JP2013194204A - 熱硬化性樹脂製摺動部材 - Google Patents

熱硬化性樹脂製摺動部材 Download PDF

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Abstract

【課題】熱硬化性樹脂組成物の射出成形において、補強材として配合された繊維を等方的に分散させて繊維の配向を抑制し、製品物性の射出成形方向依存性を低減する。
【解決手段】熱硬化性樹脂と無機繊維と架橋促進剤と任意選択的な潤滑性付与材とを含有する熱硬化性樹脂組成物を射出成形して得られる部材は、いずれの部材面を摺動面として使用しても均一に耐摩耗効果が期待でき、また、相手部材への損傷度合いに対しても摺動面の相違による影響を抑制する事ができるので、摺動部材として使用する面の制限が緩和できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂製摺動部材に関する。より詳しくは、射出成形に際して補強材としての無機繊維の配向を抑制する効果を有する熱硬化性樹脂組成物、該組成物を用いて射出成形を行なう方法、及びかかる射出成形によって得られる摺動部材、例えば、すべり軸受け(スラストワッシャー、ローラーベアリング、空調用チップシール等)に関する。
転がり軸受の筐体に熱可塑性樹脂ベースの樹脂組成物が主に使用されるが、金型からの無理抜きによる割れや欠けの問題がある。この問題を解決する為に、補強材としてガラス繊維や炭素繊維のような無機繊維や、靭性寄与材としてカルボジイミドを添加する事で、樹脂組成物自体の機械的強度及び靭性を向上させる従来技術がある。例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂(ナイロン及びポリエステル)にガラスや炭素繊維のような無機繊維(5乃至40重量%)とカルボジイミド(0.5乃至6.0重量%)を添加する事で機械的強度及び靭性を向上させることが教示されている。
特開2011−32356号公報
(1) 射出成形は圧力で樹脂を金型に押し込んで製造する方式であるが、補強材として繊維を配合している場合にはそれぞれ長さを持った繊維群が同じ向きに並んだ組織になる、即ち、繊維が一方向に配向する傾向がある。樹脂組成物の射出成形品において、繊維の長軸方向が配向する方向(以下、配向方向と記すことがある)に垂直な方向に外力が加われば、添加された繊維が補強材として有利に働くが、衝撃や振動等によって不特定方向、特に配向方向に外力が加わった場合には補強材としての効果が顕著に低下し、割れや欠けの不具合が発生し易くなる。
また金型内で樹脂組成物が固化する過程での収縮時、樹脂組成物内で配向方向と同方向に亀裂が生じ、内部で割れが発生する場合がある。図1に炭素繊維を含有させた樹脂組成物内の不具合参考例を示す。
また補強材として添加される繊維には耐摩耗性の向上効果もあり、配向方向と同方向で部材が摺動する場合では耐摩耗特性の向上に有利に働くが、例えば配向方向に垂直な方向で摺動する場合、耐摩耗性が顕著に低下する。以上より、摺動部材として使用するには、摺動面としてどの部位を使用するかを考慮する必要があり、使用部位が制限されるという欠点がある。
(2) また配向方向と同方向で摺動した場合は、摺動部材自体の耐摩耗特性には有利に働くが、繊維自体、特に無機繊維が相手部材を損傷するという欠点がある。特に、相手部材が軟質材であれば、損傷度合いはより顕著となる。小径かつ短長の無機繊維を使用するという対策もあるが、熱硬化性樹脂組成物の靭性低下により、外力受け時及び収縮時に発生する亀裂が発展した割れや欠けの不具合がより生じ易くなるという欠点がある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、熱硬化性樹脂組成物の射出成形において、補強材として配合された繊維を等方的に分散させて繊維の特定方向への配向を抑制し、これらの欠点を解決することである。
上記課題は、下記手段により解決することができる。
(i) ベース樹脂として各種熱硬化性樹脂、必須添加物として無機繊維、架橋促進剤を選定する。
(ii) 架橋促進剤を添加する事で、射出成形で製造した部材を構成する樹脂組成物内の無機繊維の配向(以下、配向性と記すことがある)が等方的になるように制御する。
具体的には、本発明は以下のとおりである。
[1]
熱硬化性樹脂と
無機繊維と
架橋促進剤と
を含有する熱硬化性樹脂組成物を射出成形して得られる摺動部材。
[2]
前記部材の直交する任意の2つの断面を観察し、任意の基準線から30°刻みの角度に傾斜する各繊維数を数えたとき、
前記断面の一つにおける任意の角度範囲内の繊維数の全繊維数に対する比率及び
前記断面の他方における任意の角度範囲内の繊維数の全繊維数に対する比率がいずれも0.14乃至0.20の範囲にある、
[1]に記載の摺動部材。
前記断面の一つ及び他方における任意の角度範囲内の繊維数の全繊維数に対する比率の最大値と最小値との差が、0.04以内であることが好ましく、0.035以内であることが更に好ましい。
[3]
前記部材から得た試験片の直交する任意の2つの断面に対して荷重をかけて圧縮し、試験片が破壊する荷重を測定したとき、
前記断面の一つに対する破壊するまでの荷重の
前記断面の他方に対する破壊するまでの荷重に対する
比率が0.90乃至1.10の範囲にある、
[1]又は[2]に記載の摺動部材。
