以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図34は、本発明の撮像装置、測色装置、測色システム及び画像形成装置の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の撮像装置、測色装置、測色システム及び画像形成装置の一実施例を適用した画像形成装置1の概略斜視図である。
図1において、画像形成装置1は、本体筐体2が、本体フレーム3上に配設されており、本体筐体2内には、図1に両矢印Aで示す主走査方向に主ガイドロッド4と副ガイドロッド5が張り渡されている。主ガイドロッド4は、キャリッジ6を移動可能に支持しており、キャリッジ6には、副ガイドロッド5に係合してキャリッジ6の姿勢を安定化させる連結片6aが設けられている。
画像形成装置1は、主ガイドロッド4に沿って無端ベルト状のタイミングベルト7が配設されており、タイミングベルト7は、駆動プーリ8と従動プーリ9との間に張り渡されている。駆動プーリ8は、主走査モータ10によって回転駆動され、従動プーリ8は、タイミングベルト7に対して所定の張りを与える状態で配設されている。駆動プーリ8は、主走査モータ10によって回転駆動されることで、その回転方向に応じて、タイミングベルト7を主走査方向に回転移動させる。
キャリッジ6は、タイミングベルト7に連結されており、タイミングベルト7が駆動プーリ8によって主走査方向に回転移動されることで、主ガイドロッド4に沿って主走査方向に往復移動する。
画像形成装置1は、本体筐体2内の主走査方向両端部位置に、カートリッジ部11と維持機構部12が収納されており、カートリッジ部11は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各インクをそれぞれ収納するカートリッジが、交換可能に収納されている。カートリッジ部11の各カートリッジは、キャリッジ6が搭載する記録ヘッド20の対応する色の記録ヘッド20y、20m、20c、20k(図2参照)と、図示しないパイプで連結されており、パイプを通してカートリッジから記録ヘッド20y、20m、20c、20kに対してインクを供給する。なお、以下の説明において、記録ヘッド20y、20m、20c、20kを総称するときには、記録ヘッド20という。
画像形成装置1は、後述するように、キャリッジ6を主走査方向に移動させながら、プラテン14(図2参照)上を、主走査方向と直交する副走査方向(図1の矢印B方向)に間欠的に搬送される記録媒体Pにインクを吐出することで、記録媒体Pに画像を記録出力する。
すなわち、本実施例の画像形成装置1は、記録媒体Pを副走査方向に間欠的に搬送し、記録媒体Pの副走査方向の搬送が停止している間に、キャリッジ6を主走査方向に移動させながら、キャリッジ6に搭載された記録ヘッド20のノズル列からプラテン14上の記録媒体P上にインクを吐出して、記録媒体Pに画像を形成する。
維持機構部11は、記録ヘッド20の吐出面の清掃、キャッピング、不要なインクの吐出等を行って、記録ヘッド20からの不要なインクの排出や、記録ヘッド20の信頼性の維持を図っている。
画像形成装置1は、記録媒体Pの搬送部分を開閉可能に、カバー13が設けられており、画像形成装置1のメンテナンス時やジャム発生時に、カバー13を開けることで、本体筐体2内部のメンテナンス作業やジャム記録媒体Pの除去等の作業を行うことができる。
キャリッジ6は、図2に示すように、記録ヘッド20y、20m、20c、20kを搭載しており、記録ヘッド20y、20m、20c、20kは、それぞれ上記カートリッジ部11の対応する色のカートリッジにパイプで連結されて、それぞれ対応する色のインクを、対向する記録媒体Pに吐出する。すなわち、記録ヘッド20yは、イエロー(Y)インクを、記録ヘッド20mは、マゼンタ(M)インクを、記録ヘッド20cは、シアン(C)インクを、記録ヘッド20kは、ブラック(K)インクを、それぞれ吐出する。
記録ヘッド20は、その吐出面(ノズル面)が、図1の下方(記録媒体P側)に向くように、キャリッジ6に搭載されており、記録媒体Pにインクを吐出する。
画像形成装置1は、タイミングベルト7、すなわち、主ガイドロッド5に平行に、少なくともキャリッジ6の移動範囲に亘ってエンコーダシート15が配設されており、キャリッジ6には、エンコーダシート15を読み取るエンコーダセンサ21が取り付けられている。画像形成装置1は、エンコーダセンサ21によるエンコーダシート15の読み取り結果に基づいて主走査モータ10の駆動を制御することで、キャリッジ6の主走査方向の移動を制御する。
キャリッジ6に搭載されている記録ヘッド20は、図3に示すように、それぞれの記録ヘッド20y、20m、20c、20kが、複数のノズル列で構成されており、プラテン14上を搬送される記録媒体P上にノズル列からインクを吐出することで、記録媒体Pに画像を形成する。画像形成装置1では、キャリッジ6の1回の走査で記録媒体Pに形成できる画像の幅を広く確保するため、キャリッジ6に、上流側の記録ヘッド20と下流側の記録ヘッド20とを搭載している。また、ブラックのインクを吐出する記録ヘッド20kは、黒の印字速度を向上させるために、カラーのインクを吐出する記録ヘッド20y、6m、6cの2倍の数がキャリッジ6に搭載されている。さらに、記録ヘッド20y、6mは、キャリッジ6の往復動作で色の重ね順を合わせて、往路と復路とで色が変わらないようにするために、主走査方向に分割されて隣接する状態で配置されており、記録ヘッド20の各記録ヘッド20y、20m、20c、20kの配置は、図3に示す配置に限るものではない。
キャリッジ6には、図2に示したように、撮像部(撮像装置)30が取り付けられており、撮像部30は、後述する色調整処理時に被写体(測色対象物)を測色するために、被写体を撮像する。
撮像部30は、その正面断面図である図4及び図4のA−A矢視断面図である図5に示すように、基板31に、基板31側の面が開放されている四角の箱形状の枠体32が、図示しない締結部材によって固定されており、基板31は、図1に示したキャリッジ6に固定されている。
撮像部30は、枠体32が、その基板31とは反対側の面部(以下、底面部という。)32aの下面が、所定の間隔dを有してプラテン14上の記録媒体Pと対向する状態で、キャリッジ6に取り付けられており、該底面(対向面)32aには、中央部に所定の大きさの円形の開口部32bと該開口部32bを中心として、その外周部であって記録媒体P側に所定幅に亘って開口部32よりも経の大きいドーナツ形状の凹部32cが形成されている。
間隙dは、後述するように、2次元イメージセンサ35に対する焦点距離を考慮して、小さい方が好ましいが、記録媒体Pの平面性との関係から、枠体32の下面と記録媒体Pとが接触しない大きさ、例えば、1mm〜2mm程度に設定されている。
底面32aの凹部32cには、円盤形状の保持部材33が接着、ネジ固定または勘合等の方法で着脱可能に取り付けられており、保持部材33の中央部には、所定の大きさの円形の開口部33aが形成されている。
なお、枠体32は、四角の箱形状に限るものではなく、例えば、中央部に開口部32bの形成されている底面32aを有する円筒の箱形状や楕円筒の箱形状等であってもよい。
撮像部30は、基板31の枠体32側の面であってその中央部に、イメージセンサ部34が配設されており、イメージセンサ部(センサ手段)34は、CCD(Charge Coupled Device )センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )センサ等の2次元イメージセンサ35とレンズ36を備えている。
