JP2013194246A - 残留応力の少ないリードフレーム用Cu−Cr−Sn系銅合金板 - Google Patents
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Abstract
【課題】そりが少なく均質なエッチング(特にハーフエッチング)特性を有する残留応力の少ないリードフレーム用Cu−Cr−Sn系銅合金板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】Crを0.1〜1.0質量%、Snを0.05〜1.5質量%、Znを0.05〜1.5質量%含み、残部がCuと不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金板であって、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、KAMの平均値が0.3以下であり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0以下であるCu−Cr−Sn系銅合金板。
【選択図】図1
【解決手段】Crを0.1〜1.0質量%、Snを0.05〜1.5質量%、Znを0.05〜1.5質量%含み、残部がCuと不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金板であって、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、KAMの平均値が0.3以下であり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0以下であるCu−Cr−Sn系銅合金板。
【選択図】図1
Description
本発明は、残留応力の少ないエッチング特性に優れたリードフレーム用Cu−Cr−Sn系銅合金板及びその製造方法に関する。
リードフレーム用銅合金板は、半導体パッケージの重要な材料として使用されているが、高導電性の他に、複数回のリフローはんだ付け熱履歴を受けても合金層を形成し難く、曲げ加工性、せん断加工性にも優れていることが望まれる。また、リードフレーム型パッケージの今後の技術動向であるシュリンクパッケージ化、マトリクスフレーム化、ワイヤボンディングの短小化に必要となるインナリードピッチの狭小化に応じるには、更に厳しいエッチング加工性(直線性、エッチングファクタ低減、粗大晶出物抑制)やプレス加工性(ばり低減、剪断性)が要求されている。
特に、ノンリードパッケージの代表であるCSPやBGAでは、チップとそれを支えるアイランド部が完全に樹脂封止され、リード下面がその状態ではんだ付け用ランドとして利用されるのが特徴であり、この様な段差付けには、ハーフエッチング技術が用いられ、アイランド部およびインナリード先端部が板厚の半分程度にまでエッチング除去されるので、リードフレームの残留応力による反り最も注意を払う必要がある。この様な用途には、エッチング加工性に優れているC18040などのCr系析出硬化型銅合金板が使用されることが多い。
特許文献1には、高強度高導電性銅合金の組成を、Cr:0.05乃至0.6質量%、Sn:0.05乃至0.6質量%、Zn:0.05乃至0.6質量%、B:0.0001乃至0.01質量%、C:0.0001乃至0.02質量%、S:0.0003乃至0.005質量%及びSe:0.00001乃至0.001質量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成とし、結晶粒径を30μm以下とし、粒径が0.1μm以下である析出物の個数の全ての析出物の個数に対する割合を98%以上とした、良好な曲げ加工性及びはんだ耐熱剥離性を有すると共に、打ち抜き端縁のバリ高さが低く、プレス打
ち抜き性が優れ、Agめっき性及びエッチング加工性が優れたCu−Cr−Sn系高強度高導電性銅合金が開示されている。
特許文献2には、所定量のNi、FeおよびCoのうちの1種以上、P、Sn、ZnおよびCrを含有し、NiとFeおよびCoのうちの1種以上とPの質量%比の関係が4≦(Ni+Fe+Co)/P≦12、かつ3≦Ni/(Fe+Co)≦12を満足し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金板であって、銅合金板の合金組織において、粒径が1nm以上で20nm以下の微細なP化物析出粒子の個数が300個/μm2以上、粒径が100nmを超える粗大な晶・析出物粒子の個数が0.5個/μm2以下であり、P化物析出粒子におけるSn含有量が、EDX分析による質量%比:Sn/(Ni+Fe+Co+P+Sn)で0.01以上であることを特徴とする、引張強さ750MPa以上(硬さHv220以上)の高強度と高耐熱性を両立するとともに、エッチング加工面の平滑性に優れた銅合金板が開示されている。
特許文献3には、Crを0.2〜0.35wt% 、Snを0.1〜0.5wt% 、Znを0.1〜0.5wt% 、Siを0.005〜0.1wt%含み、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金において、Cuマトリックス中に、各々の最大径が0.1〜10μmのCrまたはCr化合物の析出相Aが1×103〜3×105個/mm2の個数密度で存在し、且つ各々の最大径が0.001〜0.03μmのCrまたはCr化合物の析出相Bが析出相Aの個数密度の10倍以上の個数密度で存在することを特徴とする打抜加工性に優れた銅合金が開示されている。
特許文献4には、Crを0.1〜1.0mass%、Snを0.05〜1.5mass%、Znを0.05〜1.5mass%含み、残部Cuと不可避不純物からなる銅合金を冷間圧延した圧延板材であって、その圧延方向に対して平行方向及び直角方向の前記圧延板材に対する嵌合式応力緩和試験における150℃、1000時間経過後の応力緩和率が、共に50%以下である、自動車、電車や機関車などの車両に代表される移動体に搭載される電気・電子機器に使用される端子の信頼性を具現する圧延板材が開示されている。
特に、ノンリードパッケージの代表であるCSPやBGAでは、チップとそれを支えるアイランド部が完全に樹脂封止され、リード下面がその状態ではんだ付け用ランドとして利用されるのが特徴であり、この様な段差付けには、ハーフエッチング技術が用いられ、アイランド部およびインナリード先端部が板厚の半分程度にまでエッチング除去されるので、リードフレームの残留応力による反り最も注意を払う必要がある。この様な用途には、エッチング加工性に優れているC18040などのCr系析出硬化型銅合金板が使用されることが多い。
