JP2013193937A - 水素発生装置及び燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】大掛かりな機構を要さずに水素の発生量を容易に制御することができる水素発生装置及び燃料電池を提供する。
【解決手段】水素発生溶液と反応促進溶液の混合により、水素を生成する水素発生装置1において、反応室2に水素発生溶液と反応促進溶液を導入し、水素を発生させ、水素発生による体積膨張の力により反応室2内の溶液を反応室2から排出する。
【選択図】図1

Description

本発明は水素発生装置及び燃料電池に関する。
燃料電池は、固体高分子電解質膜を挟んでアノードとカソードを有する発電部を有し、アノード側に水素やメタノール等の燃料流体を供給し、カソード側に酸素や空気等の酸化用流体を供給し、電気化学反応により電力を発生する。
当該燃料流体としての水素を低エネルギーで得る方法として、ケミカルハイドライドと呼ばれる金属水素化物(例えば、水素化ホウ素リチウムや水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムナトリウム)を加水分解する方法が知られている。
金属水素化物を加水分解して水素を得る場合、常温に近い低温で加水分解反応が進むため、効率よく水素を得ることができる。反面、水素発生量を制御することが難しいという問題があった。
この問題に対し、金属水素化物を含む金属水素化物水溶液のpHを調節することで、加水分解の反応速度を制御する、水素発生技術が知られている(例えば、特許文献1)。この技術は、金属水素化物水溶液のpHが低い程反応速度が増加し、pHが高い程反応速度が低下することを利用している。つまり、この技術では、反応槽内の金属水素化物と金属水素化物に付加する水の量を制御することにより、金属水素化物水溶液のpHを変化させる。これにより、加水分解の反応速度を変化させ、要求量に応じた水素を生成させることができる。
しかし、この場合、pHの制御を反応槽内の金属水素化物への水の投入により行うので、例えば、水素を発生させている状態から水素の発生を停止させる場合などでは、pHを大幅に変化させるために大量の水が必要とされる。また、生成物の排除と水を循環再利用するための分離器を反応槽とは別に設ける構成も提案されているが、分離器や循環のための流路やポンプなどの複雑な機構が必要となる。このようなことから、上記技術を用いた燃料電池は大型化が避けられず、小型化を必要とする機器に適用するには向かない。
特開2002−128502号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、大掛かりな機構を要さずに、簡易な構造で安定した水素の発生反応を行うことができ、小型化が可能な水素発生装置及び燃料電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の水素発生装置は水素発生溶液と当該水素発生溶液との混合により水素を発生する反応促進溶液とを混合する反応室と、水素発生溶液を反応室に導入する水素発生溶液導入路と、反応促進溶液を反応室に導入する反応促進溶液導入路と、反応室から水素を排出する水素流通路と、反応室での水素の発生に応じた体積膨張の力により、反応室から押し出される水素発生溶液と反応促進溶液との反応後の溶液である反応室内溶液を排出する溶液排出流路と、を備えることを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、水素発生溶液と反応促進溶液との反応後の溶液である反応室内溶液が、反応室での水素発生による体積膨張の力により反応室から排除され、反応室での水素発生溶液と反応促進溶液の反応状態を安定させることができ、安定した水素の発生反応を行うことができ、安定した水素供給が可能である。また、大掛かりな機構を要さずに、簡易な構造とすることができ、小型化が可能な水素発生装置とすることができる。
そして、請求項2に係る本発明の水素発生装置は、請求項1に記載の水素発生装置において、水素発生溶液導入路は、水素発生溶液の反応室への導入を制御する送液手段を有することを特徴とする。
請求項2に係る本発明では、送液手段により、水素発生溶液の反応室への導入を制御することにより、反応室での水素発生反応を確実に行うことができる。
そして、請求項3に係る本発明の水素発生装置は、請求項1又は請求項2に記載の水素発生装置において、反応促進溶液導入路は、反応促進溶液の反応室への導入を制御する反応促進溶液導入弁を有し、溶液排出流路は、反応室内溶液の排出を制御する溶液排出弁を有することを特徴とする。
請求項3に係る本発明では、反応促進溶液の反応室への導入や反応室内溶液の反応室からの排出を弁体により制御することにより、反応室からの反応室内溶液の排出や反応室への反応促進溶液の導入を確実に行い、反応室での水素発生溶液と反応促進溶液の反応状態を安定させることができ、安定した水素の発生反応を行うことができる。
そして、請求項4に係る本発明の水素発生装置は、請求項3に記載の水素発生装置において、反応促進溶液導入弁は、反応室の圧力が規定値以下のときに弁を開放することで、反応促進溶液を反応室に導入する開閉弁であり、溶液排出弁は、反応室の圧力が規定値以上のときに弁を開放することで、反応室内溶液を排出する開閉弁であることを特徴とする。
請求項4に係る本発明では、反応促進溶液の反応室への導入や反応室内溶液の反応室からの排出を反応室の圧力に応じて制御することにより、安定した圧力で水素の供給を行うことができる。
そして、請求項5に係る本発明の水素発生装置は、請求項3又は4に記載の水素発生装置において、反応促進溶液導入弁は、反応促進溶液導入路の流通を反応室に向かう一方向に規制する逆止弁であり、溶液排出弁は、溶液排出流路の流通を反応室から外側に向かう一方向に規制する逆止弁であることを特徴とする。
請求項5に係る本発明では、簡易な構造の逆止弁を用いて反応促進溶液および反応室内溶液の流通を制御するので、大掛かりな機構を要さずに、簡易な構造とすることができ、小型化が可能な水素発生装置とすることができる。
そして、請求項6に係る本発明の水素発生装置は、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の水素発生装置において、反応促進溶液を加圧する加圧手段を有することを特徴とする。
請求項6に係る本発明では、反応促進溶液の圧力や、廃溶液の圧力を調整することができ、水素供給圧力を調整することができる水素発生装置とすることができる。
そして、請求項7に係る本発明の水素発生装置は、請求項2から請求項6に記載の水素発生装置において、送液手段は、反応室の圧力が規定値以下のとき、水素発生溶液を反応室に導入することを特徴とする。
請求項7に係る本発明では、反応室の圧力に応じて水素発生溶液を反応室に導入することができ、確実に水素発生反応を制御することができ、安定した水素供給を行うことができる。
そして、請求項8に係る本発明の水素発生装置は、請求項2から請求項7の何れか一項に記載の水素発生装置において、送液手段は、水素発生溶液導入路の流通を反応室に向かう一方向に規制する逆止弁であることを特徴とする。
請求項8に係る本発明では、簡易な構造の逆止弁を用いて水素発生溶液の流通を制御するので、大掛かりな機構を要さずに、簡易な構造とすることができ、小型化が可能な水素発生装置とすることができる。
そして、請求項9に係る本発明の水素発生装置は、請求項1から請求項8の何れか一項に記載の水素発生装置において、水素発生溶液を貯留し、水素発生溶液導入路で反応室と接続される水素発生溶液室と、反応促進溶液を貯留し、反応促進溶液導入路で反応室と接続される反応促進溶液室と、反応室と溶液排出流路で接続され、反応室から排出された反応室内溶液を格納する廃溶液室を備え、水素発生溶液室と反応促進溶液室と廃溶液室は、一定容積の容器内に収容されるとともに、それぞれ容積が可変の部材からなり、水素発生溶液室と反応促進溶液室が縮小することで容器内に形成される空間は、廃溶液室の体積拡大分で補われることを特徴とする。
