JP2013193992A - メタクリル酸アルキルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率よくアルキルメタクリレートを製造する方法を提供すること。
【解決手段】第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物を含む触媒の存在下、一酸化炭素及び炭素数1〜3のアルコールをメチルアセチレンと反応させるメタクリル酸アルキルの製造方法であって、プロパジエン含有量が50重量ppm以下であるメチルアセチレンを使用し、メチルアセチレンの使用量が、第10族金属化合物1モルに対して200000モル以上であり、かつ第10族金属化合物1モルに対して40000モル以下の水の存在下に前記反応を行うことを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物を含む触媒の存在下、一酸化炭素及び炭素数1〜3のアルコールをメチルアセチレンと反応させるメタクリル酸アルキルの製造方法であって、プロパジエン含有量が50重量ppm以下であるメチルアセチレンを使用し、メチルアセチレンの使用量が、第10族金属化合物1モルに対して200000モル以上であり、かつ第10族金属化合物1モルに対して40000モル以下の水の存在下に前記反応を行うことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、メタクリル酸アルキルの製造方法に関するものである。
メタクリル酸アルキルを製造する方法として、例えば、特許文献1には、パラジウム化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物を触媒として用い、メチルアセチレンを一酸化炭素及びメタノールと反応させメタクリル酸メチルを製造する方法が開示されている。
しかしながら、上記従来の方法では、メタクリル酸アルキルの製造において、パラジウム金属当たりの生産性の点で、必ずしも満足のいくものではなかった。
そこで、本発明の目的は、効率よくメタクリル酸アルキルを製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を行った結果、メタクリル酸アルキルを製造するにあたり、使用されるメタノール等の低級アルコールには通常水が少量含まれており、この水分が触媒活性に影響を及ぼすことを見出した。そして、この水分量を触媒に対して所定量以下とすることにより、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物を含む触媒の存在下、一酸化炭素及び炭素数1〜3のアルコールをメチルアセチレンと反応させるメタクリル酸アルキルの製造方法であって、プロパジエン含有量が50重量ppm以下であるメチルアセチレンを使用し、メチルアセチレンの使用量が、第10族金属化合物1モルに対して200000モル以上であり、かつ第10族金属化合物1モルに対して40000モル以下の水の存在下に前記反応を行うことを特徴とするメタクリル酸アルキルの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、メタクリル酸アルキルを効率良く製造することができる。
本発明においては、第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物を含む触媒の存在下、一酸化炭素及び炭素数1〜3のアルコールをメチルアセチレンと反応させる。
本発明の方法において用いられるメチルアセチレンは、プロパジエンの含有量が50重量ppm以下のものであり、好ましくは30重量ppm以下、より好ましくは20重量ppm以下、一層好ましくは10重量ppm以下、最も好ましくは5重量ppm以下のものである。メチルアセチレンは、反応を著しく阻害するもので無い限りは、プロパジエンのほかにも不純物を含んでいてもよい。かかる不純物として具体的には、ブタジエン、プロピレン、ブテン、プロパン、一酸化炭素、および二酸化炭素などがあげられる。本発明に用いられる一酸化炭素は、純粋な一酸化炭素のほか、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、アルゴン等の触媒やメチルアセチレンに不活性なガスを含んでいてもよい。
本発明の反応は、第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物を触媒として用いて実施される。通常、上記触媒は、第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物からなる混合物として使用される。第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物の使用量は、触媒量でよいが、典型的には、以下に例示するような態様で使用される。
第10族金属化合物としては、ニッケル化合物、パラジウム化合物、白金化合物が挙げられ、好ましくはパラジウム化合物を挙げることができる。かかるパラジウム化合物としては、パラジウムアセチルアセトナート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムアセテート、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、トリフルオロメタンスルホン酸パラジウム、硫酸パラジウム、塩化パラジウム及びこれらの混合物を挙げることができる。パラジウム化合物として、より好ましくは、パラジウムアセチルアセトナート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムアセテート、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、トリフルオロメタンスルホン酸パラジウム、硫酸パラジウム及びこれらの混合物であり、さらに好ましくは酢酸パラジウムである。第10族金属化合物の使用量はメチルアセチレン1モルに対して、1/200000モル以下であるが、好ましくは1/1000000〜1/200000モルの範囲である。すなわち、メチルアセチレンの使用量が、第10族金属化合物1モルに対して200000モル以上であり、好ましくは200000〜1000000モルの範囲である。
