JP2013193240A - 印刷装置、印刷方法、及び印刷プログラム - Google Patents

印刷装置、印刷方法、及び印刷プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ヘッドの温度の変動を抑制する印刷装置及び印刷方法を提供すること。
【解決手段】印刷データに基づき基体の印刷領域内にパターンを印刷したときのヘッドの温度データを前記ヘッドの走査のパス毎に取得する温度取得部(150)と、前記印刷データと前記温度データとを記憶する記憶部(120)と、前記印刷データを用いて再印刷を行う場合、前記記憶部に記憶された前記温度データに応じて前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動を調整する印刷制御部(110)とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、印刷装置、印刷方法、及び印刷プログラムに関する。
従来、印刷装置として、インクジェット型の印刷装置が知られている。インクジェット型の印刷装置は、インクを吐出するノズルが形成されたヘッドを備え、当該ヘッドを印刷媒体をなす基体に対して相対移動させることによって、基体上に画像データに基づく所望の画像を形成するように構成されている。このようなインクジェット型の印刷装置の一種として、工業製品の表面に加飾を施す加飾装置がある(特許文献1参照)。この加飾装置によれば、各色材を含む紫外線硬化性のインクをヒーターにより加熱してその粘度を下げ、これを例えば16個のヘッドから選択的に吐出することにより、立体感のある加飾を施すことができる。この種の加飾装置では、通常、圧電素子によりノズルに機械的な振動を与えることによりインクを吐出させている。
ところで、インクジェット型の印刷装置が備えるヘッドの温度によってインクの粘性が変化するため、ヘッドの温度が変動するとインクの吐出量も変動し、印刷ムラが発生する。このため、インクジェット型の印刷装置には、ヘッドの温度を一定に保持するための温調器が備えられている。この温調器によれば、インクを吐出しない程度の微振動をノズルに与えることによりヘッド内の温度を均一化し、ヘッドの温度を概ね一定に維持することができる。
特開2007−021833号公報
しかしながら、上述の従来技術によれば、大型の印刷物を印刷する場合、多数のヘッドを備える必要があるため、上述の温調器を用いても各ヘッドの温度を一定に保つことは困難であるという問題がある。即ち、印刷データによっては画像内のドットの密度が大きく異なり、ドットの密度が高い領域にインクを吐出する場合、多数のノズルに大きな振動が加えられる。このため、印刷データによってヘッドの温度が大きく変動し、上述の温調器を用いても各ヘッドの温度を一定に保つことは容易ではなく、このヘッドの温度の変動に起因した印刷ムラを有効に抑制することは困難であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ヘッドの温度の変動を抑制することができる印刷装置、印刷方法、及び印刷プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による印刷装置の一態様は、基体上を走査するヘッドから印刷データに基づきインクを前記基体の印刷面に向けて吐出することにより前記基体の印刷領域内にパターンを印刷すると共に、前記ヘッドが前記基体の印刷領域外を走査する期間において前記ヘッドに振動を与えることにより、前記ヘッドの温度の低下を抑制する機能を有する印刷装置であって、前記印刷データに基づき前記基体の前記印刷領域内に前記パターンを印刷したときの前記ヘッドの温度データを前記ヘッドの走査のパス毎に取得する温度取得部と、前記印刷データと前記温度データとを記憶する記憶部と、前記印刷データを用いて再印刷を行う場合、前記記憶部に記憶された前記温度データに応じて前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動を調整すると共に、前記印刷データに基づいて前記ヘッドによる前記パターンの印刷を制御する印刷制御部とを備えた印刷装置の構成を有する。
上記構成によれば、印刷データを用いて再印刷を行う場合、記憶部に記憶された温度データに応じて印刷領域外でヘッドに与える振動が調整され、この振動が熱に変換されてヘッドの温度が調整される。従って、再印刷において、印刷データに応じてヘッドの温度を適切な温度に制御することができ、ヘッドの温度の変動を抑制することが可能になる。
上記印刷装置の一態様において、例えば、前記印刷処理部は、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の発数を調整する。
上記構成によれば、ヘッドに与える振動の発数に応じた熱がヘッドに発生するので、この振動の発数に応じてヘッドの温度が制御され。これによりヘッドの温度を制御することが可能になる。
また、上記振動の発数を調整す印刷装置の一態様において、例えば、前記印刷処理部は、前記温度データで示される前記ヘッドの温度の変化量に応じて、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の発数を調整する。
上記構成によれば、ヘッドの熱容量により、ヘッドに対する振動の印加と温度の上昇との間に時間的なずれが存在する場合であっても、ヘッドの温度を適切に制御することが可能になる。
また、上記振動の発数を調整す印刷装置の一態様において、例えば、前記印刷処理部は、前記印刷データを用いて再印刷を行う場合、前記温度データがヘッドの温度の上昇を示すパスについて、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の発数を減少させ、前記温度データがヘッドの温度の低下を示すパスについて、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の発数を増加させる。
上記構成によれば、ヘッドの温度が上昇したときに再印刷においてヘッドの温度の上昇が抑制され、ヘッドの温度が低下したときに再印刷においてヘッドの温度の低下が抑制される。従って、ヘッドの温度の変化を抑制することが可能になる。
また、上記印刷装置の一態様において、例えば、前記印刷処理部は、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の波形を調整する。
上記構成によれば、ヘッドに与える振動の波形に応じた熱がヘッドに発生するので、この振動の波形に応じてヘッドの温度が制御され。これによりヘッドの温度を制御することが可能になる。