前記比率が、0.95から1.05の範囲にあることが好ましい。
[4]
前記部材の直交する任意の2つの断面を摩擦摩耗試験に供し、摩耗量を測定したとき、
前記断面の一つにおける摩耗量の
前記断面の他方における摩耗量に対する
比率が0.80乃至1.20の範囲にある、
[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の摺動部材。
前記比率が、0.90から1.10の範囲にあることが好ましい。
[5]
前記部材の直交する任意の2つの断面を、実装が想定される相手部材に対する摩擦摩耗試験に供し、前記相手部材の軸変位量を測定したとき、
前記断面の一つに対する前記相手部材の軸変位量の
前記断面の他方に対する前記相手部材の軸変位量に対する
比率が0.70乃至1.30の範囲にある、
[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の摺動部材。
前記比率が、0.90から1.10の範囲にあることが好ましい。
[6]
前記実装が想定される相手部材がADC12である、[5]に記載の摺動部材。
[7]
前記部材の直交する任意の2つの断面の一方がMDであり、他方がTDである、[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の摺動部材。
[8]
潤滑性付与材を更に含む、[1]乃至[7]のいずれか一項に記載の摺動部材。
[9]
架橋促進剤がカルボジイミド、芳香族アミン、又はイミダゾールである、[1]乃至[8]のいずれか一項に記載の摺動部材。
[10]
カルボジイミドが、カルボジイミド基を2個以上有するポリカルボジイミドである、[9]に記載の摺動部材。
[11]
無機繊維がガラス繊維又は炭素繊維である、[1]乃至[10]のいずれか一項に記載の摺動部材。
[12]
熱硬化性樹脂がフェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、又はエポキシ樹脂である、[1]乃至[11]のいずれか一項に記載の摺動部材。
[13]
潤滑性付与材がグラファイト又は二硫化モリブデンである、[8]乃至[12]のいずれか一項に記載の摺動部材。
[14]
1.0乃至13.0体積%の架橋促進剤を含有する、[1]乃至[13]のいずれか一項に記載の摺動部材。
2.0から7.5体積%のカルボジイミドを含む架橋促進剤であることが好ましい。2.5から5.5体積%のカルボジイミドからなる架橋促進剤であることが更に好ましい。
[15]
2.0乃至5.0体積%の無機繊維を含有する、[1]乃至[14]のいずれか一項に記載の摺動部材。
3.0から4.0体積%の無機繊維を含有することが好ましい。
[16]
無機繊維の繊維長が10乃至300μmである、[1]乃至[15]のいずれか一項に記載の摺動部材。
[17]
無機繊維の径が5.0乃至20μmである、[1]乃至[16]のいずれか一項に記載の摺動部材。
[18]
熱硬化性樹脂と
無機繊維と
架橋促進剤と
を含有する熱硬化性樹脂組成物を使用することを特徴とする射出成形方法。
[19]
熱硬化性樹脂組成物が潤滑性付与材を更に含む、[18]に記載の射出成形方法。
[20]
架橋促進剤がカルボジイミド、芳香族アミン、又はイミダゾールである、[18]又は[19]に記載の射出成形方法。
[21]
カルボジイミドが、カルボジイミド基を2個以上有するポリカルボジイミドである、[20]に記載の射出成形方法。
[22]
無機繊維がガラス繊維又は炭素繊維である、[18]乃至[21]のいずれか一項に記載の射出成形方法。
[23]
熱硬化性樹脂がフェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、又はエポキシ樹脂である、[18]乃至[22]のいずれか一項に記載の射出成形方法。
[24]
潤滑性付与材がグラファイト又は二硫化モリブデンである、[19]乃至[23]のいずれか一項に記載の射出成形方法。
[25]
熱硬化性樹脂組成物中の架橋促進剤の含有量が1.0乃至13.0体積%である、[18]乃至[24]のいずれか一項に記載の射出成形方法。
2.0から7.5体積%のカルボジイミドを含む架橋促進剤であることが好ましい。2.5から5.5体積%のカルボジイミドからなる架橋促進剤であることが更に好ましい。
[26]
熱硬化性樹脂組成物中の無機繊維の含有量が2.0乃至5.0体積%である、[18]乃至[25]のいずれか一項に記載の射出成形方法。
無機繊維の含有量が3.0から4.0体積%であることが好ましい。
[27]
熱硬化性樹脂組成物中の無機繊維の繊維長が10乃至300μmである、[18]乃至[26]のいずれか一項に記載の射出成形方法。
[28]
熱硬化性樹脂組成物中の無機繊維の径が5.0乃至20μmである、[18]乃至[27]のいずれか一項に記載の射出成形方法。
[29]
熱硬化性樹脂と
無機繊維と
架橋促進剤と
を含有する射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
[30]
潤滑性付与材を更に含む、[29]に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
[31]
架橋促進剤がカルボジイミド、芳香族アミン、又はイミダゾールである、[29]又は[30]に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
