態としてもよい。
例えば、図16に示すように、単位形状21aは、第1光学層21の観察者側(−Y側)の面から窪んだ凹状であり、そのXY断面における断面形状は、円弧状に形成された2つの凸面が左右方向において互いに対向する形態としてもよい。
同様に、単位形状23aは、第3光学層23の映像源側(+Y側)の面から窪んだ凹状であり、そのXY断面における断面形状は、円弧状に形成された2つの凸面が鉛直方向において互いに対向する形態としてもよい。
上述のような凸状又は凹状の形態としても、表示装置1は、映像源11から出射された光のうち、平坦部21b、平坦部23bを透過した光をほとんど拡散させることなく観察者側に出射させるとともに、単位形状21aに入射した光を左右方向へ微少に拡散させ、また、単位形状23aに入射した光を鉛直方向に微少に拡散させて観察者側へ出射させることができる。
これにより、表示装置1は、観察者にぼやけの少ない鮮明な映像を表示するとともに、映像光の微少な拡散によって映像源11の非画素領域G2に起因する非映像領域F2が目立って観察されることを抑制することができる。
図18に示すように、光学シート20をレンズ12よりも観察者側(−Y側)に配置してもよい。このような配置を採用しても、表示装置1は、観察者にぼやけの少ない鮮明な映像を表示するとともに、映像光の微少な拡散によって映像源11の非画素領域G2に起因する非映像領域F2が目立って観察されることを抑制することができる。
光学シート20を、図18に示すように、レンズ12よりも観察者側(−Y側)に配置した場合であっても、20≦θave×L/P≦40を満たすことが必要であり、より望ましくは、23≦θave×L/P≦35を満たすとよい。
以上説明した実施形態等に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
例えば、光学シート20は、所望する光学性能等に応じて、第1光学層21及び第2光学層22の2層が積層された形態としてもよく、また、4層以上の光学層を備える形態としてもよい。
図19は、変形形態の光学シート120を説明する図である。
例えば、図19に示すように、光学シート120を第1光学層121及び第2光学層122の2層構造とし、第1光学層121及び第2光学層122間に微細な単位形状がランダムに設けられ、界面が粗面状となり単位形状121aを形成する形態としてもよい。
このような形態としても、20≦θave×L/P≦40を満たすか、又は、23≦θave×L/P≦35を満たせば、映像源11から出射した映像光を光学シート120により微少に拡散することができ、表示装置1において、映像源11の非画素領域G2に起因する非映像領域F2を目立たなくすることができる。また、この場合、上述の実施形態の表示装置1に用いられる図2等に示す光学シート20に比して、層構成を減らすことができ、光学シートを薄型化したり、軽量化したりすることが可能となる。
5 表示装置(従来)
11 映像源
11a 表示面
11b 透明基板
11c 透明電極
11d 有機正孔輸送層
11e 表示層
11f 有機電子輸送層
11g 金属電極
12 レンズ
12A レンズ
12B レンズ
12a 反射抑制層
20 光学シート
20A 光学シート
20B 光学シート
21 第1光学層
21a 単位形状
21b 平坦部
22 第2光学層
23 第3光学層
23a 単位形状
23b 平坦部
24 反射抑制層
30 筐体
31 保持部
32 保持部
33 保持部
51 映像源(従来)
52 レンズ(従来)
120 光学シート
121 第1光学層
121a 単位形状
122 第2光学層
311 開口部
321 開口部
331 開口部
Claims (6)
- 複数の画素領域が配列され映像光を出射する映像源と、
前記映像光を拡大して観察者側へ出射するレンズと、
前記映像源と前記レンズとの間、又は、前記レンズの観察者側に配置される光学シートと、
を備え、
前記光学シートは、2層以上の光学層が積層され、隣接する前記光学層の間の界面に凸状又は凹状の単位形状が複数形成されており、
拡散角θ(°)における輝度をI(θ)とし、前記レンズと前記光学シートとの間の距離をKとし、前記レンズの有効半径をRとしたとき、前記光学シートの平均拡散角θave(°)を、
20≦θave×L/P≦40
を満たす表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置において、
23≦θave×L/P≦35
を満たす表示装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の表示装置において、
前記単位形状は、凸状であって、前記光学シートの厚み方向に直交するシート面内の第1の方向に延在し、前記シート面内の前記第1の方向に直交する第2の方向に配列され、前記光学シートの厚み方向に平行であって前記第2の方向に平行な断面における断面形状が略円弧状に形成されていること、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の表示装置において、
前記単位形状は、前記光学シートの厚み方向に直交するシート面内の第1の方向に延在し、前記シート面内の前記第1の方向に直交する第2の方向に配列され、前記光学シートの厚み方向に平行であって前記第2の方向に平行な断面における断面形状が略三角形状に形成されていること、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の表示装置において、
前記単位形状は、凸状であって、前記光学シートの厚み方向に直交するシート面に沿って配列された略四角錐形状に形成されていること、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の表示装置において、
前記光学シートは、3層以上の前記光学層を有し、隣接する前記光学層の間の各界面に設けられた前記単位形状のシート面方向における延在方向は、前記光学シートの厚み方向から見て交差していること、
を特徴とする表示装置。
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