JP2013194047A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】睫毛のカールキープ力に優れ、塗布する際の付着性(ツキ)が良く、使用感(滑らかさ、べたつきの無さ)にも優れた油中水型乳化化粧料を提供する。
【解決手段】
(a)水:5〜15質量%、(b)球状粉末:7〜13質量%、および(c)皮膜剤:5〜15質量%を含有することを主な特徴とする。また、ワックスを含まないこと、粘度が15,000〜40,000であること、球状粉末を含む全粉末成分の合計配合量が、油中水型乳化化粧料の全体量に対して20〜50質量%であり、全粉末成分に占める球状粉末の割合が25〜40%であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、油中水型乳化化粧料に関する。さらに詳しくは、睫毛のカールキープ力に優れ、睫毛への付着性(ツキ)が良く、しかも塗布する際の滑らかさ(のび)や、乾燥後のべたつきの無さといった使用感にも優れた油中水型乳化化粧料に関する。
油相を外相、水相を内相とした油中水型乳化物は、油溶性の有効成分、例えば皮膜剤を効率的に睫毛等に適用できることから、カールキープ力(セット力)やボリューム付与が求められるマスカラ等の眉目化粧料の基剤として広く用いられている。
油中水型乳化物を基剤とする油中水型乳化化粧料として、従来、水相を20質量%以上含有するものが知られている。例えば、特許文献1には、耐水性、耐油性に優れ、クレンジングによる除去が容易なマスカラとして、有機シリコーン樹脂と所定の油分とを含む油中水型マスカラが提案されており、このマスカラにおいて全水相の配合量を20.0〜70.0重量%とするのが好ましいとされている。
また、例えば特許文献2には、使用感の観点から、油中水型の乳化組成物において内水相比を高めたものが理想的な基剤であるとして、特定の界面活性剤とシリコーン系活性剤を組み合わせて用いることにより、高内水相を実現することが提案されている。
一般的に、油中水型乳化化粧料における水相の含有率を増やすことにより、優れた使用感が得られると同時に、組成物の粘度が高くなり、睫毛等に対して一定の付着性を確保することができる。しかし、水相の配合量が多くなると、睫毛がより多くの水分を吸収して本来の直線的な形態に伸びようとするため、カールキープ力が不十分になる傾向がある。
一方で、使用性を向上させるために、睫毛用化粧料に球状粉体を配合することが知られている(特許文献3)。特許文献3には、特定配合比率のキャンデリラレジンとロジン酸誘導体、及びチタン・酸化チタン焼結物を含有する睫毛用化粧料に、シリコーン系樹脂粉体や無水珪酸のような球状粉体を配合して伸展性を向上させることが記載されている。
しかし、球状粉体が睫毛のカールキープ力や、睫毛に対する化粧料の付着性に与える影響については、これまで検討されていない。
かくして、睫毛のカールキープ力と睫毛への付着性の両面に優れ、しかも使用感(滑らかさ、べたつきの無さ)にも優れた油中水型乳化化粧料が依然として望まれている。
特開平9−124444号公報 特開2011−201824号公報 特開2004−300092号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、カールキープ力と睫毛への付着性(ツキ)とを同時に改善し、しかも使用感(滑らかさ、べたつきの無さ)にも優れた油中水型乳化化粧料を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、油中水型乳化化粧料に含まれる水の量を低減すると、カールキープ力が向上する一方で、組成物の粘度が低下し、睫毛への付着性が悪くなる傾向があることを見出した。係る知見を踏まえて睫毛に対する付着性向上についてさらに検討を進めたところ、水の含有量を特定の範囲とし、さらに特定量の球状粉末を配合することにより、べたつきの無さや滑らかさといった使用性を損なうことなく、カールキープ力と付着性の両方を同時に改善できることを見出した。特筆すべきことに、球状粉末の配合によってカールキープ力と付着性の両方を向上させるには、水の配合量を、カールキープ力を最も良く向上できるような少量でも、付着性を最も良く向上できるような多量でもない特定の範囲に制限する必要がある。また同様に、球状粉末の配合量についても、多すぎても少なすぎてもカールキープ力及び付着性を改善することができない。すなわち、水及び球状粉末の両方の配合量を制御してはじめて、化粧効果の持続性、使用性に優れた油中水型乳化化粧料を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち本発明は、以下を要旨とするものである。
(1)(a)水:5〜15質量%、
(b)球状粉末:7〜13質量%、および
(c)皮膜剤:5〜15質量%、
を含有する油中水型乳化化粧料。
(2)実質的にワックスを含まない(1)の油中水型乳化化粧料。
(3)粘度が15,000〜40,000である(1)または(2)の油中水型乳化化粧料。
(4)球状粉末を含む全粉末成分の合計配合量が、油中水型乳化化粧料の全体量に対して20〜50質量%であり、全粉末成分に占める球状粉末の割合が25〜40%である(1)〜(3)の油中水型乳化化粧料。
(5)(1)〜(4)の油中水型乳化化粧料を基剤とする眉目化粧料。
本発明に係る油中水型乳化化粧料によれば、睫毛のカールキープ力に優れ、塗布する際の付着性(ツキ)が良く、使用感(滑らかさ、べたつきの無さ)にも優れている。
