JP2009004482A - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線基板の製造方法において、基材に対する熱負荷が少なく、焼成に要する時間を短縮することができるようにする。
【解決手段】基材1上に導電性物質で配線2を描画する描画工程と、導電性物質で配線2が描画された基材1を基材1の耐熱温度よりも低い温度で加熱処理する加熱工程と、加熱処理した基材1の配線2に通電することによって、配線2を発熱させ、配線2を形成している導電性物質を焼成処理する焼成工程とを備える方法とする。
【選択図】図2
【解決手段】基材1上に導電性物質で配線2を描画する描画工程と、導電性物質で配線2が描画された基材1を基材1の耐熱温度よりも低い温度で加熱処理する加熱工程と、加熱処理した基材1の配線2に通電することによって、配線2を発熱させ、配線2を形成している導電性物質を焼成処理する焼成工程とを備える方法とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、配線基板の製造方法に関する。例えば、導電性ペーストや導電性インクなどの導電性物質で基材上に配線を描画して、焼成処理することによって回路を形成する配線基板の製造方法に関する。
従来、基材上に導電性ペーストなどの導電性物質で描画して配線基板を得るためには、基材上に導電性物質でディスペンサなどの描画手段により配線描画した後に、この基材を乾燥炉などの焼成処理手段を用いて焼成処理する方法が周知の技術として広く知られている。
例えば、この種の配線基板の製造に関する技術として、特許文献1には、銀ペーストを用いて基板上に回路パターンを描画した後に、この回路パターンに電圧を印加して当該回路の比抵抗を調整し、その後、120℃以上(120〜200℃の範囲)に調温したIR炉内で1〜10分ほど仮乾燥させ、続いて120℃以上(120〜200℃の範囲)に調温した熱風循環炉内で5〜60分ほど乾燥させることにより、基板上の銀ペーストを焼成、固化させた電気回路の製造方法が記載されている。
特開2003−188499号公報
例えば、この種の配線基板の製造に関する技術として、特許文献1には、銀ペーストを用いて基板上に回路パターンを描画した後に、この回路パターンに電圧を印加して当該回路の比抵抗を調整し、その後、120℃以上(120〜200℃の範囲)に調温したIR炉内で1〜10分ほど仮乾燥させ、続いて120℃以上(120〜200℃の範囲)に調温した熱風循環炉内で5〜60分ほど乾燥させることにより、基板上の銀ペーストを焼成、固化させた電気回路の製造方法が記載されている。
しかしながら、上記のような従来の配線基板の製造方法には、以下のような問題があった。
導電性物質の焼成処理は、導電性物質の種類によっても異なるが、例えば、ドータイト(登録商標)FA−333(藤倉化成(株)製)の場合には、メーカー推奨の焼成条件は、120℃で10分である。この導電性ペーストは、数多くある導電性ペーストの中でも低温かつ短時間で焼成が可能なタイプであり、焼成時間が長いものでは、1時間近くの時間を要する。そのため、このような焼成処理には、10分〜1時間程度の長時間を要することになり、生産タクトタイムが延びてしまうという問題がある。
焼成処理における生産タクトタイムを短縮させる方法としては、焼成処理するための装置を増設することも考えられるが、装置の増設は、設備費用や設置面積の増大をもたらし、その結果、製造コストが増大してしまう。また、焼成処理装置の中を、ベルトなどで基板を搬送するインライン型の処理装置もあるが、長時間の焼成処理をするためには、装置全体の長さが長くなって設置面積が増大し、その結果、製造コストが増大するという問題がある。
また、特許文献1に記載の技術では、基板上に銀ペーストで回路パターンを描画して、回路パターンに電圧を印加して比抵抗を調整してから、IR炉及び熱風循環炉内にて120〜200℃という高温で基板を焼成しているが、焼成に時間がかかることは同様であり、特に150℃以上のような高温加熱を行う場合には、基板の材質によっては、基板が熱変形または変性する可能性もあるという問題がある。
さらに、銀ペーストは、描画直後では、まだペースト状態で固化していないため、電圧を印加しようとする接点との接続が不十分となり、確実な電圧印加ができない可能性もある。
導電性物質の焼成処理は、導電性物質の種類によっても異なるが、例えば、ドータイト(登録商標)FA−333(藤倉化成(株)製)の場合には、メーカー推奨の焼成条件は、120℃で10分である。この導電性ペーストは、数多くある導電性ペーストの中でも低温かつ短時間で焼成が可能なタイプであり、焼成時間が長いものでは、1時間近くの時間を要する。そのため、このような焼成処理には、10分〜1時間程度の長時間を要することになり、生産タクトタイムが延びてしまうという問題がある。
