JP2013194011A - 6−メチルフェニルアセタート誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、6−メチルフェニルアセタート誘導体の製造方法に関する。
6−メチルフェニルアセタート誘導体は農薬中間体として重要である。例えば、除草活性を有する3−フェノキシピリダジノール誘導体は、2−シクロプロピル−6−メチルフェニルアセタートを加水分解した2−シクロプロピル6−メチルフェノールを中間体として製造されている(特許文献1)。
2−シクロプロピル−6−メチルフェニルアセタートは以下に示す方法で製造されることが既に知られている。例えば、2−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒドより2工程で2−(1,3−ジブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタートを得、金属もしくは有機金属と反応させることにより2−シクロプロピル−6−メチルフェニルアセタートを合成できることが開示されている(特許文献2)。しかしながら、この方法では2−(1,3−ジブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタートは、気体原料である塩化ビニルより調製する特殊なGrignard試薬が必要な点や、中間体の物理化学的性状、反応制御の観点から化学工学的安全性の確保が難しく、工業化に際して問題がある。
2−シクロプロピル−6−メチルフェニルアセタートは以下に示す方法で製造されることが既に知られている。例えば、2−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒドより2工程で2−(1,3−ジブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタートを得、金属もしくは有機金属と反応させることにより2−シクロプロピル−6−メチルフェニルアセタートを合成できることが開示されている(特許文献2)。しかしながら、この方法では2−(1,3−ジブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタートは、気体原料である塩化ビニルより調製する特殊なGrignard試薬が必要な点や、中間体の物理化学的性状、反応制御の観点から化学工学的安全性の確保が難しく、工業化に際して問題がある。
その他の製造例では、シンナミルアルコール誘導体と臭化アセチルとの反応により、4−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート誘導体を合成し、その後、亜鉛による分子内閉環反応を経て、4−シクロプロピルフェニルアセタート誘導体が製造できる方法が記載されている(非特許文献1)。しかしながら、2−シクロアルキル−6−メチルフェニルアセタート誘導体の製造例はなく、また分子内閉環反応とブロモメチル基の還元反応が同時に進行する例はない。
Journal of Agricultural and Food Chemistry(1999年)1981頁
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、公知反応により容易に合成可能な2−(3−ブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタートを原料とすることができ、6−メチルフェニルアセタート誘導体を効率よく、安価且つ安定的に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために、原料としての2−(3−ブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート(5)から得ることができる、2−ブロモメチル−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート(1)、2−(1,3−ジブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート(2)又はこれらの混合物を、金属、金属塩又は有機金属(3)と反応させることで、分子内環化反応とブロモメチル基の還元反応が一挙に進行し、高選択的に6−メチルフェニルアセタート誘導体(4)が得られることを見出し、これを製造方法に応用することで、農薬中間体として有用な6−メチルフェニルアセタート誘導体(4)の安価且つ安定的な工業化可能な製造方法として本発明を完成させた。すなわち、本発明は次の[1]〜[6]に関する。
[1] 式(1):
の化合物、又は式(1)の化合物と式(2):
の化合物との混合物を、金属、金属塩又は有機金属化合物(3)と反応させることを含む下記一般式(4):
[一般式(4)中、R1はシクロプロピル基を表す。]で表される6−メチルフェニルアセタート誘導体の製造方法。
の化合物、又は式(1)の化合物と式(2):
の化合物との混合物を、金属、金属塩又は有機金属化合物(3)と反応させることを含む下記一般式(4):
[一般式(4)中、R1はシクロプロピル基を表す。]で表される6−メチルフェニルアセタート誘導体の製造方法。
[3] 式(5):
の化合物を、ラジカル開始剤の存在下又は光照射下、臭素化剤と反応させて式(2):
の化合物を得、得られた式(2)の化合物を、金属、金属塩又は有機金属化合物(3)と反応させることを含む下記一般式(4):
[一般式(4)中、R1はシクロプロピル基を表す。]で表される6−メチルフェニルアセタート誘導体の製造方法。
の化合物を、ラジカル開始剤の存在下又は光照射下、臭素化剤と反応させて式(2):
の化合物を得、得られた式(2)の化合物を、金属、金属塩又は有機金属化合物(3)と反応させることを含む下記一般式(4):
[一般式(4)中、R1はシクロプロピル基を表す。]で表される6−メチルフェニルアセタート誘導体の製造方法。
[4] 金属、金属塩又は有機金属化合物(3)における金属が亜鉛、亜鉛合金類及びマグネシウムから選択される[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[6] 式(1)の2−(ブロモメチル)−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート。