また、上記振動の波形を調整する印刷装置の一態様において、例えば、前記印刷処理部は、前記温度データで示される前記ヘッドの温度の変化量に応じて、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の波形を調整する。
上記構成によれば、ヘッドの熱容量により、ヘッドに対する振動の印加と温度の上昇との間に時間的なずれが存在する場合であっても、ヘッドの温度を適切に制御することが可能になる。
また、上記振動の波形を調整する印刷装置の一態様において、例えば、前記印刷処理部は、前記印刷データを用いて再印刷を行う場合、前記温度データがヘッドの温度の上昇を示すパスについて、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の振幅を減少させ、前記温度データがヘッドの温度の低下を示すパスについて、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の振幅を増加させる。
上記構成によれば、ヘッドの温度が上昇したときに再印刷においてヘッドの温度の上昇が抑制され、ヘッドの温度が低下したときに再印刷においてヘッドの温度の低下が抑制される。従って、ヘッドの温度の変化を抑制することが可能になる。
また、上記印刷装置の一態様において、例えば、前記印刷処理部は、前記印刷データと前記温度データとの相関を求め、前記相関に基づき、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動を調整する。
上記構成によれば、印刷データからヘッドの温度の傾向を把握することができる。従って、最初の印刷においても印刷データからヘッドに与える振動を適切に調整することができる。
また、上記印刷装置の一態様において、例えば、前記印刷処理部は、前記温度データが前記ヘッドのオーバーヒートを示す場合、前記再印刷において前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動を抑制する。
上記構成によれば、再印刷においてオーバーヒートを防止することが可能になる。
上記課題を解決するため、本発明による印刷方法の一態様は、基体上を走査するヘッドから印刷データに基づきインクを前記基体の印刷面に向けて吐出することにより前記基体の印刷領域内にパターンを印刷すると共に、前記ヘッドが前記基体の印刷領域外を走査する期間において前記ヘッドに振動を与えることにより、前記ヘッドの温度の低下を抑制する印刷方法であって、前記印刷データに基づき前記基体の前記印刷領域内に前記パターンを印刷したときの前記ヘッドの温度データを前記ヘッドの走査のパス毎に取得するステップと、前記印刷データと前記温度データとを記憶部に記憶するステップと、前記印刷データを用いて再印刷を行う場合、前記記憶部に記憶された前記温度データに応じて前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動を調整すると共に、前記印刷データに基づいて前記ヘッドによる前記パターンの印刷を制御するステップとを含む印刷方法の構成を有する。
上記構成によれば、本発明による印刷方法の一態様による作用効果として、上記印刷装置の一態様と同様の作用効果を得ることができる。
上記課題を解決するため、本発明による印刷プログラムの一態様は、コンピューターを、基体上を走査するヘッドから印刷データに基づきインクを前記基体の印刷面に向けて吐出することにより前記基体の印刷領域内にパターンを印刷すると共に、前記ヘッドが前記基体の印刷領域外を走査する期間において前記ヘッドに振動を与えることにより、前記ヘッドの温度の低下を抑制する機能を有する印刷装置として機能させる印刷プログラムであって、前記コンピューターを、前記印刷データに基づき前記基体の前記印刷領域内に前記パターンを印刷したときの前記ヘッドの温度データを前記ヘッドの走査のパス毎に取得する温度取得部と、前記印刷データと前記温度データとを記憶する記憶部と、前記印刷データを用いて再印刷を行う場合、前記記憶部に記憶された前記温度データに応じて前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動を調整すると共に、前記印刷データに基づいて前記ヘッドによる前記パターンの印刷を制御する印刷制御部ととして機能させる印刷プログラムの構成を有する。
上記構成によれば、本発明による印刷プログラムの一態様による作用効果として、上記印刷装置または上記印刷方法と同様の作用効果を得ることができる。
このような構成を採用する本発明の一態様によれば、印刷データを用いて再印刷を行う場合、上記印刷データの印刷で得られたヘッドの温度データに応じて印刷領域外でヘッドに与える振動を調整するので、再印刷において、ヘッドの温度の変動を抑制することができる。
本発明の第1実施形態による印刷装置の構成の一例を表す図であり、(a)は、その平面図であり、(b)は、その側面図である。 同実施形態による印刷装置が備えるヘッドの一例を表す図である。 同実施形態による印刷装置を含む印刷システムの機能構成の一例を表すブロック図である。 同実施形態による印刷装置の機能構成の一例を表すブロック図である。 同実施形態による印刷装置の動作の流れの一例を示すフローチャートである。 同実施形態による印刷装置の動作(最初の印刷)を説明するための図である。 同実施形態による印刷装置の動作(最初の印刷)におけるヘッドの温度の一例を説明するための波形図である。 同実施形態による印刷装置の動作(再印刷)を説明するための図である。 同実施形態による印刷装置の動作(再印刷)におけるヘッドの温度の一例を説明するための波形図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1(a)、(b)は、本発明の第1実施形態によるインクジェット型の印刷装置100の概略構成を示す模式図であって、(a)は印刷装置100の平面図、(b)は印刷装置100の側面図である。なお、図1(a)、(b)は、本実施形態による印刷装置100を、連続した長尺な印刷媒体としての基体10に対して印刷を行う印刷装置に適用した例を示している。
図1(a)、(b)に示す印刷装置100は、吐出ヘッド20を有するヘッド機構部2と、供給排出機構部3と、メンテナンス部5と、制御部60とを備えて構成されている。本実施形態では、印刷装置100は、例えば大判の印刷を行うインクジェット型の加飾装置であるが、これに限定されない。なお、図1では省略されているが、印刷装置100は、紫外線硬化性のインクを吐出ヘッド20に供給するためのインク供給部を更に備える。