焼成処理における生産タクトタイムを短縮させる方法としては、焼成処理するための装置を増設することも考えられるが、装置の増設は、設備費用や設置面積の増大をもたらし、その結果、製造コストが増大してしまう。また、焼成処理装置の中を、ベルトなどで基板を搬送するインライン型の処理装置もあるが、長時間の焼成処理をするためには、装置全体の長さが長くなって設置面積が増大し、その結果、製造コストが増大するという問題がある。
また、特許文献1に記載の技術では、基板上に銀ペーストで回路パターンを描画して、回路パターンに電圧を印加して比抵抗を調整してから、IR炉及び熱風循環炉内にて120〜200℃という高温で基板を焼成しているが、焼成に時間がかかることは同様であり、特に150℃以上のような高温加熱を行う場合には、基板の材質によっては、基板が熱変形または変性する可能性もあるという問題がある。
さらに、銀ペーストは、描画直後では、まだペースト状態で固化していないため、電圧を印加しようとする接点との接続が不十分となり、確実な電圧印加ができない可能性もある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、基材に対する熱負荷が少なく、焼成に要する時間を短縮することができる配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の配線基板の製造方法は、基材上に導電性物質で配線を描画する描画工程と、前記導電性物質で配線が描画された基材を該基材の耐熱温度よりも低い温度で加熱処理する加熱工程と、前記加熱処理した基材の配線に通電することによって、該配線を発熱させ、該配線を形成している前記導電性物質を焼成処理する焼成工程とを備える方法とする。
この発明によれば、描画工程後に、加熱工程を行うことで、導電性物質を乾燥固化させることができるので、配線への確実な通電が可能となることにより安定した発熱が可能となる。そのため、次の焼成工程において配線に通電すると、配線での発熱によって配線を形成する導電性物質が焼成される。この結果、基板全体を高温に加熱することなく短時間でも効率的に焼成処理を行うことができる。
この発明によれば、描画工程後に、加熱工程を行うことで、導電性物質を乾燥固化させることができるので、配線への確実な通電が可能となることにより安定した発熱が可能となる。そのため、次の焼成工程において配線に通電すると、配線での発熱によって配線を形成する導電性物質が焼成される。この結果、基板全体を高温に加熱することなく短時間でも効率的に焼成処理を行うことができる。
また、本発明の配線基板の製造方法では、前記焼成工程では、前記焼成処理において、前記導電性物質の発熱温度を、前記基材の耐熱温度よりも低い温度に調整する方法であることが好ましい。
この場合、加熱工程と同様、導電性物質の発熱温度を、基材の耐熱温度よりも低い温度に調整して焼成工程を行うので、基材の熱変形や変性などを防止することができる。
この場合、加熱工程と同様、導電性物質の発熱温度を、基材の耐熱温度よりも低い温度に調整して焼成工程を行うので、基材の熱変形や変性などを防止することができる。
本発明の配線基板の製造方法によれば、描画された配線を加熱工程で加熱処理してから、配線に通電してその発熱により焼成処理を行うので、基材に対する熱負荷が少なく、焼成に要する時間を短縮することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法で製造する配線基板の一例を示す模式的な平面図である。図2は、本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法の焼成工程について説明する工程説明図である。
図1は、本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法で製造する配線基板の一例を示す模式的な平面図である。図2は、本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法の焼成工程について説明する工程説明図である。
本実施形態の配線基板の製造方法は、描画工程、加熱工程、焼成工程を順次行うことで、例えば、図1に示すような配線基板10を製造する方法である。
描画工程は、基材上に導電性物質で配線を描画する工程である。
例えば、図1に示すように、基板本体となる基材1の上面に、図示しないディスペンス装置を用いて、導電性物質である銀ペーストにより、電極A、Bをその両端に備えた配線2を描画する。
