JP2013193123A - はんだ付け装置、およびはんだ付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱容量の異なるランドにおいて、引きはんだによるはんだ付けの品質が向上するはんだ付け装置、およびはんだ付け方法を提供する。
【解決手段】はんだ付け装置1は、はんだ15を溶かし、グランド用ランド25、および電源用ランド24が形成された基板2に対して移動し、グランド用はんだ供給位置X2で溶融したはんだ15をグランド用ランド25に供給し、電源用はんだ供給位置X1で溶融したはんだ15を電源用ランド24に供給するはんだごて15と、はんだごて15を一直線に移動させ、はんだごて15の位置をグランド用はんだ供給位置X2および電源用はんだ供給位置X1に変更する移動装置と、はんだごて13の位置がグランド用はんだ供給位置X2のときにはんだごて13からはんだ15に付与する熱量を、はんだごて13の位置が電源用はんだ供給位置X1のときにはんだごて13からはんだ15に付与する熱量よりも大きくする制御装置とを有する。
【選択図】図3
【解決手段】はんだ付け装置1は、はんだ15を溶かし、グランド用ランド25、および電源用ランド24が形成された基板2に対して移動し、グランド用はんだ供給位置X2で溶融したはんだ15をグランド用ランド25に供給し、電源用はんだ供給位置X1で溶融したはんだ15を電源用ランド24に供給するはんだごて15と、はんだごて15を一直線に移動させ、はんだごて15の位置をグランド用はんだ供給位置X2および電源用はんだ供給位置X1に変更する移動装置と、はんだごて13の位置がグランド用はんだ供給位置X2のときにはんだごて13からはんだ15に付与する熱量を、はんだごて13の位置が電源用はんだ供給位置X1のときにはんだごて13からはんだ15に付与する熱量よりも大きくする制御装置とを有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、はんだごてと移動装置と制御装置とを有するはんだ付け装置、およびはんだ付け方法に関する。
引きはんだを行うはんだ付け装置は、移動装置を用いてはんだごてを基板に対して一直線に移動させ、かつ、はんだごてを用いて溶かしたはんだを、基板に設けられた複数のランドに対して順番に供給する。特許文献1は、引きはんだを行うはんだ付け装置の一例を開示している。
ところで、一般的に基板は、基準電位点に接続されるグランド用配線、信号を伝送する信号伝送用配線、および電子部品に電源を供給する電源供給用配線を有する。用途の異なる配線は、それぞれ、用途に応じた形状を有する。したがって、一般的な基板においては、グランド用配線の一部を含むグランド用ランド、信号伝送用配線の一部を含む信号用ランド、および電源供給用配線の一部を含む電源用ランドの熱容量が、互いに異なる。熱容量が異なる複数のランドをはんだ付けするとき、引きはんだにより一定のはんだ条件ではんだ付けを行った場合には、複数のランドではんだ付けの品質にばらつきが生じることが確認された。
本発明は、上記課題を解決するため、熱容量の異なるランドにおいて、引きはんだによるはんだ付けの品質が向上するはんだ付け装置、およびはんだ付け方法を提供することを目的とする。
(1)第1の手段は、請求項1に記載の発明すなわち、はんだに対して熱エネルギーを付与することにより前記はんだを溶かし、グランド用配線の一部を含むグランド用ランド、および電源供給用配線の一部を含む電源用ランドが形成された基板に対して移動し、前記基板に対する位置がグランド用はんだ供給位置のときに溶融した前記はんだを前記グランド用ランドに供給し、前記基板に対する位置が電源用はんだ供給位置のときに溶融した前記はんだを前記電源用ランドに供給するはんだごてと、前記基板に対して前記はんだごてを一直線に移動させることにより、前記基板に対する前記はんだごての位置を少なくとも前記グランド用はんだ供給位置および前記電源用はんだ供給位置に変更する移動装置と、前記基板に対する前記はんだごての位置が前記グランド用はんだ供給位置のときに前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量を、前記基板に対する前記はんだごての位置が前記電源用はんだ供給位置のときに前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量よりも大きくする制御装置とを有することを要旨とする。
一般的に、グランド用配線は、基板上に流れる電流により発生する電磁波の輻射を低減するために、電源供給用配線よりも表面積が大きい。このため、グランド用ランドにおける熱容量は、電源用ランドにおける熱容量よりも大きい。このため、グランド用ランドに供給されるはんだは、電源用ランドに供給されるはんだと比較して、速やかに冷却されるため周囲に広がりにくい。
本発明のはんだ付け装置においては、上記の点を踏まえて、グランド用はんだ供給位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量を、電源用はんだ供給位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量よりも大きくしている。このため、グランド用はんだ供給位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量が、電源用はんだ供給位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量と同じ場合と比較して、グランド用ランドのはんだに付与される熱量が大きくなる。このため、グランド用ランドに供給されるはんだが周囲に広がり易くなる。したがって、熱容量の異なるランドにおいて、引きはんだによるはんだ付けの品質が向上する。
(2)第2の手段は、請求項2に記載の発明すなわち、はんだに対して熱エネルギーを付与することにより前記はんだを溶かし、グランド用配線の一部を含むグランド用ランド、および信号伝送用配線の一部を含む信号用ランドが形成された基板に対して移動し、前記基板に対する位置がグランド用はんだ供給位置のときに溶融した前記はんだを前記グランド用ランドに供給し、前記基板に対する位置が信号用はんだ供給位置のときに溶融した前記はんだを前記信号用ランドに供給するはんだごてと、前記基板に対して前記はんだごてを一直線に移動させることにより、前記基板に対する前記はんだごての位置を少なくとも前記グランド用はんだ供給位置および前記信号用はんだ供給位置に変更する移動装置と、前記基板に対する前記はんだごての位置が前記グランド用はんだ供給位置のときに前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量を、前記基板に対する前記はんだごての位置が前記信号用はんだ供給位置のときに前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量よりも大きくする制御装置とを有することを要旨とする。