特許文献1には、高強度高導電性銅合金の組成を、Cr:0.05乃至0.6質量%、Sn:0.05乃至0.6質量%、Zn:0.05乃至0.6質量%、B:0.0001乃至0.01質量%、C:0.0001乃至0.02質量%、S:0.0003乃至0.005質量%及びSe:0.00001乃至0.001質量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成とし、結晶粒径を30μm以下とし、粒径が0.1μm以下である析出物の個数の全ての析出物の個数に対する割合を98%以上とした、良好な曲げ加工性及びはんだ耐熱剥離性を有すると共に、打ち抜き端縁のバリ高さが低く、プレス打
ち抜き性が優れ、Agめっき性及びエッチング加工性が優れたCu−Cr−Sn系高強度高導電性銅合金が開示されている。
特許文献2には、所定量のNi、FeおよびCoのうちの1種以上、P、Sn、ZnおよびCrを含有し、NiとFeおよびCoのうちの1種以上とPの質量%比の関係が4≦(Ni+Fe+Co)/P≦12、かつ3≦Ni/(Fe+Co)≦12を満足し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金板であって、銅合金板の合金組織において、粒径が1nm以上で20nm以下の微細なP化物析出粒子の個数が300個/μm2以上、粒径が100nmを超える粗大な晶・析出物粒子の個数が0.5個/μm2以下であり、P化物析出粒子におけるSn含有量が、EDX分析による質量%比:Sn/(Ni+Fe+Co+P+Sn)で0.01以上であることを特徴とする、引張強さ750MPa以上(硬さHv220以上)の高強度と高耐熱性を両立するとともに、エッチング加工面の平滑性に優れた銅合金板が開示されている。
特許文献3には、Crを0.2〜0.35wt% 、Snを0.1〜0.5wt% 、Znを0.1〜0.5wt% 、Siを0.005〜0.1wt%含み、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金において、Cuマトリックス中に、各々の最大径が0.1〜10μmのCrまたはCr化合物の析出相Aが1×103〜3×105個/mm2の個数密度で存在し、且つ各々の最大径が0.001〜0.03μmのCrまたはCr化合物の析出相Bが析出相Aの個数密度の10倍以上の個数密度で存在することを特徴とする打抜加工性に優れた銅合金が開示されている。
特許文献4には、Crを0.1〜1.0mass%、Snを0.05〜1.5mass%、Znを0.05〜1.5mass%含み、残部Cuと不可避不純物からなる銅合金を冷間圧延した圧延板材であって、その圧延方向に対して平行方向及び直角方向の前記圧延板材に対する嵌合式応力緩和試験における150℃、1000時間経過後の応力緩和率が、共に50%以下である、自動車、電車や機関車などの車両に代表される移動体に搭載される電気・電子機器に使用される端子の信頼性を具現する圧延板材が開示されている。
従来のCu−Cr系、Cu−Cr−Sn系等のCr系析出硬化型のリードフレーム用銅合金板では、残留応力が充分に低下されておらず、エッチング時の反りが大きく、その均質性も充分とは言えなかった。
本発明では、これらの欠点を解消し、エッチング(特にハーフエッチング)特性に優れた残留応力の少ないリードフレーム用Cu−Cr−Sn系銅合金板を提供することを目的とする。
発明者らは、上述の事情に鑑みて鋭意検討の結果、Crを0.1〜1.0質量%、Snを0.05〜1.5質量%、Znを0.05〜1.5質量%含み、残部がCuと不可避不純物からなる合金組成を有するCu−Cr−Sn系銅合金板は、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、KAMの平均値が0.3以下であり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0以下であると、残留応力が減少してエッチング時の反りが低減し、更に、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上であると、エッチング時の均質性が向上することを見出した。
また、Crを0.1〜1.0質量%、Snを0.05〜1.5質量%、Znを0.05〜1.5質量%含み、残部がCuと不可避不純物からなる合金組成を有するCu-Cr-Sn系銅合金板は、熱間圧延(熱間溶体化)、冷間圧延、一次時効処理、溶体化処理、二次時効処理、仕上げ冷間圧延、テンションレベリング、最終熱処理をこの順序で行って製造する際に、仕上げ圧延を5〜35%の加工率にて実施することにより、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、KAMの平均値が0.3以下であり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0以下となり、更に、一次時効処理を400〜500℃にて10〜1500分間実施し、溶体化処理を800〜950℃で5〜3600秒間実施し、二次時効処理を450〜550℃にて5〜600分間実施することにより、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上となることも見出した。
即ち、本発明のCu−Cr−Sn系銅合金板は、Crを0.1〜1.0質量%、Snを0.05〜1.5質量%、Znを0.05〜1.5質量%含み、残部がCuと不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金板であって、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、KAMの平均値が0.3以下であり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0以下であることを特徴とする。