ヘッド機構部2は、ヘッドキャリッジ22と、X軸走査機構11とを備えて構成され、ヘッドキャリッジ22は、ブリッジプレート27と、サブキャリッジ28と、ヘッドユニット21とを備えて構成されている。このうち、X軸走査機構11は、吐出ヘッド20を備えたヘッドユニット21をX軸方向に移動(走査)させるものであり、X軸ガイドレール11aとX軸スライダー11bと支持台11dとを、それぞれ二組備え、さらにガイドレール支持柱11cを4本備えて構成されている。ヘッドユニット21は、サブキャリッジ28の下面側に取り付けられたユニットプレート23と、ユニットプレート23の下面側に搭載された吐出ヘッド20とを有している。
本実施形態において、吐出ヘッド20は、インクジェット方式のヘッドであって、紫外線硬化性を有する成分を含むインクを液滴として、連続した長尺な帯状の基体10の表面に向けて吐出するものであり、後述するように、インクを吐出するための複数のノズルを備えている。また、吐出ヘッド20は、各ノズルに対応したインクが充填された圧力室を有しており、各圧力室には圧電素子が取り付けられている。この圧電素子で吐出ヘッド20の各圧力室に機械的な振動を与えることによりインクをノズルから吐出すものとなっている。ここで、基体10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)などのフレキシブルフィルムが用いられる。
図2は、吐出ヘッド20の概略構成を示す外観斜視図である。同図に示すように、吐出ヘッド20はノズル基板25を備え、このノズル基板25には、複数のノズル24が、基体の送り方向と一致するY軸方向に沿って直線状に配列され、この直線状に配列されたノズル列がX軸方向に複数形成されている。本実施形態では、ノズル基板25には8列のノズルが形成され、各列は、例えばY(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(黒)に対応した有色部形成材料を含む紫外線硬化性インク、およびアンダーコート/オーバーコート用の透明色または白色(W)の透光性液体材料を含む紫外線硬化性インクを吐出するノズルの何れかに対応している。
なお、特に図示しないが、印刷装置100は、吐出ヘッド20から基体10上に吐出された紫外線硬化性のインクを硬化させるための紫外線照射装置を更に備えている。
説明を図1に戻す。供給排出機構部3は、基体10を吐出ヘッド20による印刷位置に供給し、また、この印刷位置から排出するものであり、供給リール31と、巻取リール32と、吸着ユニット33と、アイドラローラ37,38と、Y軸走査機構42とを備えて構成されている。このうち、Y軸走査機構42は、吸着ユニット33をY軸方向に移動(走査)させるものであり、Y軸ガイドレール42aとY軸スライダー42bとを、それぞれ二組ずつ備えて構成されている。吸着ユニット33は、基体10を吸着して保持固定するためのものであり、吸着テーブル33aと、テーブル台43と、供給ローラー34と、従動ローラー34a,36aと、基体送りローラー36とを備えて構成されている。基体10の送り方向は、図1(a)、(b)においてY軸方向となっている。
供給リール31には帯状の基体10が巻かれており、この供給リール31に巻かれた基体10が巻取リール32に向けて送られることにより、基体10が吸着テーブル33aの吸着面上を搬送されるようになっている。印刷の際には、基体10が吸着テーブル33aの吸着面に保持固定され、この吸着面に保持された基体10の印刷面に吐出ヘッド20によりインクが吐出されて印刷がなされる。
メンテナンス部5は、吐出ヘッド20の保守を行うものであり、本実施形態においては、吐出ヘッド20のクリーニング等を行うことによってノズル吐出状態を回復させる。
制御部60は、吐出ヘッド20の走査と吐出ヘッド20からのインクの吐出を制御することにより、印刷データに基づいて基体10上にパターンを印刷するための一連の制御を実施するものであり、その詳細については後述する。
このような構成により、制御部60による制御の下、X軸走査機構11によってヘッドユニット21の吐出ヘッド20をX軸方向に走査させ、Y軸走査機構42によって基体10における吸着テーブル33aの吸着面に吸着保持された基体10に対して吐出ヘッド20をY軸方向に相対的に走査させることが可能となっている。即ち、基体10における吸着テーブル33aの吸着面に吸着保持された基体10の印刷面のほぼ全域に対して、吐出ヘッド20のノズルを対向させることができるようになっている。
図3は、上述の印刷装置100が適用された印刷システム1の構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、印刷システム1は、インクジェット型の印刷装置100、印刷画像生成装置200、印刷ジョブ管理装置300から構成される。このうち、印刷画像生成装置200は、印刷装置100で印刷すべき画像データDGを生成するためのものであり、例えば画像作成プログラムがインストールされたコンピュータである。画像のデザイナーが印刷画像生成装置200を操作することにより、印刷画像生成装置200で画像データDGが生成される。この画像データDGは、印刷ジョブ管理装置300に供給される。このとき、印刷画像が多層の場合には画像データDGは複数版に分解されて印刷ジョブ管理装置300に供給される。
印刷ジョブ管理装置300は、印刷画像生成装置200により生成された画像データDGと共に、この画像データDGを印刷装置100で印刷するためのジョブ情報DJを生成して管理するためのものである。ジョブ情報DJは、印刷すべき画像の大きさ、位置、割り付け、解像度、パス数、印刷部数などに関する印刷情報のほか、ジョブIDやジョブ名などのジョブを特定するための情報を含む。このジョブ情報DJは、画像データDGと共に印刷装置100に供給される。
図4は、印刷装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
なお、図4において、ヘッド部140を構成する吐出ヘッド20は、前述の図2に示すものであり、図4の例では、合計16個の吐出ヘッド20がヘッド部140として印刷装置100に備えられている。また、図4に示す機構部160は、前述の図1に示す例えばX軸走査機構11およびY軸走査機構42などに相当する要素であり、図1に示す構成要素のうち、吐出ヘッド20および制御部60を除いた要素に対応している。また、図4において、印刷制御部110、記憶部120、データコントローラ部130、温度取得部150は、前述の図1に示す制御部60に相当する要素である。