本発明の油中水型乳化化粧料は、(a)水、(b)球状粉末、および(c)皮膜剤を特定の割合にて配合することを主な特徴とする。以下、本発明について詳述する。
<(a)水>
本発明に用いられる(a)水は、化粧料に一般的に配合される品質のものであればよく、蒸留水であっても、イオン交換水であっても、精製水であってもよい。水は、油中水型乳化化粧料の全体量に対して、5〜15質量%、より好ましくは7〜13質量%、さらに好ましくは8〜12質量%の範囲の量で配合される。5質量%未満、あるいは、15質量%を超えて配合すると、球状粉末を配合してもカールキープ力と付着性の両方を十分に向上させることができない。
<(b)球状粉末>
本発明に用いられる(b)球状粉末は、化粧料に一般的に用いられる、真球状、扁球状を含む略球状のあらゆる粉末を用いることができる。
好ましい球状粉体としては、例えば、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン等の球状シリコーン粉末;球状シリカ粉末;ナイロン、ウレタン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン又はポリプロピレン等の球状有機樹脂粉末などが挙げられる。
球状粉体は、市販されているものを使用することが可能である。市販されている球状シリコーン粉末としては、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー球状粉末であるトレフィルE−506S、トレフィルE−508、9701 Cosmetic Powder、EP−9215 Cosmetic Powder、EP−9261 TI Cosmetic Powder、EP−9293 AL Cosmetic Powder(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)、ポリメチルシルセスキオキサン球状粉末であるTOSPEARL 120A、TOSPEARL 145A、TOSPEARL 2000B(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等が挙げられる。
市販されている球状シリカ粉末としては、シリカマイクロビード P−1500(日揮触媒化成株式会社製)、サンスフェア L−51(旭硝子株式会社製)等が挙げられる。
市販されている球状有機樹脂粉末としては、球状PMMA粉末粒子(マイクロスフェアM−100、M−330:松本油脂製薬社製)、球状ウレタン粒子(Plastic Powder D−400:東色ピグメント社製)等が挙げられる。
球状粉体の平均粒径は、優れた使用感が得られ、カールキープ力と付着性の向上効果にも優れていることから、1〜40μmの範囲、特に3〜20μmの範囲であることが好ましい。
球状粉末は、油中水型乳化化粧料の全体量に対して、7〜13質量%、より好ましくは8〜12質量%の範囲の量で配合される。7質量%未満、あるいは、13質量%を超えて配合すると、カールキープ力と付着性の両方を却って損なう傾向がある。特に、13質量%を超えて配合すると、睫毛に塗布する際の滑らかさまでもが悪くなる傾向がある。
<(c)皮膜剤>
本発明に用いられる(c)皮膜剤は、形成される皮膜が睫毛のカールキープ力を付与し、毛流れを整えることができるものであれば特に限定されない。例えば、ニトロセルロース等の有機溶剤溶解性高分子皮膜剤;エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セラック等のアルコール溶解性高分子皮膜剤;シリコーン樹脂(MQレジン、MDQレジン等)、シリコーン化プルラン等の揮発性シリコーン溶解性高分子皮膜剤等を挙げることができる。特に揮発性シリコーン溶解性高分子皮膜剤としては、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサン、3−[トリス(トリメチルシロキサン)シリル]プロピルカルバミド酸プルラン、高重合ジメチルシロキサン・メチル(アミノプロピル)シロキサン共重合体等が好ましく、安定性や使用性等の点からトリメチルシロキシケイ酸がより好ましく用いられる。
皮膜剤は、油中水型乳化化粧料の全体量に対して、5〜15質量%、より好ましくは7〜12質量%の範囲の量で配合される。5質量%未満では、カールキープ力が悪くなる傾向がある。一方、15質量%を超えて配合すると、皮膜剤由来のべたつきが生じてしまう。
<非球状粉末成分>
本発明の油中水型乳化化粧料は、上記(b)球状粉末以外にも、通常化粧料に用いられる板状等の非球状の粉末成分を含んでもよい。ただし、本発明において、粉末成分には色材、顔料、パール剤は含まないものとする。非球状粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);あるいはこれらの粒子表面を高級脂肪酸や油脂、ロウ、シリコーン化合物、炭化水素、界面活性剤、デキストリン脂肪酸エステル等の物質によって疎水化処理したもの等を挙げることができる。
非球状粉末を含む場合には、球状粉末と非球状粉末の合計配合量(粉末成分総量)が、油中水型乳化化粧料の全体量に対して20〜50質量%、好ましくは25〜35質量%であり、粉末成分総量に占める球状粉末の割合が25〜40%、より好ましくは30〜38%である。粉末成分総量が20質量%未満、あるいは50質量%より多い場合には、カールキープ力や付着性を十分に改善できない傾向がある。特に、粉末成分総量が多いと、油中水型乳化化粧料がボソボソと粉っぽくなり、粘度が高い割に睫毛への付着性が不十分になる傾向がある。また、粉末成分総量に占める球状粉末の割合が25%未満、あるいは40%より多い場合にも、カールキープ力や付着性を十分に改善できない傾向がある。