請求項9に係る本発明では、水素発生溶液と反応促進溶液の消費により水素発生溶液室と反応促進溶液室が縮小して生じる空間を、反応室内溶液の排出による廃液室の拡大に必要な体積に利用することで、反応促進溶液室、水素発生溶液室および廃溶液室の設置空間を有効に活用することができ、小型化が可能な水素発生装置とすることができる。
そして、請求項10に係る本発明の水素発生装置は、請求項9に記載の水素発生装置において、反応促進溶液室と廃溶液室とが一体の共通室からなり、溶液排出流路は、反応促進溶液室に接続されることを特徴とする。
請求項10に係る本発明では、反応促進溶液は、反応促進溶液室から反応室に導入され、水素発生溶液と混合反応した後に、再び反応促進溶液室に還流することができ、水素発生装置に搭載する反応促進溶液の量を縮小することができ、小型化が可能な水素発生装置とすることができる。
そして、請求項11に係る本発明の水素発生装置は、請求項9又は10に記載の水素発生装置において、水素発生溶液室が縮小することで容器内に形成される空間は、反応促進溶液室の体積拡大分で補われることを特徴とする。
請求項11に係る本発明では、水素発生溶液の消費により水素発生溶液室が縮小して生じる空間を、反応促進溶液室から反応室への導入する反応促進溶液のと、反応室から反応促進溶液室に排出される反応室内溶液の体積差による反応促進溶液室の拡大に必要な体積に利用することで、反応促進溶液室、水素発生溶液室の設置空間を有効に活用することができ、小型化が可能な水素発生装置とすることができる。
そして、請求項12に係る本発明の水素発生装置は、請求項1から請求項11の何れか一項に記載の水素発生装置において、水素流通路は、着脱可能な接続部を有することを特徴とする。
請求項12に係る本発明では、水素発生装置をカートリッジ式に水素消費機器と着脱可能とすることができる。
そして、請求項13に係る本発明の水素発生装置は、請求項1から請求項12の何れか一項に記載の水素発生装置において、水素発生溶液導入路と、反応促進溶液導入路と、溶液排出流路は、それぞれ着脱可能な接続部を有することを特徴とする。
請求項13に係る本発明では、溶液の流通を制御する弁などの機構と、溶液の貯留部分を別体の構造とすることができ、着脱可能な溶液カートリッジとし容易に溶液交換や保管することができる。
そして、請求項14に係る本発明の水素発生装置は、請求項1から請求項13の何れか一項に記載の水素発生装置において、水素流通路は、当該水素流通路における水素の流通を制御する水素流通弁を有することを特徴とする。
請求項14に係る本発明では、水素流通弁により、水素流通路の流通を制御するので、水素発生装置と接続される水素消費機器の水素流通部分の容積などに因らず、水素発生装置を独立した系とすることができ、安定した水素の供給を行うことができる。
そして、請求項15に係る本発明の水素発生装置は、請求項14に記載の水素発生装置において、水素流通路は、水素流通弁の下流側に当該水素流通路の容積を拡大又は縮小可能な容積部を有することを特徴とする。
請求項15に係る本発明では、水素流通路の容積を拡大縮小することにより、水素発生装置が接続される水素消費機器の急激な圧力変動を緩和することができ、水素消費機器の構造の劣化を抑制することができる。
そして、請求項16に係る本発明の水素発生装置は、請求項14又は請求項15に記載の水素発生装置において、反応室と、水素発生溶液導入路と、反応促進溶液導入路と、水素流通路と、溶液排出流路と、送液手段と、反応促進溶液導入弁と、溶液排出弁と、水素流通弁とからなる反応ユニットを複数備えることを特徴とする。
請求項16に係る本発明では、複数の反応ユニットのそれぞれの水素発生量を制御できるので、水素消費流量の変動への追従が容易で、繊細な制御をすることや、水素発生能力を増大させることができる。
そして、請求項17に係る本発明の燃料電池は、請求項1から請求項16の何れか一項に記載の水素発生装置の水素流通路に燃料電池の燃料極を有する室が接続され、水素発生装置にて発生した水素が燃料極に供給されることを特徴とする。
請求項17に係る本発明では、大掛かりな機構を要さずに、簡易な構造で安定した水素供給が可能である小型化が可能な水素発生装置を備えた燃料電池とすることが可能になる。
本発明の水素発生装置及び燃料電池は、大掛かりな機構を要さずに、簡易な構造で安定した水素の発生反応を行うことができ、小型化が可能な水素発生装置及び燃料電池を提供することが出来る。
本発明の第1実施例に係る水素発生装置の全体の概略構成図である。 第1実施例に係る水素発生装置の動作フロー図である。 第1実施例に係る水素発生装置の反応室の状態図である。 第1実施例に係る水素発生装置の反応室の圧力状態図である。 第2実施例に係る水素発生装置の構成図である。 第3実施例に係る水素発生装置の構成図である。 第4実施例に係る水素発生装置の構成図である。 第5実施例に係る水素発生装置の構成図である。 第6実施例に係る水素発生装置の構成図である。 第6実施例に係る水素発生装置の反応室の圧力状態図である。 第7実施例に係る水素発生装置の構成図である。 第7実施例に係る水素発生装置の反応室の圧力状態図である。 第8実施例に係る水素発生装置の概略構成図である。 第8実施例に係る水素発生装置の反応室の圧力状態図である。 第9実施例に係る水素発生装置の概略構成図である。 第10実施例に係る水素発生装置の概略構成図である。 第11実施例に係る水素発生装置の概略構成図である。 第12実施例に係る水素発生装置の概略構成図である。 第13実施例に係る水素発生装置の概略構成図である。 第14実施例に係る燃料電池の全体図である。
(第1実施例)
図1から図4に基づいて水素発生装置の第1実施例を説明する。
図1は、本発明の第1実施例に係る水素発生装置1の全体の概略構成図である。図1(a)に、水素発生装置1の全体の概略構成図を示し、図1(b)に、水素発生装置1の制御状態の概略構成図を示した。図1(a)に示すように、水素発生装置1は、反応室2と、水素発生溶液を貯蔵する水素発生溶液室3と、水素発生溶液との混合により水素発生反応を促進する反応促進溶液を貯蔵する反応促進溶液室4と、反応室2から排出される反応室内溶液20を貯留する廃溶液室51を有する。また、反応室2は、反応室2で生成された水素を排出する水素流通路11を備える。また、水素は、水素流通路11に備えられた水素流通弁12により流通が制御される。水素流通弁12により、水素流通路11での水素の流通が制御されるので、水素発生装置1と接続される水素を消費する機器(図示省略)の水素流通部分の容積などに因らず、水素発生装置1を独立した系とすることができ、安定した水素の供給を行うことができる。水素を消費する機器としては、例えば燃料電池等が挙げられる。
水素発生溶液室3と反応室2とは、水素発生溶液導入路5によって接続される。反応促進溶液室4と反応室2とは、反応促進溶液導入路6によって接続される。また、反応室2と廃溶液室51は、溶液排出流路7によって接続される。水素発生溶液導入路5は、水素発生溶液室3内の水素発生溶液を反応室2に導入し制御する送液手段8を備える。また、反応促進溶液導入路6および溶液排出流路7には、それぞれ流通を開閉する反応促進溶液導入弁9および溶液排出弁10を備える。反応促進溶液導入弁9は、反応室2の圧力が規定値以下のとき、反応促進溶液を反応室2に導入する開閉弁であり、反応促進溶液の反応室2への導入を制御する。また、溶液排出弁10は、反応室2の圧力が規定値以上のとき、反応室内溶液20を廃溶液室51へ排出する開閉弁であり、反応室内溶液20の排出を制御する。ここで、図1(b)の矢印に示すように、送液手段8や、反応促進溶液導入弁9、溶液排出弁10および水素流通弁12は、反応室2の圧力を検出する圧力センサー13と、圧力センサー13の信号に元づいて制御を行うコントローラ14とにより制御される。