具体的に印刷装置100の構成を説明する。印刷装置100は、概略的には、上述の画像データDGを印刷データDPに変換し、吐出ヘッド20から印刷データDPに基づきインクを基体10の印刷面に向けて吐出することにより、この基体10の印刷領域内にパターンを印刷すると共に、吐出ヘッド20が基体10の印刷領域外を走査する期間においては、吐出ヘッド20に対しインクを吐出しない程度の微振動を与えることにより、この吐出ヘッド20の温度の低下を抑制する機能を有するものであり、印刷制御部110と、記憶部120と、データコントローラ部130と、ヘッド部140と、温度取得部150と、機構部160とを備えて構成されている。
このうち、印刷制御部110は、印刷ジョブ管理装置300から供給される画像データDGおよびジョブ情報DJに基づいて印刷装置100における一連の印刷動作を制御するものであり、印刷データ生成部111と印刷処理部112から構成されている。このうち、印刷データ生成部111は、印刷ジョブ管理装置300から供給された画像データDGをESC/P形式の印刷データDPに変換するものである。ただし、印刷データDPの形式はESC/Pに限定されない。また、印刷処理部112は、印刷データDPに基づいてヘッド部140による印刷動作を制御するための処理を実施するものである。後述するように、印刷制御部110は、印刷データDPを用いて再印刷を行う場合、記憶部120に記憶された温度データDTに応じて印刷領域外で吐出ヘッド20に与える微振動を調整すると共に、印刷データDPに基づいて吐出ヘッド20による印刷を制御する。本実施形態では、印刷制御部110は、印刷領域外で吐出ヘッド20に与える微振動の発数を調整する。
ここで、本実施形態では、上述の「微振動」は、吐出ヘッド20の温度の低下を抑制するためにインクを吐出させない範囲で吐出ヘッド20に与えられる小さな機械的振動を指す。この微振動は、一定の振幅および周波数を有する振動である。また、上述の「発数」は、一定時間の微振動を単位とした微振動の個数を意味する。微振動の発数が大きくなると、吐出ヘッド20の温度が上昇する。また、微振動の発数が小さくなると、吐出ヘッド20の温度が低下する。発数が1の微振動により吐出ヘッド20が発生する発熱量は事前に算出することができ、その発熱量から、吐出ヘッド20の温度の変化量を見積もることができる。
温度取得部150は、上記印刷データDPに基づき基体10の印刷領域内にパターンを印刷したときのヘッド部140の各吐出ヘッド20の温度を示す温度データDTを、ヘッド部140の走査のパス毎に取得するものである。
記憶部120は、上記印刷データDPと上記温度データDTとを記憶するものである。
データコントローラ部130は、吐出ヘッド20に備えられた圧電素子を駆動する駆動信号を発生させるものであり、4個のデータコントローラ130A〜130Dから構成される。これらデータコントローラ130A〜130Dのそれぞれには、4個の吐出ヘッド20が接続されており、合計16個の吐出ヘッド20からヘッド部140が構成され、これにより大判の印刷が可能となっている。ただし、この例に限定されることなく、吐出ヘッド20は1個であってよく、その個数は任意である。本実施形態では、吐出ヘッド20に備えられた圧電素子に印加される駆動信号の振幅は、印刷処理部112による制御の下、インクを吐出するときに増大され、インクを吐出しないときには小さく抑制される。即ち、インクを吐出すべきでないときにも吐出ヘッド20には微振動が与えられ、これにより、印刷中の吐出ヘッド20の温度の低下を抑制している。
機構部160は、前述したように、印刷処理部112の制御の下、印刷の際に吐出ヘッド20を基体10の印刷面に対して相対的に移動させるためのものである。
なお、本実施形態において、吐出ヘッド20には、その温度を適温に設定するためのヒーターが取り付けられている。
次に、本実施形態による印刷装置100を備えた図3に示す印刷システム1の動作について説明する。
まず、画像のデザイナーが印刷画像生成装置200の入力デバイスを操作して画像を作成し、その画像データDGを印刷画像生成装置200が生成する。この画像データDGは印刷ジョブ管理装置300に供給される。印刷ジョブ管理装置300は、画像データDGの印刷を管理するためのジョブ情報DJを生成して、このジョブ情報DJを画像データDGに付与し、この画像データDGをジョブ情報DJにより管理する。印刷ジョブ管理装置300は、これらジョブ情報DJおよび画像データDGを印刷装置100に供給する。
図5は、本実施形態による印刷装置100の動作の流れを示すフローチャートである。
図5に示すフローに沿って、印刷装置1の動作を説明する。印刷装置100は、印刷ジョブ管理装置300からジョブ情報DJと画像データDGを受け取ると、この画像データDGの印刷が再印刷であるかどうかを判断する(ステップS1)。ここで、画像データDGの印刷が再印刷でなければ(ステップS1;NO)、即ち、この画像データDGの印刷が最初の印刷であれば、印刷装置100を構成する印刷制御部110内の印刷データ生成部111は、画像データDGをESC/P形式の印刷データDPに変換する(ステップS2)。そして、印刷データ生成部111は、上述のジョブ情報DJに含まれている印刷情報を印刷データDPに付加し、これら印刷データDPと印刷情報を記憶部120に記憶させる(ステップS3)。印刷データDPに付加される印刷情報は、例えばXML形式のファイルとして作成される。
本実施形態では、画像データDGの印刷が再印刷であるかどうかの判断は、例えば、印刷システム1の利用者からの指示に基づいて行う。即ち、利用者は、再印刷を指示する場合、印刷ジョブ管理装置300により管理されている複数の画像データDGにそれぞれ付与されたジョブ情報DJの履歴の中から、再印刷すべき画像データDGに付与されたジョブ情報DJを選択することにより再印刷を指示する。この場合、印刷ジョブ管理装置300は、利用者により選択されたジョブ情報DJに再印刷を指示する情報を付加する。印刷装置100は、このジョブ情報DJに付加された情報に基づいて画像データDGの印刷が再印刷であるかどうかを判断する。ただし、この例に限定されず、どのように再印刷を判断するものとしてもよい。
記憶部120の記憶された印刷データDPは、印刷処理部112に逐次伝送される。このような印刷データDPの伝送は、例えばウィンドウズ(登録商標)に実装されたスープラなどの機能を用いて実行される。
印刷処理部112は、記憶部120から伝送された印刷データDPに基づいて基体10の印刷面に対する吐出ヘッド20の走査とインクの吐出を制御し、画像パターンを基体10の印刷面上に印刷させる。即ち、印刷処理部112は、印刷データDPに基づいてデータコントローラ130を介して吐出ヘッド部140を構成する各吐出ヘッド20の圧電素子を適切なタイミングで駆動することにより、各吐出ヘッド20からインクを吐出させ、これにより画像パターンを印刷させる(ステップS4)。