SEMによるEBSD測定における結晶方位解析でのKAMとは、局所的な方位変化に基づく歪分布を示すものであり、本発明では、試料をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で各測定ピクセルの方位を測定し、同システムの解析ソフト(ソフト名「OIM Analysis」)を用いて、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、結晶粒内のあるピクセルと、結晶粒界を超えない隣接ピクセルとの方位差の平均値を計算し、測定全面積を構成する全ピクセルにおける平均値を算出した。
本発明では、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析でのβファイバの方位密度曲線の最大値は次の様にして求めた。試料をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で測定面積範囲内の全ピクセルの方位を測定し、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、各結晶粒が対象とするβファイバ方位か否かを判定し、全測定面積におけるβファイバ方位の密度曲線(横軸;結晶方位のオイラー角表示におけるΦ2の範囲が45〜90°、縦軸;ランダム方位試料を基準としたときのODF強度)を作成し、その曲線の最大値を求めた。
Crが0.1〜1.0質量%であると導電率、応力緩和特性、耐熱性が向上し、0.1質量%未満では効果は十分でなく、1.0質量%を超えると効果が飽和する。
Snが0.05〜1.5質量%であると応力緩和特性、耐熱性の改善がはかられ、0.05質量%未満では効果は十分でなく、1.5質量%を超えると導電率が低下する。
Znが0.05〜1.5質量%であると耐熱性並びに耐ハンダ耐候性が向上し、0.05質量%未満では効果がなく、1.5質量%を超えると効果も飽和し導電率も低下する。
KAMの平均値が0.3以下であり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0以下であることにより、残留応力が減少し、エッチング、特にハーフエッチング時の反りが低減する。
Snが0.05〜1.5質量%であると応力緩和特性、耐熱性の改善がはかられ、0.05質量%未満では効果は十分でなく、1.5質量%を超えると導電率が低下する。
Znが0.05〜1.5質量%であると耐熱性並びに耐ハンダ耐候性が向上し、0.05質量%未満では効果がなく、1.5質量%を超えると効果も飽和し導電率も低下する。
KAMの平均値が0.3以下であり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0以下であることにより、残留応力が減少し、エッチング、特にハーフエッチング時の反りが低減する。
更に、本発明のCu−Cr−Sn系銅合金板は、Al、Zr、Ti、Fe、P、Si、Mg、Caの群から選ばれる元素を少なくとも1種以上を合計で0.005〜0.5質量%含むとよい。
これらの元素の含有量は、0.005〜0.5質量%であると強度が向上し、0.005質量%未満ではその効果が十分に得られず、0.5質量%を超えると導電率が低下する。
これらの元素の含有量は、0.005〜0.5質量%であると強度が向上し、0.005質量%未満ではその効果が十分に得られず、0.5質量%を超えると導電率が低下する。
更に、本発明のCu−Cr−Sn系銅合金板は、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上であるとよい。
S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上であることにより、エッチング、特にハーフエッチング時の均質性が向上し、リードフレーム用銅合金板としての価値が向上する。結晶粒の面積率が60%以下であるとその効果は低下する。
SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率は、次の方法により測定した。
試料をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で測定面積範囲内の全ピクセルの方位を測定し、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、S方位{231}<346>からの方位からのずれ角度が30°以内である結晶粒の原子面について面積を求めて、その面積を全測定面積で割ることにより求めた。
S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上であることにより、エッチング、特にハーフエッチング時の均質性が向上し、リードフレーム用銅合金板としての価値が向上する。結晶粒の面積率が60%以下であるとその効果は低下する。
SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率は、次の方法により測定した。
試料をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で測定面積範囲内の全ピクセルの方位を測定し、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、S方位{231}<346>からの方位からのずれ角度が30°以内である結晶粒の原子面について面積を求めて、その面積を全測定面積で割ることにより求めた。
更に、本発明のCu−Cr−Sn系銅合金板の製造方法は、熱間圧延(熱間溶体化)、冷間圧延、一次時効処理、溶体化処理、二次時効処理、仕上げ冷間圧延、テンションレベリング、最終熱処理をこの順序で行って前記銅合金板を製造するに際して、前記仕上げ冷間圧延を5〜35%の加工率にて実施することを特徴とする。
仕上げ冷間圧延を5〜35%の加工率にて実施することにより、銅合金組織中のKAMの平均値が0.3近傍となり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0近傍となり、残留応力が低減され、後工程であるテンションレベリングにより、KAMの平均値が確実に0.3以下となり、βファイバの方位密度曲線の最大値が確実に8.0以下となり、残留応力が減少し、エッチング、特にハーフエッチング時の反りが低減する。
テンションレベリングの条件は特に限定されないが、銅合金板に負荷するバックテンションを10〜60N/mm2、ラインテンションを15〜90N/mm2、フロントテンションを10〜60N/mm2にて実施することにより、確実にKAMの平均値が0.28以下となり、βファイバの方位密度曲線の最大値が7.8以下となる。
