JP2013193485A - コンテナキャリア - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現在の車輪31,32,33,34の操向角度により求められるコンテナキャリア(車体)11の旋回半径と、現在の巻上げ・巻下げされているコンテナCの高さ位置により求められる車体の重心高さ位置により、常に連続して、コンテナキャリア11を安定して旋回可能な走行用モータ35等による制限速度(転倒速度)を求め、この制限速度により走行速度指令を制限して旋回走行される構成とする。これによって、走行中にコンテナCが巻上げ・巻下げが実行されるコンテナキャリア11の旋回走行中の転倒を防止できる。
【選択図】図1
Description
この開示されているコンテナキャリアは、複数の車輪により支持されたフレーム(車両本体)と、このフレームの上部からワイヤを介して昇降自在に吊り下げられ、コンテナを連結するスプレッダ装置を備え、フレームに、ワイヤの巻き取りドラムとこのドラムを回転駆動する巻上げ用モータ(荷役用モータ)を設け、また左右の前記車輪をそれぞれ駆動する走行用モータを設け、これら走行用モータを正逆駆動することにより、コンテナキャリアを前進・後退し、また左右の各走行用モータの回転数を変えることにより、コンテナキャリアを左行・右行し、また巻上げ用モータを駆動することにより、スプレッダ装置を昇降している。またフレーム上に、エンジン室を設け、このエンジン室の内部に、エンジンとこのエンジンに連結された発電機を設け、発電機からこれら走行用モータと巻上げ用モータへ給電している。
このような旋回走行中の車両の転倒の防止を可能とした荷役車両の一例が、特許文献2に開示されている。
そこで、本発明は、走行中にコンテナの巻上げ・巻下げを実行されるコンテナキャリアであって、旋回走行中の転倒を防止できるコンテナキャリアを提供することを目的としたものである。
前記走行装置を、前記車輪に連結された電動モータと、この電動モータを回転駆動するインバータにより構成し、前記操向装置による前記車輪の操向角度を検出する角度検出器と、前記荷役装置により巻上げ・巻下げを行われている前記コンテナの高さを検出する高さ検出器と、走行中、連続して、前記高さ検出器により検出されている、巻上げ・巻下げを行われているコンテナの高さに基づいて前記車体の重心高さ位置を求めており、同時に、前記角度検出器により検出されている車輪の操向角度により前記車体の旋回半径を求め、連続して、これら求めた、変化する車体の重心高さ位置と車体の旋回半径により、前記車体を安定して旋回可能な制限速度を求め、前記車体の走行速度指令を前記制限速度により制限して前記インバータへ速度指令を出力し、このインバータにより前記電動モータを回転駆動させる制御装置を備えることを特徴とするものである。
前記走行装置を、前記車輪に連結された電動モータと、この電動モータを回転駆動するインバータにより構成し、前記操向装置による前記車輪の操向角度を検出する角度検出器と、前記荷役装置により巻上げ・巻下げを行われている前記コンテナの高さを検出する高さ検出器と、走行中、連続して、前記高さ検出器により検出されている、巻上げ・巻下げを行われているコンテナの高さに基づいて前記車体の重心高さ位置を求めており、同時に、前記角度検出器により検出されている車輪の操向角度により前記車体の旋回半径を求め、連続して、これら求めた、変化する車体の重心高さ位置と車体の旋回半径により、前記車体を安定して旋回可能な制限速度を求め、前記車体の走行速度指令が前記制限速度以上あるいは制限速度を越えると、コンテナキャリアのオペレータへ報知する制御装置を備えることを特徴とするものである。
また本発明のコンテナキャリアは、連続して、車体を安定して旋回可能な制限速度を求めて、車体の走行速度指令がこの制限速度以上あるいは制限速度を越えると、オペレータへ報知され、オペレータはこの報知に応答して車体の走行速度指令を落すこと(減速すること)によって車両構造上重心が非常に高い車体の旋回走行中の転倒を防止できる、という効果を有している。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例におけるコンテナキャリア11の側面図である。コンテナキャリア11は、コンテナ(吊り荷の一例)Cを吊り下げて運搬し、移載、あるいは段積する荷役車両であり、主に埠頭などのコンテナヤードにおいて使用される。