ここで、本実施形態では、印刷制御部110を構成する印刷処理部112は、吐出ヘッド20の温度を調整するため、印刷領域外で吐出ヘッド20が走査を折り返す区間において吐出ヘッド20の微振動を調整する。
図6は、最初の印刷における印刷領域外の非印刷領域QR,QLで吐出ヘッド20に与えられる微振動を説明するための説明図である。同図において、印刷領域S内のパスP1,P2,P20,P21のそれぞれは、吐出ヘッド20の一回の走査領域を表している。各パスに「0」および「1」の数字列で表した印刷パターンは、インクの吐出の有無を表し、「1」はインクの吐出があることを表し、「0」はインクの吐出がないことを表す。また、印刷領域外の非印刷領域QR,QLに設定された走査の折り返し区間(キャリッジリターン区間)Q1に記載した「0」は微振動を表している。
図6の例では、パスP1からパスP2に走査を折り返す区間Q1における「0」の個数の合計が10(=5+5)であり、このことは区間Q1における微振動の発数が10であることを意味している。本実施形態では、吐出ヘッド20の走査の各折り返し区間における微振動の発数のデフォルト値として10が設定されている。ただし、この例は説明の便宜上のものであり、微振動の発数は任意に設定され得る。
上述のように印刷処理部112の制御の下に画像パターンを印刷する過程で、温度取得部150は、パス毎の吐出ヘッド20の温度Thを示す温度データDTを取得する(ステップS5)。即ち、温度取得部150は、例えばパスP1の走査が終了した時点で、このパスP1を走査した吐出ヘッド20の温度を取得する。そして、温度取得部150は、全てのパスの走査が終了すると、パス毎の吐出ヘッド20の温度に関する温度データDTを生成して印刷処理部112に供給する。
印刷処理部112は、温度取得部150から供給された温度データDTを、印刷に用いた各関数の呼び出し履歴やパラメーター等と共にログデータDLOGとして記憶部120に記憶させる(ステップS6)。一般に、この種のログデータDLOGは、障害が発生した場合のデバッグに利用されるものであるが、本実施形態では、ログデータDLOGは、再印刷において吐出ヘッド20の温度を調整するために利用される。本実施形態では、ログデータDLOGは、印刷データDPと一緒に記憶部120内に記憶されて管理される。即ち、温度データDTを含むログデータDLOGは印刷データDPと関連づけられて記憶部120に記憶される。本実施形態では、例えば、印刷データDPのジョブ情報DJに含まれる印刷情報(XML)にログデータDLOGのファイルのリンクを追加することにより、印刷データDPとログデータDLOGとが関連づけられる。
なお、このようにログデータDLOGを印刷データDPと共に記憶部120に記憶しておくことにより、印刷装置100に障害が発生した場合、印刷のジョブ情報DJとログデータDLOGを関連づけて解析することができ、障害を効率的に分析することが可能になる。
図7は、上述の非印刷領域QR,QLで吐出ヘッド20に与えられる微振動の発数がデフォルト値(=10)に設定された場合に取得された温度データDTが示すパス毎の吐出ヘッド20の温度Thの一例を模式的に示す図である。同図において、横軸(Pn)は、図6に示す各パス(即ち、P1,P2,…,P20,P21,…)を表し、縦軸(Th)は、吐出ヘッド20の温度を表している。この例では、初期状態において吐出ヘッド20の温度は適温の45℃に設定されている。パスP1からパスP10にかけて、吐出ヘッド20の温度が上昇し、パスP10からパスP20にかけて吐出ヘッド20の温度が一定を保ち、パスP20からパスP25にかけて吐出ヘッド20の温度が降下している。
図7に示す吐出ヘッド20の温度Thの変化から、初回の印刷において、非印刷領域QR,QLでの微振動の発数が、各パスの印刷パターンに対して適切かどうかを知ることができる。例えば、パスP1からパスP10については、吐出ヘッドThが上昇していることから、これらのパスの印刷パターンに対してはデフォルト値に設定された微振動の発数が多いことが分かる。また、パスP10からパス20については、吐出ヘッド20の温度が一定を保っていること、即ち、温度の上昇および降下がないことから、これらのパスの印刷パターンに対しては、デフォルト値に設定された微振動の発数が適切であることが分かる。更に、パス20からパスP25については、吐出ヘッド20の温度が降下していることから、これらのパスの印刷データに対してデフォルト値に設定された微振動の発数が少ないことが分かる。
本実施形態では、次に説明するように、印刷データDPを再印刷する場合、印刷処理部112は、初回の印刷で得られた温度データDTで示される吐出ヘッド20の温度Thの変化量に応じて、印刷領域外の非印刷領域QR,QLに設定された走査の折り返し区間で吐出ヘッド20に与える振動の発数を調整し、これにより、印刷データDPの再印刷において、吐出ヘッド20の温度を適温に近づける。本実施形態では、吐出ヘッド20の温度Thの「変化量」は、図1示す温度Thを表す特性線の傾き(または接線の傾き)を意味する。ただし、この例に限定されず、例えば、測定データDTが示す吐出ヘッド20の温度と適温との差分であってもよい。
次に、上述の印刷データDPを再印刷する場合の印刷装置100の動作を説明する。
印刷データDPを再印刷する場合、印刷システム1の利用者は、印刷ジョブ管理装置300に履歴データとして格納されたジョブ情報DJの中から、再印刷する画像データDGに付与されたジョブ情報DJを選択し、部数などの印刷条件を変更した上で、印刷を実行させる。ただし、この例に限定されず、再印刷であることを明示的に指定してもよい。印刷ジョブ管理装置300は、利用者により選択されたジョブ情報DJを印刷装置100に供給する。
印刷装置100を構成する印刷制御部110は、印刷ジョブ管理装置300から供給されたジョブ情報DJから再印刷であると判断する(ステップS1;YES)。この場合、印刷制御部110は、以下に説明するように、印刷領域外の非印刷領域QR,QLでの微振動を調整すると共に、記憶部120に記憶された前回の印刷データDPを利用して再印刷に関する処理を実施する(ステップS7〜S10)。
具体的に説明する。再印刷において、印刷制御部110を構成する印刷処理部112は、前回の印刷において印刷データDPと共に記憶部120に記憶された温度データDTに応じて印刷領域外の非印刷領域QR,QLでヘッド部140に与える振動を調整する(ステップS7)。本実施形態では、前述の図7に示す吐出ヘッド20の温度の変化量(吐出ヘッド20の温度を表す特性線の傾き)に応じて微振動の発数を設定し直す。