仕上げ冷間圧延を5〜35%の加工率にて実施することにより、銅合金組織中のKAMの平均値が0.3近傍となり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0近傍となり、残留応力が低減され、後工程であるテンションレベリングにより、KAMの平均値が確実に0.3以下となり、βファイバの方位密度曲線の最大値が確実に8.0以下となり、残留応力が減少し、エッチング、特にハーフエッチング時の反りが低減する。
テンションレベリングの条件は特に限定されないが、銅合金板に負荷するバックテンションを10〜60N/mm2、ラインテンションを15〜90N/mm2、フロントテンションを10〜60N/mm2にて実施することにより、確実にKAMの平均値が0.28以下となり、βファイバの方位密度曲線の最大値が7.8以下となる。
更に、本発明のCu−Cr−Sn系銅合金板の製造方法は、前記一次時効処理を400〜500℃にて10〜1500分間実施し、溶体化処理を800〜950℃で5〜3600秒間実施し、二次時効処理を450〜550℃にて5〜600分間実施するとよい。
800〜950℃で5〜3600秒間実施する溶体化処理を挟み、一次時効処理を400〜500℃にて10〜1500分間実施し、二次時効処理を450〜550℃にて5分〜600分間実施することにより、銅合金組織中のS方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上となり、エッチング、特にハーフエッチング時の均質性が向上する。
一次時効処理、溶体化処理条件、二次時効処理の何れか一つが上述の数値範囲内を外れても、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上とならない。
一次時効処理、溶体化処理条件、二次時効処理の何れか一つが上述の数値範囲内を外れても、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上とならない。
本発明により、そりが少なく均質なエッチング(特にハーフエッチング)特性を有する残留応力の少ないリードフレーム用Cu−Cr−Sn系銅合金板及びその製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態につき説明する。
[銅合金板の成分組成]
本発明のCu−Cr−Sn系銅合金板は、Crを0.1〜1.0質量%、Snを0.05〜1.5質量%、Znを0.05〜1.5質量%含み、残部がCuと不可避不純物である組成を有する。
Crの含有量は、0.1〜1.0質量%であり、最適な熱処理により、銅合金板中にCr単体粒子もしくは、添加された元素と共に析出し、導電率の向上、応力緩和特性、耐熱性の改善がはかれる。0.1質量%未満では十分でなく、1.0質量%を超えると、その効果が飽和する。
Snの含有量は、0.05〜1.5質量%であり、銅母材に固溶して強化すると共に、応力緩和特性、耐熱性の改善がはかれる。0.05質量%未満ではその効果が発揮できず1.5質量%を超えると導電率の低下を招き、また、熱間加工性(熱間圧延加工時にワレが発生)を阻害する。
Znの含有量は、0.05〜1.5質量%であり、銅母材中に固溶して強化する共に、耐熱性並びに耐ハンダ耐候性を向上させる。ハンダは、銅母材およびSnメッキとの界面で剥離して接続信頼性を低下させる可能性がある。Znはこの剥離前に界面で形成されるボイド(空孔)形成を抑制する効果が見出されているが、その量が0.05質量%未満では効果がなく、1.5質量%を超えるとその効果は飽和し、導電率も低下する。
本発明の銅合金板は、上述の基本組成に対して、更に、Al、Zr、Ti、Fe、P、Si、Mg、Caの群から選ばれる元素を少なくとも1種以上を合計で0.005〜0.5質量%含むことにより、強度の向上に寄与するが、0.005質量%未満ではその効果が十分に得られず、0.5質量%を超えると導電率が低下する。
[銅合金板の成分組成]
本発明のCu−Cr−Sn系銅合金板は、Crを0.1〜1.0質量%、Snを0.05〜1.5質量%、Znを0.05〜1.5質量%含み、残部がCuと不可避不純物である組成を有する。
Crの含有量は、0.1〜1.0質量%であり、最適な熱処理により、銅合金板中にCr単体粒子もしくは、添加された元素と共に析出し、導電率の向上、応力緩和特性、耐熱性の改善がはかれる。0.1質量%未満では十分でなく、1.0質量%を超えると、その効果が飽和する。
Snの含有量は、0.05〜1.5質量%であり、銅母材に固溶して強化すると共に、応力緩和特性、耐熱性の改善がはかれる。0.05質量%未満ではその効果が発揮できず1.5質量%を超えると導電率の低下を招き、また、熱間加工性(熱間圧延加工時にワレが発生)を阻害する。
Znの含有量は、0.05〜1.5質量%であり、銅母材中に固溶して強化する共に、耐熱性並びに耐ハンダ耐候性を向上させる。ハンダは、銅母材およびSnメッキとの界面で剥離して接続信頼性を低下させる可能性がある。Znはこの剥離前に界面で形成されるボイド(空孔)形成を抑制する効果が見出されているが、その量が0.05質量%未満では効果がなく、1.5質量%を超えるとその効果は飽和し、導電率も低下する。
本発明の銅合金板は、上述の基本組成に対して、更に、Al、Zr、Ti、Fe、P、Si、Mg、Caの群から選ばれる元素を少なくとも1種以上を合計で0.005〜0.5質量%含むことにより、強度の向上に寄与するが、0.005質量%未満ではその効果が十分に得られず、0.5質量%を超えると導電率が低下する。
[銅合金板の組織]
本発明の上述の成分組成を有するCu−Cr−Sn系銅合金板は、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、KAMの平均値が0.3以下であり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0以下である。これにより、残留応力が減少し、エッチング、特にハーフエッチング時の反りが低減する。
SEMによるEBSD測定における結晶方位解析でのKAMとは、局所的な方位変化に基づく歪分布を示すものであり、本発明では、試料をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で各測定ピクセルの方位を測定し、同システムの解析ソフト(ソフト名「OIM Analysis」)を用いて、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、結晶粒内のあるピクセルと、結晶粒界を超えない隣接ピクセルとの方位差の平均値を計算し、測定全面積を構成する全ピクセルにおける平均値を算出した。