開口部33aは、後述するように、記録媒体Pに形成されている撮像対象(被写体)である基準シートKS(図12参照)の基準色パッチKP(図12参照)及び測色調整シートCS(図14参照)の測色調整色パッチCP(図14参照)を撮像するのに用いられる。開口部33aは、少なくとも、撮像対象の画像(パッチ画像)を全て撮像可能な大きさであればよいが、枠体32と撮像対象との間に間隙dがあるため、開口部33aの周辺に発生する影を考慮して、撮像対象の撮像領域の大きさよりも若干大きめの開口状態で形成されている。したがって、開口部33aは、イメージセンサ部34と相対向する位置、すなわち、イメージセンサ部34の光軸上に、その中心が位置している。
保持部材33上であって、開口部32b内に位置する部分には、所定幅に亘ってドーナツ形状に、図5に示すように、基準チャートKCが着脱可能に装着されている。
基準チャートKCは、基準シートKSの基準色パッチKP及び色調整処理における撮像対象である測色調整シートCSの測色調整色パッチCPの撮像測色値との比較対象として、撮像部30により基準色パッチKPや測色調整色パッチCPと同時に撮影される。すなわち、撮像部30は、枠体32の底面32aの凹部32cに嵌め込まれている保持部材33に形成されている開口部33aを通して枠体32の外部に位置する基準シートKSの基準色パッチKPや測色調整シートCSの測色調整色パッチCPの撮像とともに、枠体32の底面32aに取り付けられている保持部材33の開口部33aの外周上面に装着されている基準チャートKC上の色パッチを、比較対象として撮像する。
なお、撮像部30は、2次元イメージセンサ35が画素を順次走査して画像を読み取るため、厳密には、基準シートKSの基準色パッチKPや測色調整シートCSの測色調整パッチCPと基準チャートKCを同時には読み取らないが、1フレーム内に基準色パッチKPや測色調整パッチCPと基準チャートKCの画像を取得することができることから、以下、適宜、同時取得として表現する。
この基準チャートKCは、その枠体32内部側の面(上面)に、図5に示すように、後述する基準シートKSと同様に、測色用の複数の基準色パッチPaが、ドーナツ形状の凹部32bに沿って、円状に配置された状態で形成されている。
測色用の基準色パッチPaは、YMCの1次色の色パッチと、RGBの2次色の色パッチと、グレースケールのパッチと、3次色のパッチと、がある。
測色用の基準色パッチPaを構成する各パッチは、後述する基準チャートKCの基準パッチKPと同様に、分光器BS(図12参照)を用いて、標準色空間であるLab色空間における表色値(Lab値)が予め計測されており、後述する測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを測色する際の基準値となる。
なお、基準チャートKCに配置されている測色用のパッチPaの構成は、図5に示す配置例に限定されるものではなく、任意のパッチの配置を用いることができ、例えば、可能な限り色範囲を広く特定することのできるパッチを用いてもよいし、また、YMCKの1次色のパッチや、グレースケールのパッチは、画像形成装置1に使用されるインクの測色値のパッチで構成されていてもよい。また、基準チャートKCのRGBの2次色パッチは、画像形成装置1で使用されるインクで発色可能な測色値のパッチで構成されていてもよく、さらに、JapanColor等の測色値が定められた基準色票を用いてもよい。
この基準チャートKCは、枠体32の底面32aに形成されている開口部32bの外周に形成されているドーナツ状の凹部32cに着脱可能に取り付けられている保持部材33の上面に着脱可能に装着されているため、記録媒体P等の撮像対象と同様の焦点距離で、イメージセンサ部34の2次元イメージセンサ35によって撮像することができる。
また、基準チャートKCは、上述のように、枠体32の底面32aに形成されている開口部32bの外周に形成されているドーナツ状の凹部32cに着脱可能に取り付けられている保持部材33の上面に着脱可能に装着されているため、枠体32内に侵入したゴミ等が基準チャートKC表面に付着しても、保持部材33とともに基準チャートKCを取り外して、基準チャートKCを清浄に清掃した後に、再度、取り付けることができ、基準チャートKCの測定精度を向上させることができる。
撮像部30は、四角形状の枠体32の四隅それぞれの位置の基板31に、照明光源37が配設されており、照明光源37は、照明光源37としては、LED(Light Emitting Diode)等が用いられている。照明光源37は、基準チャートKC及び開口部33aを通して記録媒体P上の撮像対象に均一に照明光を照射する。照明光源37は、その配置位置は、上記枠体32内の四隅の基板31に限るものではなく、基準チャートKC及び開口部33aを通して記録媒体P上の撮像対象に均一に照明光を照射する位置であれば、適宜の位置でよい。
また、撮像部30は、枠体32の底面32aに取り付けられている保持部材33の中央部に形成されている開口部33aに、凹レンズ(被写体用光路長変更部材)41が嵌め込まれており、凹レンズ41は、開口部33aを通した記録媒体Pと2次元イメージセンサ35との光路中に配設されている状態となっている。
凹レンズ41は、イメージセンサ部34の光軸上に形成されている開口部33aに嵌め込まれているため、このイメージセンサ部34の光軸上に凹レンズ41の中心が位置し、凹レンズ41としては、記録媒体Pの撮像面からイメージセンサ部34への光路長が、基準チャートKCからイメージセンサ部34への光路長に一致させる曲率の凹レンズが用いられている。
すなわち、撮像部30は、イメージセンサ部34から見た場合、図6及び図7に示すように、保持部材33上の基準チャートKCと開口部33aを通した撮像対象(例えば、記録媒体P上に形成される測色調整パッチCP)との距離が、異なるため、図6に示すように、基準チャートKCに焦点距離を合わせて、撮像対象を撮像すると、図7に示すように、焦点距離が基準チャートKCの距離であるため、撮像対象の位置から外れ、焦点が合わない状態となる。
ところが、本実施例の撮像部30は、撮像対象を撮像する開口部33aに、図8(a)に示すように、凹レンズ41が嵌め込まれており、凹レンズ41部分の拡大図である図8(b)に示すように、凹レンズ41の曲率に応じて、撮像対象の焦点距離が、図8(b)の実線で示す位置(凹レンズ41がないときの焦点距離)から破線で示す撮像対象の位置まで引き伸ばされた状態(光路長が変更された状態)で撮像される。
なお、上記説明では、凹レンズ41が、開口部33aに埋め込まれている場合について説明したが、凹レンズ41は、開口部33aに埋め込まれている構成に限るものではなく、開口部33aを通した撮像対象とイメージセンサ部34との光路上であれば適宜の位置、例えば、図9に示すように、開口部33aの周囲の保持部材33上に配置してもよい。ただし、開口部33aとイメージセンサ部34との間の適宜の位置に配置する場合、基準チャートKCを撮像する光路の邪魔にならない位置であることが必要であり、また、凹レンズ41の曲率を、配置位置に合わせたものとする必要がある。
また、撮像部30は、凹レンズ41及び開口部33aを通して記録媒体Pの撮像面に照射する照明光と、基準チャートKCを照射する照明光とは、同一の照明光源37からの照明光であり、同じ照明条件で基準チャートKCと記録媒体Pの撮像面を同時に撮像することができる。すなわち、被写体を照明する照明光源37は、必ず基準チャートKCを照明しているため、基準チャートKCと記録媒体P上の被写体を、略同じ照明条件で照明することができ、略同じ照明条件で基準チャートKCと被写体を撮像することができる。
そして、本実施例の画像形成装置1は、図10に示すようにブロック構成されており、CPU(Central Processing Unit )101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、主走査ドライバ104、記録ヘッドドライバ105、測色制御部106、紙搬送部107及び副走査ドライバ108等を備えているとともに、上述のようにキャリッジ6に搭載されている記録ヘッド20、エンコーダセンサ21及び撮像部30等を備えている。