本実施形態では、印刷処理部112は、図7に示すパスP1からパスP10における特性線の傾き、即ち、吐出ヘッド20の温度の変化量に応じて、これらパスP1からパスP10に対応した吐出ヘッド20の走査の折り返し区間での微振動の発数を設定する。本実施形態では、印刷処理部112は、印刷データDPを用いて再印刷を行う場合、温度データDTがヘッドの温度の上昇(増加)を示すパスの走査について、印刷領域外で吐出ヘッド20に与える振動の発数を減少させ、温度データDTが吐出ヘッド20の温度の低下(減少)を示すパスの走査について、印刷領域外で吐出ヘッド20に与える振動の発数を増加させる。
図7の例では、パスP1からパスP10における吐出ヘッド20の温度の特性線の傾きの値が正であり、その絶対値が大きい程、再印刷においてパスP1からパスP10に対応した走査の折り返し区間での微振動の発数が多く設定される。また、パスP10からパスP20における吐出ヘッド20の温度の特性線の傾きはほぼゼロであり、この場合、これらパスP10からパスP20に対応した走査の折り返し区間での微振動の発数は前回の値(この場合、デフォルト値)が用いられる。更に、パスP20からパスP25における吐出ヘッド20の温度の特性線の傾きの値が負であり、その絶対値が大きい程、再印刷においてパスP20からパスP25に対応した走査の折り返し区間での微振動の発数が少なく設定される。
本実施形態では、図7に示す吐出ヘッド20の温度の特性線の傾きと、再印刷において吐出ヘッド20に与える微振動の発数の増加量または減少量(微振動の発数の調整量)との対応関係は、例えば、微振動の単位発数あたりの吐出ヘッド20の発熱量から算出される。この対応関係は、例えば、ルックアップテーブルの形式で印刷処理部112に備えられる。ただし、この例に限定されず、どのような手法で微振動の発数の調整量を準備してもよい。
続いて、印刷処理部112は、上述のように調整された微振動の発数を用いて、記憶部120に記憶された前回の印刷データDPに基づいてヘッド部140による印刷を制御する(ステップS8)。
図8は、再印刷における印刷領域外の非印刷領域QR,QLで吐出ヘッド20に与えられる微振動を説明するための説明図である。同図において、印刷領域Sにおける各パスの印刷パターンは、前述の図6に示すものと同一であるが、非印刷領域QR,QLにおける微振動を表す「0」の個数が図6に示すものと異なっている。図8の例では、上述のように最初の印刷において吐出ヘッド20の温度の上昇が見られたパスP1からパス10のうち、パスP1からパスP2への走査の折り返し区間Q1における「0」の合計が6(=3×2)に設定し直されている。このことは、最初の印刷時に比較して、区間Q1での微振動の発数が4(=10−6)だけ減少されたことを意味する。図示していないが、パスP2からパスP10に対する各走査の折り返し区間での微振動の発数についても同様に減少されている。
また、図8の例では、最初の印刷において吐出ヘッド20の温度の降下が見られたパスP20からパス25のうち、パスP20からパスP21への走査の折り返し区間Q2における「0」の合計が14(=7×2)に設定し直されている。このことは、最初の印刷時に比較して、区間Q2での微振動の発数が4(=14−10)だけ増加されたことを意味する。図示していないが、パスP21からパスP20に対する各走査の折り返し区間での微振動の発数についても同様に増加されている。
上述のようにして印刷処理部112の制御の下に上述の画像パターンを印刷する過程で、温度取得部150は、前回の印刷時と同様に、パス毎の吐出ヘッド20の温度Thに関する温度データDTを取得して印刷処理部112に供給する。
印刷処理部112は、前回の印刷時と同様に、温度取得部150から供給された温度データDTを、再印刷に用いた各関数の呼び出し履歴やパラメーター等と共に、新たなログデータDLOGとして記憶部120に記憶させる(ステップS10)。これにより、ログデータDLOGは印刷データDP等と一緒に管理される。このログデータDLOGは、次回の印刷データDPの再々印刷の際に、非印刷領域QR,QLでの微振動の発数を調整するために利用される。
図9は、図8に示すように非印刷領域QR,QLでの吐出ヘッド20の微振動の発数が調整された場合の温度データDTが示すパス毎の吐出ヘッド20の温度Thの一例を示す図である。同図において、各軸は図7の例と同じである。図9の例に示すように、再印刷において、パスP1からパスP10に対応した非印刷領域QR,QLでの微振動の発数が減少されたことにより、上述の図7に示す例と比較して、パスP1からパスP10における吐出ヘッド20の温度の上昇が抑制されている。また、再印刷において、パスP20からパスP25に対応した非印刷領域QR,QLでの微振動の発数が増加されたことにより、上述の図7に示す例と比較して、パスP20からパスP25における吐出ヘッド20の温度の降下が抑制されている。これにより、全パスにわたって、吐出ヘッド20の温度Thが適温の45℃に近づき、吐出ヘッド20の温度が安定化される。
従って、本実施形態によれば、再印刷において吐出ヘッド20の温度の変動を抑制し、印刷面内での温度のムラを低減することが可能になる。
また、本実施形態によれば、温度補正を各機体毎、印刷データ毎などに行うことができる。このため、高精度に吐出ヘッド20の温度を均一化することができ、ムラのない高品位な印刷を行うことができる。
(変形例1)
上述の実施形態では、非印刷領域QR,QLでの吐出ヘッド20の微振動の発数を調整するものとしたが、上述の実施形態の変形例として、印刷領域外で吐出ヘッド20に与える微振動の波形を調整してもよい。この微振動の波形の調整として、例えば、その波形の振幅を調整してもよい。この場合、上述の実施形態における微振動の発数の増加に対応して、この微振動の振幅が増加され、微振動の発数の減少に対応して、その微振動の発数の振幅が減少される。また、微振動の振幅に代えて、微振動の周波数を調整してもよい。この場合、上述の実施形態における微振動の発数の増加に対応して、この微振動の周波数が増加され、微振動の発数の減少に対応して、その微振動の発数の周波数が減少される。その他については、上述の実施形態と同様である。このような変形例1によれば、非印刷領域QR,QLにおける走査の折り返し区間が短い場合であっても、吐出ヘッド20の温度を有効に調整することができる。
(変形例2)
上述の実施形態では、非印刷領域QR,QLでの吐出ヘッド20の微振動を調整するものとしたが、印刷領域Sにおける非吐出区間(即ち、吐出ヘッド20がインクを吐出しない印刷区間)での微振動をパス毎に調整してもよい。その他については、上述の実施形態と同様である。この変形例2によれば、非印刷領域QR,QLでの吐出ヘッド20の温度の調整量が不十分な場合であっても、吐出ヘッド20の温度を調整することが可能になる。