SEMによるEBSD測定における結晶方位解析でのβファイバの方位密度曲線の最大値は次の様にして求めた。試料をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で測定面積範囲内の全ピクセルの方位を測定し、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、試料表面の結晶粒の分布を求め、各結晶粒が対象とするβファイバ方位か否かを判定し、測定領域における密度曲線(横軸;結晶方位のオイラー角表示におけるΦ2の範囲が45〜90°、縦軸;ランダム方位試料を基準としたときのODF強度)を作成し(図1参照)、その曲線の最大値を求めた。
更に、本発明の上述の成分組成を有する銅合金板は、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上である。これにより、エッチング、特にハーフエッチング時の均質性が向上し、リードフレーム用銅合金板としての価値が向上する。結晶粒の面積率が60%以下であるとその効果は低下する。
SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率は、次の方法により測定した。
試料をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で測定面積範囲内の全ピクセルの方位を測定し、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、S方位{231}<346>からの方位からのずれ角度が30°以内である結晶粒の原子面について面積を求めて、該面積を全測定面積で割ることにより求めた。
本発明の上述の成分組成を有するCu−Cr−Sn系銅合金板は、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、KAMの平均値が0.3以下であり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0以下である。これにより、残留応力が減少し、エッチング、特にハーフエッチング時の反りが低減する。
SEMによるEBSD測定における結晶方位解析でのKAMとは、局所的な方位変化に基づく歪分布を示すものであり、本発明では、試料をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で各測定ピクセルの方位を測定し、同システムの解析ソフト(ソフト名「OIM Analysis」)を用いて、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、結晶粒内のあるピクセルと、結晶粒界を超えない隣接ピクセルとの方位差の平均値を計算し、測定全面積を構成する全ピクセルにおける平均値を算出した。
SEMによるEBSD測定における結晶方位解析でのβファイバの方位密度曲線の最大値は次の様にして求めた。試料をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で測定面積範囲内の全ピクセルの方位を測定し、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、試料表面の結晶粒の分布を求め、各結晶粒が対象とするβファイバ方位か否かを判定し、測定領域における密度曲線(横軸;結晶方位のオイラー角表示におけるΦ2の範囲が45〜90°、縦軸;ランダム方位試料を基準としたときのODF強度)を作成し(図1参照)、その曲線の最大値を求めた。
更に、本発明の上述の成分組成を有する銅合金板は、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上である。これにより、エッチング、特にハーフエッチング時の均質性が向上し、リードフレーム用銅合金板としての価値が向上する。結晶粒の面積率が60%以下であるとその効果は低下する。
SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率は、次の方法により測定した。
試料をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で測定面積範囲内の全ピクセルの方位を測定し、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、S方位{231}<346>からの方位からのずれ角度が30°以内である結晶粒の原子面について面積を求めて、該面積を全測定面積で割ることにより求めた。
[銅合金板の製造方法]
本発明のCu−Cr−Sn系銅合金板は、熱間圧延(熱間溶体化)、冷間圧延、一次時効処理、溶体化処理、二次時効処理、仕上げ冷間圧延、テンションレベリング、最終熱処理をこの順序で行って製造され、重要な工程は、溶体化処理を挟む前後の一次及び二次時効処理、仕上げ冷間圧延である。
仕上げ冷間圧延を5〜35%の加工率にて実施することにより、銅合金組織中のKAMの平均値が0.3近傍となり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0近傍となり、残留応力が低減され、後工程であるテンションレベリングにより、KAMの平均値が0.3以下となり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0以下となり、残留応力が減少し、エッチング、特にハーフエッチング時の反りが低減する。
テンションレベリングの条件は特に限定されないが、銅合金板に負荷するバックテンションを10〜60N/mm2、ラインテンションを15〜90N/mm2、フロントテンションを10〜60N/mm2にて実施することにより、確実にKAMの平均値が0.28以下となり、βファイバの方位密度曲線の最大値が7.8以下となる。
銅合金板のテンションレベリングとは、千鳥に並ぶロールに材料を通して繰り返し逆方向に曲げ加工するローラーレベラーに前後方向に張力を与えることにより材料の平坦度を矯正する加工である。