(水素発生装置の動作)
(1)動作の概要
第1実施例の水素発生装置1による水素発生時の動作の概要について説明する。
はじめに、水素発生装置1の構成について説明する。水素発生装置1は、水素流通路11に着脱可能な接続部を備えることで、カートリッジ式として、交換可能な構成とすることができる。
また、反応促進溶液や反応副生成物、反応室内溶液20などの反応室2の内容物や、反応室2での反応に伴う溶液の飛沫などの反応室2からの流出を防止する為に、水素流通路11に通じる反応室2内に気液分離膜15を設けてもよい。
水素発生溶液には、加水分解型の金属水素化物水溶液を用いる。金属水素化物は、例えば、水素化ホウ素塩、水素化アルミニウム塩、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム等が挙げられる。特に、水素化ホウ素ナトリウムが金属水素化物として好ましい。金属水素化物水溶液の加水分解の反応速度は、pH依存性があり、pHが高い程、反応速度が低下する。そのため、金属水素化物水溶液として貯蔵するために、pHが高い強アルカリ水溶液とすることにより、加水分解反応による水素の発生を抑制し、安全に貯蔵保管することができる。
本実施例では、12%水素化ホウ素ナトリウム、40%水酸化ナトリウムを用いた金属水素化物水溶液を用いた。この金属水素化物水溶液のpHは15であり、金属水素化物水溶液中での金属水素化物の加水分解が抑制されるpHが高い強アルカリ溶液である。また、この混合割合の溶液は、VENPURE(登録商標)SOLUTION(ダウケミカル社製)など、市販されており、長期保管可能な水素化ホウ素ナトリウム溶液として一般的な混合割合であると言える。
反応促進溶液は、酸性水溶液を用いる。例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸や、酢酸、琥珀酸、りんご酸等の有機酸の酸性水溶液を用いることにより、強アルカリの金属水素化物水溶液のpHを変化させ反応速度を制御することができる。また、酸性水溶液は、強酸とすることが望ましい。これにより、金属水素化物水溶液のpHを速やかに変化させることができ、水素発生の制御性を高めることができる。
本実施例では、貯蔵や送液など構成部材の選択及び取り扱いが比較的容易なリン酸を用いている。
水素を消費する水素消費機器の水素消費量に追従して水素供給を行うためには、水素発生溶液と反応促進溶液の加水分解反応の反応性を高め、加水分解反応を短時間で完了させることが必要である。特に、水素消費機器の水素消費量が急激に小さくなった際に、速やかに反応を停止することは、余剰な水素の発生を抑制し、反応室2などを耐圧構造とすることなく水素発生装置1を軽量、小型にすることが出来ることから、重要である。
ここで、水素発生溶液と反応促進溶液の加水分解反応の反応性を高めて短時間で反応を完了させるためには、水素発生溶液と反応促進溶液の混合比が重要となる。反応室2で混合反応する水素発生溶液と反応促進溶液の混合比は、混合後(反応後)の溶液のpHが7以下となる混合比とする必要がある。さらに、pH6以下とすることが望ましい。
そこで、本実施例では、水素発生溶液に12%水素化ホウ素ナトリウム及び40%水酸化ナトリウムの金属水素化物水溶液を用い、反応促進溶液に85%リン酸水溶液を用いた。そして、水素発生溶液と反応促進溶液の混合割合を、水素化ホウ素ナトリウムと水酸化ナトリウムのモル数の和とリン酸のモル数を同じとした。これらの混合後(反応後)のpHはpH4程度であり、速やかに反応を完了することができる。このとき、水素発生溶液と反応促進溶液との体積比は、1:1.26である。従って、反応室2での混合割合を上述の混合比より反応促進溶液の比率を高くすることにより、短時間で反応を完了させることができる。従って、余剰な水素が発生を抑制し、水素を消費する水素消費機器の水素消費流量に追従して水素供給を制御することができる。
反応室2に水素発生溶液を導入する送液手段8は、液送ポンプであり、液送ポンプとしては、定量性があるダイヤフラム式、プランジャ式など、容積式ポンプが好ましく、液体の漏洩や薬品への耐性の高いダイヤフラム式が好ましい。また、送液手段8は、反応室2の内圧を検出する圧力センサーの値を基に、コントローラにより送液ポンプの送液流量が制御され、反応室2に水素発生溶液を導入する。
また、送液手段8として、送液ポンプを用いずに、水素発生溶液導入路5に、流通を制御する電磁弁を設け、プランジャを介して加圧バネで水素発生溶液を加圧する構成や、水素発生溶液室3を可撓性の材質で形成し、加圧バネなどで加圧する構成として、電磁弁の開閉により送液を制御することにより、反応室2での水素発生量を制御する構成としても良い。これにより、送液構造や制御回路を単純な構成とし、小型、軽量の水素発生装置とすることができる。なお、送液手段8を、水素発生溶液導入路5の流通を反応室2に向かう一方向に規制する逆止弁とすることも可能である。
次に、水素発生装置1の動作について説明する。反応促進溶液室4に貯留された反応促進溶液は、反応促進溶液導入路6から反応促進溶液導入弁9を通じて反応室2に導入される。次に、水素発生溶液室3に貯留された水素発生溶液が、送液手段8により水素発生溶液導入路5から反応室2に導入される。そして、反応室2において反応促進溶液と水素発生溶液が接触し、加水分解反応により水素が発生する。反応室2で発生した水素の圧力により、反応室内溶液20が、溶液排出弁10を通じて、溶液排出流路7から廃溶液室51に排出される。これにより、水素発生装置1は、水素発生溶液導入路5から反応室2に導入した水素発生溶液を反応室2の反応促進溶液と速やかに接触させることができるので、反応時の制御性を高めることができる。反応室2で発生した水素は、水素流通路11を通じて水素を消費する機器に送られる。
(2)動作の詳細
図2から図4に基づいて水素発生装置1の動作の詳細を説明する。図2に、第1実施例に係る水素発生装置の動作フロー図を示す。また、図3に第1実施例に係る水素発生装置の反応室の状態図を示す。また、図4に第1実施例に係る水素発生装置の反応室の圧力状態図を示す。
図2は、水素発生装置1の動作フローであり、また、各ステップ(S1からS4)における反応促進溶液導入弁9と溶液排出弁10および水素流通弁12の流通状態を示す。図3は、図1に示した水素発生装置の一部であり、反応室2の内部の反応室内溶液20の状態(液量)を示している。なお、図1に示した部材と同一部材には同一符号を付し、また反応室2の圧力を検出する圧力センサー13と制御用のコントローラ14は、省略している。
図2に示す動作フローのS1では、水素流通弁12を開放し、反応促進溶液導入弁9および溶液排出弁10を閉止した状態である。このとき、反応室2は、水素で満たされた、図3(A)に示す状態である。水素流通路11に接続された機器により水素が消費されると、反応室2の圧力が低下する。次に、コントローラ14は、反応促進溶液導入弁9を開放し、送液手段8を介して反応室2に反応促進溶液を導入する(S2)。このように送液手段8は、反応室2の圧力が規定値以下のとき、水素発生溶液を反応室2に導入する。このとき、反応室2は、反応促進溶液が充填された、図3(B)に示す状態であり、反応室内溶液20は、反応促進剤溶液である。次に、コントローラ14は、水素流通弁12を閉止し、反応室2に水素発生溶液を導入する。
次に、反応室2に導入された水素発生溶液は、反応促進溶液と接触し加水分解反応により水素を発生させる(S3)。発生した水素により反応室2の圧力が上昇する。次に、コントローラ14は、溶液排出弁10を開放する。すると、反応室内溶液20は、反応室2で発生した水素の圧力により、溶液排出流路7を通じ反応室2から排出される(S4)。 次に、コントローラ14は、水素流通弁12を開放し、水素流通路11を通じて水素消費機器に水素を供給させる。その結果、図3(A)に示す状態に帰着し、図2に示す動作フローのS1に戻る。