ホスフィン化合物は特に限定されないが、通常は第3級ホスフィン化合物が用いられ、好ましくは下記式(1)
で表される芳香族第3級ホスフィン化合物が用いられる。
上記式(1)で表される芳香族第3級ホスフィン化合物の中でも、nが1〜3の整数で表される芳香族第3級ピリジルホスフィン化合物がより好ましい。芳香族第3級ピリジルホスフィン化合物として、具体的には、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン、ジフェニル(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル(6−エチル−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル[6−(n−プロピル)−2−ピリジル]ホスフィン、ジフェニル[6−(iso−プロピル)−2−ピリジル]ホスフィン、ジフェニル[6−(n−ブチル)−2−ピリジル]ホスフィン、ジフェニル[6−(iso−ブチル)−2−ピリジル]ホスフィン、ジフェニル(6−フェニル−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル(6−ヒドロキシ−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル(6−メトキシ−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル(6−フルオロ−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル(6−クロロ−2−ピリジル)ホスフィン、ジフェニル(6−ブロモ−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−フルオロフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−クロロフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−ブロモフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(3−メチルフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−メチルフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−メトキシフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル](2−ピリジル)ホスフィン、ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−フルオロフェニル)(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−クロロフェニル)(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−ブロモフェニル)(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(3−メチルフェニル)(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−メチルフェニル)(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−メトキシフェニル)(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル](6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−メチルフェニル)(6−エチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−メチルフェニル)[6−(n−プロピル)−2−ピリジル]ホスフィン、ビス(4−メチルフェニル)[6−(iso−プロピル)−2−ピリジル]ホスフィン、ビス(4−メチルフェニル)[6−(n−ブチル)−2−ピリジル]ホスフィン、ビス(4−メチルフェニル)[6−(iso−ブチル)−2−ピリジル]ホスフィン、ビス(4−メトキシフェニル)(6−エチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(4−メトキシフェニル)[6−(n−プロピル)−2−ピリジル]ホスフィン、ビス(4−メトキシフェニル)[6−(iso−プロピル)−2−ピリジル]ホスフィン、ビス(4−メトキシフェニル)[6−(n−ブチル)−2−ピリジル]ホスフィン、ビス(4−メトキシフェニル)[6−(iso−ブチル)−2−ピリジル]ホスフィン、ビス(2−ピリジル)フェニルホスフィン、トリス(2−ピリジル)ホスフィン、ビス(6−メチル−2−ピリジル)フェニルホスフィン、トリス(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(3,5−ジメチルフェニル)(2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチルフェニル)(6−メチル−2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチルフェニル)(6−エチル−2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル)(2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル)(6−メチル−2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル)(6−エチル−2−ピリジルホスフィン)が例示され、より一層好ましくは、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン、ジフェニル(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン、ビス(3,5−ジメチルフェニル)(2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチルフェニル)(6−メチル−2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル)(2−ピリジルホスフィン)、ビス(3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル)(6−メチル−2−ピリジルホスフィン)が例示される。