(変形例3)
上述の実施形態では、非印刷領域QR,QLにおいて吐出ヘッド20の微振動を制御するためのデータを印刷データDPとして設けたが、再印刷時に印刷データDPに微振動を制御するためのパラメーターを追加し、このパラメーターにより印刷処理部112が直接的にデータコントローラ部130に微振動に関する指示を出力してもよい。この変形例3によれば、印刷データDPのデータ量の増加を防止することができ、印刷データDPの記憶に必要とされる記憶部120の記憶容量を低減することができる。
(変形例4)
上述の実施形態では、前回の印刷時の吐出ヘッド20の温度の変化量に応じて微振動を調整するものとしたが、印刷処理部112により、印刷データDPと温度データDTとの相関を求め、この相関に基づき、印刷領域外の非印刷領域QR,QLで吐出ヘッド20に与える微振動を調整してもよい。この変形例4によれば、上記の相関から、各パスの印刷パターンと吐出ヘッド20の発熱量との対応関係を把握することができるので、別の印刷データを最初に印刷する場合であっても、その印刷データに含まれる印刷パターンに対して、吐出ヘッド20の微振動の調整量を適切に設定することができる。従って、別の印刷データの初回の印刷において吐出ヘッド20の温度の変動を抑制することが可能になる。
上述の実施形態では、本発明を印刷装置100として表現したが、この印刷装置100の動作手順を印刷方法として表現することもできる。この印刷方法は、基体上を走査するヘッドから印刷データに基づきインクを前記基体の印刷面に向けて吐出することにより前記基体の印刷領域内にパターンを印刷すると共に、前記ヘッドが前記基体の印刷領域外を走査する期間において前記ヘッドに振動を与えることにより、前記ヘッドの温度の低下を抑制する印刷方法であって、上述のステップS1〜S10を含む印刷方法として構成される。即ち、この印刷方法は、前記印刷データに基づき前記基体の前記印刷領域内に前記パターンを印刷したときの前記ヘッドの温度データを前記ヘッドの走査のパス毎に取得するステップと、前記印刷データと前記温度データとを記憶部に記憶するステップと、前記印刷データを用いて再印刷を行う場合、前記記憶部に記憶された前記温度データに応じて前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動を調整すると共に、前記印刷データに基づいて前記ヘッドによる前記パターンの印刷を制御するステップとを含む方法として構成される。
また、印刷装置100の動作手順を、コンピューターに実行させるための印刷プログラムとして表現することもできる。この印刷プログラムは、コンピューターを、基体上を走査するヘッドから印刷データに基づきインクを前記基体の印刷面に向けて吐出することにより前記基体の印刷領域内にパターンを印刷すると共に、前記ヘッドが前記基体の印刷領域外を走査する期間において前記ヘッドに振動を与えることにより、前記ヘッドの温度の低下を抑制する機能を有する印刷装置として機能させる印刷プログラムであって、前記コンピューターを、温度取得部150と、記憶部120と、印刷制御部110として機能させる印刷プログラムとして構成される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
上述の第1実施形態では、最初の印刷では、非印刷領域QR,QLでの吐出ヘッド20の微振動の発数はデフォルト値が設定されたが、この場合、印刷データDPの印刷パターンによっては吐出ヘッド20がオーバーヒートすることが起こり得る。このようなオーバーヒートが発生した場合、そのオーバーヒートに関する情報がログデータDLOGに記録される。そこで、本実施形態では、前回の印刷において取得されたログデータDLOGに含まれる温度データDTがオーバーヒートを示す場合、印刷処理部112の制御により、再印刷において印刷領域外の非印刷領域QR,QLで吐出ヘッド20に与える振動を抑制する。
本実施形態では、前回の印刷でオーバーヒートが発生したパスの一つ前のパスに対応する非印刷領域QR,QLで吐出ヘッド20に与える振動を所定量だけ抑制する。例えば、前回の印刷において図8に示すパスP1でオーバーヒートが発生した場合、再印刷において、印刷処理部112は、パスP2を走査するに際し、このパスP2の一つ前のパスP1に対応する折り返し区間Q1での吐出ヘッド20の微振動の発数を所定量だけ減少させる。これにより、再印刷においてパスP2を走査する際にパス吐出ヘッド20の温度が低下するので、再印刷においてオーバーヒートを防止することができる。また、製造段階の動作検査においてオーバーヒートによる故障を防止することができるので、印刷装置の生産性を向上させることが可能になる。
また、オーバーヒートを防止するために吐出ヘッド20の発熱量を低下させる他の手法として、印刷処理部112により、オーバーヒートが発生したパスを走査する際に吐出ヘッド20に与えられる振動の波形をなだらかなものに変更してもよい。例えば、印刷処理部112は、印刷領域S内で吐出ヘッド20に与えられる振動の振幅または周波数を減少させる。これにより、吐出ヘッド20の発熱量が減少するので、再印刷においてオーバーヒートを防止することができる。
また、オーバーヒートを防止するために吐出ヘッド20の温度を低下させる更なる他の手法として、印刷処理部112により、吐出ヘッド20の吐出デューティーを下げてもよい。この場合、印刷処理部112は、吐出ヘッド20に形成された複数のノズルからのインクの吐出を時分割して実施させる。例えば、印刷処理部112は、或るパスを吐出ヘッド20が走査する場合、最初に例えばマゼンタ(M)の色材のインクを吐出する吐出ヘッド20のみに振動を与えた後、同じパスを再走査し、その再走査において例えばイエロー(Y)の色材のインクを吐出させる吐出ヘッド20のみに振動を与える。このように吐出デューティーを下げることにより、吐出ヘッド20に形成された複数のノズルのうち、1つのパスにおいて振動が与えられるノズルの個数が減少するので、吐出ヘッド20の発熱量を減少させることができる。従って、再印刷におけるオーバーヒートを防止することが可能になる。
第2実施形態によるオーバーヒートを防止するための手順は、上述の第1実施形態と組み合わせて実施してもよく、また、第2実施形態による手順のみを実施することも可能である。
以上、本発明の実施形態および変形例を説明したが、本発明は上述の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の修正が可能である。