このように、動作フローのS1からS4の一連の動作を繰り返すことにより、反応室2で水素発生溶液と反応促進溶液の反応により水素を生成し、水素発生装置1に接続される水素を消費する機器に水素供給が可能である。また、水素発生反応後の反応室内溶液20は、生成した水素の圧力により、反応室2から排除され、新たに、反応促進溶液が導入されるので、反応室2での水素発生溶液と反応促進溶液の反応状態を安定させることができ、安定した水素供給が可能である。
図4には、図2に示す動作フローと各弁の状態を時系列に横軸とし、反応室2および水素流通弁12の水素消費機器側の圧力を縦軸に示し、反応室2の圧力を太い実線、水素流通路11に配置された水素流通弁12の水素発生器側の圧力を破線で示している。
また、縦軸に示す圧力P1およびP2は、廃溶液室51の圧力をP1、反応促進溶液室4の圧力をP2として示している。
S1では、コントローラ14が水素流通弁12を開放し、反応促進溶液導入弁9および溶液排出弁10を閉止した状態なので、水素流通路11に接続された機器により水素が消費されると、反応室2の圧力が低下する。次に、コントローラ14は、反応促進溶液導入弁9を開放し、反応室2に反応促進溶液を導入する(S2)。反応促進溶液導入弁9は、反応室2の圧力が設定値より低くなった時点で開放する。反応促進溶液導入弁9を開放する圧力の設定値は、反応促進溶液室4の圧力に対して、反応室2の圧力が低い状態のときの圧力で設定され、反応促進溶液導入弁9を開放することにより反応促進溶液を反応室2に導入される。また、反応促進導入弁9を開放する動作(S2)は、反応促進溶液室4の圧力P2に対して、反応室2の圧力が低い状態であれば良く、水素流通弁12を開放し、接続機器による水素消費の開始(S1)と同時に行うことができる。
次に、コントローラ14は、反応促進導入弁9と水素流通弁12を閉止する。反応室2に導入される反応促進溶液の量は、反応促進溶液導入弁9の開放時間により制御される。反応促進導入弁9と水素流通弁12を閉止した後は、反応室2内の水素の水素流通路11への流通が無いので、反応室2の圧力の低下は無く、保持される。次に、コントローラ14は、反応室2に水素発生溶液を導入する。導入された水素発生溶液は、反応室2の反応促進溶液と接触し加水分解反応により水素が発生し、発生した水素により反応室2の圧力が上昇する(S3)。水素の発生量は、反応室2への水素発生溶液の導入量で決まるので、水素発生反応後の反応室2の圧力が廃溶液室51の圧力より高くなる様に、送液手段8により反応室2に水素発生溶液を導入する。
次に、溶液排出弁10を開放すると、反応室内溶液20は、反応室2で発生した水素の圧力により、溶液排出流路7を通じ反応室2から排出される(S4)。反応室内溶液20の排出に従って、反応室2の圧力が低下する。このとき、溶液排出弁10を開放した状態を継続すると、反応室2の圧力は、廃溶液室51の圧力と等しくなるまで低下する。また、反応室内溶液20の排出に伴う圧力低下の過程で、溶液排出弁10を閉止することにより、反応室内溶液20の排出量を任意に設定することができる。このとき、反応室内溶液20の排出量は、反応室2の圧力または、溶液排出弁10の開放時間により制御される。また、同時に反応室内溶液20の排出量を制御することにより、反応室2の反応室内溶液20を排出した後の反応室2の容積を制御することができるので、反応室2の圧力を設定することができる。すなわち、水素流通弁12を開放した際に水素消費機器への水素供給圧力を任意に設定することが可能である。
次に、水素流通弁12を開放し、水素流通路11を通じ、水素消費機器に水素が供給される。このときの反応室2と水素消費機器の圧力は等しくなり、その圧力は、水素流通弁12を開放する前の反応室2の圧力により制御できるので、上述の様に、溶液排出弁10の制御により任意に設定することができる。
この様に、反応室2での水素の生成と弁の開閉により、一連の反応室2の圧力状態を制御することにより、反応室4での水素生成と生成した水素の圧力による反応室内溶液20の反応室2からの排除を繰り返し行うことができ、また、水素消費機器に供給する水素の圧力を設定することができる水素発生装置とすることができる。
このような構成において、上述した水素発生装置1では、大掛かりな機構を要さずに必要量の水素を確実に供給することが可能である。
以上により、水素発生装置1は、水素発生溶液と、水素発生溶液との混合により水素を発生する反応促進溶液とを混合する反応室2を有し、水素発生溶液を反応室2に導入する水素発生溶液導入路5と、反応促進溶液を反応室2に導入する反応促進溶液導入路6と、反応室2から水素を排出する水素流通路11と、反応室2での水素発生による体積膨張の力により反応室2から押し出される水素発生溶液と反応促進溶液との反応後の溶液である反応室内溶液を排出する溶液排出流路7とを備える。これにより、水素発生溶液と反応促進溶液との反応後の溶液である反応室内溶液が、反応室2での水素発生による体積膨張の力により反応室2から排除され、反応室2での水素発生溶液と反応促進溶液の反応状態を安定させることができ、安定した水素の発生反応を行うことができ、安定した水素供給が可能である。また、大掛かりな機構を要さずに、簡易な構造とすることができ、小型化が可能な水素発生装置1とすることができる。
また、水素発生溶液導入路5は、水素発生溶液の反応室2への導入を制御する送液手段8を有する。これにより、反応室2での水素発生反応を確実に行うことができる。
また、反応促進溶液導入路6は、反応促進溶液の反応室2への導入を制御する反応促進溶液導入弁9を有し、溶液排出流路7は、反応室内溶液の排出を制御する溶液排出弁10を有する。これにより、反応室2からの反応室内溶液の排出や反応室2への反応促進溶液の導入を確実に行い、反応室2での水素発生溶液と反応促進溶液の反応状態を安定させることができ、安定した水素の発生反応を行うことができる。
また、反応促進溶液導入弁9は、反応室2の圧力が規定値以下のとき、反応促進溶液を反応室2に導入する開閉弁であり、溶液排出弁10は、反応室2の圧力が規定値以上のとき、反応室内溶液を排出する開閉弁である。これにより、安定した圧力で水素の供給を行うことができる。
また送液手段8は、反応室2の圧力が規定値以下のとき、水素発生溶液を反応室2に導入する。これにより、反応室の圧力に応じて水素発生溶液を反応室に導入することができ、確実に水素発生反応を制御することができ、安定した水素供給を行うことができる。
また、送液手段8は、水素発生溶液導入路5の流通を反応室2に向かう一方向に規制する逆止弁である。このように、簡易な構造の逆止弁を用いて水素発生溶液の流通を制御するので、大掛かりな機構を要さずに、簡易な構造とすることができ、小型化が可能な水素発生装置1とすることができる。
(第2実施例)
図5に、第2実施例に係る水素発生装置の構成図を示す。図5に、反応室2、水素発生溶液導入路5、反応促進溶液導入路6、溶液排出流路7、送液手段8、反応促進溶液導入弁9、溶液排出弁10、水素流通路11、水素流通弁12、気液分離膜15、反応室内溶液20、容積部22を示す。また、容積部22は、容積可変な容器からなる。また、容積部22を除く他の構成は、第1実施例と同様であるため、その説明を省略する。
第1実施例において、水素発生装置1から水素消費機器への水素供給は、水素流通弁12の開閉によって行われる。そのため、水素を消費する機器である水素消費機器側の圧力は、水素流通弁12の開放した際に急激に上昇する。このような急激な圧力の変動は、水素消費機器の劣化を早めるなど好ましくない。そこで、図5に示す様に、水素流通路11の水素流通弁12の下流側である水素消費機器側に、圧力により容積を拡大縮小できる容積部22を設けることが好ましい。容積部22は、ベローズ、ピストンなどの形態が適用可能であり、水素消費機器の圧力が低下した際に収縮し、急激に圧力上昇した際に拡張する。容積部22の収縮拡張する圧力は、ばね等で容積部22を縮小する方向に付勢することにより、調整することが可能である。