ROM102は、画像形成装置1としての基本プログラム及び色調整処理プログラム等のプログラム及び必要なシステムデータ等を記憶し、CPU101は、ROM102内のプログラムに基づいて、RAM103をワークメモリとして利用しつつ、画像形成装置1の各部を制御して、画像形成装置1としての基本処理を実行するとともに、撮像部30が撮像したRGB値に基づいて、測色制御部106での測色処理で求められた測色値に基づいて、画像形成時における色調整処理を実行する。
CPU101は、キャリッジ6及び紙搬送部107の制御においては、エンコーダセンサ21からのエンコーダ値に基づいて主走査ドライバ104の駆動を制御して、キャリッジ6の主走査方向の移動を制御し、また、CPU101は、副走査ドライバ108を介して、図示しない副走査モータや搬送ローラ等の紙搬送部107の駆動を制御する。さらに、CPU101は、記録ヘッドドライバ105を介して、記録ヘッド20によるインクの吐出タイミング及びインク吐出量を制御する。また、CPU101は、測色制御部106を介して、撮像部30の照明光源37の点灯駆動を制御する。
撮像部30は、上述したように、画像を記録出力する際の画像データの色を、ユーザの意図する色に正確に再現する色調整用の測色値を生成するために、後述するように、測色時に記録媒体Pに記録ヘッド20によって形成された測色調整パッチCPを撮像して、撮像したRGB値をCPU101に出力する。
そして、撮像部30及び測色制御部106は、図11に示すようにブロック構成されている。撮像部30は、上記照明光源37、イメージセンサ部34を備えているとともに、画像処理部110及びインターフェイス部111等を備えており、画像処理部110は、A/D変換部112、シェーディング補正部113、ホワイトバランス補正部114、γ補正部115及び画像フォーマット変換部116を備えている。
撮像部30は、イメージセンサ部34が被写体と基準チャートKCを同時に撮像したアナログのRGB画像データを画像処理部110に出力し、画像処理部110は、イメージセンサ部34から送られてくるアナログのRGB画像データに対して必要な画像処理を施して測色制御部106に出力する。
画像処理部110のA/D変換部112は、イメージセンサ部34から入力されるアナログのRGB画像データをデジタル変換してシェーディング補正部113に出力する。
シェーディング補正部113は、A/D変換部112から入力されるRGB画像データに対して、イメージセンサ部34の撮像範囲に対する照明光源37からの照明光の照度ムラに起因する画像データの誤差の補正を行って、ホワイトバランス補正部114に出力する。
ホワイトバランス補正部114は、シェーディング補正後のRGB画像データに対してホワイトバランスを補正して、γ補正部115に出力する。
γ補正部115は、ホワイトバランス補正部114から入力される画像データに対して、イメージセンサ部34の感度のリニアリティを補償するように補正して、画像フォーマット変換部116に出力する。
画像フォーマット変換部116は、γ補正後の画像データを任意のフォーマットに変換して、インターフェイス部111を介して測色制御部106に出力する。
インターフェイス部111は、測色制御部106から送られた各種設定信号、タイミング信号及び光源駆動信号を撮像部30が取得し、また、撮像部30から測色制御部106へ画像データを送るためのインターフェイスである。
測色制御部106は、フレームメモリ121、タイミング信号発生部122、光源駆動制御部123、演算部124及び不揮発性メモリ125を備えており、演算部124は、測色値算出部126を備えている。
フレームメモリ121は、撮像部30から送られてきた画像データを一時的に記憶するメモリであり、保管した画像データを演算部124に出力する。
不揮発性メモリ125は、図12に示すように、分光器(測色装置)BSによって、基準シートKSに配列形成されている複数の基準色パッチKPの測色結果の測色値であるLab値とXYZ値のうち、少なくともいずれか(図12では、Lab値とXYZ値の双方)が、基準測色値として、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1にパッチ番号に対応して格納されている。
さらに、画像形成装置1は、メモリテーブルTb1に基準測色値が不揮発性メモリ125に格納されている状態で、かつ、画像形成装置1の初期状態において、上記基準シートKSを画像形成装置1のプラテン14上にセットして、キャリッジ6の移動を制御して撮像部30によって該基準シートKSの分光器BSで読み取ったのと同じ基準パッチKPを読み取った撮像基準RGB値を、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1に、パッチ番号に対応させて、すなわち、基準測色値に対応させて格納するとともに、撮像部30の基準チャートKCの各パッチを撮像してRGB値を取得して、該基準チャートKCの各パッチのRGB値を初期基準RGB値RdGdBdとして、演算部124の制御下で不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1に格納している。
画像形成装置1は、基準測色値と撮像基準RGB値及び初期基準RGB値RdGdBdを不揮発性メモリ125に格納すると、測色値算出部126が、不揮発性メモリ125に格納されている基準測色値のXYZ値と撮像基準RGB値の対、すなわち、同じパッチ番号のXYZ値と撮像基準RGB値の対に対して、相互に変換する基準値線形変換マトリックスを算出して、算出した基準値線形変換マトリックスを不揮発性メモリ125に格納する。
画像形成装置1においては、上記処理を画像形成装置1の初期状態で実行して、実行結果である基準測色値と撮像基準RGB値及び初期基準RGB値RdGdBdを不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1に登録した後、基準値線形変換マトリックスを算出して、不揮発性メモリ125に格納する。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、後述するように、色調整処理時に、経時変化等している記録ヘッド20によって記録媒体Pに形成された被写体としての測色調整色パッチCPと枠体32の内部に配置された基準チャートKCとをイメージセンサ部34で同時に撮像して、測色調整色パッチCP及び基準チャートKCを含む画像データを測色制御部106に出力する。測色制御部106は、撮像部30から取得した色調整処理時にイメージセンサ部34が撮像した測色調整色パッチCPを、基準シートKSの基準色パッチ(以下、初期基準色パッチという。)を撮像部30で読み取ったときに、同時に読み取って記憶した基準チャートKCのパッチPaの初期基準RGB値RdGdBdに変換した後に、該初期基準RGB値RdGdBdに対して、測色調整パッチCPのうち線形性を有する部分を取り出して線形変換して測色値を求める測色処理を行なう。
すなわち、演算部124は、測色制御部106の動作を制御するとともに、測色値算出部126が、測色処理を実行して、測色処理の処理結果である測色値をCPU101に出力し、CPU101が、該測色値を用いて画像データを色調整処理して、色調整処理した画像データに基づいて記録ヘッド20を制御することで、色再現性を向上させた状態で画像形成する。
本実施例の画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本実施例の測色方法を実行する測色プログラムを読み込んでROM102または不揮発性メモリ125等に導入することで、後述する色再現性を安価にかつ安定して実現する測色方法を実行する測色装置を備えた画像形成装置1として構築されている。この測色プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成装置1は、色再現性を安価にかつ安定して実現する撮像装置及び測色方法を実行する。