これらの芳香族第3級ピリジルホスフィン化合物は単独での使用に限られず、適宜混合して用いてもよい。
ホスフィン化合物の使用量は、第10族金属化合物1モルに対して、2〜300モルが好ましく、より好ましくは5〜240モルである。また、メチルアセチレン1モルに対するホスフィン化合物の使用量は、0.000020モル以上が好ましく、より好ましくは0.000020〜0.00048モルであり、プロパジエン1モルに対するホスフィン化合物の使用量は、2モル以上が好ましい。
上記の芳香族第3級ピリジルホスフィン化合物は公知の方法による製造が可能である。
例えば、特開平2−277551号公報に開示されているように、ハロゲン化ピリジンをアルキルリチウムと反応させてリチオ化した後、ホスフィンクロライドを反応させることで種々の芳香族第3級ピリジルホスフィン化合物を製造する事ができる。
例えば、特開平2−277551号公報に開示されているように、ハロゲン化ピリジンをアルキルリチウムと反応させてリチオ化した後、ホスフィンクロライドを反応させることで種々の芳香族第3級ピリジルホスフィン化合物を製造する事ができる。
また、上記芳香族第3級ピリジルホスフィン化合物に対して単座3級モノホスフィン化合物を共存させた場合にも好ましい結果が得られる。この場合の単座3級モノホスフィン化合物とは、1つのリン原子の他に配位座となるような官能基を含まない3級ホスフィン化合物である。単座3級モノホスフィン化合物としては、トリアルキルホスフィン化合物、又は、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基及びアルコキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい、同一又は相異なるアリール基を有する芳香族3級ホスフィン化合物が例示される。かかる単座3級モノホスフィン化合物としては、具体的には、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、(4−メチルフェニル)(ジフェニル)ホスフィン及びこれらの混合物が例示され、好ましくは前記の芳香族3級ホスフィン化合物、更に好ましくはトリフェニルホスフィンが用いられる。その使用量に特に制限は無いが、第10族金属化合物1モルに対して好ましくは、1〜600モルの範囲であり、より好ましくは1〜300モルの範囲である。
プロトン酸としては、有機又は無機のプロトン酸が例示される。プロトン酸として、具体的には、ホウ酸、オルトリン酸、ピロリン酸、硫酸、ハロゲン化水素酸、ベンゼンリン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、クロロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリメチルメタンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタイド及びこれらの混合物が例示され、好ましくは、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、クロロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリメチルメタンスルホン酸等のスルホン酸化合物、さらに好ましくはメタンスルホン酸が使用される。その使用量は、特に限定されないが、第10族金属化合物1モルに対して好ましくは、3〜300モルで十分であり、より好ましくは、10〜240モルである。
前記反応において、触媒としてアミン化合物の使用は必須ではないが、アミン化合物の共存下での反応は好ましい結果を与える場合がある。アミン化合物は、特に限定されないが、通常、公知の3級アミン又は環状アミンが用いられる。アミン化合物として、具体的には、N,N−ジアルキルアニリン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、トリアジン、イミダゾール、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン及びこれらの混合物が例示され、好ましくはN,N−ジメチルアニリン、ピリジンである。アミン化合物の添加量に制限はないが、好ましくはプロトン酸1モルに対して1〜50モル、より好ましくは1〜10モルの範囲である。
本発明に用いられる炭素数1〜3のアルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコールを挙げることができる。好ましい実施形態として、メタノールを反応させることでメタクリル酸メチルを製造する形態が挙げられる。該アルコールの使用量は、該アルコールに含まれる水分量に応じて、反応系に存在する水が第10族金属化合物1モルに対して40000モル以下となるように適宜調整される。該アルコールに含まれる水分量は、1000重量ppm以下が好ましく、750重量ppm以下がより好ましく、500重量ppm以下がさらに好ましく、100重量ppm以下が特に好ましい。メチルアセチレン1モルに対する該アルコールの使用量は、1モル以上が好ましく、1〜5モルが好ましい。
本発明においては、第10族金属化合物1モルに対して40000モル以下の水の存在下に前記反応を行う。反応系に存在する水の量は、第10族金属化合物1モルに対して、4000モル以下が好ましく、より好ましくは1000モル以下であり、さらに好ましくは500モル以下であり、また、下限については特に制限されないが、通常10モル以上である。反応系に存在する水の量の調整は、炭素数1〜3のアルコールに含まれる水分量の調整により行うのがよい。炭素数1〜3のアルコールに含まれる水分量の調整は、例えば、該アルコールを、モレキュラーシーブ、アルミナ、シリカゲル、Na2SO4、MgSO4、CuSO4、P2O5、CaH2、BaO、CaO等の乾燥剤で処理し、炭素数1〜3のアルコールに含まれる水分量を低減させることにより行うことができる。