基材1の材質としては、適宜の基板用材質を採用することができるが、本実施形態では、ポリカーボネートを用いた例で説明する。ポリカーボネートの耐熱温度は、グレードなどにもよるが、140℃〜150℃程度である。
配線2の形状は、製作する回路パターンの必要に応じて適宜設定することができるが、以下では、一例として、配線長が106mm、配線幅が200μm(電極A、B部分は除く)、配線高が50μmの場合で説明する。
配線2の材質としては、本実施形態では、一例として、ドータイト(登録商標)FA−333(藤倉化成(株)製)を採用している。
描画工程は、基材上に導電性物質で配線を描画する工程である。
例えば、図1に示すように、基板本体となる基材1の上面に、図示しないディスペンス装置を用いて、導電性物質である銀ペーストにより、電極A、Bをその両端に備えた配線2を描画する。
基材1の材質としては、適宜の基板用材質を採用することができるが、本実施形態では、ポリカーボネートを用いた例で説明する。ポリカーボネートの耐熱温度は、グレードなどにもよるが、140℃〜150℃程度である。
配線2の形状は、製作する回路パターンの必要に応じて適宜設定することができるが、以下では、一例として、配線長が106mm、配線幅が200μm(電極A、B部分は除く)、配線高が50μmの場合で説明する。
配線2の材質としては、本実施形態では、一例として、ドータイト(登録商標)FA−333(藤倉化成(株)製)を採用している。
次に、加熱工程では、配線2が描画された基材1を120℃に設定した乾燥炉(図示略)に数分間(10分以内が適当)入れて加熱する。この加熱温度は、本実施形態における銀ペースト中の溶剤成分を揮発させて銀ペーストを固化させることができ、かつ基材1の耐熱温度より低温となるように設定している。
このように、基材1の耐熱温度よりも低い温度で加熱処理することで、基材1の熱変形及び変性を防止している。
このように、基材1の耐熱温度よりも低い温度で加熱処理することで、基材1の熱変形及び変性を防止している。
次に、焼成工程では、図2に示すように、基材1を乾燥炉から取り出した後、基材1の配線2の両端に設けられた電極A−B間に直流電源3を接続し、さらに電流計4、電圧計5を接続して、配線に流れる電流と、電極A−B間の電圧をモニタできるようにしている。
接続後、直流電源3により、基材1の電極A−B間に直流電圧を印加して、配線2に通電する。印加電圧を変化させることで、配線2に流れる電流の大きさを変化させ、配線2を発熱させる。そして、この発熱によって導電性物質を焼成する。このとき、本実施形態では、配線2の温度変化を、図示しないサーモグラフィにより観察する。そして、サーモグラフィ観察によって、配線2の周辺の表面温度が、基材1の耐熱温度よりも低い温度となるように、直流電源3の印加電圧を調整する。
本実施形態では、配線2の周辺の表面温度が、基材1の耐熱温度より低い温度、例えば、120℃となるように印加電圧を制御する。本実施形態の配線基板10では、このときの電圧計5による電圧の測定値は、およそ3.5V、電流計4による測定値は、およそ0.6A〜0.66Aであった。
このような温度状態を1分間保持した後、直流電源3による通電を停止する。これにより、焼成工程を終了する。
以上で、配線基板10の製造が完了する。
接続後、直流電源3により、基材1の電極A−B間に直流電圧を印加して、配線2に通電する。印加電圧を変化させることで、配線2に流れる電流の大きさを変化させ、配線2を発熱させる。そして、この発熱によって導電性物質を焼成する。このとき、本実施形態では、配線2の温度変化を、図示しないサーモグラフィにより観察する。そして、サーモグラフィ観察によって、配線2の周辺の表面温度が、基材1の耐熱温度よりも低い温度となるように、直流電源3の印加電圧を調整する。
本実施形態では、配線2の周辺の表面温度が、基材1の耐熱温度より低い温度、例えば、120℃となるように印加電圧を制御する。本実施形態の配線基板10では、このときの電圧計5による電圧の測定値は、およそ3.5V、電流計4による測定値は、およそ0.6A〜0.66Aであった。
このような温度状態を1分間保持した後、直流電源3による通電を停止する。これにより、焼成工程を終了する。
以上で、配線基板10の製造が完了する。
上記の焼成工程では、配線2に発生するジュール発熱によって、焼成を行うため、基材1は、配線2からの熱伝導によって昇温される。そのため、サーモグラフィで観察したところ、温度が高い部分は、図2に示される破線で囲まれた配線2の周辺部だけであり、配線2から離れた部分では基材1の温度は120℃よりも低かった。
次に、上述した焼成工程において配線2に通電して配線2を発熱させることでどの程度抵抗値が改善されるか検証した実験と、その実験結果について説明する。