本実施例の画像形成装置1は、図12に示したように、分光器BSによって、基準シートKSに配列形成されている複数の基準色パッチの測色結果を、Lab値とXYZ値のうち、少なくともいずれかを、CPU101の制御下で、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1にパッチ番号に対応して基準測色値として格納されている。
また、画像形成装置1は、メモリテーブルTb1に基準測色値が不揮発性メモリ125に格納されている状態で、かつ、画像形成装置1が製造またはオバーフォール等によって初期状態であるときに、上記基準シートKSを画像形成装置1のプラテン14上にセットして、キャリッジ6の移動を制御して撮像部30によって該基準シートKSの分光器BSで読み取ったのと同じ基準パッチを読み取るとともに、同時に、枠体32の内部に配置された基準チャートKCの各パッチ(初期基準色パッチ)を撮像する。
画像形成装置1は、基準シートKSの基準パッチと基準チャートKCの各パッチを撮像部30によって撮像すると、基準シートKSの基準パッチを撮像した画像データを画像処理部110で処理したRGB値である撮像基準RGB値、すなわち、デバイスに依存するデバイス依存信号を、測色制御部106の演算部124が、図12に示したように、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1に、パッチ番号に対応させて、すなわち、基準測色値に対応させて格納するとともに、基準チャートKCの初期基準色パッチを読み取って画像処理部110で処理したRGB値である初期基準RGB値RdGdBdを、図13(a)に示すように、不揮発性メモリ125に格納する。
なお、演算部124は、撮像部30が読み取った基準チャートKCの初期基準色バッチの画像データのうち、所定領域(測色対象領域)毎に平均値を算出して、初期基準RGB値RdGdBdとしている。このように測色対象領域の多数の画素を平均化して初期基準RGB値RdGdBdを算出すると、ノイズの影響を低減させることができるとともに、bit分解能を向上させることができる。また、図13(b)は、初期基準RGB値RdGdBdをプロットした散布図であり、図13(a)は、初期基準RGB値RdGdBdをLab値に変換した基準Lab値Ldadbd及びXYZ値に変換した基準XYZ値xdydzdも不揮発性メモリ125に登録されている状態を示している。
画像形成装置1は、基準測色値と撮像基準RGB値及び初期基準RGB値RdGdBdを不揮発性メモリ125に格納すると、演算部124の測色値算出部126が、不揮発性メモリ125に格納されている基準測色値のXYZ値と撮像基準RGB値の対、すなわち、同じパッチ番号のXYZ値と撮像基準RGB値の対に対して、相互に変換する基準値線形変換マトリックスを算出して、算出した基準値線形変換マトリックスを不揮発性メモリ125に格納する。
この状態で、画像形成装置1は、外部から入力される画像データや印刷設定等に基づいて、CPU101が、キャリッジ6の主走査移動制御、紙搬送部48による記録媒体Pの搬送制御及び記録ヘッド20の駆動制御を行って、記録媒体Pを間欠的に搬送させつつ、記録ヘッド20の各記録ヘッド20y、20m、20c、20kからのインク吐出を制御して、画像を記録媒体Pに記録出力する。
このとき、記録ヘッド20y、20m、20c、20kからのインクの吐出量が、機器固有の特性や経時変化等によって変化することがあり、このインクの吐出量が変化すると、ユーザが意図する画像の色とは異なった色で画像形成されることとなって、色再現性が劣化する。
そこで、画像形成装置1は、所定の色調整処理タイミングで、測色値を求めて該測色値に基づいて色調整を行なう色調整処理を実行する。
すなわち、画像形成装置1は、色調整処理タイミングになると、複数の色パッチ(測色調整色パッチ)CPを、図14に示すように、記録ヘッド20によって記録媒体Pに形成して測色調整シートCSとして記録出力する。この測色調整シートCSは、複数の測色調整用の色パッチである測色調整色パッチCPが、記録ヘッド20によって形成出力されたものであり、画像形成装置1の色調整処理タイミングにおける出力特性、特に、記録ヘッド20の出力特性を反映した測色調整色パッチCPが形成されている。なお、測色調整色パッチCPの色パッチデータは、予め不揮発性メモリ125等に格納されている。
そして、画像形成装置1は、後述するように、この測色調整シートCSの複数の測色調整色パッチCPを撮像したRGB値を測色対象RGB値(測色用RGB値)として、この測色対象RGB値を初期基準RGB値RdGdBdに変換して、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1に登録されている基準測色値のうち、該初期基準RGB値RdGdBdを変換した測色値に対して距離的に近い基準測色値(近傍基準測色値)を選択して、測色対象RGB値を、選択した近傍基準測色値に変換する測色値を求め、該測色値に基づいて色変換を行った後の画像データに基づいて、記録ヘッド20によって画像を出力することで、画像形成装置1による形成画像の色再現性を向上させる。
そこで、画像形成装置1は、図14に示すように、この測色調整シートCSがプラテン14上にセットされるか、測色調整シートCSを記録した段階で排紙することなくプラテン14上に保持した状態として、このプラテン14上の測色調整シートCSの複数の測色調整色パッチCPを、キャリッジ6の移動を制御して撮像部30によって撮像すると同時に、撮像部30によって基準チャートKCのパッチを撮像する。画像形成装置1は、測色調整シートCSの測色調整色パッチCPと基準チャートKCのパッチPaを撮像部30によって同時に撮像すると、撮像部30の画像処理部110で、測色調整シートCSの測色調整色パッチCPの画像データと基準チャートKCのパッチPaの画像データに対して、必要な画像処理を行なった後、測色調整シートCSの測色調整色パッチCPの画像データ(RGB値)を測色対象RGB値、すなわち、デバイスに依存するデバイス依存信号として、また、基準チャートKCのパッチPaの画像データ(RGB値)を、測色時基準RGB値RdsGdsBdsとして、測色制御部106に送り、測色制御部106は、図14に示すように、フレームメモリ121に一時保管する(ステップS11)。
測色制御部106は、演算部124の測色値算出部126が、フレームメモリ121に保管された測色対象RGB値を、後述する基準RGB間線形変換マトリックスを用いて、初期化測色対象RGB値RsGsBsに変換する(ステップS12、S13)。
測色制御部106の演算部124は、変換した初期化測色対象RGB値RsGsBsを、測色対象RGB値として(ステップS14)、後述する基本測色処理を実行して、Lab測色値を取得する(ステップS15)。
そして、本実施例の画像形成装置1は、演算部124の測色値算出部126が、上記基準RGB間線形変換マトリックスを、図15及び図16に示すようにして求める。
すなわち、演算部124の測色値算出部126は、図15に示すように、初期時に撮像部30で基準シートKSの基準色パッチKPを撮像したときに同時に基準チャートKCのパッチを撮像して不揮発性メモリ125に格納されている初期基準RGB値RdGdBdと、測色時に撮像部30で測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを撮像したときに、同時に、基準チャートKCのパッチを撮像して不揮発性メモリ125に格納されている測色時基準RGB値RdsGdsBdsを、不揮発性メモリ125から読み出して、測色時基準RGB値RdsGdsBdsを初期基準RGB値RdGdBdに変換する基準RGB間線形変換マトリックスを求め、求めた基準RGB間線形変換マトリックスを不揮発性メモリ125に格納する。