[32]
カルボジイミドが、カルボジイミド基を2個以上有するポリカルボジイミドである、[31]に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
[33]
無機繊維がガラス繊維又は炭素繊維である、[29]乃至[32]のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
[34]
熱硬化性樹脂がフェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、又はエポキシ樹脂である、[29]乃至[33]のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
[35]
潤滑性付与材がグラファイト又は二硫化モリブデンである、[29]乃至[34]のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
[36]
架橋促進剤の含有量が1.0乃至13.0体積%である、[29]乃至[35]のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
2.0から7.5体積%のカルボジイミドを含む架橋促進剤であることが好ましい。2.5から5.5体積%のカルボジイミドからなる架橋促進剤であることが更に好ましい。
[37]
無機繊維の含有量が2.0乃至5.0体積%である、[29]乃至[36]のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
無機繊維の含有量が3.0から4.0体積%であることが好ましい。
[38]
無機繊維の繊維長が10乃至300μmである、[29]乃至[37]のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
[39]
無機繊維の径が5.0乃至20μmである、[29]乃至[38]のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
本発明の効果は以下のとおりである。
(1) 射出成形において、耐摩耗性に寄与する繊維を、樹脂の射出方向に対して平行方向、垂直方向及びその他の方向に等方的に配向させる事、即ち、一方向に大きく偏った配向をさせない事で、成形収縮及び衝撃、振動による、繊維方向に沿った割れが生ずる事を抑制し、
(2) 射出成形により得られる部材のどの面を摺動面としても、同等の摩擦摩耗特性を有するので、使用面の制限を緩和する事ができる。また、どの面を荷重がかかる面としても、同等の耐荷重性を有するので、使用面の制限を緩和する事ができる。
このような効果を生む本発明の作用を説明する。
(1)射出成形品の割れの抑制
熱硬化性樹脂は、金型内で固化する際、架橋構造を形成するが、カルボジイミド等の架橋促進剤を添加する事で、架橋形成がより促進される。射出成形用シリンダーを通して押し込まれて一方向の配向性を有した無機繊維を含む熱硬化性樹脂組成物が金型内で、無機繊維が動かされながら組成物内で架橋が進行する。通常、熱硬化性樹脂を射出成形する際のシリンダー温度は70乃至90℃程度、金型温度で150乃至170℃に設定されている。シリンダー内から押し込まれた、架橋促進剤及び一方向の配向性を有した無機繊維を含む熱硬化性樹脂組成物が金型内で、架橋促進剤は一旦溶融された状態となり(架橋促進剤は、一般的に、溶融時に熱硬化性樹脂の架橋構造形成を促進する働きを発揮する)、その後に硬化が始まる。この際、無機繊維が動かされながら樹脂組成物内で架橋構造が形成されていく事で、一方向の配向性を有した無機繊維の配向性が次々に崩れていく。また、熱硬化性樹脂組成物の成形品が金型から取り出されると、架橋構造の形成は徐々に収束されていき、同時に成形品自体の収縮も相まって、更に無機繊維の配向性が崩れる事によって、配向性が等方的な無機繊維を有する樹脂組成物成形品となる。結果的に、上記「射出成形品の割れの抑制」という課題に対して、不特定方向に働く外力及び収縮時に対しても、等方的な配向性を有するので、配向方向に沿った割れ等が生じる事を抑制する事ができる。
(2)摺動部材としての使用面の制限の緩和
配向性が等方的である事で、樹脂の射出方向に対して平行方向、垂直方向及びその他の方向にあるいずれの部材面を摺動面として使用しても同等な作用を期待できる。
特開2010−152954号公報に開示されているジャーナル部材(18)は、樹脂の射出方向に対して平行方向、垂直方向及びその他の方向の面にて摺動しているが、本発明はこのような部品にも有利に適用可能である。
炭素繊維を含有させた樹脂組成物成形品内の不具合参考例である。樹脂内部の割れを模式的に表現したものである。 成形品の断面組織(×50、一定視野)の評価方法を示した図である。 摩擦摩耗試験の概要を示した図である。
本発明に係る摺動部材は、
熱硬化性樹脂と
無機繊維と
架橋促進剤と
任意選択的な潤滑性付与材と
を含有する熱硬化性樹脂組成物を射出成形することによって得られる。
熱硬化性樹脂とは、熱すると不可逆的に固化又は硬化する高分子をいう。
本発明において使用される熱硬化性樹脂は特には限定されないが、射出成形用に汎用の熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の系が挙げられる。これらはいずれも市販されている。好ましくは、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂である。