一般的に、グランド用配線は、基板上に流れる電流により発生する電磁波の輻射を低減するために、信号伝送用配線よりも表面積が大きい。このため、グランド用ランドにおける熱容量は、信号用ランドにおける熱容量よりも大きい。このため、グランド用ランドに供給されるはんだは、信号用ランドに供給されるはんだと比較して、速やかに冷却されるため周囲に広がりにくい。
本発明のはんだ付け装置においては、上記の点を踏まえて、グランド用はんだ供給位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量を、信号用はんだ供給位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量よりも大きくしている。このため、グランド用はんだ供給位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量が、信号用はんだ供給位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量と同じ場合と比較して、グランド用ランドのはんだに付与される熱量が大きくなる。このため、グランド用ランドに供給されるはんだが周囲に広がり易くなる。したがって、熱容量の異なるランドにおいて、引きはんだによるはんだ付けの品質が向上する。
(3)第3の手段は、請求項3に記載の発明すなわち、はんだに対して熱エネルギーを付与することにより前記はんだを溶かし、電源供給用配線の一部を含む電源用ランド、および信号伝送用配線の一部を含む信号用ランドが形成された基板に対して移動し、前記基板に対する位置が電源用はんだ供給位置のときに溶融した前記はんだを前記電源用ランドに供給し、前記基板に対する位置が信号用はんだ供給位置のときに溶融した前記はんだを前記信号用ランドに供給するはんだごてと、前記基板に対して前記はんだごてを一直線に移動させることにより、前記基板に対する前記はんだごての位置を少なくとも前記電源用はんだ供給位置および前記信号用はんだ供給位置に変更する移動装置と、前記基板に対する前記はんだごての位置が前記電源用はんだ供給位置のときに前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量を、前記基板に対する前記はんだごての位置が前記信号用はんだ供給位置のときに前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量よりも大きくする制御装置とを有することを要旨とする。
一般的に、電源供給用配線は、信号伝送に用いる電流に比べて大きな電流を流すために、信号伝送用配線よりも表面積が大きい。このため、電源用ランドにおける熱容量は、信号用ランドにおける熱容量よりも大きい。このため、電源用ランドに供給されるはんだは、信号用ランドに供給されるはんだと比較して、速やかに冷却されるため周囲に広がりにくい。
本発明のはんだ付け装置においては、上記の点を踏まえて、電源用はんだ供給位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量を、信号用はんだ供給位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量よりも大きくしている。このため、電源用はんだ供給位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量が、信号用はんだ供給位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量と同じ場合と比較して、電源用ランドのはんだに付与される熱量が大きくなる。このため、電源用ランドに供給されるはんだが周囲に広がり易くなる。したがって、熱容量の異なるランドにおいて、引きはんだによるはんだ付けの品質が向上する。
(4)第4の手段は、請求項4に記載の発明すなわち、請求項1〜3のいずれか一項に記載のはんだ付け装置において、前記制御装置は、前記はんだごての移動速度を制御することにより、前記基板に対する所定の位置において前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量を変化させることを要旨とする。
上記はんだ付け装置においては、はんだごての移動速度を加速させることにより、基板に対する所定の位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量、例えば電源用はんだ供給位置におけるはんだごてからはんだに付与する熱量を小さくすることができる。このため、はんだごてを基板に対して移動させるための機構を利用してはんだごてからはんだに付与する熱量を制御することができる。
(5)第5の手段は、請求項5に記載の発明すなわち、はんだごてを所定の移動速度で一直線に移動させる引きはんだにより、基板に形成された熱容量の異なる複数のランドをはんだ付けするはんだ付け方法であって、試験基板に形成された所定のランドを、この所定のランドの温度を測定しながら、引きはんだによりはんだ付けする第1工程と、前記第1工程の引きはんだと異なる移動速度で前記はんだごてを移動させて、前記所定のランドを、この所定のランドの温度を測定しながら、引きはんだによりはんだ付けする第2工程と、試験基板に形成された他のランドを、この他のランドの温度を測定しながら、引きはんだによりはんだ付けする第3工程と、前記第3工程の引きはんだと異なる移動速度で前記はんだごてを移動させて、前記他のランドを、この他のランドの温度を測定しながら、引きはんだによりはんだ付けする第4工程と、前記第1工程および前記第2工程における前記所定のランドの温度測定結果に基づいて、前記所定のランドの温度と、前記はんだごての移動速度との関係を示す近似式を導出する第5工程と、前記第3工程および前記第4工程における前記所定のランドの温度測定結果に基づいて、前記他のランドの温度と、前記はんだごての移動速度との関係を示す近似式を導出する第6工程と、前記第5工程で導出された近似式に基づいて、前記基板に形成された所定のランドをはんだ付けするときの前記はんだごての移動速度を設定する第7工程と、前記第6工程で導出された近似式に基づいて、前記基板に形成された他のランドをはんだ付けするときの前記はんだごての移動速度を設定する第8工程と、引きはんだにより、前記第7工程で設定された移動速度で前記はんだごてを移動させて前記基板に形成された所定のランドをはんだ付けし、かつ、前記第8工程で設定された移動速度で前記はんだごてを移動させて前記基板に形成された他のランドをはんだ付けする第9工程とを有することを要旨とする。