図1において、12はコンテナキャリア11の車体フレーム(車両本体)であり、車体フレーム12は、その中央部にコンテナCを収納しうる空間を形成するように、前進方向(矢視P方向)に向かって左側部と右側部に、前後に延びる左右一対の下部フレーム13を有し、左右一対の下部フレーム13の上面に、左右一対の前方縦フレーム14と左右一対の中央縦フレーム15、さらにそれらの縦フレーム14,15より短い左右一対の後方縦フレーム16が立設されている。
ここで、前方とは、コンテナキャリア11が前進方向(矢視P方向)に走行する場合、後述する運転室24がコンテナキャリア11の後方に位置している方向である。
さらに、天井部には前方縦フレーム14の左右並びに、中央縦フレーム15の左右をそれぞれ連結する前方横渡部材21、中央横渡部材22を設けて門型構造としている。
また左右の後方縦フレーム16の上端部には平面視でほぼU字状の後方張出し部材23を連結し、その上面に運転室24を右側に偏心して固設し、後方張出し部材23の周囲には手摺り部材25を立設している。
前記左右一対の下部フレーム13の下部にはそれぞれ、前方部に、第1車輪31と第2車輪32と第3車輪33が前方から順に配設され、後方部に、第3車輪33から後方に離れて第4車輪34が配設されている。なお、本実施例において第3車輪33が駆動輪で、その他の各車輪は被駆動輪である。
また左右一対の下部フレーム13上にそれぞれ、これら第3車輪33をそれぞれ駆動するための電動モータからなる走行用モータ35が設けられている。これら走行用モータ35が正逆駆動されることにより、コンテナキャリア11は前進・後退される。走行用モータ35と後述する走行用インバータ56により走行装置が形成されている。
左右一対の下部フレーム13の下部で、第3車輪33の後方にそれぞれ、図1および図2に示すように、ステアリングシリンダ36が配置され、運転室24に設けたハンドル(図示せず)の回転角度に応じてステアリングシリンダ36のロッド36Aを出し入れし、ロッド36Aに連結されたリンク機構30により各車輪31,32,33,34の車軸31A,32A,33A,34Aの向きを変えることによりコンテナキャリア11を換向(左行・右行)する構成とされ、ステアリングシリンダ36、ハンドル、およびリンク機構30により操向装置が形成されている。
またリンク機構30において、リンクを駆動する回転中心となる回転中心軸30Aに、車軸31A,32A,33A,34Aの旋回角度(直進方向を0゜とした角度)を検出するポテンショメータからなる旋回角度検出器(角度検出器の一例)30Bが連結されている。
図3に示すように、前記前方縦フレーム14の左右内側並びに、中央縦フレーム15の左右内側の空間には、4本のワイヤ(吊り荷を支持する索体)37に吊設されてコンテナCを巻上げ・巻下げ可能(昇降可能)に吊り上げるスプレッダ装置38を配設している。なお、図1において、一点鎖線で示すコンテナCは、45フィートコンテナを地上に3段積み重ね、4段目のコンテナCをスプレッダ装置38によって吊り上げている状態を示している。
また、中央縦フレーム15には、その後方位置に水平な状態で、スプレッダ装置38の駆動機構を支持する支持枠40(図1)が配設されている。
またドラム45とブレーキ48と荷役用モータ46と減速機47により、上記駆動機構が構成され、この駆動機構と前記昇降機構とワイヤ37とスプレッダ装置38により荷役装置が形成されている。
前記運転室24に、モニター装置28(図4)と、ステアリング・ハンドルなど走行・荷役・コンテナCの連結に必要な操作装置29(図4)が配設され、乗員による操作装置29の操作により走行用モータ35が駆動されて走行が行われ、荷役用モータ46が駆動されてコンテナCの巻上げ・巻下げが行われ、連結具39によりコンテナCのスプレッダ装置38への連結・離脱が行われる。またモニター装置28には、走行速度制限中を報知するランプ28A(報知手段の一例)と、後述するスプレッダ装置38の許容高さを表示するディジタル表示器28Bが設けられている。
左側の下部フレーム13上には、下方側部材18の下方位置で、且つ後方位置にエンジン室51(図4)が設けられ、このエンジン室51の内部に、図4に示す、エンジン49とこのエンジン49に連結された発電機50と、コンバータ54が設けられている。
図4に示すように、発電機50により発生した交流電圧は、コンバータ54により直流電圧に変換され、この直流電圧が直流母線(直流電圧母線)70に印加される。この直流母線70に、荷役用インバータ57、2台の走行用インバータ56、および制動ユニット60の投入・遮断スイッチ58が接続されている。