<他の配合可能成分>
本発明にかかる油中水型乳化化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲内で、化粧料や医薬部外品の分野で通常配合されている各種成分、例えば、油分、乳化剤(活性剤)、色材、顔料、パール剤、酸化防止剤、増粘剤、安定化剤、防腐剤、保湿剤、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。
油分としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリンなどの液体油脂、流動パラフィン、スクワラン、パラフィン、セレシン、スクワレンなどの炭化水素、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸などの高級脂肪酸、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリルグリセロールエーテル、モノパルミチルグリセロールエーテル、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコール、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸エチレングリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオクタン酸ペンタエリスリトール、トリオクタン酸グリセリン、トリイソステアリン酸グリセリン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンなどの直鎖状シリコーン油、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状シリコーン油等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明においては、特にシリコーン油の使用が好ましい。
乳化剤としては、油中水型の乳化組成物に配合することのできるHLB7以下の乳化剤が好ましく用いられ、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート、グリセロールイソステアレート、ジグリセロールジイソステアレート、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル等のグリセロール脂肪酸エステル類;POE(5)、POE(7.5)、POE(10)硬化ひまし油等のポリオキシエチレン硬化ひまし油;ジポリヒドロキシステアリン酸エステル類:ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2(PGPH;コグニス社製)、PEG30 ジポリヒドロキシステアレート(アラセルP135;ユニケマ社製)等の高分子量親油性活性剤;セチルジメチコンコポリオール(例えば、ABIL EM90;ゴールドシュミット社製)、ポリエーテル変性シリコーン(例えば、KF6011、KF6015、KF351A、KF945A、KF6017(信越化学工業株式会社製)、SH3771(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、架橋型ポリエーテル変性シリコーン(例えば、「KSG」シリーズ;信越化学工業社製)などのポリエーテル系のシリコーン;ポリグリセリン変性シリコーン、アルキル共変性ポリグリセリン変性シリコーンなどのポリグリセリン系のシリコーン;等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
色材、顔料、パール剤としては、無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等を挙げることができる。
一方、ワックスは油中水型乳化化粧料の使用感を損なう場合があるため、実質的に配合を避けることが好ましく、配合する場合には少量(10質量%以下、より好ましくは5質量%以下)に止めることが好ましい。ここで言うワックスとは、常温で固形又は半固形状の油脂であり、通常、炭素数18〜34の高級脂肪酸に由来する部分と、炭素数18〜44の高級脂肪アルコール由来部分とから構成されるカルボン酸エステルを含む油脂である。このようなワックスとしては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、モクロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、ビースワックス、マイクロクリスリンワックス、パラフィンワックス、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、脂肪酸クリセリド、硬化ヒマシ油、ワセリン、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
<油中水型乳化化粧料の粘度>