本発明において任意選択的に使用される潤滑性付与材は特には限定されないが、グラファイト(以下、Grと記すことがある)、フッ素樹脂(例、PTFE樹脂)、二硫化モリブデン(以下、MoSと記すことがある)、窒化硼素(以下、BNと記すことがある)等の固体潤滑剤が挙げられる。これらはいずれも市販されている。グラファイトとしては天然のグラファイトも人工のグラファイトも使用可能である。これらは単独もしくは2種類以上を組み合せて使用することができる。好ましくはグラファイト、二硫化モリブデンである。
これらは通常粉末で提供される。粉末粒子の平均粒子径は、グラファイトの場合、通常1〜150μmの範囲であり、好ましくは5〜50μmである。フッ素樹脂の場合は、通常平均粒径が1〜50μmで最大粒径が100μm程度であり、好ましくは平均粒径が1〜20μmで最大粒径が50μm又はそれ以下である。二硫化モリブデンの場合は、通常平均粒径が1〜10μmであり、好ましくは平均粒径が0.1〜3μmである。
また、潤滑付与材と樹脂との接着を良好にするために潤滑付与材に慣用の手段でカップリングによる表面処理を施すことができる。
本発明において補強材として使用される無機繊維は特には限定されないが、ガラス繊維、炭素繊維、金属被覆ガラス繊維、セラミックス繊維、金属炭化物繊維、炭化珪素繊維、金属硬化物繊維およびホウ素繊維などが挙げられる。これらはいずれも市販されている。好ましくは、ガラス繊維、炭素繊維である。
本発明にいう繊維とは、アスペクト比(繊維長/繊維径)が2以上のものをいう。アスペクト比は、好ましくは5〜1000であり、より好ましくは10〜1000である。
無機繊維の長さは特には限定されないが、好ましくは10乃至300μmである。無機繊維の径も特には限定されないが、好ましくは5.0乃至20μmである。
これらの無機繊維は1種類で使用しても2種類以上を併用してもよい。上述した熱硬化性樹脂と無機繊維とで、所望の摺動特性を発揮し易い組合せを選択するのが望ましい。架橋時に動かされ易い無機繊維の形態が好ましい。
本発明において架橋促進剤は特には限定されないが、カルボジイミド、芳香族アミン、イミダゾール等が挙げられる。これらの架橋促進剤は1種類で使用しても2種類以上を併用してもよい。上述した熱硬化性樹脂と架橋促進剤とで、架橋を効率良く進める組合せを選択するのが望ましい。好ましくはカルボジイミドであり、本発明において架橋促進剤として使用されるカルボジイミドとは、式−N=C=N−で表される官能基を1個以上含む化合物をいう。
例えば、N,N’−フェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドなどを挙げることができる。
カルボジイミドは、例えば、触媒として有機リン系化合物又は有機金属化合物を用い、各種ポリイソシアネートを約70℃以上の温度で、無溶媒又は不活性溶媒中で脱炭酸縮合反応を行うことより合成することができる。
カルボジイミド基を2個以上有するポリカルボジイミドの製造方法は、例えば、米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.0rg.Chem.28,2069−2075(1963)、Chemical Review l981,Vol.81 No.4、p619−621に記載されている。
市販のポリカルボジイミドとしては、日清紡株式会社から「カルボジライト」の商標名にて入手できる熱硬化性パウダータイプを使用することができる。これらの製品においては、主鎖の構造、末端基の構造、1分子中に含まれるカルボジイミド基の割合、混合率等が異なっており、適宜選択して使用することができる。好ましくは、10M−SPである。
本発明において架橋促進剤として使用される芳香族アミンの具体例としては、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、エチルアニリン、n−プロピルアニリン、イソプロピルアニリン、クミジン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−n−プロピルアニリン、N−イソプロピルアニリン、N−n−ブチルアニリン、N−メチル−o−トルイジン、N−メチル−m−トルイジン、N−メチル−p−トルイジン、N−エチル−o−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、N−エチル−p−トルイジン、N−ブチル−o−トルイジン、N−ブチル−m−トルイジン、N−ブチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−プロピルアニリン、N,N−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N−メチル−N−エチルアニリン、N−メチル−N−n−プロピルアニリン、N−エチル−N−n−プロピルアニリン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−o−トルイジン、N,N−ジエチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジブチル−o−トルイジン、N,N−ジブチル−m−トルイジン、N,N−ジブチル−p−トルイジン等が挙げられる。これらはいずれも市販されている。