すなわち、図16において、図16(a)に白抜き点で示されている点が初期基準RGB値RdGdBdをrgb空間でプロットした点であり、塗りつぶし点が、測色時基準RGB値RdsGdsBdsをrgb空間でプロットした点である。図16(a)から分かるように、測色時基準RGB値RdsGdsBdsの値が初期基準RGB値RdGdBdの値から変動しており、これらのrgb空間上での変動方向は、図16(b)に矢印で示すように、概ね同じであるが、色相によってずれの方向が異なる。このように同じ基準チャートKCのパッチを撮像してもRGB値が変動する原因としては、照明光源37の経時変化、2次元イメージセンサ35の経時変化等がある。
このように、同じ基準チャートKCのパッチを撮像したときに変動している状態で、測色調整シートCSの測色調整パッチCPを撮像したときの測色対象RGB値を用いて測色値を求めると、変動分だけ測色値に誤差が発生するおそれがある。
そこで、本実施例の画像形成装置1は、初期基準RGB値RdGdBdと、測色時基準RGB値RdsGdsBdsとの間で最小2乗法等の推定法を用いて、測色時基準RGB値RdsGdsBdsを初期基準RGB値RdGdBdに変換する基準RGB間線形変換マトリックスを求め、この基準RGB間線形変換マトリックスを用いて、撮像部30で測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを撮像して不揮発性メモリ125に格納されている測色対象RGB値を、初期化測色対象RGB値RsGsBsに変換し、変換した初期化測色対象RGB値RsGsBsを、測色対象RGB値として、後述する基本測色処理を実行して、Lab測色値を取得する。
この基準RGB間線形変換マトリックスは、1次だけでなく、さらに高次の非線形マトリックスであってもよく、rgb空間とXYZ空間間で非線形性が高い場合には、高次のマトリックスとすることで、変換精度を向上させることができる。
そして、上記撮像部30は、被写体としての基準シートKSの基準色パッチKPと測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを、底面32aに形成されている開口部33aを通して撮像する際に、同時に、枠体32の底面32aの凹部32bに配置されている基準シートKSのパッチPaを撮像することで、常に、同じ位置関係で、基準シートKSのパッチPaを被写体としての基準シートKSの基準色パッチKPと測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを撮像することができ、安定した状態で撮像することができる。
さらに、撮像部30は、開口部33aを通した被写体としての基準シートKSの基準色パッチKP及び測色調整シートCSの測色調整色パッチCPと2次元イメージセンサ35との光路中である開口部33aに凹レンズ41が嵌め込まれている。
そして、撮像部30は、撮像面である基準シートKSの基準色パッチKP及び被写体である測色調整シートCSの測色調整色パッチCPからイメージセンサ部34への光路長(焦点距離)と基準チャートKCからイメージセンサ部3への光路長(焦点距離)が一致するように、凹レンズ41の曲率が設定されており、イメージセンサ部34に対する基準チャートKCの焦点位置と被写体(基準シートKSの基準色パッチKP及び測色調整シートCSの測色調整色パッチCP)の焦点位置を一致させることができる。
したがって、基準シートKSの基準色パッチKPと測色調整シートCSの測色調整色パッチCPとこれらの比較対象である基準チャートKCを、常に、高精度にかつ同じ精度で安定して撮像することができる。
また、撮像部30は、凹レンズ41及び開口部33aを通して記録媒体Pの撮像面に照射する照明光と、基準チャートKCを照射する照明光とは、同一の照明光源37からの照明光であり、同じ照明条件で基準チャートKCと記録媒体Pの撮像面を同時に撮像することができる。
そして、画像形成装置1は、上述のようにして初期測色対象RGB値RsGsBsを求めて、測色対象RGB値とすると、図17及び図18に示すように、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1に登録されている基準測色値のうち、該測色対象RGB値に変換した測色値に対して距離的に近い近傍の基準測色値(近傍基準測色値)を選択して、測色対象RGB値を、選択した近傍基準測色値に変換する測色値を求める基本測色処理を実行し、該測色値に基づいて色変換を行った後の画像データに基づいて、記録ヘッド20によって画像を出力することで、画像形成装置1による形成画像の色再現性を向上させる。
すなわち、画像形成装置1は、図17に示すように、測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを撮像して上述のように初期測色対象RGB値RsGsBsを求めて、測色対象RGB値として、不揮発性メモリ125に格納すると(ステップS21)、上記基準値線形変換マトリックスを用いて(ステップS22)、第1XYZ値に変換して(ステップS23)、不揮発性メモリ125に格納する(ステップS24)。例えば、図17では、測色値算出部126は、撮像部30の測色対象RGB値(3、200、5)を、(20、80、10)の第1XYZ値(第1測色値)に変換して、不揮発性メモリ125に格納している。
測色値算出部126は、第1XYZ値を、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1を参照して、または、既知の変換式を用いて、第1Lab値(第1測色値)に変換して(ステップS25)、不揮発性メモリ125に格納する(ステップS26)。例えば、図17では、測色値算出部126は、第1XYZ値(20、80、10)を、撮像測色値である第1Lab値(75、−60、8)に変換している。
次に、測色値算出部126は、図17にLab空間で示すように、不揮発性メモリ125に格納されているメモリテーブルTb1の複数色の色パッチの基準測色値(Lab値)を検索して、該基準測色値(Lab値)のうち、Lab空間上において第1Lab値に対して距離の近い色パッチ(近傍色パッチ)の組みを選択する(ステップS27)。例えば、図17のLab空間の図では、60個の色パッチを選択してLab空間上にプロットしている図が示されており、距離の近いパッチを選択する方法としては、例えば、第1Lab値と、複数の色パッチの基準測色値(Lab値)における全点との距離を算出し、第1測色値である第1Lab値に対して距離の近い色パッチの基準Lab値(図17では、ハッチングの施されている基準Lab値)を選択する。
次に、測色値算出部126は、図18に示すように、メモリテーブルTb1を参照して、選択組の第1Lab値と対になっている撮像基準RGB値、すなわち、選択組の第1Labと同じパッチ番号の撮像基準RGB値(選択RGB値)と基準XYZ値の組み合わせを選択し(ステップS28)、選択した組み合わせ(選択組)の撮像基準RGBと基準XYZの組同士で変換するための選択RGB値線形変換マトリックスを、最小二乗法を用いて求めて、求めた選択RGB値線形変換マトリックスを不揮発性メモリ125に格納する(ステップS29)。
測色値算出部126は、測色対象である測色調整シートCSの各測色調整色パッチCPを撮像部30で撮像してA/Dコンバータ36でデジタル変換した測色対象RGB値を、該選択RGB値線形変換マトリックスを用いて第2測色値である第2XYZ値を求め(ステップS30)、第2XYZ値を既知の変換式を用いて第2Lab値に変換して(ステップS31)、最終的な測色値として取得する(ステップS32)。
測色値算出部126は、この求めた測色値を用いて色変換を行った画像データに基づいて画像調整し、画像調整した画像データに基づいて記録ヘッド20を駆動させて画像形成する。