例えば、上述の実施形態では、吐出ヘッド20を加熱するためのヒーターについては制御の対象外としているが、上述の各実施形態において、微振動の調整に加え、必要に応じて、吐出ヘッド20の温度を設定するためのヒーターの発熱量を制御してもよい。
1…印刷システム、20…吐出ヘッド、100…印刷装置、110…印刷制御部、111…印刷データ生成部、112…印刷処理部、120…記憶部、130…データコントローラー部、140…ヘッド部、150…温度取得部、160…機構部、200…印刷画像生成装置、300…印刷ジョブ管理装置、DG…画像データ、DJ…ジョブ情報、DLOG…ログデータ、DP…印刷データ、DT…温度データ、QR,QL…非印刷領域、S…印刷領域、S1〜S10…処理ステップ、Th…温度。

Claims (11)

  1. 基体上を走査するヘッドから印刷データに基づきインクを前記基体の印刷面に向けて吐出することにより前記基体の印刷領域内にパターンを印刷すると共に、前記ヘッドが前記基体の印刷領域外を走査する期間において前記ヘッドに振動を与えることにより、前記ヘッドの温度の低下を抑制する機能を有する印刷装置であって、
    前記印刷データに基づき前記基体の前記印刷領域内に前記パターンを印刷したときの前記ヘッドの温度データを前記ヘッドの走査のパス毎に取得する温度取得部と、
    前記印刷データと前記温度データとを記憶する記憶部と、
    前記印刷データを用いて再印刷を行う場合、前記記憶部に記憶された前記温度データに応じて前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動を調整すると共に、前記印刷データに基づいて前記ヘッドによる前記パターンの印刷を制御する印刷制御部と
    を備えた印刷装置。
  2. 前記印刷処理部は、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の発数を調整する、請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記印刷処理部は、前記温度データで示される前記ヘッドのパス毎の温度の変化量に応じて、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の発数を調整する、請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記印刷処理部は、
    前記印刷データを用いて再印刷を行う場合、前記温度データがヘッドの温度の上昇を示すパスについて、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の発数を減少させ、前記温度データがヘッドの温度の低下を示すパスについて、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の発数を増加させる、請求項2または3の何れか1項に記載の印刷装置。
  5. 前記印刷処理部は、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の波形を調整する、請求項1に記載の印刷装置。
  6. 前記印刷処理部は、前記温度データで示される前記ヘッドのパス毎の温度の変化量に応じて、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の波形を調整する、請求項2に記載の印刷装置。
  7. 前記印刷処理部は、
    前記印刷データを用いて再印刷を行う場合、前記温度データがヘッドの温度の上昇を示すパスについて、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の振幅を減少させ、前記温度データがヘッドの温度の低下を示すパスについて、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動の振幅を増加させる、請求項5または6の何れか1項に記載の印刷装置。
  8. 前記印刷処理部は、
    前記印刷データと前記温度データとの相関を求め、前記相関に基づき、前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動を調整する、請求項1から7の何れか1項に記載の印刷装置。
  9. 前記印刷処理部は、
    前記温度データが前記ヘッドのオーバーヒートを示す場合、前記再印刷において前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動を抑制する、請求項1から8の何れか1項に記載の印刷装置。
  10. 基体上を走査するヘッドから印刷データに基づきインクを前記基体の印刷面に向けて吐出することにより前記基体の印刷領域内にパターンを印刷すると共に、前記ヘッドが前記基体の印刷領域外を走査する期間において前記ヘッドに振動を与えることにより、前記ヘッドの温度の低下を抑制する印刷方法であって、
    前記印刷データに基づき前記基体の前記印刷領域内に前記パターンを印刷したときの前記ヘッドの温度データを前記ヘッドの走査のパス毎に取得するステップと、
    前記印刷データと前記温度データとを記憶部に記憶するステップと、
    前記印刷データを用いて再印刷を行う場合、前記記憶部に記憶された前記温度データに応じて前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動を調整すると共に、前記印刷データに基づいて前記ヘッドによる前記パターンの印刷を制御するステップと
    を含む印刷方法。
  11. コンピューターを、基体上を走査するヘッドから印刷データに基づきインクを前記基体の印刷面に向けて吐出することにより前記基体の印刷領域内にパターンを印刷すると共に、前記ヘッドが前記基体の印刷領域外を走査する期間において前記ヘッドに振動を与えることにより、前記ヘッドの温度の低下を抑制する機能を有する印刷装置として機能させる印刷プログラムであって、
    前記コンピューターを、
    前記印刷データに基づき前記基体の前記印刷領域内に前記パターンを印刷したときの前記ヘッドの温度データを前記ヘッドの走査のパス毎に取得する温度取得部と、
    前記印刷データと前記温度データとを記憶する記憶部と、
    前記印刷データを用いて再印刷を行う場合、前記記憶部に記憶された前記温度データに応じて前記印刷領域外で前記ヘッドに与える振動を調整すると共に、前記印刷データに基づいて前記ヘッドによる前記パターンの印刷を制御する印刷制御部と
    として機能させる印刷プログラム。
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