これにより、水素発生装置1が接続される水素消費機器の急激な圧力変動を緩和することができ、水素消費機器の構造の劣化を抑制することができる。
また、反応促進溶液室4の圧力P2や、廃溶液室51の圧力P1は、反応促進溶液室4や廃溶液室51に大気に流通する通気孔を設けることにより、大気圧とすることができる。この場合、通気孔に溶液の流出を防止する気液分離膜を配置する。また、反応促進溶液室4や、廃溶液室51を可撓性の材質で形成し雰囲気の圧力を溶液に伝えられる構造とすることによっても、それぞれの溶液の圧力を大気圧とすることができる。
(第3実施例)
図6に、第3実施例に係る水素発生装置の構成図を示す。図6(A)は、水素発生器稼動初期の状態を示し、図6(B)は、水素発生器稼動後期の状態を示す。図6の水素発生装置1aに、反応室2、水素発生溶液室3a、反応促進溶液室4a、水素発生溶液導入路5、反応促進溶液導入路6、溶液排出流路7、送液手段8、反応促進溶液導入弁9、溶液排出弁10、水素流通路11、水素流通弁12、廃溶液室51aを示す。ここで、反応促進溶液室4aと水素発生溶液室3aと廃溶液室51aとを可撓性の材質で形成し容積可変とし、反応促進溶液室4aおよび水素発生溶液室3aの縮小と、廃溶液室51aの拡大とを相殺する様に配置し、体積領域を共有する構成とした。このように水素発生溶液室3aと反応促進溶液室4aが縮小する空間を廃溶液室51aの体積拡大が補うことにより、反応促進溶液室4a、水素発生溶液室3aおよび廃溶液室51aの設置空間を有効に活用することができ、水素発生装置1aの体積を縮小することができる。また、他の部材においては、第1実施例と同様であるため、説明を省略する。
図6に、可撓性の材質で形成したそれぞれの溶液室と状態の変化を示す。図6(A)は、反応促進溶液室4aと水素発生溶液室3aの溶液が多い、水素発生器稼動初期の状態であり、廃溶液室51aは縮小している。図6(B)は、水素発生操作を繰り返し、反応促進溶液室4aと水素発生溶液室3aの溶液の消費により縮小し、廃溶液室51aが拡大した水素発生器稼動後期の状態を示す。この様に、空間を有効に活用することができ、水素発生装置1aの体積を縮小することができる。
反応促進溶液室4aおよび廃溶液室51aの圧力を大気圧とした場合、図4aで示した、P2およびP1は、共に大気圧となり同じ圧力となるが、反応室2の圧力が、P2より低いときに反応促進溶液導入弁9を開放し、P1より高い状態で、溶液排出弁10を開放する動作を上述の操作と同様に行うことで水素発生の操作を行うことができる。
また、プランジャを介して反応促進溶液室4aと廃液溶液室51aを加圧バネなどの加圧手段で加圧する構成や、可撓性の材質で形成した反応促進溶液室4aや、廃溶液室51aを、加圧バネなどで加圧する構成とすることにより、反応促進溶液室4aの圧力P2や、廃溶液室51aの圧力P1を大気圧以上に高め、水素発生装置の水素供給圧力を高めることができる。また、反応促進溶液を加圧する加圧手段を有することにより、反応促進溶液の圧力や、廃溶液の圧力を調整することができ、水素供給圧力を調整することができる。
(第4実施例)
図7に、第4実施例に係る水素発生装置の構成図を示す。図7の水素発生装置1bに、反応室2、水素発生溶液室3a、反応促進溶液室4a、水素発生溶液導入路5、反応促進溶液導入路6、溶液排出流路7、送液手段8、反応促進溶液導入弁9、溶液排出弁10、水素流通路11、水素流通弁12、接続部30、廃溶液室51a、溶液加圧室55bを示す。本実施例の反応促進溶液室4aと水素発生溶液室3aと廃溶液室51aは、図6に示したものと同様であるため、説明を省略する。また、溶液圧力室55bは、容積が可変しない閉ざされた空間であり、水素や不活性気体を封入することにより加圧する。反応促進溶液室4aと水素発生溶液室3aと廃溶液室51aは溶液圧力室55bの内部に配置されている。これにより、内部に配置した反応促進溶液室4aと水素発生溶液室3aと廃溶液室51aを均等に加圧することができる。さらに、上述の様に、反応促進溶液室4aと水素発生溶液室3aと廃溶液室51aの体積の和は、溶液の使用による変化がないので、溶液圧力室55bの圧力は保たれる。従って、水素発生器の稼働の途中で圧力を調整するための気体を導入するなどの操作を必要とすることなく、安定した溶液の供給が可能であり、大掛かりな機構を要さずに、水素消費機器に供給する水素の圧力を設定することができる水素発生装置とすることができる。
また、図7に示す水素発生装置1bは、水素発生溶液導入路5と反応促進溶液導入路6と溶液排出流路7に着脱可能な接続部30を備え、反応室2および反応室2への溶液の導入や反応室2からの溶液の排出を制御する弁などの機構と、水素発生溶液室3aと反応促進溶液室4aと廃溶液室51aとを別体の構造とする構成である。これにより、水素発生のための溶液および廃溶液を着脱可能な形態(溶液カートリッジ32)とすることができ、容易に溶液交換や保管することができる。また、この形態においては、溶液カートリッジ32は、水素発生の制御のための弁を含まないので、簡便な構造で安価な溶液カートリッジ32とすることができる。
(第5実施例)
図8に、第5実施例に係る水素発生装置の構成図を示す。図8は、反応ユニット32cを反応容器内に複数配置した水素発生装置1cを示す。本実施例の水素発生装置1cは、複数の反応ユニット32cと、水素発生溶液室3、反応促進溶液室4、廃溶液室51を備える。反応ユニット32cは、反応室2、送液手段8、反応促進溶液導入弁9、排出弁10、水素流通弁12、水素発生溶液導入路5、反応促進溶液導入路6、溶液排出流路7、水素流通路11を備えたユニットである。また、これらの反応ユニット32cは図示しない圧力センサおよびコントローラにより制御される。また、反応ユニット32cの中の水素流通弁12とは別に、その上流に水素流通弁12を有していても良い。この様な構成の水素発生装置1cは、複数の反応ユニット32cのそれぞれの水素発生量を制御できるので、水素消費流量の変動への追従が容易である。また、1つあたりの反応室2における水素発生量を少なくして、より繊細な制御を行うことも可能であり、水素を消費する水素消費機器の水素消費流量に合わせて断続的に水素発生と供給を行うことができる。
また、複数の反応ユニット32cを備えることにより、水素発生能力を増大させることができるので、水素消費流量の大きな機器への適用が可能となる。なお、図8には、3つの反応ユニット32cを備える例を示したが、これに限らず、水素発生装置1cの性能、すなわち、水素消費機器の要求する水素量に合わせて反応ユニット32cの数を設定することができる。
(第6実施例)
図9に、第6実施例に係る水素発生装置の構成図を示す。図9に示す、水素発生装置1は、反応促進溶液導入弁9dを反応促進溶液導入路6の流通を反応室2に向かう一方向に規制する逆止弁とし、溶液排出弁10dを溶液排出流路7の流通を反応室2から外側に向かう一方向に規制する逆止弁としている。反応促進溶液導入弁9dを反応促進溶液導入路6の流通を反応室2に向かう一方向に規制する逆止弁とすることにより、反応室2の圧力が反応促進溶液室4の圧力よりも低い場合に反応室2に反応促進溶液が送られ、反応室2の内部の圧力が反応促進溶液室4の圧力よりも高い場合に停止することができる。反応促進溶液の流量は、反応促進溶液室4の圧力と反応促進溶液導入路8の流路抵抗により決定されるので、逆止弁の流路抵抗を調整することや、反応促進溶液導入路6にオリフィスを設けて流路抵抗を調整することにより設定することができる。