本発明の反応においては、溶媒の使用は必須ではないが、メチルアセチレン・プロパジエンの分圧を低くすることが好ましく、好適には前記の炭素数1〜3のアルコールを溶媒の代わりに過剰に用いる。しかし、別途、別の溶媒を使用することも可能である。使用できる溶媒及びその使用量は、前記反応において第10族金属化合物1モルに対して40000モル以下の水の存在下となり、アルコキシカルボニル化反応を大きく阻害するものでなければ特に限定されないが、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、スホキシド類、スルホン類、エステル類、ケトン類、エーテル類、アミド類、アルコール類、イオン性液体及びこれらの混合物が挙げられる。溶媒として、具体的にはトルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、酢酸メチル、酢酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、アニソール、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジブチルエーテル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ブタノール及びこれらの混合物が例示される。
前記反応において、その反応温度に特に制限はないが、好ましくは、20〜100℃の範囲において実施される。また、反応時間は、触媒使用量や反応温度並びに圧力等の条件にもよるが、通常は0.5〜48時間である。前記反応における反応圧力は特に限定されないが、好ましくは0.5〜10MPaG(ゲージ圧)であり、より好ましくは1.0〜7MPaG(ゲージ圧)の範囲である。このときの一酸化炭素分圧は特に限定されないが、好ましくは0.5〜10MPaG(ゲージ圧)であり、より好ましくは1.0〜7MPaG(ゲージ圧)の範囲である。本発明の反応の実施態様は特に限定されず、例えば、バッチ方式でも連続方式でもよい。
前記反応において得られるメタクリル酸アルキルとして、具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸アルキルを挙げることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
製造例1
窒素置換した1000mlのシュレンク管中に、酢酸パラジウム184mg(0.80mmol)、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン3.276g(12.1mmol)をメタノール350mlに溶解させ、パラトルエンスルホン酸一水和物3.574g(18.6mmol)を加え、室温で撹拌し、触媒溶液を得た。得られた触媒溶液を窒素置換した1100mlオートクレーブ中に導入し、エタノール/ドライアイス浴によって冷却した。冷却したオートクレーブ中にメチルアセチレン219g(5.4mol、プロパジエン含有量15〜23重量ppm)を導入し、一酸化炭素で加圧し1.0MPaG(ゲージ圧)に保持した(反応中は全圧が1.0MPaG(ゲージ圧)となるよう、減圧弁にて消費分の一酸化炭素を常時導入した)。50℃で2.5時間撹拌した後、反応液を再びエタノール/ドライアイス浴によって冷却した。未反応の一酸化炭素を抜いた後、35℃まで加熱して気化してきたメチルアセチレンガスを予めエタノール/ドライアイス浴によって冷却していたシュレンク管中に液体として捕集し、ボンベにそのまま充填することでプロパジエン含有量が1重量ppmであるメチルアセチレン83gを得た。
窒素置換した1000mlのシュレンク管中に、酢酸パラジウム184mg(0.80mmol)、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン3.276g(12.1mmol)をメタノール350mlに溶解させ、パラトルエンスルホン酸一水和物3.574g(18.6mmol)を加え、室温で撹拌し、触媒溶液を得た。得られた触媒溶液を窒素置換した1100mlオートクレーブ中に導入し、エタノール/ドライアイス浴によって冷却した。冷却したオートクレーブ中にメチルアセチレン219g(5.4mol、プロパジエン含有量15〜23重量ppm)を導入し、一酸化炭素で加圧し1.0MPaG(ゲージ圧)に保持した(反応中は全圧が1.0MPaG(ゲージ圧)となるよう、減圧弁にて消費分の一酸化炭素を常時導入した)。50℃で2.5時間撹拌した後、反応液を再びエタノール/ドライアイス浴によって冷却した。未反応の一酸化炭素を抜いた後、35℃まで加熱して気化してきたメチルアセチレンガスを予めエタノール/ドライアイス浴によって冷却していたシュレンク管中に液体として捕集し、ボンベにそのまま充填することでプロパジエン含有量が1重量ppmであるメチルアセチレン83gを得た。
実施例1
シュレンク管中で50mLのメタノール(含水量:53重量ppm)に酢酸パラジウム2.7mg(0.0118mmol)とジフェニル(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン200mg(0.707mmol)を溶解させた後、N,N−ジメチルアニリン0.23ml(1.77mmol)、メタンスルホン酸70μl(1.06mmol)を加え触媒溶液を調製した。この触媒溶液を1.26ml分取(パラジウム0.000295mmol、ジフェニル(6−メチル−2ピリジル)ホスフィン0.0177mmol相当)し、窒素雰囲気下で内容積230mlのステンレス製オートクレーブに導入後、更に29mlのメタノール(含水量:53重量ppm)を導入した。
シュレンク管中で50mLのメタノール(含水量:53重量ppm)に酢酸パラジウム2.7mg(0.0118mmol)とジフェニル(6−メチル−2−ピリジル)ホスフィン200mg(0.707mmol)を溶解させた後、N,N−ジメチルアニリン0.23ml(1.77mmol)、メタンスルホン酸70μl(1.06mmol)を加え触媒溶液を調製した。この触媒溶液を1.26ml分取(パラジウム0.000295mmol、ジフェニル(6−メチル−2ピリジル)ホスフィン0.0177mmol相当)し、窒素雰囲気下で内容積230mlのステンレス製オートクレーブに導入後、更に29mlのメタノール(含水量:53重量ppm)を導入した。