本発明の油中水型乳化化粧料は、粘度が15,000〜40,000の範囲であり、より好ましくは20,000〜38,000の範囲である。粘度が15,000より低い場合には、睫毛へのツキが悪くなる傾向がある。一方、粘度が40,000より高い場合には、塗布する際ののびが悪く、滑らかさに欠ける傾向がある。
<油中水型乳化化粧料の製法及び用途>
本発明にかかる油中水型乳化化粧料は、油中水型乳化物の製造に従来から使用されている方法に準じて製造することができる。例えば、(a)水を含む水相成分、並びに、(b)球状粉末及び(c)皮膜剤を含む油相成分を適宜加熱溶解して別途調製し、これらの水相及び油相を混合してホモミキサー等で乳化することにより油中水型乳化化粧料を得ることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料は、睫毛へのツキ、カールキープ力、使用感に優れることから、マスカラ、アイライナー、アイブロウ等の眉目化粧料として使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%を示す。
下記の表1および表2に示す処方にて油中水型乳化化粧料(試料)を調製し、粘度、カールキープ力、付着性(ツキ)、乾燥後のべたつきの無さ、滑らかさを下記の評価方法に従って調べた。結果を表1および表2に併せて示す。
[粘度測定試験]
30℃において、試料の粘度をB型粘度計にて測定した。
[使用性試験]
10名の専門パネルにより、各試料を睫毛に塗布し、塗布する際の付着性(ツキ)および滑らかさ、塗布後の睫毛のカールキープ力、乾燥後のべたつきの無さについて、それぞれ下記の評価基準により評価した。
A:専門パネル10名中8〜10名が良いと評価した
B:専門パネル10名中5〜7名が良いと評価した
C:専門パネル10名中3〜4名が良いと評価した
D:専門パネル10名中0〜2名が良いと評価した
表2中、評価結果の対比が容易となるように、表1の「比較例3」を再表記した。
表1及び2における各粉末成分は以下の通り。
1:TOSPEARL 2000B(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
2:球状シリカP−1500(日揮触媒化成株式会社製)
3:マイクロスフェアM−330(松本油脂製薬社製)
4:PDM−5L(トピー工業社製)
5:MFL−50SCA(松本油脂製薬株式会社製)
6:タルクJA68R(浅田製粉株式会社製)の表面をシリコーン樹脂で被覆したもの
表1に示されるとおり、球状粉末の配合量が不十分(1質量%)な条件で水の量を20質量%から3質量%に徐々に減らしていくと、カールキープ力は向上するが、組成物の粘度が低減し、睫毛への付着性が悪くなる傾向が確認された(比較例1〜5)。
そこで、従来の眉目化粧料に近い量の水分(水:20質量%)を含む組成において、球状粉末の配合量を増やしたところ、カールキープ力の改善は僅かな程度にとどまり、睫毛に対する付着性や塗布の際の滑らかさが損なわれてしまった(比較例6及び7)。なお、カールキープ力を改善することを意図として球状粉末の代わりに皮膜剤を増やしても、カールキープ力の上昇は僅かにとどまり、べたつきの無さや滑らかさが著しく悪化してしまった(比較例8)。また、カールキープ力が良好だった低水分含量(水:3質量%)の組成において、球状粉末の配合量を増やしたところ、睫毛への付着性が向上しないばかりか、カールキープ力が損なわれてしまった(比較例9)。
これに対し、表2に示されるとおり、水を10質量%含有する組成において、球状粉末を10質量%配合することにより、球状粉末を1質量%しか含有しない比較例3と比べて、カールキープ力及び睫毛への付着性の両方を改善することができた(実施例1)。また、球状粉末の材質を変えてもほぼ同様の効果が得られた(実施例2及び3)。
一方、球状粉末に代えて、非球状粉末(合成金雲母)を10質量%配合した場合、カールキープ力は向上したが、塗布の際の滑らかさを損なう結果となった(比較例10)。
さらに、水を10質量%含有する組成において、球状粉末の配合量を変えてみたところ、球状粉末の配合量を増やすにつれてカールキープ力が向上し(比較例3及び11、実施例1)、一定量を超えたところで緩やかな低下に転ずる傾向が見られた(比較例12及び13)。また、球状粉末の配合量を増やしすぎると、塗布の際の滑らかさが著しく低減した(比較例12及び13)。また、睫毛への付着性に関しては、球状粉末の配合量が少なすぎても多すぎても悪くなることが確認された(比較例3、12〜13)。

Claims (5)

  1. (a)水:5〜15質量%、
    (b)球状粉末:7〜13質量%、および
    (c)皮膜剤:5〜15質量%、
    を含有する油中水型乳化化粧料。
  2. 実質的にワックスを含まない請求項1記載の油中水型乳化化粧料。
  3. 粘度が15,000〜40,000である請求項1又は2に記載の油中水型乳化化粧料。
  4. 球状粉末を含む全粉末成分の合計配合量が、油中水型乳化化粧料の全体量に対して20〜50質量%であり、全粉末成分に占める球状粉末の割合が25〜40%である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の油中水型乳化化粧料。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の油中水型乳化化粧料を基剤とする眉目化粧料。
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