上記はんだ付け方法においては、試験基板の所定のランドの温度を測定することにより、所定のランドの熱容量を把握することができる。そして、所定のランドをはんだ付けする場合に、はんだごてからはんだに付与する熱量が適切な熱量となるはんだごての移動速度を設定することができる。また、試験基板の他のランドの温度を測定することにより、他のランドの熱容量を把握することができる。そして、他のランドをはんだ付けする場合に、はんだごてからはんだに付与する熱量が適切な熱量となるはんだごての移動速度を設定することができる。そして、所定のランドをはんだ付けするときのはんだごての移動速度と、他のランドをはんだ付けするときのはんだごての移動速度とを変化させることにより、はんだごての移動速度を変化させない場合に比べて、所定のランドと他のランドを適切にはんだ付けすることができる。このため、熱容量の異なるランドにおいて、引きはんだによるはんだ付けの品質が向上する。
(6)第6の手段は、請求項6に記載の発明すなわち、請求項5に記載のはんだ付け方法において、見本基板に形成された複数のランドにはんだ付けを行って、サーモグラフィー装置で前記複数のランドの温度を測定しながら、前記複数のランドを加熱する工程と、前記サーモグラフィー装置の出力に基づいて、前記複数のランドのうち熱容量の異なる所定のランドと他のランドとを分類する工程とをさらに有することを要旨とする。
上記はんだ付け方法においては、複数のランドから、第1工程により温度が測定される所定のランドと、第3工程により温度が測定される他のランドとを分類することができる。したがって、複数のランドのうち第1工程〜第4工程において温度の測定対象となるランドを決定することができる。
本発明は、熱容量の異なるランドにおいて、引きはんだによるはんだ付けの品質が向上するはんだ付け装置、およびはんだ付け方法を提供する。
図1を参照して、はんだ付け装置1の構成について説明する。
はんだ付け装置1は、支持台11、移動装置12、はんだごて13、はんだ供給装置14、はんだ15としてのやに入り糸はんだ、および制御装置16を有する。はんだ付け装置1は、はんだごて13とはんだ15とを用いて、引きはんだ付けを行う。
はんだ付け装置1は、支持台11、移動装置12、はんだごて13、はんだ供給装置14、はんだ15としてのやに入り糸はんだ、および制御装置16を有する。はんだ付け装置1は、はんだごて13とはんだ15とを用いて、引きはんだ付けを行う。
移動装置12は、支持台11に対して移動する。移動装置12は、横方向Xに対して平行に移動可能である。また、移動装置12は、縦方向Yに対して平行に移動可能である。移動装置12は、はんだごて13と、はんだ供給装置14と、はんだ15とを支持する。
はんだごて13は、移動装置12とともに横方向Xおよび縦方向Yに移動する。はんだごて13は、ヒーターを内蔵する。はんだごて13は、はんだ15に対して熱エネルギーを付与する。はんだごて13は、はんだ15を溶かして、はんだごて14の下方YAに溶融したはんだ15を供給する。
はんだ供給装置14は、はんだごて12とともに横方向Xおよび縦方向Yに移動する。はんだ供給装置14は、はんだごて13に対して固体のはんだ15を供給する。
はんだ15は、鉛を含まない。はんだ15は、鉛を含む共晶はんだに比べて融点が高い。はんだ15は、融点を越えて溶融した後、自然冷却により固化する。
はんだ15は、鉛を含まない。はんだ15は、鉛を含む共晶はんだに比べて融点が高い。はんだ15は、融点を越えて溶融した後、自然冷却により固化する。
制御装置16は、移動装置12の移動、はんだごて13の発熱量、およびはんだ供給装置14の動作を制御する。はんだ付け装置1が引きはんだ付けを行うとき、制御装置16は、移動装置12を下方YAに移動させ、さらに引き方向XAに移動させる。同時に、制御装置16は、はんだ15の融点以上にはんだごて13を加熱する。同時に、制御装置16は、はんだ供給装置14からはんだごて13にはんだ15を供給させる。はんだ付け装置1が引きはんだ付けを終えた後、制御装置16は、移動装置12を上方YBに移動させ、さらに戻し方向XBに移動させる。
図2を参照して、基板2の構成について説明する。
基板2は、電源供給用配線21、グランド用配線22、信号伝送用配線23、電源用ランド24、グランド用ランド25、複数の信号用ランド26、電源用スルーホール27、グランド用スルーホール28、および信号用スルーホール29を有する。基板2には、電子部品が実装される。
基板2は、電源供給用配線21、グランド用配線22、信号伝送用配線23、電源用ランド24、グランド用ランド25、複数の信号用ランド26、電源用スルーホール27、グランド用スルーホール28、および信号用スルーホール29を有する。基板2には、電子部品が実装される。
電源供給用配線21およびグランド用配線22および信号伝送用配線23は、金属箔等の導体により形成される。電源供給用配線21に流れる電流は、グランド用配線22に流れる電流よりも小さく、かつ、信号伝送用配線23に流れる電流よりも大きい。
電源用ランド24は、電源用スルーホール27に隣接する電源供給用配線21の一部および電源用スルーホール27を含む。グランド用ランド25は、グランド用スルーホール28に隣接するグランド用配線22の一部およびグランド用スルーホール28を含む。信号用ランド26は、信号用スルーホール29に隣接する信号伝送用配線23の一部および信号用スルーホール29を含む。
電源用ランド24の近傍における電源供給用配線21の表面積は、各信号用ランド26の近傍における信号伝送用配線23のそれぞれの表面積よりも大きい。したがって、電源用ランド24の熱容量は、信号用ランド26のそれぞれの熱容量に比べて大きい。また、グランド用ランド25の近傍におけるグランド用配線22の表面積は、電源用ランド24の近傍における電源供給用配線21の表面積よりも大きい。したがって、グランド用ランド25の熱容量は、電源用ランド24の熱容量に比べて大きく、かつ、信号用ランド26のそれぞれの熱容量に比べて大きい。