前記芳香族アミンの内では、硬化促進剤としての効果が大きいとの理由から第3アミンが好ましく、特に好ましいものは、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジンである。
本発明において架橋促進剤として使用されるイミダゾールとしては、例えば、メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、エチルイミダゾール、イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、フェニルイミダゾール、ウンデシルイミダゾール、ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。これらはいずれも市販されている。
本発明における射出成形用熱硬化性樹脂組成物に添加する無機繊維の量は、熱硬化性樹脂組成物の全体積を基準として通常2.0乃至5.0体積%、好ましくは3.0乃至4.0体積%である。射出成形において得られる、相手部材の損傷度合をも極力抑制させたい用途に用いる摺動部材において、特に強度や耐摩耗性に有利である。
本発明における射出成形用熱硬化性樹脂組成物に添加する架橋促進剤の量は、熱硬化性樹脂組成物の全体積を基準として通常1.0乃至13.0体積%、好ましくは2.0乃至7.5体積%、より好ましくは2.5乃至5.5体積%である。射出成形において得られる、熱硬化性樹脂をベースとした摺動部材において、特に摺動面選択自由度に対して有利である。また、当該摺動部材の製造の面からも特に有利である。なぜなら、架橋促進剤の添加量を増やせば射出成形用熱硬化性樹脂組成物の粘度も上がり、遂には所望の摺動部材を製造できなくなるが、上記範囲内では、後述する混合撹拌工程において慣用の方法での実施が容易だからである。
本発明における射出成形用熱硬化性樹脂組成物には、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤等の慣用の添加剤を配合してもよく、これらの添加剤は単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、前記各成分を混合攪拌することにより製造することができる。混合方法に特には制限はなく、慣用の方法で実施すればよく、例えば、ロールクラッシャー、ハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル、振動ミル等を用いて固体のまま混合する粉砕混合法や固体を溶媒に溶解させて混合する方法が挙げられる。混合温度は樹脂を均一に分散させる観点から80〜100℃が好ましい。各成分の投入順にも特には制限はなく、全成分を一度に投入しても、特定の成分を先に、特定の成分を後に投入してもよい。
射出成形とはプラスチック加工法の一種であり、その詳細は当業者に公知である。本発明における熱硬化性樹脂組成物の射出成形は、まず流動性を示す程度の温度に組成物を加熱し、続いてより高温の金型中に充填して固化・硬化させる技術である。射出成形の方法は特には限定されず、当業者に公知の通常の設備を用いて、通常の操業条件で実施することができる。
好ましくは本発明に係る摺動部材は、前記部材の直交する任意の2つの断面を観察し、任意の基準線から30°刻みの角度に傾斜する各繊維数を数えたとき、前記断面の一つにおける任意の角度範囲内の繊維数の全繊維数に対する比率及び前記断面の他方における任意の角度範囲内の繊維数の全繊維数に対する比率がいずれも0.14乃至0.20の範囲にあるものである。
断面の観察は肉眼でも可能であるが、光学顕微鏡で行なうことが実用的であり、好ましい。観察個所は1か所でも良いが、正確を期すために2か所以上、好ましくは3か所以上を選択して観察することが推奨される。後述の実施例において具体的に説明する。
好ましくは本発明に係る摺動部材は、前記部材から得た試験片の直交する任意の2つの断面に対して荷重をかけて圧縮し、試験片が破壊する荷重を測定したとき、前記断面の一つに対する破壊するまでの荷重の前記断面の他方に対する破壊するまでの荷重に対する比率が0.90乃至1.10の範囲にあるものである。
荷重の大きさ、圧縮の手段には、試験片を破壊することができ、そのときの荷重を測定できるものであれば特段の制限はない。後述の実施例において具体的に説明する。
好ましくは本発明に係る摺動部材は、前記部材の直交する任意の2つの断面を摩擦摩耗試験に供し、摩耗量を測定したとき、前記断面の一つにおける摩耗量の前記断面の他方における摩耗量に対する比率が0.80乃至1.20の範囲にあるものである。
摩擦摩耗試験の方法は、摺動部材の前記2断面の摩耗量の測定が可能なものであれば特段の制限はない。標準的な摩擦摩耗試験方法としては、例えば、ASTM G99-05、JIS R 1613-1993、JIS K 7218-1986、ASTM G77-05、ASTM D2714-94(2003)、ASTM D3704-96(2006)、ISO 20623:2003、ASTM D2266-01、ASTM D2596-97(2002)e1、ASTM D2783-03、ASTM D4172-94(2004)e1、ASTM D5183-05、ASTM F2161-01、JIS K2519、ASTM D2625-94(2003)、ASTM D2670-95(2004)、ASTM D3233-93(2003)等が挙げられるが、当業者が更に独自に工夫したものであっても良い。後述の実施例において具体的に説明する。