このテンションレベリングのバックテンションとは、アンコイラーと入側テンション負荷装置との間の材料に負荷される張力であり、ラインテンションとは、入側および巻取側テンション負荷装置によりローラーレベラー内の材料に負荷される張力であり、フロントテンションとはリコイラーと巻取側テンション負荷装置との間の材料に負荷される張力である。
図2に示すように、アンコイラー9に巻かれた銅合金板6は、テンションレベラ10の入側テンション負荷装置11を通過し、ローラーレベラー13により繰り返し曲げ加工されて銅合金板7となり、巻取側テンション負荷装置12を通過後、銅合金板8となりリコイラー14に巻き取られる。この際、バックテンションB1はアンコイラー9と入側テンション負荷装置11との間の銅合金板6に負荷される。ラインテンションLは入側テンション負荷装置11と巻取側テンション負荷装置12の間の銅合金板7に負荷される(ローラーレベラー13内では均一な張力である)。フロントテンションF1はリコイラー14と巻取側テンション負荷装置12との間の銅合金板8に負荷される張力である。
更に、本発明のCu−Cr−Sn系銅合金板は、一次時効処理を400〜500℃にて10〜1500分間実施し、溶体化処理を800〜950℃で5〜3600秒間実施し、二次時効処理を450〜550℃にて5〜600分間実施することを特徴とする。
800〜950℃で5〜3600秒間実施する溶体化処理を挟み、一次時効処理を400〜500℃にて10〜1500分間実施し、二次時効処理を450〜550℃にて5分〜600分間実施することにより、銅合金に微細な析出物が均一に分散し、銅中の固溶元素量が減少し、銅合金組織中のS方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上となり、エッチング、特にハーフエッチング時の均質性が向上する。
一次時効処理、溶体化処理条件、二次時効処理の何れか一つが上述の数値範囲内を外れても、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上とならない。
本発明のCu−Cr−Sn系銅合金板は、熱間圧延(熱間溶体化)、冷間圧延、一次時効処理、溶体化処理、二次時効処理、仕上げ冷間圧延、テンションレベリング、最終熱処理をこの順序で行って製造され、重要な工程は、溶体化処理を挟む前後の一次及び二次時効処理、仕上げ冷間圧延である。
仕上げ冷間圧延を5〜35%の加工率にて実施することにより、銅合金組織中のKAMの平均値が0.3近傍となり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0近傍となり、残留応力が低減され、後工程であるテンションレベリングにより、KAMの平均値が0.3以下となり、βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0以下となり、残留応力が減少し、エッチング、特にハーフエッチング時の反りが低減する。
テンションレベリングの条件は特に限定されないが、銅合金板に負荷するバックテンションを10〜60N/mm2、ラインテンションを15〜90N/mm2、フロントテンションを10〜60N/mm2にて実施することにより、確実にKAMの平均値が0.28以下となり、βファイバの方位密度曲線の最大値が7.8以下となる。
銅合金板のテンションレベリングとは、千鳥に並ぶロールに材料を通して繰り返し逆方向に曲げ加工するローラーレベラーに前後方向に張力を与えることにより材料の平坦度を矯正する加工である。
このテンションレベリングのバックテンションとは、アンコイラーと入側テンション負荷装置との間の材料に負荷される張力であり、ラインテンションとは、入側および巻取側テンション負荷装置によりローラーレベラー内の材料に負荷される張力であり、フロントテンションとはリコイラーと巻取側テンション負荷装置との間の材料に負荷される張力である。
図2に示すように、アンコイラー9に巻かれた銅合金板6は、テンションレベラ10の入側テンション負荷装置11を通過し、ローラーレベラー13により繰り返し曲げ加工されて銅合金板7となり、巻取側テンション負荷装置12を通過後、銅合金板8となりリコイラー14に巻き取られる。この際、バックテンションB1はアンコイラー9と入側テンション負荷装置11との間の銅合金板6に負荷される。ラインテンションLは入側テンション負荷装置11と巻取側テンション負荷装置12の間の銅合金板7に負荷される(ローラーレベラー13内では均一な張力である)。フロントテンションF1はリコイラー14と巻取側テンション負荷装置12との間の銅合金板8に負荷される張力である。
更に、本発明のCu−Cr−Sn系銅合金板は、一次時効処理を400〜500℃にて10〜1500分間実施し、溶体化処理を800〜950℃で5〜3600秒間実施し、二次時効処理を450〜550℃にて5〜600分間実施することを特徴とする。
800〜950℃で5〜3600秒間実施する溶体化処理を挟み、一次時効処理を400〜500℃にて10〜1500分間実施し、二次時効処理を450〜550℃にて5分〜600分間実施することにより、銅合金に微細な析出物が均一に分散し、銅中の固溶元素量が減少し、銅合金組織中のS方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上となり、エッチング、特にハーフエッチング時の均質性が向上する。
一次時効処理、溶体化処理条件、二次時効処理の何れか一つが上述の数値範囲内を外れても、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上とならない。
表1に示す組成の銅合金を、高周波溶解炉により溶解し、これを10〜30℃/秒の冷却速度で鋳造して厚さ30mm、幅100mm、長さ150mmの鋳塊を製造した。この鋳塊を900℃以上に加熱後、熱間圧延を施して板厚12mmの熱間圧延板とした。次いでその両面を各1mm面削して板厚を10mmとし、これを冷間圧延して厚み0.67〜1.2mmの冷間圧延板とした。この冷間圧延板に表1に示す条件にて一次時効処理、溶体化処理を施し、表1に示す条件にて二次時効処理を施し、表1に示す条件にて仕上げ冷間圧延を施し、表1に示す条件にてテンションレベリングを施して、更に歪取り焼鈍を施して、厚みが0.6mmの実施例1〜18、比較例1〜12の供試材を作製した。表1中、テンションレベラのBTはバックテンション、LTはラインテンション、FTはフロントテンションを示す。