本発明によれば、農薬中間体として有用な6−メチルフェニルアセタート誘導体(4)を工業的に応用可能な方法で安価、かつ安定的に製造することが可能である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の6−メチルフェニルアセタート誘導体(4)の製造法は、2−(3−ブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート(5)を、ラジカル開始剤の存在下又は光照射下、臭素化剤と反応させて得ることができる2−(ブロモメチル)−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート(1)、2−(1,3−ジブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート(2)又はこれらの混合物を金属、金属塩又は有機金属化合物M(3)と反応させることを含む。これにより、安定的且つより安価に6−メチルフェニルアセタート誘導体(4)を製造することが可能となる。
本発明の6−メチルフェニルアセタート誘導体(4)の製造法は、2−(3−ブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート(5)を、ラジカル開始剤の存在下又は光照射下、臭素化剤と反応させて得ることができる2−(ブロモメチル)−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート(1)、2−(1,3−ジブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート(2)又はこれらの混合物を金属、金属塩又は有機金属化合物M(3)と反応させることを含む。これにより、安定的且つより安価に6−メチルフェニルアセタート誘導体(4)を製造することが可能となる。
本発明においては、前記(1)、(2)又はそれらの混合物を有機溶剤又は有機溶剤と水の混合溶媒中で金属、金属塩又は有機金属化合物M(3)を作用させることにより、分子内3員環形成反応を行い前記一般式(4)で表される6−メチルフェニルアセタート誘導体を製造する。
前記有機溶剤とは、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノ−ル、t−ブチルアルコール等のアルコール類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類を挙げることができる。好適な有機溶剤は、エーテル類およびアルコール類である。
これらの溶媒はそれぞれ単独で用いてもよいが、2種類以上を任意の割合で組み合わせて使用することも出来る。
また、水と混和する有機溶剤においては、水と任意の割合の混合溶剤として使用することもできる。有機溶剤と水の混合割合としては、特に制限はないが、反応収率の観点から40重量%以上70重量%以下が好適である。
また、水と混和する有機溶剤においては、水と任意の割合の混合溶剤として使用することもできる。有機溶剤と水の混合割合としては、特に制限はないが、反応収率の観点から40重量%以上70重量%以下が好適である。
有機溶剤の使用量は、用いる原料に対して0.5倍重量以上であることが好ましい。また上限は特に設けないが、反応収率および操作性の観点から5倍重量以上であることが好適であり、また経済的観点から20倍重量以下とするのがより好適である。
前記金属、金属塩又は有機金属化合物とは、ハロゲン化物をハロゲン−金属交換反応により有機金属化合物に変換できるものであれば特に限定は無いが、例えば、リチウム、リチウム合金、ナトリウム、マグネシウム、マグネシウム塩、カリウム、ニッケル、ニッケル塩、銅、銅塩、亜鉛、亜鉛塩、亜鉛合金類(亜鉛−銅合金、亜鉛−銀合金など)、クロム、クロム塩、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミドなどが挙げられる。好適な金属は、亜鉛、亜鉛合金類、又はマグネシウムである。
金属、金属塩もしくは有機金属化合物は反応基質に対して0.5〜10当量用いられ、好適には1〜5当量である。
反応温度は、反応試薬及び溶媒等により異なるが、通常0℃〜200℃であり、反応速度および経済性の観点から40℃〜80℃が好適である。
本発明における前記(1)、(2)又はそれらの混合物は、前記(5)を有機溶剤又は無溶媒中、臭素化剤を用い、ラジカル開始剤存在下又は光照射下でベンジル位の臭素化を行うことにより製造できる。
前記有機溶剤とは、例えば、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類を挙げることができる。好適にはハロゲン化芳香族炭化水素類および脂環式炭化水素類である。これらの溶剤はそれぞれ単独で用いてもよいが、2種類以上を任意の割合で組み合わせて使用することも出来る。
有機溶剤の使用量は、用いる原料に対して0.5倍重量以上であることが好ましい。また上限は特に設けないが、反応収率の観点から10倍重量以上であることが好適であり、また経済的観点から20倍重量以下とするのがより好適である。
前記ラジカル開始剤とは、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどのペルオキシド化合物、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、パーロイルTCPなどの有機過酸化物、N−ブロモスクシンイミドなどの窒素化合物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスシアノ吉草酸などのアゾ化合物類などを挙げることができる。好適には過酸化ベンゾイルおよび2,2’−アゾビスイソブチロニトリルである。これらのラジカル開始剤は単独で用いてもよいが、2種類以上を任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
ラジカル開始剤は、熱または光により反応を開始させることができる。好適には熱による反応の開始であるが、熱および光を組み合わせて使用することもできる。ラジカル開始剤は反応基質に対して0.005〜1当量用いられ、好適には0.005〜0.3当量である。
前記光照射は、反応試薬及び溶媒等により異なるが、照射する光の波長が通常1〜1000nm程度であり、好適には200〜600nm程度である。