さらに、溶液排出弁10dを溶液排出流路7の流通を反応室2から外側に向かう一方向に規制する逆止弁とすることにより、反応室2の圧力が廃溶液室51の圧力よりも高い場合に反応室2から反応室内溶液20を廃溶液室51に排出し、反応室2の内部の圧力が廃溶液室51の圧力よりも低い場合に停止する。溶液排出流路7から排出される反応室内溶液20の流量は、廃溶液室51の圧力と溶液排出流路7の流路抵抗により決定されるので、逆止弁の流路抵抗を調整することや、溶液排出流路7にオリフィスを設けて流路抵抗を調整することにより設定することができる。
図10に、第6実施例に係る水素発生装置の反応室の圧力状態図を示す。図10は、上記の構成における、圧力状態と弁の流通状態を示す。
図10は、図4と同様に、反応室2および水素流通弁12の水素消費機器側の圧力と、各弁の状態を示している。圧力P1およびP2は、廃溶液室51の圧力をP1、反応促進溶液室4の圧力をP2として示す。ここで、反応促進溶液導入弁9dは、反応促進溶液導入路6の流通を反応室2に向かう一方向に規制する逆止弁であるので、反応促進溶液導入弁9dは、反応室2の圧力が反応促進溶液室4の圧力(P2)よりも低い場合に開放し、反応室2の内部の圧力が反応促進溶液室4の圧力(P2)よりも高い場合に閉止する。
また、溶液排出弁10dは、溶液排出流路7の流通を反応室2から外側に向かう一方向に規制する逆止弁であるので、溶液排出弁10dは、反応室2の圧力が廃溶液室51の圧力(P1)よりも高い場合に開放し、反応室2の内部の圧力が廃溶液室51の圧力(P1)よりも低い場合に閉止する。なお、動作は図2に示す動作フローと同様の動作である。
まず、S1では、水素流通弁12を開放し、反応室2の圧力は、P1より低く、P2より高いので、反応促進溶液導入弁9dおよび溶液排出弁10dは、閉止している。水素流通路11に接続された機器により水素が消費されると、反応室2の圧力が低下する。反応促進溶液導入弁9dは、反応室2の圧力が反応促進溶液室4の圧力(P2)よりも低い場合に開放する逆止弁なので、反応室2の圧力が、P2より低くなると、反応促進溶液導入弁9dが開放され、反応室2に反応促進溶液が導入される(S2)。また、反応促進導入弁9dを開放する動作(S2)は、反応促進溶液室4の圧力P2に対して、反応室2の圧力が低い状態であれば良く、水素流通弁12を開放し、接続機器による水素消費の開始(S1)のときの反応室2の圧力がP2を下回るように設定した場合は、水素流通弁12開放と同時に、反応促進溶液導入弁9dが開放され、反応室2に反応促進溶液が導入される。
次に、水素流通弁12を閉止する。水素流通弁12を閉止した後は、反応室2内の水素の水素流通路11への流通が無いので、反応室2の圧力の低下は無く、保持される。次に、反応室2に水素発生溶液を導入する。導入された水素発生溶液は、反応室2の反応促進溶液と接触し加水分解反応により水素が発生し、発生した水素により反応室2の圧力が上昇する(S3)。水素の発生量は、反応室2への水素発生溶液の導入量を制御する送液手段により制御する。このとき、水素発生反応後の反応室2の圧力が廃溶液室51の圧力(P1)より高くなる。ここで、溶液排出弁10dは、反応室2の圧力が廃溶液室51の圧力(P1)よりも高い場合に開放する逆止弁なので、反応室2の圧力が、P1より高くなると、溶液排出弁10dが開放され、反応室内溶液20は、反応室2で発生した水素の圧力により、溶液排出流路7を通じ反応室2から排出される(S4)。また、反応室2の圧力は、P2より高いので、反応促進溶液導入弁9dは閉止される。
反応室内溶液20の排出に従って反応室2の圧力は低下し、廃溶液室51の圧力(P1)と等しくなるまで低下する。このとき、反応室内溶液20の排出量は、反応室2で発生する水素量(圧力)により決定されるので、反応室2への水素発生溶液の導入量により制御する。また、反応室2の圧力は、廃溶液室51の圧力(P1)と等しくなるので、廃溶液室51の圧力(P1)を調整することにより、水素流通弁12を開放した際の水素消費機器への水素供給圧力を設定することが可能である。
次に、水素流通弁12を開放し、水素流通路11を通じ、水素消費機器に水素が供給される。このときの反応室2と水素消費機器の圧力は等しくなる。水素消費機器の圧力は、水素流通弁12を開放する前の反応室2の圧力により制御できるので、廃溶液室51の圧力(P1)の調整により任意に設定することができる。
この様に、反応促進溶液導入弁9dおよび溶液排出弁10dを電磁弁など開閉の駆動に電力を伴う機器や、開閉制御のための圧力センサーやコントローラを必要としない機構によって反応室2への反応促進溶液の導入および反応室2からの反応室内溶液の排出を制御し、反応室4での水素生成と生成した水素の圧力による反応室内溶液20の反応室2からの排除を繰り返し行うことができ、また、水素消費機器に供給する水素の圧力を設定することができる水素発生装置とすることができる。
このように、本実施例の水素発生装置1は、反応促進溶液導入弁9dを反応促進溶液導入路6の流通を反応室2に向かう一方向に規制する逆止弁とし、溶液排出弁10dを溶液排出流路7の流通を反応室2から外側に向かう一方向に規制する逆止弁としている。これにより、上述した水素発生装置1では、大掛かりな機構を要さずに必要量の水素を確実に供給することが可能である。
(第7実施例)
図11に、第7実施例に係る水素発生装置の構成図を示す。図11に示す、水素発生装置1は、反応室2と水素消費機器を水素流通路11により、直接接続している。また、反応促進溶液導入弁9dを反応促進溶液導入路6の流通を反応室2に向かう一方向に規制する逆止弁とし、溶液排出弁10dを溶液排出流路7の流通を反応室2から外側に向かう一方向に規制する逆止弁としている。
図12に、第7実施例に係る水素発生装置の反応室の圧力状態図を示す。図12は、上記の構成における、圧力状態と弁の流通状態を示す。
反応室2と水素消費機器は、水素流通路11により直接接続しているので、反応室2と水素消費機器側の圧力は、常に等しい圧力となる。
まず、S1では、反応室2の圧力は、P1より低く、P2より高い状態で、反応促進溶液導入弁9dおよび溶液排出弁10dは、閉止している。水素流通路11に接続された機器により水素が消費されると、反応室2の圧力が低下する。反応促進溶液導入弁9dは、反応室2の圧力が反応促進溶液室4の圧力(P2)よりも低い場合に開放する逆止弁なので、反応室2の圧力が、P2より低くなると、反応促進溶液導入弁9dが開放され、反応室2に反応促進溶液が導入される(S2)。
次に、反応室2に水素発生溶液を導入する。導入された水素発生溶液は、反応室2の反応促進溶液と接触し加水分解反応により水素が発生し、発生した水素により反応室2の圧力が上昇する(S3)。水素の発生量は、反応室2への水素発生溶液の導入量を制御する送液手段により制御する。このとき、水素発生反応後の反応室2の圧力が廃溶液室51の圧力(P1)より高くなる。ここで、溶液排出弁10dは、反応室2の圧力が廃溶液室51の圧力(P1)よりも高い場合に開放する逆止弁なので、反応室2の圧力が、P1より高くなると、溶液排出弁10dが開放され、反応室内溶液20は、反応室2で発生した水素の圧力により、溶液排出流路7を通じ反応室2から排出される(S4)。このとき、反応室2の圧力は、P2より高いので、反応促進溶液導入弁9dは閉止される。
反応室内溶液20の排出および水素消費機器による水素の消費に従って反応室2および水素消費機器の圧力は低下し、廃溶液室51の圧力(P1)まで低下すると溶液排出弁10dが閉止する。
この様に、反応室2と水素消費機器は、水素流通路11により直接接続し、反応促進溶液導入弁9dおよび溶液排出弁10dを電磁弁など開閉の駆動に電力を伴う機器や、開閉制御のための圧力センサーやコントローラを必要としない機構によって反応室2への反応促進溶液の導入および反応室2からの反応室内溶液の排出を制御し、反応室4での水素生成と生成した水素の圧力による反応室内溶液20の反応室2からの排除を繰り返し行うことができ、また、水素消費機器に供給する水素の圧力を設定することができる水素発生装置とすることができる。