上記コントローラ61には、図3に示すように、次の信号・データが入力される。
・運転室24の操作装置29の荷役指令または走行速度指令の信号
・各走行用モータ35のパルスジェネレータ63のパルス信号
・荷役用モータ46のパルスジェネレータ64のパルス信号
・旋回角度検出器30Bの旋回角度信号
またコントローラ61より、次の信号・データが出力される。
・荷役用インバータ57と2台の走行用インバータ56への指令信号
・投入・遮断スイッチ58への投入指令または遮断指令
・ブレーキ48のオン指令またはオフ指令
・モニター装置28のランプ28Aとディジタル表示器28Bの表示信号
そして、巻上げ高さ演算部73により検出されたスプレッダ装置38の巻上高さJ、すなわちコンテナCの高さにより、コンテナキャリア11の重心高さ位置Hを求める重心高さ演算部74を設けている。
重心高さ演算部74には、図6に示す、コンテナCを吊り下げていない状態でのコンテナキャリア11の重心G1の高さ位置h1と重量W1が予め設定され、またコンテナCの高さ寸法fと重量(平均重量)W2が設定され、コンテナCの重心G2は、コンテナCの中心に有るとしている。重心高さ演算部74は、図6に示すように、スプレッダ装置38の巻上高さJからf/2を減算してコンテナCの重心G2の高さ位置h2を求め、高さ位置h2と高さ位置h1の差Δhを、コンテナCの重量W2とコンテナキャリア11の重量W1の比により配分して、高さ位置h1へ加算することにより、コンテナCを吊り下げた状態でのコンテナキャリア11の重心Gの高さ位置Hを求めている。いま、W1:W2=5:1とすると、高さ位置h1へ加算するΔhは、1/6となる。
図6に示すように、旋回走行中に、コンテナキャリア11の重心Gは、旋回中心方向に移動し、その重心G’は、車輪31〜34の中心位置から距離eへ移動する。この距離eは、トレッド幅L(固定値)と、走行速度V、重心高さ位置Hおよび旋回半径Rにより次の式(1)により求められる。gは重力加速度である。
e=L/2−V2×H/(R×g) ・・・(1)
距離eがゼロとなると、コンテナキャリア11は転倒する。距離eがゼロとなるときの走行速度Vを転倒速度Wとして求めている。したがって、転倒速度Wは、トレッド幅L(固定値)、重心高さ位置H、旋回半径Rにより次の式(2)により求められる。
W=√(L×R×g/2/H) ・・・(2)
そこで、図7に示すように、最小旋回半径Rmin(例えば、5.3m)とコンテナ搬送時の最高制限速度Wmax(例えば、25km/h)を設定し、最小旋回半径Rmin以上で、最高制限速度Wmax以下の範囲内で、重心高さ位置Hを、コンテナCを4段目として積む際に搬送するときの重心高さ位置H4(図6のHに相当)、コンテナCを3段目として積む際に搬送するときの重心高さ位置H3、コンテナCを2段目として積む際に搬送するときの重心高さ位置H2、コンテナCを1段目として置く際に搬送するときの重心高さ位置H1毎に、旋回半径Rで転倒速度Wを演算したカーブを作成し記憶している。
上記構成によるコンテナキャリア11の走行動作を説明する。
コンテナキャリア11のオペレータが操作装置29を操作することにより、例えばアクセルペダルを踏み込むことにより、走行速度指令がコントローラ61へ入力されると、コントローラ61により走行速度指令は転倒速度W未満に制限されて左右の走行用インバータ56へ出力され、左右の走行用インバータ56により速度指令に応じてそれぞれ走行用モータ35が回転駆動され、第3車輪(駆動輪)33が回転駆動され、コンテナキャリア11が走行される。
また速度制限出力部78によって走行速度指令が制限速度W以上となったことを検出しているが、速度制限出力部78とは別に、走行速度指令と制限速度Wを比較する比較部(比較器)を設け、走行速度指令が制限速度Wを超えたことを検出して、ランプ28Aを点灯するようにしてもよい。このような、“走行速度指令が制限速度Wを超えていること”の報知に基づいて、オペレータは、運転室24の操作装置29より入力した走行速度指令を落すこと(減速すること)によって車両構造上重心が非常に高い車体フレーム12の旋回走行中の転倒を防止できる。このとき、ランプ28Aは、走行速度制限中のみでなく、走行速度指令が転倒速度Wを超えたことを報知する報知手段として使用される。