図3は、加熱工程の加熱時間を変化させた場合の、加熱工程終了後における配線の抵抗値の測定結果を示すグラフである。図4は、加熱工程の加熱時間を変化させた場合の、焼成工程終了後における配線の抵抗値の測定結果を示すグラフである。図3、4は、いずれも、横軸が乾燥炉放置時間(加熱時間)(分)、縦軸が抵抗値(Ω)を示す。
図3は、加熱工程の加熱時間を変化させた場合の、加熱工程終了後における配線の抵抗値の測定結果を示すグラフである。図4は、加熱工程の加熱時間を変化させた場合の、焼成工程終了後における配線の抵抗値の測定結果を示すグラフである。図3、4は、いずれも、横軸が乾燥炉放置時間(加熱時間)(分)、縦軸が抵抗値(Ω)を示す。
まず、上記に説明した条件の材質、配線長、配線幅、配線高で、基材1上に、電極A、Bを含む配線2を描画した8枚のサンプル基板を作製した。そして、これらサンプル基板を、120℃に設定された乾燥炉に入れて、加熱工程を行った。このとき、加熱時間である乾燥炉放置時間を、サンプル基板ごとに、それぞれ1分、3分、5分、10分、15分、20分、25分、30分のように8通りに変えて加熱を行った。
そして、これらサンプル基板を乾燥炉から取り出し、低抵抗測定器を用いて4端子法により、それぞれの配線2の電極A−B間の配線抵抗を測定した。
そして、これらサンプル基板を乾燥炉から取り出し、低抵抗測定器を用いて4端子法により、それぞれの配線2の電極A−B間の配線抵抗を測定した。
図3にこの測定結果を示す。このグラフから分かるように、配線抵抗は、加熱工程における加熱時間が短いほど大きな抵抗値をとり、加熱時間が長くなるほど、徐々に抵抗値が小さくなり、加熱時間15分以上では、抵抗値が5Ω程度に収束する傾向がある。すなわち、加熱時間15分以上で、略安定した抵抗値が得られる。
次に、加熱工程を終えた各サンプル基板に対して、上記に説明した条件で焼成工程を行った。すなわち、サーグラフィでの表面温度を観察しながら、配線2に通電し、配線2の周辺の表面温度が120℃となる状態を1分間保持した後、直流電源3の通電を停止した。
そして、焼成工程終了後、上記と同様にして、低抵抗測定器を用いて4端子法により配線抵抗を測定した。
そして、焼成工程終了後、上記と同様にして、低抵抗測定器を用いて4端子法により配線抵抗を測定した。
図4にこの測定結果を示す。このグラフから分かるように、各サンプル基板とも、4Ω強の略一定の抵抗値が測定された。この抵抗値は、加熱時間15分以上の場合の、加熱工程後の抵抗値約5Ωよりも約1Ω低くなっている。したがって、加熱工程のみを行う場合に比べて、より抵抗値が低くなっている。
すなわち、加熱工程における加熱時間が1分から30分の間で異なっていても、略同一の抵抗値が得られた。特に、配線抵抗値が高くかつ乾燥炉での加熱時間が15分以内のサンプル基板は、焼成工程のおける通電後に、配線抵抗が大きく低下している。例えば、乾燥炉放置時間1分のサンプル基板では、加熱工程後9Ωであった抵抗値が、焼成工程後には4Ω強にまで約5Ω程度低下している。た。また、乾燥炉放置時間3分のサンプル基板では、約7Ωから約3Ω程度低下している。
すなわち、加熱工程における加熱時間が1分から30分の間で異なっていても、略同一の抵抗値が得られた。特に、配線抵抗値が高くかつ乾燥炉での加熱時間が15分以内のサンプル基板は、焼成工程のおける通電後に、配線抵抗が大きく低下している。例えば、乾燥炉放置時間1分のサンプル基板では、加熱工程後9Ωであった抵抗値が、焼成工程後には4Ω強にまで約5Ω程度低下している。た。また、乾燥炉放置時間3分のサンプル基板では、約7Ωから約3Ω程度低下している。
この実験結果から、加熱工程後に配線2に通電して発熱させることによって、加熱工程後の状態から、さらに焼成が進むことで、配線抵抗値が低下したと考えられる。
また、配線2を通電してジュール発熱させると、配線2の内部側から配線2の全体に渡って迅速かつ効率的に加熱されるのに対して、乾燥炉のような雰囲気加熱では、配線2の外部から基材1とともに加熱されるため、昇温に時間がかかり、温度分布も不均一になりやすいことから、表面温度は同じ120℃でも、通電加熱では1分という短時間で十分な焼成効果を発揮することができたと考えられる。
一方、加熱工程を行わない場合には、配線抵抗値が極めて高いことは当然であるが、この状態で配線2に通電してもほとんど発熱しないため、通電後の配線抵抗値も低下しない。
ここで、加熱工程は、加熱により焼成を部分的に進行させる作用とともに、通電性物質中の溶剤成分を揮発させ、配線2を固化させることで、安定したジュール発熱が可能とする作用を備えていると考えられる。そのため、従来技術のように、加熱工程を行うことなく配線2に通電した場合には、同様の効果は期待できないものである。