電源用スルーホール27およびグランド用スルーホール28および信号用スルーホール29は、基板2を貫通する。電源用スルーホール27およびグランド用スルーホール28および信号用スルーホール29には、めっき処理が施されている。
引きはんだにより基板2のはんだ付けを容易に行うことができるように、電源用ランド24とグランド用ランド25と信号用ランド26とは、所定間隔をあけて一列に並んでいる。
図3を参照して、はんだ付け装置1による基板2のはんだ付けについて説明する。
はんだ付け装置1は、電源用ランド24に、電源供給用端子31をはんだ付けする。電源供給用端子31は、電源用スルーホール27に差し込まれる。電源供給用端子31は、はんだ15を介して電源用ランド24と基板3上の配線とを接続する。
はんだ付け装置1は、電源用ランド24に、電源供給用端子31をはんだ付けする。電源供給用端子31は、電源用スルーホール27に差し込まれる。電源供給用端子31は、はんだ15を介して電源用ランド24と基板3上の配線とを接続する。
また、はんだ付け装置1は、グランド用ランド25に、グランド用端子32をはんだ付けする。グランド用端子32は、グランド用スルーホール28に差し込まれる。グランド用端子32は、はんだ15を介してグランド用ランド25と基板3上の配線とを接続する。
また、はんだ付け装置1は、信号用ランド26のそれぞれに、信号伝送用端子33をはんだ付けする。信号伝送用端子33は、信号用スルーホール29に差し込まれる。信号伝送用端子33は、はんだ15を介して信号用ランド26と基板3上の配線とを接続する。
移動装置12(図1参照)は、はんだごて13を基板2に対して移動させる。移動装置12が、はんだごて13を引き方向XAに一直線に移動させることにより、はんだ付け装置1は、はんだ付け作業を開始する。移動装置12は、はんだごて13を、電源用はんだ供給位置X1と、グランド用はんだ供給位置X2と、信号用はんだ供給位置X3とに順番に移動させる。
はんだごて13が電源用はんだ供給位置X1にあるとき、はんだごて13の発熱により溶融したはんだ15が、電源用ランド24に供給される。電源用はんだ供給位置X1は、電源用ランド24の直上の空間に相当する。
はんだごて13がグランド用はんだ供給位置X2にあるとき、はんだごて13の発熱により溶融したはんだ15が、グランド用ランド25に供給される。グランド用はんだ供給位置X2は、グランド用ランド25の直上の空間に相当する。
はんだごて13が信号用はんだ供給位置X3にあるとき、はんだごて13の発熱により溶融したはんだ15が、信号用ランド26に供給される。信号用はんだ供給位置X3は、信号用ランド26の直上の空間に相当する。
本発明の特徴部分について説明する。
制御装置16は、電源用はんだ供給位置X1または信号用はんだ供給位置X3におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量に比べて、グランド用はんだ供給位置X2におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量を大きくする。また、制御装置16は、信号用はんだ供給位置X3におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量に比べて、電源用はんだ供給位置X1におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量を大きくする。
制御装置16は、電源用はんだ供給位置X1または信号用はんだ供給位置X3におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量に比べて、グランド用はんだ供給位置X2におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量を大きくする。また、制御装置16は、信号用はんだ供給位置X3におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量に比べて、電源用はんだ供給位置X1におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量を大きくする。
制御装置16は、移動装置12の移動を制御して、はんだごて13の移動速度を制御する。移動速度は、引き方向XAへのはんだごての13の移動速度に相当する。制御装置16は、はんだごて13の移動速度を制御することにより、電源用はんだ供給位置X1、グランド用はんだ供給位置X2、および信号用はんだ供給位置X3においてはんだ15に付与される熱量を変化させる。
制御装置16は、はんだごて13が電源用はんだ供給位置X1にあるとき、所定の移動速度VPではんだごて13を移動させ、はんだごて13がグランド用はんだ供給位置X2にあるとき、移動速度VPよりも遅い移動速度VQではんだごて13を移動させる。また、例えば、制御装置16は、はんだごて13が信号用はんだ供給位置X3にあるとき、移動速度VPよりも速い移動速度VRではんだごて13を移動させる。
以上のようにして、制御装置16は、はんだごて13が電源用はんだ供給位置X1にあるときの移動速度を、はんだごて13が信号用はんだ供給位置X3にあるときの移動速度に比べて遅くすることにより、電源用ランド24に供給されるはんだ15に付与される熱量を大きくする。また、制御装置16は、はんだごて13がグランド用はんだ供給位置X2にあるときの移動速度を、はんだごて13が電源用はんだ供給位置X1にあるときの移動速度に比べて遅くすることにより、グランド用ランド25に供給されるはんだ15に付与される熱量を大きくする。すなわち、電源用はんだ供給位置X1、グランド用はんだ供給位置X2、および信号用はんだ供給位置X3において、はんだごて13からはんだ15に付与する熱量は、移動速度を決定することにより設定される。
図4〜図7を参照して、電源用はんだ供給位置X1、グランド用はんだ供給位置X2、および信号用はんだ供給位置X3において、はんだ15に付与する熱量を設定する熱量設定方法の一例について説明する。以下の熱量設定方法の工程は、はんだ付け方法の工程に含まれる。
まず、はんだ付け装置1を用いずに適切にはんだ付けを行った見本基板4(図4参照)を用意する。見本基板4は、基板2と同一の構成を有する。見本基板4において基板2と同一の構成については、基板2の構成と同一の符号を付して説明を省略する。