(第8実施例)
図13に、第8実施例に係る水素発生装置の概略構成図を示す。図13に示す、水素発生装置1は、図11における水素発生溶液の送液手段8dを水素発生溶液導入路5の流通を反応室2に向かう一方向に規制する逆止弁としたものである。水素発生溶液室3は、プランジャを介して加圧バネで水素発生溶液を加圧する構成や、水素発生溶液室3を可撓性の材質で形成し、加圧バネなどで加圧する構成としている。
図14に、第8実施例に係る水素発生装置の反応室の圧力状態図を示す。図14に示す様に、図12と同様に、反応室2と水素消費機器は、水素流通路11により直接接続しているので、反応室2および水素流通弁12の水素消費機器側の圧力は、常に等しい圧力となる。
ここで、P3は、水素発生溶液導入路5の流通を反応室2に向かう一方向に規制する逆止弁である送液手段8dが開放する圧力であり、水素発生溶液室3の圧力である。
まず、S1では、反応室2の圧力は、P1より低く、P2より高い状態で、反応促進溶液導入弁9dおよび溶液排出弁10dは、閉止している。水素流通路11に接続された機器により水素が消費されると、反応室2の圧力が低下する。反応促進溶液導入弁9dは、反応室2の圧力が反応促進溶液室4の圧力(P2)よりも低い場合に開放する逆止弁なので、反応室2の圧力が、P2より低くなると、反応促進溶液導入弁9dが開放され、反応室2に反応促進溶液が導入される(S2)。
さらに、反応室2の圧力が低下し、水素発生溶液室3の圧力(P3)より低下する。送液手段8dは、反応室2の圧力が水素発生溶液室3の圧力(P3)よりも低い場合に開放する逆止弁なので、反応室2の圧力が、P3より低下すると開放され、反応室2に水素発生溶液が導入される。導入された水素発生溶液は、反応室2の反応促進溶液と接触し加水分解反応により水素が発生し、発生した水素により反応室2の圧力が上昇する(S3)。このとき、水素発生反応後の反応室2の圧力が廃溶液室51の圧力(P1)より高くなる。水素発生溶液の導入量は、水素発生溶液室3の圧力と水素発生溶液導入路5の流路抵抗により決定されるので、逆止弁の流路抵抗を調整することや、水素発生溶液導入路5にオリフィスを設けて流路抵抗を調整することにより設定することができる。
ここで、溶液排出弁10dは、反応室2の圧力が廃溶液室51の圧力(P1)よりも高い場合に開放する逆止弁なので、反応室2の圧力が、P1より高くなると、溶液排出弁10dが開放され、反応室内溶液20は、反応室2で発生した水素の圧力により、溶液排出流路7を通じ反応室2から排出される(S4)。このとき、反応室2の圧力は、P2およびP3より高いので、逆止弁である反応促進溶液導入弁9dおよび送液手段8dは閉止される。
反応室内溶液20の排出および水素消費機器による水素の消費に従って反応室2および水素消費機器の圧力は低下し、廃溶液室51の圧力(P1)まで低下すると溶液排出弁10dが閉止する。
この様に、送液ポンプや電磁弁など駆動に電力を伴う機器や、開閉制御のための圧力センサーやコントローラを必要としない機構によって反応室2への反応促進溶液や水素発生溶液の導入および反応室2からの反応室内溶液の排出を制御し、反応室2での水素生成と生成した水素の圧力による反応室内溶液20の反応室2からの排除を繰り返し行うことができ、また、水素消費機器に供給する水素の圧力を設定することができる水素発生装置とすることができる。
(第9実施例)
図15に、第9実施例に係る水素発生装置の概略構成図を示す。なお、図1に示した水素発生装置の部材と同一部材には同一符号を付し、説明は省略する。また反応室2の圧力を検出する圧力センサー13と制御用のコントローラ14は、省略している。
図15に示す、水素発生装置1は、水素発生溶液室3と、反応促進溶液室4と廃溶液室51とが一体の共通室60eを備え、共通室60eと反応室2は、反応促進溶液導入路6および溶液排出流路7で接続される。これにより、反応促進溶液は、共通室60eから反応室2に導入され、水素発生溶液と混合反応した後に、再び反応促進溶液室に還流することができる。そのため、水素発生装置1に搭載する反応促進溶液の量を縮小することができ、小型化が可能な水素発生装置1とすることができる。反応促進溶液導入路6および溶液排出流路7には、それぞれ流通を開閉する反応促進溶液導入弁9および溶液排出弁10を備える。
この様な水素発生装置1eの構成で、共通室60eに貯留された反応促進溶液導入路6から反応促進溶液導入弁9を通じて反応室2に導入された反応促進溶液と、送液手段8により水素発生溶液導入路5から反応室2に導入された水素発生溶液が接触し加水分解反応により水素が発生する。反応室2で発生した水素の圧力により、反応室内溶液20は、溶液排出弁10を通じて、溶液排出流路7から排出される。溶液排出流路7は、共通室60eに接続されており、反応室2から排出された反応室内溶液20は、共通室60eに導入される。反応室2で発生した水素は、水素流通路11を通じて水素を消費する機器に送られる。
この様に、反応促進溶液は、共通室60eから反応室2に導入され、水素発生溶液と混合反応した後に、再び共通室60eに還流する。反応室内溶液20は、第1実施例に記載のとおり、pHが7以下望ましくはpH6以下また、反応促進溶液の比率を高くした混合溶液であり、反応促進溶液としての性能(酸性)を維持している。従って、共通室60eに還流し、反応促進溶液として利用することができる。これにより、水素発生装置に搭載する反応促進溶液の量を縮小することができ、水素発生装置を小型化することができる。
図4に示した廃溶液室51の圧力P1、反応促進溶液室4の圧力P2は、共通室60eの圧力として同じ圧力となるが、反応室2の圧力が、共通室60eの圧力より低いときに反応促進溶液導入弁9を開放し、共通室60eの圧力より高い状態で、溶液排出弁10を開放する操作を同様に行うことで水素発生の操作を行うことができ、同様の効果を得ることができる。
(第10実施例)
図16に、第10実施例に係る水素発生装置の概略構成図を示す。なお、図6に示した水素発生装置の部材と同一部材には同一符号を付し、説明は省略する。共通室60fと水素発生溶液室3aとを可撓性の材質で形成し、容積可変とした。そして、水素発生溶液室3の縮小と、反応促進溶液室4の拡大を相殺する様に配置し、体積領域を共有した。これにより、共通室60fおよび水素発生溶液室3の設置空間を有効に活用することができ、水素発生装置1fの体積を縮小することができる。
(第11実施例)
図17に、第11実施例に係る水素発生装置の概略構成図を示す。なお、図7に示した水素発生装置の部材と同一部材には同一符号を付し、説明は省略する。可撓性の材質で形成した共通室60fと水素発生溶液室3を溶液圧力室55bの内部に配置しており、大掛かりな機構を要さずに、水素消費機器に供給する水素の圧力を設定することができる水素発生装置とすることができる。
さらに、水素発生溶液導入路5と反応促進溶液導入路6と溶液排出流路7に着脱可能な接続部30bを備えることにより、反応室2および反応室2への溶液の導入や反応室2からの溶液の排出を制御する弁などの機構と、水素発生溶液室3と反応促進溶液室4とを別体としている。これにより、水素発生のための溶液を着脱可能な形態(溶液カートリッジ31g)とすることができ、容易に交換や保管することができる。また、この形態においては、溶液カートリッジ31gは、水素発生の制御のための弁を含まないので、簡便な構造で安価な溶液カートリッジ31gとすることができる。
(第12実施例)
図18に、第12実施例に係る水素発生装置の概略構成図を示す。なお、図1に示した水素発生装置の部材と同一部材には同一符号を付し、説明は省略する。本実施例の水素発生装置1hは、移動可能な溶液隔壁52hで仕切られた容器の空間をそれぞれ反応促進溶液室4hと水素発生溶液室3hとした。反応促進溶液および水素発生溶液の容積変化に応じて溶液隔壁52hが移動する。これにより、空間を有効に活用することができ、水素発生装置1hの体積を縮小することができる。