これらの供試材につき、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析にて、KAMの平均値、βファイバの方位密度曲線の最大値、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率を測定した。
KAMの平均値は、次の方法により測定した。
供試材をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で各測定ピクセルの方位を測定し、同システムの解析ソフト(ソフト名「OIM Analysis」)を用いて、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、結晶粒内のあるピクセルと、結晶粒界を超えない隣接ピクセルとの方位差の平均値を計算し、測定全面積を構成する全ピクセルにおける平均値を算出した。
βファイバの方位密度曲線の最大値は、次の方法により測定した。
供試材をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で測定面積範囲内の全ピクセルの方位を測定し、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、各結晶粒が対象とするβファイバ方位か否かを判定し、全測定面積におけるβファイバ方位の密度曲線(横軸;結晶方位のオイラー角表示におけるΦ2の範囲が45〜90°、縦軸;ランダム方位試料を基準としたときのODF強度)を作成し、その曲線の最大値を求めた。
S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率は、次の方法により測定した。
供試材をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で測定面積範囲内の全ピクセルの方位を測定し、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、S方位{231}<346>からの方位からのずれ角度が30°以内である結晶粒の原子面について面積を求めて、該面積を全測定面積で割ることにより求めた。表2では「結晶粒の面積率」とした。
これらの結果を表2に示す。
KAMの平均値は、次の方法により測定した。
供試材をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で各測定ピクセルの方位を測定し、同システムの解析ソフト(ソフト名「OIM Analysis」)を用いて、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、結晶粒内のあるピクセルと、結晶粒界を超えない隣接ピクセルとの方位差の平均値を計算し、測定全面積を構成する全ピクセルにおける平均値を算出した。
βファイバの方位密度曲線の最大値は、次の方法により測定した。
供試材をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で測定面積範囲内の全ピクセルの方位を測定し、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、各結晶粒が対象とするβファイバ方位か否かを判定し、全測定面積におけるβファイバ方位の密度曲線(横軸;結晶方位のオイラー角表示におけるΦ2の範囲が45〜90°、縦軸;ランダム方位試料を基準としたときのODF強度)を作成し、その曲線の最大値を求めた。
S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率は、次の方法により測定した。
供試材をイオンミリング(日立ハイテク製フラットミリング:試料に対する入射角10°、加速電圧6kV、10分)して表面を調整し、日立ハイテク社製のSEM(型番「S−3400N」)と、TSL社製のEBSD測定・解析システムOIM(Orientation Imaging Micrograph)を用いて、300μm×300μmの領域をステップサイズ0.2μmの間隔で測定面積範囲内の全ピクセルの方位を測定し、隣接する測定ピクセル間の方位差が5°以上である境界を結晶粒界とみなし、S方位{231}<346>からの方位からのずれ角度が30°以内である結晶粒の原子面について面積を求めて、該面積を全測定面積で割ることにより求めた。表2では「結晶粒の面積率」とした。
これらの結果を表2に示す。
更に、これらの供試材につき、引張り強度、導電率を測定し、エッチング加工性について評価した。
引張試験は、圧延方向に平行に切り出したJIS5号試験片を作製して実施した。
導電率は、ミーリングにより、幅10mm×長さ300mmの短冊状の試験片を加工し、ダブルブリッジ式抵抗測定装置により電気抵抗を測定して平均断面積法により算出した。
エッチング加工性は、次の試験方法により、反りと均質性について評価した。
これらの供試材をプレス加工により、長さ(圧延方向に平行)200mm、幅(圧延方向に直角)20mmのダイパット部とリード部からなるリードフレーム形状体に打抜き、ダイパット部表面を、塩化第2鉄水溶液(比重1.5)にて液温:45℃,スプレー圧1.5kgf/mm2(14.7N/mm2)でディンプル状にハーフエッチング加工し、図3に示す反りの高さhを測定した。ディンプルの深さは0.1mm、ディンプル面積はサンプル面積の10%(40mm2)であり、反り高さが10μm以下を合格として○、10μm超えを不合格として×と判定した。
均質性については、ディンプルを有するダイパット部表面をSEMにて観察し、平滑性を3段階で評価した(A:非常に良好、B:良好、C:肌荒れ発生)。
これらの結果を表2に示す。
引張試験は、圧延方向に平行に切り出したJIS5号試験片を作製して実施した。
導電率は、ミーリングにより、幅10mm×長さ300mmの短冊状の試験片を加工し、ダブルブリッジ式抵抗測定装置により電気抵抗を測定して平均断面積法により算出した。
エッチング加工性は、次の試験方法により、反りと均質性について評価した。
これらの供試材をプレス加工により、長さ(圧延方向に平行)200mm、幅(圧延方向に直角)20mmのダイパット部とリード部からなるリードフレーム形状体に打抜き、ダイパット部表面を、塩化第2鉄水溶液(比重1.5)にて液温:45℃,スプレー圧1.5kgf/mm2(14.7N/mm2)でディンプル状にハーフエッチング加工し、図3に示す反りの高さhを測定した。ディンプルの深さは0.1mm、ディンプル面積はサンプル面積の10%(40mm2)であり、反り高さが10μm以下を合格として○、10μm超えを不合格として×と判定した。