すなわち、本実施例の画像形成装置1は、色調整処理タイミングにおける記録ヘッド20の出力特性を反映している測色調整シートCSの複数の測色調整色パッチCPを撮像して取得したときの測色対象RGB値を、基準値線形変換マトリックスを用いて初期状態で基準シートKSを撮像したときの第1Lab値を求めて、メモリテーブルTb1に登録されている複数色のパッチの基準Lab値のうち、Lab空間上において第1Lab値に対して距離の近い基準Lab値とのパッチの組みを選択して、選択した基準Lab値に対応する測色対象RGB値を、選択RGB値線形変換マトリックスを用いてLab値に変換することで、Lab測色値を求めている。そして、測色値算出部126は、この求めた測色値を用いて色変換を行った画像データに基づいて画像調整し、画像調整した画像データに基づいて記録ヘッド20を駆動させて画像形成する。
なお、上記説明においては、開口部33aを通過する撮像対象とイメージセンサ部34との光路上に、光路長を変更する光路長変更部材として、凹レンズ41を配置した場合について説明したが、光路長を変更する光路長変更部材としては、凹レンズ41に限るものではなく、例えば、図19及び図20に示すように、所定の屈折率を有する透過部材42を配置してもよい。
この場合、撮像部30は、図19及び図20に示すように、透過部材42が保持部材33の開口部33aに嵌め込まれており、透過部材42は、図20(a)の透過部材42を通した撮像における透過部材42部分を拡大した図20(b)に示すように、透過部材42によって撮像対象の焦点距離が、図20(b)の実線で示す位置(透過部材42がないときの焦点距離)から破線で示す撮像対象の位置まで引き伸ばされた状態(光路長が変更された状態)で撮像される。なお、透過部材42は、図示しないが、例えば、透過部材42と保持部材33の開口部33aの周方向に形成されている凸部を他方の部材42、33に形成されている凹部に嵌め込むことで、正確な位置決めを行いつつ、保持部材33の開口部33aへ嵌め込まれる。
すなわち、撮像面である基準シートKSの基準色パッチKP及び被写体である測色調整シートCSの測色調整色パッチCPからイメージセンサ部34への光路長(焦点距離)と基準チャートKCからイメージセンサ部3への光路長(焦点距離)が一致するように、透過部材42の屈折率が設定されている。
したがって、イメージセンサ部34に対する基準チャートKCの焦点位置と被写体(基準シートKSの基準色パッチKP及び測色調整シートCSの測色調整色パッチCP)の焦点位置を一致させることができる。
また、透過部材42を用いた場合においても、開口部33aを通過する撮像対象とイメージセンサ部34との光路上への透過部材42の配設方法としては、保持部材33の開口部33aに嵌め込む配置に限るものではなく、例えば、図21に示すように、透過部材42は、開口部33aの周囲の保持部材33上に配置されていてもよい。このようにすると、透過部材42の位置決めを簡単かつ容易に行うことができる。ただし、開口部33aとイメージセンサ部34との間の適宜の位置に配置する場合、基準チャートKCを撮像する光路の邪魔にならない位置や形状(円錐形状等)であることが必要であり、また、透過部材42の屈折率を、配置位置に合わせたものとする必要がある。
このように、本実施例の画像形成装置1は、その撮像部(撮像装置)30が、被写体と対向する対向面に、該被写体を撮像するための開口部33aと該開口部33aを通して撮像される被写体とともに撮像されて所定の色基準を提供する基準チャートKCとが設けられている所定の箱形状の枠体32と、被写体及び基準チャートKCを略同じ照明条件で照明する照明光源37と、開口部33aに対向する被写体からの反射光と基準チャートKCからの反射光を受光して該被写体と該基準チャートKCとを撮像するイメージセンサ部(センサ手段)34と、被写体からイメージセンサ部34への光路中に配設され、所定の光路長変更量を有する凹レンズ(被写体用光路長変更部材)41または透過部材(被写体用光路長変更部材)42と、を備えている。
したがって、被写体と基準チャートKCとを、共に安定して撮像することができるとともに、イメージセンサ部34に対する被写体と基準チャートKCの光路長を適切に調整することができ、被写体と基準チャートKCを常に安定した位置関係で高精度に撮像することができる。
また、本実施例の撮像部30は、開口部33aが、イメージセンサ部34に相対向する位置の枠体32の底面32に取り付けられている対向面としての保持部材33に形成されており、被写体用光路長変更部材が、イメージセンサ部34と開口部33aとの光路上に配設されている凹レンズ41である。
したがって、適切にかつ安価に開口部33aを通して撮像する被写体と基準チャートKCとの光路長を調整することができ、被写体と基準チャートKCを安価かつより一層常に安定した位置関係で高精度に撮像することができる。
さらに、本実施例の撮像部30は、開口部33aが、イメージセンサ部34に相対向する位置の枠体32の底面32aに取り付けられている対向面としての保持部材33に形成されており、被写体用光路長変更部材が、イメージセンサ部34と開口部33aとの光路上に配設されている所定の屈折率を有する透過部材42である。
したがって、透過部材42によって、適切にかつ安価に開口部33aを通して撮像する被写体と基準チャートKCとの光路長を調整することができ、被写体と基準チャートKCを安価かつより一層常に安定した位置関係で高精度に撮像することができる。
また、本実施例の撮像部30は、被写体用光路長変更部材である凹レンズ41または透過部材42が、開口部33a内に埋め込まれている状態または該開口部33a上に配置されている状態で配設されている。
したがって、適切にかつ安価に開口部33aを通して撮像する被写体と基準チャートKCとの光路長を調整することができ、被写体と基準チャートKCを安価かつより一層常に安定した位置関係で高精度に撮像することができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、複数の色からなる基準チャートKCと任意の被写体を同時に撮像する撮像部(撮像手段)30と、撮像部30で撮像した該被写体と該基準チャートKCの撮像データに基づいて、該被写体の測色値を測色制御部106で算出する測色装置を搭載している。
したがって、撮像部30の経時変化等によって測色調整パッチCPを撮像したときの測色用RGB値が変化しても、該変化を補正することができるとともに、測色調整パッチCPのうち線形性を有する部分を取り出して線形変換して測色値を求めることができ、ひずみを抑制した色再現を安価にかつより一層安定して実現することができる。
なお、上記実施例においては、枠体32の底面32aに大きな開口部32bを形成して、その中央に開口部33aが形成されて基準チャートKCを搭載する保持部材33を着脱可能に取り付け、該開口部33aに光路長変更部材としての凹レンズ41や透過部材42を配設しているが、開口部33aや基準チャートKCの配置等は、上記構成に限るものではない。
例えば、図22〜図25に示すように、枠体32の底面32a自体に撮像用の開口部33dを形成し、該開口部33dに、光路長変更部材を配設してもよい。すなわち、図22に示すように、光路長変更部材である凹レンズ41を、枠体32の底面32aに形成した開口部32dに嵌め込んだり、図23に示すように、底面32aの開口部32dを形成した上に凹レンズ41を配置してもよい。また、図24に示すように、光路長変更部材である透過部材42を、枠体32の底面32aに形成した開口部32dに嵌め込んだり、図25に示すように、開口部32dを形成した部分の底面32a上に配置してもよい。
また、この場合、図26〜図29に示すように、枠体32の底面32aに開口部32dを形成するとともに、底面32aの上面であって、該凹部32dの外周部に所定幅の凹部32eを形成し、該凹部32e内に基準チャートKCを着脱可能に配置してもよい。この場合においても、図26に示すように、光路長変更部材である凹レンズ41を、枠体32の底面32aに形成した開口部32dに嵌め込んだり、図27に示すように、底面32aの開口部32dを形成した上に配置してもよい。また、図28に示すように、光路長変更部材である透過部材42を、枠体32の底面32aに形成した開口部32dに嵌め込んだり、図29に示すように、開口部32dを形成した部分の底面32a上に配置してもよい。