好ましくは本発明に係る摺動部材は、前記部材の直交する任意の2つの断面を、実装が想定される相手部材に対する摩擦摩耗試験に供し、前記相手部材の軸変位量を測定したとき、前記断面の一つに対する前記相手部材の軸変位量の前記断面の他方に対する前記相手部材の軸変位量に対する比率が0.70乃至1.30の範囲にあるものである。
本発明に係る熱硬化性樹脂製摺動部材に対して実装が想定される相手部材は、特には限定されないが、摺動部材の相手部材として公知の材質を用いることができる。具体例としては、Al−Si−Cu系のダイカスト用アルミニウム合金の一つであり、JIS記号であるADC12(JIS H5302参照)、SCr420HやS45C等の鋼材(JIS G4051参照)が挙げられる。これらの中ではADC12が好ましい。ADC12が推奨される理由の第一は、本発明の熱硬化性樹脂摺動部材の相手部材として想定される材質の一つであるからである。理由の第二は、ADC12は、SCr420HやS45C等の鋼材に比較して軟質な部類に入るため、ADC12を選択すると、より一層厳しい評価条件を採用することとなり、変位量等損傷度合を比較的確認し易くなるからである。
摩擦摩耗試験の方法は、実装が想定される相手部材(例えばADC12)の摩耗量の測定が可能なものであれば特段の制限はない。標準的な摩擦摩耗試験方法としては上記したものが挙げられるが、当業者が更に独自に工夫したものであっても良い。後述の実施例において具体的に説明する。
上記において、部材の直交する任意の2つの断面の一方がMD(machine direction)であり、他方がTD(transverse direction)であることが便宜であり、好ましい。
MDとは、成形流動方向を言う。成形流動方向に平行な面をMD面とする。
TDとは、成形流動方向の直角方向を言う。成形流動方向に垂直な面をTD面とする。
以下に具体例をもって本発明をより詳細に説明するが、これらは説明のための例示であり、本発明の技術的範囲は以下に限定されるものではない。
(成形品の作製)
下記表の実施例及び比較例の配合に従って、熱硬化性樹脂組成物を射出成形し、成形品を作成した。得られた成形品は後述の評価に供した。

注:使用した各原料の品番等は下記のとおりである。
フェノール樹脂:日立化成工業社製CP−J−6750
芳香族ポリエーテルケトン樹脂:PEEK:ビクトレックス社製450G
ポリアミド樹脂:PA66:旭化成社製レオナ1402S
炭素繊維:東邦テナックス社製HTA−C6−UH
ガラス繊維:日本板硝子製チョップドストランド
二硫化モリブデン:住鉱潤滑剤社製モリパウダーPB
カルボジイミド:日清紡社製カルボジライト10M−SP
(成形品の断面組織の評価)
上記で得られた射出成形品の内部に分散した添加無機繊維の傾斜角度を、MD方向とTD方向の断面組織の観察により測定した。
測定方法:
光学顕微鏡にて一定視野(倍率×50)を観察する。
まず、基準となる繊維を選定し、下側に基準線を引く。基準線から反時計回りに180°までの範囲を30°刻みに等分し、下記のように、それぞれ第1角度範囲から第6角度範囲と名づける。
(第1角度範囲)0−30°
(第2角度範囲)30−60°
(第3角度範囲)60−90°
(第4角度範囲)90−120°
(第5角度範囲)120−150°
(第6角度範囲)150−180°
次に、当該一定視野で確認できる全繊維を、基準線に対する傾斜角度に従って第1角度範囲から第6角度範囲までのいずれかに分類し、各角度範囲に分類された繊維の数を計数し、全繊維数に対する割合を算出し、等方的に分散されているかどうかの判断基準とする。
なお、計数対象繊維は径+50μm以上の長さのものとし、全繊維数の半分以上が計数対象繊維に該当しない場合は測定不能とする。このように取り扱うのは、観察する断面組織に対してほとんど垂直になっているために或る程度以上の長さが見えない繊維については傾斜角度を正確に判断することができないからであり、そのような繊維が半数以上も占める場合には、上記のような計数を行うまでもなく等方的に分散されているとは言い難いからである。
測定部位:
成形品から採った試験片(5mm×5mm×5mm)のMD面及びTD面それぞれの中央部3か所とする。
等価性判断基準:
MD面及びTD面のいずれもについて、各角度範囲に分類される繊維数の全繊維数に対する比率が0.17±0.03すなわち0.14乃至0.20(即ち百分率で14%から20%)であるとき等価性あり、それ以外を等価性なしと判断する。
(成形品の物性の評価)
上記で得られた射出成形品から採取した試験片の荷重圧縮試験を実施し、試験片が破壊する時の荷重を測定した。
測定方法:
試験片のMD面及びTD面に試験片が破壊するまで荷重を加えていき、破壊荷重の測定値から、両面において耐荷重特性に等価性があるかどうかを確認する。
等価性判断基準:
0.90≦[MD面に対する破壊荷重値]/[TD面に対する破壊荷重値]≦1.10の場合は等価性あり、それ以外は等価性なしと判断する。なお、N数3個について試験を実施し、平均値をとった。本試験においては、TD面及びMD面に対する破壊荷重値のバラツキは500N(20MPa)以下であった。
試験条件は以下のとおりである。
試験機:レバー式引張試験機
荷重:破壊するまで
試験片サイズ:5.0mm×5.0mm×5.0mm
圧縮速度:1.00m/min.