見本基板4において、電源供給用配線21の一部を含む電源用ランド24には、ピン41がはんだ付けされている。グランド用配線22の一部を含むグランド用ランド25には、ピン42がはんだ付けされている。信号伝送用配線23の一部を含む信号用ランド26には、それぞれピン43がはんだ付けされている。
次いで、見本基板4を加熱装置5としてのホットプレートに置いて、見本基板4の電源用ランド24、グランド用ランド25、および信号用ランド26を熱する(図4参照)。加熱装置5は、例えば、はんだ15の融点未満の温度に相当する200℃で見本基板4を2分間加熱する。そして、サーモグラフィー装置6により見本基板4における熱分布を測定する。
信号用ランド26の熱容量は、電源用ランド24の熱容量に比べて小さいため、信号用ランド26は、電源用ランド24に比べて赤外線の放射量が多い。また、グランド用ランド25の熱容量は、電源用ランド24の熱容量に比べて大きいため、グランド用ランド25は、電源用ランド24に比べて赤外線の放射量が少ない。これを利用して、使用者は、サーモグラフィー装置6による熱分布の測定結果に基づいて、グランド用ランド25、電源用ランド24、および信号用ランド26の熱容量の違いを確認して、複数のランド24〜26を分類する。
次いで、はんだ付けが行われていない試験基板7(図5参照)を用意する。試験基板7は、基板2と同一の構成を有する。試験基板7において基板2と同一の構成については、基板2の構成と同一の符号を付して説明を省略する。
はんだごて13が所定の温度を維持した状態で、はんだ付け装置1を用いて所定の移動速度で基板2のはんだ付けを行う。このとき、温度測定装置8が、電源用ランド24、グランド用ランド25、および信号用ランド26における温度を、熱電対81〜83を用いて測定する(工程A)。熱電対81は、電源用ランド24に位置する。熱電対82は、グランド用ランド25に位置する。熱電対83は、信号用ランド26に位置する。温度測定装置8は、試験基板7のはんだ付け作業において、電源用ランド24、グランド用ランド25、および信号用ランド26において測定された最大の温度を出力する。
工程Aは、試験基板7に形成された所定のランド(例えば電源用ランド24)を、この所定のランドの温度を測定しながら、引きはんだによりはんだ付けする第1工程を含む。また、工程Aは、試験基板7に形成された他のランド(例えばグランド用ランド25)を、この他のランドの温度を測定しながら、引きはんだによりはんだ付けする第3工程を含む。
そして、温度測定装置8による電源用ランド24、グランド用ランド25、および信号用ランド26における温度の測定を、新たな試験基板7を用いて、はんだごて13の温度は変化させずに移動速度を変化させて繰り返す(工程B)。
工程Bは、第1工程の引きはんだと異なる移動速度ではんだごて13を移動させて、所定のランド(例えば電源用ランド24)を、この所定のランドの温度を測定しながら、引きはんだによりはんだ付けする第2工程を含む。また、工程Bは、第3工程の引きはんだと異なる移動速度ではんだごて13を移動させて、他のランド(例えばグランド用ランド25)を、この他のランドの温度を測定しながら、引きはんだによりはんだ付けする第4工程を含む。
次いで、工程Aおよび工程Bにおける温度測定結果に基づいて、所定のランド(例えば電源用ランド24)の温度と、はんだごて13の移動速度との関係を示す近似式を算出する(第5工程)。また、工程Aおよび工程Bにおける温度測定結果に基づいて、他のランド(例えばグランド用ランド25)の温度と、はんだごて13の移動速度との関係を示す近似式を算出する(第6工程)。
図6を参照して、電源用ランド24、グランド用ランド25、および信号用ランド26において測定される最大の温度について説明する。図6は、電源用ランド24における温度変化の一例を示す。グランド用ランド25における温度、および信号用ランド26における温度も、図6に示すグラフと同様に変化する。
引きはんだによりはんだ付け作業が行われるとき、はんだごて13が電源用はんだ供給位置X1に近づくにつれて、はんだごてから電源用ランド24に付与される熱量が大きくなるため、電源用ランド24の温度が大きくなる。そして、はんだごて13が電源用はんだ供給位置X1にあるとき、溶融したはんだ15が電源用ランド24に供給され、電源用ランド24において最大の温度Tmaxが測定される。その後、はんだごて13が電源用はんだ供給位置X1から遠ざかるにつれて、はんだごてから電源用ランド24に付与される熱量が小さくなるため、電源用ランド24の温度が徐々に小さくなる。
はんだごて13の移動速度が同じであるとき、電源用ランド24において測定される最大の温度、グランド用ランド25において測定される最大の温度、および信号用ランド26において測定される最大の温度は、それぞれ異なる。
図7を参照して、所定温度に加熱したはんだごて13の移動速度と、電源用ランド24およびグランド用ランド25および信号用ランド26において測定された最大の温度との関係を説明する。
図中の点P1は、移動速度V1ではんだ付け作業を行ったときの、電源用ランド24において測定された最大の温度を示している。図中の点Q1は、移動速度V1ではんだ付け作業を行ったときの、グランド用ランド25において測定された最大の温度を示している。図中の点R1は、移動速度V1ではんだ付け作業を行ったときの、信号用ランド26において測定された最大の温度を示している。
図中の点P2は、移動速度V1よりも速い移動速度V2ではんだ付け作業を行ったときの、電源用ランド24において測定された最大の温度を示している。図中の点Q2は、移動速度V2ではんだ付け作業を行ったときの、グランド用ランド25において測定された最大の温度を示している。図中の点R2は、移動速度V2ではんだ付け作業を行ったときの、信号用ランド26において測定された最大の温度を示している。
図中の点P3は、移動速度V2よりも速い移動速度V3ではんだ付け作業を行ったときの、電源用ランド24において測定された最大の温度を示している。図中の点Q3は、移動速度V3ではんだ付け作業を行ったときの、グランド用ランド25において測定された最大の温度を示している。図中の点R3は、移動速度V3ではんだ付け作業を行ったときの、信号用ランド26において測定された最大の温度を示している。
移動速度を速くするほど、電源用はんだ供給位置X1、グランド用はんだ供給位置X2、および信号用はんだ供給位置X3にはんだごて13が位置する時間が短くなるため、電源用ランド24、グランド用ランド25、信号用ランド26のそれぞれにおいて測定される最大の温度は低下する。