さらに、撮像部30は、上述のように、その枠体32の底面部32の中央に、被写体撮像用の開口部33aが形成されている構成に限るものではなく、例えば、図30〜図33に示すように、基準チャートKCと被写体撮像用の開口部が主走査方向に並んで配置されている構成であってもよい。
すなわち、図30〜図32において、撮像部50は、基板51に、基板51側の面が開放されている四角の箱形状の枠体52が、締結部材53によって固定されており、基板51は、図1に示した画像形成装置1のキャリッジ6に固定されている。
撮像部50は、基板51の枠体52側の面であってその中央部に、イメージセンサ部54が配設されており、イメージセンサ部54は、CCD(Charge Coupled Device )センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )センサ等の2次元イメージセンサ55とレンズ56を備えている。撮像部50は、このイメージセンサ部54の中心を通る副走査方向の中心線Lo上であって、イメージセンサ部54の中心からそれぞれ副走査方向に所定量だけ等間隔で離れた位置の基板51に、1対の照明光源57が搭載されており、照明光源57としては、LED等が用いられている。
撮像部50は、枠体52が、その基板51とは反対側の面部(以下、底面部という。)52aの下面が、所定の間隔dを有してプラテン14上の記録媒体Pと対向する状態で、キャリッジ6に取り付けられており、該底面部52aには、中心線Loを中心として、主走査方向にそれぞれ略長方形状の開口部52bと開口部52cが形成されている。間隙dは、上記同様に、2次元イメージセンサ55に対する焦点距離を考慮して、小さい方が好ましいが、記録媒体Pの平面性との関係から、枠体52の下面と記録媒体Pとが接触しない大きさ、例えば、1mm〜2mm程度に設定されている。
開口部52bは、その記録媒体P側の面に開口部52bの周囲に沿って所定幅の凹部52dが形成されており、該凹部52dに基準チャートKC2が着脱可能にセットされている。枠体52の開口部52bの凹部52dには、基準チャートKC2の記録媒体P側の面を覆って、基準チャートKC2を該凹部52dに保持させる保持板52eが着脱可能に取り付けられており、開口部52bは、基準チャートKC2と保持板52eによって塞がれた状態となっている。保持板52eは、その記録媒体P側の面が、滑らかな平坦面となっている。
開口部52cは、記録媒体Pに形成されている撮像対象の被写体である上記基準シートKSの基準色パッチKP及び測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを撮像するのに用いられる。開口部52cは、少なくとも、撮像対象の画像を全て撮像可能な大きさであればよいが、枠体52と撮像対象との間に間隙dがあるため、開口部52cの周辺に発生する影を考慮して、撮像対象の撮像領域の大きさよりも若干大きめの開口状態で形成されている。
基準チャートKC2は、上記基準シートKSの基準色パッチKP及び色調整処理における撮像対象である測色調整シートCSの測色調整色パッチCPの撮像測色値との比較対象として、撮像部50により基準色パッチKPや測色調整色パッチCPとともに撮影される。すなわち、撮像部50は、枠体52の底面部52aに設けられた開口部52cを通して枠体52の外部にある基準シートKSの基準色パッチKPや測色調整シートCSの測色調整色パッチCPの撮像とともに、枠体52の底面部52aの開口部52b周囲に形成されている凹部52dに装着されている基準チャートKC2上の色パッチを、比較対象として撮像する。なお、撮像部50は、2次元イメージセンサ55が画素を順次走査して画像を読み取るため、基準シートKSの基準色パッチKPや測色調整シートCSの測色調整パッチCPと基準チャートKC2を順番に読み取っていくことになるが、この場合、1フレーム内に基準色パッチKPや測色調整パッチCPと基準チャートKC2の画像を取得する。
この基準チャートKC2は、その枠体52内部側の面(上面)に、図33に示すように、上記基準シートKSと同様に、測色用の複数の基準色パッチ列Pa〜Pd、ドット径計測用パターン列Pe、距離計測用ラインlk及びチャート位置特定用マーカmkが形成されている。
測色用のパッチ列Pa〜Pdは、YMCの1次色の色パッチを階調順に配列したパッチ列Paと、RGBの2次色の色パッチを階調順に配列したパッチ列Paと、グレースケールのパッチを階調順に配列したパッチ列(無彩色の階調パターン)Pcと、3次色のパッチを配列したパッチ列Pdと、があり、ドット径計測用パターン列Peは、大きさが異なる円形パターンを大きさ順に配列された幾何学形状測定用のパターン列である。
距離計測用ラインlkは、測色用のパッチ列Pa〜Pdやドット径計測用パターン列Peを囲む矩形の枠線として形成されている。チャート位置特定用マーカmkは、距離計測用ラインlkの四隅の位置に設けられていて、各パッチ位置を特定するためのマーカである。
上記測色制御部106は、この撮像部50から取得した基準チャートKC2の画像データから距離計測用ラインlkとその四隅のチャート位置特定用マーカmkを特定することで、基準チャートKC2の位置及び各パターンの位置を特定する。
測色用の基準色パッチ列Pa〜Pdを構成する各パッチは、上記分光器BSを用いて、標準色空間であるLab色空間における表色値(Lab値)が予め計測されており、測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを測色する際の基準値となる。なお、基準チャートKC2に配置されている測色用のパッチ列Pa〜Pdの構成は、図33に示す配置例に限定されるものではなく、任意のパッチ列を用いることができ、例えば、可能な限り色範囲を広く特定することのできるパッチを用いてもよいし、また、YMCKの1次色のパッチ列Paや、グレースケールのパッチ列Pcは、画像形成装置1に使用されるインクの測色値のパッチで構成されていてもよい。また、基準チャートKC2のRGBの2次色パッチ列Paは、画像形成装置1で使用されるインクで発色可能な測色値のパッチで構成されていてもよく、さらに、JapanColor等の測色値が定められた基準色票を用いてもよい。
この基準チャートKC2は、枠体52の底面部52aに形成されている開口部52bの記録媒体P側の面の外周に形成されている凹部52dに配設されているため、記録媒体P等の撮像対象と同様の焦点距離で、イメージセンサ部54の2次元イメージセンサ55によって撮像することができる。
また、基準チャートKC2は、枠体52の底面部52aに形成されている開口部52bの記録媒体P側の面の外周に形成されている凹部52dに、着脱可能にセットされて、記録媒体P側の面が、該凹部52dに着脱可能に取り付けられている保持板52eで着脱可能に保持されているため、枠体52内に侵入したゴミ等が基準チャートKC2表面に付着しても、保持板52eと基準チャートKC2を取り外して、基準チャートKC2を清浄に清掃した後に、再度、取り付けることができ、基準チャートKC2の測定精度を向上させることができる。
撮像部50は、開口部52cを閉止する状態で、該開口部52cを通した記録媒体Pと2次元イメージセンサ55との光路中に光路長変更部材58が配設されており、光路長変更部材58は、屈折率n(nは、任意の値)の透過部材が用いられている。光路長変更部材58は、図30〜図32に示すように、開口部52cよりも大きい外形形状を有し、枠体52内に配置されている。光路長変更部材58の固定位置は、図31に示したように枠体52の内部の開口部52c上の位置に限るものではなく、開口部52cと2次元イメージセンサ55との光路中であれば、例えば、枠体52の撮像面側の位置、枠体52の内側であって開口部102から離れた位置等であってもよい。なお、屈折率nの光路長変更部材58を光が通過すると、該光は、光路長変更部材58の屈折率nに応じて光路長が延びて、画像が浮き上がった状態で2次元イメージセンサ55に入射され、この画像の浮上がり量Cは、光路長変更部材58の長さをLpとすると、以下に示す式(1)により求めることができる。