(第13実施例)
図19に、第13実施例に係る水素発生装置の概略構成図を示す。なお、図18に示した水素発生装置の部材と同一部材には同一符号を付し、説明は省略する。本実施例の水素発生装置1iは、溶液加圧壁53iにより移動可能な溶液隔壁52hで仕切られた容器の空間のそれぞれに貯留した反応促進溶液および水素発生溶液を溶液加圧バネ54i等の加圧手段で加圧する。これにより、大掛かりな機構を要さずに、水素消費機器に供給する水素の圧力を設定することができる水素発生装置1iとすることができる。
以上の様な構成において、水素発生装置1iでは、大掛かりな機構を要さずに必要量の水素を確実に供給することが可能である。
(第14実施例)
図20に、第14実施例に係る燃料電池の全体図を示す。図20に示す燃料電池40は、図17に示した水素発生装置1gを燃料電池セル41に接続したものである。なお、図17に示した水素発生装置の部材と同一部材には同一符号を付し、説明は省略する。燃料電池40は、燃料極室42、酸化剤極43、固体高分子電解質膜44、燃料極45を備えた燃料電池セル41を有する。燃料極室42は燃料電池セル41の燃料極45に接する空間を構成している。燃料極室42には水素発生装置1gの水素流通路11が接続されている。水素発生装置1gで発生した水素は水素流通路11から燃料極室42に送られ、燃料極45での燃料電池反応で消費される。
本実施例の燃料電池40は、大掛かりな機構を要さずに、簡易な構造で安定した水素供給が可能である小型化が可能な水素発生装置を備えた。これにより、小型化が容易な燃料電池とすることが可能になる。
本発明は、水素発生装置の産業分野で利用することができる。
また、本発明は、水素発生装置を備えた燃料電池の産業分野で利用することができる。
1、1a、1b、1c、1e、1f、1g、1h、1i 水素発生装置
2 反応室
3、3a、3h 水素発生溶液室
4、4a、4h 反応促進溶液室
5 水素発生溶液導入路
6 反応促進溶液導入路
7 溶液排出流路
8 送液手段
9、9d 反応促進溶液導入弁
10、10d 溶液排出弁
11 水素流通路
12 水素流通弁
13 圧力センサ
14 コントローラ
15 気液分離膜
20 反応室内溶液
22 容積部
30b 接続部
31、31g 溶液カートリッジ
32 反応ユニット
40 燃料電池
41 電池セル
42 燃料極室
43 酸化剤極
44 固体高分子電解質膜
45 燃料極
51、51a 廃溶液室
52h 溶液隔壁
53i 溶液加圧壁
54i 溶液加圧バネ
55b 溶液加圧室
60e、60f 共通室

Claims (17)

  1. 水素発生溶液と当該水素発生溶液との混合により水素を発生する反応促進溶液とを混合する反応室と、
    前記水素発生溶液を前記反応室に導入する水素発生溶液導入路と、
    前記反応促進溶液を前記反応室に導入する反応促進溶液導入路と、
    前記反応室から水素を排出する水素流通路と、
    前記反応室での水素の発生に応じた体積膨張の力により、前記反応室から押し出される前記水素発生溶液と前記反応促進溶液との反応後の溶液である反応室内溶液を排出する溶液排出流路と、を備えることを特徴とする水素発生装置。
  2. 前記水素発生溶液導入路は、前記水素発生溶液の前記反応室への導入を制御する送液手段を有することを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置。
  3. 前記反応促進溶液導入路は、前記反応促進溶液の前記反応室への導入を制御する反応促進溶液導入弁を有し、
    前記溶液排出流路は、前記反応室内溶液の排出を制御する溶液排出弁を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の水素発生装置。
  4. 前記反応促進溶液導入弁は、前記反応室の圧力が規定値以下のときに弁を開放することで、前記反応促進溶液を前記反応室に導入する開閉弁であり、
    前記溶液排出弁は、前記反応室の圧力が規定値以上のときに弁を開放することで、前記反応室内溶液を排出する開閉弁であることを特徴とする請求項3に記載の水素発生装置。
  5. 前記反応促進溶液導入弁は、前記反応促進溶液導入路の流通を前記反応室に向かう一方向に規制する逆止弁であり、
    前記溶液排出弁は、前記溶液排出流路の流通を前記反応室から外側に向かう一方向に規制する逆止弁であることを特徴とする請求項3又は4に記載の水素発生装置。
  6. 前記反応促進溶液を加圧する加圧手段を有することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の水素発生装置。
  7. 前記送液手段は、前記反応室の圧力が規定値以下のとき、前記水素発生溶液を前記反応室に導入することを特徴とする請求項2から6の何れか一項に記載の水素発生装置。
  8. 前記送液手段は、前記水素発生溶液導入路の流通を前記反応室に向かう一方向に規制する逆止弁であることを特徴とする請求項2から7の何れか一項に記載の水素発生装置。
  9. 前記水素発生溶液を貯留し、前記水素発生溶液導入路で前記反応室と接続される水素発生溶液室と、
    前記反応促進溶液を貯留し、前記反応促進溶液導入路で前記反応室と接続される反応促進溶液室と、
    前記反応室と前記溶液排出流路で接続され、前記反応室から排出された前記反応室内溶液を格納する廃溶液室を備え、
    前記水素発生溶液室と前記反応促進溶液室と前記廃溶液室は、一定容積の容器内に収容されるとともに、それぞれ容積が可変の部材からなり、
    前記水素発生溶液室と前記反応促進溶液室が縮小することで前記容器内に形成される空間は、前記廃溶液室の体積拡大分で補われることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の水素発生装置。
  10. 前記反応促進溶液室と前記廃溶液室とが一体の共通室からなり、
    前記溶液排出流路は、前記反応促進溶液室に接続されることを特徴とする請求項9に記載の水素発生装置。
  11. 前記水素発生溶液室が縮小することで前記容器内に形成される空間は、前記反応促進溶液室の体積拡大分で補われることを特徴とする請求項9又は10に記載の水素発生装置。
  12. 前記水素流通路は、着脱可能な接続部を有することを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載の水素発生装置。
  13. 前記水素発生溶液導入路と、前記反応促進溶液導入路と、前記溶液排出流路は、それぞれ着脱可能な接続部を有することを特徴とする請求項1から12の何れか一項に記載の水素発生装置。
  14. 前記水素流通路は、当該水素流通路における水素の流通を制御する水素流通弁を有することを特徴とする請求項1から13の何れか一項に記載の水素発生装置。
  15. 前記水素流通路は、前記水素流通弁の下流側に当該水素流通路の容積を拡大又は縮小可能な容積部を有することを特徴とする請求項14に記載の水素発生装置。
  16. 前記反応室と、前記水素発生溶液導入路と、前記反応促進溶液導入路と、前記水素流通路と、前記溶液排出流路と、前記水素流通弁とを含む反応ユニットを複数備えることを特徴とする請求項14又は15に記載の水素発生装置。
  17. 請求項1から請求項16の何れか一項に記載の水素発生装置の前記水素流通路に燃料電池の燃料極を有する室が接続され、前記水素発生装置にて発生した水素が前記燃料極に供給されることを特徴とする燃料電池。
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