また、同一の移動速度において、信号用ランド26の熱容量は、電源用ランド24の熱容量に比べて小さいため、信号用ランド26において測定される最大の温度は、電源用ランド24において測定される最大の温度に比べて大きい。また、同一の移動速度において、グランド用ランド25の熱容量は、電源用ランド24の熱容量に比べて大きいため、グランド用ランド25において測定される最大の温度は、電源用ランド24において測定される最大の温度に比べて小さい。
図中の実線L1は、点P1,P2,P3に対して誤差の小さい近似値が得られる一次関数を示している。図中の一点鎖線L2は、点Q1,Q2,Q3に対して誤差の小さい近似値が得られる一次関数を示している。図中の二点鎖線L3は、点Q1,Q2,Q3に対して誤差の小さい近似値が得られる一次関数を示している。
基板2のはんだ付け作業における移動速度を決定するために、基板2に実装される電子部品の耐熱温度T2よりも小さく、かつ、はんだ15の融点T1よりも大きい温度Tを適正温度として選定する。例えば、260℃よりも小さく、かつ、220℃よりも大きい230℃を、はんだごて13の移動速度として決定する。
そして、実線L1で示す一次関数と、選定された上記適正温度との交点に基づいて、電源用はんだ供給位置X1におけるはんだごて13の移動速度を導出する。図6においては、電源用はんだ供給位置X1におけるはんだごて13の移動速度として、移動速度VPが導出される。
また、一点鎖線L2で示す一次関数と、選定された上記適正温度との交点に基づいて、グランド用はんだ供給位置X2におけるはんだごて13の移動速度を導出する。図6においては、グランド用はんだ供給位置X2におけるはんだごて13の移動速度として、移動速度VPよりも遅い移動速度VQが導出される。
また、二点鎖線L3で示す一次関数と、選定された上記適正温度との交点に基づいて、信号用はんだ供給位置X3におけるはんだごて13の移動速度を導出する。図6においては、信号用はんだ供給位置X3におけるはんだごて13の移動速度として、移動速度VPよりも速い移動速度VRが導出される。
したがって、はんだ付け方法は、第5工程で導出された近似式に基づいて、基板2に形成された所定のランド(例えば電源用ランド24)をはんだ付けするときのはんだごて13の移動速度を設定する第7工程を含む。また、はんだ付け方法は、第6工程で導出された近似式に基づいて、基板2に形成された他のランド(例えばグランド用ランド25)をはんだ付けするときのはんだごて13の移動速度を設定する第8工程を含む。
導出された移動速度を制御装置16に記憶させることにより、電源用はんだ供給位置X1、グランド用はんだ供給位置X2、および信号用はんだ供給位置X3におけるはんだごて13の移動速度が設定される。こうして、はんだごて13の移動速度が設定されることにより、はんだ15に付与される熱量が設定される。
上記はんだ付けによる作用について説明する。
はんだごて13が電源用はんだ供給位置X1にあるときの移動速度が、はんだごて13が信号用はんだ供給位置X3にあるときの移動速度に比べて遅い。このため、信号用ランド26に供給されるはんだ15に比べて、電源用ランド24に供給されるはんだ15には大きな熱エネルギーが付与される。したがって、信号用ランド26よりも大きな熱容量を有する電源用ランド24において、はんだ15の冷却速度を遅くすることができる。このため、電源用ランド24においてはんだ15が広がり易い。
はんだごて13が電源用はんだ供給位置X1にあるときの移動速度が、はんだごて13が信号用はんだ供給位置X3にあるときの移動速度に比べて遅い。このため、信号用ランド26に供給されるはんだ15に比べて、電源用ランド24に供給されるはんだ15には大きな熱エネルギーが付与される。したがって、信号用ランド26よりも大きな熱容量を有する電源用ランド24において、はんだ15の冷却速度を遅くすることができる。このため、電源用ランド24においてはんだ15が広がり易い。
また、はんだごて13がグランド用はんだ供給位置X2にあるときの移動速度が、はんだごて13が電源用はんだ供給位置X1にあるときの移動速度に比べて遅い。このため、電源用ランド24に供給されるはんだ15に比べて、グランド用ランド25に供給されるはんだ15には大きな熱エネルギーが付与される。したがって、電源用ランド24よりも大きな熱容量を有するグランド用ランド25において、はんだ15の冷却速度を遅くすることができる。このため、グランド用ランド25においてはんだ15が広がり易い。
本実施形態のはんだ付け装置1は以下の効果を奏する。
(1)制御装置16は、基板2に対するはんだごて13の位置がグランド用はんだ供給位置X2のときにはんだごて13からはんだ15に付与する熱量を、基板2に対するはんだごて13の位置が電源用はんだ供給位置X1のときにはんだごて13からはんだ15に付与する熱量よりも大きくする。このため、グランド用はんだ供給位置X2におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量が、電源用はんだ供給位置X1におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量と同じ場合と比較して、グランド用ランド25のはんだ15に付与される熱量が大きくなる。このため、グランド用ランド25に供給されるはんだ15が、グランド用ランド25の周囲に広がり易くなる。したがって、熱容量の異なる電源用ランド24およびグランド用ランド25において、引きはんだによるはんだ付けの品質が向上する。
(1)制御装置16は、基板2に対するはんだごて13の位置がグランド用はんだ供給位置X2のときにはんだごて13からはんだ15に付与する熱量を、基板2に対するはんだごて13の位置が電源用はんだ供給位置X1のときにはんだごて13からはんだ15に付与する熱量よりも大きくする。このため、グランド用はんだ供給位置X2におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量が、電源用はんだ供給位置X1におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量と同じ場合と比較して、グランド用ランド25のはんだ15に付与される熱量が大きくなる。このため、グランド用ランド25に供給されるはんだ15が、グランド用ランド25の周囲に広がり易くなる。したがって、熱容量の異なる電源用ランド24およびグランド用ランド25において、引きはんだによるはんだ付けの品質が向上する。