(摺動特性の評価)
上記で得られた射出成形品から採取した試験片の摩擦摩耗試験を行い、試験片摩耗量及び相手軸変位量を測定し、摺動特性を確認した。
試験の概要を図3に示す。試験条件を下記に示す。

測定部:
射出成形品(100mm×100mm×100mm)中央部からMD面、TD面が露出した試験片をそれぞれ採取・加工した後、摩擦摩耗試験を実施し、試験片摩耗量、相手軸変位量から等価性の有無を確認する。
等価性判断基準:
0.80≦[MD面露出試験片摩耗量]/[TD面露出試験片摩耗量]≦1.20の場合は等価性あり、それ以外は等価性なしと判断する。また、0.70≦[MD面露出試験片に対する相手部材の軸変位量]/[TD面露出試験片に対する相手部材の軸変位量]≦1.30の場合は等価性あり、それ以外は等価性なしと判断する。なお、N数3個について試験を実施し、平均値をとった。本試験方法においては、TD面及びMD面露出試験片摩耗量、同試験片に対する相手部材の軸変位量のバラツキはいずれも5μm以下であった。
相手部材:
SCr420H(硬質材)とADC12(軟質材)の2材質を使用した。結果(表3)には、試験片摩耗量及び相手軸の損傷度合いの影響が出やすいADC12軸のみの結果を記載した。SCr420H使用においても同様の結果(傾向)が得られることは確認済みである。
結果を表3にまとめて示す。また、実施例1及び比較例1の詳細を表4に示す。
表3中の『Max.』『Min.』は、N数3の試料のMD、TDからの最大値と最小値を記載したものである。具体的なデータ例は表4に示すとおりである。
MD及びTDにおける所定角度範囲内の繊維数の全繊維数に対する比率の最大値と最小値との差が0.035(3.5%)以内の試料を繊維等方性◎、上記最大値と最小値との差が0.035(3.5%)を超えるが、MDにおける任意の角度範囲内の繊維数の全繊維数に対する比率及びTDにおける任意の角度範囲内の繊維数の全繊維数に対する比率がいずれも0.14乃至0.20の範囲にあるものを○、上記のいずれも満たさないものを×とした。
破壊荷重では、比率が0.95から1.05の範囲内の試料を等方性◎、上記比率が0.95から1.05の範囲外であるが、MD面に対する破壊するまでの荷重のTD面に対する破壊するまでの荷重に対する比率が0.90乃至1.10の範囲にあるものを○、上記のいずれも満たさないものを×とした。
試験片摩耗量では、比率が0.90から1.10の範囲内の試料を等方性◎、上記比率が0.90から1.10の範囲外であるが、MD面における摩耗量のTD面における摩耗量に対する比率が0.80乃至1.20の範囲にあるものを○、上記のいずれも満たさないものを×とした。
相手軸変位量では、比率が0.90から1.10の範囲内の試料を等方性◎、上記比率が0.90から1.10の範囲外であるが、MD面に対する相手部材の軸変位量のTD面に対する同相手部材の軸変位量に対する比率が0.70乃至1.30の範囲にあるものを○、上記のいずれも満たさないものを×とした。
表3に見られるように、実施例1乃至12より、本発明に係る摺動部材は、MD、TD面における無機繊維配向性並びに物性及び摺動特性において等価性を有することを確認した。
以上述べてきたことから明らかなように、本発明によれば以下のような有利な効果が得られる。
(1) 相手部材への損傷度合いに対しても摺動面の相違による影響を抑制する事ができるので、摺動部材として使用する面の制限が緩和できる。
(2) 射出成形により得られる部材のどの面を摺動面としても、相手部材への損傷度合いを均一に抑制する事も可能とすることができる。
(3) このような製品物性の射出成形方向依存性の低減効果は、特定の熱硬化性樹脂組成物を使用することにより得られるので、既存の射出成形用の設備を従来の操業条件のまま利用することができ、条件変更に伴う無用の作業やエネルギーの浪費、廃棄物の発生を防止することができ、その利点は極めて大きい。
11 ベース樹脂
12 添加繊維
13 配向性のある方向
14 配向性のある方向に沿って発生した亀裂(割れ)
21 無機繊維
22 基準線
31 試験片
32 相手材
33 荷重
34 回転方向

Claims (39)

  1. 熱硬化性樹脂と
    無機繊維と
    架橋促進剤と
    を含有する熱硬化性樹脂組成物を射出成形して得られる摺動部材。
  2. 前記部材の直交する任意の2つの断面を観察し、任意の基準線から30°刻みの角度に傾斜する各繊維数を数えたとき、
    前記断面の一つにおける任意の角度範囲内の繊維数の全繊維数に対する比率及び
    前記断面の他方における任意の角度範囲内の繊維数の全繊維数に対する比率がいずれも0.14乃至0.20の範囲にある、
    請求項1に記載の摺動部材。
  3. 前記部材から得た試験片の直交する任意の2つの断面に対して荷重をかけて圧縮し、試験片が破壊する荷重を測定したとき、
    前記断面の一つに対する破壊するまでの荷重の
    前記断面の他方に対する破壊するまでの荷重に対する
    比率が0.90乃至1.10の範囲にある、
    請求項1又は2に記載の摺動部材。
  4. 前記部材の直交する任意の2つの断面を摩擦摩耗試験に供し、摩耗量を測定したとき、
    前記断面の一つにおける摩耗量の
    前記断面の他方における摩耗量に対する
    比率が0.80乃至1.20の範囲にある、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の摺動部材。
  5. 前記部材の直交する任意の2つの断面を、実装が想定される相手部材に対する摩擦摩耗試験に供し、前記相手部材の軸変位量を測定したとき、
    前記断面の一つに対する前記相手部材の軸変位量の
    前記断面の他方に対する前記相手部材の軸変位量に対する
    比率が0.70乃至1.30の範囲にある、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の摺動部材。
  6. 前記実装が想定される相手部材がADC12である、請求項5に記載の摺動部材。
  7. 前記部材の直交する任意の2つの断面の一方がMDであり、他方がTDである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の摺動部材。