前記臭素化剤とは、臭素、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモフタルイミド、N−ブロモマレイミド、N−ブロモアセトアミド、N−ブロモスルホンアミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインなどが挙げられる。好適には1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインおよび臭素である。
臭素化剤はラジカル開始剤の存在下、又は光照射下で使用することができる。好適にはラジカル開始剤との組み合わせであるが、光照射と組み合わせて使用することもできる。臭素化剤は反応基質に対して0.5〜5当量用いられ、好適には1〜3当量である。
反応温度は、反応試薬及び溶媒等により異なるが、通常0℃〜200℃であり、反応速度および経済性の観点から50℃〜100℃が好適である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
エタノール20.0gに室温下、2−ブロモメチル−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート2.00g(4.66mmol)を溶解させ、攪拌しながら70℃まで加温し、85%亜鉛−銅合金1.08g(14.0mmol)を加え、2.5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチルと水を加えて攪拌し、セライトを通じて不溶物を濾別した。分液後有機相に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え攪拌した。生じた白色沈殿を桐山漏斗を通じて濾別し、濾液を分液して得られた有機相を高速液体クロマトグラフィーで分析することにより、2−シクロプロピル−6−メチルフェニルアセタート0.27g(収率:30.7%)が生成していることを確認した。
エタノール20.0gに室温下、2−ブロモメチル−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート2.00g(4.66mmol)を溶解させ、攪拌しながら70℃まで加温し、85%亜鉛−銅合金1.08g(14.0mmol)を加え、2.5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチルと水を加えて攪拌し、セライトを通じて不溶物を濾別した。分液後有機相に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え攪拌した。生じた白色沈殿を桐山漏斗を通じて濾別し、濾液を分液して得られた有機相を高速液体クロマトグラフィーで分析することにより、2−シクロプロピル−6−メチルフェニルアセタート0.27g(収率:30.7%)が生成していることを確認した。
[実施例2]
亜鉛粉末に3.3%塩酸水溶液を装入し、室温で10分攪拌した後、桐山漏斗を通じて亜鉛粉末を濾取した。得られた亜鉛粉末を純水、エタノール、テトラヒドロフランの順に洗浄後、乾燥し活性化亜鉛粉末を得た。
得られた活性化亜鉛粉末0.885g(13.5mmol)と2−ブロモメチル−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート1.93g(4.51mmol)にテトラヒドロフラン15.5mlと水7.74mlを加え攪拌した。反応液を65℃まで加温したのち、4時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、1,2−ジクロロエタンと水を加え、桐山漏斗を通じて不溶物を濾別した。濾液を分液して得られた有機相を高速液体クロマトグラフィーで分析することにより、2−シクロプロピル−6−メチルフェニルアセタート0.66g(収率:76.8%)が生成していることを確認した。
亜鉛粉末に3.3%塩酸水溶液を装入し、室温で10分攪拌した後、桐山漏斗を通じて亜鉛粉末を濾取した。得られた亜鉛粉末を純水、エタノール、テトラヒドロフランの順に洗浄後、乾燥し活性化亜鉛粉末を得た。
得られた活性化亜鉛粉末0.885g(13.5mmol)と2−ブロモメチル−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート1.93g(4.51mmol)にテトラヒドロフラン15.5mlと水7.74mlを加え攪拌した。反応液を65℃まで加温したのち、4時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、1,2−ジクロロエタンと水を加え、桐山漏斗を通じて不溶物を濾別した。濾液を分液して得られた有機相を高速液体クロマトグラフィーで分析することにより、2−シクロプロピル−6−メチルフェニルアセタート0.66g(収率:76.8%)が生成していることを確認した。
シクロヘキサン169gに室温下、2−(3−ブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート16.9g(62.4mmol)と過酸化ベンゾイル202mg(25%含水品、0.62mmol)を溶解させ、攪拌しながら50℃まで加温し、臭素12.0g(74.9mmol)を2時間かけて滴下した後、6.5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル7.00gを加え希釈し7%炭酸水素ナトリウム水溶液102gを滴下し攪拌後、分液して得られた有機相を、10%亜硫酸ナトリウム水溶液85.0g、水85.0gで洗浄した。得られた有機相を高速液体クロマトグラフィーで分析することにより、2−(1,3−ジブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート14.7g(収率:67.3%)及び2−ブロモメチル−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート1.99g(収率:7.43%)が生成していることを確認した。減圧下有機相の溶媒を留去し、得られた2−(1,3−ジブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート14.7g(42.0mmol)及び2−ブロモメチル−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート1.99g(4.64mmol)の混合物に、t−ブチルアルコール125gと水80.2gを加え攪拌した。亜鉛粉末に3.3%塩酸水溶液を装入し、室温で10分攪拌した後、桐山漏斗を通じて亜鉛粉末を濾取し、純水、エタノール、テトラヒドロフランの順に洗浄後、乾燥して得られた活性化亜鉛粉末11.3g(173mmol)を加え、反応液を75℃まで加温したのち、6時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、1,2−ジクロロエタンと水を加え、桐山漏斗を通じて不溶物を濾別した。濾液を分液して得られた有機相を高速液体クロマトグラフィーで分析することにより、2−シクロプロピル−6−メチルフェニルアセタート7.98g(収率:89.9%)が生成していることを確認した。