(2)制御装置16は、基板2に対するはんだごて13の位置がグランド用はんだ供給位置X2のときにはんだごて13からはんだ15に付与する熱量を、基板2に対するはんだごて13の位置が信号用はんだ供給位置X3のときにはんだごて13からはんだ15に付与する熱量よりも大きくする。このため、グランド用はんだ供給位置X2におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量が、信号用はんだ供給位置X3におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量と同じ場合と比較して、グランド用ランド25のはんだ15に付与される熱量が大きくなる。このため、グランド用ランド25に供給されるはんだ15が、グランド用ランド25の周囲に広がり易くなる。したがって、熱容量の異なるグランド用ランド25および信号用ランド26において、引きはんだによるはんだ付けの品質が向上する。
(3)制御装置16は、基板2に対するはんだごて15の位置が電源用はんだ供給位置X1のときにはんだごて13からはんだ15に付与する熱量を、基板2に対するはんだごて13の位置が信号用はんだ供給位置X3のときにはんだごて13からはんだ15に付与する熱量よりも大きくする。このため、電源用はんだ供給位置X1におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量が、信号用はんだ供給位置X3におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量と同じ場合と比較して、電源用ランド24のはんだ15に付与される熱量が大きくなる。このため、電源用ランド24に供給されるはんだ15が、電源用ランド24の周囲に広がり易くなる。したがって、熱容量の異なる電源用ランド24および信号用ランド26において、引きはんだによるはんだ付けの品質が向上する。
(4)制御装置16は、はんだごて13の移動速度を制御することにより、基板2に対する所定の位置においてはんだごて13からはんだ15に付与する熱量を変化させる。このため、はんだごて13の移動速度を加速させることにより、基板2に対する所定の位置におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量、例えば電源用はんだ供給位置X1におけるはんだごて13からはんだ15に付与する熱量を小さくすることができる。このため、はんだごて13を基板2に対して移動させるための機構を利用してはんだごて13からはんだ15に付与する熱量を制御することができる。
(5)はんだ付け方法は、第1〜第8工程と、引きはんだにより、第7工程で設定された移動速度ではんだごて13を移動させて所定のランド(例えば電源用ランド24)をはんだ付けし、かつ、第8工程で設定された移動速度ではんだごて13を移動させて他のランド(例えばグランド用ランド25)をはんだ付けする第9工程とを有する。このはんだ付け方法においては、試験基板7の所定のランドの温度を測定することにより、所定のランドの熱容量を把握することができる。そして、所定のランドをはんだ付けする場合に、はんだごて13からはんだ14に付与する熱量が適切な熱量となるはんだごて13の移動速度を設定することができる。また、試験基板7の他のランドの温度を測定することにより、他のランドの熱容量を把握することができる。そして、他のランドをはんだ付けする場合に、はんだごて13からはんだ15に付与する熱量が適切な熱量となるはんだごて13の移動速度を設定することができる。そして、所定のランドをはんだ付けするときのはんだごて13の移動速度と、他のランドをはんだ付けするときのはんだごて13の移動速度とを変化させることにより、はんだごて13の移動速度を変化させない場合に比べて、所定のランドと他のランドを適切にはんだ付けすることができる。このため、熱容量の異なるランドにおいて、引きはんだによるはんだ付けの品質が向上する。
(6)はんだ付け方法は、見本基板4に形成された複数のランド24〜26にはんだ付けを行って、サーモグラフィー装置6で複数のランド24〜26の温度を測定しながら、複数のランド24〜26を加熱する工程を有する。さらに、はんだ付け方法は、サーモグラフィー装置6の出力に基づいて、複数のランド24〜26のうち熱容量の異なる電源用ランド24とグランド用ランド25と信号用ランド26とを分類する工程を有する。このため、複数のランド24〜26から、第1工程により温度が測定される所定のランドと、第3工程により温度が測定される他のランドとを分類することができる。したがって、複数のランド24〜26のうち第1工程〜第4工程において温度の測定対象となるランドを決定することができる。
本発明は、上記実施形態以外の実施形態を含む。以下、本発明のその他の実施形態としての上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、互いに組み合わせることもできる。
・実施形態のはんだ付け装置1は、はんだごて13の移動速度を制御することにより、所定の位置においてはんだごて13からはんだ15に付与される熱量を制御する。一方、変形例のはんだ付け装置は、はんだごて13の発熱量を制御することにより、所定の位置においてはんだごて13からはんだ15に付与される熱量を制御する。
・実施形態の移動装置12は、はんだごて13と、はんだ供給装置14と、はんだ15とを支持する。一方、変形例の移動装置は、基板2を支持して、はんだごて13に対して移動する。
・実施形態のはんだ付け装置1において、電源用はんだ供給位置X1、グランド用はんだ供給位置X2、および信号用はんだ供給位置X3におけるはんだごて13の移動速度が、それぞれ異なる。一方、変形例のはんだ付け装置においては、電源用はんだ供給位置X1、グランド用はんだ供給位置X2、および信号用はんだ供給位置X3のうち、いずれか2つの位置におけるはんだごて13の移動速度が異なる。
・実施形態のはんだ付け方法において、複数のランド24〜26を電源用ランド24とグランド用ランド25と信号用ランド26とに分類する。一方、実施形態のはんだ付け方法において、複数のランドを、2つ、または4つ以上のランドに分類する。すなわち、引きはんだによりはんだ付けされるランドは、2つ以上に分類されればよい。