  8. 潤滑性付与材を更に含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の摺動部材。
  9. 架橋促進剤がカルボジイミド、芳香族アミン、又はイミダゾールである、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の摺動部材。
  10. カルボジイミドが、カルボジイミド基を2個以上有するポリカルボジイミドである、請求項9に記載の摺動部材。
  11. 無機繊維がガラス繊維又は炭素繊維である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の摺動部材。
  12. 熱硬化性樹脂がフェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、又はエポキシ樹脂である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の摺動部材。
  13. 潤滑性付与材がグラファイト又は二硫化モリブデンである、請求項8乃至12のいずれか一項に記載の摺動部材。
  14. 1.0乃至13.0体積%の架橋促進剤を含有する、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の摺動部材。
  15. 2.0乃至5.0体積%の無機繊維を含有する、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の摺動部材。
  16. 無機繊維の繊維長が10乃至300μmである、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の摺動部材。
  17. 無機繊維の径が5.0乃至20μmである、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の摺動部材。
  18. 熱硬化性樹脂と
    無機繊維と
    架橋促進剤と
    を含有する熱硬化性樹脂組成物を使用することを特徴とする射出成形方法。
  19. 熱硬化性樹脂組成物が潤滑性付与材を更に含む、請求項18に記載の射出成形方法。
  20. 架橋促進剤がカルボジイミド、芳香族アミン、又はイミダゾールである、請求項18又は19に記載の射出成形方法。
  21. カルボジイミドが、カルボジイミド基を2個以上有するポリカルボジイミドである、請求項20に記載の射出成形方法。
  22. 無機繊維がガラス繊維又は炭素繊維である、請求項18乃至21のいずれか一項に記載の射出成形方法。
  23. 熱硬化性樹脂がフェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、又はエポキシ樹脂である、請求項18乃至22のいずれか一項に記載の射出成形方法。
  24. 潤滑性付与材がグラファイト又は二硫化モリブデンである、請求項19乃至23のいずれか一項に記載の射出成形方法。
  25. 熱硬化性樹脂組成物中の架橋促進剤の含有量が1.0乃至13.0体積%である、請求項18乃至24のいずれか一項に記載の射出成形方法。
  26. 熱硬化性樹脂組成物中の無機繊維の含有量が2.0乃至5.0体積%である、請求項18乃至25のいずれか一項に記載の射出成形方法。
  27. 熱硬化性樹脂組成物中の無機繊維の繊維長が10乃至300μmである、請求項18乃至26のいずれか一項に記載の射出成形方法。
  28. 熱硬化性樹脂組成物中の無機繊維の径が5.0乃至20μmである、請求項18乃至27のいずれか一項に記載の射出成形方法。
  29. 熱硬化性樹脂と
    無機繊維と
    架橋促進剤と
    を含有する射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
  30. 潤滑性付与材を更に含む、請求項29に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
  31. 架橋促進剤がカルボジイミド、芳香族アミン、又はイミダゾールである、請求項29又は30に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
  32. カルボジイミドが、カルボジイミド基を2個以上有するポリカルボジイミドである、請求項31に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
  33. 無機繊維がガラス繊維又は炭素繊維である、請求項29乃至32のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
  34. 熱硬化性樹脂がフェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、又はエポキシ樹脂である、請求項29乃至33のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
  35. 潤滑性付与材がグラファイト又は二硫化モリブデンである、請求項29乃至34のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
  36. 架橋促進剤の含有量が1.0乃至13.0体積%である、請求項29乃至35のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
  37. 無機繊維の含有量が2.0乃至5.0体積%である、請求項29乃至36のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
  38. 無機繊維の繊維長が10乃至300μmである、請求項29乃至37のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
  39. 無機繊維の径が5.0乃至20μmである、請求項29乃至38のいずれか一項に記載の射出成形用熱硬化性樹脂組成物。
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