すなわち、この実験例によれば、加熱工程における加熱工程は1分で十分であり、焼成工程の通電時間1分と合わせて、最短2分という製造時間で配線抵抗値の低い配線回路を形成することが確認できた。
また、配線2を通電してジュール発熱させると、配線2の内部側から配線2の全体に渡って迅速かつ効率的に加熱されるのに対して、乾燥炉のような雰囲気加熱では、配線2の外部から基材1とともに加熱されるため、昇温に時間がかかり、温度分布も不均一になりやすいことから、表面温度は同じ120℃でも、通電加熱では1分という短時間で十分な焼成効果を発揮することができたと考えられる。
一方、加熱工程を行わない場合には、配線抵抗値が極めて高いことは当然であるが、この状態で配線2に通電してもほとんど発熱しないため、通電後の配線抵抗値も低下しない。
ここで、加熱工程は、加熱により焼成を部分的に進行させる作用とともに、通電性物質中の溶剤成分を揮発させ、配線2を固化させることで、安定したジュール発熱が可能とする作用を備えていると考えられる。そのため、従来技術のように、加熱工程を行うことなく配線2に通電した場合には、同様の効果は期待できないものである。
すなわち、この実験例によれば、加熱工程における加熱工程は1分で十分であり、焼成工程の通電時間1分と合わせて、最短2分という製造時間で配線抵抗値の低い配線回路を形成することが確認できた。
また、この実験例では、基材1に加わる温度は基材1の耐熱温度より低い120℃であったので、基材1であるポリカーボネートが熱変形することもなかった。さらに、発熱は配線2から発生したので、加熱される部分は配線2の周辺部のみであり、そのため、基材1への熱的影響も小さかった。
以上に説明したように、本実施形態の配線基板の製造方法によれば、描画工程で描画された配線を加熱工程で加熱処理してから、配線に通電してその発熱により焼成処理を行うので、基材に対する熱負荷が少なく、焼成に要する時間を短縮することができる。
なお、上記の説明では、基材1としてポリカーボネートを用いた例で説明したため、加熱工程、焼成工程で保持される温度を、ポリカーボネートの耐熱温度よりも低い120℃に調整したが、ポリカーボネートではなく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリイミドなどの樹脂が用いる場合には、これらポリエチレンテレフタレート、ポリイミドなどの耐熱温度よりも低い温度に設定する。
また、配線2の配線長、配線幅、配線高も一例であって、上記数値に限定されず、使用形態に応じて適宜定められるものである。
また、配線2の配線長、配線幅、配線高も一例であって、上記数値に限定されず、使用形態に応じて適宜定められるものである。
また、上記の説明では、配線2を描画する導電性物質として、銀ペーストを用いたが、導電性物質は、例えば銀などのナノ粒子を含んだインクでもよい。
また、描画装置としてはディスペンス装置を用いた例で説明したが、ナノ粒子を含むインクの場合は、インクジェット装置により描画しても良く、描画装置はディスペンス装置に限定されるものではない。
また、描画装置としてはディスペンス装置を用いた例で説明したが、ナノ粒子を含むインクの場合は、インクジェット装置により描画しても良く、描画装置はディスペンス装置に限定されるものではない。
また、上記の説明では、加熱工程の加熱温度、および焼成工程の配線の温度を、基材の耐熱温度よりも低い温度に設定した場合の例で説明したが、焼成工程における発熱は、配線の近傍にしか伝わらず、発熱時間も1分程度と短いものである。したがって、例えば、配線パターンの大きさに比べて基材の熱容量が十分大きい場合や基材の熱伝導率が小さい場合など、基材の変形、変性に影響しない場合には、配線の温度は基材の耐熱温度より高い設定としてもよい。
1 基材
2 配線
10 配線基板
2 配線
10 配線基板
Claims (2)
- 基材上に導電性物質で配線を描画する描画工程と、
前記導電性物質で配線が描画された基材を該基材の耐熱温度よりも低い温度で加熱処理する加熱工程と、
前記加熱処理した基材の配線に通電することによって、該配線を発熱させ、該配線を形成している前記導電性物質を焼成処理する焼成工程とを備えることを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記焼成工程では、前記焼成処理において、前記導電性物質の発熱温度を、前記基材の耐熱温度よりも低い温度に調整することを特徴とする請求項1記載の配線基板の製造方法。
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