また、走行速度指令を転倒速度Wにより制限をすることなく、走行速度指令が制限速度W以上あるいは制限速度Wを超えたことを検出してランプ28Aを点灯するだけとすることも可能である。
また本実施例では、速度制限中、走行速度指令が転倒速度W以上あるいは制限速度Wを超えたことを報知する報知手段としてモニター装置28にランプ28Aを備え、ランプ28Aを点灯することによりオペレータへ報知しているが、報知手段はランプ28Aに限ることはなく、チャイムやブザーを備え、これらチャイムやブザーを鳴らすことにより報知するようにしてもよい。また昇降可能なスプレッダ装置38の巻上高さJの表示手段として、ディジタル表示器28Bを備え、このディジタル表示器28Bへ表示しているが、表示手段として、メータ(アナログ表示)を備え、メータへ表示するようにしてもよく、また昇降可能なスプレッダ装置38の巻上高さJをコンテナCの段積みの段数で表示することも可能である。
24 運転室
28 モニター装置
28A ランプ
28B ディジタル表示器
29 操作装置
30 リンク機構
30B 旋回角度検出器
31〜34 車輪
35 走行用モータ
36 ステアリングシリンダ
38 スプレッダ装置
52 制御盤
54 コンバータ
56 走行用インバータ
61 コントローラ
63,64 パルスジェネレータ
Claims (4)
- 複数の車輪により支持される車体に、コンテナの巻上げ・巻下げを行う荷役装置を設け、この荷役装置によりコンテナの巻上げ・巻下げを行いながら、前記車輪の向きを操向装置により変更し、前記車輪を走行装置により回転することにより走行して荷役作業を実行するコンテナキャリアであって、
前記走行装置を、前記車輪に連結された電動モータと、この電動モータを回転駆動するインバータにより構成し、
前記操向装置による前記車輪の操向角度を検出する角度検出器と、
前記荷役装置により巻上げ・巻下げを行われている前記コンテナの高さを検出する高さ検出器と、
走行中、連続して、前記高さ検出器により検出されている、巻上げ・巻下げを行われているコンテナの高さに基づいて前記車体の重心高さ位置を求めており、同時に、前記角度検出器により検出されている車輪の操向角度により前記車体の旋回半径を求め、連続して、これら求めた、変化する車体の重心高さ位置と車体の旋回半径により、前記車体を安定して旋回可能な制限速度を求め、前記車体の走行速度指令を前記制限速度により制限して前記インバータへ速度指令を出力し、このインバータにより前記電動モータを回転駆動させる制御装置
を備えること
を特徴とするコンテナキャリア。 - 前記制御装置は、前記車体の走行速度指令を前記制限速度により制限すると、コンテナキャリアのオペレータへ報知すること
を特徴とする請求項1に記載のコンテナキャリア。 - 複数の車輪により支持される車体に、コンテナの巻上げ・巻下げを行う荷役装置を設け、この荷役装置によりコンテナの巻上げ・巻下げを行いながら、前記車輪の向きを操向装置により変更し、前記車輪を走行装置により回転することにより走行して荷役作業を実行するコンテナキャリアであって、
前記走行装置を、前記車輪に連結された電動モータと、この電動モータを回転駆動するインバータにより構成し、
前記操向装置による前記車輪の操向角度を検出する角度検出器と、
前記荷役装置により巻上げ・巻下げを行われている前記コンテナの高さを検出する高さ検出器と、
走行中、連続して、前記高さ検出器により検出されている、巻上げ・巻下げを行われているコンテナの高さに基づいて前記車体の重心高さ位置を求めており、同時に、前記角度検出器により検出されている車輪の操向角度により前記車体の旋回半径を求め、連続して、これら求めた、変化する車体の重心高さ位置と車体の旋回半径により、前記車体を安定して旋回可能な制限速度を求め、前記車体の走行速度指令が前記制限速度以上あるいは制限速度を越えると、コンテナキャリアのオペレータへ報知する制御装置
を備えること
を特徴とするコンテナキャリア。 - 前記車体の走行速度を検出する走行速度検出器を備え、
前記制御装置は、求めた車体の旋回半径と、前記走行速度検出器により検出された前記車体の走行速度により、前記車体を安定して旋回可能な前記荷役装置による前記コンテナの高さを求め、コンテナキャリアのオペレータへ報知すること
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のコンテナキャリア。
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