1…はんだ付け装置、2…基板、3…基板、4…見本基板、5…加熱装置、6…サーモグラフィー装置、7…試験基板、8…温度測定装置、11…支持台、12…移動装置、13…はんだごて、14…はんだ供給装置、15…はんだ、16…制御装置、21…電源供給用配線、22…グランド用配線、23…信号伝送用配線、24…電源用ランド、25…グランド用ランド、26…信号用ランド、27…電源用スルーホール、28…グランド用スルーホール、29…信号用スルーホール、31…電源供給用端子、32…グランド用端子、33…信号伝送用端子、41,42,43…ピン、81,82,83…熱電対。
Claims (6)
- はんだに対して熱エネルギーを付与することにより前記はんだを溶かし、グランド用配線の一部を含むグランド用ランド、および電源供給用配線の一部を含む電源用ランドが形成された基板に対して移動し、前記基板に対する位置がグランド用はんだ供給位置のときに溶融した前記はんだを前記グランド用ランドに供給し、前記基板に対する位置が電源用はんだ供給位置のときに溶融した前記はんだを前記電源用ランドに供給するはんだごてと、
前記基板に対して前記はんだごてを一直線に移動させることにより、前記基板に対する前記はんだごての位置を少なくとも前記グランド用はんだ供給位置および前記電源用はんだ供給位置に変更する移動装置と、
前記基板に対する前記はんだごての位置が前記グランド用はんだ供給位置のときに前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量を、前記基板に対する前記はんだごての位置が前記電源用はんだ供給位置のときに前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量よりも大きくする制御装置と
を有するはんだ付け装置。 - はんだに対して熱エネルギーを付与することにより前記はんだを溶かし、グランド用配線の一部を含むグランド用ランド、および信号伝送用配線の一部を含む信号用ランドが形成された基板に対して移動し、前記基板に対する位置がグランド用はんだ供給位置のときに溶融した前記はんだを前記グランド用ランドに供給し、前記基板に対する位置が信号用はんだ供給位置のときに溶融した前記はんだを前記信号用ランドに供給するはんだごてと、
前記基板に対して前記はんだごてを一直線に移動させることにより、前記基板に対する前記はんだごての位置を少なくとも前記グランド用はんだ供給位置および前記信号用はんだ供給位置に変更する移動装置と、
前記基板に対する前記はんだごての位置が前記グランド用はんだ供給位置のときに前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量を、前記基板に対する前記はんだごての位置が前記信号用はんだ供給位置のときに前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量よりも大きくする制御装置と
を有するはんだ付け装置。 - はんだに対して熱エネルギーを付与することにより前記はんだを溶かし、電源供給用配線の一部を含む電源用ランド、および信号伝送用配線の一部を含む信号用ランドが形成された基板に対して移動し、前記基板に対する位置が電源用はんだ供給位置のときに溶融した前記はんだを前記電源用ランドに供給し、前記基板に対する位置が信号用はんだ供給位置のときに溶融した前記はんだを前記信号用ランドに供給するはんだごてと、
前記基板に対して前記はんだごてを一直線に移動させることにより、前記基板に対する前記はんだごての位置を少なくとも前記電源用はんだ供給位置および前記信号用はんだ供給位置に変更する移動装置と、
前記基板に対する前記はんだごての位置が前記電源用はんだ供給位置のときに前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量を、前記基板に対する前記はんだごての位置が前記信号用はんだ供給位置のときに前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量よりも大きくする制御装置と
を有するはんだ付け装置。 - 前記制御装置は、前記はんだごての移動速度を制御することにより、前記基板に対する所定の位置において前記はんだごてから前記はんだに付与する熱量を変化させる
請求項1〜3のいずれか一項に記載のはんだ付け装置。 - はんだごてを所定の移動速度で一直線に移動させる引きはんだにより、基板に形成された熱容量の異なる複数のランドをはんだ付けするはんだ付け方法であって、
試験基板に形成された所定のランドを、この所定のランドの温度を測定しながら、引きはんだによりはんだ付けする第1工程と、
前記第1工程の引きはんだと異なる移動速度で前記はんだごてを移動させて、前記所定のランドを、この所定のランドの温度を測定しながら、引きはんだによりはんだ付けする第2工程と、
試験基板に形成された他のランドを、この他のランドの温度を測定しながら、引きはんだによりはんだ付けする第3工程と、
前記第3工程の引きはんだと異なる移動速度で前記はんだごてを移動させて、前記他のランドを、この他のランドの温度を測定しながら、引きはんだによりはんだ付けする第4工程と、
前記第1工程および前記第2工程における前記所定のランドの温度測定結果に基づいて、前記所定のランドの温度と、前記はんだごての移動速度との関係を示す近似式を導出する第5工程と、
前記第3工程および前記第4工程における前記所定のランドの温度測定結果に基づいて、前記他のランドの温度と、前記はんだごての移動速度との関係を示す近似式を導出する第6工程と、
前記第5工程で導出された近似式に基づいて、前記基板に形成された所定のランドをはんだ付けするときの前記はんだごての移動速度を設定する第7工程と、
前記第6工程で導出された近似式に基づいて、前記基板に形成された他のランドをはんだ付けするときの前記はんだごての移動速度を設定する第8工程と、
引きはんだにより、前記第7工程で設定された移動速度で前記はんだごてを移動させて前記基板に形成された所定のランドをはんだ付けし、かつ、前記第8工程で設定された移動速度で前記はんだごてを移動させて前記基板に形成された他のランドをはんだ付けする第9工程と
を有するはんだ付け方法。 - 見本基板に形成された複数のランドにはんだ付けを行って、サーモグラフィー装置で前記複数のランドの温度を測定しながら、前記複数のランドを加熱する工程と、
前記サーモグラフィー装置の出力に基づいて、前記複数のランドのうち熱容量の異なる所定のランドと他のランドとを分類する工程と
をさらに有する請求項5に記載のはんだ付け方法。
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