触媒溶液の入ったオートクレーブをエタノール/ドライアイス浴下に冷却し、プロパジエン濃度が3ppmのメチルアセチレン10.6g(メチルアセチレン含有量:259mmol、プロパジエン含有量:0.0008mmol)を導入後、一酸化炭素(CO)で加圧し1.5MPaG(ゲージ圧)に保持した。尚、反応系中に存在する水/パラジウムのモル比は、230であり、反応に使用したメタノール/メチルアセチレンのモル比は、2.9であった。反応中はCO分圧を1.5MPaG(ゲージ圧)に保つ為、減圧弁にて消費分の一酸化炭素を常時導入した。反応温度50℃で6.7時間保持した後の反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により定量分析したところ、メタクリル酸メチルの生成量は73万モル/Pdモルであった。
実施例2
メタノール(含水量:53重量ppm)に代えて、メタノール(含水量:500重量ppm)を使用し、プロパジエン濃度が3ppmのメチルアセチレン10.6gに代えて、プロパジエン濃度が1ppmのメチルアセチレン10.2g(メチルアセチレン含有量:253mmol、プロパジエン含有量:0.0003mmol)を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、メタクリル酸メチルの生成量は71万モル/Pdモルであった。尚、反応系中に存在する水/パラジウムのモル比は、2200であり、反応に使用したメタノール/メチルアセチレンのモル比は、3.0であった。
メタノール(含水量:53重量ppm)に代えて、メタノール(含水量:500重量ppm)を使用し、プロパジエン濃度が3ppmのメチルアセチレン10.6gに代えて、プロパジエン濃度が1ppmのメチルアセチレン10.2g(メチルアセチレン含有量:253mmol、プロパジエン含有量:0.0003mmol)を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、メタクリル酸メチルの生成量は71万モル/Pdモルであった。尚、反応系中に存在する水/パラジウムのモル比は、2200であり、反応に使用したメタノール/メチルアセチレンのモル比は、3.0であった。
比較例1
メタノール(含水量:53重量ppm)に代えて、メタノール(含水量:1.0重量%)を使用し、プロパジエン濃度が3ppmのメチルアセチレン10.6gに代えて、プロパジエン濃度が2ppmのメチルアセチレン10.8g(メチルアセチレン含有量:265mmol、プロパジエン含有量:0.0005mmol)を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、メタクリル酸メチルの生成量は56万モル/Pdモルであった。尚、反応系中に存在する水/パラジウムのモル比は、45000であり、反応に使用したメタノール/メチルアセチレンのモル比は、2.8であった。
メタノール(含水量:53重量ppm)に代えて、メタノール(含水量:1.0重量%)を使用し、プロパジエン濃度が3ppmのメチルアセチレン10.6gに代えて、プロパジエン濃度が2ppmのメチルアセチレン10.8g(メチルアセチレン含有量:265mmol、プロパジエン含有量:0.0005mmol)を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、メタクリル酸メチルの生成量は56万モル/Pdモルであった。尚、反応系中に存在する水/パラジウムのモル比は、45000であり、反応に使用したメタノール/メチルアセチレンのモル比は、2.8であった。
実施例、参考例及び比較例で得られた結果を表1に示す。
本発明は、アルコキシカルボニル化合物、具体的には、メタクリル酸アルキル、特にメタクリル酸メチルの製造に利用できる。
Claims (12)
- 第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物を含む触媒の存在下、一酸化炭素及び炭素数1〜3のアルコールをメチルアセチレンと反応させるメタクリル酸アルキルの製造方法であって、
プロパジエン含有量が50重量ppm以下であるメチルアセチレンを使用し、メチルアセチレンの使用量が、第10族金属化合物1モルに対して200000モル以上であり、かつ第10族金属化合物1モルに対して40000モル以下の水の存在下に前記反応を行うことを特徴とするメタクリル酸アルキルの製造方法。 - 第10族金属化合物1モルに対して4000モル以下の水の存在下に前記反応を行う請求項1に記載の製造方法。
- 第10族金属化合物1モルに対して1000モル以下の水の存在下に前記反応を行う請求項1に記載の製造方法。
- 炭素数1〜3のアルコールに含まれる水分量が1000重量ppm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 炭素数1〜3のアルコールに含まれる水分量が500重量ppm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- ホスフィン化合物の使用量が、メチルアセチレン1モルに対して0.000020モル以上である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 触媒がアミン化合物をさらに含む請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- ホスフィン化合物の使用量が、プロパジエン1モルに対して2モル以上である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 第10族金属化合物がパラジウム化合物である請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
- ホスフィン化合物が芳香族第3級ピリジルホスフィンである請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
- プロトン酸がスルホン酸化合物である請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
- アミン化合物がN,N−ジメチルアニリンである請求項7〜11のいずれかに記載の製造方法。
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