クロロベンゼン37.0gに室温下、2−(3−ブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート3.70g(13.7mmol)を溶解させた後、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)112mg(0.68mmol)と1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン6.04g(20.5mmol)を加え、90℃まで加温し3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、7%炭酸水素ナトリウム水溶液37.0gを滴下し攪拌後、分液して得られた有機相を、5%亜硫酸ナトリウム水溶液37.0g、及び水37.0gで洗浄した。得られた有機相を高速液体クロマトグラフィーで分析することにより、2−(1,3−ジブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート0.40g(収率:8.27%)及び2−ブロモメチル−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート3.97g(収率:67.7%)が生成していることを確認した。
有機相を減圧下で溶媒を留去した後、得られた残渣を桐山漏斗で濾取し、酢酸エチルとヘキサンで洗浄し、2−ブロモメチル−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタートを得た。
1H−NMR(CDCl3):δ2.40−2.51 (1H,m),2.46 (3H,s),2.62−2.69(1H,m),3.52−3.57(1H,m),3.60−3.66(1H,m),4.33(1H,d,J=10.0Hz),4.41(1H,d,J=10.8Hz),5.29(2H,dd,J=12.0、4.2Hz),7.29(1H,dd,J=7.6Hz),7.41(1H,dd,J=7.6,1.6Hz),7.58(1H,dd,J=7.6,1.6Hz).
1H−NMR(CDCl3):δ2.40−2.51 (1H,m),2.46 (3H,s),2.62−2.69(1H,m),3.52−3.57(1H,m),3.60−3.66(1H,m),4.33(1H,d,J=10.0Hz),4.41(1H,d,J=10.8Hz),5.29(2H,dd,J=12.0、4.2Hz),7.29(1H,dd,J=7.6Hz),7.41(1H,dd,J=7.6,1.6Hz),7.58(1H,dd,J=7.6,1.6Hz).
[実施例5]
クロロベンゼン50.0gに室温下、2−(3−ブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート5.91g(18.4mmol)と過酸化ベンゾイル59.4mg(25%含水品、0.18mmol)を溶解させ、攪拌しながら50℃まで加温し、臭素5.40g(33.1mmol)を1時間かけて滴下した後、5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、7%炭酸水素ナトリウム水溶液30.0gを滴下し攪拌後、分液して得られた有機相を、5%亜硫酸ナトリウム水溶液50.0g、水50.0gで洗浄した。得られた有機相を高速液体クロマトグラフィーで分析することにより、2−(1,3−ジブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート3.74g(収率:57.9%)及び2−ブロモメチル−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート1.71g(収率:21.6%)が生成していることを確認した。
クロロベンゼン50.0gに室温下、2−(3−ブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート5.91g(18.4mmol)と過酸化ベンゾイル59.4mg(25%含水品、0.18mmol)を溶解させ、攪拌しながら50℃まで加温し、臭素5.40g(33.1mmol)を1時間かけて滴下した後、5時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、7%炭酸水素ナトリウム水溶液30.0gを滴下し攪拌後、分液して得られた有機相を、5%亜硫酸ナトリウム水溶液50.0g、水50.0gで洗浄した。得られた有機相を高速液体クロマトグラフィーで分析することにより、2−(1,3−ジブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタート3.74g(収率:57.9%)及び2−ブロモメチル−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート1.71g(収率:21.6%)が生成していることを確認した。
以上から、本発明の製造方法によって、6−メチルフェニルアセタート誘導体(4)を効率よく、安価且つ安定的に製造することができ、出発物質の原料を公知反応により容易に合成可能な2−(3−ブロモプロピル)−6−メチルフェニルアセタートとすることができる。
Claims (6)
- 金属、金属塩又は有機金属化合物(3)における金属が亜鉛、亜鉛合金類及びマグネシウムから選択される請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 式(1)の2−(ブロモメチル)−6−(1,3−ジブロモプロピル)フェニルアセタート。
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