C=Lp(1−1/n)・・・(1)
また、基準チャートKC2以外の撮像部50の焦点面の焦点距離L、すなわち、光路長変更部材58及び開口部52cを通して撮像される記録媒体Pの表面までの焦点距離Lは、次式(2)により求めることができる。
L=Lc+Lp(1−1/n)・・・(2)
ここで、Lcは、レンズ56の撮像対象側の頂部と基準チャートKC2との間の距離、nは、光路長変更部材58の屈折率である。
したがって、例えば、光路長変更部材58の屈折率nを1.5とした場合、L=Lc+Lp(1−1/1.5)=Lc+Lp(1/3)となり、光路長変更部材58の長さLpの約1/3だけ光路長を長くすることができる。なお、Lp=9[mm]とすると、L=Lc+3[mm]となって、基準チャートKC2の結像位置と、記録媒体Pの撮像面の焦点位置を一致させることができ、基準チャートKC2と記録媒体Pの撮像面を共役関係に設定することができる。なお、図31では、光路長変更部材58による光路長変更処理を分かりやすくするために、光路が大きく変更されているように示されているが、実際の光路の変更状態が、図示の状態になることを意味しているものではない。
また、撮像部50は、基準チャートKC2を照射する照明光と、光路長変更部材58及び開口部52cを通して記録媒体Pの撮像面に照射する照明光とは、同一の照明光源57からの照明光であり、同じ照明条件で基準チャートKC2と記録媒体Pの撮像面をともに撮像することができる。また、照明光源57は、基準チャートKC2と記録媒体Pの略中間位置である中心線Lo上に配置され、かつ、レンズ56に対して中心線Lo上において対象に2個配置されているため、基準チャートKC2と記録媒体Pの撮像領域を略同一条件で、均一に照明することができる。
さらに、撮像部50は、撮像領域の開口部52cと基準チャートKC2の配置条件が、レンズ56の中心と照明光源57を結ぶ中心線Loに対して、略対称に配置されているため、2次元イメージセンサ55の撮像条件を線対称で同一にすることができ、基準チャートKC2を用いた2次元イメージセンサ55の色調整処理や測色処理の精度を向上させることができる。
さらに、上記説明においては、測色処理を、画像形成装置1の測色制御部106が行なっているが、測色処理は、画像形成装置1内部で実行する必要はなく、例えば、図34に示すように、画像形成システム(測色システム)200として、画像形成装置210が、外部装置220に接続されていて、画像形成装置210で撮像した画像データを、該外部装置220に出力し、該外部装置220が測色処理を伴う色調整処理を行って、色調整後の画像データを画像形成装置210に出力して、画像形成装置210が、外部装置220からの画像データに基づいて画像形成してもよい。
すなわち、画像形成装置210は、エンジン211、操作表示部212、I/F部213及びその他のI/F部214等を備えており、各部は、バス215により接続されている。また、外部装置220は、例えば、通常のハードウェア構成とソフトウェア構成のコンピュータ等を用いることができ、ソフトウェアとして本発明の測色処理を伴う色調整処理を実行する測色プログラムを含む色調整プログラムを導入することで、測色処理を伴う色調整処理を実行する。外部装置220は、CPU221、メモリ部222、画像処理部223、通信I/F部224及びI/F部225等を備えており、各部は、バス226により接続されている。メモリ部222は、ROM227、RAM228及びハードディスク(HDD)229等を備えている。
画像形成装置210は、I/F部213により回線230により外部装置220に接続されており、回線230は、専用線、LAN(Local Area Network)等のネットワーク、インターネット等であって、有線であっても、無線であってもよい。
画像形成装置210は、外部装置220の制御下で、外部装置220から送られてくる画像データに基づいてエンジン211で、記録媒体に画像を形成出力する。エンジン211は、インク噴射方式等で記録媒体に画像を形成し、操作表示部212は、各種操作キー及びLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ等を備えていて、画像形成装置210の動作に必要な各種操作が操作キーによって行われるとともに、画像形成装置210からユーザに通知する各種情報をディスプレイに表示出力する。その他I/F部214は、拡張ユニットの接続等に使用される。
エンジン211は、上記実施例で説明したと同様の主走査方向に移動するキャリッジを備えており、該キャリッジに、上記撮像部30が取り付けられている。画像形成装置210は、外部装置220のCPU221の制御下で、外部装置220から送られてくる測色調整色パッチCPの色パッチデータに基づいて記録媒体に、該測色調整パッチCPを形成して測色調整シートCSを生成し、生成した測色調整シートCSの測色調整パッチCPを撮像部で読み取って、I/F部213を介して外部装置220に送信する。
外部装置220は、画像形成装置210の動作制御を行う画像形成制御プログラムや本発明の測色処理を伴う色調整処理を行なう色調整プログラム及び必要なデータがハードディスク229またはROM227に格納されており、CPU221がROM227またはハードディスク229内のプログラムに基づいて画像形成装置210を制御することで、画像形成装置210としての基本処理を実行させるとともに、本発明の測色処理を伴う色調整処理を実行する。
ハードディスク229は、上記プログラムを格納するとともに、色調整処理を実行するのに必要な各種データ、特に、上記実施例で説明した基準シートKSに配列形成されている複数の基準色パッチKPの測色結果のLab値とXYZ値のうち、少なくともいずれか、該基準シートKSの基準パッチKPを画像形成装置210の撮像部で読み取ったときの撮像基準RGB値、基準値線形変換マトリックス、近傍点のテーブルと選択RGB値線形変換マトリックス、基準シートKSと同時に読み取った基準チャートKC2の各色パッチの初期基準RGB値RdGdBd、測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを読み取ったときに同時に読み取った基準チャートKC2の基準パッチの測色時基準RGB値RdsGdsBds及び測色時基準RGB値RdsGdsBdsを初期基準RGB値RdGdBdに変換する基準RGB間線形変換マトリックスが格納される。
通信I/F部224は、ネットワーク等の回線を介してスキャナ装置、複合装置、他の外部装置等の画像処理装置に接続されており、画像形成装置210に画像出力させる画像データを受信する。
画像処理部223は、画像データに対して画像形成装置210のエンジン211で形成出力するのに必要な各種画像処理を施す。
CPU221は、上述のように、画像形成装置210の動作を制御するとともに、測色制御部106の演算部124、特に、測色値算出部126が実行する測色処理を実行して測色値を求め、該測色値に基づいて画像データに対して色調整を施して、画像形成装置210に出力する。
なお、図34の画像形成システム200では、画像形成装置210の動作を外部装置220が制御しているが、画像形成装置210自体がCPU等のコントローラを備えて、画像形成動作自体については、該コントローラが制御を行い、測色値を求める測色処理のみ、または、測色処理を含む色調整処理についてのみ外部装置220が実行してもよい。
このように、少なくとも画像形成装置210の外部装置で測色処理または測色処理を含む色調整処理を実行すると、安価な画像形成装置210においても安価にかつ適切に色再現性を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。