均質性については、ディンプルを有するダイパット部表面をSEMにて観察し、平滑性を3段階で評価した(A:非常に良好、B:良好、C:肌荒れ発生)。
これらの結果を表2に示す。
更に、これらの供試材につき、残留歪みを測定した。
残留歪みはEBSD法によるデータ解析を行って求めた。具体的には、株式会社TSLソリューションズ製の走査電子顕微鏡用結晶解析ツールOMIVer.5.2のソフトウェアに備え付けの解析メニューからGrain Reference Orientation Deviationを用いて、高残存歪み領域の面積率を求めた。
このソフトウェアが行っている具体的な計算方法は以下の通りである。
(1) 測定面積内の全測定点(ピクセル)の方位を測定し、隣接するピクセル間の方位差が15°以上である境界を結晶粒界とみなし、これに囲まれた領域を結晶粒とする。
(2) 結晶粒内の全ての測定点(ピクセル)の配向データの平均値を求め、「平均結晶粒内配向」を計算する。
(3) 個々の測定点の配向データとそれが属する結晶粒の平均結晶粒内配向とを比較し、平均結晶粒内配向からのずれが3°以上の測定点(ピクセル)が占める領域を高残存歪み領域と定義する。
(4) 以下の式により総観察面積に占める高残存歪み領域の面積率を計算する。
(観察領域に存在する個々の粒内における高残存歪み領域の合算面積/観察領域の総面積)×100(%)
この高残存歪み領域の面積率が0〜3%以下の場合は残留歪みが少ないと判断されるが、それ以上の場合は残留歪みが多いと判断される。
これらの結果を表2に示す。
残留歪みはEBSD法によるデータ解析を行って求めた。具体的には、株式会社TSLソリューションズ製の走査電子顕微鏡用結晶解析ツールOMIVer.5.2のソフトウェアに備え付けの解析メニューからGrain Reference Orientation Deviationを用いて、高残存歪み領域の面積率を求めた。
このソフトウェアが行っている具体的な計算方法は以下の通りである。
(1) 測定面積内の全測定点(ピクセル)の方位を測定し、隣接するピクセル間の方位差が15°以上である境界を結晶粒界とみなし、これに囲まれた領域を結晶粒とする。
(2) 結晶粒内の全ての測定点(ピクセル)の配向データの平均値を求め、「平均結晶粒内配向」を計算する。
(3) 個々の測定点の配向データとそれが属する結晶粒の平均結晶粒内配向とを比較し、平均結晶粒内配向からのずれが3°以上の測定点(ピクセル)が占める領域を高残存歪み領域と定義する。
(4) 以下の式により総観察面積に占める高残存歪み領域の面積率を計算する。
(観察領域に存在する個々の粒内における高残存歪み領域の合算面積/観察領域の総面積)×100(%)
この高残存歪み領域の面積率が0〜3%以下の場合は残留歪みが少ないと判断されるが、それ以上の場合は残留歪みが多いと判断される。
これらの結果を表2に示す。
これらの結果より、本発明のCu−Cr−Sn系銅合金板は、比較例と比べて、残留応力が少なく、エッチング特性にも優れており、リードフレーム用銅合金板として最適であることがわかる。
本発明の方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることは可能である。
6、7、8 銅合金板
9 アンコイラー
10 テンションレベラ
11 入側テンション負荷装置
12 巻取側テンション負荷装置
13 ローラーレベラー
14 リコイラー
B1 バックテンション
F1 フロントテンション
L ラインテンション
h 反りの高さ
9 アンコイラー
10 テンションレベラ
11 入側テンション負荷装置
12 巻取側テンション負荷装置
13 ローラーレベラー
14 リコイラー
B1 バックテンション
F1 フロントテンション
L ラインテンション
h 反りの高さ
Claims (5)
- Crを0.1〜1.0質量%、Snを0.05〜1.5質量%、Znを0.05〜1.5質量%含み、残部がCuと不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金板であって、SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、KAMの平均値が0.3以下であり、
βファイバの方位密度曲線の最大値が8.0以下であることを特徴とするCu−Cr−Sn系銅合金板。 - Al、Zr、Ti、Fe、P、Si、Mg、Caの群から選ばれる元素を少なくとも1種以上を合計で0.005〜0.5質量%含むことを特徴とする請求項1に記載のCu−Cr−Sn系銅合金板。
- SEMによるEBSD測定における結晶方位解析で、S方位{231}<346>からの方位のずれ角度が30°以内である結晶粒の面積率が60%以上であることを特徴とする請求項1或いは請求項2に記載のCu−Cr−Sn系銅合金板。
- 熱間圧延、冷間圧延、一次時効処理、溶体化処理、二次時効処理、仕上げ冷間圧延、テンションレベリング、最終熱処理をこの順序で行って請求項1或いは請求項2に記載の銅合金板を製造するに際して、前記仕上げ冷間圧延を5〜35%の加工率にて実施することを特徴とするCu−Cr−Sn系銅合金板の製造方法。
- 熱間圧延、冷間圧延、一次時効処理、溶体化処理、二次時効処理、仕上げ冷間圧延、テンションレベリング、最終熱処理をこの順序で行って請求項3に記載の銅合金板を製造するに際して、前記一次時効処理を400〜500℃にて10〜1500分間実施し、溶体化処理を800〜950℃で5〜3600秒間実施し、二次時効処理を450〜550℃にて5〜600分間実施し、前記仕上げ冷間圧延を5〜35%の加工率にて実施することを特徴とするCu−Cr−Sn系銅合金板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012059206A JP2013194246A (ja) | 2012-03-15 | 2012-03-15 | 残留応力の少ないリードフレーム用Cu−Cr−Sn系銅合金板 |
Applications Claiming Priority (1)
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